JPH11106601A - 水架橋成形物及びその製造方法 - Google Patents

水架橋成形物及びその製造方法

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JPH11106601A
JPH11106601A JP29043897A JP29043897A JPH11106601A JP H11106601 A JPH11106601 A JP H11106601A JP 29043897 A JP29043897 A JP 29043897A JP 29043897 A JP29043897 A JP 29043897A JP H11106601 A JPH11106601 A JP H11106601A
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JP
Japan
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water
olefin copolymer
ethylene
extruder
crosslinkable
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JP29043897A
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English (en)
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Ariyoshi Oki
有美 大木
Koji Ishihara
康二 石原
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NUC Corp
Original Assignee
Nippon Unicar Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の問題点である架橋効率を改善し、耐加
熱変形性や機械的特性に優れた、直鎖状低密度エチレン
−α−オレフィン共重合体水架橋成形物およびその製造
方法の提供。 【解決手段】 本発明の水架橋成形物は、シングルサイ
ト触媒を使用して製造された特定の直鎖状低密度エチレ
ン−α−オレフィン共重合体に、不飽和アルコキシシラ
ン、有機過酸化物、シラノール縮合触媒、および所望に
応じて各種添加剤や補助資材を配合し、押出機中で所定
のシラノール化反応を行ったのち、これを押出して水架
橋性成形物をつくり、最後に該水架橋性成形物を水と接
触させることにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シングルサイト触
媒を使用して製造された特定の直鎖状低密度エチレン−
α−オレフィン共重合体から得られる、架橋効率、耐加
熱変形性及び機械的特性の全ての面で優れた水架橋成形
物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、架橋ポリオレフィン系樹脂は、一
般に各種パイプ、ホース、電線、ケーブル、シート、フ
ィルム、テープ、鋼管複合体、発泡体、各種成形品、電
子部品、機械部品、運動用具等として広範に使用されて
いる。従来、架橋ポリオレフィン系樹脂成形物を製造す
る方法としては、ポリオレフィン系樹脂成形物に放射線
を照射して架橋させる方法と、有機過酸化物を配合した
架橋性ポリオレフィン系樹脂成形物を該有機過酸化物の
分解温度以上に加熱し架橋させる方法とが知られてい
た。しかし前者の放射線照射による架橋方法の場合は、
設備費が高い上に厚物の架橋が困難であり、また一方、
後者の有機過酸化物による架橋方法の場合も設備費が高
いといった如く、いずれの方法にも問題があり、このた
め、設備費の安い新たなる架橋方法が求められていた。
【0003】この1つの方法として、特公昭48−17
11号公報等に示す如く、ポリオレフィン系樹脂に不飽
和アルコキシシランをグラフトし、シラノール縮合触媒
の存在下で水分により架橋させる、いわゆる水架橋方法
が開発された。この方法は、1つの押出機中で不飽和ア
ルコキシシランをグラフトしたポリオレフィン系樹脂
(以下、単にシラン変性ポリオレフィン系樹脂という)
を製造する工程と、次に別の押出機中でこのシラン変性
ポリオレフィン系樹脂に酸化防止剤、カーボンブラッ
ク、シラノール縮合触媒、顔料、滑剤等を均一に混練
し、ダイより押出して成形物としたのち、水分と接触さ
せる工程との2工程よりなる、いわゆる2工程法と呼ば
れるものである。しかしこの2工程法の場合は、2工程
を要するため、コストアップとなるという問題があり、
このため、その後、全工程が1工程よりなる方法が検討
された。その結果、例えば、特公昭58−25583号
等に示す如く、いわゆる1工程法が提案された。
【0004】この方法は、一つの押出機にポリオレフィ
ン系樹脂、不飽和アルコキシシラン、有機過酸化物、酸
化防止剤、シラノール縮合触媒、およびその他の添加剤
を含む全ての原料を投入し、これら全ての原料を押出機
の胴部の最初の部分で十分に混合し、この混合物を同一
押出機の胴部の次の部分で不飽和アルコキシシランがポ
リオレフィン系樹脂に十分にグラフト縮合するまで加熱
し、次いで得られたシラン変性ポリオレフィン系樹脂と
他の添加剤を同一押出機の胴部の最後の部分で均一に混
練し、ダイより押出して成形物とすることからなる。こ
の方法は、上記した如く、1工程であるため、大幅なコ
ストダウンが可能となり、現在では、この方法による水
架橋成形物が大量に製造されている。水架橋成形物の主
原料となるポリオレフィン系樹脂としては、高圧法低密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合
体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、アイオノマー等の樹脂が幅広く用いられているが、
これらは、それぞれ機械的強度、柔軟性、耐熱性等の面
で異なるため、その有利な物性をいかして、特定の用途
分野に合った水架橋成形物として使用されている。これ
らのうち、特に、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体は、他のポリプロピレンや高密度ポリエチレ
ン等のポリオレフィン系樹脂に比較し、価格がやすい上
に、柔軟性、耐衝撃性、低温特性の面で優れているた
め、電線やケーブルの被覆材、絶縁材、又はパイプ、フ
ィルム、シート用の素材等として適しているものの、架
橋効率が悪く、耐加熱変形性が劣っているため、これま
で、これを用いた水架橋成形物は工業的にはつくられて
