JPH11172002A - シラン架橋ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

シラン架橋ポリオレフィンの製造方法

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JPH11172002A
JPH11172002A JP34345097A JP34345097A JPH11172002A JP H11172002 A JPH11172002 A JP H11172002A JP 34345097 A JP34345097 A JP 34345097A JP 34345097 A JP34345097 A JP 34345097A JP H11172002 A JPH11172002 A JP H11172002A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出加工性に優れ、又架橋特性、機械的特
性、耐熱性、柔軟性、及び衛生性に優れたシラン架橋ポ
リオレフィンを得る。 【解決手段】 (i)密度が0.85〜0.92g/c
3、メルトインデックスが0.3〜20g/10mi
nで実質的に線状であるポリエチレン/1−オクテンコ
ポリマーからなるベースポリマーと、(ii)有機不飽和シ
ラン及び1分間の半減期を得るための分解温度が170
℃以上250℃以下でかつ活性酸素量が8%以上である
遊離ラジカル発生剤を含有させた実質的に水の存在しな
いキャリヤーポリマーA、及び(iii)シラノール縮合触
媒及び酸化防止剤を含有させたキャリヤーポリマーBと
をベースポリマーの結晶融点より高い温度において溶融
混合して反応させ、次いで水分と接触させて架橋させる
シラン架橋ポリオレフィンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィンの
シラン架橋において、有機不飽和シラン等を高濃度に含
有したキャリヤーポリマーA及びシラノール縮合触媒等
を含有したキャリヤーポリマーBにより一工程でシラン
架橋ポリオレフィンを製造するシラン架橋方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来ポリオレフィンを架橋させる簡便な
方法としては、該ポリオレフィンに遊離ラジカル発生剤
の存在下で有機不飽和シランをグラフト反応させてシラ
ングラフト化した後、このシラングラフトマーをシラノ
ール縮合触媒の存在下で水分と接触させて架橋させる所
謂シラン架橋法が一般に知られている。例えば特公昭48
-1711号公報、特開昭57-49109号公報等に開示されてい
る。しかし、この方法は少なくとも二工程を伴う。即ち
シラングラフト化反応工程及びシラノール縮合反応工程
である。従って少なくとも二回の押出工程を経る事とな
り、最終製品としての経済的な問題が避けられない。
【0003】又一工程プロセスとしてはモノシール法が
ある。しかし、この方法は有機不飽和シランを液状で押
出機に注入する液添装置が必要であるが、滑りや計量不
良の問題がある。又押出機も少量添加物を均一分散する
為にL/Dの大きな高価で特殊なタイプが必要であり、
経済的な問題が避けられない。更に押出においても非常
に高度な技術が必要である。更に一工程プロセスとして
は、シランを固体キャリヤーポリマーに導入したシラン
架橋方法が特開平3-167229公報に開示されている。しか
し、この方法は固体キャリヤーポリマーとしては多孔質
ポリマー或いはEVAであり、シラン及び遊離ラジカル
発生剤の他にシラノール縮合触媒、酸化防止剤等の添加
剤も固体キャリヤーポリマーに導入している。この為シ
ランの縮合によるオリゴマー化或いはラジカル捕捉によ
る架橋阻害により架橋効率や保存性が劣るという問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決したもので、ポリオレフィンのシラン架橋にお
いて、有機不飽和シラン等を高濃度に含有したキャリヤ
ーポリマーA及びシラノール縮合触媒等を含有したキャ
リヤーポリマーBにより一工程でシラン架橋ポリオレフ
ィンを製造するシラン架橋方法の提供を目的としたもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(i)密度が
0.85〜0.92g/cm3、メルトインデックスが
0.3〜20g/10minで、重合時にコモノマーと
して1−オクテンを用い且つ触媒としてシングルサイト
触媒を使用して重合されたところの、ポリマーのバック
ボーンに沿って長鎖分岐を炭素1000個当たり0.0
1個以上有する実質的に線状であるポリエチレン/1−
オクテンコポリマーからなるベースポリマーと、(ii)一
般式RR’SiY2(Rは1価のオレフィン性不飽和炭
化水素基、Yは加水分解しうる有機基、R’は脂肪族不
飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基あるいはYと同じ
もの)で表され、添加量がポリマーの全重量を基準にし
て0.1〜5重量%である有機不飽和シラン及び1分間
の半減期を得るための分解温度が170℃以上250℃
以下でかつ活性酸素量が8%以上で、添加量がポリマー
の全重量を基準にして0.01〜0.5重量%である遊
離ラジカル発生剤を含有させた実質的に水の存在しない
