JPH09306241A - 電線被覆用樹脂組成物及び被覆電線の製造法 - Google Patents

電線被覆用樹脂組成物及び被覆電線の製造法

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JPH09306241A
JPH09306241A JP8148620A JP14862096A JPH09306241A JP H09306241 A JPH09306241 A JP H09306241A JP 8148620 A JP8148620 A JP 8148620A JP 14862096 A JP14862096 A JP 14862096A JP H09306241 A JPH09306241 A JP H09306241A
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mfr
silane compound
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JP8148620A
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Yuichi Takahashi
雄一 高橋
Hiroshi Shibano
博 柴野
Masataka Kotani
政孝 小谷
Terumitsu Kotani
輝充 小谷
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NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
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NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性が高く、加熱変形率が良好な電線被覆
用ポリエチレン樹脂組成物であって、成形性が良く、高
速での押出被覆加工においても表面の肌がきれいに仕上
りする樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いた被覆電線の
製造方法の提供。 【解決手段】 粉体の平均粒径が0.25〜1.0mm
であって、MFRが1.0〜8.0g/10分、HLM
FR/MFRが50〜100であるLLDPEに、ラジ
カル発生剤の存在下で、一般式 RSiR’n3-n (ただし、R;不飽和炭化水素基またはオキシ炭化水素
基、R’は飽和炭化水素基、Yは加水分解可能な有機
基、n=0、1または2を表す。)で表される不飽和シ
ラン化合物をグラフト反応させ、次いで縮合触媒を配合
し、導線を押出被覆し、水中にて架橋させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電線被覆のための耐
熱性に優れた直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDP
Eという。)を架橋変性した樹脂組成物および該樹脂組
成物を用いた被覆電線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン樹脂は軽量、安価であって
化学的安定性に富んでおり、また、その電気的性質も優
れているところから電気機械、器具の絶縁材として広く
用いられている。この樹脂を絶縁材として被覆電線を製
造する場合には、発泡塗装電線のような特殊なものを除
いて一般に高圧法低密度ポリエチレン(以下LDPEと
いう。)が使用されている。ここで用いられているLD
PEは融点が105〜110℃であって軟質であり、耐
熱性に不足しているという難点がある。このためLDP
Eに比し剛性も高く、また融点も高いLLDPEを用い
た電線も開発されてきた。しかし、このようなものであ
っても、LDPEに比し、融点が約120℃と僅かに耐
熱性が優れているというだけの話にすぎず、さらに高温
耐熱性の樹脂被覆電線の要望があり、この対策として種
々の提案があった。
【0003】例えば特開昭60−139713号公報等
においては、LLDPEをラジカル発生剤の存在下でエ
チレン性不飽和シラン化合物をグラフトさせ変性エチレ
ン系樹脂となした後、シラノール縮合触媒の存在下で水
雰囲気に曝して架橋させる、いわゆる水架橋反応を行う
