JP2000154300A - メッキ性に優れる熱可塑性樹脂組成物及び自動車用成形品 - Google Patents

メッキ性に優れる熱可塑性樹脂組成物及び自動車用成形品

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JP2000154300A
JP2000154300A JP10328260A JP32826098A JP2000154300A JP 2000154300 A JP2000154300 A JP 2000154300A JP 10328260 A JP10328260 A JP 10328260A JP 32826098 A JP32826098 A JP 32826098A JP 2000154300 A JP2000154300 A JP 2000154300A
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plating
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rubbery polymer
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Yasuyuki Hiromoto
恭之 広本
Koji Moriyama
功治 森山
Kenro Sakai
賢郎 酒井
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Ube Cycon Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メッキ性に優れ、耐衝撃性及び加工性のバラ
ンスも良好な熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ゲル含有量30%以下、膨潤度100%
以上のジエン系ゴム質重合体(a)10〜80%と他の
ジエン系ゴム質重合体(b)90〜20%とからなるゴ
ム質重合体混合物(c)の存在下に、芳香族ビニル単量
体、シアン化ビニル単量体及び必要に応じて用いられる
これらと共重合可能な他の単量体をグラフト重合したゴ
ム含有グラフト共重合体(A)15〜50重量部と、芳
香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を含む硬質
共重合体(B):85〜50重量部とを含む熱可塑性樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れたメッキ性を
有し、耐衝撃性及び加工性のバランスも良好な、自動車
用外装部品の成形材料として好適な熱可塑性樹脂組成物
及びこのような熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる
自動車用成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂は、優れた加工性、耐衝撃
性、機械特性、耐薬品性を有していることから、車両分
野、家電分野など、広範な分野において各種構成部材の
成形材料として使用されている。例えば、近年、車両分
野では、ABS樹脂の優れた2次加工性、特に、メッキ
性に着目して、ドアミラーやラジエーターグリル等の車
両外装用途に使用展開が図られている。
【0003】近年、車両メッキ成形品は、デザイン面か
ら大型でしかも複雑な形状のものが求められるようにな
ってきている。そして、それに伴いメッキ面にかかる応
力も従来に比べて大きくなり、メッキ面の膨れ、クラッ
クなどを発生し易くなっている。この成形品のメッキ性
は、成形に用いられる樹脂組成物の特性や成形条件、更
にはメッキ方法及びメッキ条件などの因子により影響を
受け易く、適切な樹脂組成物が用いられない場合には、
メッキ密着強度の不足やヒートサイクル後のメッキ膨れ
現象などを発生する。
【0004】このような状況において、メッキ性に優れ
る材料を開発するべく、従来、様々な方法が試みられて
きた。例えば、特開平9−208799号公報には、特
定以下の線膨張係数を示す樹脂組成物がメッキ膨れを生
じず、メッキ性に優れることが開示されている。また、
特開平9−278980号公報には、特定のゴム状重合
体を用いて得られるグラフト共重合体に有機珪素化合物
を添加することで、優れた物性バランスとメッキ性を付
与した樹脂組成物が開示されている。
【0005】しかしながら、特開平9−208799号
公報に開示されるような特定以下の線膨張係数を示す樹
脂組成物が車両分野における大型成形品に要求される物
性を満たすことは、実際上極めて困難であり、同公報中
にも物性についての記述はなされていない。一方、特開
平9−278980号公報に開示されるように、特定構
造の樹脂組成物に有機珪素化合物を添加することは、実
質上0.5重量部以下の少量添加であっても、複雑な成
形品を長時間に亘って成形すると、有機珪素化合物が金
型汚染を引き起こし、生産性を阻害してしまうことは、