キャリヤーポリマーA、及び(iii)添加量がポリマーの
全重量を基準にして0.01〜0.2重量%であるシラ
ノール縮合触媒及び酸化防止剤を含有させたキャリヤー
ポリマーBとをベースポリマーの結晶融点より高い温度
において溶融混合して反応させ、次いで水分と接触させ
て架橋させるシラン架橋ポリオレフィンの製造方法であ
り、好ましくは、密度が0.86〜0.89g/cm3
でメルトインデックスが0.5〜5g/10minの重
合時にコモノマーとして1−オクテンを用い且つ触媒と
してシングルサイト触媒を使用して重合されたところ
の、ポリマーのバックボーンに沿って長鎖分岐を炭素1
000個当たり0.01個以上有する実質的に線状であ
るポリエチレン/1−オクテンコポリマーからなるベー
スポリマーであり、キャリヤーポリマーAがエチレンー
エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンーメ
チルメタクリレート共重合体(EMMA)、少なくとも
1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
と、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロックよりなるブロック共重合体を水素添加して
得られる水添ブロック共重合体及びこれらの混合物から
なる群より選ばれたポリマーであり、キャリヤーポリマ
ーBがポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとαー
オレフィンの共重合体及びこれらの混合物からなる群よ
り選ばれたポリマーであり、キャリヤーポリマーAとB
の合計量が2〜15重量%であるシラン架橋ポリオレフ
ィンの製造方法である。
【0006】 〔発明の詳細な説明〕本発明のベースポリマーの実質的
に線状であるポリエチレン/1−オクテンコポリマーと
は、重合時にコモノマーとして1−オクテンを用い且つ
シングルサイト触媒のうち適切な拘束幾何触媒(con
strained geometrycatalyst
s)を用いて製造する。米国特許第5,026,798
号の中に教示されているモノシクロペンタジエニル遷移
金属のオレフィン重合触媒もまた、本発明のベースポリ
マーの実質的に線状であるポリエチレン/1−オクテン
コポリマーの製造で用いるに適切である。本発明のベー
スポリマーの実質的に線状であるポリエチレン/1−オ
クテンコポリマーの製造で用いるに適切な共触媒には、
これらに限定するものでないが、例えばポリマー状もし
くはオリゴマー状のアルミノキサン類、特にメチルアル
ミノキサン、並びに不活性であり、適合性を示し、配位
しない、イオンを生じる化合物などが含まれる。好適な
共触媒は、配位しない不活性なホウ素化合物である。本
発明のベースポリマーの実質的に線状であるポリエチレ
ン/1−オクテンコポリマーを製造するのに適した重合
条件は、一般に、溶液重合方法で有効な条件であるが、
本発明の出願はそれに限定するものではない。スラリー
および気相重合方法もまた、適当な触媒および重合条件
を用いることを条件として有効である。
【0007】本発明のベースポリマーの実質的に線状で
あるポリエチレン/1−オクテンコポリマーの製造で
は、多重反応槽重合法、例えば米国特許第3,914,
342号の中に開示されている重合方法なども使用可能
である。この多重反応槽の1つの中で少なくとも1種の
拘束幾何触媒を用いこれらの反応槽を直列もしくは並列
運転することができる。「実質的に線状である」ポリエ
チレン/1−オクテンコポリマーとは、このポリマーの
バックボーンが炭素1000個当たり0.01個以上の
長鎖分岐で置換されていることを意味しており、本発明
のベースポリマーの実質的に線状であるポリエチレン/
1−オクテンコポリマーが、ポリマーのバックボーンに
沿って長鎖分岐を炭素1000個当たり0.01個以上
有するとしている理由は、所定水準の溶融粘度を確保
し、それによって本発明のベースポリマーの実質的に線
状であるポリエチレン/1−オクテンコポリマーに対し
て良好な成形性を与えるためである。これに対し、「線
状」ポリエチレン/C3−C20α−オレフィンコポリマ
ーという用語は、このオレフィンコポリマーが長鎖分岐
を含んでいないことを意味している。
【0008】本発明の実施形態において、本発明のベー
スレジンにおける上記実質的に線状であるポリエチレン
/1−オクテンコポリマーへ他のエチレンポリマをブレ
ンドすることは当然考えられ、その場合このブレンドす
るエチレンコポリマとしては例えば高圧重合法により重
合された低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリ
エチレン(MDPE)、マルチサイト触媒で重合された
極低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HD
PE)等のホモポリマタイプのもの、或いは過半を占め
るエチレンに対してプロピレン、酢酸ビニル、エチルア
クリレート等コモノマを共重合させた各種エチレン共重
合体などの1種又は2種以上が使用される。ベースポリ
マーの実質的に線状であるポリエチレン/1−オクテン
コポリマーの密度は0.85〜0.92g/cm3、好
ましくは0.86〜0.89g/cm3である。0.8
5g/cm3を下回るものは工業的に製造し難い。0.
