JP3456774B2 - 水架橋性不飽和アルコキシシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法および水架橋成形物 - Google Patents
水架橋性不飽和アルコキシシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法および水架橋成形物Info
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Description
キシシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフ
ィン共重合体の製造方法および水架橋成形物に関する。
本発明の水架橋成形物は、各種パイプ、ホース、電線ケ
ーブル、シート、フィルム、鋼管複合体、鋼板複合体、
発泡体、テープ、各種成形品、電子部品、機械部品、運
動用具等として利用される。
成形物を製造する方法としては、放射線をポリオレフィ
ン系樹脂成形物に照射して架橋する方法、有機過酸化物
を配合したポリオレフィン系樹脂成形物を有機過酸化物
の分解温度以上に加熱し、架橋する方法が行われてきた
が、放射線照射架橋法は、設備費が高い上、厚物の架橋
が困難であり、また、有機過酸化物による架橋法も設備
費が高く、設備費の安い架橋方法が求められていた。こ
れに対し、ポリオレフィン系樹脂に不飽和アルコキシシ
ランをグラフトし、シラノール縮合触媒の存在下で水分
により架橋させる、いわゆる水架橋法が開発された(特
公昭48−1711号公報参照)。この方法は、まず不
飽和アルコキシシランをグラフトしたポリオレフィン系
樹脂(以後、シラン変性ポリオレフィン系樹脂と呼ぶ)
を押出機で製造し、次に別の押出機中でこのシラン変性
ポリオレフィン系樹脂と酸化防止剤、カーボンブラッ
ク、シラノール縮合触媒、顔料、滑剤等と均一に混練
し、ダイより押出し、成形物とする、いわゆる2工程S
ioplas法であった。この方法は2工程を要し、コ
ストアップとなるので、次に、一つの押出機に、全ての
原料(ポリオレフィン系樹脂、不飽和アルコキシシラ
ン、有機過酸化物、酸化防止剤、シラノール縮合触媒、
その他の添加剤等)を投入し、これらの成分のすべてを
押出機の胴部の最初の部分で混合し、混合が完了したな
らば該混合物を同一押出機の胴部の次の部分で不飽和ア
ルコキシシランがポリオレフィン系樹脂にグラフト縮合
を完了するまで加熱し、その後シラン変性ポリオレフィ
ン系樹脂と他の添加剤を同一押出機の最後の部分で均一
に混練し、ダイより押出し成形物とする、いわゆる1工
程Monosil法が開発された(特公昭58−255
83号公報参照)。この方法は、一工程であり、コスト
ダウンとなり現在は、この方法により水架橋成形物が大
量に製造されている。
ては、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度エチレン−α−
オレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−
1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート共重合体、アイオノマー等各種あり、これ
らは機械的強度、柔軟性、耐熱性等が異なるので、それ
ぞれの有利な物性をいかして、特定の用途分野に水架橋
成形物として使用されている。しかしながら、これらの
各種ポリオレフィン系樹脂は、溶融温度がそれぞれ異な
るため、同一条件で全ての不飽和アルコキシシラングラ
フト体が製造できるものではない。
レン、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体
は、それぞれ溶融温度が約160℃、130℃、120
℃と高く、これらの原料形態であるペレット(直径3〜
5mm、高さ3〜5mmの円柱状体)に、不飽和アルコ
キシシランを2〜5重量%混合して、樹脂の溶融温度以
上で押出機で混練してグラフト反応を進行させようとす
ると、不飽和アルコキシシランは粘度の低い液体とな
り、一部は気体となっているので、樹脂の混練を妨害
し、均一なシラングラフト体は得られず、品質の良好な
水架橋物は製造できなかった。
ィン共重合体は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン
に比較し、価格が低く、柔軟性、耐衝撃性、低温特性に
すぐれているので、電線ケーブルの被覆材、絶縁材、パ
イプ用の素材として採用が待ち望まれているが、上記の
製造上の制約のため、これを用いた工業製品は今まで生
産されていない。
状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体は、ペレッ
トの製品形態で市販されているが、これを用いて水架橋
成形物をつくることは困難であり、これまで、これを用
いた水架橋成形物は工業的にはつくられていなかった。
そこで、本発明は、低価格ですぐれた特性を有する直鎖
状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体を原料とし
て高品質の水架橋性不飽和シラングラフト直鎖状低密度
エチレン−α−オレフィン共重合体を製造する方法、該
