JP2005106255A - 管状体 - Google Patents

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Abstract

【課題】適度な柔軟性を維持しつつ、より撥水性の向上された管状体を提供する。
【解決手段】流路内部にガスを流通させる管状体であって、流路の内周面にシラン架橋ポリオレフィンで形成される樹脂層は密度0.85〜0.94g/mm3であり、ポリオレフィン組成物を成形一体化した後、水分の存在下でシラン架橋した環状体。
【選択図】図1

Description

本発明は、流路内部にガスを流通させる管状体に関し、たとえば、シールドガス等前記ガス中に水分が含まれると不都合が生じるような用途で好適に用いられる管状体に関する。
従来、ガス流通用の管状体としては、内面をフッ素樹脂被覆してあるホースや、フッ素樹脂そのものから形成される樹脂チューブ等が用いられている(特許文献1参照)。
通常、シールドガスは、溶接等の際に用いられるもので、流通されるガス中に水滴が混入したりすると、溶接不良の原因になるなどの不都合が生じてしまうために、ガス中への水分の混入を精度良く排除する必要がある。そこで、前記管状体は、使用直前に流路に乾燥した不活性ガス等を流通させる等して、その内周面に吸着したり結露したりしている水分を前記乾燥した不活性ガス等に排出し、管状体の流路内周面を乾燥させて(パージして)用いる。
また、管状体内にガスを流通させ続けると、ガス中に不可避的に含まれる水分が管内面に結露等して次第に蓄積し、ある限界量を超えると、水滴となって前記ガスに混入して放出され、結果として湿度の高いガスが供給されてしまうことがある。そのため、シールドガス等、水を嫌うガスを流通させる管状体には、撥水性が高く、水分保持性の低い材料から内周面を形成したものが好適に用いられると考えられている。
また一方、このような用途で用いられる管状体としては、高い耐圧性や、高い屈曲性が要求される場合が多く、柔軟に形成されることが望まれる場合が多い。
特開2000−193152号公報
しかし、上述のフッ素樹脂は、通常柔軟性に乏しく、管状体全体として柔軟性を確保するためには、そのフッ素樹脂からなる層を薄肉にしたり、他の層に柔軟なゴム材料からなる層を適用せざるをえず、フッ素樹脂からなる層が薄肉であるために、十分な撥水性が確保できない場合があるとともに、さらに水分保持性の低い管状体が求められている。
そこで、本発明の目的は、適度な柔軟性を維持しつつ、より撥水性の向上された管状体を提供する点にある。
本発明の管状体の第一の特徴構成は、流路内部にガスを流通させる管状体であって、前記流路の内周面にシラン架橋ポリオレフィンで形成される樹脂層を備えた点にある。
本発明者らは、上記目的に鑑み、通常はガス流通用途には用いられないような管状体についても、その撥水性を鋭意検討したところ、通常は湯水流通用のホース等として採用されている、シラン架橋ポリオレフィンで形成される樹脂層を内周面に備えた管状体は、極めて低い水分保持性を有する事を新たに見出した。
つまり、上述の構成によれば、前記樹脂層が極めて低い水分保持性を有する事により、この樹脂層を流路内周面に備えた管状体は、水分を含有するガスが流路内部に進入したとしても、流路内周面に水分が結露、吸着等によって保持される事が少なく、また、水分が結露したとしても、流路内に乾燥したガスを流通させることによって、水分を流通ガス中に移行させ、容易に排出させることができるようになった。
また、本発明の管状体の第2の特徴構成は、前記樹脂層が、密度0.85〜0.94g/cmである点にある。
つまり、上述の密度範囲の樹脂層は、密度0.94g/cm以下であるから、ガスを流通させる管状体として、十分な柔軟性を備えるとともに、密度0.85g/cm以上であるから、肉厚内への透湿性が低く、薄肉であっても低い水分保持性を維持することができるものとなっている。
また、シラン架橋ポリオレフィン自体が、成形性、耐熱性、耐候性、生産性に優れ、特に可塑剤のブリードがなく衛生性に優れたものであるうえに、耐塩素水性に優れ、耐久性が高い。
また、本発明の管状体の第3の特徴構成は、前記樹脂層が、ポリオレフィン組成物を成形一体化した後、水分の存在下でシラン架橋したものである点にある。
前記管状体が複数の層から形成されている場合、その複数の層を一体化させるに際して操作性高く効果的に両者を一体化させることができ、前記両層間での架橋も派生することから両層が強固に接着される。
