JP2000154813A - 軸状固定部材、板材固定構造ならびに建築物施工および解体方法 - Google Patents

軸状固定部材、板材固定構造ならびに建築物施工および解体方法

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JP2000154813A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建材の再利用を可能にし、廃棄物処理の問題を
軽減する。 【解決手段】建築施工に際し、ねじ釘1により板材を固
定箇所に打ち付けて固定し、解体の際、ねじ釘1を回転
させて板材から外す。ねじ釘1は、軸にねじ山4を有
し、頭部にねじ回転用形状6を有する。ねじ山4は先端
側傾斜面の幅が頭部側傾斜面の幅より長く、先端側傾斜
面が頭部側から先端側に窄まるよう傾斜している。ねじ
山4の稜線および溝の谷線は線状である。板材はアルミ
ニウム板と木質繊維製板とを張り合わせて成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸にねじ山を有
し、頭部にねじ回転用形状を有する軸状固定部材、その
軸状固定部材を用いた板材固定構造ならびに建築物施工
および解体方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の軸組工法による木造建築物は、板
材を柱や梁に釘で打ち付けて固定し、壁や天井が施工さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、古い家屋を解体
したとき発生する大量の廃材が、廃棄物処理の問題を生
じている。従来の軸組工法による木造建築物では、解体
の際、打ち付けた釘を釘抜きで抜くため、釘が折れ曲が
ってしまい、釘の再利用ができないという問題点があっ
た。この場合、ねじ釘を用いて固定しておけば、ねじ釘
を回転させて取り外し、ねじ釘の再利用が可能になる
が、ねじ釘の場合、固定する際、打ち付けて固定するこ
とができないため、利用しにくいという問題点があっ
た。また、アルミニウム板と木質繊維製板とを張り合わ
せて成る板材を釘で打ち付けた後、釘抜きで釘を抜いて
解体する場合、木質繊維製板を傷めてしまい、再利用が
できない板材が多くなるという問題点があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、建材の再利用を可能にし、廃棄物
処理の問題を軽減することができる軸状固定部材、板材
固定構造ならびに建築物施工および解体方法を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る軸状固定部材は、軸にねじ山を有し、
頭部にねじ回転用形状を有し、前記ねじ山は先端側傾斜
面の幅が頭部側傾斜面の幅より長く、先端側傾斜面が頭
部側から先端側に窄まるよう傾斜しており、前記ねじ山
の稜線および溝の谷線が線状であることを特徴とする。
【0006】本発明に係る軸状固定部材は、建材固定用
ピン、ねじ釘、ボルト、ビスその他、軸にねじ山を有
し、頭部にねじ回転用形状を有するいかなる固定部材で
あってもよい。ねじ回転用形状とは、マイナス溝、十字
溝その他の凹部であっても、四角形、六角形その他の多
角形外形であってもよい。
【0007】本発明に係る軸状固定部材は、頭部を先端
方向に叩いて固定箇所に打ち付ける。軸状固定部材の先
端が釘状に尖っていない場合には、固定箇所には予め軸
状固定部材を固定するための穴をあけておく。軸状固定
部材は、先端側傾斜面の幅が頭部側傾斜面の幅より長
く、ねじ山の先端側傾斜面が頭部側から先端側に窄まる
よう傾斜しているため、打ち付けたときには、先端側に
円滑に進行し、頭部側には外れにくくなっている。ま
た、軸状固定部材は、ねじ山の稜線および溝の谷線が線
状であるため、軸の太さを変えずに、ねじ山の先端側傾
斜面の幅を長くとることができ、先端側への進行を容易
にする。外す際には、電動ドライバーまたは手動で、ね
じ回転用形状を有する頭部を回転させて、外すことがで
きる。外した軸状固定部材は、再利用が可能である。
【0008】本発明に係る軸状固定部材では、前記溝
は、固定箇所に接着して前記溝から剥離可能な軟質系樹
脂により前記ねじ山の稜線の高さまで埋められていても
よい。軟質系樹脂は、例えば、ウレタン系樹脂である。
【0009】この場合、軸状固定部材では、軟質系樹脂
が溝を埋めているので、打ち付ける際、ねじ山が固定箇
所に引っ掛かることなく、先端側に円滑に進行する。固
定箇所に軸状固定部材を打ち付けた状態で、軟質系樹脂
は軸状固定部材と固定箇所との間で固定箇所の気密性を