92g/cm3を上回ると所望の柔軟性が得られない。
ベースポリマーの実質的に線状であるポリエチレン/1
−オクテンコポリマーのメルトインデックスは0.3〜
20g/10min、好ましくは0.5〜5g/10m
inである。0.3g/10minを下回ると押出加工
性が悪くなり、20g/10minを上回ると架橋度の
低下を引き起こす。
【0009】本発明の有機不飽和シランは、ベースレジ
ン相互の架橋点となるべくベースレジンにグラフト化さ
れるものである。本発明において使用される有機不飽和
シランとしては、一般式RR'SiY2(Rは1価のオレフィン
性不飽和炭化水素基、Yは加水分解しうる有機基、R'は
脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基あるいは
Yと同じもの)で表される化合物が使用される。R'がYと
同一で一般式RSiY3で表される有機不飽和シランを使用
するのが望ましく、例えばビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラ
ン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシ
ラン等が挙げられる。これらの添加量としてはポリマー
の全重量を基準にして0.1〜5重量%、好ましくは
0.4〜3重量%である。0.1重量%を下回ると充分
なグラフト化が起こらず、又5重量%を上回ると成形不
良を起こすとともに経済的でなくなる。
【0010】本発明の遊離ラジカル発生剤は、シラング
ラフト化反応の開始剤として働く。本発明において使用
される遊離ラジカル発生剤には、1分間の半減期を得る
ための分解温度が170℃以上250℃以下でかつ活性
酸素量が8%以上の、重合開始作用の強く、分解生成物
が臭気を発生しない種々の有機過酸化物が用いられる。
これらの有機過酸化物としては2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−
ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベン
ゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキシイソフタレート等の中から選ばれる1種また
は2種以上の有機過酸化物が使用される。1分間の半減
期を得るための分解温度が170℃未満では反応が激し
くなり、その制御が難しく、250℃を超えると適当な
条件で反応が起こらない。活性酸素量が8%未満では遊
離ラジカル発生剤を多量に添加する必要があり、外観不
良や強度低下を招く。これらの添加量としてはポリマー
の全重量を基準にして0.01〜0.5重量%、好まし
くは0.015〜0.2重量%である。0.01重量%
を下回ると充分なシラングラフト化反応が進行せず、ま
た0.5重量%を上回ると押出加工性が低下するととも
に成形表面が悪くなる。
【0011】本発明のキャリヤーポリマーAは、遊離ラ
ジカル発生剤をシランに溶解した液体混合物をこのシラ
ンの液体混合物で膨潤させることによって加入すること
ができる。この時シランを高濃度に加入させる為にはキ
ャリヤーポリマーAの予熱が必要であるが、ポリマーが
溶融しないように結晶融点以下の温度でなければならな
い。又キャリヤーポリマーAは、粒状形であり且つ架橋
するベースポリマー及びシランと相溶性の個体でなけれ
ばならない。相溶性とは、キャリヤーポリマーAがシラ
ンと容易に反応してはならず、且つベースポリマーに分
散可能或いは可溶性でなければならないことを意味す
る。適したキャリヤーポリマーAは非吸湿性である。即
ちシランの早期加水分解及び縮合の可能性を最小にする
為に水分の吸収が比較的遅いのが好ましい。何れにして
も、キャリヤーポリマーAは実質的に水が存在すべきで
ない。本発明のキャリヤーポリマーAはグラニュール、
或いはペレットの形の粒状物にするのが普通であり、好
ましい形はペレットである。本発明において使用される
キャリヤーポリマーAとしては、例えばエチレンーエチ
ルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンーメチル
メタクリレート共重合体(EMMA)、少なくとも1個
のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、
少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロックよりなるブロック共重合体を水素添加して得ら
れる水添ブロック共重合体、例えば水添スチレン−イソ
プレンブロック共重合体(SEPS)、水添スチレン−
