JPH1045828A - シラン架橋ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

シラン架橋ポリオレフィンの製造方法

Info

Publication number
JPH1045828A
JPH1045828A JP8201589A JP20158996A JPH1045828A JP H1045828 A JPH1045828 A JP H1045828A JP 8201589 A JP8201589 A JP 8201589A JP 20158996 A JP20158996 A JP 20158996A JP H1045828 A JPH1045828 A JP H1045828A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silane
carrier polymer
ethylene
polymer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8201589A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Mori
恒治 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP8201589A priority Critical patent/JPH1045828A/ja
Publication of JPH1045828A publication Critical patent/JPH1045828A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出加工性に優れ、又架橋特性、機械的特
性、耐熱性に優れたシラン架橋ポリオレフィンを得る。 【解決手段】 (i)直鎖状中低密度ポリエチレン10〜
100重量%と低密度ポリエチレン又はエチレン−不飽
和エステル共重合体90〜0重量%からなるベースポリ
マーと、(ii)有機不飽和シラン及び遊離ラジカル発生剤
を含有させた実質的に水の存在しないエチレン−エチル
アクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレー
ト共重合又はこれらの混合物からなるキャリヤーポリマ
ーA、及び(iii)シラノール縮合触媒及び酸化防止剤を
含有させたポリプロピレンからなるキャリヤーポリマー
Bとをベースポリマー及びキャリヤーポリマーの結晶融
点より高い温度において溶融混合して反応させ、次いで
水分と接触させて架橋させるシラン架橋ポリオレフィン
の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィンの
シラン架橋において、有機不飽和シラン等を高濃度に含
有したキャリヤーポリマーA及びシラノール縮合触媒等
を含有したキャリヤーポリマーBにより一工程でシラン
架橋ポリオレフィンを製造するシラン架橋方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来ポリオレフィンを架橋させる簡便な
方法としては、該ポリオレフィンに遊離ラジカル発生剤
の存在下で有機不飽和シランをグラフト反応させてシラ
ングラフト化した後、このシラングラフトマーをシラノ
ール縮合触媒の存在下で水分と接触させて架橋させる所
謂シラン架橋法が一般に知られている。例えば特公昭48
-1711号公報、特開昭57-49109号公報等に開示されてい
る。しかし、この方法は少なくとも二工程を伴う。即ち
シラングラフト化反応工程及びシラノール縮合反応工程
である。従って少なくとも二回の押出工程を経る事とな
り、最終製品としての経済的な問題が避けられない。
【0003】また一工程プロセスとしてはモノシール法
がある。しかし、この方法は有機不飽和シランを液状で
押出機に注入する液添装置が必要であるが、滑りや計量
不良の問題がある。また押出機も少量添加物を均一分散
する為にL/Dの大きな高価で特殊なタイプが必要であ
り、経済的な問題が避けられない。更に押出においても
非常に高度な技術が必要である。更に一工程プロセスと
しては、シランを固体キャリヤーポリマーに導入したシ
ラン架橋方法が特開平3-167229公報に開示されている。
しかし、この方法は固体キャリヤーポリマーとしては多
孔質ポリマー或いはEVAであり、シラン及び遊離ラジ
カル発生剤の他にシラノール縮合触媒、酸化防止剤等の
添加剤も固体キャリヤーポリマーに導入している。この
為シランの縮合によるオリゴマー化或いはラジカル捕捉
による架橋阻害により架橋効率や保存性が劣るという問
題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決したもので、ポリオレフィンのシラン架橋にお
いて、有機不飽和シラン等を高濃度に含有したキャリヤ
ーポリマーA及びシラノール縮合触媒等を含有したキャ
リヤーポリマーBにより一工程でシラン架橋ポリオレフ
ィンを製造するシラン架橋方法の提供を目的としたもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(i)密度が
0.910〜0.945g/cm3でメルトインデック
スが1〜5g/10minの直鎖状中低密度ポリエチレ
