JP2000154364A - 水分散型感圧性接着剤組成物とその製造方法 - Google Patents
水分散型感圧性接着剤組成物とその製造方法Info
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Abstract
着特性および耐水性にすぐれる水分散型感圧性接着剤組
成物を提供する。 【解決手段】 カルボキシル基含有ウレタンプレポリマ
―とアクリル系モノマ―との重量比1:9から9:1の
混合物を原料成分としたウレタン・アクリル混成ポリマ
―10〜90重量%と、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルを主単量体としたガラス転移温度が250K以下
のアクリルポリマ―90〜10重量%とを含有すること
を特徴とする水分散型感圧性接着剤組成物。
Description
定性)、接着特性および耐水性にすぐれた水分散型感圧
性接着剤組成物とその製造方法に関するものである。
感圧性接着剤組成物の製造方法として有機溶剤を使用し
ない方向への転換が進みつつある。具体的には、ホツト
メルト型やエマルシヨン型などが知られているが、前者
は耐熱性の欠如という問題があり、また後者は耐水性の
欠如という問題がある。
ポリマ―粒子を水に安定に分散せるための乳化剤が残存
することに起因する。この耐水性を上げるため、反応性
乳化剤を用いてポリマ―粒子中に乳化剤を取り込む試み
がなされており、たとえば、反応性乳化剤の種類や重合
方法を改良する工夫が行われている。しかし、反応性乳
化剤が水相で重合したり、未反応で残存して、ポリマ―
粒子中に完全に取り込めず、耐水性を大きく改良するま
でには至つていない。
乳化剤を使用しないで水中に安定に分散させた感圧性接
着剤組成物として、水中にカルボキシル基含有ウレタン
プレポリマ―とアクリル系モノマ―との重量比1:9か
ら9:1の混合物を原料成分としたウレタン・アクリル
混成ポリマ―を分散させた水分散型感圧性接着剤組成物
を提案した(特願平10−66406号)。この感圧性
接着剤組成物は、乳化剤を使用していないため、耐水性
の問題はないが、ポリマ―粒子を水中に安定に分散させ
るためのアクリル系モノマ―の種類や生成ポリマ―の分
子量などが限定され、接着特性を十分に満足させにくい
という難点があつた。
事情に照らし、環境衛生や安全性などの面ですぐれて、
かつホツトメルト型のような耐熱性の問題のない水分散
型感圧性接着剤組成物において、前記従来のエマルシヨ
ン型にみられたような乳化剤に起因した耐水性の問題を
本質的に持たず、かつポリマ―粒子の安定性(水分散安
定性)にすぐれ、そのうえ接着特性を十分に満足する実
用価値の高い水分散型感圧性接着剤組成物とその製造方
法を提供することを目的としている。
的を達成するために、本出願人が先に提案した前記の水
分散型感圧性接着剤組成物について、さらに検討を続け
た結果、第一段階として、カルボキシル基含有ウレタン
プレポリマ―とアクリル系モノマ―との重量比1:9か
ら9:1の混合物を原料成分としたウレタン・アクリル
混成ポリマ―を水に安定に分散させた水分散液を得、つ
いで、第二段階として、この水分散液を重合媒体として
これにさらに(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主
単量体としたポリマ―のガラス転移温度が250K以下
となる単量体を加えて重合させると、上記ウレタン・ア
クリル混成ポリマ―とあらたに生成するアクリルポリマ
―とを含むポリマ―粒子が水に安定に分散されてなる水
分散型感圧性接着剤組成物が得られ、この水分散型感圧
性接着剤組成物によれば、上記の第二段階で用いる単量
体の種類や生成ポリマ―の分子量などにとくに制限を受
けないことから、十分に満足できる接着特性を発現させ
ることができ、しかも上記組成物が従来のエマルシヨン
型のような乳化剤を用いたものでないため、乳化剤に起
因した耐水性の問題もないことを知り、本発明を完成す
るに至つた。
ウレタンプレポリマ―とアクリル系モノマ―との重量比
1:9から9:1の混合物を原料成分としたウレタン・
アクリル混成ポリマ―10〜90重量%と、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルを主単量体としたガラス転移
温度が250K以下のアクリルポリマ―90〜10重量
