JP2000150904A - 半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置およびその作製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、活性層、特にチャネル形成領域を
構成する領域と絶縁膜との界面を良好なものとすること
により、TFTの特性を向上させるとともに均一な特性
を有する半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体
装置およびその作製方法を提供するものである。 【解決手段】 上記目的を解決するため、本発明は、基
板100または下地膜101上にゲート配線102を形
成し、ゲート絶縁膜103と半導体膜104と絶縁膜1
05を大気にふれさせることなく積層形成し、次いで絶
縁膜105を介して赤外光または紫外光(レーザ光)の
照射による半導体膜の結晶化を行った後、レジストマス
クを用い、LDD構造を備えた半導体装置を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、絶縁ゲート型トラ
ンジスタ等の半導体素子からなる半導体回路を備えた半
導体装置の構造およびその作製方法に関する。特に、有
機樹脂を用いて形成されたLDD構造を有する半導体素
子からなる半導体回路を備えた半導体装置の構造および
その作製方法に関する。本発明の半導体装置は、薄膜ト
ランジスタ(TFT)やMOSトランジスタ等の素子だ
けでなく、これら絶縁ゲート型トランジスタで構成され
た半導体回路を有する表示装置やイメージセンサ等の電
気光学装置をも含むものである。加えて、本発明の半導
体装置は、これらの表示装置および電気光学装置を搭載
した電子機器をも含むものである。
【0002】
【従来の技術】絶縁性を有する基板上に形成された薄膜
トランジスタ(TFT)により画素マトリクス回路およ
び駆動回路を構成したアクティブマトリクス型液晶ディ
スプレイが注目を浴びている。液晶ディスプレイは0.
5〜20インチ程度のものまで表示ディスプレイとして
利用されている。
【0003】現在、高精細な表示が可能な液晶ディスプ
レイを実現するために、ポリシリコンで代表される結晶
性半導体膜を活性層とするTFTが注目されている。し
かしながら、結晶性半導体膜を活性層とするTFTは、
非晶質半導体膜を活性層とするTFTと比較して動作速
度や駆動能力が高い一方、個々のTFT特性のバラツキ
が大きいという問題があった。
【0004】このTFT特性のバラツキが生じる原因の
一つとして活性層とゲート絶縁膜の界面が挙げられる。
この界面が汚染されていると、TFT特性に悪影響を与
える。そのため、活性層と該活性層に接する絶縁膜との
界面を清浄化することが重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、TFTには高移
動度が求められており、TFTの活性層としては、非晶
質半導体膜よりも移動度の高い結晶性半導体膜を用いる
ことが有力視されている。従来のTFTの作製方法を以
下に概略、簡単に説明する。
【0006】まず、絶縁基板上にゲート配線を形成し、
その上にゲート絶縁膜とアモルファスシリコン膜を積層
し、このアモルファスシリコン膜を加熱、またはレーザ
ー光の照射等の結晶化処理を施してポリシリコン膜とす
る。次いで、このポリシリコン膜を所望の形状にパター
ニングして活性層を形成する。次いで、P型またはN型
の導電性を付与する不純物をポリシリコン膜に選択的に
導入してソース領域、ドレイン領域となる不純物領域を
形成する。続いて、層間絶縁膜を堆積し、ソース領域、
ドレイン領域上を露出させるコンタクトホールを形成し
た後、金属膜を形成し、これをパターニングして、ソー
ス領域、ドレイン領域と接触する金属配線を形成する。
こうして、TFTの作製工程を完了する。
【0007】このように従来では、非晶質半導体膜の成
膜後、幾つかの工程(例えば、結晶化工程、パターニン
グ工程)を施した後、絶縁膜を成膜しているため、非晶
質半導体膜が大気にさらされていた。
【0008】特にクリーンルーム内の大気は、主に、清
浄化のため一般的に使用されているHEPAフィルター
からのボロン(ホウ素)を含んでおり、大気に活性層を
さらすと活性層中に不定量混入する。従来では、大気に
活性層を大気にさらして作製しており、SIMS分析を
行った場合、TFTの活性層の界面(主表面側または裏
面側)にボロンの濃度ピーク(図14中の点線Bで示し
た)を有し、その最高値は1×1018atoms /cm3
上であった。このようにボロンが活性層中に混入してし
まうと、活性層中の不純物濃度の制御が困難となり、T
FTのしきい値のばらつく原因となる。また、他のフィ
ルターを用いた場合は高コストとなってしまうため適し
ていない。
【0009】このように、従来では半導体膜の成膜後、
半導体膜の表面が大気にさらされて、活性層となる半導
体膜が大気中の不純物(ボロン、酸素、水分、ナトリウ
ム等)により汚染されてしまっていた。また、ゲ─ト絶
縁膜の成膜後、大気にさらされて汚染したゲート絶縁膜
上に活性層となる半導体膜を成膜することにより半導体
膜が大気中の不純物(ボロン、酸素、水分、ナトリウム
等)により汚染されてしまっていた。こうして汚染した
半導体膜を用いて半導体素子、例えばTFTを作製する
と、活性層、特にチャネル形成領域とゲート絶縁膜との
界面特性が低下し、TFTの電気的特性のバラツキや低
下を引き起こす原因となっていた。また、結晶化工程に
おいても不純物(ボロン、酸素、水分、ナトリウム等)
は半導体膜の結晶化を阻害していた。
【0010】本発明は、活性層、特にチャネル形成領域
を構成する領域と絶縁膜との界面を良好なものとするこ
とにより、TFTの特性を向上させるとともに均一な特
性を有する半導体素子からなる半導体回路を備えた半導
体装置およびその作製方法を提供するものである。
【0011】また、従来よりLDD領域を備えた薄膜ト
ランジスタの構造が知られている。LDD領域を備えた
薄膜トランジスタの例としては、特公平3−38755
号公報および特開平7−226515号公報に記載され
ている。LDD領域は、チャネル形成領域とドレイン領
域との間に形成される電界の強度を緩和し、トランジス
タのOFF電流の低減、劣化の防止の役割を果たしてい
る。しかしながら、従来技術を用いたLDD構造の作製
方法は複雑であり、多くの工程を必要としていた。
【0012】加えて、本発明は、再現性が高くトランジ
スタ特性の安定性を向上し生産性の高いLDD構造を備
えた半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置
およびその作製方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するた
め、本発明は、ゲート配線が形成された絶縁表面上に少
なくともゲート絶縁膜と、半導体膜とを大気をふれさせ
ずに形成し、次いで赤外光または紫外光(レーザー光)
の照射による結晶化を行った後、不純物のドーピングを
行い、ソース領域及びドレイン領域を形成することを一
つの特徴としている。この不純物のドーピングは、半導
体膜を覆う絶縁膜を介して行う。即ち、本願発明は、ボ
トムゲート構造(代表的には逆スタガ構造)のTFTを
形成するにあたって、同一チャンバー、またはマルチチ
ャンバー装置、例えば図13で示すようなシステムを用
いて活性層となる半導体膜を大気にふれさせない点にあ
る。この様な構成により活性層界面の汚染を防ぎ、安定
且つ良好な電気特性を実現する。
【0014】本明細書で開示する発明の第1の構成は、
絶縁表面上にゲート配線と、前記ゲート配線に接するゲ
ート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に接する活性層と、
前記活性層上に接する保護膜と、前記保護膜に接し、3
価または5価の不純物が添加された有機樹脂とを有し、
前記保護膜は、前記活性層を構成するソース領域、ドレ
イン領域、及び前記ソース領域とドレイン領域の間に形
成されたチャネル形成領域の少なくとも一部を覆うこと
を特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半
導体装置である。
【0015】上記構成において、前記3価または5価の
不純物はリンまたはボロンであることを特徴としてい
る。
【0016】上記構成において、前記有機樹脂は、光感
光性を有していることを特徴としている。
【0017】上記構成において、前記有機樹脂は、遮光
性を有していることを特徴としている。
【0018】上記構成において、前記保護膜は、半導体
膜に赤外光または紫外光を照射することにより形成する
工程を少なくとも経て形成されたことを特徴としてい
る。
【0019】また、上記構成において、前記活性層は、
前記保護膜を介して赤外光または紫外光を照射すること
により半導体膜を結晶化する工程を少なくとも経て形成
された結晶性半導体膜であることを特徴としている。
【0020】また、前記ゲート絶縁膜、前記半導体膜、
及び前記保護膜は、順次大気にふれることなく積層形成
する工程を少なくとも経て形成されたことを特徴として
いる。
【0021】上記各構成において、前記有機樹脂中の3
価または5価の不純物の濃度が1×1019atoms /cm
3 以上であることを特徴としている。
【0022】上記各構成において、前記ゲート絶縁膜と
前記チャネル形成領域との界面、または前記保護膜と前
記チャネル形成領域との界面における半導体膜中のボロ
ンの濃度が3×1017atoms /cm3 以下であることを
特徴としている。
【0023】また、上記各構成において、前記ゲート絶
縁膜と前記チャネル形成領域との界面、または前記保護
膜と前記チャネル形成領域との界面における半導体膜中
の酸素の濃度が2×1019atoms /cm3 以下であるこ
とを特徴としている。
【0024】また、上記各構成において、前記ゲート絶
縁膜と前記チャネル形成領域との界面、または前記保護
膜と前記チャネル形成領域との界面における半導体膜中
の炭素または窒素の濃度が5×1018atoms /cm3
下であることを特徴としている。
【0025】また、上記各構成において、前記ゲート配
線は、単層構造または積層構造であり、アルミニウム、
タンタル、モリブデン、チタン、クロム、シリコンから
選ばれた一種の元素、或いはP型またはN型の不純物が
添加されたシリコンを主成分とする材料からなることを
特徴としている。
【0026】また、上記各構成において、前記保護膜の
膜厚は、5〜50nmであることを特徴としている。
【0027】なお、本明細書において「半導体膜」と
は、代表的には非晶質を有する半導体膜であり、例えば
非晶質半導体膜(非晶質珪素膜等)、微結晶を有する非
晶質半導体膜、微結晶半導体膜を指し、これら半導体膜
は、Si膜、Ge膜、化合物半導体膜〔例えば、SiX
Ge 1-X(0<X<1)、代表的にはX=0.3〜0.