ン(L−LDPE)からなるベースポリマーと、(ii)一
般式RR’SiY2(Rは1価のオレフィン性不飽和炭化
水素基、Yは加水分解しうる有機基、R’は脂肪族不飽
和炭化水素以外の1価の炭化水素基あるいはYと同じも
の)で表される有機不飽和シラン及び遊離ラジカル発生
剤を含有させた実質的に水の存在しない、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチ
ルメタクリレート共重合(EMMA)又はこれらの混合
物からなるキャリヤーポリマーA、及び(iii)軟化点が
キャリヤーポリマーAより高い、シラノール縮合触媒及
び酸化防止剤を含有させたキャリヤーポリマーBとをベ
ースポリマー及びキャリヤーポリマーの結晶融点より高
い温度において溶融混合して反応させ、次いで水分と接
触させて架橋させることを特徴とするシラン架橋ポリオ
レフィンの製造方法、または(i)密度が0.910〜
0.945g/cm3でメルトインデックスが1〜5g
/10minの直鎖状中低密度ポリエチレン(L−LD
PE)10〜98重量%と、密度が0.915〜0.9
35g/cm3でメルトインデックスが0.5〜4g/
10minの低密度ポリエチレン(LDPE)又はエチ
レン−不飽和エステル共重合体90〜2重量%からなる
ベースポリマーと、(ii)一般式RR’SiY2(Rは1価
のオレフィン性不飽和炭化水素基、Yは加水分解しうる
有機基、R’は脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化
水素基あるいはYと同じもの)で表される有機不飽和シ
ラン及び遊離ラジカル発生剤を含有させた実質的に水の
存在しない、エチレン−エチルアクリレート共重合体
(EEA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合
(EMMA)又はこれらの混合物からなるキャリヤーポ
リマーA、及び(iii)軟化点がキャリヤーポリマーAよ
り高い、シラノール縮合触媒及び酸化防止剤を含有させ
たキャリヤーポリマーBとをベースポリマー及びキャリ
ヤーポリマーの結晶融点より高い温度において溶融混合
して反応させ、次いで水分と接触させて架橋させること
を特徴とするシラン架橋ポリオレフィンの製造方法であ
り、該ベースポリマーが、密度が0.910〜0.94
5g/cm3でメルトインデックスが1〜5g/10m
inの直鎖状中低密度ポリエチレン(L−LDPE)2
5〜65重量%と、密度が0.915〜0.935g/
cm3でメルトインデックスが0.5〜4g/10mi
nの低密度ポリエチレン(LDPE)75〜35重量%
との混合物からなり、更に好ましい態様は、該キャリヤ
ーポリマーAがモノマー含量が18〜41重量%のエチ
レン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレ
ン−メチルメタクリレート共重合(EMMA)又はこれ
らの混合物からなり、該キャリヤーポリマーBがポリプ
ロピレンからなり、更に軟化点135℃以上でメルトイ
ンデックスが1〜5g/10minのホモポリプロピレ
ン、ブロックポリプロピレン及びこれらの混合物からな
る群より選び、該キャリヤーポリマーAとBの合計量が
3〜15重量%であるシラン架橋ポリオレフィンの製造
方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明のベースポリマーの直鎖状中低密度ポリエチレンと
は、チーグラー系触媒、クロム系触媒等の各種触媒を用
い、中低圧化又は高圧化において、気相法、溶液法、懸
濁重合法等の各種の重合法によるエチレンを主成分とす
るα−オレフィンとの共重合体で、密度が0.910〜
0.945g/cm3でメルトインデックスが1〜5g
/10minのものである。上記α−オレフィンとして
はC3〜C12の例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテ
ン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1、4−
メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、
ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−
1等を挙げることができる。
【0007】また本発明のベースポリマーとしては、直
鎖状中低密度ポリエチレン、または直鎖状中低密度ポリ
エチレンと低密度ポリエチレン又はエチレン−不飽和エ
ステル共重合体との混合物を用いることができる。直鎖
状中低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレン又はエチ
レン−不飽和エステル共重合体との混合比率は直鎖状中
低密度ポリエチレンが10〜98重量%に対して、低密
度ポリエチレン又はエチレン−不飽和エステル共重合体
は90〜2重量%である。押出加工性を向上させる必要
があるときは、直鎖状中低密度ポリエチレンに低密度ポ
リエチレン又はエチレン−不飽和エステル共重合体を添
加する。低密度ポリエチレンとは、チューブラー法、又
はオートクレーブ法による高圧ラジカル重合で製造され
る低密度ポリエチレンの単独重合体で、密度が0.91
5〜0.935g/cm3でメルトインデックスが0.