%とを含有することを特徴とする水分散型感圧性接着剤
組成物(請求項1)に係るものである。また、本発明
は、このような水分散型感圧性接着剤組成物の製造方法
として、a)ポリオ―ル(分子内にカルボキシル基を含
まない)、カルボキシル基含有ポリオ―ルおよびポリイ
ソシアネ―トを反応させてカルボキシル基含有ウレタン
プレポリマ―を得る工程、b)上記のウレタンプレポリ
マ―とアクリル系モノマ―とを重量比1:9から9:1
で混合し、かつ塩基で中和する工程、c)この中和物を
水中に分散する工程、d)この水分散液にポリアミンを
加えて上記のウレタンプレポリマ―を鎖延長し、かつラ
ジカル重合開始剤を加えて上記のアクリル系モノマ―を
重合する工程により、ウレタン・アクリル混成ポリマ―
の水分散液を得、ついで、e)この水分散液に(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを主単量体としたポリマ―
のガラス転移温度が250K以下となる単量体を加えて
重合させ、上記のウレタン・アクリル混成ポリマ―10
〜90重量%に対し、ガラス転移温度が250K以下の
アクリルポリマ―90〜10重量%を生成させることを
特徴とする水分散型感圧性接着剤組成物の製造方法(請
求項2)に係るものである。さらに、本発明は、上記の
a工程におけるポリイソシアネ―トとして脂環族ポリイ
ソシアネ―トを使用する上記水分散型感圧性接着剤組成
物の製造方法(請求項3)、上記のa工程におけるポリ
イソシアネ―トとポリオ―ル(分子内にカルボキシル基
を含まない)との使用割合を、NCO/OH比(当量
比)が2.0〜9.0の範囲となる割合とする上記水分
散型感圧性接着剤組成物の製造方法(請求項4)に係る
ものである。
階として、カルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―と
アクリル系モノマ―との重量比1:9から9:1の混合
物を原料成分としたウレタン・アクリル混成ポリマ―の
水分散液を得る。このような水分散液は、a)ポリオ―
ル(分子内にカルボキシル基を含まない)、カルボキシ
ル基含有ポリオ―ルおよびポリイソシアネ―トを反応さ
せてカルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―を得る工
程、b)上記のウレタンプレポリマ―とアクリル系モノ
マ―とを重量比1:9から9:1で混合し、かつ塩基で
中和する工程、c)この中和物を水中に分散する工程、
d)この水分散液にポリアミンを加えて上記のウレタン
プレポリマ―を鎖延長し、かつラジカル重合開始剤を加
えて上記のアクリル系モノマ―を重合する工程により、
得ることができる。
カルボキシル基を含まない)およびカルボキシル基含有
ポリオ―ルと、ポリイソシアネ―トとを、反応させて、
カルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―を得る。その
際、ポリイソシアネ―トと水との反応を抑えるため、乾
燥空気や窒素などで置換したり、各材料を脱水操作して
おくのがよい。また、反応触媒として、ジブチルすずジ
ラウレ―ト、オクトエ酸すず、1,4−ジアザビシクロ
−2,2,2−オクタンなどを用いてもよい。さらに、
反応順序は限定されず、ポリオ―ル(分子内にカルボキ
シル基を含まない)とポリイソシアネ―トとを反応させ
たのちに、カルボキシル基含有ポリオ―ルを加えて反応
させてもよいし、三成分を同時に反応させてもよい。
まない)は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有す
るものであり、低分子のポリオ―ルと高分子のポリオ―
ルととがある。低分子のポリオ―ルとしては、エチレン
グリコ―ル、ジエチレングリコ―ル、プロピレングリコ
―ル、ブチレングリコ―ル、ヘキサメチレングリコ―ル
などの2価のアルコ―ル、トリメチロ―ルプロパン、グ
リセリン、ペンタエリスリト―ルなどの3価アルコ―ル
などが挙げられる。また、高分子のポリオ―ルとして
は、ポリエ―テルポリオ―ル、ポリエステルポリオ―
ル、アクリルポリオ―ル、エポキシポリオ―ルなどがあ
る。
ポエチレングリコ―ル、ポリプロピレングリコ―ル、ポ
リテトラメチレングリコ―ルなどが挙げられる。ポリエ
ステルポリオ―ルとしては、前記の2価のアルコ―ル、
ジプロピレングリコ―ル、1,4−ブタンジオ―ル、
