JP3430990B2 - 玉状冷凍パン生地の焼成前処理方法 - Google Patents
玉状冷凍パン生地の焼成前処理方法Info
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Description
焼成前処理方法に関する。尚、本発明でいう「玉状冷凍
パン生地」とは、成形されていない冷凍パン生地を指し
ており、冷凍パン生地の形状は特に限定されるものでは
なく、成形前の玉状や板状のパン生地を指す。
ら生地を取り出し、これを室内で解凍させる室温解凍法
や、発酵室を利用して解凍させる発酵室解凍法が最も一
般的であり、解凍終了後(生地温度が0℃〜20℃)に
生地を成形し直ちにホイロに入れ最終発酵工程をおこな
っている。この方法では1時間〜3時間で生地の解凍が
終了する。ただし、生地表面の濡れが激しいため生地に
ビニール袋等を被せて生地の濡れを防ぐ等の対応が必要
である。また、最終発酵工程終了後、焼成に適当な生地
状態を長時間維持する手段として、最終発酵後、0℃〜
18℃の温度範囲に維持しパン酵母の活性を抑制する方
法(特開平7−155100号)が報告されている。
する課題は、煩雑である焼成前作業を単純化する、
解凍作業、成形作業の頻度を減少させ総労働量を減少さ
せる、及びパン生地の焼成頻度を上げる、の3点であ
る。玉状冷凍生地の利用はスクラッチ法(ミキシングか
ら焼成まで連続的におこなう従来の製パン方法)に比
べ、店舗内の作業を短縮し作業量を大幅に削減すること
が可能である。また、ミキサーや発酵室等の装置を必要
とせず、低設備投資、狭スペース化には有効である。し
かし60種類から100種類のパンを製造するような一
般的な店舗においては玉状冷凍生地を利用しても1日1
回から2回の製造が現状であり、常に焼きたてのパンを
消費者に提供することは困難である。この理由として挙
げられるのは、現状の焼成前処理方法では、焼成回数と
同じ回数だけ、解凍を開始し成形作業をおこなう必要が
あり、多頻度にこれらの作業をおこなうことは困難であ
るからである。従って、作業の単純化の手段として、連
続的に解凍及び発酵を行うことによって、任意の時間に
最終発酵及び焼成をすることが出来るようにすることが
望まれている。
ン生地を高温低湿度下で解凍及び発酵させ、次いで、低
温高湿度下で一定時間発酵させることにより、同一庫内
において、パン生地表面の濡れすぎ、乾きすぎがなく成
形作業性の良いパン生地を得ることができることを発見
した。即ち、本発明は、庫内温度17℃〜40℃、好ま
しくは22℃〜35℃、及び庫内相対湿度50%〜75
%、好ましくは60%〜65%に維持しながら、玉状冷
凍パン生地の解凍及び発酵工程を連続的に行い、発酵工
程終了後、庫内空気の露点温度と生地表面温度の差を2
0℃以下、好ましくは15℃以下に維持しながら、庫内
の温度を0.2℃/分以上、好ましくは0.4℃/分以
上の冷却速度で−20℃〜15℃、好ましくは0℃〜1
0℃まで冷却することによりパン生地の状態を維持し、
その後、パン生地を成形し、最終発酵を行うことからな
る、玉状冷凍パン生地の焼成前処理方法に係る。「庫内
相対湿度」とは、庫内空気の相対湿度であり、約±10
%の範囲で変動する平均値である。上記の高温低湿度下
で解凍、発酵に要する時間は、当業者が適宜設定するこ
とが出来るが、通常、数十分〜約10時間、好ましく
は、約2時間〜約4時間である。又、上記の低温高湿度
下での維持・発酵に要する時間も、当業者が適宜設定す
ることが出来るが、通常、約30分〜24時間、好まし
くは、約2時間〜約6時間である。上記設定温度以上で
長時間発酵させると、過発酵状態となり、その結果、パ
ンの焼き色が薄い、甘味が弱い等の現象が生じるので好
ましくない。尚、本発明方法において、高温低湿度下で
解凍、発酵させる間、庫内温度及び庫内相対湿度は、上
記一定範囲内で維持されれば良く、必ずしも一定値を維
持する必要はない。更に、上記冷却速度も、常に同じ値