5〜4g/10minのものである。
【0008】又エチレン−不飽和エステル共重合体とし
ては、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EE
A)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EM
MA)、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EV
A)及びこれらの混合物を挙げることができる。ベース
ポリマー中の直鎖状中低密度ポリエチレンの添加量は1
0重量%以上98重量%以下であり、好ましくは25〜
65重量%である。10重量%を下回ると加熱変形等の
耐熱性の低下を引き起こし、98重量%を越えると押出
加工性向上の効果が少なくなる。ベースポリマーのメル
トインデックスは、直鎖状中低密度ポリエチレンでは1
〜5g/10min、好ましくは2〜4g/10min
であり、低密度ポリエチレンでは0.5〜4g/10m
in、好ましくは1〜3g/10minである。それぞ
れにおいて下限を下回ると押出加工性が悪くなり、上限
を上回ると架橋度の低下を引き起こす。又ベースポリマ
ーの密度は、直鎖状中低密度ポリエチレンでは0.91
0〜0.945g/cm3であり、低密度ポリエチレン
では0.915〜0.935g/cm3であるが、それ
ぞれにおいて下限を下回ると加熱変形等の耐熱性の低下
を引き起こす。又直鎖状中低密度ポリエチレンでは0.
945g/cm3を上回ると押出加工性が悪くなり、高
圧ラジカル重合で製造される低密度ポリエチレンでは
0.935g/cm3を上回るものは工業的に製造し難
い。
【0009】本発明の有機不飽和シランは、ベースレジ
ン相互の架橋点となるべくベースレジンにグラフト化さ
れるものである。本発明において使用される有機不飽和
シランとしては、一般式RR'SiY2(Rは1価のオレフィン
性不飽和炭化水素基、Yは加水分解しうる有機基、R'は
脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基あるいは
Yと同じもの)で表される化合物が使用される。R'がYと
同一で一般式RSiY3で表される有機不飽和シランを使用
するのが望ましく、例えばビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラ
ン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシ
ラン等が挙げられる。これらの添加量としてはポリマー
の全重量を基準にして0.1〜5重量%、好ましくは
0.7〜3重量%である。0.1重量%を下回ると充分
なグラフト化が起こらず、又5重量%を上回ると成形不
良を起こすとともに経済的でなくなる。
【0010】本発明の遊離ラジカル発生剤は、シラング
ラフト化反応の開始剤として働く。本発明において使用
される遊離ラジカル発生剤には、重合開始作用の強い種
々の有機過酸化物及びパーエステル、例えばジクミルパ
ーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ
ジイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−ベンゾイ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオ
キシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キサノエート等が挙げられる。これらの添加量としては
ポリマーの全重量を基準にして0.01〜0.5重量
%、好ましくは0.05〜0.2重量%である。0.0
1重量%を下回ると充分なシラングラフト化反応が進行
せず、また0.5重量%を上回ると押出加工性が低下す
るとともに成形表面が悪くなる。
【0011】遊離ラジカル発生剤をシランに溶解させた
液体混合物で本発明のキャリヤーポリマーAを膨潤させ
ることにより、遊離ラジカル発生剤とシランをキャリヤ
ーポリマーAに加入することができる。この時シランを
高濃度に加入させる為にはキャリヤーポリマーAの予熱
が必要であるが、ポリマーが溶融しないように結晶融点
以下の温度でなければならない。又キャリヤーポリマー