ブタジエンブロック共重合体(SEBS)等であり、及
びこれらの混合物を挙げることができる。
【0013】本発明のキャリヤーポリマーBはシラノー
ル縮合触媒及び酸化防止剤等を混練し造粒することによ
り加入することができる。又キャリヤーポリマーBは粒
状形であり且つ架橋するベースポリマーと相溶性の固体
でなければならない。本発明のキャリヤーポリマーBは
グラニュール、或いはペレットの形の粒状物にするのが
普通であり、好ましい形はペレットである。本発明にお
いて使用されるキャリヤーポリマーBとしては、例えば
ポレエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα−オレフ
ィンの共重合体、α−オレフィンとしてはC3〜C12
の例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、オク
テン−1、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセ
ン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、ノネン−1、
デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等であり、
及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0014】本発明のシラノール縮合触媒としては、ジ
ブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、酢
酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオク
トエート、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ナフテン酸
コバルト、チタン酸テトラブチルエステル、ステアリン
酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ス
テアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の有機
金属化合物が挙げられる。これらの添加量としては、ポ
リマーの全重量を基準として0.01〜0.2重量%、
好ましくは0.02〜0.1重量%である。0.01重
量%を下回ると十分な架橋反応が進まず、又0.2重量
%を上回ると押出時に押出機内で局部的に架橋が進行し
外観が著しく悪化する。又シラノール縮合触媒はキャリ
ヤーポリマーBに加入しなければならない。これはキャ
リヤーポリマーAに加入するとシランの縮合によるオリ
ゴマー化を促進し外観悪化を引き起こす為である。
【0015】本発明の酸化防止剤はポリオレフィンを加
工する際に通常用いられるもので特に限定するものでは
ないが、キャリヤーポリマーBに加入しなければならな
い。これはキャリヤーポリマーAに加入するとラジカル
捕捉により架橋を阻害する為である。その他添加剤を加
入する場合においても架橋を阻害する可能性のある添加
剤はキャリヤーポリマーBに加入しなければならない。
【0016】キャリヤーポリマーの添加量はキャリヤー
ポリマーAとBの合計量が2〜15重量%の範囲で添加
される。2重量%を下回ると充分なグラフト化が起こら
ず、又15重量%を上回ると成形不良を起こすとともに
経済的でなくなる。
【0017】その他の添加剤としては所望により通常に
使用される添加剤、例えば中和剤、紫外線吸収剤、帯電
防止剤、顔料、分散剤、増粘剤、金属劣化防止剤、防カ
ビ剤、流動調整剤、その他の無機質充填剤等、または他
の合成樹脂を含有させることもできる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて説明する。 《キャリヤーポリマーAの製造》表1に示すような配合
割合に従って、まずキャリヤーポリマーAをスーパーミ
キサーに投入し攪拌混合し80℃に予熱する。次に不飽
和シランに遊離ラジカル発生剤を溶かした液体混合物を
スーパーミキサーに投入し攪拌しながらキャリヤーポリ
マーAに10分間で含浸させた。 《キャリヤーポリマーBの製造》表2に示すような配合
割合に従って、キャリヤーポリマーB、シラノール縮合
触媒、酸化防止剤等を加圧ニーダーを用いて混練、造粒
した。
【0019】*使用した原材料 (1)EEA:エチレンーエチルアクリレート共重合体(E
A含量;23重量%) (2)SEPS:水添スチレンーイソプレンブロック共重
合体(スチレン含量;30重量%) (3)L−LDPE(1):直鎖状低密度ポリエチレン
