JP2000151044A - 不良識別マークとその形成方法および不良識別マーク除去方法 - Google Patents

不良識別マークとその形成方法および不良識別マーク除去方法

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JP2000151044A
JP2000151044A JP10325115A JP32511598A JP2000151044A JP 2000151044 A JP2000151044 A JP 2000151044A JP 10325115 A JP10325115 A JP 10325115A JP 32511598 A JP32511598 A JP 32511598A JP 2000151044 A JP2000151044 A JP 2000151044A
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Tokuo Takahashi
徳男 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属薄板材料および金属板とポリイミドを積
層した薄板材料のエッチング製品の良、不良を識別する
ための検知マークであって、エッチング製品の基板材料
の最終製品部となる部分以外の部分に矩形状の識別用金
属片をその複数の隅および辺が微小幅のブリッジで保持
されており、真空による吸引手段にて吸引、除去できる
不良マークとその形成方法および不良識別マーク除去方
法を提供する。 【解決手段】 エッチング製品の不良識別マークが矩形
状の金属片の辺に対して、鋭角となるように複数の微小
幅ブリッジにて基板材料に保持されており、且つ、不良
識別マークのブリッジが一定方向の力に対して千切れ易
い形状を得ることにより、真空吸引装置の真空による吸
引手段にて不良識別マークを除去可能とする不良識別マ
ークとその形成方法および不良識別マーク除去方法を特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属薄板材料ある
いは金属板とポリイミドを積層した薄板材料のエッチン
グ製品等の基板材料に付ける不良識別マークとその形成
方法および不良識別マーク除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の感光液塗布、露光、現
像、エッチング、剥膜、ポリイミドエッチング、めっき
にて形成される製品には各種のものがある。配線一体型
サスペンションを一例として挙げると、支持体に薄いス
テンレスを使用し、エッチングやめっきの加工プロセス
を経て形成される。配線一体型サスペンションは一般的
には図4(a)に示すように、1はステンレスからなる
支持体で、各支持体1にはポリイミドからなる絶縁体を
挟んで4本の配線2が乗っている。配線2は銅で形成さ
れており、その先端は開放状態であるが、根元は配線3
にて導通している。根元が導通しているのは次の工程で
配線2に金めっきを施すためである。また、図4(b)
は図4(a)のA1−A2の断面図で、31はステンレ
ス部、32は銅部、33はポリイミド部である。また、
各配線の長さは30mm程であり、その先端はフライン
グリード部4で、幅50μm、厚さ10μmと極めて微
細である。このフライングリード部4にはセンサーを配
備する必要があるため、傷や変形が有ってはならない。
【0003】このように形成された配線一体型サスペン
ションは、次の工程である検査工程に送られる。ここ
で、配線一体型サスペンションにおける断線の有無、め
っきの有無を、配線の色又は光沢を測定することにより
良、否を判定している。そして、金属薄板材料あるいは
金属板とポリイミドを積層した薄板材料に多面付けされ
たサスペンションの検査において断線等の不良が検出さ
れるが、従来は、不良識別マークは設けていないため、
不良製品部の一部をはさみで切り落とすことにより良、
不良の識別を行っていたが、検査効率が悪く、取扱いに
より検査良品となっている製品部を不良にしてしまう等
の問題があり、歩留まりの面でも問題がある。そこで、