Aは、粒状形であり且つ架橋するベースポリマー及びシ
ランと相溶性の個体でなければならない。相溶性とは、
キャリヤーポリマーAがシランと容易に反応してはなら
ず、且つベースポリマーに分散可能或いは可溶性でなけ
ればならないことを意味する。適したキャリヤーポリマ
ーAは非吸湿性である。即ちシランの早期加水分解及び
縮合の可能性を最小にする為に水分の吸収が比較的遅い
のが好ましい。何れにしても、キャリヤーポリマーAは
実質的に水が存在すべきでない。本発明のキャリヤーポ
リマーAはグラニュール、或いはペレットの形の粒状物
にするのが普通であり、好ましい形はペレットである。
【0012】本発明において使用されるキャリヤーポリ
マーAとしては、モノマー含量が18〜41重量%のエ
チレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチ
レン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、又
はこれらの混合物を挙げることができる。モノマー含量
が18重量%を下回ると所望のシラン含浸量が得られ
ず、又41重量%を上回るとシラン含浸時にブロッキン
グし作業性が悪くなる。作業性、経済性等を考慮すると
EEA単独が最も好ましい。
【0013】本発明のキャリヤーポリマーBはシラノー
ル縮合触媒及び酸化防止剤等を混練し造粒することによ
り加入することができる。又キャリヤーポリマーBの軟
化点はベースポリマーの軟化点以上でなければならな
い。これは押出時にシラングラフト化反応及びシラノー
ル縮合反応が起こるが、キャリヤーポリマーB中のシラ
ノール縮合触媒及び酸化防止剤はシラングラフト化反応
での架橋阻害により架橋効率を低下させる。従って軟化
点に差を持たせることによってまずシラングラフト化反
応が進み、続いてシラノール縮合反応が進むことにより
架橋阻害を防止できる。又キャリヤーポリマーBは粒状
形であり、且つ架橋するベースポリマーと相溶性の固体
でなければならない。本発明のキャリヤーポリマーBは
グラニュール、或いはペレットの形の粒状物にするのが
普通であり、好ましい形はペレットである。
【0014】本発明において使用されるキャリヤーポリ
マーBとしては、ポリプロピレンが好ましく、軟化点が
135℃以上の一般的なホモポリプロピレン、ブロック
ポリプロピレン等であり、及びこれらの混合物を挙げる
ことができる。更に好ましくはメルトインデックスが1
〜5g/10minのものである。キャリヤーポリマー
Bの軟化点が135℃未満の場合は架橋阻害により架橋
度が低下する。メルトインデックスが1g/10min
未満の場合は押出加工性が悪くなり、5g/10min
を越えると架橋度の低下を引き起こす為である。
【0015】本発明のシラノール縮合触媒としては、ジ
ブチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、ジブチル錫ジアセ
テート、ジブチル錫ジオクトエート、ナフテン酸鉛、カ
プリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、チタン酸テトラブ
チルエステル、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステア
リン酸カルシウム等の有機金属化合物が挙げられる。こ
れらの添加量としては、ポリマーの全重量を基準として
0.01〜0.2重量%、好ましくは0.02〜0.1
重量%である。0.01重量%を下回ると十分な架橋反
応が進まず、又0.2重量%を上回ると押出時に押出機
内で局部的に架橋が進行し外観が著しく悪化する。又シ
ラノール縮合触媒はキャリヤーポリマーBに加入しなけ
ればならない。これはキャリヤーポリマーAに加入する
とシランの縮合によるオリゴマー化を促進し外観悪化を
引き起こす為である。
【0016】本発明の酸化防止剤はポリオレフィンを加
工する際に通常用いられるもので特に限定するものでは
ないが、キャリヤーポリマーBに加入しなければならな
い。これはキャリヤーポリマーAに加入するとラジカル
捕捉により架橋を阻害する為である。その他添加剤を加
入する場合においても架橋を阻害する可能性のある添加
剤はキャリヤーポリマーBに加入しなければならない。