95で示される非晶質シリコンゲルマニウム膜等〕)か
らなる膜である。この半導体膜は公知の技術、例えば減
圧CVD法、熱CVD法、PCVD法、スパッタ法等を
用いて成膜できる。
【0028】なお、本明細書において「結晶性半導体
膜」とは、単結晶半導体膜、結晶粒界を含む半導体膜
(多結晶半導体膜及び微結晶半導体膜を含む)を指し、
全域に渡って非晶質状態である半導体(非晶質半導体
膜)との区別を明確にしている。勿論、本明細書におい
て「半導体膜」と記載されていれば、結晶性半導体膜以
外に非晶質半導体膜も含まれることは言うまでもない。
【0029】また、本明細書において「半導体素子」と
は、スイッチング素子やメモリ素子、例えば薄膜トラン
ジスタ(TFT)や薄膜ダイオード(TFD)等を指し
ている。
【0030】また、本発明は、保護膜上に、例えば光感
光性有機材料、酸化珪素膜等をマスクとして用いること
によって、LDD領域を形成することを一つの特徴とし
ている。また、このLDD構造を形成するために使用し
たマスクを遮光膜として、活性層、特にチャネル形成領
域を光の劣化から保護するとともに、マスクの除去工程
を省略することも特徴としている。加えて、ゲート配線
と他の配線との交差部においては、マスクが絶縁膜とし
て機能し、配線間容量を低減することができる。
【0031】また、本発明の半導体装置を作製する第1
の作製方法の構成は、ゲート配線が形成された絶縁表面
上にゲート絶縁膜、半導体膜とを順次大気にふれること
なく積層形成する工程と、赤外光または紫外光を照射す
ることにより前記半導体膜を結晶化して結晶性半導体膜
を形成すると同時に酸化膜を形成する工程と、前記結晶
性半導体膜のチャネル形成領域となるべき領域をマスク
で覆い、前記酸化膜を介して結晶性半導体膜のソース領
域またはドレイン領域となるべき領域に3価または5価
の不純物元素の添加を行う工程と、を有する半導体素子
からなる半導体回路を備えた半導体装置の作製方法であ
る。
【0032】また、本発明の半導体装置を作製する第2
の作製方法の構成は、ゲート配線が形成された絶縁表面
上にゲート絶縁膜、半導体膜、絶縁膜とを順次大気にふ
れることなく積層形成する工程と、前記絶縁膜を介して
赤外光または紫外光を照射することにより前記半導体膜
を結晶化して結晶性半導体膜を得る工程と、前記結晶性
半導体膜のチャネル形成領域となるべき領域をマスクで
覆い、前記絶縁膜を介して結晶性半導体膜のソース領域
またはドレイン領域となるべき領域に3価または5価の
不純物元素の添加を行う工程と、を有する半導体素子か
らなる半導体回路を備えた半導体装置の作製方法であ
る。
【0033】上記各作製方法の構成において、前記ゲー
ト絶縁膜、前記半導体膜、及び前記保護膜は、互いに異
なるチャンバーを用いて形成することを特徴としてい
る。
【0034】上記各作製方法の構成において、前記ゲー
ト絶縁膜、前記半導体膜、及び前記保護膜は、同一のチ
ャンバーを用いて形成することを特徴としている。
【0035】上記各作製方法の構成において、前記ゲー
ト絶縁膜及び前記保護膜は、第1のチャンバーを用いて
形成し、前記半導体膜は、第2のチャンバーを用いて形
成することを特徴としている。
【0036】上記各作製方法の構成において、前記半導
体膜を成膜する前に被膜形成面上を、活性水素または水
素化合物によって汚染物を減少させることを特徴として
いる。
【0037】上記各作製方法の構成において、前記ゲー
ト絶縁膜を形成する前に窒化シリコン膜を形成する工程
を有することを特徴としている。
【0038】上記各作製方法の構成において、前記ゲー
ト絶縁膜の一部としてBCB(ベンゾシクロブテン)を
含む積層膜を形成する工程を有することを特徴としてい
る。
【0039】
【発明の実施の形態】本願発明の実施形態について以下
に示す実施例でもって詳細な説明を行うこととする。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、特にこ
れらの実施例に限定されないことは勿論である。
【0041】〔実施例1〕 本実施例では本願発明を用
いて逆スタガ型TFTを作製する場合の例について説明
する。なお、本実施例ではNチャネル型TFTとPチャ
ネル型TFTで構成されたCMOS回路を用いて説明を
行う。
【0042】本発明の半導体装置およびその作製方法の
実施形態を示す簡略断面図である図1〜図4を用いて簡
略に説明する。
【0043】まず、基板100を用意する。基板100
としては、ガラス基板、石英基板、結晶性ガラスなどの
絶縁性基板、セラミック基板、ステンレス基板、金属
(タンタル、タングステン、モリブデン等)基板、半導
体基板、プラスチック基板(ポリエチレンテレフタレー
ト基板)等を用いることができる。本実施例においては
基板100としてガラス基板(コーニング1737;歪
点667℃)を用いた。
【0044】次に、基板100上に下地膜101を形成
する。下地膜101としては、酸化珪素膜、窒化珪素
膜、窒化酸化珪素膜(SiOX y )、またはこれらの
積層膜等を用いることができる。下地膜101として
は、200〜500nmの膜厚範囲で用いることができ
る。本実施例では、下地膜101として窒化珪素膜を3
00nmの膜厚で成膜し、ガラス基板からの汚染物質の
拡散を防止した。なお、下地膜を設けなくとも本発明を
実施することは可能であるが、TFT特性を良好なもの
とするためには、下地膜を設けることが好ましい。
【0045】次いで、単層構造または積層構造を有する
ゲート配線102を形成する。(図1(A))ゲート配
線102としては、導電性材料または半導体材料、例え
ば、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、ニオブ
(Nb)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Z
r)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、P型またはN
型の不純物が添加されたシリコン(Si)、シリサイド
等を主成分とする層を少なくとも一層有する構造とす
る。本実施例では、ゲート配線102として、簡略化の
ため図示しないが窒化タンタル膜でタンタル膜を挟んだ
積層構造とした。タンタルはシリコンと仕事関数が近い
ため、TFTのしきい値のシフトが少なく好ましい材料
の一つである。ゲート配線102としては、10〜10
00nm、好ましくは30〜300nmの膜厚範囲で用
いることができる。なお、ゲート配線を保護するために
陽極酸化膜または酸化膜を形成する工程を加えてもよ
い。また、作製工程中、基板やゲート配線から不純物が
ゲート絶縁膜へ拡散するのを防ぐためにゲート配線及び
基板を覆う絶縁膜を形成する工程を加えてもよい。
【0046】次に、ゲート絶縁膜103、半導体膜10
4、絶縁膜105を順次大気開放しないで積層形成す
る。この時、形成手段としてはプラズマCVD法、スパ
ッタ法等のいずれの手段を用いてもよいが、大気にさら
さないようにすることで、いずれの層の界面にも大気か
らの汚染物質が付着しないようにすることが重要であ
る。本実施例では、ゲート絶縁膜の形成専用のチャンバ
ーと、半導体膜の形成専用のチャンバーと、絶縁膜の形
成専用のチャンバーとを備えたマルチチャンバー(図1
3に示す装置)を用いて、高真空を保ったまま、各チャ
ンバーを移動させることにより積層形成させる。
【0047】図13に本実施例で示す装置(連続成膜シ
ステム)の上面から見た概要を示す。図13において、
12〜16が気密性を有するチャンバーである。各チャ
ンバーには、真空排気ポンプ、不活性ガス導入系が配置
されている。
【0048】12、13で示されるチャンバーは、試料
(処理基板)10をシステムに搬入するためのロードロ
ック室である。14は、ゲート絶縁膜(酸化窒化珪素
膜)103を成膜するための第1のチャンバーである。
15は、半導体膜(非晶質珪素膜)104を成膜するた
めの第2のチャンバーである。16は、絶縁膜(酸化窒
化珪素膜)105を成膜するための第3のチャンバーで
ある。また、11は、各チャンバーに対して共通に配置
された試料の共通室である。
【0049】以下に動作の一例を示す。
【0050】最初、全てのチャンバーは、一度高真空状
態に真空引きされた後、更に不活性ガス、ここでは窒素
によりパージされている状態(常圧)とする。また、全
てのゲートバルブを閉鎖した状態とする。
【0051】まず、処理基板は多数枚が収納されたカセ
ット34ごとロードロック室13に搬入される。カセッ
トの搬入後、図示しないロードロック室の扉を閉鎖す
る。この状態において、ゲート弁23を開け、カセット
から処理基板10を1枚取り出し、ロボットアーム31
によって共通室11に取り出す。この際、共通室におい
て基板の位置合わせが行われる。
【0052】ここでゲート弁23を閉鎖し、ついでゲー
ト弁24を開ける。そして第1のチャンバー14へ処理
基板10を移送する。第1のチャンバー内では150℃
〜300℃の温度で成膜処理を行い、ゲート絶縁膜10
3を得る。なお、ゲート絶縁膜103としては、酸化珪
素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOX y )、
またはこれらの積層膜等を100〜400nm(代表的
には150〜250nm)の膜厚範囲で使用することが
できる。本実施例では単層の絶縁膜をゲート絶縁膜とし
て採用しているが、二層または三層以上の積層構造とし
てもよい。
【0053】ゲート絶縁膜成膜終了後、処理基板10は
ロボットアーム31によって共通室に引き出され、第2
のチャンバー15に移送される。第2のチャンバー内で
は第1のチャンバーと同様に150℃〜300℃の温度
で成膜処理を行ない、半導体膜104を得る。また、半
導体膜104としては、非晶質珪素膜、微結晶を有する
非晶質半導体膜、微結晶半導体膜、非晶質ゲルマニウム
膜、SiX Ge 1-X(0<X<1)で示される非晶質シ