最近は、製品の良、不良を識別するために最終製品部と
なる部分以外の部分に不良識別マークを設け、不良製品
部の不良識別マークの矩形状の金属片および微小幅のブ
リッジをピンセットで千切り取ったり、治具上に置き金
属棒で上から該不良識別マークの金属片を突き通す等の
手作業で不良識別マークを取り除く方法を採っている
が、何れも人手作業のため除去作業が容易でなく、千切
れ難い等の種々の問題が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そして、上記のような
方法では、被検査物が極めて薄く、且つ、人手作業であ
るために、技能面での個人的なばらつき、千切った際の
取りきれない不良識別マークの金属片の残り、ブリッジ
のひげ状の千切りかすの残りがでる等の問題もでてい
る。また、このような問題の他に、千切りとった不良識
別マークの金属片、ブリッジ等がサスペンションの製品
部に付着して紛れ込み、次工程である組み込み作業に支
障をきたしている。
【0005】また、上記のような問題を解決するため
に、該不良識別マークの矩形状の金属片を保持するブリ
ッジの幅、形状を変えて、人手作業による不良サスペン
ション部の不良識別マーク除去の容易化が試みられてい
るが、やはり上記と同様な問題が発生しており解決には
至っていない。さらにまた、機械的な装置を用いた除去
方法として、パンチング装置による除去を試みられてい
るが、パンチングの際にひげ状の残りかすが生ずる等の
問題も生じている。そして、別の方法として、パンチン
グ方式をオス・メス型の金型にして不良識別マークを取
り除く方法も考えられているが、位置精度を必要とし、
該金型のコスト、メンテナンスコストがかかり、検査コ
ストが嵩むために実施には至っていない。
【0006】本発明は、このような状況のもと、基板材
料の最終製品部となる部分以外の部分に形成する不良識
別マークの矩形状の金属片を保持しているブリッジ形状
を変えて、一定方向に対して千切れ易い形状にすること
により、不良識別マークの除去の容易化を図り、次工程
への千切りとった不良識別マークの金属片およびブリッ
ジのサスペンション製品部への付着、紛れ込みを無く
し、技能の個人的なばらつき解消し、且つ、人手作業に
よる検査後良品となっているサスペンションの変形不良
をなくすことの出来る不良識別マークとその形成法およ
び不良識別マーク除去方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のように
不良識別マークが矩形状の金属片の辺に対して設けてい
る複数の微小幅のブリッジの形状を変えることにより、
不良識別マークの除去のし易さが変化することに着目
し、種々の研究を行った結果、不良識別マークが矩形状
の金属片の辺に対して鋭角になるように複数の微小幅の
ブリッジを形成することにより、真空による吸引手段に
て不良識別マーク除去の容易化が図れることを見出し本
発明に到達した。
【0008】本発明の不良識別マークは、金属薄板材料
のエッチング製品の良、不良を識別するための検知マー
クであって、エッチング製品の基板材料の最終製品部と
なる部分以外の部分に、矩形状の金属片をその複数の隅
もしくは辺が微小幅のブリッジで保持されている状態に
形成することを特徴とする不良識別マークにある。
【0009】また、本発明の不良識別マークは、金属板
とポリイミドを積層した薄板材料のエッチング製品の
良、不良を識別する検知マークであって、エッチング製
品の基板材料の最終製品部となる部分以外の部分に、矩
形状の金属片をその複数の隅もしくは辺が微小幅のブリ
ッジで保持されている状態に形成することを特徴とする
不良識別マークにある。
【0010】そして、上記の該不良識別マークの微小幅
のブリッジが25μm以下の幅であり、板厚がほぼ10
μmであり、矩形状の金属片のサイズが1.0〜2.0
mm程度で、該矩形状の金属片と基板材料との間隔が
0.2〜0.5mmであることを特徴とするものであ
る。そしてまた、上記不良識別マークが矩形状の金属片
の辺に対して鋭角となるように、複数の微小幅のブリッ