(密度;0.924g/cm3、MI;3.0g/10min) (4)VTMOS:ビニルトリメトキシシラン (5)有機過酸化物(1):α,α′−ビス(t−ブチル
パーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン(1分間の半
減期を得るための分解温度;175.4℃、活性酸素量;9.4
5%) (6)有機過酸化物(2):2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(1分間の半減期
を得るための分解温度;179.8℃、活性酸素量;11.02
%) (7)有機過酸化物(3):ジクミルパーオキサイド(1
分間の半減期を得るための分解温度;175.2℃、活性酸
素量;5.92%) (8)LDPE(1):低密度ポリエチレン(密度;0.925
g/cm3、MI;1.5g/10min) (9)PP:ポリプロピレン(ホモポリマー、MI(230゜
C);2.0g/10min) (10)DOTDL:ジオクチルスズジラウレート (11)酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤/イルガノッ
クス1010(チバガイギー(株)製) (12)滑剤:低分子量ポリエチレン/サンワックス171
P(三洋化成工業(株)製) (13)エチレン/1−オクテンコポリマー(1):拘束幾
何触媒を用いて連続重合法した実質的に線状であるエチ
レン/1−オクテンコポリマー(密度;0.910g/cm3、M
I;3.5g/10min) (14)エチレン/1−オクテンコポリマー(2):拘束幾
何触媒を用いて連続重合法した実質的に線状であるエチ
レン/1−オクテンコポリマー(密度;0.868g/cm3、M
I;0.5g/10min) (15)エチレン/1−オクテンコポリマー(3):拘束幾
何触媒を用いて連続重合法した実質的に線状であるエチ
レン/1−オクテンコポリマー(密度;0.880g/cm3、M
I;18g/10min) (16)LDPE(2):低密度ポリエチレン(密度;0.91
9g/cm3、MI;2.0g/10min) (17)エチレン/1−オクテンコポリマー(4):拘束幾
何触媒を用いて連続重合法した実質的に線状であるエチ
レン/1−オクテンコポリマー(密度;0.935g/cm3、M
I;2.5g/10min) (18)エチレン/1−オクテンコポリマー(5):拘束幾
何触媒を用いて連続重合法した実質的に線状であるエチ
レン/1−オクテンコポリマー(密度;0.868g/cm3、M
I;0.2g/10min) (19)エチレン/1−オクテンコポリマー(6):拘束幾
何触媒を用いて連続重合法した実質的に線状であるエチ
レン/1−オクテンコポリマー(密度;0.885g/cm3、M
I;30g/10min)
【0020】*評価方法 (20)シラン含浸性:スーパーミキサーでVTMOS/DCP液体
混合物を加熱攪拌した時の含浸性を評価した。 ○:含浸性良好、×:含浸不可 (21)テープ押出外観: 50mmφの押出機 120-150-170-180-170℃ L/D:20 圧縮比 3.5 テープダイ:巾 100mm リップ間
隔 1mmt 評価:○>△>×の順とし、○のレベルを合格とした。 (22)ゲル分率(%):120℃、20時間、キシレン浸漬法 (23)引張強さ(MPa)及び伸び(%):JIS K 6760
による。 (24)加熱変形率(%):JIS K 6723 による。 (25)ショアD硬度(−):ASTM D-2240 による。 (26)チューブ押出外観: 50mmφの押出機 120-150-170-180-170℃ L/D:20 圧縮比 3.5 チューブダイ:外径 15mm 内径 1
2mm 評価:○>△>×の順とし、○のレベルを合格とした。 (27)臭気及び味(−):JIS K 6769 による。 (28)過マンガン酸カリウム消費量(mg/l):JIS K
6769 による。 ポリオレフィン系ベースポリマーと得られたキャリヤー
ポリマーA及びBを表3〜7の比率で混合し、押出機を
用いてテープ及びチューブを押出し、更に温水中に浸漬
することによって架橋処理を行った。この押出テープを
用いてゲル分率、引張強さ、伸び、加熱変形率及びショ
アD硬度の評価を行い、この押出チューブを用いて臭気
及び味、過マンガン酸カリウム消費量の溶出性の評価を
行った。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】表から明らかなように、実施例1,2,
3,4に示す材料は押出加工性が良好で、かつ非常に優
れた架橋特性、機械的強度、耐熱性、柔軟性、衛生性を
示している。これに対し比較例は全て、押出加工性、架