いなかった。こうした直鎖状低密度エチレン−α−オレ
フィン共重合体を用いた水架橋物の問題点を解消するた
め、これまで種々の試みがなされてきたが、これらは全
て満足のゆくものではなく、当業界では、工業的に容易
に製造できしかも品質の良好な直鎖状低密度エチレン−
α−オレフィン共重合体を用いた水架橋物の出現が強く
望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の問題点である架橋効率を改善し、耐加熱変形性や機械
的特性に優れた、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体水架橋成形物およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、シングル
サイト触媒を使用して製造された特定の直鎖状低密度エ
チレン−α−オレフィン共重合体を用いることにより、
さらに好ましくは、該共重合体として特定の製造方法で
製造された特定のグラニュラー状のものを用いることに
より、上記課題が解決され、その結果、品質の良好な水
架橋性成形物が得られることを見出した。本発明は、こ
れらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明によれば、架橋効率、耐
加熱変形性及び機械的特性に優れた水架橋成形物の製造
方法であって、(1) シングルサイト触媒を使用して
製造された、密度0.910〜0.935g/cm3
メルトインデックス0.1〜5g/10分、重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/M
n)2.0〜3.5の直鎖状低密度エチレン−α−オレ
フィン共重合体に不飽和アルコキシシランと有機過酸化
物を配合し、(2)得られた配合物を押出機中で該有機
過酸化物の分解温度以上の温度に加熱し、水架橋性不飽
和アルコキシシラングラフトエチレン−α−オレフィン
共重合体を形成させ、(3)該水架橋性不飽和アルコキ
シシラングラフト共重合体にシラノール縮合触媒を配合
した後、該押出機又は別の押出機より所定の形状に押出
し水架橋性成形物をつくり、(4)該水架橋性成形物を
水と接触させることを特徴とする水架橋成形物の製造方
法、及びそれにより製造される架橋効率、耐加熱変形性
及び機械的特性に優れた水架橋成形物が提供される。
【0008】また、本発明によれば、架橋効率、耐加熱
変形性及び機械的特性に優れた水架橋成形物の製造方法
であって、(1) シングルサイト触媒を使用して製造
された、密度0.910〜0.935g/cm3、メル
トインデックス0.1〜5g/10分、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
2.0〜3.5の直鎖状低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体に不飽和アルコキシシランと有機過酸化物と
シラノール縮合触媒を配合し、(2)得られた配合物を
押出機中で該有機過酸化物の分解温度以上の温度に加熱
し、水架橋性不飽和アルコキシシラングラフトエチレン
−α−オレフィン共重合体とシラノール縮合触媒との混
合物を形成させ、(3)該水架橋性不飽和アルコキシシ
ラングラフト共重合体とシラノール縮合触媒との混合物
を該押出機より所定の形状に押出し水架橋性成形物をつ
くり、(4)該水架橋性成形物を水と接触させることを
特徴とする水架橋成形物の製造方法、及びそれにより製
造される架橋効率、耐加熱変形性及び機械的特性に優れ
た水架橋成形物が提供される。
【0009】さらに、本発明によれば、上記直鎖状低密
度エチレン−α−オレフィン共重合体として、エチレン
80〜98重量%およびα−オレフィン20〜2重量%
からなるモノマー流体を、気相流動床反応器中で、表面
積50〜1000m2/g、平均粒径50〜200μ
m、細孔直径5〜50nmの無機酸化物多孔体からなる
担体にシングルサイト触媒成分を担持させた重合触媒の
存在下、30〜90℃の温度、0.5〜7MPaの圧
力、1.5〜10のGmfの条件下で重合させて得られ
た、表面積500〜2000cm2/g、嵩密度0.2
〜0.5g/cm3、平均粒径0.5〜1.5mmのグ
ラニュラー状物を使用することを特徴とする前記水架橋
成形物の製造方法、及びそれにより製造される架橋効
率、耐加熱変形性及び機械的特性に優れた水架橋成形物
が提供される。
【0010】本発明は、上述の如く、架橋効率、耐加熱
変形性及び機械的特性に優れた水架橋成形物とその製造
方法に係わるものであるが、その好ましい態様として
は、次のものが包含される。 (1)シングルサイト触媒を使用して製造された特定の
直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体を用い
ること特徴とする、架橋効率、耐加熱変形性及び機械的
特性に優れた水架橋成形物の製造方法。 (2)上記共重合体として特定の製造方法で製造された
特定のグラニュラー状をした直鎖状低密度エチレン−α
−オレフィン共重合体を用いること特徴とする上記
(1)記載の水架橋成形物の製造方法。 (3)前記(1)又は(2)記載の製造方法で得られる
架橋効率、耐加熱変形性及び機械的特性に優れた水架橋
成形物。 (4)上記成型物が電線又はケーブルであることを特徴
とする上記(3)記載の水架橋成形物。 (5)上記成型物がパイプ又はホースであることを特徴
とする上記(3)記載の水架橋成形物。 (6)上記成型物がフィルム又はシートであることを特
徴とする上記(3)記載の水架橋成形物。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】1.直鎖状低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体 本発明の直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合
体は、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとを
共重合させて得られる共重合体である。このα−オレフ
ィンとしては、具体的には、プロピレン、ブテン−1、
4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1、デセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。直鎖状
低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の物性、形