ジにて該基板材料に保持されていることを特徴とするも
のである。更に、上記不良識別マークが矩形状の金属片
の辺に対する角度θが20°〜30°である複数の微小
幅のブリッジにて該基板材料に保持されていることを特
徴とするものである。
【0011】本発明の不良識別マーク形成方法は、不良
識別マークが金属薄板材料に感光液を塗布し、露光、現
像、エッチング、剥膜にて形成されることを特徴とする
不良識別マーク形成方法にある。
【0012】また、本発明の不良識別マーク形成方法
は、不良識別マークが金属板とポリイミドを積層した薄
板材料に感光液を塗布し、露光、現像、エッチング、剥
膜、ポリイミドエッチング、めっきにて形成されること
を特徴とする不良識別マーク形成方法にある。
【0013】本発明の不良識別マーク除去方法は、不良
識別マークが一定方向に千切れ易い形状を有しており、
真空吸引装置にて不良識別マークを真空による吸引手段
で吸引、除去できることを特徴とする不良識別マーク除
去方法にある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の不良識別マークとその形
成方法および不良識別マーク除去方法について、発明の
実施の形態を、図に基づいて順次説明する。本発明の不
良識別マークを図に基づいて説明する。図1(a)は本
発明の不良識別マークを付与した配線一体型サスペンシ
ョンの概略図である。1はステンレスからなる支持体で
各支持体にはポリイミドからなる絶縁体を挟んで4本の
配線2が乗っている。配線2は銅で形成されており、根
元は配線3に導通しており、次工程で配線2に金めっき
を施すものである。各配線は長さは30mm程で、その
先端部はフライングリード部4となっており、幅50μ
m、厚さ10μmと微細な形状である。5が本発明の不
良識別マークであり図1(a)のように配備されてい
る。
【0015】次に、図1(b)は本発明の不良識別マー
クを示す第1の例である。図中、5aは不良識別マーク
の全体を示しており、7は微小幅のブリッジ、8は矩形
状の金属片である。ここでは、微小幅のブリッジは20
μm以下の幅が望ましい。微小幅のブリッジの矩形状の
金属片の辺に対する角度をθとしているが、この場合の
θは20°〜30°が望ましい。矩形状の金属片の両辺
のサイズは1.0〜2.0mmが望ましい。そして、矩
形状の金属片と基板材料との間隔は0.2〜0.5mm
としている。
【0016】次に、図1(c)は本発明の不良識別マー
クを示す第2の例である。図中、5bは不良識別マーク
全体を示しており、7は微小幅のブリッジ、8は矩形状
の金属片である。微小幅のブリッジの矩形状の金属片の
辺に対する角度θは90°であり、矩形状の金属片のサ
イズは1.1mm×1.4mmであり、矩形状の金属片
と基板材料との間隔は0.3mmである。尚、該不良識
別マークは図1(b)の第1の例へ移行する前段階にお
ける形状である。
【0017】ここで、本発明の不良識別マークについ
て、さらに詳述する。図1(b)に示すように、不良識
別マーク5aは図1(a)の不良識別マーク5の拡大図
であって、8は矩形状の金属片で、7は矩形状の金属片
の辺に対して鋭角となるように基板材料に保持されてい
る微小幅のブリッジである。そして、図1(d)に示す
ように、上記の不良識別マークは、平面状に置いた状態
で鉛直方向に押すあるいは引く力を加えると矢印(実
線)の回転方向に動くことにより、例えば9の部分は回
転方向の力で、10の部分は鉛直方向に押すあるいは引
く力により微小幅のブリッジの付け根の部分に亀裂が入
り、該ブリッジの上面部分から矢印(点線)の方向に破
砕し、他の微小幅のブリッジも同様に破砕する。このよ
うに、本発明の不良識別マーク5aは一定方向に千切れ
易い形状を有している。
【0018】次に、本発明の不良識別マークの形成方法
を挙げて図に基づいて説明する。図5は本発明の不良識
別マークとその形成方法の工程フローの一例で、配線一
体型サスペンションの工程フローを示すものである。先
ず、薄板供給工程(S1)にてシート状の金属板にポリ
イミドを積層した薄板材料を供給する。次に、感光液塗