ことにより、加熱変形率が良好でしかも引張強さ伸びに
も優れている絶縁層を有する架橋低圧法低密度ポリエチ
レンケーブルを得るとの提案がなされている。特に、特
開昭60−139713号の提案においては、この方法
によればLLDPEから架橋ポリエチレンケーブルを製
造する際に使用するラジカル発生剤、エチレン性不飽和
シラン化合物、シラノール縮合触媒をこれまで実用化さ
れている量より約1/2程度でも充分内部まで架橋した
架橋ポリエチレン電線を得ることができると報告してい
る。
【0004】確かに、この方法によって得られる水架橋
シラン変性LLDPEは加熱変形率が良好な樹脂である
が、エチレン性不飽和化合物による変性と同時に導体の
押出被覆を行うと、加熱変形率の改善は充分に効果が認
められるものの、高速成形するときは、得られた電線の
表面の肌が粗いものが多く、またゲル分率もバラツキが
避けられないなどの問題がみられた。この対策、特に高
速成形時における電線表面肌の良好な製品を得るための
樹脂組成物として、原料として用いるLLDPEの平均
分子量、分子量分布、密度、あるいは押出被覆における
加工温度など検討したが、この問題を完全に解決するこ
とはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性が高
く、加熱変形率が良好な電線被覆用ポリエチレン樹脂組
成物であって、成形性が良く、高速での押出被覆加工に
おいても表面の肌がきれいに仕上りする樹脂組成物およ
びその樹脂組成物を用いた被覆電線の開発を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 密度0.880〜0.940g/cm3 、粉体の平
均粒径が0.25〜1.0mmであって、メルトフロー
レート[JIS K−7210、表1の条件4(試験温
度190℃、試験荷重2.16kgf)で測定した値、
MFRと略すことあり。]が1.0〜8.0(g/10
分)、HLMFR/MFR[HLMFR;JIS K−
7210、表1の条件7(試験温度190℃、試験荷重
21.60kgf)で測定した値。]が50〜100で
ある直鎖状低密度ポリエチレン樹脂に、ラジカル発生剤
の存在下で、一般式 RSiR’n3-n (ただし、Rは重合性不飽和基を有する不飽和炭化水素
基またはアルケノイル基、R’は脂肪族飽和炭化水素
基、Yは加水分解可能な有機基を表し、nは0または1
または2を表す。)で表されるエチレン性不飽和シラン
化合物をグラフト反応させた電線被覆用樹脂組成物。 密度0.880〜0.940g/cm3 、粉体の平
均粒径が0.25〜1.0mmであって、MFRが1.
0〜8.0(g/10分)、HLMFR/MFRが50
〜100である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂に、シラ
ノール縮合触媒とラジカル発生剤の存在下で、エチレン
性不飽和シラン化合物をグラフト反応させた電線被覆用
樹脂組成物。 密度0.880〜0.940g/cm3 、粉体の平
均粒径が0.25〜1.0mmであって、メルトフロー
レートが1.0〜8.0(g/10分)、HLMFR/
MFRが50〜100である直鎖状低密度ポリエチレン
100重量部、エチレン性不飽和シラン化合物0.05
〜2.5重量部及びラジカル発生剤0.005〜0.2
重量部をグラフト反応させた樹脂組成物にシラノール縮
合触媒0.01〜0.15重量部を混合した後、また
は、密度0.880〜0.940g/cm3 、粉体の平
均粒径が0.25〜1.0mmであって、メルトフロー
レートが1.0〜8.0(g/10分)、HLMFR/
MFRが50〜100である直鎖状低密度ポリエチレン
100重量部、エチレン性不飽和シラン化合物0.05
〜2.5重量部及びラジカル発生剤0.005〜0.2
重量部及びシラノール縮合触媒0.01〜0.15重量
部を混合し、グラフト反応させた樹脂組成物を、溶融押
出して導体を被覆し、これを水中にて架橋させる被覆電
線の製造方法及び 密度0.880〜0.940g/cm3 、粉体の平
均粒径が0.25〜1.0mmであって、メルトフロー
レートが1.0〜8.0(g/10分)、HLMFR/
MFRが50〜100である直鎖状低密度ポリエチレン
100重量部、エチレン性不飽和シラン化合物0.05
〜2.5重量部及びラジカル発生剤0.005〜0.2
重量部を混合し押出すと共に、シラノール縮合触媒0.
