JP2000154889A - 架橋ポリオレフィン管 - Google Patents

架橋ポリオレフィン管

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JP2000154889A
JP2000154889A JP11260044A JP26004499A JP2000154889A JP 2000154889 A JP2000154889 A JP 2000154889A JP 11260044 A JP11260044 A JP 11260044A JP 26004499 A JP26004499 A JP 26004499A JP 2000154889 A JP2000154889 A JP 2000154889A
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copolymer
crosslinked polyolefin
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ethylene
crosslinked
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JP11260044A
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Jichio Deguchi
自治夫 出口
Noriaki Hattori
憲明 服部
Yasuhisa Mizuno
靖久 水野
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Japan Polychem Corp
Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたクリープ性能を長期間に亘って維持
し、製造時の成形機のモーター負荷を大きくせず、原料
樹脂の焼けも生じない架橋ポリオレフィン管を提供する
こと。 【解決手段】 エチレンと炭素数が4以上のα−オレフ
ィン類との共重合体よりなる架橋ポリオレフィン管にお
いて、共重合体はMFRが0.1〜95g/10分、密
度が0.850〜0.970g/cm3、Q値(Mw/M
n)が3.0未満であり、この共重合体にビニルシラン
化合物をラジカル発生剤の存在下でグラフトさせて変性
樹脂とし、この変性樹脂をシラノール縮合触媒の存在下
で水雰囲気中に曝して、ゲル分率65%以上に架橋させ
たものである架橋ポリオレフィン管。 【効果】 上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリオレフィ
ン管に関する。さらに詳しくは、優れた耐久性、特に、
長期クリープ性能を発揮し、電線管、通信用ケーブルの
保護管、ガス管、給水・給湯管、床暖房の加熱流体の導
管などとして使用される架橋ポリオレフィン管に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレンを架橋させるこ
とにより、耐熱性、耐クリープ性、耐環境応力亀裂性
(ESC)、耐薬品性などの物性を改良することは周知
である。さらに、これら架橋ポリエチレン管により優れ
たクリープ性能を長期間に亘って発揮させるには、メル
トフローレイト(MFR)が低いすなわち分子量が大き
いポリエチレンに、ビニルシランをグラフトさせて変性
した樹脂を用いるのがよいとされている。
【0003】しかしながら、分子量が大きいポリエチレ
ン分子を含んだ変性樹脂では、超高分子量部分の分子鎖
同士が架橋してしまうためか、架橋ポリエチレン管製造
時に成形機のモーター負荷が大きくなり、その結果消費
電力が大きくなり、コスト高となり好ましくない。一
方、成形機のモーター負荷が大きくなるのを防止する方
法としては、変性樹脂の溶融温度を高くして管を製造す
る方法があるが、この方法は変性樹脂の焼けの発生を促
進させ、管の長期クリープ性能や製品としての価値を低
下させるので、好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記し
た状況に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ビニルシランを
グラフト、変性させる原料として、特定のエチレンとα
−オレフィン類との共重合体を選定し、特定の方法で架
橋させた架橋ポリオレフィン管は、製造時の成形機のモ
ーター負荷が大きくならず、しかも優れたクリープ性能
を長期間に亘って維持する知見に基づき本発明を完成す
るに至ったものである。
【0005】本発明の目的は、次の通りである。1.製
造時に成形機のモーター負荷が大きくならない、架橋ポ
リオレフィン管を提供すること。2.製造時に原料樹脂
の焼けの発生を生じさせない架橋ポリオレフィン管を提
供すること。3.優れたクリープ性能を長期間に亘って
維持する、架橋ポリオレフィン管を提供すること。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、エチレンと炭素数が4以上のα−オレ
フィンとの共重合体よりなる架橋ポリオレフィン管にお
いて、この共重合体が、メルトフローレイトが0.1〜
95g/10分、密度が0.850〜0.970g/cm
3、Q値(Mw/Mn)が3.0未満であり、この共重
合体にビニルシラン化合物をラジカル発生剤の存在下で
グラフトさせて変性樹脂とし、この変性樹脂をシラノー
ル縮合触媒の存在下で水雰囲気中に曝し、ゲル分率65
%以上に架橋させたものであることを特徴とする架橋ポ
リオレフィン管を提供する。
【0007】本発明では、さらに、エチレンと炭素数が
4以上のα−オレフィンとの共重合体よりなる架橋ポリ
オレフィン管において、この共重合体が、メルトフロー
レイトが0.1〜95g/10分、密度が0.850〜
0.970g/cm3、Q値(Mw/Mn)が3.0未満
であり、この共重合体にビニルシラン化合物をラジカル
発生剤の存在下で変性樹脂とする工程と、シラノール縮
合触媒の添加を単一成形機で行い、その後水雰囲気中に
露し、ゲル分率65%以上に架橋させたものであること
を特徴とする架橋ポリオレフィン管を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてポリオレフィンとは、エチレンと炭素数
が4以上のα−オレフィン類との共重合体をいう。炭素
数が4以上のα−オレフィン類としては、1−ブテン、
2−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、2−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、2,2−ジメチル−1−
ブテン、2−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘプテン、2−メチル−1−ヘキセン、
3−メチル−1−ヘキセン、2,2−ジメチル−1−ペ
ンテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、2,3−ジ
メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、
2,2,3−トリメチル−1−ブテン、1−オクテン、
2,2,4−トリメチル−1−オクテンなどが挙げられ
る。
【0009】上記の共重合体は、メタロセン触媒を使用
して製造することができる。メタロセン触媒とは、一般
に遷移金属をπ電子系の不飽和化合物を挟んだ構造の触
媒を指称し、その構造は、国際公開W091−0425
7号公報に記載されており、ビス(シクロペンタジエニ
ル)金属化合物が代表的なものである。メタロセン触媒
としては、具体的にはチタン、ジルコニウム、ニッケ
ル、パラジウム、ハフニウム、白金などの四価の遷移金
属に、1または2以上のシクロペンタジエニル環または
その類縁体がリガンド(配位子)として存在する化合物
が挙げられる。
【0010】上記共重合体の製造に好ましく使用できる
メタロセン触媒は、非電解質錯体で、2個のシクロペン
タジエニル環が正五角形構造をして互いに平行に相対
し、その中間に金属原子が挟まれてサンドイッチ構造の
分子からなる立体構造を呈するものである。共重合体の
原料のエチレンとα−オレフィンとは、金属原子と結合
している五員環に結合した置換基によって立体的にブロ
ックされている方向からは接触できず、常に一定の方向
から金属と単量体が接触することになり、立体規則性重
合が起こるので、触媒はシングルサイト触媒と呼称さ
れ、得られるオレフィン系共重合体は、分子量、分岐構
造、結晶構造が一定となり好ましい。
【0011】上記共重合体の製造法は、特に制限はな
く、溶液重合法、気相重合法、懸濁重合法、塊状重合法
などのいずれによってもよい。
【0012】本発明者らの実験によると、本発明に係る
架橋ポリオレフィン管を得るには、上記の共重合体は、
JIS K6922−2に準拠して測定したメルトフロ
ーレイト(MFR、温度190℃、荷重2.16kgの条
件)が0.1〜95g/10分の範囲、JIS K69
22−2に準拠して測定した密度が0.850〜0.9
70g/cm3の範囲、さらに分子量分布Q値{重量平均
分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)}が、3.0未
満のものが適していることが分かった。
【0013】本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、上
記のオレフィン共重合体にビニルシラン化合物をラジカ
ル発生剤の存在下でグラフトさせて変性樹脂とし、この
変性樹脂をシラノール縮合触媒の存在下で架橋させたも
のである。ビニルシラン化合物としては、次の一般式
[I]で表されるものが挙げられる。
【0014】
【化2】
【0015】一般式[I]において、R1はエチレン性不飽
和ハイドロカーボン基またはハイドロカーボンオキシ基
であり、ラジカル反応性を有するものである。このよう
な基の例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、
γ−(メタ)アクリロキシプロピル基などが挙げられ
る。R2は脂肪族飽和ハイドロカーボン基であり、例と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、デシル基な
どが挙げられる。Yは加水分解可能な有機基を表し、例
としては、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ
基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アリールア
ミノ基などが挙げられる。nは、0、1または2であ
る。中でも特に好ましいのは、次の一般式[II]で表され
る化合物である。
【0016】
【化3】
【0017】一般式[II]において、R3はHまたはC
3、R4は炭素数4以下の直鎖または分岐アルキル基、
5は炭素数4以下の直鎖、分岐アルキル基、または、
フェニル基である。具体的には、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキ
シシランなどが挙げられる。
【0018】オレフィン共重合体を変性させる際に、変
性させる反応系に存在させるビニルシラン化合物の量
は、目的とする樹脂管の架橋度、反応条件(温度、時
間)などにより決定されるが、経済性、反応前・反応中
の取扱いの容易性の観点から、ポリオレフィン共重合体
100重量部に対し、0.1〜15重量部の範囲で選ば
れる。この量が少な過ぎるとグラフト率が低く、十分な
架橋度が得られない。また多すぎると、逆に未反応のビ
ニルシラン化合物の影響などにより、成形品の樹脂管は
外観不良となる場合もあり好ましくない。ビニルシラン
化合物の量の好ましい範囲は、0.3〜10重量部であ
り、特に好ましいのは0.5〜7重量部である。
【0019】ラジカル発生剤は、グラフト反応条件下で
遊離ラジカルを発生することができ、グラフト反応温度
において6分未満の半減期を有する化合物の中から選ぶ
のが好ましい。より好ましいのは、グラフト反応温度に
おいて1分未満の半減期を有する化合物である。これら
ラジカル発生剤は、特公昭48−1711号公報に記載
されている化合物が総て使用できる。具体的には、ベン
ゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルオキシ−2−エ
チルヘキサノエートなどの有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリル、メチルアゾビスイソブチレートなどの
アゾ化合物が挙げられる。
【0020】オレフィン共重合体にビニルシラン化合物
をグラフト反応させる際には、グラフト反応系に存在さ
せるラジカル発生剤の量は、オレフィン共重合体100
重量部に対し0.001〜5重量部の範囲で選ばれる。
存在させるラジカル発生剤の量が少なすぎると、ビニル
シラン化合物のグラフト量が少なく、逆に多すぎると、
ラジカル発生剤による目的としない架橋反応が進行し、
流れ特性不良や成形品である樹脂管の外観の悪化などの
原因となることがあり、好ましくない。より好ましく
は、0.01〜2.0重量部の範囲である。
【0021】オレフィン共重合体にビニルシラン化合物
をグラフトさせて変性樹脂とする方法は、特公昭48−
1711号公報、特開昭59−36115号公報および
特開昭55−9611号公報などの刊行物に記載されて
いる方法によることができ、容易に製造することができ
る。
【0022】本発明に係る架橋ポリオレフィン管を得る
には、上記変性樹脂にシラノール縮合触媒の存在下に架
橋させる。シラノール縮合触媒としては、錫、亜鉛、
鉄、鉛、コバルトなどの金属カルボン酸塩、チタン酸エ
ステルおよびキレート化合物の有機金属化合物、有機塩
基、無機酸、および、有機酸などが挙げられる。具体的
には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジオクチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、カプリル
酸第一錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、チタン
酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステ
ル、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジン、硫
酸、塩酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン酸、
マレイン酸などが挙げられる。
【0023】前記変性樹脂を架橋させる際に架橋反応系
にシラノール縮合触媒を存在させるには、(a)事前にシ
ラノール縮合触媒をポリオレフィンに溶融混練したマス
ターバッチとして配合する方法、(b)シラノール縮合触
媒を製造時そのまま直接変性樹脂に配合する方法、(c)
シラノール縮合触媒を溶液または分散液として変性樹脂
製の管に塗布または含浸させる方法、などが挙げられ
る。中でも、上記(a),(b)の方法が特に好適である。存
在させるシラノール縮合触媒の量は、変性樹脂100重
量部に対して0.001〜10重量部の範囲で選ぶこと
ができ、好ましいのは0.01〜5重量部である。
【0024】本発明に係る架橋ポリオレフィン管を製造
する際の原料変性樹脂には、押出成形法によって樹脂管