布工程(S2)にて感光液塗布装置により該薄板材料に
所定の感光液を塗布し、感光膜を形成する。次いで、乾
燥工程(S3)にて該感光膜を乾燥機にて乾燥する。次
いで、露光工程(S4)で露光装置にて、不良識別マー
クおよび配線一体型サスペンションの必要回路を配した
エッチングパターンを平行光の露光機で紫外線の露光光
により両面同時露光にて形成する。次いで、現像工程
(S5)で現像機にて未露光の感光膜を現像液をスプレ
ーして現像、溶解する。尚、ここで言う薄板材料とは、
銅箔、ポリイミド層、ステンレス鋼製箔の3層をラミネ
ートしたものを意味している。
【0019】次に、金属面が露出したシート状の薄板を
エッチング工程(S6)にて、腐食機で該薄板材料の両
面にエッチング液をスプレーして、配線一体型サスペン
ションの所定の寸法に仕上げる。次いで、剥膜工程(S
7)で剥膜機にて剥膜液をスプレーして感光膜を溶解、
除去する。次いで、ポリイミドエッチング工程(S8)
で薄板材料のポリイミド層の露出部分をポリイミド除去
装置にて除去する。ここで、所定の寸法の不良識別マー
クが基板材料の最終製品部となる部分以外の部分に形成
される。次いで、めっき工程(S9)にて配線一体型サ
スペンションの必要回路部分に金めっき装置にて金めっ
きを施す。次いで、後処理工程(S10)で洗浄機に通
して薄板材料の洗浄、乾燥を行う。次いで、収納工程
(S11)にてシート状のシートの薄板材料に多面付け
された配線一体型サスペンションを収納する。以上の工
程を経て、薄板材料に不良識別マークが付与された配線
一体型サスペンションを提供することを不良識別マーク
とその形成方法としている。
【0020】次に、本発明の不良識別マーク除去方法に
ついて、図に基づいて説明する。図2(a)は本発明の
不良識別マークの真空吸引装置による不良識別マークの
除去方法の実施の形態を示す1例の概略図である。尚、
該不良識別マークの真空吸引装置は配線一体型サスペン
ションの検査装置と一体化しているため、検査方法につ
いても説明する。図中、11はシート、12はフレー
ム,13はカメラ、14は画像処理装置、15はモニ
タ、16は位置センサー、17は真空吸引装置、18は
シーケンサ、19はプッシャー装置,20は検査台であ
る。まず、配線一体型サスペンションの検査は、図2
(a)に示すような検査装置を使用する。この図2
(a)において被検査対象となるのは、サスペンション
が多面付けされている連フレーム12が複数並んだ構成
シート11である。即ち、めっき処理はシート全体に施
されるので、このめっき後のシート11を検査すること
になる。このシート11の中にあるサスペンションの配
線先端部近傍をカメラ13で撮影して、その画像を画像
処理装置14にて処理して動作確認モニタ15により判
定する。具体的には、図3に示すようなモニタ15の画
面15aを見ながら、フライングリード部4の色を画像
処理し、配線の色が銅色であれば断線が有り、金色であ
れば断線なしと判定している。
【0021】そして、図2(a)の検査装置部は、位置
センサー16、プッシャー19と真空吸引装置17を画
像処理装置14にシーケンサ18介して連結している。
位置センサ16はシート11の位置を把握するのに使用
される。真空吸引装置17は断線等の不良が検出された
サスペンションに対して不良識別マークを真空にて吸
引、除去をするものである。プッシャー装置19は通常
は使用しないが、上記の断線等の不良が検出された該不
良識別マークを上側より治具に保持された金属棒で押
し、該真空吸引装置の不良識別マークの吸引除去効果を
挙げるものであり、基板材料の変更等により真空吸引装
置の不良識別マークの除去が不完全である場合に併用で
きるようにしたものである。尚、不良マークは実験の結
果5〜10gfの荷重で除去できることが判明してい
る。以上のように、不良識別マークを吸引、除去する真
空吸引装置を用いて、不良識別マークを真空の吸引力で
除去可能とすることを不良識別マーク除去方法としてい
る。
【0022】次に、真空吸引装置の真空手段によるサス
ペンションの不良識別マーク除去方法について詳述す