橋特性、機械的特性、耐熱性、柔軟性及び衛生性のバラ
ンスが取れていない。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、押出加工性に優れ、又
架橋特性、機械的特性、耐熱性、柔軟性、及び衛生性に
優れたシラン架橋ポリオレフィンを得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)密度が0.85〜0.92g/c
    3、メルトインデックスが0.3〜20g/10mi
    nで、重合時にコモノマーとして1−オクテンを用い且
    つ触媒としてシングルサイト触媒を使用して重合された
    ところの、ポリマーのバックボーンに沿って長鎖分岐を
    炭素1000個当たり0.01個以上有する実質的に線
    状であるポリエチレン/1−オクテンコポリマーからな
    るベースポリマーと、(ii)一般式RR’SiY2(Rは
    1価のオレフィン性不飽和炭化水素基、Yは加水分解し
    うる有機基、R’は脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の
    炭化水素基あるいはYと同じもの)で表され、添加量が
    ポリマーの全重量を基準にして0.1〜5重量%である
    有機不飽和シラン及び1分間の半減期を得るための分解
    温度が170℃以上250℃以下でかつ活性酸素量が8
    %以上で、添加量がポリマーの全重量を基準にして0.
    01〜0.5重量%である遊離ラジカル発生剤を含有さ
    せた実質的に水の存在しないキャリヤーポリマーA、及
    び(iii)添加量がポリマーの全重量を基準にして0.0
    1〜0.2重量%であるシラノール縮合触媒及び酸化防
    止剤を含有させたキャリヤーポリマーBとをベースポリ
    マーの結晶融点より高い温度において溶融混合して反応
    させ、次いで水分と接触させて架橋させることを特徴と
    するシラン架橋ポリオレフィンの製造方法。
  2. 【請求項2】 ベースポリマーが、密度が0.86〜
    0.89g/cm3でメルトインデックスが0.5〜5
    g/10minの重合時にコモノマーとして1−オクテ
    ンを用い且つ触媒としてシングルサイト触媒を使用して
    重合されたところの、ポリマーのバックボーンに沿って
    長鎖分岐を炭素1000個当たり0.01個以上有する
    実質的に線状であるポリエチレン/1−オクテンコポリ
    マーからなる請求項1記載のシラン架橋ポリオレフィン
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 キャリヤーポリマーAがエチレンーエチ
    ルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンーメチル
    メタクリレート共重合体(EMMA)、少なくとも1個
    のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、
    少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体
    ブロックよりなるブロック共重合体を水素添加して得ら
    れる水添ブロック共重合体及びこれらの混合物からなる
    群より選ぶ請求項1又は2記載のシラン架橋ポリオレフ
    ィンの製造方法。
  4. 【請求項4】 キャリヤーポリマーBがポリエチレン、
    ポリプロピレン、エチレンとαーオレフィンの共重合体
    及びこれらの混合物からなる群より選ぶ請求項1、2又
    は3記載のシラン架橋ポリオレフィンの製造方法。
  5. 【請求項5】 キャリヤーポリマーAとBの合計量が2
    〜15重量%である請求項1、2、3又は4記載のシラ
    ン架橋ポリオレフィンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011518937A (ja) * 2008-04-30 2011-06-30 テーザ・ソシエタス・ヨーロピア ポリオレフィンからなる剥離フィルム及びそのフィルムの使用
JP2016121203A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 古河電気工業株式会社 耐熱性シラン架橋樹脂成形体、架橋性樹脂成形体、耐熱性シラン架橋性樹脂組成物及びそれらの製造方法、シランマスターバッチ、並びに耐熱性製品

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