を製造する前に、本発明の目的を損なわない範囲で、他
の樹脂、各種樹脂添加剤を配合することができる。他の
樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピ
レン、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−
ヘキセン−1共重合体などが挙げられる。他の樹脂は、
上に例示したものに限定されるものではない。樹脂添加
剤としては、着色剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、防錆剤、充填剤、難燃剤などが挙げ
られる。
【0025】上記変性樹脂をシラノール縮合触媒の存在
下に架橋させるには、(i)シラノール縮合触媒を配合し
た変性樹脂を押出成形法によって管としたあと水雰囲気
中に曝す、または、(ii)シラノール縮合触媒を塗布また
は含浸させた変性樹脂製の管を水雰囲気中に曝す、など
の方法によることができる。この水雰囲気中に曝すこと
によって、変性樹脂管が架橋される。変性樹脂管の水雰
囲気中に曝す際の条件は、変性樹脂管を常温〜200℃
の温度範囲で、10秒〜1週間の範囲で曝せばよい。曝
す際の特に好ましい条件は、常温〜130℃の温度範囲
で、1分〜100時間の範囲である。この水雰囲気中で
の曝しは、押出成形法によって管とした直後に、この変
性樹脂管を水槽を通過させて冷却する工程と同時に行う
こともできる。
【0026】本発明者らの実験によれば、本発明に係る
架橋ポリオレフィン管に長期間に亘って優れた強度を発
揮させるには、ISO 10147:1994に準拠し
て測定したゲル分率(架橋度)が65%以上に架橋させ
ることが必要であることが分かった。架橋度は、変性樹
脂のビニルシラン化合物のグラフト率、シラノール縮合
触媒の種類、量、架橋させる際の条件(温度、時間)な
どを変えることにより、調節することができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下
の記載例に限定されるものではない。
【0028】[実施例1]シングルサイト触媒を使用し
て製造されたエチレンとα−オレフィンとの共重合体で
あって、MFRが2.2g/10分、密度が0.898
g/cm3、Q値(Mw/Mn)が2.23のもの100
重量部、ジクミルパーオキサイド0.07重量部、およ
び、ビニルトリメトキシシラン2重量部をそれぞれ秤量
し、ヘンシェルミキサーで混合し、L/Dが26で40
m/mφの単軸押出機によって、210℃の温度で溶融混
練してシラン化合物をグラフトさせ、変性樹脂を得た。
得られた変性樹脂のMFRは2.0g/10分であっ
た。
【0029】上記変性樹脂100重量部に、MFRが
0.9g/10分、密度が0.924g/cm3の直鎖状
低密度ポリエチレン100重量部、ジブチル錫ジラウレ
ート1重量部からなるマスターバッチを5重量部配合し
た。この樹脂組成物を、先端に外径13m/mφ、肉厚
1.5m/mのダイを装着し、L/Dが24の50m/mφの
フルフライトスクリュー押出機によって、200℃の温
度で溶融混練させ、押出速度10m/分の条件で樹脂管
を押出した。樹脂管を押出成形途中での押出機のスクリ
ュー用モーターの最大負荷を、アンペアメータによって
測定したところ25(A)であった。押出した樹脂管を8
0℃の温水に24時間浸漬し、架橋させて架橋ポリオレ
フィン管を得た。得られた架橋ポリオレフィン管につ
き、肉眼による表面外観の観察結果、ゲル分率(架橋
度)、およびクリープ破壊までの時間を測定した。な
お、ゲル分率はISO 10147:1994、クリー
プ破壊までの時間はISO 1167:1996(円周
応力は1.33MPa)に準拠した。結果を、表−1に
示す。
【0030】[実施例2]シングルサイト触媒を使用し
て製造されたエチレンとα−オレフィンとの共重合体で
あって、MFRが2.0g/10分、密度が0.918
g/cm3、Q値(Mw/Mn)が2.0のもの100重
量部、ジクミルパーオキサイド0.07重量部、およ
び、ビニルトリメトキシシラン2重量部をそれぞれ秤量
し、ヘンシェルミキサーで混合し、L/Dが26で40
m/mφの単軸押出機によって、210℃の温度で溶融混
練してシラン化合物をグラフトさせ、変性樹脂を得た。
得られた変性樹脂のMFRは1.9g/10分であっ
た。
【0031】上記変性樹脂100重量部に、実施例1で
使用したのと同種のマスターバッチを5重量部配合して
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、実施例1におけ
ると同様の手順で樹脂管を押出した。樹脂管を押出して
いる途中で、押出機のスクリュー用モーターの最大負
荷、得られた架橋ポリオレフィン管につき、表面外観、
ゲル分率(架橋度)、およびクリープ破壊までの時間な
どを、実施例1におけると同様に測定した。結果を、表
−1に示す。
【0032】[実施例3]実施例2で使用したのと同種
のエチレンとα−オレフィン100重量部に、ジクミル
パーオキサイド0.075重量部、ビニルトリメトキシ
シラン2重量部、および、ジブチル錫ジラウレート0.