方法に使用し得る直鎖状低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体および前記水架橋性グラフト共重合体から得
られる水架橋成形物を提供することを課題とする。
度エチレン−α−オレフィン共重合体のペレットを用い
て、不飽和アルコキシシランをグラフトした場合、不飽
和アルコキシシランがペレットの滑剤として作用し、両
者の混練が均一に行われないことに着目し、ペレット形
態ではなく、不飽和アルコキシシランが吸収されやすい
形態にすれば良好な結果が得られることに想到し、検討
を重ねたところ、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体の重合触媒および重合条件を選択して、比表
面積が大きく細孔多孔質のグラニュラー状物として用い
ることにより、上記課題が解決できることを見出し、さ
らに検討を加え本発明を完成させた。
0.935g/ml、メルトインデックス0.1〜5g
/10分の直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重
合体に不飽和アルコキシシラン、有機過酸化物を配合し
た後、押出機中で有機過酸化物の分解温度以上に温度を
上げて製造された水架橋性不飽和アルコキシシラングラ
フト直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体で
あって、前記直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体として、比表面積50〜1000m2/g、平均
粒径50〜200μm、細孔直径50〜200Åの無機
酸化物多孔体からなる担体に酸化クロムを含有する重合
触媒成分を担持させた重合触媒と、エチレン80〜98
重量部およびα−オレフィン20〜2重量部からなるモ
ノマー流体とを、気相流動床反応器中で、30〜105
℃の温度、5〜70気圧の圧力、1.5〜10のGmf
の条件で接触させて得た比表面積500〜2000cm
2/g、かさ密度0.2〜0.5g/ml、平均粒径
0.5〜1.5mmのグラニュラー状物を使用すること
を特徴とする水架橋性不飽和アルコキシシラングラフト
直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体に関す
る。
ラフト縮合の際に、直鎖状低密度エチレン−α−オレフ
ィン共重合体、不飽和アルコキシシランおよび有機過酸
化物の他に、シラノール縮合触媒をさらに配合し、製造
したことを特徴とする水架橋性不飽和アルコキシシラン
グラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合
体に関する。
アルコキシシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−
オレフィン共重合体(シラノール縮合触媒が配合されて
いない場合は該触媒を適当量配合する)を配合し、押出
機より押出し成形物とし、水分に接触させて得た水架橋
成形物に関する。
の水架橋性グラフト共重合体を製造するための密度0.
910〜0.935g/ml、メルトインデックス0.
1〜5g/10分の直鎖状低密度エチレン−α−オレフ
ィン共重合体であって、比表面積50〜1000m2/
g、平均粒径50〜200μm、細孔直径50〜200
Åの無機酸化物多孔体からなる担体に重合触媒成分を担
持させた重合触媒と、エチレン80〜98重量部および
α−オレフィン20〜2重量部からなるモノマー流体と
を、気相流動床反応器中で、30〜105℃の温度、5
〜70気圧の圧力、1.5〜10のGmfの条件で接触
させて得られる比表面積500〜2000cm2/g、
かさ密度0.2〜0.5g/ml、平均粒径0.5〜
1.5mmのグラニュラー状物の形態にあることを特徴
とする前記直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重
合体に関する。
フィン共重合体は、上記のように、密度0.910〜
0.935g/ml、メルトインデックス0.1〜5g
/10分のもので、かつ特定性状のグラニュラー状物の
形態にあるものである。該共重合体は、密度が0.91
0g/ml未満であると耐熱性が劣り、0.935g/
mlを越えると柔軟性、可撓性、低温特性が悪くなり望
ましくない。本発明において、エチレンと共重合するα
−オレフィンはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1
等が好適である。上記グラニュラー状物の製造に用いら
れる無機酸化物(担体)としては、シリカ、アルミナ、
トリア、ジルコニアおよびこれと類似のその他の無機酸
化物、およびこれら酸化物の混合物を包含する。また、
重合触媒成分としては、酸化クロム、シランで変性した
ビス(シクロペンタジエニル)クロム(II)、マグネ
シウム−チタン複合体等が挙げられる。
は、本願出願人が技術導入したアメリカ合衆国、ユニオ
ンカーバイト社を出願人とする特公昭50−32110
号、同52−45750号、同53−8666号、同5
6−18132号、同56−22444号、同61−3
63号、同61−26805号等の公報に詳細に説明さ