リコンゲルマニウム膜、またはこれらの積層膜を20〜
70nm(代表的には40〜50nm)の膜厚範囲で用
いることができる。
【0054】なお、半導体膜104の形成温度を350
℃〜500℃(代表的には、450℃)として、半導体
膜の膜中における水素濃度を低減させる熱処理を省略す
る構成としてもよい。
【0055】また、形成温度を80℃〜300℃、好ま
しくは、140〜200℃とし、水素で希釈したシラン
ガス(SiH4 :H2 =1:10〜100)を反応ガス
とし、ガス圧を0.1〜10Torr、放電電力を10
〜300mW/cm2 とすることで形成される微結晶半
導体膜は、膜中における水素濃度が低いため、半導体膜
として用いれば、水素濃度を低減させる熱処理を省略す
ることができる。
【0056】半導体膜成膜終了後、処理基板10はロボ
ットアーム31によって共通室に引き出され、第3のチ
ャンバー16に移送される。第3のチャンバー内では第
1のチャンバーと同様に150℃〜300℃の温度で成
膜処理が行われ、絶縁膜を得る。絶縁膜105として
は、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiO
Xy で示される)、またはこれらの積層膜を5〜50
nm(代表的には10〜20nm)の膜厚範囲で用いる
ことができる。この絶縁膜105は、大気に含まれる不
純物による汚染から半導体膜104の表面を保護するた
めに設けられている。また、絶縁膜105は、レジスト
との密着性に優れているため、後にレジストを形成する
上で好ましい。
【0057】このようにして三層が連続成膜された被処
理基板はロボットアームによって、ロードロック室12
に移送され、カセット33に収納される。
【0058】このように本実施例では、図13に示す装
置を用いて絶縁膜成膜時に生じる汚染(主に酸素による
結晶化の阻害)を防ぐために互いに異なるチャンバーで
積層形成した。なお、図13に示した装置は一例にすぎ
ないことは言うまでもない。
【0059】本実施例では、ゲート絶縁膜103として
膜厚125nmの窒化酸化珪素膜、半導体膜104とし
て膜厚50nmの非晶質珪素膜、絶縁膜105として1
5nmの窒化酸化珪素膜を積層形成した。(図1
(B))勿論、それぞれの膜厚は本実施例に限定される
ことはなく、実施者が適宜決定すればよい。また、同一
チャンバーで反応ガスを入れ換えることにより積層形成
する構成としてもよい。また、前記半導体膜を成膜する
前には被膜形成面上を、活性水素または水素化合物によ
って汚染物を減少させる構成とすることが好ましい。
【0060】こうして図1(B)の状態が得られたら、
半導体膜104に対して赤外光または紫外光の照射によ
る結晶化(以下、レーザー結晶化と呼ぶ)を行う。結晶
化技術として紫外光を用いる場合はエキシマレーザー光
または紫外光ランプから発生する強光を用いればよく、
赤外光を用いる場合は赤外線レーザー光または赤外線ラ
ンプから発生する強光を用いればよい。本実施例ではエ
キシマレーザー光を線状にビーム形成して照射した。な
お、照射条件としては、パルス周波数が150Hz、オ
ーバーラップ率は80〜98%、本実施例では96%、
レーザーエネルギー密度は100〜500mJ/cm2、好ま
しくは150〜200mJ/cm2であり本実施例では175
mJ/cm2とした。なお、レーザー結晶化の条件(レーザー
光の波長、オーバーラップ率、照射強度、パルス幅、繰
り返し周波数、照射時間等)は、絶縁膜105の膜厚、
半導体膜104の膜厚、基板温度等を考慮して実施者が
適宜決定すればよい。また、レーザー結晶化の条件によ
っては、半導体膜が溶融状態を経過して結晶化する場合
や、半導体膜が溶融せずに固相状態、もしくは固相と液
相の中間状態で結晶化する場合がある。また、レーザー
光を一定速度で連続的に移動させてオーバーラップ率の
±10%の範囲でどこの領域でも一定とした。
【0061】この工程により半導体膜104は結晶化さ
れ、結晶性半導体膜(結晶を含む半導体膜)106に変
化する。(図1(C))本実施例において結晶性半導体
膜とは多結晶珪素膜である。この工程において、レーザ
ー光の照射は絶縁膜105の上から行われるので半導体
膜中に大気からの汚染物質が混入するおそれがない。即
ち、半導体膜の界面の洗浄性を保ったまま、半導体膜の
結晶化を行うことができる。
【0062】なお、図1(C)の工程後、しきい値制御
をするために不純物の添加を行ない、チャネル形成領域
となる領域に保護膜を介して不純物を添加する工程を加
えてもよい。
【0063】次に裏面からの露光によって、ゲート配線
の上方の絶縁膜105に接して膜厚1〜3μmの第1の
マスク(本実施例ではレジストマスク)109aを形成
した。(図1(D))マスクの材料としては、ポジ型ま
たはネガ型の光感光性有機材料(例えばレジスト)、酸
化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOX y
で示される)を用いることができる。裏面からの露光に
よるレジストの形成はマスクを必要としないため、製造
マスク数を低減することができる。実際には、第1のマ
スクの幅が光の回り込みによって、わずかにゲート配線
の幅より小さくなることがあるが、簡略化するため図示
しない。
【0064】なお、本明細書では、基板面に垂直な面で
基板100を切断した場合、基板から遠ざかる方向を上
方とし、基板に近づく方向を下方としている。
【0065】そして、この第1のマスク109aを用
い、絶縁膜105を介して第1の不純物の添加を行い、
低濃度不純物領域(n- 型領域)110を形成した。
(図1(E))本実施例では、N型の導電性を付与する
不純物としてリン元素を用い、110で示されるn-
領域のリン濃度が、SIMS分析で1×1015〜1×1
17atoms /cm3 になるように調節した。このとき第
1のマスクにリン元素が添加されリン元素を低濃度に含
む第1のマスク109bとなる。
【0066】次いで、Nチャネル型TFTの第1のマス
ク109bを覆って形成した膜厚1〜3μmの第2のマ
スク112を用い、保護膜108を介して第2の不純物
の添加を行い、高濃度不純物領域(n+ 型領域)201
を形成した。(図2(A))本実施例では、201で示
されるn+ 型領域のリン濃度が、SIMS分析で1×1
20〜8×1021atoms /cm3 になるように調節し
た。Pチャネル型TFTにおける第1のマスク109c
には高濃度にリン元素が添加された。同様に第1のマス
クと比較して高濃度にリン元素が第2のマスク112に
添加される。Nチャネル型TFTのチャネル形成領域側
の第1のマスク109bを低濃度とすることにより誤っ
てチャネル形成領域にリンが添加されるのを防いでい
る。また、本実施例では第2のマスク112の材料とし
て、光感光性を有するポリイミド樹脂を用いた。
【0067】上記第1及び第2の不純物の添加工程によ
りLDD構造が形成される。第2のマスク112の形状
により、n- 型領域とn+ 型領域の境界が決定される。
なお、Nチャネル型TFTにおいて、n+ 型領域201
はソース領域またはドレイン領域となり、n- 型領域は
低濃度不純物領域114となる。
【0068】また、上記第1及び第2の不純物の添加工
程において、リンが添加された第1のマスク109b、
109c及び第2のマスク112が黒色化した。また、
第1のマスク及び第2のマスクをさらに黒色化させる工
程を加えてもよい。
【0069】次にNチャネル型TFTを第3のマスク1
15で覆い、保護膜108を介して第3の不純物の添加
を行い、高濃度不純物領域(P型領域)202を形成し
た。(図2(B))本実施例では、P型の導電性を付与
する不純物としてボロン元素を用い、ボロンのドーズ量
は、P型領域のボロンイオンの濃度がn+ 型領域に添加
されるリンイオンの濃度の1.3〜2倍程度になるよう
にする。Pチャネル型TFTにおける第1のマスク10
9dには高濃度にボロン元素が添加された。同様に第3
のマスク115にもボロン元素が添加される。なお、第
1〜第3のマスク、即ち、有機樹脂中には3価(本実施
例ではボロン)または5価(本実施例ではリン)の不純
物の濃度が1×1019atoms /cm3 以上含まれる。
【0070】Pチャネル型TFTにおいて、P型領域2
02はソース領域、またはドレイン領域となる。また、
リンイオン、ボロンイオンが注入されなかった領域が後
にキャリアの移動経路となる真性または実質的に真性な
チャネル形成領域111となる。
【0071】なお、本明細書中で真性とは、シリコンの
フェルミレベルを変化させうる不純物を一切含まない領
域を指し、実質的に真性な領域とは、電子と正孔が完全
に釣り合って導電型を相殺させた領域、即ち、しきい値
制御が可能な濃度範囲(SIMS分析で1×1015〜1
×1017atoms /cm3 )でN型またはP型を付与する
不純物を含む領域、または意図的に逆導電型不純物を添
加することにより導電型を相殺させた領域を示す。
【0072】上記第1〜3の不純物の添加は、イオン注
入法、プラズマドーピング法、レーザードーピング法等
の公知の手段を用いればよい。ただし、保護膜108を
通り抜けて不純物イオンが活性層の所定の領域に所望の
量添加されるようにドーピング条件、ドーズ量、加速電
圧等を調節する。
【0073】また、上記第1〜第3の不純物の添加工程
においては絶縁膜105の上から不純物の注入が行われ
るので、活性層中に大気からの汚染物質、特にボロンが
混入するおそれがない。従って、活性層中の不純物の濃
度を制御できるため、しきい値のバラツキを抑えること
ができる。
【0074】また、上記第1〜第3のマスクのパターン
を実施者が適宜設定することにより所望の幅を有するn
- 型領域、n+ 型領域、P型領域、及びチャネル形成領
域を得ることが比較的容易にできる。
【0075】こうして、ソース領域またはドレイン領域
となる高濃度不純物領域201及び202、低濃度不純
物領域114を形成した後、第3のマスク115のみを