1,6−ヘキサンジオ―ル、ネオペンチルグリコ―ルな
どのアルコ―ルとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン
酸などの2塩基酸との重縮合物や、その他、ポリカプロ
ラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオ―ル、ポリ
カ―ボネ―トジオ―ルなどが挙げられる。アクリルポリ
オ―ルとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ―
ト、ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレ―トなどの
水酸基含有モノマ―の共重合体や、その他、水酸基含有
物とアクリル系モノマ―との共重合体などが挙げられ
る。エポキシポリオ―ルとしては、アミン変性エポキシ
樹脂などが挙げられる。
または2種以上を混合して使用できる。その際、ポリイ
ソシアネ―トとの反応性、アクリル系モノマ―との相溶
性、最終的な接着特性などを考慮して、その種類や分子
量を便宜選択すればよい。これらポリオ―ルの使用量と
しては、ポリイソシアネ―トに対して、NCO/OH比
(当量比)が2.0〜9.0の範囲となる割合とするの
がよい。上記の比が過少では、反応に関与するカルボキ
シル基含有ポリオ―ルの量が減少して水分散液の安定性
が悪くなり、また過多となると、最終的な接着特性が悪
化し、とくに接着力やタツクが低下するおそれがある。
ウレタンプレポリマ―の分子内にカルボキシル基を導入
させるためのものである。具体例としては、2,2−ジ
メチロ―ルプロピオン酸、2,2−ジメチロ―ル酢酸、
2,2−ジメチロ―ル酪酸などが挙げられ、とくに2,
2−ジメチロ―ルプロピオン酸が好ましい。なお、これ
らを加えるときには、反応を速やかに進行させるため、
N−メチルピロリドンなどの溶剤に溶解して加えるのが
望ましい。このようなカルボキシル含有ポリオ―ルの使
用量は、前記ポリオ―ル(分子内にカルボキシル基を含
まない)100重量部あたり、通常5〜30重量部とす
るのがよい。
肪族、脂環族のポリイソシアネ―トをいずれも使用でき
る。これらの中でも、ポリオ―ルとの速やかな反応およ
び水との反応を抑制するため、イソホロジイソシアネ―
ト、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネ―ト、4,
4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ―トなどの
脂環族ポリイソシアネ―トがとくに好ましく用いられ
る。ポリイソシアネ―トとしては、通常はジイソシアネ
―トが用いられるが、場合により、トリないしそれ以上
のポリイソシアネ―トを使用することもできる。
する単量体を一緒に反応させてウレタン骨格中に炭素−
炭素二重結合を導入し、これを引き続くアクリル系モノ
マ―の重合時に共反応させてもよい。これによりウレタ
ン−アクリル混成ポリマ―におけるポリマ―相互の相分
離が防げ、安定性などに好結果が得ることができる。こ
のような水酸基を有する単量体には、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレ―ト、ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレ―トなどがある。使用量としては、前記のポリ
オ―ル(分子内にカルボキシル基を含まない)100重
量部あたり、通常10重量部以下とするのがよい。過少
では上記効果が得られにくく、逆に過多となると材料自
体が硬くなりすぎる。
ルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―にアクリル系モ
ノマ―を混合し、かつ上記ウレタンプレポリマ―分子内
のカルボキシル基を塩基により中和する。中和は、上記
混合前に行つてもよいし、混合後に行つてもよい。塩基
としては、イソシアネ―トと反応せず、カルボキシル基
を中和できるものであればよく、たとえば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、トルエチルアミンなどの第三
級アミンなどが用いられる。
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチ
ル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イ
ソノニルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル
が、主として用いられる。その他、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロ―ル(メタ)
アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレ―ト、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ―ト、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ―ト、オ
リゴエステル(メタ)アクリレ―ト、カプロラクトン
(メタ)アクリレ―トなども使用できる。また、これら
のモノマ―とともに、必要により、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、スチレン、マレイン酸のモノまたはジエ
ステルなどのモノマ―を併用してもよい。
ルボキシル基含有ウレタンプレポリマ―とアクリル系モ
ノマ―との重量比が1:9から9:1となるように、つ
まりは、アクリル系モノマ―が前記のカルボキシル基含
有ウレタンプレポリマ―との合計量中、10〜90重量
%、好ましくは20〜80重量%となるように、混合す
ることが肝要である。10重量%未満では、接着力が小
さくなり、90重量%を超えると、安定な水分散液が得
られなくなる。
シル基含有ウレタンプレポリマ―にアクリル系モノマ―
を混合し、かつ塩基により中和したのちに、この中和物
を水中に分散させる。この分散は、上記の中和物を攪拌
しながら水に滴下して行えばよく、攪拌は通常の撹拌機
を用いてもよいし、必要によりホモミキサやホモジナイ
ザなどを用いて行つてもよい。これにより、上記中和物
が水に安定に分散された水分散液が得られる。水の量
は、とくに限定されないが、最終的に得られるウレタン
・アクリル混成ポリマ―の固形分濃度が、通常20〜6
0重量%となるようにするのがよい。
ポリアミンを加えて上記のウレタンプレポリマ―を鎖延
長し、かつラジカル重合開始剤を加えて上記のアクリル
系モノマ―を重合させる。上記の鎖延長と重合との両反
応は、この順に行つてもよいし、同時に行つてもよい。
また、これらの反応は室温下で行うこともできるが、通
常は加温して反応させるのが望ましい。
ジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ンなどのジアミンが好ましく用いられる。使用量は、前
記のウレタンプレポリマ―の組成に応じて適宜決められ
るが、通常は、上記プレポリマ―100重量部あたり、
5重量部以下である。また、重合のためのラジカル重合
開始剤には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイ
ソブチルバレロニトリルなどのアゾ化合物や過酸化ベン
ゾイルなどの有機過酸化物が用いられる。使用量は、ア
クリル系モノマ―100重量部あたり、0.01〜5重
量部、好ましくは0.05〜2重量部である。過少では
分子量が低くなつて生成ポリマ―が硬くなり、過多とな
ると逆に高分子量化して水分散性に劣りやすい。
長いウレタン・アクリル混成ポリマ―が生成し、この混
成ポリマ―が水中に安定に分散された水分散液が得られ
る。この水分散液には、耐水性低下の原因となる乳化剤
が一切含まれていない。本発明においては、ついで、第
二段階として、この水分散液を重合媒体として、これに
さらにアクリルポリマ―を生成させるための単量体を加
えて重合させ、目的とする水分散型感圧性接着剤組成物
を製造する。
に、まず、上記の単量体を加えて、攪拌することによ
り、水分散液を構成するウレタン・アクリル混成ポリマ
―からなるポリマ―粒子に上記単量体を吸収させ、つい
で、重合開始剤を加えて、常法により重合反応させれば
よい。重合開始剤には、一般の乳化重合で用いられる過
硫酸アンモニウムなどの過酸化物や水溶性のアゾ化合物
が用いられるが、水中にイオン生成物を発生しないよう
にアゾ化合物が使用するのが好ましい。また、場合によ
り、油溶性の重合開始剤を使用できるが、この場合は、
あらかじめ上記の単量体に混合させる方法をとることも
できる。
ル酸アルキルエステルを主単量体としたポリマ―のガラ