に維持する必要はなく、所定範囲内で連続的又は段階的
に変化させることも可能である。
凍、発酵をおこない、低温高湿度下でパン生地の状態を
維持し発酵を継続するため、パン生地表面の濡れすぎ、
乾きすぎがなく成形作業性の良い生地を得ることができ
る。又、生地にビニール袋等を被せて生地の濡れ乾燥を
防ぐ等の対応が必要ないため作業性が向上し、さらに衛
生上も良好である。生地は解凍後発酵させ、さらに発酵
状態で数時間低温で維持するため発酵風味が付与され、
冷凍生地の課題であった少ない発酵量を補うことができ
る。また、本発明方法は低温で一定時間生地を維持する
ため生地の解凍ムラがほとんどなく、解凍終了後は安定
した生地温度の生地を得ることが可能であり、したがっ
て解凍・成形工程の次工程である最終発酵工程でも安定
した発酵(最終発酵時間)を得ることが可能である。更
に、0.2℃/分以上、好ましくは0.4℃/分以上と
いう、急速な冷却速度で、庫内の温度を−20℃〜15
℃にまで冷却することにより、生地中でのイースト菌の
活性を急速に抑制することが出来、その結果、冷却中の
生地状態の変化、特に、体積変化を小さくし、それによ
ってパン生地の状態を維持することが出来る。
ン生地の高温低湿度下での解凍及び発酵は、庫内相対湿
度50%〜75%、昇温速度0.1℃/分〜2℃/分、
好ましくは0.3℃/分〜1℃/分で庫内温度を17℃
〜40℃、好ましくは20℃〜40℃に上昇させること
によって実施することも出来る。特に、この際に、庫内
空気の露点温度と生地表面温度の差を20℃以下、好ま
しくは、15℃以下に維持することによって、パン生地
表面の濡れすぎ、乾きすぎがなく成形作業性の良い生地
を得ることができる。尚、かかる昇温速度は、常に同じ
値に維持する必要はなく、所定範囲内で連続的又は段階
的に変化させることも可能である。又、玉状冷凍パン生
地を庫内に入れる際の庫内温度は、必ずしも17℃〜4
0℃である必要はなく、例えば、−20℃〜15℃であ
っても良く、そのような状態で一定時間維持した後に、
庫内温度を上昇させることも可能である。尚、このよう
な条件下で庫内温度を上昇させた後、庫内温度を上記範
囲内に維持させて、発酵を継続させることも可能であ
る。又、本発明方法において庫内を所定の冷却速度で冷
却する際に、庫内空気の露点温度と生地表面温度の差を
20℃以下、好ましくは、15℃以下に維持しながら行
うことによって、パン生地表面の濡れすぎ、乾きすぎが
なく成形作業性の良い生地を得ることができる。このよ
うな庫内空気の露点温度と生地表面温度の差は平均値で
あり、約±10%の範囲で変動するものである。庫内空
気の露点温度と生地表面温度は当業者に公知の方法で測
定することが出来る。例えば、空気の露点温度は温度と
湿度の関係図である「空気線図」より求められ、生地表
面温度は周知の温度センサーを用いて実測することによ
り求めることができる。
℃〜20℃、好ましくは−5℃〜5℃、相対湿度80%
〜100%の高湿度冷蔵庫内に同じ生地状態で一定時
間、例えば、30分間〜5時間維持することが可能で、
その後に最終発酵工程に進み、最終発酵終了後に焼成す
ることが可能であることを発見した。即ち、この温度帯
においてパン酵母の活性は低い為にパン生地の膨張は殆
どなく、生地表面の濡れすぎ乾燥もないため成形状態の
生地を長時間同じ状態で維持することが可能である。こ
れにより玉状冷凍生地の焼成前処理工程で煩雑な成形作
業を一括して行うことが可能となり、必要に応じて、希
望するタイミングで次工程である最終発酵工程に移行
し、焼成してパンを得ることが可能となった。更に、最
終発酵を終了した生地を温度−5℃〜20℃、好ましく
は−5℃〜5℃、相対湿度80%〜100%の高湿度冷
蔵庫内に同じ生地状態で一定時間、例えば、30分間〜
5時間維持することが可能で、その後の任意の時間に焼
成することが可能であることを発見した。但し、最終発