選択的に除去した。(図2(C))第3のマスクで用い
る材料を第1及び第2のマスクの材料と異ならせること
で、選択的に除去する工程としてもよい。このマスク除
去工程において、絶縁膜105がエッチングストッパー
となる。また、このマスク除去工程においても絶縁膜が
形成されているため結晶性半導体膜、特にチャネル形成
領域111に汚染物質が混入しない。
【0076】次に、ソース領域およびドレイン領域にお
ける不純物の活性化効果、またはドーピング工程で損傷
した活性層の結晶構造の回復効果を得るための公知の技
術、例えば熱アニールまたはレーザーアニールを行う。
【0077】次に、同一マスク(図示しない第4のマス
ク)を用いて、結晶性珪素膜及び絶縁膜105にパター
ニングを施し、活性層(n- 型領域114、n+ 型領域
113、P型領域116、及びチャネル形成領域111
からなる)、保護膜108を形成した。(図2(D))
この工程においても活性層のパターニングで使用したマ
スク(第4のマスク)のみを選択的に除去した。このよ
うに可能な限り、結晶性珪素膜を絶縁膜105で覆った
ままの状態を維持して大気の汚染から保護した。加え
て、活性層107の側面を保護するための絶縁膜の形成
を行ってもよい。また、同一マスク(第4のマスク)を
用いてゲート絶縁膜を選択的に除去してもよい。また、
不純物領域の添加工程前に、パターニングをする構成と
してもよい。
【0078】最後に、ポリイミド、ポリイミドアミド、
ポリアミド、アクリル等の有機樹脂または酸化珪素膜、
窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOX y で示され
る)、またはこれらの積層膜からなる層間絶縁膜117
を成膜し、ソース領域、ドレイン領域上を露出させるコ
ンタクトホールを形成した後、金属膜を形成し、これを
パターニングして、ソース領域、ドレイン領域と接触す
る金属配線118〜120を形成する。(図2(E))
こうして、本発明の実施の形態におけるNチャネル型T
FTとPチャネル型TFTで構成されたCMOS回路の
作製を完了する。
【0079】図13に示した装置を用いることにより、
ゲート絶縁膜と前記チャネル形成領域との界面、または
前記保護膜と前記チャネル形成領域との界面における酸
素の濃度を2×1019atoms /cm3 以下、炭素、窒素
の濃度を5×1018atoms /cm3 以下とすることがで
きた。
【0080】上記作製工程を用いた半導体素子からなる
半導体回路を備えた半導体装置について、図3を用いて
その構造の一例を説明する。なお、本発明にかかる半導
体装置は、同一基板上に周辺駆動回路部と画素マトリク
ス回路部とを備えている。本実施例では図示を容易にす
るため、同一基板上に周辺駆動回路部の一部を構成する
CMOS回路と、画素マトリクス回路部の一部を構成す
る画素TFT(Nチャネル型TFT)とが示されてい
る。
【0081】また、図4(A)及び図4(B)は図3の
上面図に相当する図であり、図4(A)及び図4(B)
において、太線A−A’で切断した部分が、図3の画素
マトリクス回路の断面構造に相当し、太線B−B’で切
断した部分が、図3のCMOS回路の断面構造に相当す
る。また、図3及び図4に使われている符号は図1また
は図2と同一である。
【0082】図3において、いずれのTFT(薄膜トラ
ンジスタ)も基板100上に設けられた下地膜101に
形成される。CMOS回路のPチャネル型TFTの場合
には、下地膜上にゲート配線102が形成され、その上
にゲート絶縁膜103が設けられている。ゲート絶縁膜
上には、活性層としてP型領域116(ソース領域又は
ドレイン領域)とチャネル形成領域111とが形成され
る。なお、活性層は同形状を有する保護膜108で保護
される。保護膜108の上を覆う第1の層間絶縁膜11
7にコンタクトホールが形成され、P型領域116に配
線118、119が接続され、さらにその上に第2の層
間絶縁膜123が形成され、配線118に引き出し配線
124が接続されて、その上を覆って第3の層間絶縁膜
127が形成される。なお、少なくともチャネル形成領
域の上方の保護膜上に、遮光性を有する第1のマスク1
09dが形成され、チャネル形成領域を光の劣化から保
護している。
【0083】一方、Nチャネル型のTFTは、活性層と
してn+ 型領域113(ソース領域又はドレイン領域)
と、チャネル形成領域111と、前記n+ 型領域とチャ
ネル形成領域の間にn- 型領域114が形成される。n
+ 型領域113には配線119、120が形成され、さ
らに配線120には引き出し配線125が接続される。
活性層以外の部分は、上記Pチャネル型TFTと概略同
一構造である。なお、少なくともチャネル形成領域11
1の上方の保護膜上に遮光性を有する第1のマスク10
9bが形成され、n- 型領域114の上方の保護膜上
に、第2のマスク112が形成され、チャネル形成領域
及びn- 型領域を光の劣化から保護している。
【0084】画素マトリクス回路に形成されたNチャネ
ル型TFTについては、第1の層間絶縁膜117を形成
する部分まで、CMOS回路のNチャネル型TFTと同
一構造である。そして、n+ 型領域129には配線12
1、122が接続され、その上に第2の層間絶縁膜12
3と、ブラックマスク126とが形成される。このブラ
ックマスクは画素TFTを覆い、且つ配線122と補助
容量を形成している。さらに、その上に第3の層間絶縁
膜127が形成され、ITO、SnO2 等の透明導電膜
からなる画素電極128が接続される。
【0085】本実施例の画素マトリクス回路において、
ゲート配線102と配線121、122の間で生じる配
線間容量が、第1または第2のマスクによって低減され
たTFT構造となっている。なお、画素マトリクス回路
に限らず、本実施例では、裏面露光によってレジストマ
スクを形成したため、ゲート配線の上方にはマスクが設
けられており、他の配線との配線間容量を低減してい
る。
【0086】本実施例では一例として透過型のLCDを
作製したが特に限定されない。例えば、画素電極の材料
として反射性を有する金属材料を用い、画素電極のパタ
ーニングの変更、または幾つかの工程の追加/削除を適
宜行えば反射型のLCDを作製することが可能である。
【0087】なお、本実施例では、画素マトリクス回路
の画素TFTのゲート配線をダブルゲート構造としてい
るが、オフ電流のバラツキを低減するために、トリプル
ゲート構造等のマルチゲート構造としても構わない。ま
た、開口率を向上させるためにシングルゲート構造とし
てもよい。
【0088】〔実施例2〕 本実施例は、実施例1とは
異なる方法により結晶性珪素膜を得る例である。本実施
例では、珪素の結晶化を助長する触媒元素を利用して、
レーザービーム形状を長方形または正方形に成形し、一
度の照射で数cm2 〜数百cm 2 の領域に均一なレーザ
ー結晶化処理により結晶性珪素膜を得る方法に関する。
基本的な構成は実施例1とほぼ同様であるので、相違点
のみに着目して説明する。
【0089】本実施例では、図1(C)の工程において
エキシマレーザー光を面状に加工して照射する。レーザ
ー光を面状に加工する場合は数十cm2 程度(好ましく
は10cm2 以上)の面積を一括照射できる様にレーザ
ー光を加工する必要がある。そして照射面全体を所望の
レーザーエネルギー密度でアニールするためには、トー
タルエネルギーが5J以上、好ましくは10J以上の出
力のレーザー装置を用いる。
【0090】その場合、エネルギー密度は100〜80
0mJ/cm2とし、出力パルス幅は100nsec以上、好まし
くは200nsec〜1msecとすることが好ましい。200
nsec〜1msecというパルス幅を実現するにはレーザー装
置を複数台連結し、各レーザー装置の同期をずらすこと
で複数パルスの混合した状態を作れば良い。
【0091】本実施例の様な面状のビーム形状を有する
レーザー光を照射することにより大面積に均一なレーザ
ー照射を行うことが可能である。即ち、活性層の結晶性
(結晶粒径や欠陥密度等を含む)が均質なものとなり、
TFT間の電気特性のばらつきを低減することができ
る。
【0092】なお、本実施例は実施例1との組み合わせ
が容易であり、その組み合わせ方は自由である。
【0093】〔実施例3〕 本実施例では実施例1と異
なる構造のTFTを作製した場合の例について図5を用
いて説明する。また、図5の上面図は符号は異なるもの
の図4とほぼ同一である。
【0094】本実施例では基板500としてガラス基
板、下地膜501として酸化窒化シリコン(SiOxN
yで示される)、ゲート配線502としてタンタル膜を
形成する。
【0095】次に、第1絶縁膜503として、ゲート電
極を有する領域と有さない領域との凹凸を平坦にする有
機材料、例えばBCB(ベンゾシクロブテン)膜を10
0nm〜1μm (好ましくは500〜800nm)の厚さで
形成する。この工程ではゲート配線502による段差を
完全に平坦化する程度の膜厚が必要である。BCB膜の
平坦化効果は大きいので、さほど膜厚を厚くしなくても
十分な平坦化が可能である。
【0096】第1絶縁膜503を形成したら、次に第2
絶縁膜(窒化酸化シリコン膜)504、半導体膜(微結
晶シリコン膜)、保護膜509となる絶縁膜(窒化酸化
シリコン膜)を順次大気開放しないで積層形成する。微
結晶シリコン膜は、形成温度を80℃〜300℃、好ま
しくは、140〜200℃とし、水素で希釈したシラン
ガス(SiH4 :H2 =1:10〜100)を反応ガス
とし、ガス圧を0.1〜10Torr、放電電力を10
〜300mW/cm2 とすることで形成される。微結晶
シリコン膜は、膜中における水素濃度が低いため、半導
体膜として用いれば、水素濃度を低減させる熱処理を省
略することができる。本実施例では、第2の絶縁膜の形
成専用のチャンバーと、半導体膜の形成専用のチャンバ
ーと、保護膜の形成専用のチャンバーとを用意し、高真
空を保ったまま、各チャンバーを移動することにより連