成形業者間でよく知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような状況において、優れたメッキ性を保持し、かつ
衝撃性及び加工性のバランスも良好で、自動車用部品の
成形材料として好適な熱可塑性樹脂組成物及びこのよう
な熱可塑性樹脂組成物を成形してなる自動車用成形品を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、ゲル含有量30重量%以下、膨潤度100%以
上のジエン系ゴム質重合体(a)10〜80重量%と該
ジエン系ゴム質重合体(a)とは異なるジエン系ゴム質
重合体(b)90〜20重量%とからなるゴム質重合体
混合物(c)の存在下に、芳香族ビニル単量体、シアン
化ビニル単量体及び必要に応じて用いられるこれらと共
重合可能な他の単量体をグラフト重合したゴム含有グラ
フト共重合体(A)15〜50重量部と、芳香族ビニル
単量体及びシアン化ビニル単量体を含む硬質共重合体
(B):85〜50重量部とを含むことを特徴とする。
【0008】ただし、本発明の熱可塑性樹脂組成物にお
いて、ゴム含有グラフト共重合体(A)と硬質共重合体
(B)とは、合計で100重量部とする。
【0009】一般に、メッキ不良の一つとしてとらえら
れるメッキ密着強度不足は、エッチング処理により樹脂
基材に発生する孔の大きさ、深さ、数などの影響を受け
ていると考えられ、また、ヒートサイクル後のメッキ膨
れ現象は、上記影響因子に加え樹脂基材のエッチング液
に対する耐溶剤性、メッキ金属面と樹脂基材との線膨張
係数の差などに起因していると推測される。
【0010】本発明者らは上記知見に基き膨大な実験を
行った結果、30重量%以下という当業者間では考えら
れないほど低いゲル含有量で、100%以上という高い
膨潤度を持つゴム質共重合体からグラフト重合されたゴ
ム含有グラフト共重合体と、硬質共重合体を特定量ブレ
ンドすることで、大型で複雑な成形品においてもメッキ
密着強度が十分でヒートサイクル後のメッキ膨れ現象の
無い、メッキ性に優れた樹脂組成物を得ることができ、
同時に実用的な衝撃性及び加工性を達成することができ
ることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】本発明においては、特に、硬質共重合体
(B)が芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体と
からなることが好ましい。
【0012】本発明の自動車用成形品は、このような本
発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0014】本発明に係るゴム含有グラフト共重合体
(A)は、後述のジエン系ゴム質重合体混合物(c)の
存在下に芳香族ビニル、シアン化ビニル或いは更に必要
に応じて用いられるこれらと共重合可能な他の単量体を
共重合させてなるジエン系ゴム含有グラフト共重合体で
ある。
【0015】ゴム含有グラフト共重合体(A)中のジエ
ン系ゴム質重合体混合物(c)のゴム質重合体として
は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン、アクリロ
ニトリル−ブタジエンなどのブタジエンとこれと共重合
可能なビニル単量体との共重合体、ポリイソプレンなど
が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を用いる
ことができる。
【0016】ゴム含有グラフト共重合体(A)中のジエ
ン系ゴム質重合体混合物(c)の含有量は、40〜70
重量%であることが好ましく、この含有量が40重量%
未満では耐衝撃性に劣り、70重量%を超えてもグラフ
ト率が低下することから耐衝撃性に劣るものとなる。
【0017】ゴム含有グラフト共重合体(A)中の芳香
族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げら
れ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましく、ま
た、シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等が挙げられ、特にアクリロニ
トリルが好ましい。これらの単量体についても、1種又
は2種以上を用いることができる。
【0018】ゴム含有グラフト共重合体(A)中の芳香
族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体と共に用いるこ
とができる他の共重合可能な単量体としては、メタクリ
ル酸メチル、アクリル酸メチル等のメタクリル酸又はア
クリル酸エステル、N−フェニルマレイミド、N−シク
ロヘキシルマレイミド等のマレイミド化合物、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和カ
ルボン酸化合物が挙げられ、それぞれ1種又は2種以上
用いることができる。
【0019】本発明に係るゴム含有グラフト共重合体
(A)のゴム質重合体混合物(c)には、特定範囲のゲ