01〜0.15重量部を同時にこれらとは別の供給口か
ら供給しながら、導体を押出被覆し、これを水中にて架
橋させる被覆電線の製造方法を開発することにより上記
の目的を達成した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるLLDPE
は、密度が0.880〜0.940g/cm3、好まし
くは0.910〜0.925g/cm3 、粉体平均粒径
が0.25〜1.0mmの粉末であり、このLLDPE
は、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンとを低圧
において重合させて得られる共重合体である。密度が
0.880g/cm3 より低密度のものは製造状困難で
あり、0.940g/cm3 を越える高密度のものは可
撓性が劣り好ましくない。このα−オレフィンは鎖長が
比較的短いため、このLLDPEとしての共重合体は実
質上長鎖分岐を有していない直鎖状のものである。そし
てこのLLDPEはランダム共重合体であることが好ま
しい。炭素数3〜8のα−オレフィンの具体例として
は、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1またはオクテン−1である。またこれらLLDPE
は、その2種類以上を併用してもよい。さらに本発明の
趣旨を損なわない限り、他の共重合体を少量併用しても
よい。このLLDPE中の炭素数3〜8のα−オレフィ
ン成分の含量(α−オレフィンを複数種併用する場合は
その合計含量)は、少なくとも0.3重量%である。含
有量の上限は、LLDPEが結晶性といえなくなる点、
換言すれば、そのLLDPEから得られる架橋生成物が
適度にゴム状なものとなる点に相当する値であるが、通
常は20重量%である。好ましいのは2〜10重量%で
ある。
【0008】本発明で使用されるのに好ましいLLDP
Eは、MFRが1.0〜8.0g/10分である。MF
Rが1.0g/10分未満であると溶融粘度が高いため
に成形トルクが大きくなり好ましくなく、8.0g/1
0分を越える時は成形品の真円度が低くなり成形品の外
観不良になる。またLLDPEの粉体平均粒径は0.2
5〜1.0mmであるが、これが0.25mm未満の時
はブリッジし易く取り扱い上困難になる。例えば押出機
に投入する際、ホッパー部においてブリッジが発生し易
くなり、また粉塵として舞上り易くなったりする。また
粉体平均粒径が1.0mmを越えるとLLDPEとして
の比表面積が小さくなるためか、シラン化合物による効
果的な均一な架橋が達成されないようになり、耐熱性が
低下し、加熱変形率が大巾に悪化するので本発明を充分
に満足する結果が得にくくなる。ここでLLDPE粉体
の平均粒径とは、樹脂の粉末はその大きさが一定ではな
くある分布を持っているのが普通であり、その分布(粒
径分布)の数平均粒径を意味している。
【0009】本発明に使用されるシラン化合物は、一般
式 RSiR’n3-n (ただし、Rは重合性不飽和基を有する不飽和炭化水素
基またはアルケノイル基、R’は脂肪族飽和炭化水素
基、Yは加水分解可能な有機基を表し、nは0または1
または2を表す。)で表されるエチレン性不飽和シラン
化合物である。このエチレン性不飽和シラン化合物の置
換基の具体例としては、Rが例えば、ビニル、アリル、
イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキシニル、シクロ
ペンタジエニル、シクロヘキサジエニル等の不飽和炭化
水素基、γ−アクリロイルオキシプロピル、γ−メタク
リロイルオキシプロピル、アクリロイル、メタクリロイ
ル等のアルケノイル基であり、Yがメトキシ、ホルミル
オキシ、アセトキシ、R’がメチル、エチル、プロピル
であるものである。特に好ましくは、不飽和シラン化合
物は下式で表されるものである。 CH2 =CHSi(OA)3 (ただし、Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4の炭化
水素基である。) 中でも好ましくはビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシランまたはビニルトリアセトキシシランで
あり、特に好ましくはビニルトリメトキシシランであ