05重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで混合し、こ
の混合物を実施例1で樹脂管製造用に使用した押出機に
よって、実施例1におけると同様の条件で管を押出し
た。押出機のスクリュー用モーターの最大負荷、得られ
た架橋ポリオレフィン管につき、表面外観、ゲル分率
(架橋度)、および、クリープ破壊までの時間などを、
実施例1におけると同様に測定した。結果を、表−1に
示す。
【0033】[比較例1]直鎖状低密度ポリエチレン
{MFRが2.1g/10分、密度が0.920g/cm
3、Q値(Mw/Mn)が3.5}100重量部に、ジ
クミルパーオキサイド0.07重量部、および、ビニル
トリメトキシシラン2重量部をそれぞれ秤量し、ヘンシ
ェルミキサーで混合し、L/Dが26で40m/mφの単
軸押出機によって、210℃の温度で溶融混練してシラ
ン化合物をグラフトさせ、変性樹脂を得た。得られた変
性樹脂のMFRは0.15g/10分であった。この変
性樹脂に、実施例1で使用したのと同種のジブチル錫ジ
ラウレートのマスターバッチを5重量部配合し、ヘンシ
ェルミキサーで混合し、この混合物を実施例1で樹脂管
製造用に使用した押出機によって、実施例1におけると
同様の条件で管を押出した。押出機のスクリュー用モー
ターの最大負荷を、得られた樹脂管につき、表面外観、
ゲル分率(架橋度)、および、クリープ破壊までの時間
などを、実施例1におけると同様に測定した。結果を、
表−1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表−1より、次のことが明らかとなる。 (1)本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、製造時に成
形機のモーター負荷が大きくならない。 (2)本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、クリープ破
壊までの時間が長い。 (3)これに対して比較例の樹脂管は、クリープ破壊まで
の時間が短く、製造時の成形機のモーター負荷も大き
い。
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明した通りであ
り、次のような特別に優れた効果を奏し、その産業上の
利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、架橋ポリオ
レフィン管製造時に成形機の負荷が大きくならないの
で、大掛かりな成形機が不要で、従来の成形機で製造が
可能である。 2.本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、製造時に高
温にする必要がないので、原料の変性樹脂組成物に焼け
が発生しない。 3.本発明に係る架橋ポリオレフィン管は、分子量分布
の狭いポリオレフィン共重合体を原料とし、架橋度を高
くしているので、特に優れたクリープ性能を長期間に亘
って維持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 憲明 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番2号 三菱化学産資株式会社商品研究所内 (72)発明者 水野 靖久 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 日 本ポリケム株式会社川崎技術センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと炭素数が4以上のα−オレフ
    ィンとの共重合体よりなる架橋ポリオレフィン管におい
    て、この共重合体が、メルトフローレイトが0.1〜9
    5g/10分、密度が0.850〜0.970g/c
    m3、Q値(Mw/Mn)が3.0未満であり、この共重
    合体にビニルシラン化合物をラジカル発生剤の存在下で
    グラフトさせて変性樹脂とし、この変性樹脂をシラノー
    ル縮合触媒の存在下で水雰囲気中に露し、ゲル分率65
    %以上に架橋させたものであることを特徴とする架橋ポ
    リオレフィン管。
  2. 【請求項2】 エチレンと炭素数が4以上のα−オレフ
    ィンとの共重合体よりなる架橋ポリオレフィン管におい
    て、この共重合体が、メルトフローレイトが0.1〜9
    5g/10分、密度が0.850〜0.970g/c
    m3、Q値(Mw/Mn)が3.0未満であり、この共重
    合体にビニルシラン化合物をラジカル発生剤の存在下で
    変性樹脂とする工程と、シラノール縮合触媒の添加を単
    一成形機で行い、その後水雰囲気中に露し、ゲル分率6
    5%以上に架橋させたものであることを特徴とする架橋
    ポリオレフィン管。
  3. 【請求項3】 エチレンとα−オレフィンとの共重合体
    が、シングルサイト触媒を使用して製造されたものであ
    る、請求項1ないし請求項2に記載の架橋ポリオレフィ
    ン管。
  4. 【請求項4】 ビニルシラン化合物が、次の一般式[I]
    で表されるエチレン性不飽和シラン化合物である、請求
    項1ないし請求項2に記載の架橋ポリオレフィン管。 【化1】 (一般式[I]において、R1 はエチレン性不飽和ハイドロ
    カーボン基またはハイドロカーボンオキシ基であり、R
    2 脂肪族飽和ハイドロカーボン基、Yは加水分解可能な
    有機基であり、nは0〜2である)
JP11260044A 1998-09-18 1999-09-14 架橋ポリオレフィン管 Pending JP2000154889A (ja)

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