【0017】キャリヤーポリマーの添加量はキャリヤー
ポリマーAとBの合計量がポリマーの全重量を基準とし
て3〜15重量%の範囲で添加される。3重量%を下回
ると充分なグラフト化が起こらず、又15重量%を上回
ると成形不良を起こすとともに経済的でなくなる。その
他の添加剤としては所望により通常に使用される添加
剤、例えば中和剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、
分散剤、増粘剤、金属劣化防止剤、防カビ剤、流動調整
剤、その他の無機質充填剤等、または他の合成樹脂を含
有させることもできる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて説明する。 《キャリヤーポリマーAの製造》表1に示すような配合
割合に従って、まずキャリヤーポリマーAをスーパーミ
キサーに投入し攪拌混合し80℃に予熱する。次に不飽
和シランに遊離ラジカル発生剤を溶かした液体混合物を
スーパーミキサーに投入し攪拌しながらキャリヤーポリ
マーAに10分間で含浸させた。 《キャリヤーポリマーBの製造》表2に示すような配合
割合に従って、キャリヤーポリマーB、シラノール縮合
触媒、酸化防止剤等を加圧ニーダーを用いて混練、造粒
した。
【0019】使用した原材料は次のとおりである。 (1)EEA(1):エチレン−エチルアクリレート共重合体
(EA含量;23重量%) (2)EEA(2):エチレン−エチルアクリレート共重合体
(EA含量;10重量%) (3)EEA(3):エチレン−エチルアクリレート共重合体
(EA含量;50重量%) (4)L−LDPE(1):直鎖状低密度ポリエチレン(密
度;0.924g/cm3、MI;3.0g/10min) (5)VTMOS:ビニルトリメトキシシラン (6)DCP:ジクミルパーオキサイド (7)LDPE(1):低密度ポリエチレン(密度;0.925g/c
m3、MI;1.5g/10min) (8)PP(1):ブロックポリプロピレン(軟化点;150
℃、MI(230゜C);2.5g/10min) (9)PP(2):ブロックポリプロピレン(軟化点;140
℃、MI(230゜C);4.5g/10min) (10)PP(3):ホモポリプロピレン(軟化点;160℃、MI
(230゜C);1.5g/10min) (11)PP(4):ブロックポリプロピレン(軟化点;128
℃、MI(230゜C);15g/10min) (12)DBTDL:ジブチルスズジラウレート (13)酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤/イルガノッ
クス1010(チバガイギー(株)製) (14)滑剤:低分子量ポリエチレン/サンワックス171
P(三洋化成工業(株)製)
【0020】(15)L−LDPE(2):直鎖状中低密度ポ
リエチレン(密度;0.930g/cm3、MI;0.3g/10min) (16)L−LDPE(3):直鎖状中低密度ポリエチレン
(密度;0.928g/cm3、MI;10g/10min) (17)L−LDPE(4):直鎖状中低密度ポリエチレン
(密度;0.900g/cm3、MI;3g/10min) (18)L−LDPE(5):直鎖状中低密度ポリエチレン
(密度;0.950g/cm3、MI;2.7g/10min) (19)LDPE(2):低密度ポリエチレン(密度;0.925g/
cm3、MI;0.3g/10min) (20)LDPE(3):低密度ポリエチレン(密度;0.927g/
cm3、MI;7g/10min) (21)LDPE(4):低密度ポリエチレン(密度;0.905g/
cm3、MI;2.5g/10min)
【0021】評価方法は次のとおりである。 (22)シラン含浸性:スーパーミキサーでVTMOS/DCP液体
混合物を加熱攪拌した時の含浸性を評価した。 ○:含浸性良好、×:含浸不可 (23)テープ押出外観: 50mmφの押出機 120-150-170-180-170℃ L/D:20 圧縮比 3.5 テープダイ:巾 100mm リップ間
隔 1mmt 評価:○>△>×の順とし、○のレベルを合格とした。 (24)ゲル分率(%):120℃、20時間、キシレン浸漬法 (25)引張強さ(MPa)及び伸び(%):JIS K 6760