れている。この重合方法はユニポール法と呼ばれ、本願
出願人の川崎工業所内にて操業中のものであり、本発明
に用いるグラニュラー状物は、ユニポール法の装置を用
いて、上記の特定条件で製造され得るものである。上記
製造条件を外れると、本発明に使用し得るグラニュラー
状物は製造できず望ましくない。なお、上記製造条件
中、Gmfとは流動床において流動化を達成するのに必
要とされる最小ガス流量に対する略語であり、シー.ワ
イ.ウエンおよびワイ.エイチ.ユ両氏の論文「流動化
機構」(Chemical Engineering Progress SymposiumSeri
es, Vol. 62, pp. 100-111, 1966)に詳細に説明されて
いる。
は、比表面積500〜2000cm2/g、かさ密度
0.2〜0.5g/ml、平均粒径0.5〜1.5mm
のものである。比表面積が500cm2/g未満である
と、不飽和アルコキシシランが均一かつ速やかにグラニ
ュラー状物に吸収されないので、均一なグラフト体が得
られず、2000cm2/gを越えると、不飽和アルコ
キシシランの吸収がよすぎて、不飽和アルコキシシラン
が偏在し、かえって、均一なグラフト体が得られず、望
ましくない。かさ密度が0.2cm2/g未満である
と、押出機中でグラニュラーの混練効率が悪く、生産性
に劣り、0.5g/mlを越えると、グラニュラー状物
の細孔部分が少なくなり、均一に不飽和アルコキシシラ
ンが吸収されず、均一なグラフト体が得られず望ましく
ない。平均粒径が0.5mm未満であると、不飽和アル
コキシシランの吸収がよすぎて、かえって均一なグラフ
ト体が得られず、1.5mmを越えると、グラニュラー
状物の形状が不統一になり、均一なグラフト体が得られ
ず、望ましくない。
シシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体は、本発明のグラニュラー状物(直鎖状低密
度エチレン−α−オレフィン共重合体)と不飽和アルコ
キシシランを直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体の融点以上、グレードによって異なるが通常約1
17℃以上の温度にて有機過酸化物を用いて、該エチレ
ン−α−オレフィン共重合体に遊離ラジカル部位を発生
させ、反応させることにより得られる。
シシランは、例えば一般式RR′SiY2 で表されるも
のである。上記式中、Rはポリオレフィン系樹脂中に発
生した遊離ラジカル部位と反応性である脂肪族の不飽和
な炭化水素基またはハイドロカーボンオキシ基である。
このような基の例としては、ビニル基、アリル基、ブチ
ニル基、ジクロヘキセニル基、シクロペンタジエニル基
を挙げることができ、ビニル基が好適である。また、Y
は、例えばメトキシ基、エトキシ基およびブトキシ基の
ようなアルコキシ基であり、そしてR′はオレフィン性
不飽和を含まない一価の炭化水素基、基Yまたは水素原
子である。
は、以下のものが挙げられる:γ−メタアクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシ
プロピル−トリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルメチルジ
エトキシシラン、ジアリルジメトキシシラン、アリルフ
ェニルジエトキシシラン、メトキシビニルジフェニルシ
ラン、ドデセニルジプロポキシシラン、ジデセニルジメ
トキシシラン、ジドデセニルメトキシシラン、シクロヘ
キセニルトリメトキシシラン、ヘキセニルヘキソキシジ
メトキシシラン、ビニル−トリ−n−ブトキシシラン、
ヘキセニル−トリ−n−ブトキシシラン、ビニル−トリ
ス(n−ブトキシ)シラン、ビニル−トリス(n−ペン
トキシ)シラン、ビニル−トリス(n−ヘキソキシ)シ
ラン、ビニル−トリス(n−ヘプトキシ)シラン、ビニ
ル−トリス(n−オクトキシ)シラン、ビニル−トリス
(n−ドデシルオキソ)シラン、ビニル−ビス(n−ブ
トキシ)メチルシラン、ビニル−ビス(n−ペントキ
シ)メチルシラン、ビニル−ビス(n−ヘキソキシ)メ
チルシラン、ビニル−(n−ブトキシ)ジメチルシラ
ン、ビニル−(n−ペントキシ)ジメチルシラン、アリ
ルジペントキシシラン、ブテニルジデコキシシラン、デ
セニルジデコキシシラン、ドデセニルトリオクトキシシ
ラン、ヘプテニルトリヘプキシシラン、アリルトリプロ
ポキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジアリル−
ジ−n−ブトキシシラン、ペンテニルトリプロポキシシ
ラン、アリル−ジ−n−ブトキシシラン、第二ブテニル
トリエトキシシラン、β−メタクリルオキシエチル−ト
リス(n−ブトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプ
ロピル−トリス(n−ドデシル)シラン。なお、不飽和
アルコキシシランは直鎖状低密度エチレン−α−オレフ
ィン共重合体100重量部に対して0.1〜10重量
部、好ましくは0.5〜3重量部配合される。
反応条件下でポリオレフィン系樹脂に遊離ラジカル部位
を生成することができ、反応温度において6分より短い
半減期、好ましくは1分よりも短い半減期を有する任意