状、性状は、得られた水架橋成形物の品質に重要な影響
を及ぼす。まず、物性については、密度が0.910〜
0.935g/cm3、メルトインデックスが0.1〜
5g/10分、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0〜3.5のもの
が好ましい。密度が0.910g/cm3未満である
と、耐熱性が劣り、一方、密度が0.935g/cm3
を越えると、柔軟性、可撓性、低温特性が劣るため、望
ましくない。メルトインデックスが0.1g/10分未
満であると、加工性が劣り、一方、メルトインデックス
が5g/10分を越えると、機械的特性が劣るため、望
ましくない。Mw/Mnが2.0未満であると、加工性
が劣り、一方、Mw/Mnが3.5を越えると、機械的
特性が劣るため、望ましくない。また、形状について
は、何でもよく、特に制限されるものではないが、不飽
和アルコキシシランの均一なグラフト化を進行させるた
めにグラニュラー状のものが望ましい。 さらに性状に
ついては、表面積が500〜2000cm2/g、嵩密
度が0.2〜0.5g/cm3、平均粒径が0.5〜
1.5mmのものが望ましい。表面積が500cm2
g未満であっても、2000cm2/gを越えても、不
飽和アルコキシシランによる直鎖状低密度エチレン−α
−オレフィン共重合体への均一なグラフト化が起こらな
いため、望ましくない。嵩密度が0.2g/cm3未満
であると、押出機中でグラニュラーの混練効率が悪く、
生産性に劣り、一方、嵩密度が0.5g/cm3を越え
ると、グラニュラー状物の細孔部分が少なくなり、均一
に不飽和アルコキシシランと有機過酸化物が含浸されな
いため、望ましくない。また、平均粒径が0.5mm未
満であると、微粉成分が増えて取扱が困難になり、一
方、平均粒径が1.5mmを越えると、押出機中での直
鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の溶融温
度が上昇し、不飽和アルコキシシランは粘度の低い液体
となり、一部は気体となって樹脂の混練を妨害し、均一
なアルコキシシラングラフト体が得られないため、望ま
しくない。
【0013】上記グラニュラー形状を有する直鎖状低密
度エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法は、特
に制限されるものではないが、例えば、次のような方法
が好ましい。すなわち、グラニュラー形状を有する特定
の直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体は、
エチレン80〜98重量%およびα−オレフィン20〜
2重量%からなるモノマー流体を、表面積50〜100
0m2/g、平均粒径50〜200μm、細孔直径5〜
50nmの無機酸化物多孔体からなる担体にシングルサ
イト触媒を担持させた重合触媒と、気相流動床反応器中
で、30〜90℃の温度、0.5〜7MPaの圧力、
1.5〜10のGmf(Gmfとは、流動化を達成する
のに要求される最小のガス流量に対する略語)の条件下
で接触させることにより製造される。
【0014】この方法に用いられる無機酸化物多孔体か
らなる担体の具体例としては、シリカ、アルミナ、シリ
カ−アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア等を
挙げることができる。
【0015】本発明における直鎖状低密度エチレン−α
−オレフィン共重合体の製造に用いられる触媒は、エチ
レンに対して高い重合活性を有し、活性点が同種(シン
グルサイト)であることから、一般にシングルサイト触
媒と呼ばれるが、別名としてメタロセン触媒やカミンス
キー触媒と呼ばれる場合もある。このシングルサイト触
媒で製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、
従来のチーグラー型触媒やフィリップス型触媒で製造さ
れたものに比べて、組成分布や分子量分布が非常に狭い
ため、機械的特性に優れている。このシングルサイト触
媒の主成分としては、下記式(1)〜(3)で表される
メタロセン化合物が用いられる。
【0016】
【化1】 (Cp)mMRnR′p ・・・(1) [式中、Cpは、置換又は未置換シクロペンタジエニル
基であり、Mは、周期表第4〜10族の遷移金属であ
り、R及びR′は、それぞれハロゲン、炭素数1〜20
の炭化水素基又はヒドロカルボキシ基から選択される置
換基である。また、mは1〜3、nは0〜3、pは0〜
3の数であって、かつm+n+pはMの酸化状態に等し
い。]
【0017】
【化2】 (C5R′mpR″s(C5R′m)MQ3-p-x およびR″s(C5R′m2MQ′ ・・・(2) [式中、C5R′m は、置換シクロペンタジエニル基で
あり、各R′は、同一であっても異なっていてもよく、
水素、又は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアル
キル基から選択される置換基、又は互いに結合してC4
〜C6環の一部を形成する2個の炭素原子基であり、
R″は、1個又はそれ以上の炭素、ゲルマニウム、ケイ
素、燐もしくは窒素原子、又はそれらの組合わせであ
り、これらは、2個のC5R′m環上を置換してそれらを
橋渡しする基又は1個のC5R′m 環上を置換してMに
橋渡しする基を含有し、pが0である場合には、xは1
であり、その他の場合には、xは常に0であり、各Q
は、同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜2
0のアリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキル
アリール基、アリールアルキル基又はハロゲンから選択
される置換基であり、Q′は、炭素数1〜20のアルキ
リデン基である。また、sは0又は1であるが、sが0
である場合には、mは5、pは0、1又は2であり、一
方sが1である場合には、mは4、pは1である。]
【0018】一般式(1)で表される化合物の具体例と
しては、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメ
チル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェ
ニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメ
チル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフ
ェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメ
チル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジフェ
ニル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジネオ
ペンチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジネオペンチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウムジベンジル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジベンジル、ビス(シクロペンタジエニル)バナ
ジウムジメチル等の2個の炭化水素基を有する化合物、
ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルクロラ
イド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムエチル
クロライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム
フェニルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムエチルクロライド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロライド、ビス
(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルブロマイ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルア
イオダイド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム
エチルブロマイド、ビス(シクロペンタジエニル)チタ
ニウムエチルアイオダイド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムフェニルブロマイド、ビス(シクロペン
タジエニル)チタニウムフェニルアイオダイド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルブロマイ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチル
アイオダイド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムエチルブロマイド、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムエチルアイオダイド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムフェニルブロマイド、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルアイオダイ
ド等の1個の炭化水素基を有する化合物、シクロペンタ
ジエニルチタニウムトリメチル、シクロペンタジエニル
ジルコニウムトリフェニル、シクロペンタジエニルジル
コニウムトリネオペンチル、シクロペンタジエニルジル
コニウムトリメチル、シクロペンタジエニルハフニウム
トリフェニル、シクロペンタジエニルハフニウムトリネ
オペンチル、シクロペンタジエニルハフニウムトリメチ
ル等の3個の炭化水素基を有する化合物等が挙げられ
る。
【0019】また、一般式(2)で表される化合物の具
体例としては、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエ
ニルチタニウムトリクロライド、ビス(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、Cp2
i=CH2・Al(CH33、(Cp2Ti=CH22
Cp2Ti=CHCH(CH3)CH3、Cp2Ti=CH
CH2CH3、ビス(インデニル)チタニウムジフェニ
ル、ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ビス
(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニ
ル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジ
ハライド、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジフェニル、ビス(1,2−ジメチルシ
クロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス
(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジフェニル、ビス(1,2−ジエチルシクロペンタジエ
ニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシリルジシク
ロペンタジエニルチタニウムジフェニル、ジメチルシリ
ルジシクロペンタジエニルチタニウムクロライド、メチ
ルホスフィンジシクロペンタジエニルチタニウムジフェ
ニル、メチルホスフィンジシクロペンタジエニルチタニ
ウムジクロライド、メチレンジシクロペンタジエニルチ
タニウムジフェニル、メチレンジシクロペンタジエニル
チタニウムジクロライド等のチタノセン、ペンタメチル
シクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ペ
ンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロ
ライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジフェニル、ビス(エチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジメチル、ビス(β−フェニルプロ
ピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビ
ス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジメチル、ビス(シクロヘキシルメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−オクチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
メチル、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリルジシクロペ
ンタジエニルジルコニウムジハライド、メチレンジシク
ロペンタジエニルジルコニウムジメチル、メチレンジシ
クロペンタジエニルジルコニウムジハライド等のジルコ
ノセン等が挙げられる。なお、上記一般式(1)及び
(2)で示されるメタロセン化合物に関しては、特開平
8−134121号公報、特表平8−509773号公
報、特表平8−510290号公報等に詳細に記載され
ている。
【0020】
【化3】 [式中、Mは、周期表第3〜10族又はランタノイドの
金属原子であり、Cpは、Mにη5結合様式で結合して
いる置換又は未置換のシクロペンタジエニル基であり、
Zは、ホウ素又は周期表14族の元素、もしくは硫黄原
子又は酸素原子を含有する原子団であり、その際、該原
子団は、20個までの水素原子以外の原子を有するか、
又はCp及びZは、一緒になって縮合環系を形成し、X
は、互いに独立してアニオン性配位子又は30個までの
水素原子以外の原子を有する中性ルイス塩基配位子であ
る。また、nは0、1、2、3又は4で、かつMの原子
価より2少ない数であり、そしてYは、Z及びMと結合
するアニオン性又は非アニオン性配位子で、かつ窒素原
子、燐原子、酸素原子又は硫黄原子を含んでおり、そし
て20個までの水素原子以外の原子を有するか、又は必
要に応じてY及びZは、一緒になって縮合環系を形成す
る。] 一般式(3)で表される化合物の具体例としては、(第
三ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタ
ジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムクロラ
イド、(第三ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シ
クロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジ
クロライド、(メチルアミド)(テトラメチル−η5
シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコ
ニウムジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチル
−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイ
ルチタンジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチ
ル−η5−シクロペンタジエニル)メチレンチタンジク
ロライド、(第三ブチルアミド)ジベンジル(テトラメ
チル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウ
ムジベンジル、(ジベンジルアミド)ジメチル(テトラ
メチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジ
クロライド、(フェニルホスフィド)ジメチル(テトラ
メチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニ
ウムジベンジル、(第三ブチルアミド)ジメチル(テト
ラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタン
ジメチル等が挙げられる。なお、一般式(3)で表され
るメタロセン化合物に関しては、特開平6−30612
1号公報、特表平7−500622号公報等に詳細に記
載されている。
【0021】上記シングルサイト触媒の場合、前記した
主成分以外に、さらに活性化共触媒が用いられる。該共
触媒としては、高重合度又は低重合度のアルミノオキサ
ン、特にメチルアルミノオキサンが適当である。これ以
外としては、いわゆる変性アルミノオキサンも上記共触
媒としての使用に適している。
【0022】2.不飽和アルコキシシラン 本発明で用いられる不飽和アルコキシシランは、一般式
RR′SiY2で表される化合物である。式中、R
は、ポリオレフィン系樹脂中に発生した遊離ラジカル部
位と反応性である脂肪族の不飽和炭化水素基またはハイ
ドロカーボンオキシ基である。これに該当する基として
は、例えば、ビニル基、アリル基、ブチニル基、シクロ
ヘキセニル基、シクロペンタジエニル基等が挙げられ
る。一方、Yは、例えば、メトキシ基、エトキシ基およ
びブトキシ基のようなアルコキシ基であり、また、R′
は、オレフィン性不飽和基を含まない一価の炭化水素
基、基Y又は水素原子である。不飽和アルコキシシラン
の具体的な例としては、γ−メタアクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ル−トリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、アリルトリエトキシシラン、アリルメチルジエトキ
シシラン、ジアリルジメトキシシラン、アリルフェニル
ジエトキシシラン、メトキシビニルジフェニルシラン、
ドデセニルジプロポキシシラン、ジデセニルジメトキシ
シラン、ジドデセニルメトキシシラン、シクロヘキセニ
ルトリメトキシシラン、ヘキセニルヘキソキシジメトキ
シシラン、ビニル−トリ−n−ブトキシシラン、ヘキセ
ニル−トリ−n−ブトキシシラン、ビニル−トリス(n
−ブトキシ)シラン、ビニル−トリス(n−ペントキ
シ)シラン、ビニル−トリス(n−ヘキソキシ)シラ
ン、ビニル−トリス(n−ヘプトキシ)シラン、ビニル
−トリス(n−オクトキシ)シラン、ビニル−トリス
(n−ドデシルオキソ)シラン、ビニル−ビス(n−ブ
トキシ)メチルシラン、ビニル−ビス(n−ペントキ
シ)メチルシラン、ビニル−ビス(n−ヘキソキシ)メ
チルシラン、ビニル−(n−ブトキシ)ジメチルシラ
ン、ビニル−(n−ペントキシ)ジメチルシラン、アリ
ルジペントキシシラン、ブテニルジデコキシシラン、デ
セニルジデコキシシラン、ドデセニルトリオクトキシシ
ラン、ヘプテニルトリヘプキシシラン、アリルトリプロ
ポキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジアリル−
ジ−n−ブトキシシラン、ペンテニルトリプロポキシシ
ラン、アリル−ジ−n−ブトキシシラン、第二ブテニル
トリエトキシシラン、β−メタクリルオキシエチル−ト
リス(n−ブトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプ
ロピル−トリス(n−ドデシル)シラン等が挙げられ
る。不飽和アルコキシシランは、直鎖状低密度エチレン
−α−オレフィン共重合体100重量部に対して、0.
1〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部配合され
る。
【0023】3.有機過酸化物 本発明で用いられる有機過酸化物としては、加熱反応条
件下でポリオレフィン系樹脂に遊離ラジカル部位を生成
することができ、かつその反応温度において6分より短
い半減期、好ましくは1分より短い半減期を有する化合
物であれば何でも使用できる。代表的なものとしては、
ジクミルパーオキサイド、ジ−第三ブチルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジ−(ペルオ
キシベンゾエート)ヘキシン−3等が挙げられる。有機
過酸化物は、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体100重量部に対して、0.01〜0.75重量
部、好ましくは0.02〜0.3重量部配合される。
【0024】4.シラノール縮合触媒 本発明で用いられるシラノール縮合触媒としては、水架
橋性不飽和アルコキシシラングラフトエチレン−α−オ
レフィン共重合体中に存在するシラノール間の脱水縮合
を促進する触媒であれば何でも使用できる。代表的なも
のとしては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジオリテート、酢酸第一錫、ナフ
テン酸鉛、ナフテン酸コバルト、カプリル酸亜鉛、2−
エチルヘキサン酸鉄、チタン酸エステル、チタン酸テト
ラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビ
ス(アセチルアセトニトリル)ジ−イソプロピルチタン
−エチルアミン、ヘキシルアミン、ジブチルアミン、ピ
リジン等が挙げられる。シラノール縮合触媒は、直鎖状
低密度エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部
に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.0
1〜5重量部配合される。
【0025】5.その他添加剤や補助資材 本発明の水架橋成形物には、上記直鎖状低密度エチレン
−α−オレフィン共重合体、不飽和アルコキシシラン、
有機過酸化物およびシラノール縮合触媒の他に、その水
架橋成形物の物性、用途等に応じて、通常樹脂配合用に
用いられる公知の各種添加剤や補助資材を適宜配合する
ことができる。これらの各種添加剤や補助資材として
は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止
剤、滑剤、加工性改良剤、充填剤、分散剤、銅害防止
材、中和剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤、顔料、カー
ボンブラック等が挙げられる。
【0026】6.水架橋成形物 本発明の水架橋成形物は、上記1〜5に記載した直鎖状
低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、不飽和アル
コキシシラン、有機過酸化物及びシラノール縮合触媒か
らなる必須成分を、所望に応じて配合される各種添加剤
や補助資材の任意成分と一緒に、次の2つの製法によ
り、押出機中で適宜配合し、所定のシラノール化反応を
行ったのち、これを押出して水架橋性成形物をつくり、
最後に水架橋性成形物を水と接触させて製造される。
【0027】1つの製法は、直鎖状低密度エチレン−α
−オレフィン共重合体、不飽和アルコキシシラン、有機
過酸化物および所望に応じて各種添加剤や補助資材を押
出機に投入し、押出機中で混合、混練しながら、有機過
酸化物の分解温度以上に温度を上げ水架橋性不飽和アル
コキシシラングラフトエチレン−α−オレフィン共重合
体を得たのち、これをペレット状に押出し、次いでこの
ペレット状水架橋性不飽和アルコキシシラングラフトエ
チレン−α−オレフィン共重合体にシラノール縮合触媒
を配合した後、再度押出機中で混合、混練し、所定の形
状に押出して水架橋性成形物をつくり、最後に水と接触
させて水架橋成形物とする方法である。この製法の場
合、ペレット状水架橋性不飽和アルコキシシラングラフ
トエチレン−α−オレフィン共重合体にシラノール縮合
触媒を配合し、所定の形状に押出する工程に用いる押出
機は、最初の押出機と同じであっても、或いは別の押出
機であってもよい。
【0028】もう1つの製法は、直鎖状低密度エチレン
−α−オレフィン共重合体、不飽和アルコキシシラン、
有機過酸化物、シラノール縮合触媒及び所望に応じて各
種添加剤や補助資材を押出機に投入し、押出機中で混
合、混練しながら、有機過酸化物の分解温度以上に温度
を上げ水架橋性不飽和アルコキシシラングラフトエチレ
ン−α−オレフィン共重合体とシラノール縮合触媒の混
合物を得たのち、これを押出機より所定の形状に押出し
て水架橋性成形物をつくり、最後に水と接触させて水架
橋成形物とする方法である。
【0029】本発明により得られた水架橋成形物は、耐
熱性、クリープ特性、耐衝撃性、耐ストレスクラッキン
グ性、耐摩耗性、低温特性、耐薬品性、耐水性、耐油
性、収縮特性、可撓性、機械的強度等の面ですぐれてい
るため、被覆絶縁電線やケーブル、流体(例えば、水道
水、温水、下水、ガス、その他の液体等)用のパイプや
ホース、各種用途(例えば、包装用、産業用、農業用
等)のフィルムやシート、産業用等の射出成形品、中空
成形品、および回転成形品等として好適に使用できる。
これらの中では、電線やケーブル、パイプやホース、お
よびフィルムやシートが特に好適である。
【0030】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0031】実施例1 [直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の調
製]表面積が200m2/g、平均粒径が100μmの
多孔質シリカ担体にメチルアルモキサン、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル等を担持させた
重合触媒を用いて、気相流動床中で、90重量部のエチ
レンと10重量部のブテン−1からなるモノマー流体を
流動床下方より上方に向けて流動させ、温度85℃、圧
力2MPa、Gmf 5の条件で重合させた。得られた
直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体は、表
面積1200cm2/g、嵩密度0.42g/cm3、平
均粒径0.9mmのグラニュラー状物であって、密度は
0.920g/cm3、メルトインデックスは2.0g
/10分、Mw/Mnは3.0であった。 [水架橋絶縁電線の製造]上記調製の直鎖状低密度エチ
レン−α−オレフィン共重合体100重量部を窒素雰囲
気下で予備乾燥したのち、先端部に電線被覆用ダイスを
取り付けた押出機ホッパーに供給し、該押出機ホッパー
下部よりビニルトリメトキシシラン1.3重量部、ジク
ミルパーオキサイド0.06重量、フェノール系酸化防
止剤0.12重量部およびジブチル錫ジラウレート0.
05重量部よりなる混合液を供給し、押出し温度230
℃で、水架橋性不飽和アルコキシシラングラフトエチレ
ン−α−オレフィン共重合体とシラノール縮合触媒から
なる混合物を、断面積38mm2の導体上に、厚さ1.