続的に成膜した。こうして連続成膜された絶縁膜及び半
導体膜は平坦面上に形成されるため全て平坦である。
【0097】次に、保護膜の上からエキシマレーザー光
を照射することによって、半導体膜が結晶を含む半導体
膜(多結晶シリコン膜)に変化する。このレーザー結晶
化工程の条件は実施例1と同様で良い。この時、半導体
膜が平坦であるので結晶粒径の均一な多結晶シリコン膜
が得られる。また、レーザー光の照射に代えて強光の照
射、例えばRTA、RTPを用いてもよい。
【0098】以上の様に、第1絶縁膜503として平坦
化に有利なBCB膜を用いることで平坦面を有する半導
体膜を得ることができる。そのため、半導体膜の全域に
渡って均一な結晶性を確保することができる。
【0099】以降の工程は実施例1に従えば図5で得ら
れる半導体装置が完成する。
【0100】図5においては、いずれのTFT(薄膜ト
ランジスタ)も基板500上に設けられた下地膜501
に形成される。CMOS回路のPチャネル型TFTの場
合には、下地膜上にゲート配線502が形成され、その
上にBCBからなる第1絶縁膜503、第2絶縁膜50
4が設けられている。第2絶縁膜上には、活性層として
P型領域508(ソース領域又はドレイン領域)とチャ
ネル形成領域505とが形成される。なお、活性層は同
形状を有する保護膜509で保護される。保護膜509
の上を覆う第1の層間絶縁膜510にコンタクトホール
が形成され、P型領域508に配線511、512が接
続され、さらにその上に第2の層間絶縁膜516が形成
され、配線511に引き出し配線517が接続されて、
その上を覆って第3の層間絶縁膜520が形成される。
なお、少なくともチャネル形成領域の上方の保護膜上
に、遮光性を有する第1のマスクが形成され、チャネル
形成領域を光の劣化から保護している。
【0101】一方、Nチャネル型のTFTは、活性層と
してn+ 型領域507(ソース領域又はドレイン領域)
と、チャネル形成領域505と、前記n+ 型領域とチャ
ネル形成領域の間にn- 型領域506が形成される。n
+ 型領域507には配線512、513が形成され、さ
らに配線513には引き出し配線518が接続される。
活性層以外の部分は、上記Pチャネル型TFTと概略同
一構造である。なお、少なくともチャネル形成領域50
5の上方の保護膜上に、遮光性を有する第1のマスクが
形成され、n- 型領域506の上方の保護膜上に、第2
のマスクが形成され、チャネル形成領域およびn- 型領
域を光の劣化から保護している。
【0102】画素マトリクス回路に形成されたNチャネ
ル型TFTについては、第1の層間絶縁膜510を形成
する部分まで、CMOS回路のNチャネル型TFTと同
一構造である。そして、n+ 型領域507には配線51
4、515が接続され、その上に第2の層間絶縁膜51
6と、ブラックマスク519とが形成される。このブラ
ックマスクは画素TFTを覆い、且つ配線515と補助
容量を形成している。さらに、その上に第3の層間絶縁
膜520が形成され、ITO等の透明導電膜からなる画
素電極521が接続される。
【0103】本実施例の画素マトリクス回路において、
ゲート配線502と配線514、515の間で生じる配
線間容量が、第1または第2のマスクによって低減され
たTFT構造となっている。なお、画素マトリクス回路
に限らず、本実施例では、裏面露光によってレジストマ
スクを形成したため、ゲート配線の上方にはマスクが設
けられており、他の配線との配線間容量を低減してい
る。
【0104】本実施例を実施して作製されたTFTは、
よりばらつきの少ない電気特性を示す。また、本実施例
を実施例1、実施例2と組み合わせることは可能であ
る。
【0105】〔実施例4〕 本実施例では実施例1と異
なる構造のTFTを作製した場合の例について図6を用
いて説明する。なお、CMOS回路における構成は実施
例1とほぼ同一であるので、相違点のみに着目して説明
する。また、図6に使われている符号は図1または図2
と同一である。また、図6の上面図は図4に相当する。
【0106】本実施例は、基板100としてガラス基
板、下地膜101として酸化窒化珪素膜(SiOxNy
で示される)、ゲート配線102を形成する工程まで
は、実施例1と同一である。
【0107】次いで、本実施例では、画素マトリクス回
路において、選択的に第1絶縁膜132を形成する。
【0108】その後、実施例1と同様に第2絶縁膜(実
施例1ではゲート絶縁膜に相当する)103、半導体膜
104、絶縁膜105を順次大気開放しないで積層形成
する。本実施例では、同一チャンバー内で高真空を保っ
たまま、第2絶縁膜103として膜厚10〜100nm
の窒化酸化珪素膜、半導体膜104として膜厚50nm
の非晶質珪素膜、絶縁膜105として15nmの窒化酸
化珪素膜をプラズマCVD法を用いて連続的に積層形成
した。勿論、それぞれの膜厚は本実施例に限定されるこ
とはなく、実施者が適宜決定すればよい。本実施例で
は、画素マトリクス回路において、ゲート絶縁膜(第1
絶縁膜132及び第2絶縁膜103)の総膜厚が100
〜300nmになるように形成した。
【0109】また、本実施例のように同一チャンバー内
で連続成膜を行う場合には、半導体膜を成膜する前に被
膜形成面上を、活性水素または水素化合物によって汚染
物、特に酸素を減少させる。半導体膜中に含まれる酸素
は結晶化を阻害する。ここでは、NH3 、H2 、Ar、
He等の反応ガスを用いたプラズマ処理により生じる活
性水素または水素化合物によって、チャンバー内壁及び
電極に付着している酸素をOH基にして脱ガスを行な
い、前記半導体膜の成膜での酸素の混入を防いだ。さら
に、同一チャンバー内で高真空を保ったまま、各膜の成
膜温度を同一(±50℃)、同一圧力(±20%)とす
ることが好ましい。
【0110】以降の工程は実施例1に従えば図6で得ら
れる半導体装置が完成する。
【0111】図6においては、CMOS回路における構
成は実施例1の図3とほぼ同一であるので省略する。画
素マトリクス回路に形成されたNチャネル型TFTにつ
いては、ゲート絶縁膜が二層構造(第1絶縁膜132と
第2絶縁膜103)となっている部分以外は、実施例1
の図3とほぼ同一である。このように選択的にゲート絶
縁膜の膜厚を厚くすることで、高耐圧が要求される回路
(画素マトリクス回路、バッファ回路等)においての信
頼性を向上させた。
【0112】また、本実施例は実施例1と同様に画素マ
トリクス回路において、ゲート配線102と配線12
1、122の間で生じる配線間容量が、第1または第2
のマスクによって低減されたTFT構造となっている。
なお、画素マトリクス回路に限らず、本実施例では、裏
面露光によってレジストマスクを形成したため、ゲート
配線の上方にはマスクが設けられており、他の配線との
配線間容量を低減している。
【0113】本実施例を実施して作製されたTFTは、
よりばらつきの少ない電気特性を示す。また、本実施例
を実施例1乃至3のいずれか一と組み合わせることは可
能である。
【0114】〔実施例5〕 本実施例では実施例1と異
なる構造のTFTを作製した場合の例について図7を用
いて説明する。なお、CMOS回路における構成の相違
点はゲート絶縁膜が二層構造である点のみで、実施例1
とほぼ同一である。また、図7に使われている符号は図
1または図2と同一である。また、図7の上面図は図4
に相当する。
【0115】本実施例は、基板100としてガラス基
板、下地膜101として酸化窒化珪素膜(SiOxNy
で示される)、ゲート配線102を形成する工程まで
は、実施例1と同一である。
【0116】次いで、本実施例では、窒化珪素膜からな
る第1絶縁膜133を全面に形成した後、画素マトリク
ス回路において、選択的に第2絶縁膜134を形成す
る。
【0117】その後、実施例1と同様に第3絶縁膜(実
施例1ではゲート絶縁膜に相当する)103、半導体
膜、絶縁膜を順次大気開放しないで積層形成する。本実
施例では、図13に示した装置を用いて、第3絶縁膜1
03として膜厚10〜100nmの窒化酸化珪素膜、半
導体膜として膜厚50nmの非晶質珪素膜、絶縁膜とし
て15nmの窒化酸化珪素膜を積層形成した。勿論、そ
れぞれの膜厚は本実施例に限定されることはなく、実施
者が適宜決定すればよい。本実施例では、画素マトリク
ス回路において、ゲート絶縁膜(第1絶縁膜133、第
2絶縁膜134及び第3絶縁膜103)の総膜厚が10
0〜300nmになるように形成した。
【0118】以降の工程は実施例1に従えば図7で得ら
れる半導体装置が完成する。
【0119】図7においては、ゲート絶縁膜が二層構造
(第1絶縁膜133と第3絶縁膜103)となっている
部分以外、CMOS回路における構成は実施例1の図3
とほぼ同一であるので省略する。画素マトリクス回路に
形成されたNチャネル型TFTについては、ゲート絶縁
膜が三層構造(第1絶縁膜133と第2絶縁膜134と
第3絶縁膜103)となっている部分以外は、実施例1
の図3とほぼ同一である。このように選択的にゲート絶
縁膜の膜厚を厚くすることで、高耐圧が要求される回路
(画素マトリクス回路、バッファ回路等)においての信
頼性を向上させた。
【0120】また、本実施例は実施例1と同様に画素マ
トリクス回路において、ゲート配線102と配線12
1、122の間で生じる配線間容量が、第1または第2
のマスクによって低減されたTFT構造となっている。
なお、画素マトリクス回路に限らず、本実施例では、裏
面露光によってレジストマスクを形成したため、ゲート
配線の上方にはマスクが設けられており、他の配線との
配線間容量を低減している。
【0121】本実施例を実施して作製されたTFTは、
よりばらつきの少ない電気特性を示す。また、本実施例
を実施例1乃至3のいずれか一と組み合わせることは可
能である。
【0122】〔実施例6〕 本実施例では実施例1と異
なるLDD構造のTFTを作製した場合の例について図
8、図9を用いて説明する。なお、本実施例は、実施例
1とは図1(C)の工程までは同一であり、図1(C)