の化合物を使用でき、代表的なものとしては、ジクミル
パーオキサイド、ジ−第三ブチルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、2,5−ジ(ペルオキシベンゾ
エート)ヘキシン−3等が挙げられる。有機過酸化物は
直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体100
重量部に対して0.01〜0.75重量部、好ましくは
0.02〜0.3重量部配合される。
ては、シリコーンのシラノール間の脱水縮合を促進する
触媒として使用されるものであり、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオリテー
ト、酢酸第一錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、
カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、チタン酸エ
ステル、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テト
ラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ
−イソプロピルチタン−エチルアミン、ヘキシルアミ
ン、ジブチルアミン、ピリジン等が挙げられる。シラノ
ール縮合触媒の配合量は、不飽和アルコキシシラングラ
フトエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に
対して0.001〜10重量部程度であり、0.05〜
5重量部が好ましい。
シシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体を製造する方法としては、前述したように、
2工程Sioplas法や1工程Monosil法が代
表的なものである。すなわち、前者の方法では、上記グ
ラフト共重合体を押出機でまず製造し、次に別の押出機
で該グラフト共重合体、シラノール縮合触媒、酸化防止
剤、顔料、滑剤等と均一に混練後、ダイより押出す。一
方、後者の方法では、一つの押出機に、全ての原料(エ
チレン−α−オレフィン共重合体、不飽和アルコキシシ
ラン、有機過酸化物、シラノール縮合触媒、その他の添
加剤等)を投入し、これらの成分のすべてを押出機の胴
部の最初の部分で混合し、混合が完了したならば該混合
物を同一押出機の胴部の次の部分で不飽和アルコキシシ
ランがポリオレフィン系樹脂にグラフト縮合を完了する
まで加熱し、その後シラン変性ポリオレフィン系樹脂と
他の添加剤を同一押出機の最後の部分で均一に混練し、
ダイより押出す。
不飽和アルコキシシラングラフト直鎖状低密度エチレン
−α−オレフィン共重合体の製造において最終的にダイ
より押出すことにより、所望形状に成形され、次いで水
架橋を行うことにより製造される。この水架橋は成形物
を水分と接触させることにより行われ、常温〜200
℃、好ましくは常温〜100℃の水(液体または蒸気)
と10秒〜10日程度、好ましくは1分〜1日程度接触
させることからなる。
100Åの多孔質シリカ担体に三酸化クロム、チタン酸
テトライソプロピル、(NH4)2SiF6等を担持さ
せた重合触媒を用いて、ユニポール法気相流動床中で、
エチレン90重量部、ブテン−1 10重量部からなる
モノマー流体を流動床下方より上方に向けて流動させ、
温度90℃、25気圧、Gmf5の条件で重合し、比表
面積1000cm2/g、かさ密度0.4g/ml、平
均粒径0.8mmのグラニュラー状物を得た。これはエ
チレン−ブテン−1共重合体からなり、密度は0.92
0g/ml、メルトインデックスは0.8g/10分で
あった。
トエチレン−α−オレフィン共重合体組成物の製造〕上
記グラニュラー状物100重量部、ビニルトリメトキシ
シラン(日本ユニカー製、商品名NUCシランカップリ
ング剤Y−9818)2重量部、ジクミルパーオキサイ
ド(日本油脂製、商品名パークミルD)0.1重量部、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート0.5重量部、ジブチル錫ジラウレート
0.05重量部を混合し、65mmφ、L/D30の2
軸押出機を用い下記条件で押出し、グラフトさせた。 シリンダー供給部 120℃ 圧縮部 150℃ 計量部 200℃ スクリュー回転速度 40回転/1分 吐出量 50kg/時間 評価:ビニルトリメトキシシランは、グラニュラー状物
に急速かつ均一に吸収され、押出機のモータートルクは
一定であり、安定した操業でグラフト反応が行われた。
物を製造する2軸押出機の先端部分にダイをとりつけ、
樹脂温度230℃で、外径5mmの銅導体上に厚さ2m
mに該水架橋性組成物を被覆し、80℃の温水中に12
時間浸漬して、水架橋絶縁電線を得た。ゲル分率は75
%、引張強さ1.9kg/mm2 、伸び680%、1%
モジュラス23kg/mm2 、耐加熱変形性5%、耐摩
耗性は高圧法ポリエチレンの1.5倍であり、電線絶縁
層として、良好な物性であった。
180℃で押出し、直径3mm、高さ3mmの円柱状ペ
レットとしたものを、実施例1におけるグラニュラー状