る。
【0010】この不飽和シラン化合物の使用量は、目的
とするゲル分率、反応条件、その他によって決定される
が、本発明で規定したLLDPEを使用するときは、同
一のものを得るのに通常の1/3の使用量で、充分内部
まで架橋した架橋ポリエチレン電線を得ることができ
る。使用量としては、LLDPE100重量部に対し、
0.05〜2.5重量部であり、好ましくは0.2〜
1.5重量部である。0.05重量部より少ないと加熱
変形率が改善されないため所望の架橋ポリエチレン電線
を得ることができずまた、2.5重量部以上になると成
形性、材料物性はあまり改善されず、従ってコスト的に
不利になり好ましくない。
【0011】遊離ラジカル発生剤としては、不飽和シラ
ン化合物によるグラフト反応の条件下でLLDPE中に
遊離ラジカルを生成させることができ、かつその反応温
度における半減期が6分以下、好ましくは1分以下の化
合物である。このような化合物としては、有機過酸化物
またはパーエステルがあり、例えば過酸化ベンゾイル、
過酸化ジクロルベンゾイル、ジクミルパーオキサイドな
どが挙げられる。このうち、ジクミルパーオキサイドが
最も好ましい。その使用量はLLDPE100重量部に
対して、0.005〜0.2重量部、好ましくは0.0
1〜0.15重量部の範囲である。0.005重量部よ
り少ないと架橋度が充分に得られず、0.2重量部より
多いと樹脂の流れが悪くなり成形が困難になる。
【0012】電線被覆用樹脂組成物は、LLDPE、有
機シランおよび遊離ラジカル発生剤を、例えばヘンシェ
ルミキサーなどの混合機で予め充分に混合し、次いで押
出機、コニーダーなどの混練機によって加熱溶融混練さ
れシラングラフトポリエチレン樹脂とする。ヘンシェル
ミキサーなどの混合機で混合する際に、製品の外観、物
性を損なわない限り安定剤、滑剤、着色剤などの樹脂用
添加剤を配合してもよい。特に安定剤の添加は以後の加
熱溶融混練時におけるLLDPEの劣化防止に有効であ
る。混練温度は120℃以上、ポリエチレン分解温度以
下であり、好ましくは140〜200℃程度である。
【0013】このようにして得られたシラングラフトポ
リエチレン樹脂は、被覆電線の製造に際しシラノール縮
合触媒が加えられて押出機に供給され、被覆される裸電
線等の導体上に絶縁体として押出被覆される。ここで用
いられるシラノール触媒としては、有機金属化合物がよ
く、ジブチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、ナフテン酸
鉛、ナフテン酸コバルト等がある。このうち、ジブチル
錫ジラウレートが最も好ましく、その使用量は、シラン
グラフトポリエチレン樹脂100重量部に対して、0.
01〜0.15重量部である。シラノール触媒の添加量
が0.01重量部より少ないと架橋度が低くなり耐熱性
質が不充分となる恐れがあり、0.15重量部を越えた
場合は表面肌が荒れる傾向があるのでこの範囲にするこ
とは好ましくない。添加に際しては均一な分散を図るた
め、LLDPEのマスターバッチとして添加することが
好ましい。また、このようにシラングラフトした電線被
覆用樹脂組成物をあらかじめ製造することなく、LLD
PE、エチレン性不飽和シラン化合物、ラジカル発生剤
およびシラノール触媒を押出機等に供給し、一段でLL
DPEのシラングラフト化とシラノール触媒の配合と同
時に電線被覆を行ってもよい。この被覆電線製造に際し
ては、シラノール縮合触媒単独の状態で、他の成分とは
別の入り口から供給し、溶融混練することが好ましい。
電線被覆用樹脂組成物は導体を被覆して押し出される
が、これはそのまま水中を通過させ、樹脂組成物を冷却
固化させ、ポリエチレン被覆ケーブルとする。この被覆
ケーブルは温水中でエチレン性不飽和シラン化合物を加
水分解すると共にシラノール架橋反応を行わせ、架橋変
性ポリエチレン被覆電線とする。
【0014】本発明は、LLDPEをラジカル発生剤、
シラン縮合触媒と共にラジカル性不飽和シラン化合物で
処理、および水雰囲気下で架橋することにより耐熱性、
加熱変形性に優れた架橋低圧法低密度ポリエチレン被覆
ケーブルを製造する場合に問題となる成形性、特に高速
押出成形において発生する被覆表面の肌荒れを改善する
ための解決法を提案するものである。肌荒れの原因を完