に相当する図を図8(A)に示した。また、図8、図9
に使われている符号は図1または図3と同一である。ま
た、図9の上面図は符号は異なるものの図4とほぼ同一
である。
【0123】本実施例は、図8(C)に示すように、ゲ
ート配線の上方に低濃度不純物領域(n- 領域)614
を形成することを特徴の一つとしている。
【0124】本実施例は、図8(A)の状態までの工程
は、実施例1と同じであるため、省略する。
【0125】次に、実施例1と同様に、裏面からの露光
によりゲート配線と形状がほぼ同一な第1のマスク60
9を形成した後、不純物を添加して高濃度不純物領域
(n+領域)610を形成する。第1のマスク609に
もリン元素が添加される。(図8(B))
【0126】次いで、第1のマスク609をパターニン
グ加工または除去後、ゲート配線よりも幅の小さい第2
のマスク612aを形成した後、不純物を添加して低濃
度不純物領域(n- 領域)614を形成する。本実施例
では、通常のパターニング方法を用いてゲート配線より
も幅の小さい第2のマスク612aを形成した。このよ
うにして、LDD構造を形成する。同様に第2のマスク
にもリン元素が添加される。(図8(C))
【0127】第1のマスク608又は第2のマスク61
2aを形成する方法としては、通常のパターニング方法
によるレジストマスク形成方法または、裏面からの光を
故意にゲート配線の上方に回り込ませるレジストマスク
形成方法を用いることができる。
【0128】次いで、Nチャネル型TFTを第3のマス
ク615で覆い、絶縁膜105を介して第3の不純物の
添加を行い、高濃度不純物領域(P型領域)617を形
成した。(図8(D))本実施例では、P型の導電性を
付与する不純物としてボロン元素を用い、ボロンのドー
ズ量は、P型領域のボロンイオンの濃度がn+ 型領域に
添加されるリンイオンの濃度の1.3〜2倍程度になる
ようにする。この時、ボロンイオンが添加され、第2の
マスク612b中にリン元素とボロン元素を含む。ま
た、同様に第3のマスクにもボロン元素が添加される。
【0129】また、実施例1と同様に上記第1〜第3の
不純物の添加工程においては絶縁膜105の上から不純
物の注入が行われるので、活性層中に大気からの汚染物
質、特にボロンが混入するおそれがない。従って、活性
層中の不純物の濃度を制御できるため、しきい値のバラ
ツキを抑えることができる。
【0130】また、上記第1〜第3のマスクのパターン
を実施者が適宜設定することにより所望の幅を有するn
- 型領域、n+ 型領域、P型領域、及びチャネル形成領
域を得ることが比較的容易にできる。
【0131】なお、裏面からの露光によるレジストマス
クの形成方法を用いて第1のマスク609及び第2のマ
スク612aを形成した場合は、セルフアラインでLD
D構造が製造でき、製造マスク数を低減することができ
るため好ましい。
【0132】こうして、低濃度不純物領域614がゲー
ト配線102の上方にオーバーラップしているLDD構
造を得た後、第3のマスクのみを除去し、所望の形状に
パターニングした。613で示した領域はn+ 型領域、
616で示した領域(図8(E))
【0133】以降の工程は実施例1に従えば図9で得ら
れる半導体装置が完成する。
【0134】図9においては、低濃度不純物領域をゲー
ト配線の上方にオーバーラップさせて形成した活性層の
部分以外、実施例1の図3とほぼ同一であるので省略す
る。
【0135】本実施例を実施して作製されたTFTは、
よりばらつきの少ない電気特性を示す。また、本実施例
を実施例1乃至5のいずれか一と組み合わせることは可
能である。
【0136】〔実施例7〕 図10で示すように、本実
施例では、実施例1とは異なる方法により保護膜を形成
した例を示す。
【0137】図10(A)に示した工程は、実施例1の
図1(A)に相当している。本実施例と実施例1の異な
る点は、図10(B)に示すようにゲート絶縁膜103
及び半導体膜104を連続成膜した後、大気、酸素、ま
たは酸化性雰囲気下でのレーザー結晶化工程において、
結晶性半導体膜を形成すると同時に表面に酸化膜を形成
する点である。また、図10(B)の工程において、前
記半導体膜を成膜する前に被膜形成面上を、活性水素ま
たは水素化合物によって汚染物を減少させる構成として
もよい。
【0138】図10(C)で示したように大気、酸素、
または酸化性雰囲気中で上記レーザー条件により形成さ
れた酸化膜105を保護膜として用いる。レーザー照射
条件は、パルス周波数が150Hz、オーバーラップ率
は80〜98%、本実施例では96%、レーザーエネル
ギー密度は100〜500mJ/cm2、好ましくは280〜
380mJ/cm2であり本実施例では350mJ/cm2とした。
なお、レーザー結晶化の条件(レーザー光の波長、オー
バーラップ率、照射強度、パルス幅、繰り返し周波数、
照射時間等)は、半導体膜104の膜厚、基板温度等を
考慮して実施者が適宜決定すればよい。また、この酸化
膜はマスク形成の際の下地膜に適している。
【0139】以降の工程は実施例1に従えば半導体装置
が完成する。また、本実施例を実施例1乃至6のいずれ
か一と組み合わせることは可能である。
【0140】〔実施例8〕 本実施例では、実施例1と
異なる装置を用いて半導体装置を作製した例である。
【0141】本実施例では、ゲート絶縁膜及び絶縁膜の
形成専用の第1のチャンバーと、半導体膜の形成専用の
第2のチャンバーとを備えた装置を用いて、高真空を保
ったまま、各チャンバーを移動させることにより積層形
成させる。
【0142】本実施例は、基板としてガラス基板、下地
膜として酸化窒化珪素膜(SiOxNyで示される)、
ゲート配線を形成する工程までは、実施例1と同一であ
る。次いで、三層(ゲート絶縁膜/半導体膜/絶縁膜)
を積層形成する。
【0143】まず、第1のチャンバーで窒化酸化シリコ
ン膜からなるゲート絶縁膜を成膜した後、第2のチャン
バーで半導体膜を成膜する。そして、再び第1のチャン
バーでゲート絶縁膜より薄い窒化酸化シリコン膜からな
る絶縁膜(保護膜)を形成した。なお、本実施例におい
ては前記半導体膜を成膜する前に被膜形成面上を、活性
水素または水素化合物によって汚染物を減少させた。以
降の工程は実施例1に従えば半導体装置が完成する。こ
のような装置を用いることで、図13で示した装置と比
較してチャンバーが少なく、装置設備コストが低価格で
すむため、生産性を向上させることができた。
【0144】また、本実施例を実施例1乃至7のいずれ
か一と組み合わせることは可能である。
【0145】〔実施例9〕 本実施例では、実施例1と
は異なるマスクを用いて半導体装置を作製した例であ
る。基本的な構成は実施例1とほぼ同様であるので、相
違点のみに着目して説明する。
【0146】実施例1では、リン元素を添加する際、同
じマスクを用いたためPチャネル型TFTのソース領域
及びドレイン領域にも添加する構成としたが、本実施例
では、リン元素の添加工程と、ボロン元素の添加工程を
別々のマスクを用いて行った。即ち、リン元素の添加工
程の際、Pチャネル型TFTをマスクで覆った。このた
め、実施例1のようにn+ 型領域に添加されるリンイオ
ンの濃度の1.3〜2倍程度になるようなボロンのドー
ズ量を添加する必要はなく、制御性よくPチャネル型T
FTを作製することができた。
【0147】また、本実施例を実施例1乃至8のいずれ
か一と組み合わせることは可能である。
【0148】〔実施例10〕 本実施例では、本願発明
によって作製された液晶表示装置の例を図11に示す。
画素TFT(画素スイッチング素子)の作製方法やセル
組工程は公知の手段を用いれば良いので詳細な説明は省
略する。
【0149】図11において800は絶縁表面を有する
基板(酸化シリコン膜を設けたガラス基板)、801は
画素マトリクス回路、802は走査線駆動回路、803
は信号線駆動回路、830は対向基板、810はFPC
(フレキシブルプリントサーキット)、820はロジッ
ク回路である。ロジック回路820としては、D/Aコ
ンバータ、γ補正回路、信号分割回路などの従来ICで
代用していた様な処理を行う回路を形成することができ
る。勿論、基板上にICチップを設けて、ICチップ上
で信号処理を行うことも可能である。
【0150】さらに、本実施例では液晶表示装置を例に
挙げて説明しているが、アクティブマトリクス型の表示
装置であればEL(エレクトロルミネッセンス)表示装
置やEC(エレクトロクロミックス)表示装置に本願発
明を適用することも可能であることは言うまでもない。
【0151】また、本願発明を用いて作製できる液晶表
示装置は透過型か反射型かは問わない。どちらを選択す
るのも実施者の自由である。この様に本願発明はあらゆ
るアクティブマトリクス型の電気光学装置(半導体装
置)に対して適用することが可能である。
【0152】なお、本実施例に示した半導体装置を作製
するにあたって、実施例1〜実施例9のどの構成を採用
しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いるこ
とが可能である。
【0153】〔実施例11〕 本願発明は従来のIC技
術全般に適用することが可能である。即ち、現在市場に
流通している全ての半導体回路に適用できる。例えば、
ワンチップ上に集積化されたRISCプロセッサ、AS
ICプロセッサ等のマイクロプロセッサに適用しても良
いし、液晶用ドライバー回路(D/Aコンバータ、γ補
正回路、信号分割回路等)に代表される信号処理回路や
携帯機器(携帯電話、PHS、モバイルコンピュータ)
用の高周波回路に適用しても良い。
【0154】また、マイクロプロセッサ等の半導体回路
は様々な電子機器に搭載されて中枢回路として機能す
る。代表的な電子機器としてはパーソナルコンピュー
タ、携帯型情報端末機器、その他あらゆる家電製品が挙
げられる。また、車両(自動車や電車等)の制御用コン
ピュータなども挙げられる。本願発明はその様な半導体
装置に対しても適用可能である。