物に代替した以外は、実施例1と同様な実験を行った。 評価:ビニルトリメトキシシランが押出機中でペレット
に速やかに吸収されず、蒸気化し、92%はグラフトし
たものの、8%は未反応のまま排出され、高価なビニル
メトキシシランが浪費されたのでコストアップとなり、
また、未反応ビニルメトキシシランにより、ダイに目や
にが発生し、これを除去するために電線被覆作業を10
時間毎に停止しなければならず作業能率が悪く、ひいて
はコストアップとなり、さらに、製造された電線の外
観、品質が悪く、規格外品であった。
いては、気相法流動床で調製した特定の物性の直鎖状低
密度エチレン−α−オレフィン共重合体からなるグラニ
ュラー状物を原料として、水架橋性樹脂組成物および水
架橋成形物を製造することにより、押出機中で不飽和ア
ルコキシシランがグラニュラー状物に急速に吸収され安
定したグラフト反応が行われ、不飽和アルコキシシラン
の未反応による損失と、ダイへの目やに発生による操業
上の損失を防ぐことができるので、低いコストで、外観
のよい高品質の水架橋成形物が得られる。
クリープ特性、耐衝撃性、耐ストレスクラッキング性、
耐摩耗性、低温特性、耐薬品性、耐水性、耐油性、収縮
特性、可撓性、機械的強度等においてすぐれているの
で、温水用パイプ、水道水用パイプ、温泉用パイプ、農
業用パイプ、暖房用パイプ、ホース、電線ケーブル、シ
ート、フィルム、鋼管複合体、鋼板複合体、発泡体、テ
ープ、各種成形品、電子部品、機械部品、運動用具等と
して好適に使用できる。
エチレン−α−オレフィン共重合体被覆電線の製造が可
能となった。この電線は、耐熱性、可撓性、耐摩耗性、
機械的強度を兼ね備えており、従来の高圧法低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンを被覆
した電線に比べ、外観および品質が極めてすぐれている
ものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 密度0.910〜0.935g/ml、
メルトインデックス0.1〜5g/10分の直鎖状低密
度エチレン−α−オレフィン共重合体に不飽和アルコキ
シシラン、有機過酸化物を配合した後、押出機中で有機
過酸化物の分解温度以上に温度を上げて製造された水架
橋性不飽和アルコキシシラングラフト直鎖状低密度エチ
レン−α−オレフィン共重合体であって、前記直鎖状低
密度エチレン−α−オレフィン共重合体として、比表面
積50〜1000m2/g、平均粒径50〜200μ
m、細孔直径50〜200Åの無機酸化物多孔体からな
る担体に酸化クロムを含有する重合触媒成分を担持させ
た重合触媒と、エチレン80〜98重量部およびα−オ
レフィン20〜2重量部からなるモノマー流体とを、気
相流動床反応器中で、30〜105℃の温度、5〜70
気圧の圧力、1.5〜10のGmfの条件で接触させて
得た比表面積500〜2000cm2/g、かさ密度
0.2〜0.5g/ml、平均粒径0.5〜1.5mm
のグラニュラー状物を使用することを特徴とする水架橋
性不飽和アルコキシシラングラフト直鎖状低密度エチレ
ン−α−オレフィン共重合体。 - 【請求項2】 直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン
共重合体、不飽和アルコキシシランおよび有機過酸化物
の他に、シラノール縮合触媒をさらに配合し、製造した
ことを特徴とする請求項1記載の水架橋性不飽和アルコ
キシシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフ
ィン共重合体。 - 【請求項3】 請求項1記載の水架橋性不飽和アルコキ
シシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体にシラノール縮合触媒を配合し、押出機より
押出し成形物とし、水分に接触させて得られた水架橋成
形物。 - 【請求項4】 請求項2記載の水架橋性不飽和アルコキ
シシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体を押出機より押出し成形物とし、水分に接触
させて得られた水架橋成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30564594A JP3456774B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 水架橋性不飽和アルコキシシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法および水架橋成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30564594A JP3456774B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 水架橋性不飽和アルコキシシラングラフト直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法および水架橋成形物 |
Publications (2)
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