る。図2(b)に示すように、7は微小幅ブリッジ、8
は矩形状の金属片、17aは真空吸引装置、20は被検
査対象のシートの不良識別マーク部、21は該シートを
載せる検査台、22は真空バルブ、23はパイプであ
る。そして、不良識別マークの除去手順は、先ず、シー
トを検査台の所定の位置に載せ、上記検査手順に従い検
査し、不良検出時に真空吸引装置を保持する駆動装置
(図示していない)がシーケンサより不良信号を受け
て、不良サスペンションの不良識別マーク位置まで移動
し、検査台上面部に鉛直方向に上昇ところで停止した後
に真空バルブが開き、パイプ部の上に位置する不良識別
マークを矢印(太実線)の方向に真空吸引で除去し、吸
引除去が終了後に真空バルブが閉まり、次いでパイプが
鉛直方向に下降して元の位置に戻るシステムになってい
る。尚、検査台には前もって、パイプの鉛直方向への上
下動等に対応するように、シートに面付けされたサスペ
ンションの不良識別マークの位置に合わせて穴あけ加工
を施しておく必要がある。
【0023】ここで、配線一体型サスペンションの形成
に用いられる主要材料、条件等について記述する。被加
工材料は銅箔、ポリイミド層、ステンレス鋼製箔の3層
ラミネート材のシートであり、各々の厚みは10μmで
ある。感光膜としては、カゼイン系のフォトレジストあ
るいはドライフィルムを主に使用する。露光装置は、配
線一体型の配線等の絵柄が形成されたエッチングパター
ンを平行光の露光機により、感光膜に適した紫外線の露
光光にて両面同時露光できるものであれば良い。エッチ
ング装置は腐食液である塩化第2鉄液を片面あるいは両
面同時にスプレーして、銅箔、ステンレス鋼製箔部の金
属露出部をエッチング出来る一般的な腐食機で、装置本
体は耐熱塩化ビニールあるいはチタン等で構成されてお
り、腐食液は所定のボーメ度で液温は40°C〜50°
Cの範囲で使用される。感光膜の剥膜装置は剥膜液であ
るアルカリ液を両面に同時にスプレーして感光膜を溶
解、剥離する。剥膜液の液温は50°C〜90°Cの範
囲で使用される。
【0024】ポリイミドエッチングはポリイミドエッチ
ング装置を用い、ヒドラジンと強アルカリの混合液等を
用いて、50°〜90°Cの範囲で銅箔、およびステン
レス鋼製箔部を保護膜として、ポリイミド露出部をエッ
チングするが、別方法として、上記の剥膜された被加工
材料の両面にアクリル系あるいはノボラック系のレジス
トを塗布し、エッチング用マスクを形成し、露光、現像
後にポリイミド露出部をプラズマエッチングで除去する
方法も採られている。金めっき液は、通常半導体部材等
に使用されるシアン系の金めっき液を用いて銅配線部に
所定の電圧を印加して、必要金めっき厚を得る。ここで
用いるシアン系金めっき液の液温は40°C〜50°C
の範囲である。
【0025】
【実施例】次に、本発明における、不良識別マークとそ
の形成方法および不良識別マークの除去方法を用いた配
線一体型サスペンションの不良識別マークとその製造実
施例および配線一体型サスペンションの不良識別マーク
除去実施例について、順次説明する。
【0026】(実施例1)図1(b)に示す、不良識別
マークに基づき配線一体型サスペンションの不良識別マ
ーク実施例について述べる。先ず、図中、5aは不良識
別マークを示す全体図である。7は微小幅のブリッジで
20μmの幅であり、8は矩形状の金属片でサイズは
1.1mm×1.4mmであり、微小幅のブリッジの矩
形状の金属片の辺に角度θは25°であり、矩形状の金
属片と基板材料との間隔は0.3mmである。
【0027】次いで、図5に示すフローチャートに基づ
き、配線一体型サスペンションの不良識別マークの製造
実施例について述べる。先ず、化学的に前処理された1
0μmの銅箔、10μmのポリイミド層、10μmのス
テンレス製箔を積層した薄板材料シートを、薄板材料供
給工程(S1)に供給し、感光液塗布工程(S2)で感
光液塗布装置によりカゼイン系のフォトレジストを塗布
し、乾燥工程(S3)で乾燥装置にて温風乾燥して感光
膜を形成する。次いで、露光工程(S4)で、露光装置
にて配線一体型サスペンションの配線回路および不良識