また、本発明の管状体の第4の特徴構成は、
前記樹脂層が、
(i)少なくとも1種以上のオレフィン共重合体を含むベースポリマーと、
(ii)一般式RR’SiY(Rは1価のオレフィン性不飽和炭化水素基、Yは加水分解しうる有機基、R’は、脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基あるいはYと同じもの)で表わされる有機不飽和シラン、及び、遊離ラジカル発生剤を含有させた、実質的に水が存在しないキャリアポリマーP1、及び、
(iii)シラノール縮合触媒及び酸化防止剤を含有させたキャリアポリマーP2
からなる組成物を、前記ベースポリマーの結晶融点より高い温度で溶融混合して成形し、 次いで水分と接触させて架橋して得られるシラン架橋ポリエチレンを主材とする点にある。
このようにして製造されるシラン架橋ポリエチレンは、成形性、生産性に優れるとともに、種々の添加剤を添加することなしに柔軟なポリオレフィン材料を提供することが出来る。
本発明にて用いられるキャリアポリマーP1は、遊離ラジカル発生剤をシランに溶解した液体混合物で膨潤させることによって加入することができる。この時シランを高濃度に加入させる為にはキャリアポリマーP1の余熱が必要であるが、ポリマーが溶融しないように結晶融点以下の温度とする。又、キャリアポリマーP1は、粒状形であり且つ架橋するベースポリマー及びシランと相溶性の固体でなければならない。ここで、相溶性とは、キャリアポリマーP1がシランと容易に反応してはならず、且つベースポリマーに分散可能或いは可溶性でなければならないことを意味する。適したキャリアポリマーP1は非吸湿性である。即ちシランの早期加水分解及び縮合の可能性を最小にする為に水分の吸収が比較的遅いのが好ましい。何れにしても、キャリアポリマーP1は実質的に水(架橋反応を派生するような量の水)が存在しないことが望ましい。本発明のキャリアポリマーP1はグラニュール、或いはペレットの形の粒状物にするのが普通であり、好ましい形状はペレットである。
また、前記キャリアポリマーP1に添加する有機不飽和シランは、ベースレジン相互の架橋点となるべくベースレジンにグラフト化されるものである。本発明において使用される有機不飽和シランとしては、一般式RR’SiY2 (Rは1価のオレフィン性不飽和炭化水素基、Yは加水分解しうる有機基、R’は脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基あるいはYと同じもの)で表される化合物が使用される。R’がYと同一で一般式RSiYで表される有機不飽和シランを使用するのが望ましく、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明にて前記キャリアポリマーP1に添加する遊離ラジカル発生剤は、シラングラフト化反応の開始剤として働く。本発明にて用いられる遊離ラジカル発生剤には、重合開始作用の強いいろいろの有機過酸化物及びパーエステル、例えばジクミルパーオキサイド、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−ベンゾイルパーオキサイド、2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の中から選ばれる1種または2種以上の有機過酸化物が使用される。
本発明にて用いられるキャリアポリマーP2はシラノール縮合触媒及び酸化防止剤等を混練し造粒することにより加入することができる。又キャリアポリマーP2は粒状形であり且つ架橋するベースポリマーと相溶性の固体でなければならない。本発明のキャリアポリマーP2はグラニュール、或いはペレットの形の粒状物とし、好ましくはペレットとする。
本発明に用いられるシラノール縮合触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、チタン酸テトラブチルエステル、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の有機金属化合物が挙げられる。本発明にて用いられるシラノール縮合触媒は、キャリアポリマーP2に加入しなければならない。これは、キャリアポリマーP1に加入するとシランの縮合によるオリゴマー化を促進し外観悪化を引き起こす為である。
本発明に用いられる酸化防止剤は、ポリオレフィンを加工する際に通常用いられるもので特に限定するものではない。
その他の添加剤としては、所望により、通常に使用される添加剤、例えば中和剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、分散剤、増粘剤、金属劣化防止剤、防カビ剤、流動調整剤、その他の無機質充填剤等、または他の合成樹脂を含有させることもできる。ここで、先述の他の添加剤同様に、架橋を阻害する可能性のある添加剤は、キャリアポリマーP1ではなく、キャリアポリマーP2に加入しなければならない。
また、本発明の管状体の第5、第6の特徴構成は、
前記オレフィン共重合体が、エチレンを含み、且つ、炭素数が4〜12のα−オレフィンを少なくとも1種以上含む点、および、
前記α−オレフィンが、オクテン−1である点にある。
このようなα−オレフィンとしては、例えば、炭素数4〜12のα−オレフィンとしては、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられ、機械的強度の向上が見込まれる。
更に好ましくは、前記α−オレフィンとしてオクテン−1を用いると、さらに、機械的強度のより一層の向上が見込まれる。
また、本発明の管状体の第7の特徴構成は、
前記オレフィン共重合体が、メタロセン系触媒を用いて製造した実質的に線状の共重合体である点にある。
本発明の管状体に用いられるベースポリマーのオレフィン共重合体の少なくとも1種は、実質的に線状であり、公知のメタロセン系触媒により製造されることができる。
前記実質的に線状であるオレフィン共重合体は、チーグラー系触媒等を用いる従来のものと比較して重合触媒が異なり、且つ得られる重合体の性質も従来のものと比較して大きく異なっている。メタロセン系重合触媒を用いた実質的に線状であるオレフィン共重合体の特徴を列挙すると、以下に示すとおりである。
1.重合触媒が超高活性であるため、αオレフィンの重量比率を高められ、可塑剤を含まない状態でも柔軟性に富むエラストマー状の重合体が得られる。
2.チーグラー系ポリマーと比較してコモノマーの分布が均一である。
3.チーグラー系ポリマーと比較して分子量分布が極めてシャープであり、低分子量成分が極めて少なく、低臭気、耐塩素水性、易架橋性、耐磨耗性、機械的強度、及び加工性に優れ、高品質である。
4.分子量分布がシャープであるにもかかわらず、長鎖分岐を導入した場合はASTM D1238により規定される190℃/10kgf(約98N)におけるメルトインデックス(I10)と、190℃/2.16kgf(約21N)におけるメルトインデックス(I2 )との比(I10/I2 )の値が大きく、加工性に優れる。
5.耐候性に大変優れている。
メタロセン系触媒とは、チタン、ジルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒からなり、重合触媒として超高活性であるだけでなく、従来の触媒、例えばチーグラー系触媒と比較して、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体中のコノモマーである炭素数4〜12のα−オレフィンの分布が均一であり、触媒種が均一であることを特徴としている。また、チーグラー触媒によるエチレンとα−オレフィンの共重合体であるオレフィン共重合体では、上記のメルトインデックス比(I10/I2 )と分子量分布は、ほぼ直線的な比例関係を示し、メルトインデックス比の増加とともに分子量分布も増大する傾向を示す。分子量分布は3〜10程度である。一方、メタロセン系触媒によるオレフィン共重合体ではメルトインデックス比の値の如何にかかわらず、分子量分布は3.0未満のシャープな値となり、低分子量成分が極めて少ない。このため、本発明の管状体の外層にて用いられるベースポリマーの実質的に線上であるオレフィン共重合体の低臭気性、耐塩素水性、易架橋性、機械的強度、耐磨耗性及び加工性は大変優れている。
尚、前記実質的に線状であるオレフィン共重合体が示す分子量分布の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPC)により算出した。GPC装置及び測定法は特に限定はないが、本発明者は下記の装置及び測定法を用いた。
装置 Waters 150C恒温クロマトグラフィーカラム Laboratories 103,104,105,及び106
溶媒 1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 140℃
標準物質 ポリスチレン
本発明の管状体の外層にて用いられるベースポリマーの「実質的に線状である」オレフィン共重合体とは、このポリマーのバックボーンが炭素1000個当り0.01個の長鎖分岐から炭素1000個当り3個の長鎖分岐で置換されていることを意味しており、上記のメルトインデックス比(I10/I2 )が5以上と大きく、良好な押出成形を与える。
本明細書では、少なくとも約6個の炭素から成る鎖長として長鎖分岐を定義し、13C核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて長鎖分岐を測定し、そしてRandallの方法(Rev.Macromol.Chem.Phys.、C29(2&3)、285−297頁)を用いてそれの定量を行う。これに対し、「線状」オレフィン共重合体という用語は、このオレフィンコポリマーが長鎖分岐を含んでいないことを意味している。
また、本発明の管状体に用いられるベースポリマーの実質的に線状であるオレフィン共重合体は重合時にメタロセン系触媒のうち適切な拘束幾何触媒(constrained geometrycatalysts)を用いて製造する。米国特許第5,026,798号の中に教示されているモノシクロペンタジエニル遷移金属のオレフィン重合触媒もまた、反応条件が以下に明記するが如くであることを条件として、本発明の管状体の外層にて用いられるベースポリマーの実質的に線状であるオレフィン共重合体の製造で用いるに適切である。本発明の管状体の外層にて用いられるベースポリマーの実質的に線状であるオレフィン共重合体の製造で用いるに適切な共触媒には、これらに限定するものでないが、例えばポリマー状もしくはオリゴマー状のアルミノキサン類、特にメチルアルミノキサン、並びに不活性であり、適合性を示し、配位しない、イオンを生じる化合物などが含まれる。好適な共触媒は、配位しない不活性なホウ素化合物である。
本発明の管状体に用いられるベースポリマーの実質的に線状であるオレフィン共重合体を製造するのに適した重合条件は、一般に、溶液重合方法で有効な条件であるが、本発明の出願はそれに限定するものではない。スラリーおよび気相重合方法もまた、適当な触媒および重合条件を用いることを条件として有効である。本発明の管状体の外層にて用いられるベースポリマーの実質的に線状であるオレフィン共重合体の製造では、多重反応槽重合法、例えば米国特許第3,914,342号の中に開示されている重合方法なども使用可能である。この多重反応槽の1つの中で少なくとも1種の拘束幾何触媒を用いこれらの反応槽を直列もしくは並列運転することができる。
本発明の管状体の第8の特徴構成は、
前記キャリアポリマーP1が、
エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、
エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、又は、
少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体、例えば水添スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEPS)、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEBS)等
或いは、これらの混合物である点にある。
このようなキャリアポリマーP1は、シラン含浸性が高いことから好ましい。
本発明の管状体の第9の特徴構成は、
前記キャリアポリマーP2が、
ポリエチレン、
ポリプロピレン、又は、
エチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種とα−オレフィンとの共重合体、
或いはこれらの混合物である点にある。
このようなキャリアポリマーは、シラングラフト化反応の面から好ましい。
前記α−オレフィンとしては、例えば、C3〜C12である、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4、4−ジメチル−ペンテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。
本発明の管状体の第10の特徴構成は、
前記樹脂層の厚みが、0.1〜5.0mmである点にある。
前記樹脂層の厚みが0.1mm以上であれば、高い物性を確保することができると共に、押し出し成形の加工性も十分維持することができ、又、5.0mm以下であれば、柔軟性に優れた管状体とすることができる。
本発明の管状体の第11の特徴構成は、
内部に水を充填し密栓した状態で、90℃の環境下において前記ホースの一時間あたりの重量減少を調べ、その(ホース内面積/肉厚)比あたりの重量減少度を求めた透水係数が1.0×10−4(g・cm/h・cm)以下である点にある。
透水係数の低い管状体は、前記管状体の肉厚内に水分が浸入しにくいため、その管状体の使用時に、前記管状体の肉厚内に保持される水分量は少なく維持される。そのため、その状態の管状体に乾燥ガスを流通させた場合に、前記管状体の肉厚内に保持されていた水分がその乾燥ガス内にしみだし、その乾燥ガスの水分率が高くなるような不都合を抑制することができる。
そのため、前記管状体として、前記透水係数の低いものを用いると、特にシールドガス用管状体として低い水分保持性を維持でき、特に1.0×10−4(g・cm/h・cm)以下であると、前記管状体のパージ作業を短時間で終了できるので好適である。
さらに、本発明の管状体の第12の特徴構成は、
40℃、90%RH環境下に24時間放置後、ガス流路に2L/分で乾燥不活性ガスを流通させたとき、前記ガス流路から放出されるガス中に含まれるガス流路内周面の単位面積あたりの水分量が、3分後に3200ppm/m以下となり、かつ、10分後に1700ppm/m以下となる点にある。
さらに、撥水性の高い内周面を形成してある管状体は、結露等により付着した水分が、肉厚内に浸入しにくいため、水分がその肉厚内に保持されにくく、逆に、流路下流側に排出されやすくなる。このような特性を持つ管状体は、パージしたときの水分放出速度が極めて高いことになる。
ここで、上述のパージが可能である管状体は、シールドガス用としてきわめて高い性能を発揮している事になり、たとえ、管状体の使用開始時の環境湿度が高かったとしても、速やかに確実なパージ作業を行えるので好ましい。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明に係る管状体としてのシールドガス用ホース1は、図1に示すように、密度が0.85〜0.90g/cm3 の柔軟性シラン架橋ポリオレフィンからなる外層2の断面視で内側に、密度が0.85〜0.94g/cm3 であるシラン架橋ポリエチレンからなる内層3を設けて、その内部流路にシールドガスを流通自在に成形したものである。
前記内層3にて用いられるシラン架橋ポリエチレンは、ポリエチレンに、遊離ラジカル発生剤の存在下で、有機不飽和シランをグラフト反応させてシラングラフト化した後、このシラングラフトマーを、シラノール縮合触媒と溶融混合して成形し、次いで水分と接触させて架橋させる、少なくとも二回の押出工程を経るシラン架橋法を用いることができる。又、前記シラン架橋ポリエチレンは、本発明のシールドガス用管状体の外層2にて用いられるベースポリマーの前記ポリエチレンと有機不飽和シラン等を高濃度に含有したキャリアポリマーP1、及びシラノール縮合触媒等を含有したキャリアポリマーP2からなる組成物を溶融混合して成形し、次いで水分と接触させて架橋させる、一回の押出工程を経るシラン架橋法で製造することができる。尚、このようなシラン架橋ポリエチレンは、たとえば、アプコ(株)製モルデックスS262P−Zとして得られ、単軸押出機により溶融押出した後、水分と接触させ架橋させることにより成形させることが出来る。また、前記シラン架橋ポリエチレンの製造方法は、上記方法に限定されるものではない。
又、前記外層2を構成する柔軟性シラン架橋ポリオレフィンは、
(i)少なくとも1種以上のオレフィン共重合体を含むベースポリマーと、
(ii)一般式RR’SiY2 (Rは1価のオレフィン性不飽和炭化水素基、Yは加水分解しうる有機基、R’は、脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基あるいはYと同じもの)で表わされる有機不飽和シラン、及び、遊離ラジカル発生剤を含有させた、実質的に水が存在しないキャリアポリマーP1、及び、
(iii)シラノール縮合触媒及び酸化防止剤を含有させたキャリアポリマーP2
からなる組成物を、前記ベースポリマーの結晶融点より高い温度で溶融混合して成形し、次いで水分と接触させて架橋して得られるものであって、アプコ(株)製、新モルデックスS984A、同MB151を100:5で混合したものを単軸押出機を用いて195℃以上において溶融混合して押しだし、次いで水分により架橋させる事により成形することが出来る。
又、本発明に係るシールドガス用管状体としては、ポリエステル等の繊維糸や金属ワイヤーあるいはその両者を混合して編み上げた補強層4を、前記外層2に内包してなるスレートホースとして使用することも可能であり、前記補強層4を設けたことによって、機械的強度を向上させることができる。
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明にかかるシールドガス用管状体は、内部に湯水を流通自在に形成された外径11mm、内径6mmの管状体であって、柔軟性シラン架橋ポリオレフィンからなる外層2と、断面視でその内側に設けてなるシラン架橋ポリエチレンを主材としてなる厚さ1.3mmの内層3とを設け、前記外層2の外側面に、ポリエステル繊維からなる補強繊維を編み上げてなる補強層4を設けて構成してある。
前記シラン架橋ポリエチレンは、たとえば、アプコ(株)製モルデックスS262P−Zとして得られ、単軸押出機により溶融押出した後、水分と接触させ架橋させることにより成形される。このシラン架橋ポリエチレンは、密度0.91〜0.94g/cmに形成される。前記柔軟性シラン架橋ポリオレフィンは、アプコ(株)製、新モルデックスS984A、同MB151を100:5で混合したものを単軸押出機を用いて195℃以上において溶融混合して押しだし、次いで水分により架橋させる事により成形することが出来る。この柔軟性シラン架橋ポリオレフィンは、密度0.85〜0.90g/cmに形成される。
このようにして得られたシールドガス用ホース1(本発明品)の水分保持性の性能試験を行ったところ、図2のようになった。尚、各試験方法は以下の通りである。
水分保持性:40℃、90%RH環境下に、シールドガス用ホースを24時間放置後、ガス流路に2L/分で乾燥不活性ガス(窒素)を流通させたとき、種々の温度環境下で、前記ガス流路から放出されるガス中に含まれる水分量を水分センサにより求めた。
尚、比較例として従来から用いられているシールドガス用ホース(従来品)を作製して、同様に性能評価を行った。前記従来品は、EPDM製の外層にSBR製で厚さ1.8mmの内層を設けてなる、内径6mm、外径13mmのゴムホースである。
図2によれば、本発明品は、40℃雰囲気下でも乾燥不活性ガス流通後速やかに流通後のガスに含まれる水分量が減少し、3分後には300ppmを下回るのに対して、従来品では10℃雰囲気下でも20分以上にわたって300ppm以上の水分を放出し続けることがわかった。つまり、本発明品は、ホース内周面に付着した水分を速やかにパージできていることがわかる。また、本発明品では、9分後には、ほぼ160ppm程度の水分量にまで低下している。乾燥不活性ガス流通し始めて、初期には流路内周面に付着している水分が吐出され、順次流路内周面に浸透吸着しているような水分が流路内に浸みだし、吐出されると考えられるから、本発明品は水分が浸透吸着しにくくなっていることがわかる。
従って、前記水分量(300ppm、160ppm)が、ガス流路内周面の単位面積あたりの水分量に換算して、3分後に3200ppm/m以下となり、かつ、10分後に1700ppm/m程度に減少すれば、極めて低い水分保持性を実現できているものといえ、特にシールドガス用に適したホースを提供することができる。
また、前記本発明品および従来品の透水係数を求めたところ、本発明品は3.0×10−5(g・cm/h・cm)であり、従来品が、4.3×10−4(g・cm/h・cm)である点から、透水係数がおよそ1.0×10−4(g・cm/h・cm)以下であれば、きわめて低い水分保持性を実現できているものといえ、特にシールドガス用に適したホースを提供することができると考えられる。尚、前記透水係数とは、ホース内部に水を充填し密栓した状態で、90℃の環境下において前記ホースの一時間あたりの重量減少を調べ、その(ホース内面積/肉厚)比あたりの重量減少度を求めたものである。
上述の実施の形態においては、本発明の管状体の一例としてシールドガス用ホースを示したが、この他にも、ガス流路内に付着、吸着した水分が流通ガスに混入すると不都合を生じるような、反応ガス用ホースや、測定機器用ホースとしても好適に用いることができる。
また、上述の実施の形態では、シラン架橋ポリオレフィンと柔軟性シラン架橋ポリオレフィンとを組み合わせて用いたが、管状体の流路に面した内周面を構成する層にシラン架橋ポリオレフィンや柔軟性シラン架橋ポリオレフィンを用いて構成すれば良く、外層に他のゴムを用いることもできるし、単層のチューブであってもかまわない。尚、単層で構成する場合は、柔軟性シラン架橋ポリオレフィンを用いることが、柔軟性の面から好ましく、複層にする場合には、内周面を構成する層にシラン架橋ポリオレフィンを用いると薄肉の層で水分保持性の低い管状体を形成することができるので好ましい。
本発明の管状体によれば、きわめて低い水分保持性により、たとえばシールドガス用ホースとして、パージを迅速、確実にできるものを提供できるなど、水分を排除すべきガスを用いる種々用途で好適に用いられる。
本発明の管状体の断面図 管状体の水分保持率を示すグラフ
符号の説明
1 シールドガス用ホース
2 外層
3 内層

Claims (12)

  1. 流路内部にガスを流通させる管状体であって、
    前記流路の内周面にシラン架橋ポリオレフィンで形成される樹脂層を備えた管状体。
  2. 前記樹脂層が、密度0.85〜0.94g/cmである請求項1記載の管状体。
  3. 前記樹脂層が、ポリオレフィン組成物を成形一体化した後、水分の存在下でシラン架橋したものである請求項1または2に記載の管状体。
  4. 前記樹脂層が、
    (i)少なくとも1種以上のオレフィン共重合体を含むベースポリマーと、
    (ii)一般式RR’SiY(Rは1価のオレフィン性不飽和炭化水素基、Yは加水分解しうる有機基、R’は、脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基あるいはYと同じもの)で表わされる有機不飽和シラン、及び、遊離ラジカル発生剤を含有させた、実質的に水が存在しないキャリアポリマーP1、及び、
    (iii)シラノール縮合触媒及び酸化防止剤を含有させたキャリアポリマーP2
    からなる組成物を、前記ベースポリマーの結晶融点より高い温度で溶融混合して成形し、 次いで水分と接触させて架橋して得られるシラン架橋ポリエチレンを主材とするものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の管状体。
  5. 前記オレフィン共重合体が、エチレンを含み、且つ、炭素数が4〜12のα−オレフィンを少なくとも1種以上含む請求項4記載の管状体。
  6. 前記α−オレフィンが、オクテン−1である請求項5記載の管状体。
  7. 前記オレフィン共重合体が、メタロセン系触媒を用いて製造した実質的に線状の共重合体である請求項4〜6のいずれか一項に記載の管状体。
  8. 前記キャリアポリマーP1が、
    エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、
    エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、又は、
    少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体、
    或いは、これらの混合物である請求項4〜7のいずれか一項に記載の管状体。
  9. 前記キャリアポリマーP2が、
    ポリエチレン、
    ポリプロピレン、又は、
    エチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種とα−オレフィンとの共重合体、
    或いはこれらの混合物である請求項4〜8のいずれか一項に記載の管状体。
  10. 前記樹脂層の厚みが、0.1〜5.0mmである請求項1〜9のいずれか一項に記載の管状体。
  11. 内部に水を充填し密栓した状態で、90℃の環境下において前記ホースの一時間あたりの重量減少を調べ、その(ホース内面積/肉厚)比あたりの重量減少度を求めた透水係数が1.0×10−4(g・cm/h・cm)以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載の管状体。
  12. 40℃、90%RH環境下に24時間放置後、ガス流路に2L/分で乾燥不活性ガスを流通させたとき、前記ガス流路から放出されるガス中に含まれるガス流路内周面の単位面積あたりの水分量が、3分後に3200ppm/m(グラフ中300ppm/(5m*0.006m*3.14))以下となり、かつ、10分後に1700ppm/m(グラフ中160ppm)以下となる請求項1〜11のいずれか一項に記載の管状体。
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