全に解明したわけではないが、高速で押出をした時に従
来法における架橋低圧法低密度ポリエチレンが肌荒れを
起こすのは、全体が均一にシラン架橋が行われていない
ために起こるものと推定し、このシラン化合物のグラフ
ト重合が均一に行われるように、LLDPEの平均分子
量、分子量分布、密度、加工温度等の要因の検討を行
い、これらの要因はある範囲内であれば影響は少なかっ
たので、最後に原料LLDPEの粉末粒度の検討を行っ
てみた。その結果、仮定の確認はまだできてはいない
が、結果的に粉体の粒径を1.0mm以下の範囲にした
時は、高速押出を行った時においても被覆表面が肌荒れ
を起こさないような樹脂組成物を製造できることが確認
された。しかし平均粒径が0.25mm以下のように微
粉化すると粉体として、ブリッジングや粉塵化がおこ
り、その取扱が困難になるので避けることがよいことも
合わせて確認できた。1.0mmより平均粒径が大きい
粉末を使用した時はやはりグラフト化が不均一になるか
あるいは不十分となるため肌荒れの発生が避けられなか
った。
【0015】この他に高速成形を行う時表面荒さに、M
FR及びHLMFR/MFRが大きく影響を及ぼし、M
FRは原料樹脂において1.0〜8.0g/10分の範
囲内、HLMFR/MFRは50〜100の範囲内のも
のである必要がある。MFRが1.0g/10分以下の
ごとき高分子量の時はトルクが高くなり、成形が困難と
なる。逆に8.0g/10分以上のような時は流れ易く
電線被覆の真円度を得るのが困難になる。また、HLM
FR/MFRが50以下のような狭分子量分布を有する
樹脂を用いると高速成形時のトルクが高くなり成形が困
難となり、逆に100以上のような樹脂を用いると製品
のゲル分率が低下し、加熱変形率等の物性が悪くなる傾
向が明確になった。
【0016】
【実施例】
[測定法] (1)加熱変形率は、JIS C−3005に準じて行
った。(120℃、1kg) (2)ゲル分率は、JIS C−3005−26に準じ
て行った。 (3)表面粗さは、(株)小坂研究所製SE−3C型万
能表面形状測定器を用いて絶縁電線の表面粗さを測定
し、10点平均粗さを求めた。 (4)粉体の平均粒径は、上から12 16 28 4
2 60 80 120200メッシュのフルイをセッ
トし、粉体を装置上部に置いた後、一定の回転だけ静か
に振動させて分粒した。それぞれのフルイ上に風乾試料
重量を測定した後、粒径加積曲線を作成し、フルイの透
過率50%となる粒径を平均粒径とした。
【0017】(実施例1)密度0.917g/cm3
平均粒径0.7mmを有するMFR=2.0g/10
分、HLMFR/MFR=84のLLDPE粉体100
重量部にビニルトリメトキシシラン0.6重量部、ジク
ミルパーオキサイド0.01重量部をニ軸押出機を用い
て混練し、エチレン性不飽和シランをグラフト反応さ
せ、ペレットを製造した。この樹脂組成物のMFRは
1.0g/10分であった。次いでこのペレット100
重量部に対しジブチル錫ジラウレート0.04重量部を
配合してタンブラーで混合し、L/D=25の50mm
径電線被覆装置を用いて押出温度230℃、押出線速1
0,25,40m/分で3.0mm径の導体上に厚さ
1.0mmの絶縁厚さに押出、次に水中を通過せしめて
ポリエチレンケーブルを製造した。該成形品を80℃の
温水中に10時間浸漬して架橋処理を施した。得られた
製品の表面特性、成形性、ゲル分率、加熱変形率の評価
を行った。結果を表1に示す。
【0018】(実施例2)実施例1において使用したL
LDPE粉体100重量部に、ビニルトリメトキシシラ
ン1.0重量部、ジクミルパーオキサイド0.03重量
部、ジブチル錫ジラウレート0.08重量部を配合して
ヘンシェルミキサーで混合し、L/D=25の50mm
径電線被覆装置を用いて押出温度230℃、押出線速1
0,25,40m/分で3.0mm径の導体上に厚さ
1.0mmの絶縁厚さに押出、次に水中を通過せしめて
ポリエチレンケーブルを製造した。該成形品を80℃の
温水中に10時間浸漬して架橋処理を施した。得られた
製品の表面特性、成形性、ゲル分率、加熱変形率の評価
を行った。結果を表1に示す。
【0019】(比較例1)実施例1のLLDPE粉体に
代え、密度0.920g/cm3 、MFR=6.0g/