酵工程後はパン酵母の活性が高くなっているため生地冷
却中の若干の生地膨張が起こる。したがってこの場合は
やや早めに最終発酵を終了する必要が生じる。本発明方
法においては、最終発酵前後の両方の時期に、上記のよ
うな状態にパン生地を維持することも可能である。
解凍、発酵、最終発酵及び最終発酵前後の冷却維持等の
各工程を行う為の装置としては、当業界で従来公知の任
意の装置を使用することが出来る。このような装置の例
として、「ドウコンディショナー」と称する、加温、冷
却、加湿、除湿等が任意に調節できる装置を挙げること
が出来る。特に、20Kgまでの冷凍パン生地仕込み量
に対して、冷凍能力が400Wより大きく、好ましくは
600W以上であり、且つ、ヒーター能力が600Wよ
り大きく、好ましくは1KW以上のドウコンディショナ
ーを使用することが望ましい。本発明方法で使用する
「玉状冷凍パン生地」の材料及びそれらの配合割合に特
に制限はない。例えば、食パン及びバターロール等の最
終製品の種類に応じて当業者が適宜選択することができ
る。各材料を適宜配合して調製した原料を、当業者には
周知の各工程、例えば、前処理、混涅、醗酵等を施した
後、更に、分割、丸め、ねかし、整形等の処理を経て、
プラストフリーザー等を用いて凍結させ、適当な温度で
冷凍庫等で凍結保存する。本発明方法においては、特に
ベンチタイムでパン生地を休める必要はなく、通常、解
凍・発酵工程後に直ちに成形工程を行うことが好まし
い。尚、成形操作はモルダー等の通常の手段で行うこと
が出来る。
るが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。尚、当業者には周知
の事項であるが、以下の表における「ベーカーズ%」は
「重量部」を意味する。
冷凍庫から取り出し、温度30℃、相対湿度70%に設
定されたドウコンディショナーに収容した。90分後に
ドウコンディショナーの設定を温度10℃、相対湿度9
8%に変え、冷却速度0.7℃/分で冷却した。この
際、庫内空気の露点温度と生地表面温度の差は約15℃
以下に維持された。120分間経過後、生地を取り出
し、直ちに成形をおこない、温度35℃、湿度70%の
ホイロ庫に入れ最終発酵終了後焼成をおこなった。
の様にして得られた玉状冷凍パン生地を冷凍庫から取り
出し、温度−20℃に設定されたドウコンディショナー
に収容し10時間維持した後、温度30℃、相対湿度5
0%に設定を変え、速度1℃/分で庫内温度を昇温させ
た。この際、庫内空気の露点温度と生地表面温度の差は
約15℃以下に維持された。110分後、ドウコンディ
ショナーの設定を温度30℃、相対湿度70%に変えて
維持し、さらに40分後、ドウコンディショナーの設定
を温度10℃、相対湿度98%に変え、冷却速度0.7
℃/分で冷却を開始した。120分経過後、生地を取り
出し、直ちに成形をおこない、温度35℃、湿度70%
のホイロ庫に入れ最終発酵終了後焼成をおこなった。
の様にして得られた玉状冷凍パン生地を冷凍庫から取り
出し、温度10℃に設定されたドウコンディショナーに
収容後、温度30℃、相対湿度50%に設定を変え、速
度1℃/分で庫内温度を昇温させた。この際、庫内空気
の露点温度と生地表面温度の差は約15℃以下に維持さ
れた。60分後、ドウコンディショナーの設定を温度3
0℃、相対湿度70%に変え、さらに30分後、ドウコ
ンディショナーの設定を温度10℃、相対湿度98%に
変え、冷却速度0.7℃/分で冷却を開始した。さらに
120分経過後、生地を取り出し、直ちに成形をおこな
い、温度35℃、湿度70%のホイロ庫に入れ最終発酵
終了後焼成をおこなった。
の様にして得られた玉状冷凍パン生地を冷凍庫から取り
出し、温度10℃に設定されたドウコンディショナーに
収容後、温度30℃、相対湿度50%に設定を変え、速
度1℃/分で庫内温度を昇温させた。60分後、ドウコ
ンディショナーの設定を温度30℃、相対湿度70%に
変え、さらに30分後、ドウコンディショナーの設定を