【0155】なお、本実施例に示した半導体装置を作製
するにあたって、実施例1〜実施例9のどの構成を採用
しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いるこ
とが可能である。
【0156】〔実施例12〕本願発明を実施して形成さ
れたCMOS回路や画素マトリクス回路は様々な電気光
学装置(アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ、ア
クティブマトリクス型ELディスプレイ、アクティブマ
トリクス型ECディスプレイ)に用いることができる。
即ち、それら電気光学装置を表示媒体として組み込んだ
電子機器全てに本願発明を実施できる。
【0157】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴ
ーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、パーソ
ナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュー
タ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。そ
れらの一例を図12に示す。
【0158】図12(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2001、画像入力部2002、表示装置2
003、キーボード2004で構成される。本願発明を
画像入力部2002、表示装置2003やその他の信号
制御回路に適用することができる。
【0159】図12(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示装置2102、音声入力部2103、操
作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部21
06で構成される。本願発明を表示装置2102、音声
入力部2103やその他の信号制御回路に適用すること
ができる。
【0160】図12(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示装置2205で構成される。本願発明は表示装置22
05やその他の信号制御回路に適用できる。
【0161】図12(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体2301、表示装置2302、アーム部23
03で構成される。本発明は表示装置2302やその他
の信号制御回路に適用することができる。
【0162】図12(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示装置2402、スピーカ部24
03、記録媒体2404、操作スイッチ2405で構成
される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Di
gital Versatile Disc)、CD等
を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネット
を行うことができる。本発明は表示装置2402やその
他の信号制御回路に適用することができる。
【0163】図12(F)はデジタルカメラであり、本
体2501、表示装置2502、接眼部2503、操作
スイッチ2504、受像部(図示しない)で構成され
る。本願発明を表示装置2502やその他の信号制御回
路に適用することができる。
【0164】以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて
広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能で
ある。また、本実施例の電子機器は実施例1〜10のど
のような組み合わせからなる構成を用いても実現するこ
とができる。
【0165】〔実施例13〕本願発明を実施して形成さ
れたCMOS回路や画素マトリクス回路は様々な電気光
学装置(アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ等)
に用いることができる。即ち、それら電気光学装置を表
示媒体として組み込んだ電子機器全てに本願発明を実施
できる。
【0166】その様な電子機器としては、プロジェクタ
ー(リア型またはフロント型)が挙げられる。それらの
一例を図15に示す。
【0167】図15(A)はフロント型プロジェクター
であり、表示装置2601、スクリーン2602で構成
される。本発明は表示装置やその他の信号制御回路に適
用することができる。
【0168】図15(B)はリア型プロジェクターであ
り、本体2701、表示装置2702、ミラー270
3、スクリーン2704で構成される。本発明は表示装
置やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0169】なお、図15(C)は、図15(A)及び
図15(B)中における表示装置2601、2702の
構造の一例を示した図である。表示装置2601、27
02は、光源光学系2801、ミラー2802、280
4〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズ
ム2807、液晶表示装置2808、位相差板280
9、投射光学系2810で構成される。投射光学系28
10は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施
例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単
板式であってもよい。また、図15(C)中において矢
印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機
能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィル
ム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0170】また、図15(D)は、図15(C)中に
おける光源光学系2801の構造の一例を示した図であ
る。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクタ
ー2811、光源2812、2813、2814、偏光
変換素子2815、集光レンズ2816で構成される。
なお、図15(D)に示した光源光学系は一例であって
特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適
宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相
差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設け
てもよい。
【0171】以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて
広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能で
ある。また、本実施例の電子機器は実施例1〜10のど
のような組み合わせからなる構成を用いても実現するこ
とができる。
【0172】
【発明の効果】図13で示す装置を用いて本願発明を実
施することで、TFTの活性層の界面(主表面側または
裏面側)を一度も大気に触れされる事なく工程が終了す
るため、極めて清浄な界面を実現することができる。
【0173】この様な構成により、特にTFTの電気特
性を左右する活性層とゲート絶縁膜との界面を清浄なも
のとすることができるので、ばらつきが少なく、且つ、
良好な電気特性を示すTFTが実現される。
【0174】また、大気に含まれる汚染物、特にボロン
の混入を保護膜で防ぎ、この保護膜を介して導電性を付
与する不純物を添加するため、正確なしきい値制御を実
現することができる。従来では、SIMS分析を行った
場合、TFTの活性層(チャネル形成領域)の界面(主
表面側または裏面側)にボロンの濃度ピーク(図14中
の点線Bで示した)を有し、そのピーク値は1×1018
atoms /cm3 以上であったが、本発明を利用して作製
したTFTの活性層(チャネル形成領域)の界面(主表
面側または裏面側)にはボロンの濃度ピークはなく、ほ
ぼ均一な濃度プロファイル(図14中の点線A)を示
し、ボロンの濃度の最高値は3×1017atoms /cm3
以下、好ましくは1×1017atoms /cm3 以下にする
ことが実現できる。また、活性層(チャネル形成領域)
中の酸素の濃度は2×1019atoms/cm3 以下、炭素
の濃度は5×1018atoms /cm3 以下、窒素の濃度は
5×1018atoms /cm3 以下とすることが実現でき
る。また、活性層(チャネル形成領域)中のナトリウム
の濃度は3×1016atoms /cm3 以下とすることが実
現できる。
【0175】この時、TFTの代表的なパラメータであ
るしきい値電圧はNチャネル型TFTで−0.5〜2
V、Pチャネル型TFTで0.5〜−2Vを実現でき
る。また、サブスレッショルド係数(S値)は0.1〜
0.3V/decadeを実現できる。
【0176】また、上記実施例に示したように、再現性
が高くTFTの安定性を向上し、生産性の高いLDD構
造を備えたTFTを得ることができる。本発明を利用す
ることにより、LDD構造を形成するために使用された
マスクをそのまま遮光膜として用い、活性層、特にチャ
ネル形成領域を光の劣化から保護して信頼性を向上する
ことが実現できる。また、マスクの除去工程を省略する
ことで、短時間でのTFTの製造を可能とした。加え
て、ゲート配線と他の配線との交差部においては、マス
クが絶縁膜として機能するため、配線間容量を低減して