ル含有量、膨潤度を有するゴム質重合体が特定量含有さ
れなければならない。即ち、ゲル含有量が30重量%以
下で膨潤度が100%以上のゴム質重合体(a)が全ゴ
ム質重合体混合物(c)中に10〜80重量%存在する
ことが必要とされる。
【0020】ここでいうゲル含有量とは、ラテックスを
凝固、乾燥させた後、トルエンに室温(23℃)で20
時間溶解させた後、100メッシュ金網で分取した不溶
解分の重量%を意味する。
【0021】また、膨潤度とは、次のようにして測定、
算出された値である。即ち、ラテックスを凝固、乾燥さ
せた後、約1gのポリマーを精秤し、約50gのトルエ
ン中に浸漬して、23℃で48時間放置してポリマーを
膨潤させ、余分なトルエンをデカンテーションにより除
く。膨潤したポリマーを素早く精秤した後、80℃で2
4時間減圧乾燥する。吸収されたトルエンが蒸発除去さ
れたら、再び精秤し次式により膨潤度を算出する。
【0022】膨潤度={(膨潤したポリマー重量)―
(乾燥ポリマー重量)}/(乾燥ポリマー重量) ゴム質重合体(a)のゲル含有量が、30重量%を超え
ると、メッキピーリング強度が低下してヒートサイクル
性に劣り、また、膨潤度が100%未満でも同様な結果
を与える。ゴム質重合体の好適なゲル含有量は0.1〜
10重量%、好適な膨潤度は110〜150%である。
【0023】また、上記ゲル含有量、膨潤度を有するゴ
ム質重合体(a)は、全ゴム質重合体混合物(c)中に
10〜80重量%存在する必要があるが、このゴム質重
合体(a)以外のゴム質重合体(b)は、別に合成され
たものを用いる。
【0024】ここで、全ゴム質重合体混合物(c)中の
ゴム質重合体(a)の割合が、10重量%未満ではメッ
キピーリング強度が低下してヒートサイクル性に劣り、
80重量%を超えると、凹凸状になってメッキ外観が悪
化する。ゴム質重合体混合物(c)中のゴム質重合体
(a)の割合は、好ましくは20〜70重量%、特に好
ましくは40〜60重量%である。
【0025】このゴム質重合体(a)は、上記ゲル含有
量、膨潤度を有すれば、製造方法に特に制限はなく、い
かなる公知重合方法も採用できる。
【0026】なお、ゴム質重合体(a)以外のゴム質重
合体(b)としては、ABS樹脂の製造において一般的
に用いられるゴム質重合体が好ましく使用され、一般に
そのゲル含有量は80〜100重量%であり、膨潤度は
0.1〜40%である。
【0027】本発明の硬質共重合体(B)は、芳香族ビ
ニル単量体とシアン化ビニル単量体と、更に必要に応じ
て用いられる共重合可能な他の単量体を共重合してなる
硬質共重合体からなり、ここで芳香族ビニル単量体とシ
アン化ビニル単量体と、更に必要に応じて用いられる共
重合可能な他の単量体は、上述のゴム含有グラフト共重
合体(A)にグラフトさせる単量体と同様な単量体を使
用することができる。
【0028】なお、硬質共重合体(B)に使用される単
量体及びその製造方法としては、乳化、懸濁、塊状又は
これらを複合化した公知の重合方法をいずれも適用でき
る。
【0029】本発明の熱可塑性樹脂組成物を調製する方
法として、特に制限はないが、溶融混練りが好ましく、
例えば、押出機、バンバリーミキサー等を用いて実施す
ることができる。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に
応じて更に、顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、補強剤、充填剤など各種添加剤を、
その物性等を損なわない範囲内において配合することが
できる。
【0031】なお、上記ゴム含有グラフト共重合体
(A)と硬質共重合体(B)とを混合してなる本発明の
熱可塑性樹脂組成物において、ゴム含有グラフト共重合
体(A)の含有量が15重量部未満で硬質共重合体
(B)の含有量が85重量部を超えると耐衝撃性が劣る
ものとなり、また、メッキ性(特にピーリング強度)も
低下する。逆に、ゴム含有グラフト共重合体(A)の含
有量が50重量部を超え、硬質共重合体(B)の含有量
が50重量部未満であるとメッキ性(特にヒートサイク
ル性)が低下する。
【0032】本発明の自動車用成形品は、このような本
発明の熱可塑性樹脂組成物を常法に従って成形して得ら
れるものである。
【0033】
【実施例】以下に、合成例、実施例及び比較例を挙げて
本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を
超えない限り以下の実施例により何ら限定されるもので
はない。
【0034】なお、以下において、「部」は「重量部」
を意味するものとする。また、硬質共重合体(B)の重
量平均分子量は、東ソー(株)製:G.P.C(ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー)を用いた標準
ポリスチレン換算法にて算出した。また、各硬質共重合
体中のシアン化ビニル単量体含有量は、C.H.N.コ
ーダ(Yanaco社製:CHN CORDER MT