ス転移温度が250K以下となる単量体であり、上記の
ガラス転移温度が250Kを超えると、感圧性接着剤と
して硬くなりすぎ、接着特性が損なわれる。主単量体と
しての(メタ)アクリル酸アルキルエステルには、ウレ
タン・アクリル混成ポリマ―の水分散液の製造に用いた
前記のアクリル系モノマ―のうち、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとして例示したものを同様に使用でき
る。また、この(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
一部を、これ以外の上記アクリル系モノマ―の1種とし
て例示した(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロ―ル(メタ)アクリルアミドなどや、そ
の他のモノマ―として例示した酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、スチレン、マレイン酸のモノまたはジエステ
ルなどのモノマ―に置き代えてもよく、その量は全単量
体中50重量%以下の範囲とするのがよい。
温度が250K以下となる限り、前記ポリオ―ルとの相
溶性を考慮することなく、任意に選択使用できる。さら
に、上記以外の他の単量体として、トリメチロ―ルプロ
パントリアクリレ―ト、ジエチレングリコ―ルジアクリ
レ―トなどの多官能単量体を使用することもできる。こ
のような多官能単量体を用いてポリマ―粒子内を架橋構
造化することにより、感圧性接着剤の凝集力を高めるこ
とができる。また、これら単量体の重合反応に際し、分
子量などを調整するための連鎖移動剤を使用してもよ
い。
着剤組成物は、ポリマ―粒子として、ウレタン・アクリ
ル混成ポリマ―と、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルを主単量体としたガラス転移温度が250K以下のア
クリルポリマ―とを含有してなり、このポリマ―粒子が
乳化剤を用いることなく水に安定に分散されてなる水分
散体である。この水分散体において、上記ポリマ―の比
率は、前者のウレタン・アクリル混成ポリマ―が10〜
90重量%、好ましくは20〜80重量%で、後者のア
クリルポリマ―が90〜10重量%、好ましくは80〜
20重量%である。このような比率となるように、水分
散液に加える上記単量体の使用量を適宜決定する。その
際、単量体の使用量が多すぎると、重合操作中に凝集物
が発生したりして安定性が悪くなり、また少なすぎると
接着特性が低下する。
上記第二段階の重合における分子量制御が容易で、水分
散安定性とともに造膜性にもすぐれており、上記の水分
散体に対して他の添加剤成分を加えなくても、接着力と
凝集力を満足するすぐれた接着特性を発揮させることが
できる。しかし、凝集力をさらに上げるために架橋剤を
配合したり、接着力を向上させるために水分散型の粘着
付与樹脂を配合してもよい。また、必要に応じて、充填
剤、顔料などの一般の感圧性接着剤組成物に用いられる
各種の添加剤成分を任意に配合することができる。
用する際には、支持体上に上記組成物を塗布、乾燥し
て、所望厚さの接着剤層を形成することにより、シ―ト
状やテ―プ状の接着シ―ト類とすることができる。支持
体には、プラスチツクフイルム、紙、ラミネ―ト紙、不
織布、金属箔、発泡シ―トなどの非剥離性支持体や、剥
離紙などの剥離性支持体が用いられる。また場合によ
り、支持体を全く用いないでシ―ト状やテ―プ状の形態
とすることも可能である。このように作製される接着シ
―ト類は、接着特性および耐水性にすぐれているため、
耐水性が必要とされる各種の用途に対して、幅広く使用
することができる。
的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量
部を意味するものとする。
度計を備えたフラスコに、ポリオ―ルとしてジエチレン
グリコ―ルアジピン酸エステル100部(数平均分子量
2,500、水酸基価41)を入れ、さらに、カルボキ
シル基含有ポリオ―ルとしてジメチロ―ルプロピオン酸
12.4部をN−メチルピロリドン31部に溶解して加
え、また、水酸基を有する単量体としてヒドロキシエチ
ルアクリレ―ト0.35部を加え、80℃に加熱脱気し
て、水分を取り除いた。常圧に戻し、4,4′−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネ―ト49.2部を加え、