5mmの絶縁厚さに押出し被覆して水架橋性絶縁電線を
得た。次いで該水架橋性絶縁電線を温度80℃、湿度8
5%の恒温恒湿室に24時間静置して、水架橋絶縁電線
を得た。得られた水架橋絶絶縁電線の架橋度は55%、
加熱変形率は8.3%、抗張力は27MPa、伸びは6
70%であった。
【0032】比較例1 実施例1のシングルサイト触媒を使用して製造した直鎖
状低密度エチレン−αオレフィン共重合体に変えて、直
径2mm、長さ2mmの円柱状をした、密度0.920
g/cm3、メルトインデックス2.0g/10分の高
圧法低密度ポリエチレンを用い、かつ窒素雰囲気下での
予備乾燥を行わなかった以外は、実施例1と同様に実施
し、水架橋絶縁電線を得た。得られた水架橋絶絶縁電線
の架橋度は40%、加熱変形率は60%、抗張力は16
MPa、伸びは700%であった。
【0033】実施例2 [直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の調
製]表面積が200m2/g、平均粒径が100μmの
多孔質シリカ担体にメチルアルモキサン、ビス(ペンタ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル等
を担持させた重合触媒を用いて、気相流動床中で、88
重量部のエチレンと12重量部のブテン−1からなるモ
ノマー流体を流動床下方より上方に向けて流動させ、温
度85℃、圧力2MPa、Gmf 5の条件で重合させ
た。得られた直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体は、表面積1150cm2/g、嵩密度0.40
g/cm3、平均粒径0.9mmのグラニュラー状物で
あって、密度は0.918g/cm3、メルトインデッ
クスは1.0g/10分、Mw/Mnは2.8であっ
た。 [水架橋性不飽和アルコキシシラングラフトエチレン−
α−オレフィン共重合体の調製]上記調製の直鎖状低密
度エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部を窒
素雰囲気下で予備乾燥したのち、押出機ホッパーに供給
し、該押出機ホッパー下部よりビニルトリメトキシシラ
ン1.3重量部、ジクミルパーオキサイド0.06重量
部およびフェノール系酸化防止剤0.12重量部よりな
る混合液を供給し、押出し温度230℃で押出して水架
橋性不飽和アルコキシシラングラフトエチレン−α−オ
レフィン共重合体のペレットを得た。 [水架橋パイプの製造]上記調製の水架橋性不飽和アル
コキシシラングラフトエチレン−α−オレフィン共重合
体100重量部を窒素雰囲気下で予備乾燥したのち、こ
れに更にジブチル錫ジラウレート0.05重量部を加え
て混合し、次いでこの混合物を先端部にパイプ用ダイス
を取り付けた押出機ホッパーに供給し、押出し温度23
0℃で押出して外形27mm、肉厚4mmの水架橋性パ
イプを得た。次いで該水架橋性パイプを温度80℃、湿
度85%の恒温恒湿室に24時間静置して、水架橋パイ
プを得た。得られた水架橋パイプの架橋度は57%、加
熱変形率は7.9%、抗張力は29MPa、伸びは65
0%であった。
【0034】比較例2 実施例2のシングルサイト触媒を使用して製造した直鎖
状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体に変えて、
表面積1250cm2/g、嵩密度0.45g/cm3
平均粒径0.9mmのグラニュラー状をした、密度0.
918g/cm3、メルトインデックス1.0g/10
分、Mw/Mn 7.2のフィリップス系触媒を使用し
て製造した直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重
合体を用いた以外は、実施例2と同様に実施し、水架橋
パイプを得た。得られた水架橋パイプの架橋度は55
%、加熱変形率は8.5%。抗張力は27MPa、伸び
は680%であった。
【0035】実施例3 [直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の調
製]表面積が200m2/g、平均粒径が100μmの
多孔質シリカ担体にメチルアルモキサン、ビス(n−ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル等を
担持させた重合触媒を用いて、気相流動床中で91重量
部のエチレンと9重量部のブテン−1からなるモノマー
流体を流動床下方より上方に向けて流動させ、温度85
℃、圧力2MPa、Gmf 5の条件で重合させた。得
られた直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体
は、表面積1200cm2/g、嵩密度0.43g/c
3、平均粒径0.9mmのグラニュラー状物であっ
て、密度は0.922g/cm3、メルトインデックス
は1.0g/10分、Mw/Mnは2.7であった。 [水架橋シートの製造]上記調製の直鎖状低密度エチレ
ン−α−オレフィン共重合体100重量部を窒素雰囲気
下で予備乾燥したのち、先端部にシート用Tダイスを取
り付けた押出機ホッパーに供給し、該押出機ホッパー下
部よりビニルトリメトキシシラン1.3重量部、ジクミ
ルパーオキサイド0.06重量、フェノール系酸化防止
剤0.12重量部およびジブチル錫ジラウレート0.0
5重量部よりなる混合液を供給し、押出し温度230℃
で水架橋性不飽和アルコキシシラングラフトエチレン−
α−オレフィン共重合体とシラノール縮合触媒からなる
混合物を押出して厚さ1mmの水架橋性シートを得た。
次いで該水架橋性シートを温度80℃、湿度85%の恒
温恒湿室に24時間静置して、水架橋シートを得た。得
られた水架橋シートの架橋度は58%、加熱変形率は
7.5%、抗張力は26MPa、伸びは620%であっ
た。
【0036】比較例3 実施例3のシングルサイト触媒を使用して製造した直鎖
状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体に変えて、
表面積1100cm2/g、嵩密度0.38g/cm3
平均粒径0.8mmのグラニュラー状をした、密度0.
922g/cm3、メルトインデックス1.0g/10
分、Mw/Mn 4.3のチーグラー系触媒を使用して
製造した直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合
体を用いた以外は、実施例3と同様に実施し、水架橋シ
ートを得た。得られた水架橋シートの架橋度は56%、
加熱変形率は8.3%。抗張力は24MPa、伸びは6
60%であった。
【0037】以上、各実施例および比較例から明らかな
ように、シングルサイト触媒を用いて製造したグラニュ
ラー状の直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合
体から得られる水架橋成形物は、従来使用されている高
圧法低密度ポリエチレンやシングルサイト以外の触媒
(例えばフィリップス系触媒、チーグラー系触媒)を用
いて製造した直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体等から得られる水架橋成形物に比べて、架橋度、
耐加熱変形性及び機械的特性の全ての面で優れている。
【0038】
【発明の効果】本発明では、シングルサイト触媒を使用
して製造された特定の直鎖状低密度エチレン−α−オレ
フィン共重合体を用いることにより、さらに好ましく
は、該共重合体として特定の製造方法で製造された特定
のグラニュラー状のものを用いることにより、従来の問
題点である架橋効率が改善され、その結果、耐加熱変形
性や機械的特性に優れた品質の良好な水架橋性成形物が
得られる本発明により得られた水架橋成形物は、耐熱
性、クリープ特性、耐衝撃性、耐ストレスクラッキング
性、耐摩耗性、低温特性、耐薬品性、耐水性、耐油性、
収縮特性、可撓性、機械的強度等の面ですぐれているた
め、被覆絶縁電線やケーブル、流体(例えば、水道水、
温水、下水、ガス、その他の液体等)用のパイプやホー
ス、各種用途(例えば、包装用、産業用、農業用等)の
フィルムやシート、産業用等の射出成形品、中空成形
品、および回転成形品等として好適に使用できる。これ
らの中では、電線やケーブル、パイプやホース、および
フィルムやシートが特に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83/10 C08L 83/10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋効率、耐加熱変形性及び機械的特性
    に優れた水架橋成形物の製造方法であって、(1) シ
    ングルサイト触媒を使用して製造された、密度0.91
    0〜0.935g/cm3、メルトインデックス0.1
    〜5g/10分、重量平均分子量(Mw)と数平均分子
    量(Mn)との比(Mw/Mn)2.0〜3.5の直鎖
    状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体に不飽和ア
    ルコキシシランと有機過酸化物を配合し、(2)得られ
    た配合物を押出機中で該有機過酸化物の分解温度以上の
    温度に加熱し、水架橋性不飽和アルコキシシラングラフ
    トエチレン−α−オレフィン共重合体を形成させ、
    (3)該水架橋性不飽和アルコキシシラングラフト共重
    合体にシラノール縮合触媒を配合した後、該押出機又は
    別の押出機より所定の形状に押出し水架橋性成形物をつ
    くり、(4)該水架橋性成形物を水と接触させることを
    特徴とする水架橋成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】 架橋効率、耐加熱変形性及び機械的特性
    に優れた水架橋成形物の製造方法であって、(1) シ
    ングルサイト触媒を使用して製造された、密度0.91
    0〜0.935g/cm3、メルトインデックス0.1
    〜5g/10分、重量平均分子量(Mw)と数平均分子
    量(Mn)との比(Mw/Mn)2.0〜3.5の直鎖
    状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体に不飽和ア
    ルコキシシランと有機過酸化物とシラノール縮合触媒を
    配合し、(2)得られた配合物を押出機中で該有機過酸
    化物の分解温度以上の温度に加熱し、水架橋性不飽和ア
    ルコキシシラングラフトエチレン−α−オレフィン共重
    合体とシラノール縮合触媒との混合物を形成させ、
    (3)該水架橋性不飽和アルコキシシラングラフト共重
    合体とシラノール縮合触媒との混合物を該押出機より所
    定の形状に押出し水架橋性成形物をつくり、(4)該水
    架橋性成形物を水と接触させることを特徴とする水架橋
    成形物の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記直鎖状低密度エチレン−α−オレフ
    ィン共重合体として、エチレン80〜98重量%および
    α−オレフィン20〜2重量%からなるモノマー流体
    を、気相流動床反応器中で、表面積50〜1000m2
    /g、平均粒径50〜200μm、細孔直径5〜50n
    mの無機酸化物多孔体からなる担体にシングルサイト触
    媒成分を担持させた重合触媒の存在下、30〜90℃の
    温度、0.5〜7MPaの圧力、1.5〜10のGmf
    の条件下で重合させて得られた、表面積500〜200
    0cm2/g、嵩密度0.2〜0.5g/cm3、平均粒
    径0.5〜1.5mmのグラニュラー状物を使用するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の水架橋成形物の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の製造方法で得
    られる架橋効率、耐加熱変形性及び機械的特性に優れた
    水架橋成形物。
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