別マークの絵柄が形成されたエッチングパターンを平行
光の露光機により、感光膜が形成された該薄膜材料シー
トを両面同時露光し、現像工程(S5)で、現像機を用
いて温水現像液を該薄膜材料シートの両面にスプレー
し、感光膜の硬膜処理を行い所定の絵柄を形成する。
【0028】次いで、エッチング工程(S6)にてエッ
チング装置で塩化第2鉄液を所定のボーメ度で、45°
Cで両面スプレーして薄膜シート材料の銅箔、ステンレ
ス製箔の金属露出部をエッチングして所定の寸法に仕上
げて、剥膜工程(S7)にて剥膜機によりアルカリ液を
薄板シート材料の両面にスプレーして感光膜を溶解、除
去し、配線一体型サスペンションの回路および不良識別
マークの絵柄を得る。
【0029】次いで、ポリイミドエッチング工程(S
8)で、ポリイミドエッチング装置にてポリイミド層を
挟む銅箔、ステンレス製箔を保護膜として、基板材料上
のポリイミド露出部をヒドラジンとアルカリの混合液を
60°Cで両面スプレーして除去し、配線一体型サスペ
ンションの回路および基板材料への不良識別マークを形
成する。次いで、めっき工程(S9)にて、めっき前処
理を行い、シアン系の金めっき液で45°Cにて銅配線
部に所定の電圧を印加して金めっきを行い、必要金めっ
き厚3μmを得て、後処理工程(S10)、収納工程
(S11)を経て収納ケースに収納する。
【0030】(実施例2)図6に示す、フローチャート
に基づき、配線一体型サスペンションの不良識別マーク
除去実施例を述べる。先ず、検査シート供給工程(S2
0)にて収納ケースより金めっき、後処理工程等をへて
製造された配線一体型サスペンションの連フレームが複
数並んだシートを1枚取り出し、検査装置の検査台の所
定の位置にセットし、サスペンション検査工程(S2
1)にて、連フレームの個々のサスペンション配線先端
部近傍をカメラで撮影し、画像を画像処理し、サスペン
ション良否判定工程(S22)にて動作確認モニタ画面
を見て配線部が銅色であれば断線不良、金色であれば良
品と判定する。次いで、真空吸引装置移動工程(S2
3)にて、不良検出の場合は不良を示す信号が動作モニ
タよりシーケンサを介して真空吸引装置に送られ、真空
吸引装置を保持する移動装置が駆動し、検知された該断
線不良のサスペンションの不良識別マーク位置に移動す
る。次いで、不良識別マーク除去工程(S24)にて、
該信号により真空吸引装置の内径2.5mmφのパイプ
が検査台上面の該不良識別マークの不良識別マークに接
する位置まで鉛直方向上昇した後、真空バルブか開き、
真空手段によりパイプ上に位置する不良識別マークを真
空、除去し、真空除去完了後バルブが閉となり該パイプ
が鉛直方向に下降して、真空吸引装置の元の位置に戻
る。
【0031】
【発明の効果】本発明は、上記のように、金属薄板材料
もしくは金属板とポリイミドを積層した薄板材料のエッ
チング製品の良、不良を識別するための検知マークであ
って、エッチング製品の基板材料の最終製品部となる部
分以外の部分に、矩形状の金属片をその複数の隅もしく
は辺が微小幅のブチッジで保持されている不良識別マー
クが、一定方向の力に対して千切れ易い形状を有してお
り、且つ、真空による吸引手段により該不良識別マーク
が真空の吸引力で吸引、除去できる不良識別マークとそ
の形成方法および不良識別マーク除去方法の提供を可能
としている。
【0032】更に、被加工材である金属薄板材料もしく
は金属板とポリイミドを積層した薄板材料が極めて薄い
製品である配線一体型サスペンションの場合には、本発
明の不良識別マークとその形成方法および不良識別マー
ク除去方法が特に有効で、不良識別マークの除去が真空
吸引装置による吸引除去が可能となり、人手による不良
識別マークの除去作業がなくなることにより、人手作業
がゆえに生ずる取扱いによるサスペンションの変形不良
も無くすことができ、個人的な技能のばらつきを解消で
き、検査の作業性の面でも高効率化が図れ、量産化への
対応が可能である。さらには、真空吸引装置により不良
識別マークの矩形状の金属片および微小幅のブリッジを
吸引除去することにより、次工程への不良識別マークの