−3)を用いて、各元素の分析値より算出した。
【0035】なお、以下において、ゴム質重合体混合物
(c)としては、表1に示すゲル含有量及び膨潤度のゴ
ム質重合体(a)のポリブタジエン・ラテックスと、一
般的にABS系樹脂の製造に使用される、ゲル含有量9
5重量%、膨潤度15%であるゴム質重合体(b)のポ
リブタジエン・ラテックスとを表1に示す割合でブレン
ドしたポリブタジエン・ラテックス(C−1〜C−4)
を用いた。
【0036】
【表1】
【0037】合成例1: ゴム含有グラフト共重合体
(A−1)〜(A−4)の製造 以下の配合にて、乳化重合法によりABS共重合体を合
成した。
【0038】 [配合] スチレン(ST) : 35部 アクリロニトリル(AN) : 15部 ポリブタジエン・ラテックス(※) : 50部 不均化ロジン酸カリウム : 1部 水酸化カリウム : 0.03部 クメンハイドロパーオキサイド : 0.3部 硫酸第一鉄 : 0.007部 ピロリン酸ナトリウム : 0.1部 結晶ブドウ糖 : 0.3部 蒸留水 : 190部 (※: ゴム含有グラフト共重合体(A−1)の合成にはポリブタジエン・ラテ ックス(C−1)を用い、ゴム含有グラフト共重合体(A−2)の合成に はポリブタジエン・ラテックス(C−2)を用い、ゴム含有グラフト共重 合体(A−3)の合成にはポリブタジエン・ラテックス(C−3)を用い 、ゴム含有グラフト共重合体(A−4)の合成にはポリブタジエン・ラテ ックス(C−4)を用いた。) オートクレーブに蒸留水、不均化ロジン酸カリウム、水
酸化カリウム及びポリブタジエン・ラテックス(C−
1,C−2,C−3,C−4)を仕込み、60℃に加熱
後、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム、結晶ブドウ糖
を添加し、60℃に保持したままST、AN及びクメン
ハイドロパーオキサイドを2時間かけて連続添加した。
その後、70℃に昇温して1時間保って反応を完結し
た。かかる反応によって得たラテックスに酸化防止剤を
添加し、その後硫酸により凝固し、十分水洗後、乾燥し
てそれぞれグラフト共重合体(A−1),(A−2),
(A−3),(A−4)を得た。
【0039】合成例2: 硬質共重合体(B)の合成 窒素置換した反応器に水120部、アルキルベンゼンス
ルホン酸ソーダ0.002部、ポリビニルアルコール
0.5部、アゾイソブチロニトリル0.3部、ターシャ
リ−ドデシルメルカプタン0.5部と、アクリロニトリ
ル30部、スチレン70部からなる単量体混合物を加
え、開始温度60℃として5時間加熱後、120℃に昇
温し、4時間反応後、重合物を取り出した。転化率は9
6%で、得られた硬質共重合体(B)の重量平均分子量
は110000、アクリロニトリル含有量は26.3%
であった。
【0040】実施例1〜3、比較例1〜3 上記方法にて得られた重合体を表2に示す割合にて、
0.5重量部の滑剤(「PRN−208」日本油脂
(株)製)と共にヘンシリングさせた後、220℃で2
軸押出機(東芝(株)製:TEX−44)にて溶融混合
し、ペレット化した。このペレットを4オンス射出成形
機(日本製鋼(株)製)で240℃にて成形し、必要な
テストピースを作成し、それぞれ次のような評価を行
い、結果を表2に示した。
【0041】[メッキ性]図1に示すような箱型成形品
1について下記のようなメッキ処理を施しピーリング試
験及びヒートサイクル試験を行った。なお、メッキ処理
に必要な試薬は全て奥野製薬工業製試薬を用いた。
【0042】<メッキ処理>次の〜の手順で行っ
た。 脱脂工程 CRPクリーナー:40g/リットルにより50℃、5
分の処理を行った。その後、3回の純水による洗浄を実
施した。 エッチング工程 無水クロム酸:400g/リットル、3価クロム:30
g/リットル、硫酸:380g/リットルの混合液に6
8℃で15分間浸し、純水にて洗浄した。 中和工程 35%塩酸:50ml/リットル、CRPレデュサー:
10ml/リットルの混合液に25℃で2分間浸け、純
水にて洗浄した。 プレディップ工程 35%塩酸:200ml/リットルに25℃で1分間浸
けた。 触媒化工程 35%塩酸:300ml/リットル、CRPキャタリス
ト:60ml/リットルの混液に45℃で7分間浸け、
純水にて洗浄した。
【0043】 導体化工程 CRPアクセレーターA:200ml/リットル、CR
PアクセレーターB:200ml/リットルの混合液に
50℃で7分間浸け、純水にて洗浄した。
【0044】 電気銅メッキ工程 硫酸銅:200g/リットル、硫酸:50g/リット
ル、塩素イオン:70ml/リットル、CRPカッパー
MU:5ml/リットル、CRPカッパーA:0.5m
l/リットルの混合液に浸け、25℃で電流密度が6A
/dm2で30μの膜厚を得た。また、ピーリング試験
用サンプルについては60μの膜厚が得られるまで処理
を行った。 電気ニッケルメッキ工程 硫酸ニッケル:280g/リットル、塩化ニッケル:5
0g/リットル、硼酸:50g/リットル、CRPカッ
パーMU:5ml/リットル、CRPカッパーA:0.