温度10℃、相対湿度98%に変え、冷却速度0.7℃
/分で冷却を開始した。さらに120分経過後、生地を
取り出し、直ちに成形をおこなった後、温度5℃、湿度
90%に設定された高湿度冷蔵庫に移しその状態で成形
済み生地を維持した。1時間後、温度35℃、湿度70
%のホイロ庫に入れ、最終発酵終了後焼成をおこなっ
た。
の様にして得られた玉状冷凍パン生地を冷凍庫から取り
出し、温度10℃に設定されたドウコンディショナーに
収容後、温度30℃、相対湿度50%に設定を変え、速
度1℃/分で庫内温度を昇温させた。60分後、ドウコ
ンディショナーの設定を温度30℃、相対湿度70%に
変え、さらに30分後、ドウコンディショナーの設定を
温度10℃、相対湿度98%に変え、冷却速度0.7℃
/分で冷却を開始した。さらに120分経過後、生地を
取り出し、直ちに成形をおこない、温度35℃、湿度7
0%のホイロ庫に入れ、最終発酵が終了後、生地を温度
5℃、湿度90%に設定された高湿度冷蔵庫に移しその
状態で維持した。1時間後高湿度冷蔵庫から最終発酵済
み生地を取り出し焼成をおこなった。
の様にして得られた玉状冷凍パン生地を冷凍庫から取り
出し、温度10℃に設定されたドウコンディショナーに
収容後、温度30℃、相対湿度50%に設定を変え、速
度1℃/分で庫内温度を昇温させた。60分後、ドウコ
ンディショナーの設定を温度30℃、相対湿度70%に
変え、さらに30分後、ドウコンディショナーの設定を
温度10℃、相対湿度98%に変え、冷却速度0.7℃
/分で冷却を開始した。さらに120分経過後、生地を
取り出し、直ちに成形をおこなった後、温度5℃、湿度
90%に設定された高湿度冷蔵庫に移しその状態で成形
済み生地を維持した。1時間後、温度35℃、湿度70
%のホイロ庫に入れ最終発酵をおこなった。最終発酵が
終了した生地は温度5℃、湿度90%に設定された高湿
度冷蔵庫に移しその状態で維持した。1時間後、高湿度
冷蔵庫から最終発酵済み生地を取り出し焼成をおこなっ
た。
の様にして得られた玉状冷凍パン生地を冷凍庫から取り
出し、温度10℃に設定されたドウコンディショナーに
収容した後、温度30℃、相対湿度80%に設定を変
え、速度1℃/分で庫内温度を昇温させた。(この際、
庫内空気の露点温度と生地表面温度の差は20℃より大
であった。)90分後、生地を取り出し成形をおこな
い、温度35℃、湿度70%のホイロ庫に入れ最終発酵
終了後焼成をおこなった。
の様にして得られた玉状冷凍パン生地を冷凍庫から取り
出し、温度10℃に設定されたドウコンディショナーに
収容後、温度30℃、相対湿度50%に設定を変え、速
度1℃/分で庫内温度を昇温させた。60分後、ドウコ
ンディショナーの設定を温度30℃、相対湿度70%に
変え、さらに30分後、ドウコンディショナーの設定を
温度10℃、相対湿度60%に変え、冷却速度0.7℃
/分で冷却を開始した。(この際、庫内空気の露点温度
と生地表面温度の差は20℃より大であった。)さらに
120分経過後、生地を取り出し、直ちに成形をおこな
い、温度35℃、湿度70%のホイロ庫に入れ最終発酵
終了後焼成をおこなった。
の様にして得られた玉状冷凍パン生地を冷凍庫から取り
出し、温度10℃に設定されたドウコンディショナーに
収容後、温度30℃、相対湿度50%に設定を変え、速
度1℃/分で庫内温度を昇温させた。60分後、ドウコ
ンディショナーの設定を温度30℃、相対湿度70%に
変え、さらに30分後、ドウコンディショナーの設定を
温度10℃、相対湿度98%に変え、冷却速度0.7℃
/分で冷却を開始した。さらに120分経過後、生地を
取り出し、直ちに成形をおこなった後、温度28℃、湿
度65%の部屋に放置し、その状態で成形済み生地を維
持した。1時間後、温度35℃、湿度70%のホイロ庫
に入れ、最終発酵終了後焼成をおこなった。
の様にして得られた玉状冷凍パン生地を冷凍庫から取り
出し、温度10℃に設定されたドウコンディショナーに