高める。外す際には、電動ドライバーまたは手動で、ね
じ回転用形状を有する頭部を回転させると、軟質系樹脂
は固定箇所に接着して残り、軸状固定部材のみを外すこ
とができる。外した軸状固定部材は、再利用が可能であ
る。
【0010】本発明に係る板材固定構造は、アルミニウ
ム板と木質繊維製板とを張り合わせて成る板材を有し、
前述の軸状固定部材により周囲を固定箇所に固定されて
成ることを特徴とする。
【0011】本発明に係る板材固定構造で、アルミニウ
ム板と木質繊維製板とを張り合わせて成る板材は、電動
ドライバーまたは手動で、軸状固定部材の頭部を回転さ
せて外すことができるので、解体が容易であり、また、
軸状固定部材を外す際に負担がかからないため、木質繊
維製板を傷めずに再利用が可能である。板材は、壁板と
して用いられても、板材は、壁材、天井材、床材のいず
れであってもよい。
【0012】本発明に係る建築物施工および解体方法
は、建築施工に際し、軸にねじ山を有し、頭部にねじ回
転用形状を有し、前記ねじ山は先端側傾斜面の幅が頭部
側傾斜面の幅より長く、先端側傾斜面が頭部側から先端
側に窄まるよう傾斜しており、前記ねじ山の稜線および
溝の谷線が線状であり、先端が尖ったねじ釘により、ア
ルミニウム板と木質繊維製板とを張り合わせて成る板材
を固定箇所に打ち付けて固定し、解体の際、前記ねじ釘
を回転させて前記板材から外すことを特徴とする。
【0013】本発明に係る建築物施工および解体方法で
は、建築施工の際には、板材にねじ釘を打ち付けること
により、一般の釘を使用する場合と同様に板材を容易に
固定することができる。解体の際には、電動ドライバー
または手動で、ねじ釘を回転させて容易に外すことがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態について説明する。図1および図2は、本発明の
実施の第1形態を示している。図1に示すように、ねじ
釘1は、軸2の中央から先端3側にねじ山4を有し、頭
部5にねじ回転用形状6を有している。軸2の中央から
頭部5側には、ねじ山4が形成されておらず、円筒状と
なっている。ねじ山4は、先端側傾斜面4aの幅aが頭
部側傾斜面4bの幅bより数倍長く、先端側傾斜面4a
が頭部5側から先端3側に窄まるよう傾斜している。先
端3は、一般の釘と同様に尖っている。ねじ山4の稜線
7および溝8の谷線は、幅がなく、線状である。ねじ回
転用形状6は、頭部5の端部に形成された十字溝から成
る。頭部5は、一般のねじ釘1と同様に、軸2より径が
大きくなっている。
【0015】図2に示す板材固定構造10で、板材11
がアルミニウム板と木質繊維製板とを張り合わせて成っ
ている。板材11は、寒い地域で、アルミニウム板の側
が室内側を向くように用いることで、室内を暖かく保つ
ことができ、暑い地域で、アルミニウム板の側が室外側
を向くように用いることで、室内を涼しく保つことがで
きる。
【0016】板材固定構造10は、建築施工の際に、パ
ッキン材12を介してねじ釘1により板材11が柱など
の固定箇所に打ち付けて固定されて成る。板材固定構造
10の解体の際には、電動ドライバーまたは手動で、ね
じ釘1を回転させて板材11から外す。
【0017】次に作用を説明する。ねじ釘1を用いた建
築物施工および解体方法では、建築施工の際には、ねじ
釘1の頭部5を先端3の方向に叩いて板材11および固
定箇所に打ち付ける。これにより、一般の釘を使用する
場合と同様に、板材11を容易に固定することができ
る。ねじ釘1は、先端側傾斜面4aの幅aが頭部側傾斜
面4bの幅bより長く、ねじ山4の先端側傾斜面4aが
頭部5側から先端3側に窄まるよう傾斜しているため、
打ち付けたときには、先端3側に円滑に進行し、頭部5
側には外れにくくなっている。また、ねじ釘1は、ねじ
山4の稜線7および溝8の谷線が線状であるため、軸2
の太さを変えずに、ねじ山4の先端側傾斜面4aの幅を
長くとることができ、先端3側への進行を容易にする。
解体の際には、電動ドライバーまたは手動で、ねじ釘1
の十字溝を有する頭部5を回転させて、容易に外すこと
ができる。外したねじ釘1は、再利用が可能である。
【0018】板材固定構造10で、アルミニウム板と木
質繊維製板とを張り合わせて成る板材11は、電動ドラ
イバーまたは手動で、ねじ釘1の頭部5を回転させて外
すことができるので、解体が容易であり、また、ねじ釘
1を外す際に負担がかからないため、木質繊維製板を傷
めずに再利用が可能である。
【0019】なお、図3に示すように、ねじ釘1は、溝
8が軟質系樹脂9によりねじ山4の稜線7の高さまで埋
められていてもよい。軟質系樹脂9は、固定箇所に接着
して溝8から剥離可能なウレタン樹脂から成る。