5ml/リットルの混液に浸け、電流密度が6A/dm
2で10μの膜厚を得た。 電気クロムメッキ工程 無水クロム酸:200g/リットル、硫酸:3g/リッ
トルの混液に浸け、電流密度が30A/dm2で0.2
5μの膜厚を得た。
【0045】<ピーリング試験>電気銅メッキ工程まで
で止めた成形品について図1の2部に示すように4cm
×10cmで試験片を切り出し、メッキ被膜を1cm幅
で切削した後、この試験片から90°の角度にてメッキ
被膜を引張って、剥離強度を測定した。
【0046】<ヒートサイクル試験>最終電気クロムメ
ッキ工程まで行った成形品について、−40℃×2時間
→23℃×30分→90℃×2時間→23℃×30分を
1サイクルとして10サイクルの試験を行い、メッキ被
膜のふくれ及びクラックの有無を観察し、下記基準で評
価した。 ○ : 全くふくれ、クラック発生せず。 △ : ふくれ、クラックのどちらかが僅かに発生。 × : ふくれ、クラックが激しく発生。
【0047】[耐衝撃性]アイゾット衝撃強度(Kg−
cm/cm): ASTM−D256 厚み:1/
4’’(常温) [成形加工性]メルトフローインデックス(g/10m
in): ASTM−D1238(220℃/10K
g)
【0048】
【表2】
【0049】表2に示す結果から次のことが分かる。
【0050】即ち、実施例1〜3の結果から、本発明の
配合範囲内であれば、メッキ性に優れ、尚かつ、良好な
耐衝撃性と成形加工性が得られることが分かる。
【0051】比較例1,2の結果から、ゴム含有グラフ
ト共重合体中のゴム質重合体のゲル含有量、膨潤度が本
発明の範囲外であると、耐衝撃性、成形加工性は良好な
るものの、メッキ性(ピーリング強度、ヒートサイクル
性)において、不良となることが分かる。
【0052】比較例3の結果から、ゴム質重合体(a)
とゴム質重合体(b)とのブレンド比が本発明の範囲外
であると、メッキ性が劣り、耐衝撃性も不良となること
が分かる。
【0053】以上の結果から、本発明に従って、特定の
ゴム含有グラフト共重合体と、硬質共重合体とを含む、
特定樹脂組成比率の混合物にすることによって初めて、
優れたメッキ性と、耐衝撃性及び、成形加工性とを兼ね
揃える熱可塑性樹脂組成物が実現できることがわかる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の熱可塑性樹
脂組成物は、優れたメッキ性を有し、しかも、耐衝撃
性、成形加工性についても高度の状態でバランスが取れ
ていることから、本発明によれば、従来のABS樹脂に
代表されるゴム含有スチレン系樹脂の欠点を改良した画
期的な高特性成形材料が提供される。従って、本発明の
熱可塑性樹脂組成物は、自動車用部品等の成形材料とし
て、その工業的な実用価値は極めて大きい。
【0055】本発明の自動車用成形品は、このような本
発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものであり、
メッキ性、耐衝撃性、成形加工性に優れ、ドアミラー等
の自動車用外装部品等に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】メッキ性の評価に用いた成形品の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 箱形成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 賢郎 山口県宇部市大字沖宇部525−14 宇部サ イコン株式会社宇部工場内 Fターム(参考) 3D053 FF29 FF40 GG06 HH14 HH15 4J002 BC061 BC081 BC091 BC111 BG091 BG101 BN142 BN152 FD202 GN00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル含有量30重量%以下、膨潤度10
    0%以上のジエン系ゴム質重合体(a)10〜80重量
    %と該ジエン系ゴム質重合体(a)とは異なるジエン系
    ゴム質重合体(b)90〜20重量%とからなるゴム質
    重合体混合物(c)の存在下に、芳香族ビニル単量体、
    シアン化ビニル単量体及び必要に応じて用いられるこれ
    らと共重合可能な他の単量体をグラフト重合したゴム含
    有グラフト共重合体(A)15〜50重量部と、 芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体を含む硬
    質共重合体(B):85〜50重量部とを含むことを特
    徴とするメッキ性に優れる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、硬質共重合体(B)
    が芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体とからな
    ることを特徴とするメッキ性に優れる熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組
    成物を成形してなることを特徴とする自動車用成形品。
JP10328260A 1998-11-18 1998-11-18 メッキ性に優れる熱可塑性樹脂組成物及び自動車用成形品 Withdrawn JP2000154300A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010222456A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Ps Japan Corp 耐薬品性に優れるスチレン系樹脂組成物及びこれを用いて形成された成形体

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