10分、HLMFR/MFR=55、平均粒径0.7m
mの高圧法低密度ポリエチレン粉体を用い、他の条件は
実施例1と同様にして架橋ポリエチレンケーブルを製造
し評価を行った。結果を表1に示す。ただし、高圧法低
密度ポリエチレン粉体は、ペレットをウイリーミル粉砕
機を用いて粉砕して得た。
【0020】(比較例2)実施例1のLLDPE粉体に
代え、密度0.917g/cm3 、MFR=0.8g/
10分、HLMFR/MFR=75、平均粒径0.7m
mのLLDPE粉体を用い、他の条件は実施例1と同様
にして架橋ポリエチレンケーブルを製造し評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0021】(比較例3)実施例1のLLDPE粉体に
代え、密度0.920g/cm3 、MFR=10.0g
/10分、HLMFR/MFR=82、平均粒径0.4
mmのLLDPE粉体を用い、他の条件は実施例1と同
様にして架橋ポリエチレンケーブルを製造し評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0022】(比較例4)実施例1のLLDPE粉体に
代え、密度0.920g/cm3 、MFR=2.0g/
10分、HLMFR/MFR=84、粉体平均粒径0.
25mm未満のLLDPE粉体を用い、他の条件は実施
例1と同様にして架橋ポリエチレンケーブルを製造し評
価を行った。結果を表1に示す。
【0023】(比較例5)実施例1のLLDPE粉体に
代え、密度0.920g/cm3 、MFR=2.0g/
10分、HLMFR/MFR=84、粉体平均粒径1.
0mm以上のLLDPE粉体を用い、他の条件は実施例
1と同様にして架橋ポリエチレンケーブルを製造し評価
を行った。結果を表1に示す。
【0024】(比較例6)実施例1のLLDPE粉体に
代え、密度0.920g/cm3 、MFR=3.0g/
10分、HLMFR/MFR=40、平均粒径0.4m
mのLLDPE粉体を用い、他の条件は実施例1と同様
にして架橋ポリエチレンケーブルを製造し評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0025】(比較例7)実施例1のLLDPE粉体に
代え、密度0.920g/cm3 、MFR=3.0g/
10分、HLMFR/MFR=120、平均粒径0.4
mmのLLDPE粉体を用い、他の条件は実施例1と同
様にして架橋ポリエチレンケーブルを製造し評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明により得られる電線被覆用樹脂組
成物は、製造が簡単であり、コストも安価に済むもので
あるが、シラン結合による架橋が均一に行われているた
めか、ゲル分率のバラツキが小さく、耐熱性、加熱変形
率に優れており、高速成形においても表面の肌荒れが大
幅に改善された被覆電線が製造できる。このため従来の
電線被覆装置をそのまま使用できるだけでなく、高速生
産が可能で、その上肌のきれいな被覆電線を高生産性で
製造できるものでその工業的価値は極めて大きいもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 輝充 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号昭和 電工株式会社川崎樹脂研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.880〜0.940g/cm
    3 、粉体の平均粒径が0.25〜1.0mmであって、
    メルトフローレートが1.0〜8.0(g/10分)、
    HLMFR/MFRが50〜100である直鎖状低密度
    ポリエチレン樹脂に、ラジカル発生剤の存在下で、一般
    式 RSiR’n3-n (ただし、Rは重合性不飽和基を有する不飽和炭化水素
    基またはアルケノイル基、R’は脂肪族飽和炭化水素
    基、Yは加水分解可能な有機基を表し、nは0または1
    または2を表す。)で表されるエチレン性不飽和シラン
    化合物をグラフト反応させた電線被覆用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 グラフト反応に際し、直鎖状低密度ポリ
    エチレン100重量部に対し、エチレン性不飽和シラン
    化合物0.05〜2.5重量部、ラジカル発生剤0.0
    05〜0.2重量部用いた請求項1記載の電線被覆用樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 密度0.880〜0.940g/cm
    3 、粉体の平均粒径が0.25〜1.0mmであって、
    メルトフローレートが1.0〜8.0(g/10分)、
    HLMFR/MFRが50〜100である直鎖状低密度
    ポリエチレン樹脂に、シラノール縮合触媒とラジカル発
    生剤の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物をグラ
    フト反応させた電線被覆用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 グラフト反応に際し、直鎖状低密度ポリ
    エチレン100重量部に対し、エチレン性不飽和シラン
    化合物0.05〜2.5重量部、シラノール縮合触媒
    0.01〜0.15重量部およびラジカル発生剤0.0
    05〜0.2重量部用いた請求項3記載の電線被覆用樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 密度0.880〜0.940g/cm
    3 、粉体の平均粒径が0.25〜1.0mmであって、
    メルトフローレートが1.0〜8.0(g/10分)、
    HLMFR/MFRが50〜100である直鎖状低密度
    ポリエチレン100重量部、エチレン性不飽和シラン化
    合物0.05〜2.5重量部及びラジカル発生剤0.0
    05〜0.2重量部をグラフト反応させた樹脂組成物に
    シラノール縮合触媒0.01〜0.15重量部を混合し
    た後、または、密度0.880〜0.940g/cm
    3 、粉体の平均粒径が0.25〜1.0mmであって、
    メルトフローレートが1.0〜8.0(g/10分)、
    HLMFR/MFRが50〜100である直鎖状低密度
    ポリエチレン100重量部、エチレン性不飽和シラン化
    合物0.05〜2.5重量部及びラジカル発生剤0.0
    05〜0.2重量部及びシラノール縮合触媒0.01〜
    0.15重量部を混合し、グラフト反応させた樹脂組成
    物を、溶融押出して導体を被覆し、これを水中にて架橋
    させることを特徴とする被覆電線の製造方法。
  6. 【請求項6】 密度0.880〜0.940g/cm
    3 、粉体の平均粒径が0.25〜1.0mmであって、
    メルトフローレートが1.0〜8.0(g/10分)、
    HLMFR/MFRが50〜100である直鎖状低密度
    ポリエチレン100重量部、エチレン性不飽和シラン化
    合物0.05〜2.5重量部及びラジカル発生剤0.0
    05〜0.2重量部を混合し押出すと共に、シラノール
    縮合触媒0.01〜0.15重量部を同時にこれらとは
    別の供給口から供給しながら、導体を押出被覆し、これ
    を水中にて架橋させることを特徴とする被覆電線の製造
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002150859A (ja) * 2000-11-08 2002-05-24 Mitsubishi Cable Ind Ltd 電線の製造方法
JP2002249593A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Inoac Corp 架橋ポリオレフィンの製造方法
JP2002289043A (ja) * 2001-03-27 2002-10-04 Hitachi Cable Ltd 電線・ケーブル
JP2012021146A (ja) * 2010-06-15 2012-02-02 Hitachi Cable Ltd シラン架橋ポリエチレン、電線、及びケーブル

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