による。 (26)加熱変形率(%):JIS K 6723 による。
【0022】ポリオレフィン系ベースポリマーと得られ
たキャリヤーポリマーA及びBを表3〜5の比率で混合
し、押出機を用いてテープを押出し、更に温水中に浸漬
することによって架橋処理を行った。この押出テープを
用いて、ゲル分率、引張強さ、伸び、及び加熱変形率の
評価を行った。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】 表から明らかなように、実施例1〜5に示す材料は押出
加工性が良好で、かつ非常に優れた架橋特性、機械的特
性、及び耐熱性を示している。これに対し比較例は全
て、押出加工性、架橋特性、機械的特性、及び耐熱性の
バランスが取れていない。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、押出加工性に優れ、又
架橋特性、機械的特性、耐熱性に優れたシラン架橋ポリ
オレフィンを得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)密度が0.910〜0.945g/
    cm3でメルトインデックスが1〜5g/10minの
    直鎖状中低密度ポリエチレン(L−LDPE)からなる
    ベースポリマーと、(ii)一般式RR’SiY2(Rは1価
    のオレフィン性不飽和炭化水素基、Yは加水分解しうる
    有機基、R’は脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化
    水素基あるいはYと同じもの)で表される有機不飽和シ
    ラン及び遊離ラジカル発生剤を含有させた実質的に水の
    存在しない、エチレン−エチルアクリレート共重合体
    (EEA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合
    (EMMA)又はこれらの混合物からなるキャリヤーポ
    リマーA、及び(iii)軟化点がキャリヤーポリマーAよ
    り高い、シラノール縮合触媒及び酸化防止剤を含有させ
    たキャリヤーポリマーBとをベースポリマー及びキャリ
    ヤーポリマーの結晶融点より高い温度において溶融混合
    して反応させ、次いで水分と接触させて架橋させること
    を特徴とするシラン架橋ポリオレフィンの製造方法。
  2. 【請求項2】 (i)密度が0.910〜0.945g/
    cm3でメルトインデックスが1〜5g/10minの
    直鎖状中低密度ポリエチレン(L−LDPE)10〜9
    8重量%と、密度が0.915〜0.935g/cm3
    でメルトインデックスが0.5〜4g/10minの低
    密度ポリエチレン(LDPE)又はエチレン−不飽和エ
    ステル共重合体90〜2重量%からなるベースポリマー
    と、(ii)一般式RR’SiY2(Rは1価のオレフィン性
    不飽和炭化水素基、Yは加水分解しうる有機基、R’は
    脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基あるいは
    Yと同じもの)で表される有機不飽和シラン及び遊離ラ
    ジカル発生剤を含有させた実質的に水の存在しない、エ
    チレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチ
    レン−メチルメタクリレート共重合(EMMA)又はこ
    れらの混合物からなるキャリヤーポリマーA、及び(ii
    i)軟化点がキャリヤーポリマーAより高い、シラノール
    縮合触媒及び酸化防止剤を含有させたキャリヤーポリマ
    ーBとをベースポリマー及びキャリヤーポリマーの結晶
    融点より高い温度において溶融混合して反応させ、次い
    で水分と接触させて架橋させることを特徴とするシラン
    架橋ポリオレフィンの製造方法。
  3. 【請求項3】 該ベースポリマーが、密度が0.910
    〜0.945g/cm3でメルトインデックスが1〜5
    g/10minの直鎖状中低密度ポリエチレン(L−L
    DPE)25〜65重量%と、密度が0.915〜0.