さらに、ジブチルすずジラウレ―ト0.0298部を加
え、65℃で3時間反応させて、カルボキシル基含有ウ
レタンプレポリマ―を得た。なお、上記ポリイソシアネ
―トとポリオ―ルとのNCO/OH比は5.3であつ
た。
マ―にアクリル酸ブチル323.2部を加えて、よく攪
拌したのち、トリエチルアミン9.4部を加え、よく撹
拌して、中和した。別のフラスコに蒸留水727.7部
を入れ、1.5時間窒素置換したのち、これに上記の中
和物を滴下ロ―トにより滴下した。滴下完了後、エチレ
ンジアミン4部を蒸留水で3倍に希釈して加え、さらに
アゾビスイソブチルバレロニトリル0.49部を加え、
60℃に加熱して2時間反応させることにより、鎖延長
および重合を完了した。
成ポリマ―が均一に分散された水分散液を得たのち、こ
の水分散液(固形分濃度40重量%)100部に、攪拌
しながら、アクリル酸ブチル87.44部を加え、これ
を水分散しているウレタン・アクリル混成ポリマ―から
なるポリマ―粒子に吸収させた。しかるのち、重合開始
剤としてアゾビスイソブチルバレロニトリル1.73部
を加え、窒素気流下で60℃に加熱して3時間重合反応
を行つた。
ポリマ―と上記重合反応により生成したアクリルポリマ
―とを含有する水分散体からなる水分散型感圧性接着剤
組成物が得られた。つぎに、この水分散型感圧性接着剤
組成物を、厚さが25μmのポリエステルフイルム上に
乾燥後の厚さが40μmとなるように塗布し、120℃
で5分間乾燥して、接着剤層を形成し、接着テ―プを得
た。
均一に分散された水分散液(固形分濃度40重量%)1
00部に、攪拌しながら、アクリル酸ブチル36.41
部およびトリメチロ―ルプロパントリアクリレ―ト0.
93部を加え、これを水分散しているウレタン・アクリ
ル混成ポリマ―からなるポリマ―粒子に吸収させた。し
かるのち、重合開始剤としてアゾビスイソブチルバレロ
ニトリル0.015部を加え、窒素気流下で60℃に加
熱して3時間重合反応を行つた。このようにして、ウレ
タン・アクリル混成ポリマ―と上記重合反応により生成
したアクリルポリマ―とを含有する水分散体からなる水
分散型感圧性接着剤組成物を得た。つぎに、この水分散
型感圧性接着剤組成物を用いて、実施例1と同様にし
て、接着テ―プを作製した。
均一に分散された水分散液(固形分濃度40重量%)1
00部に、攪拌しながら、アクリル酸ブチル34.88
部およびジメチルアクリルアミド2.46部を加え、こ
れを水分散しているウレタン・アクリル混成ポリマ―か
らなるポリマ―粒子に吸収させた。しかるのち、重合開
始剤としてアゾビスイソブチルバレロニトリル0.01
5部を加え、窒素気流下で60℃に加熱して3時間重合
反応を行つた。このようにして、ウレタン・アクリル混
成ポリマ―と上記重合反応により生成したアクリルポリ
マ―とを含有する水分散体からなる水分散型感圧性接着
剤組成物を得た。つぎに、この水分散型感圧性接着剤組
成物を用いて、実施例1と同様にして、接着テ―プを作
製した。
均一に分散された水分散液(固形分濃度40重量%)1
00部に、攪拌しながら、アクリル酸ブチル220.4
部を加え、これを水分散しているウレタン・アクリル混
成ポリマ―からなるポリマ―粒子に吸収させた。しかる
のち、重合開始剤としてアゾビスイソブチルバレロニト
リル0.088部を加え、窒素気流下で60℃に加熱し
て3時間重合反応を行つた。しかしながら、重合反応中
に凝集してしまい、安定な水分散体からなる水分散型感
圧性接着剤組成物を得ることができなかつた。このた
め、接着テ―プの作製もできなかつた。
均一に分散された水分散液を、そのまま水分散型感圧性
接着剤組成物とし、この水分散型感圧性接着剤組成物を
用いて、実施例1と同様にして、接着テ―プを作製し
た。
各接着テ―プについて、下記の方法により、接着力、保
持力(凝集力)および耐水性を調べた。これらの結果
は、表1に示されるとおりであつた。
着テ―プを、被着体として#280のサンドペ―パでサ
ンデイングしたステンレス板に、2Kgのロ―ラを1往復
させる方式で圧着し、23℃で20分間経過後、剥離に
要する力(180度剥離、引張り速度300mm/分、2
3℃,65%RH雰囲気下)を測定した。
接着テ―プを10mm×20mmの接着面積で接着し、20
分間経過後、80℃下で20分間放置したのち、フエノ