矩形状の金属片および微小幅のブッリッジの千切れ部分
の紛れ込みを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で対象となる配線一体型サスペンション
の不良識別マークを示す概略構成図である。
【図2】本発明の配線一体型サスペンションの不良識別
マークの真空吸引装置による不良識別マーク除去方法を
示す概略構成図である。
【図3】図2に示す検査装置におけるモニタ画面を示す
説明図である。
【図4】従来の配線一体型サスペンションを示す、概要
図である。
【図5】配線一体型サスペンションの製造工程を示すフ
ロー図である。
【図6】配線一体型サスペンション不良識別マークの除
去方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 配線 3 外枠 4 フライングリード部 5 不良識別マーク 6 断線箇所 7 ブリッジ 8 金属片 10 検査台 11 シート 12 フレーム 13 カメラ 14 画像処理装置 15 モニタ 15a 画面 16 位置センサ 17、17a 真空吸引装置 18 シーケンサ 19 プッシャー 21 検査台 22 真空バルブ 23 パイプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板材料のエッチング製品の良、不
    良を識別するための検知マークであって、エッチング製
    品の基板材料の最終製品部となる部分以外の部分に、矩
    形状の金属片をその複数の隅もしくは辺が微小幅のブリ
    ッジで保持されている状態に形成することを特徴とする
    不良識別マーク。
  2. 【請求項2】 金属板とポリイミドを積層した薄板材料
    のエッチング製品の良、不良を識別するための検知マー
    クであって、エッチング製品の基板材料の最終製品部と
    なる部分以外の部分に、矩形状の金属片をその複数の隅
    もしくは辺が微小幅のブリッジで保持されている状態に
    形成することを特徴とする不良識別マーク。
  3. 【請求項3】 請求項1、2記載の不良識別マークの微
    小幅のブリッジが25μm以下の幅であり、板厚がほぼ
    10μmであり、矩形状の金属片のサイズの両辺が1.
    0〜2.0mm程度で、該矩形状の金属片と基板材料と
    の間隔が0.2〜0.5mmであることを特徴とする不
    良識別マーク。
  4. 【請求項4】 請求項1、2記載の不良識別マークの複
    数の微小幅のブリッジが矩形状の金属片の辺に対して鋭
    角になるように、該基板材料に保持されていることを特
    徴とする不良識別マーク。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の不良識別マークの複数の
    微小幅のブリッジが矩形状の金属片の辺に対する角度θ
    が20°〜30°になるように、該基板材料に保持され
    ていることを特徴とする不良識別マーク。
  6. 【請求項6】 請求項1から5記載の不良識別マークの
    形成方法であって、薄板材料に感光液を塗布し、露光、
    現像、エッチング、剥膜にて形成されていることを特徴
    とする不良識別マーク形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項2から5記載の不良識別マークの
    形成法であって、金属板とポリイミドを積層した薄板材
    料に感光液を塗布し、露光、現像、エッチング、剥膜、
    ポリイミドエッチング、めっきにて形成されていること
    を特徴とする不良識別マーク形成方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から5記載の不良識別マークの
    除去方法であって、真空吸引装置にて不良識別マークを
    真空による吸引手段で吸引、除去ができることを特徴と
    する不良識別マーク除去方法。
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