収容後、温度30℃、相対湿度50%に設定を変え、速
度1℃/分で庫内温度を昇温させた。60分後、ドウコ
ンディショナーの設定を温度30℃、相対湿度70%に
変え、さらに30分後、ドウコンディショナーの設定を
温度10℃、相対湿度98%に変え、冷却速度0.7℃
/分で冷却を開始した。さらに120分経過後、生地を
取り出し、直ちに成形をおこない、温度35℃、湿度7
0%のホイロ庫に入れ、最終発酵が終了後、生地は温度
28℃、湿度65%の部屋に1時間放置した後焼成をお
こなった。
例はいずれも各比較例に比べ、焼成前の生地表面の状態
が良く、焼成後得られたパンの品質も良好であった。各
実施例において所定の高温低湿度(温度30℃、相対湿
度70%以上)の状態に90〜150分間維持されるこ
とで生地は解凍及び発酵が進み、焼成後のパンは発酵風
味が良好であった。また、低温で維持した生地は表面が
適度にしとり感があり、物性は伸展性が良く、成形の作
業性が非常に良いものであった。比較例1において温度
30℃、相対湿度80%で解凍した生地は生地表面に多
量に結露がおこり、べた付きがひどく、成形作業性も悪
く形状の悪いパンとなった。また、比較例2において低
温、低湿度で生地を数時間維持すると生地表面に乾燥が
生じ、パン表面、内相に荒れが認められた。成形後、さ
らに最終発酵終了後の生地を温度5℃、湿度90%以上
の高湿度冷蔵庫に入れることにより、その状態を数時間
まで同じ状態で維持することが可能であることが明らか
になった。最終発酵終了後の生地はしばらく膨張が認め
られるが直ちに膨張が停止し大きな問題はない。これに
対して、比較例3及び4に見られるように、室温に放置
すると生地の膨張、表面の乾燥が現れパン品質に重大な
悪影響を与えた。
夜から、又は必要に応じて解凍を開始することが可能で
あり、常時解凍状態の生地を確保することが可能であ
る。また、解凍状態の生地は安定である為、空いた時
間、任意の時間に成形作業をおこなうことが可能であ
り、必要に応じて必要量だけ最終発酵、焼成工程に進め
ることができる。したがって1日に複数回のパン焼成が
可能であり、さらに販売の状態を考慮しながら製造個数
を調整することも可能である。従って、本発明の焼成前
処理方法は、少人数で、他品種のパンを、多頻度で、任
意の時間に焼成することを可能とする方法である。
Claims (4)
- 【請求項1】庫内空気の露点温度と生地表面温度の差を
20℃以下に維持しながら、昇温速度0.1℃/分〜2
℃/分で庫内温度を17℃〜40℃に上昇させることに
よって、玉状冷凍パン生地の解凍及び発酵工程を連続的
に行い、発酵工程終了後、庫内空気の露点温度と生地表
面温度の差を20℃以下に維持しながら、庫内の温度を
0.2℃/分以上の冷却速度で−20℃〜15℃まで冷
却することによりパン生地の状態維持し、その後、パン
生地を成形し、成形したパン生地をさらに温度−5℃〜
20℃、相対湿度80%〜100%の高湿度冷蔵庫内に
一定時間維持し、その後に最終発酵工程を行ない、最終
発酵を終了したパン生地をさらに温度−5℃〜20℃、
相対湿度80%〜100%の高湿度冷蔵庫内に一定時間
維持し、その後に焼成することを特徴とする、玉状冷凍
パン生地の焼成前処理方法。 - 【請求項2】庫内の昇温速度を0.3℃〜1℃/分で庫
内温度を20℃〜40℃に上昇させることを特徴とす
る、請求項1に記載の玉状冷凍パン生地の焼成前処理方
法。 - 【請求項3】最高庫内温度が22℃〜35℃であること
を特徴とする、請求項1又は2に記載の玉状冷凍パン生
地の焼成前処理方法。 - 【請求項4】発酵工程終了後の庫内の冷却速度が0.4
℃/分以上であることを特徴とする請求項1,2,又は
3のいずれか一項に記載の玉状冷凍パン生地の焼成前処
理方法。
Priority Applications (2)
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