―ル樹脂板を垂下して粘着テ―プの自由末端に500g
の均一荷重を負荷し、80℃において接着テ―プが落下
するまでの時間(分)を測定した。
テ―プを蒸留水に24時間浸漬して、接着剤層の白化の
有無を目視により調べ、耐水性を評価した。
力および保持力を満足するすぐれた接着特性を発揮する
とともに、耐水性にもすぐれているが、比較例1では、
安定な水分散型感圧性接着剤組成物が得られず、接着テ
―プの作製が困難であり、また、比較例2では、接着特
性が不十分であることがわかる。
基含有ウレタンプレポリマ―とアクリル系モノマ―との
重量比1:9から9:1の混合物を原料成分としたウレ
タン・アクリル混成ポリマ―を水に安定に分散させた水
分散液を得、この水分散液を重合媒体としてこれにさら
に(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主単量体とし
たポリマ―のガラス転移温度が250K以下となる単量
体を加えて重合させる構成としたことにより、ポリマ―
粒子の水分散安定性と造膜性にすぐれて、十分に満足で
きる接着特性を発現するとともに、耐水性にもすぐれた
水分散型感圧性接着剤組成物とその製造方法を提供する
ことができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 カルボキシル基含有ウレタンプレポリマ
―とアクリル系モノマ―との重量比1:9から9:1の
混合物を原料成分としたウレタン・アクリル混成ポリマ
―10〜90重量%と、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルを主単量体としたガラス転移温度が250K以下
のアクリルポリマ―90〜10重量%とを含有すること
を特徴とする水分散型感圧性接着剤組成物。 - 【請求項2】 a)ポリオ―ル(分子内にカルボキシル
基を含まない)、カルボキシル基含有ポリオ―ルおよび
ポリイソシアネ―トを反応させてカルボキシル基含有ウ
レタンプレポリマ―を得る工程、b)上記のウレタンプ
レポリマ―とアクリル系モノマ―とを重量比1:9から
9:1で混合し、かつ塩基で中和する工程、c)この中
和物を水中に分散する工程、d)この水分散液にポリア
ミンを加えて上記のウレタンプレポリマ―を鎖延長し、
かつラジカル重合開始剤を加えて上記のアクリル系モノ
マ―を重合する工程により、ウレタン・アクリル混成ポ
リマ―の水分散液を得、ついで、e)この水分散液に
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主単量体とした
ポリマ―のガラス転移温度が250K以下となる単量体
を加えて重合させ、上記のウレタン・アクリル混成ポリ
マ―10〜90重量%に対し、ガラス転移温度が250
K以下のアクリルポリマ―90〜10重量%を生成させ
ることを特徴とする水分散型感圧性接着剤組成物の製造
方法。 - 【請求項3】 a工程におけるポリイソシアネ―トが脂
環族ポリイソシアネ―トである請求項2に記載の水分散
型感圧性接着剤組成物の製造方法。 - 【請求項4】 a工程におけるポリイソシアネ―トとポ
リオ―ル(分子内にカルボキシル基を含まない)との使
用割合は、NCO/OH比(当量比)が2.0〜9.0
の範囲となる割合である請求項2または3に記載の水分
散型感圧性接着剤組成物の製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2001098239A (ja) * | 1999-09-29 | 2001-04-10 | Nitto Denko Corp | 水分散型感圧性接着剤組成物およびその製造方法ならびに感圧性接着シ―ト類 |
JP2001342342A (ja) * | 2000-06-02 | 2001-12-14 | Nitto Denko Corp | 複合フイルムとその製造法 |
-
1998
- 1998-11-24 JP JP33210498A patent/JP4221093B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2001342342A (ja) * | 2000-06-02 | 2001-12-14 | Nitto Denko Corp | 複合フイルムとその製造法 |
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