【0020】この場合、ねじ釘1は、軟質系樹脂9が溝
8を埋めているので、打ち付ける際、ねじ山4が固定箇
所に引っ掛かることなく、先端3側に円滑に進行する。
板材11などの固定箇所にねじ釘1を打ち付けた状態
で、軟質系樹脂9はねじ釘1と固定箇所との間で固定箇
所の気密性を高める。外す際には、電動ドライバーまた
は手動で、ねじ回転用形状6を有する頭部5を回転させ
ると、軟質系樹脂9は固定箇所に接着して残り、ねじ釘
1のみを外すことができる。外したねじ釘1は、再利用
が可能である。
【0021】図4および図5は、本発明の実施の第2形
態を示している。図4に示すように、建材固定用ピン2
0は、軸21の全体にねじ山22を有し、頭部23にね
じ回転用形状24を有している。ねじ山22は、先端側
傾斜面22aの幅cが頭部側傾斜面22bの幅dより数
倍長く、先端側傾斜面22aが頭部23側から先端25
側に窄まるよう傾斜している。先端25は、円錐状に丸
くなっている。ねじ山22の稜線26および溝27の谷
線は、幅がなく、線状である。ねじ回転用形状24は、
頭部23の端部に形成された十字溝から成る。
【0022】建材固定用ピン20は、柱を土台に固定し
たり、土台を基礎に固定したりするのに用いることがで
きる。図5に示すように、柱30の端部には、軸線延長
上にパイプ31が固定されている。柱30を土台32に
立てたとき、パイプ31は、土台32の穴32aに挿入
される。パイプ31には両端の側部に貫通孔31aが形
成されており、貫通孔31aに対応して柱30および土
台32に穴30a,32bが形成されている。建材固定
用ピン20は、柱30および土台32の穴30a,32
bに打ち付けられ、パイプ31の貫通穴31aを通って
柱30を土台32に固定する。建材固定用ピン20は、
前述のねじ釘1と同様の作用を有し、再利用可能であっ
て、固定した柱30や土台32の再利用も可能にする。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る軸状固定部材、板材固定構
造ならびに建築物施工および解体方法は、建材の再利用
を可能にし、廃棄物処理の問題を軽減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態のねじ釘の(A)正面
図、(B)右側面図である。
【図2】本発明の実施の第1形態の板材固定構造の正面
図である。
【図3】図1のねじ釘の変形例を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の第2形態の建材固定用ピンの
(A)正面図、(B)右側面図である。
【図5】図4の建材固定用ピンの使用状態を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 ねじ釘 2 軸 3 先端 4 ねじ山 5 頭部 6 ねじ回転用形状 10 板材固定構造 20 建材固定用ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 105:16 B29L 7:00 31:10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸にねじ山を有し、頭部にねじ回転用形状
    を有し、前記ねじ山は先端側傾斜面の幅が頭部側傾斜面
    の幅より長く、先端側傾斜面が頭部側から先端側に窄ま
    るよう傾斜しており、前記ねじ山の稜線および溝の谷線
    が線状であることを特徴とする軸状固定部材。
  2. 【請求項2】前記溝は、固定箇所に接着して前記溝から
    剥離可能な軟質系樹脂により前記ねじ山の稜線の高さま
    で埋められていることを特徴とする請求項1記載の軸状
    固定部材。
  3. 【請求項3】アルミニウム板と木質繊維製板とを張り合
    わせて成る板材を有し、請求項1または2記載の軸状固
    定部材により周囲を固定箇所に固定されて成ることを特
    徴とする板材固定構造。
  4. 【請求項4】建築施工に際し、軸にねじ山を有し、頭部
    にねじ回転用形状を有し、前記ねじ山は先端側傾斜面の
    幅が頭部側傾斜面の幅より長く、先端側傾斜面が頭部側
    から先端側に窄まるよう傾斜しており、前記ねじ山の稜
    線および溝の谷線が線状であり、先端が尖ったねじ釘に
    より、アルミニウム板と木質繊維製板とを張り合わせて
    成る板材を固定箇所に打ち付けて固定し、解体の際、前
    記ねじ釘を回転させて前記板材から外すことを特徴とす
    る建築物施工および解体方法。
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