    935g/cm3でメルトインデックスが0.5〜4g
    /10minの低密度ポリエチレン(LDPE)75〜
    35重量%との混合物からなることを特徴とする請求項
    2記載のシラン架橋ポリオレフィンの製造方法。
  4. 【請求項4】 該キャリヤーポリマーAがモノマー含量
    が18〜41重量%のエチレン−エチルアクリレート共
    重合体(EEA)、エチレン−メチルメタクリレート共
    重合(EMMA)又はこれらの混合物からなることを特
    徴とする請求項1、2又は3記載のシラン架橋ポリオレ
    フィンの製造方法。
  5. 【請求項5】 該キャリヤーポリマーBがポリプロピレ
    ンからなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記
    載シラン架橋ポリオレフィンの製造方法。
  6. 【請求項6】 該キャリヤーポリマーBが、軟化点13
    5℃以上でメルトインデックスが1〜5g/10min
    のホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン及びこ
    れらの混合物からなる群より選ぶことを特徴とする請求
    項1、2、3、4又は5記載のシラン架橋ポリオレフィ
    ンの製造方法。
  7. 【請求項7】 該キャリヤーポリマーAとBの合計量が
    3〜15重量%であることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5又は6記載のシラン架橋ポリオレフィンの製
    造方法。
JP8201589A 1996-07-31 1996-07-31 シラン架橋ポリオレフィンの製造方法 Pending JPH1045828A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8201589A JPH1045828A (ja) 1996-07-31 1996-07-31 シラン架橋ポリオレフィンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8201589A JPH1045828A (ja) 1996-07-31 1996-07-31 シラン架橋ポリオレフィンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1045828A true JPH1045828A (ja) 1998-02-17

Family

ID=16443568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8201589A Pending JPH1045828A (ja) 1996-07-31 1996-07-31 シラン架橋ポリオレフィンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1045828A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008090641A1 (ja) * 2007-01-23 2008-07-31 Sumitomo Wiring Systems, Ltd. 樹脂組成物および被覆電線ならびに被覆電線の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008090641A1 (ja) * 2007-01-23 2008-07-31 Sumitomo Wiring Systems, Ltd. 樹脂組成物および被覆電線ならびに被覆電線の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2996903B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JP3322818B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JP3729479B2 (ja) 給水給湯用ホース
JPH1045828A (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JP2000034383A (ja) シラン架橋ポリオレフィン樹脂組成物及び絶縁ケーブル
JP3375871B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JP3124212B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JP3124211B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JP3377742B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JP3069093B1 (ja) シラン架橋ポリオレフィン樹脂組成物及び絶縁ケ―ブル
JP3290396B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JPH1045827A (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JP3359572B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィン樹脂組成物及び絶縁ケーブル
JP3794855B2 (ja) 発泡シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JP3516388B2 (ja) 柔軟性シラン架橋ポリオレフィン及び絶縁電線
JP3352630B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィン樹脂組成物及び絶縁ケーブル
JP3640340B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィン製パイプ
JP3359573B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィン樹脂組成物及び絶縁ケーブル
JP3555988B2 (ja) 柔軟性シラングラフトマー及び絶縁電線の製造方法
JPH0995591A (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JP3352631B2 (ja) シラン架橋ポリオレフィン樹脂組成物及び絶縁ケーブル
JP3354498B2 (ja) シラン架橋可能なポリオレフィン樹脂組成物及び絶縁ケーブル
JP3354501B2 (ja) シラン架橋可能なポリオレフィン樹脂組成物及び絶縁ケーブル
JPH101520A (ja) 難燃シラン架橋ポリオレフィンの製造方法
JPH11158233A (ja) シラン架橋ポリオレフィンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080128

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090128

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees