JP2000230025A - 電力ケーブル被覆用のシラン変性直鎖状ポリエチレンおよび電力ケーブル - Google Patents

電力ケーブル被覆用のシラン変性直鎖状ポリエチレンおよび電力ケーブル

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエチレンのシラン架橋におい
て、高密度ポリエチレンや多量のビニルシランを用いる
ことなく、電力ケーブルの生産性や取り扱い性が優れ、
電力ケーブルに必要な耐熱性を有する架橋密度を付与で
きるポリエチレン、このポリエチレンを水架橋した架橋
ポリエチレン、および、この架橋ポリエチレンを被覆し
た電力ケーブルを提供すること。 【解決手段】 エチレンと炭素原子数3〜10
のα−オレフィンとの共重合体からなる直鎖状ポリエチ
レンとシラン化合物とからなるシラン変性物であって、
特定範囲の密度およびメルトフローレートと、水架橋性
を有する電力ケーブル被覆用のシラン変性直鎖状ポリエ
チレンに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水架橋性を有する
電力ケーブル被覆用のシラン変性直鎖状ポリエチレンお
よびこのシラン変性直鎖状ポリエチレンを被覆した電力
ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】シラン変成ポリエチレンに関して、特開
平9−208637号で、耐圧クリープ特性および柔軟
性の両者に優れた給湯、給水、床暖房およびロードヒー
ティング用等の架橋パイプを得ることを課題として、エ
チレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重
合体からなる直鎖状ポリエチレンのシラン変性物であっ
て、190℃、2.16kg荷重におけるメルトフロー
レート(MFR)が0.02〜0.8g/10分の範囲で
あり、密度(d)が0.920〜0.940g/cm3の
範囲であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との関係が、Mw/Mn≦3.0を満たすこと
を特徴とする架橋パイプ用シラン変性直鎖状ポリエチレ
ンとこの成形体を架橋させてなる架橋パイプが開示され
ている。
【0003】ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン
共重合体を用いた電力ケーブル、絶縁体に関して、特開
平7−312118号、特開平8−185712号、特
開平9−25373号が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電力ケーブル、電線ケ
ーブル被覆用に用いるポリエチレンからなる絶縁体は、
その導体の事故などにより過大な電流が流れたときも、
ケーブルとしての特性を失わない様に、耐熱性が重要な
特性となる。JIS規格では120℃の変形率、IEC
では200℃の変形率が規定されており、絶縁体は、そ
の融点近くまたは、それ以上の温度において、ある一定
以下の変形率を保持する必要がある。このため、通常、
絶縁体は架橋により、その耐熱性を付与する手法が用い
られ、架橋密度が高くなるに従い、耐熱性がより良好と
なる。
【0005】ポリエチレンの架橋の手法としては、電子
線照射による架橋、過酸化物による架橋、シラン化合物
による水架橋(ポリオレフィン系樹脂に不飽和アルコキ
シシランをグラフトし、シラノール縮合触媒の存在下で
水分により架橋させる架橋法)などが知られている。電
子線照射や過酸化物による架橋は架橋のための設備費が
高く、シラン架橋は、設備費が安く、生産性が高い。そ
の反面、シラン化合物による水架橋は過酸化物などによ
る架橋に比べ、架橋密度が低くなる傾向がある。
【0006】水架橋によるポリエチレンの架橋では、そ
の耐熱性を向上させるために、高密度ポリエチレン(H
DPE)の配合または、架橋成分であるビニルシランを
多量に使用し架橋密度を向上させるなどの方法が行われ
てきた。ポリエチレンに高密度ポリエチレン(HDP
E)を配合すると、ポリエチレンの硬度が上昇するた
め、このポリエチレンを被覆したケーブルでは取り扱い
が悪くなる傾向があり、また、ビニルシランの増量は、
製造コストが問題となり優れた方法ではない。
【0007】本発明は、ポリエチレンのシラン架橋にお
いて、高密度ポリエチレンや多量のビニルシランを用い
ることなく、電力ケーブルの生産性や取り扱い性が優
れ、電力ケーブルに必要な耐熱性を有する架橋密度を付
与できるポリエチレン、このポリエチレンを水架橋した
架橋ポリエチレン、および、この架橋ポリエチレンを被
覆した電力ケーブルを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレンと炭
素原子数3〜10のα−オレフィンとの共重合体からな
る直鎖状ポリエチレンとシラン化合物とからなるシラン
変性物であって、下記特性(A)および水架橋性を有す
る電力ケーブル被覆用のシラン変性直鎖状ポリエチレン
に関する。 (A):シラン変性直鎖状ポリエチレンの特性 (A−1)密度(d)が、0.900〜0.935(g
/cm3)の範囲 (A−2)190℃、2.16Kg荷重におけるメルト
フローレート(MFR2. 16)が、0.1〜20(g/1
0分)の範囲
【0009】上記のシラン変性直鎖状ポリエチレンを被
覆し、水架橋させてなる電力ケーブルに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、エチレンと炭素原子数
3〜10のα−オレフィンとの共重合体からなる直鎖状
ポリエチレンとシラン化合物とからなるシラン変性物で
あって、下記特性(A)および水架橋性を有する電力ケ
ーブル被覆用のシラン変性直鎖状ポリエチレンに関す
る。 (A):シラン変性直鎖状ポリエチレンの特性 (A−1)密度(d)が、下限値として0.900(g
/cm3)、好ましくは0.902(g/cm3)、さら
に好ましくは0.905(g/cm3)、特に好ましく
は0.906(g/cm3)から上限値として0.93
5(g/cm3)、好ましくは0.930(g/c
3)、さらに好ましくは0.925(g/cm3)、特
に好ましくは0.924(g/cm3)の範囲 (A−2)190℃、2.16Kg荷重におけるメルト
フローレート(MFR2. 16)が、下限値として0.1
(g/10分)好ましくは0.5(g/10分)、さら
に好ましくは1.0(g/10分)、特に好ましくは
1.2(g/10分)から上限値として20(g/10
分)、好ましくは15(g/10分)、さらに好ましく
は10(g/10分)、特に好ましくは8.0(g/1
0分)の範囲
【0011】本発明のシラン変性直鎖状ポリエチレン
は、エチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンと
の共重合体からなる直鎖状ポリエチレンを、ラジカル発
生剤の存在下でシラン化合物を加熱グラフトさせて製造
するシラン変性直鎖状ポリエチレンが好ましい。
【0012】本発明のシラン変性直鎖状ポリエチレンの
保存時のメルトフローレート(MFR2.16)の変化割合
である保持率は、92%以上、さらに94%以上、特に
96%以上が好ましい。本発明のシラン変性直鎖状ポリ
エチレンは、保存時のメルトフローレート(MF
2.16)の変化が小さく保存安定性が優れている。
【0013】本発明のシラン変性直鎖状ポリエチレン
は、架橋成分であるシラン化合物をエチレンと炭素原子
数3〜10のα−オレフィンとの共重合体からなる直鎖
状ポリエチレン 100重量部に対し0.003〜0.
04モル、好ましくは、0.004〜0.03、特に好
ましくは0.005〜0.025の範囲、または、架橋
成分であるシラン化合物を水架橋用ポリエチレン100
重量部に対し下限値として0.003モルから上限値と
して0.04モルの範囲で用いることが経済的で好まし
い。
【0014】エチレンと炭素原子数3〜10のα−オレ
フィンとの共重合体からなる直鎖状ポリエチレンは、直
鎖状のポリエチレンであり、炭素数3〜10のα−オレ
フィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
−1などを挙げることができる。エチレンと炭素原子数
3〜10のα−オレフィンとの共重合体からなる直鎖状
ポリエチレンは、また本発明の目的の範囲内であれば、
直鎖状ポリエチレンを2種以上ブレンドしたものを用い
ることができる。
【0015】エチレンと炭素原子数3〜10のα−オレ
フィンとの共重合体からなる直鎖状ポリエチレンは、下
記特性を有することが好ましい。 (B−1)密度(d)が、下限値0.900(g/cm
3)、さらに0.902(g/cm3)、特に0.905
(g/cm3)から上限値0.935(g/cm 3)さら
に0.930(g/cm3)、特に0.925(g/c
3)の範囲 (B−2)190℃、2.16Kg荷重におけるメルト
フローレート(MFR2. 16)が、下限値0.1(g/1
0分)さらに1.0(g/10分)、特に3(g/10
分)から上限値30(g/10分)、さらに25(g/
10分)、特に20(g/10分)の範囲
【0016】本発明のシラン変性直鎖状ポリエチレン
は、エチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンと
の共重合体からなる直鎖状ポリエチレンの溶融張力比
(MTR)が、50以上、さらに60以上、特に70以
上を用いることが、シラン変性直鎖状ポリエチレンを水
架橋した後のゲル分率が高く、加熱変形量が小さくなる
ため好ましい。
【0017】エチレンと炭素原子数3〜10のα−オレ
フィンとの共重合体からなる直鎖状ポリエチレンは、エ
チレンとα−オレフィンとの共重合体中のα−オレフィ
ンから誘導される繰り返し単位が、通常、好ましくは1
0モル%以下の範囲、さらに好ましくは0.1〜5モル
%の範囲で、特に好ましくは0.1〜4モル%の範囲で
含まれている。α−オレフィンは、エチレン−α−オレ
フィン共重合体中に単独であっても、二種以上含まれて
いてもよい。
【0018】エチレンと炭素原子数3〜10のα−オレ
フィンとの共重合体からなる直鎖状ポリエチレンは、公
知の触媒、例えばチーグラー触媒またはメタロセン触媒
などのシングルサイト触媒等を用いて製造することがで
きるものが好ましい。エチレンと炭素原子数3〜10の
α−オレフィンとの共重合体からなる直鎖状ポリエチレ
ンの代表的な重合方法としては、スラリー法、気相法、
溶液法等が好ましく、エチレンと炭素原子数3〜10の
α−オレフィンとの共重合体からなる直鎖状ポリエチレ
ンは、製造の際に使用する重合触媒や重合方法等により
制約されるものではない。
【0019】エチレンと炭素原子数3〜10のα−オレ
フィンとの共重合体からなる直鎖状ポリエチレンには、
本発明の目的の範囲内であれば、高圧法低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレンを配合する事が出来る。
【0020】シラン変性に使用するラジカル発生剤とし
ては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等の有機過酸化
物があげられる。これらの中ではジクミルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイドが好ましい。
【0021】シラン化合物としては、末端ビニル基など
のラジカル反応可能な有機基およびアルコキシ基などの
加水分解可能な有機基とを有するシラン化合物であり、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、ビニル−トリス(n−ブトキ
シ)シラン、ビニル−トリス(n−ペントキシ)シラ
ン、ビニル−トリス(n−ヘキソキシ)シラン、ビニル
−トリス(n−ヘプトキシ)シラン、ビニル−トリス
(n−オクトキシ)シラン、ビニル−トリス(n−ドデ
シルオキソ)シラン、ビニル−ビス(n−ブトキシ)メ
チルシラン、ビニル−ビス(n−ペントキシ)メチルシ
ラン、ビニル−ビス(n−ヘキソキシ)メチルシラン、
ビニル−(n−ブトキシ)ジメチルシラン、ビニル−
(n−ペントキシ)ジメチルシラン、β−メタクリルオ
キシエチル−トリス(n−ブトキシ)シラン、γ−メタ
クリルオキシプロピル−トリス(n−ドデシル)シラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−メタクリルオキシプロピル−トリス−(2−メトキシ
エトキシ)シラン等があげられる。これらの中ではビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好
ましい。
【0022】本発明のシラン変性直鎖状ポリエチレン
は、水架橋後のゲル分率が、63%以上、さらに66%
以上、特に68%以上では、電力ケーブルに必要な耐熱
性を有するために好ましい。
【0023】本発明のシラン変性直鎖状ポリエチレン
は、水架橋後の加熱変形量が、20%以下、さらに19
%以下、特に18%以下では、電力ケーブルに必要な耐
熱性を有するために好ましい。
【0024】本発明のシラン変性直鎖状ポリエチレン
は、水架橋により架橋させることができる。水架橋は、
シリコーンのシラノール間の脱水縮合を促進するシラノ
ール縮合触媒を用いて行うことが好ましい。
【0025】シラノール縮合触媒は、例えばジブチル錫
ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ
オレエート、酢酸第一錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コ
バルト、カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、チ
タン酸エステル、チタン酸テトラブチルエステル、チタ
ン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニト
リル)ジ−イソプロピルチタン、エチルアミン、ヘキシ
ルアミン、ジブチルアミン、ピリジン等が好ましい。
【0026】シラノール縮合触媒の割合はシラン変性直
鎖状ポリエチレン 100重量部に対して下限値として
0.001重量部、さらに0.005重量部、特に0.
01重量部から上限値として5重量部、さらに2重量
部、特に1重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0027】シラノール縮合触媒は、予めポリエチレン
と混練してマスターバッチを作成したものを用いること
ができる。
【0028】さらに、本発明のシラン変性直鎖状ポリエ
チレンは、シラン変性直鎖状ポリエチレンを導体、ケー
ブルなどに押出などの方法で被覆し、水架橋させて電力
ケーブルとして用いることができる。
【0029】シラン変成直鎖状ポリエチレンとシラノー
ル縮合触媒とを混練し、もしくは、直鎖状ポリエチレン
とビニルシラン、パーオキサイド、シラノール触媒を混
合したものを混練し、導体などのケーブルに押出被覆成
形し、通常次のような方法により架橋される。すなわ
ち、押出被覆した成形物を常温〜130℃程度、好まし
くは常温〜100℃にて水中、水蒸気中または多湿雰囲
気下で1分間〜1週間程度、好ましくは10分間〜1日
間程度水分と接触させる。これにより、シラン化合物は
シラノール縮合触媒によりシラン架橋反応が進行し、押
出被覆成形された電力ケーブルが得られる。本発明のシ
ラン変成直鎖状ポリエチレンを被覆し架橋した電力ケー
ブルは、架橋方法、例えば水分との接触方法等により制
約を受けるものではない。
【0030】本発明では、シラン変性前の直鎖状ポリエ
チレン、シラン変性直鎖状ポリエチレンまたは押出被覆
した電力ケーブルの製造のいずれの段階においても、本
発明の目的を損なわない範囲内で、耐熱安定剤、老化防
止剤、耐候安定剤、塩酸吸収剤、滑剤、有機系あるいは
無機系顔料、カーボンブラック、目やに防止剤、難燃
剤、帯電防止剤、充填剤等を配合することができる。ま
た、シラン変性前の直鎖状ポリエチレンまたは高圧法低
密度ポリエチレンを配合することもでき、その配合量は
70重量%以下、さらに50重量%以下、特に30重量
%以下にするのが好ましい。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0032】特性値は次のようにして測定した。 (A)直鎖状ポリエチレン、シラン変性直鎖状ポリエチ
レン及びその水架橋物の各特性の測定法 [1]密度: JIS K7112に準拠して、190
℃での2.16Kg荷重におけるMFR測定時に得られ
るストランドを100℃で1時間熱処理し、1時間かけ
て室温まで徐冷したサンプルを密度勾配管を用いて測定
した。
【0033】[2]メルトフローレート(MF
2.16): JIS K7210に準拠して、メルトイ
ンデクサを用いて190℃における2.16Kg荷重で
の10分間にストランド状に押し出される樹脂の重量を
測定することにより求めた。
【0034】[3]溶融張力比(MTR):メルトテン
ションの測定は、JISK7199に規定されるキャピ
ラリーレオメーター(東洋精機製作所製:キャピログラ
フ)を使用して行った。メルトテンションの測定条件
は、測定温度:190℃、ダイス:2.095mmΦ,
60°テーパー付き,ランド長8.03mmで行った。
測定は、以下の手順で行った。 (1)測定温度に加温されたキャピラリーレオメーター
にポリエチレン13gを充填した。 (2)充填後、5分間予熱したのちピストンを、10m
m/minの速度で降下させメルトテンションの測定を
開始した。 (3)メルトテンションの測定は、溶融樹脂の引取り速
度を1m/分,2m/分,3m/分,5m/分,10m
/分,15m/分,20m/分,25m/分,30m/
分,50m/分,70m/分,100m/分,150m
/分に変化させて行った。 上記の13個のメルトテンションの測定値のうち、メル
トテンションの最低値を最低溶融張力(MTmin)と
し、最高値を最大溶融張力(MTmax)とした。溶融
張力比(MTR)は、一般式(1)により算出した。
【数1】
【0035】[4]保持率(%) 直鎖状ポリエチレン、シラン化合物およびラジカル発生
剤とを加熱混練後、シラン変性直鎖状ポリエチレンを製
造した。製造後、直ちにメルトフローレートを測定し
た。さらに、シラン変性直鎖状ポリエチレンをアルミ蒸
着したポリエチレン袋に入れた後密封し、15〜25
℃、相対湿度45〜65%の室内に80日放置した。8
0日後のシラン変性直鎖状ポリエチレンのメルトフロー
レートを測定した。保持率は、一般式(2)に従い、算
出した。
【数2】
【0036】[5]ゲル分率 測定は、JISC3005に準じて行った。厚さ1mm
の架橋シート約0.5gを精量し、110℃のキシレン
300ml中に24時間浸漬し、架橋シートのキシレン
未溶解物を取り出す。この未溶解物を100℃の真空乾
燥機を用いて24時間乾燥させる。乾燥後の未溶解物の
重量を精量する。ゲル分率は、一般式(3)に従い算出
した。
【数3】
【0037】[6]加熱変形量 測定は、厚さ約2mmの架橋シートを用い、JISC3
005に準じて行った。測定条件は、試験荷重を2Kg
f、試験温度を120℃とした。加熱変形量は、一般式
(4)に従い算出した。
【数4】
【0038】用いたエチレン−α−オレフィン共重合体
および高圧法低密度ポリエチレンの特性を表1に示し
た。
【0039】
【表1】
【0040】[実施例1〜8、比較例1〜3]表2に示
す配合量のポリエチレン、ビニルトリメトキシシランお
よび、、ジクミルパーオキサイド(DCP)とを均一に
混合した。混合物を窒素下、65mmφ単軸押出機(L
/D=28、温度200℃)を用いて溶融混練し、ペレ
ット状のシラン変性直鎖状ポリエチレンを製造した。シ
ラン変性直鎖状ポリエチレンの製造後直ぐのメルトフロ
ーレートと密度を測定し、結果を表3に示した。さら
に、80日保存後のメルトフローレートを測定し、保持
率を算出し、結果を表3に示した。
【0041】得られたシラン変性ポリエチレンと触媒M
Bとを、90:10の割合で均一混合し、窒素下、65
mmφ単軸押出機(L/D=28、温度200℃)を用
いて溶融混練しペレット状の水架橋コンパウンドを得
た。ペレット製造後直ぐに、ペレットを加圧プレス機を
用いて、温度165℃で厚さ約1mm、約2mmおよび
約3mmのシートにそれぞれ加圧成形した。得られたシ
ートは、80℃の温水中に12時間浸漬し、水架橋させ
た架橋シートを得た。架橋シートのゲル分率及び加熱変
形量を測定し、結果を表3に示した。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】本発明の水架橋用ポリエチレンは、電力
ケーブルの被覆に用いることができ、特定条件下での水
架橋において、多量のシラン化合物を用いることなく生
産コストが優れ、高密度ポリエチレンやビニルシランを
多量に用いることなく生産することができ、柔軟性など
の取り扱い性が優れ、電力ケーブルなどの押出成形など
の生産性が優れ、電力ケーブルに必要な耐熱性を有する
架橋可能な水架橋用ポリエチレンである。
【0045】本発明の架橋ポリエチレンは、多量のシラ
ン化合物を用いることなく生産コストの優れた、高密度
ポリエチレンを多量に用いることなく生産することがで
き、柔軟性などの取り扱い性が優れ、電力ケーブルなど
の押出成形などの生産性が優れ、電力ケーブルの被覆に
用いることができ、電力ケーブルに必要な耐熱性を有す
るものである。
【0046】本発明の架橋ポリエチレンを被覆した電力
ケーブルは、高価なビニルシランの量を低減でき、その
ため生産コストが低く、適度な柔軟性を持ち取り扱い性
が優れ、電力ケーブルとして押出成形時での生産性が優
れ、電力ケーブルに必要な耐熱性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 230:08) Fターム(参考) 4J002 BN041 DE026 EK000 FD140 FD150 GQ00 4J026 AA11 AA12 AA13 AA14 AC36 BA43 DB15 DB25 DB32 DB33 DB38 EA08 FA02 FA03 GA08 5G305 AA02 AA14 AB17 AB24 AB36 BA12 BA22 BA26 CA01 CA40 CA51 CA54

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと炭素原子数3〜10のα−オレ
    フィンとの共重合体からなる直鎖状ポリエチレンとシラ
    ン化合物とからなるシラン変性物であって、下記特性
    (A)および水架橋性を有する電力ケーブル被覆用のシ
    ラン変性直鎖状ポリエチレン。 (A):シラン変性直鎖状ポリエチレンの特性 (A−1)密度(d)が、0.900〜0.935(g
    /cm3)の範囲 (A−2)190℃、2.16Kg荷重におけるメルト
    フローレート(MFR2. 16)が、0.1〜20(g/1
    0分)の範囲
  2. 【請求項2】請求項1記載のシラン変性直鎖状ポリエチ
    レンを被覆し、水架橋させてなる電力ケーブル。
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