TFTの電気特性を向上することが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 TFTの作製工程を示す図(実施例1)。
【図2】 TFTの作製工程を示す図(実施例1)。
【図3】 半導体装置の構造の一例を示す断面図(実
施例1)。
【図4】 画素マトリクス回路及びCMOS回路の上
面図(実施例1)。
【図5】 半導体装置の構造の一例を示す断面図(実
施例3)。
【図6】 半導体装置の構造の一例を示す断面図(実
施例4)。
【図7】 半導体装置の構造の一例を示す断面図(実
施例5)。
【図8】 TFTの作製工程を示す図(実施例6)。
【図9】 半導体装置の構造の一例を示す断面図(実
施例6)。
【図10】 TFTの作製工程を示す図(実施例
7)。
【図11】 半導体装置(液晶表示装置)の構成を示
す図(実施例10)。
【図12】 半導体装置(電子機器)の例を示す図
(実施例12)。
【図13】 成膜装置の一例を示す図(実施例1)。
【図14】 SIMS分析によるB濃度プロファイル
を示す図(従来例と本発明との比較例)。
【図15】 半導体装置(電子機器)の例を示す図
(実施例13)。
【符号の説明】
100 基板 101 下地膜 102 ゲート配線 103 ゲート絶縁膜 104 半導体膜 105 絶縁膜 106 結晶性半導体膜 107 活性層 108 保護膜 109 第1のマスク 110、114 n- 領域(低濃度不純物領域) 111 チャネル形成領域 112 第2のマスク 113 n+ 領域(高濃度不純物領域) 115 第3のマスク 116 P型領域(高濃度不純物領域) 117 第1の層間絶縁膜 118〜120 配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 627G

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁表面上にゲート配線と、前記ゲート配
    線に接するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に接す
    る活性層と、前記活性層上に接する保護膜と、前記保護
    膜に接し、3価または5価の不純物元素が添加された有
    機樹脂とを有し、前記保護膜は、前記活性層を構成する
    ソース領域、ドレイン領域、及び前記ソース領域とドレ
    イン領域の間に形成されたチャネル形成領域の少なくと
    も一部を覆うことを特徴とする半導体素子からなる半導
    体回路を備えた半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記3価または5価の
    不純物は、ボロンまたはリンであることを特徴とする半
    導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記有
    機樹脂は、光感光性を有していることを特徴とする半導
    体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか一において、前
    記有機樹脂は、遮光性を有していることを特徴とする半
    導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか一において、前
    記保護膜は、半導体膜に赤外光または紫外光を照射する
    ことにより形成する工程を少なくとも経て形成されたこ
    とを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた
    半導体装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4のいずれか一において、前
    記活性層は、前記保護膜を介して赤外光または紫外光を
    照射することにより半導体膜を結晶化する工程を少なく
    とも経て形成された結晶性半導体膜であることを特徴と
    する半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装
    置。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記ゲート絶縁膜、前
    記半導体膜、及び保護膜は、順次大気にふれることなく
    積層形成する工程を少なくとも経て形成されたことを特
    徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体
    装置。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれか一において、前
    記有機樹脂中の3価または5価の不純物の濃度が1×1
    19atoms /cm3 以上であることを特徴とする半導体
    素子からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれか一において、前
    記ゲート絶縁膜と前記チャネル形成領域との界面、また
    は前記保護膜と前記チャネル形成領域との界面における
    半導体膜中のボロンの濃度が3×1017atoms /cm3
    以下であることを特徴とする半導体素子からなる半導体
    回路を備えた半導体装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれか一において、
    前記ゲート絶縁膜と前記チャネル形成領域との界面、ま
    たは前記保護膜と前記チャネル形成領域との界面におけ
    る半導体膜中の酸素の濃度が2×1019atoms /cm3
    以下であることを特徴とする半導体素子からなる半導体
    回路を備えた半導体装置。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれか一におい
    て、前記ゲート絶縁膜と前記チャネル形成領域との界
    面、または前記保護膜と前記チャネル形成領域との界面
    における半導体膜中の炭素または窒素の濃度が5×10
    18atoms /cm3 以下であることを特徴とする半導体素
    子からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  12. 【請求項12】請求項1乃至11のいずれか一におい
    て、前記ゲート配線は、単層構造または積層構造であ
    り、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、ク
    ロム、シリコンから選ばれた一種の元素、或いはP型ま
    たはN型の不純物が添加されたシリコンを主成分とする
    材料からなることを特徴とする半導体素子からなる半導
    体回路を備えた半導体装置。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12のいずれか一におい
    て、前記保護膜の膜厚は、5〜50nmであることを特
    徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体
    装置。
  14. 【請求項14】請求項1乃至13のいずれか一におい
    て、前記半導体回路とは、マイクロプロセッサ、信号処
    理回路または高周波回路であることを特徴とする半導体
    素子からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  15. 【請求項15】請求項1乃至14のいずれか一におい
    て、前記半導体装置は電気光学装置又は電子機器である
    ことを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備え
    た半導体装置。
  16. 【請求項16】請求項15において、前記電気光学装置
    とは液晶表示装置、EL表示装置、EC表示装置又はイ
    メージセンサであることを特徴とする半導体素子からな
    る半導体回路を備えた半導体装置。
  17. 【請求項17】請求項15において、前記電子機器と
    は、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター、
    ゴーグルディスプレイ、カーナビゲーション、パーソナ
    ルコンピュータ又は携帯情報端末であることを特徴とす
    る半導体装置。
  18. 【請求項18】ゲート配線が形成された絶縁表面上にゲ
    ート絶縁膜、半導体膜とを順次大気にふれることなく積
    層形成する工程と、赤外光または紫外光を照射すること
    により前記半導体膜を結晶化して結晶性半導体膜を形成
    すると同時に酸化膜を形成する工程と、前記結晶性半導
    体膜のチャネル形成領域となるべき領域をマスクで覆
    い、前記酸化膜を介して結晶性半導体膜のソース領域ま
    たはドレイン領域となるべき領域に前記3価または5価
    の不純物元素の添加を行う工程と、を有する半導体素子
    からなる半導体回路を備えた半導体装置の作製方法。
  19. 【請求項19】ゲート配線が形成された絶縁表面上にゲ
    ート絶縁膜、半導体膜、絶縁膜とを順次大気にふれるこ
    となく積層形成する工程と、前記絶縁膜を介して赤外光
    または紫外光を照射することにより前記半導体膜を結晶
    化して結晶性半導体膜を得る工程と、前記結晶性半導体
    膜のチャネル形成領域となるべき領域をマスクで覆い、
    前記絶縁膜を介して結晶性半導体膜のソース領域または
    ドレイン領域となるべき領域に3価または5価の不純物
    元素の添加を行う工程と、を有する半導体素子からなる
    半導体回路を備えた半導体装置の作製方法。
  20. 【請求項20】請求項19において、前記ゲート絶縁
    膜、前記半導体膜、及び前記保護膜は、互いに異なるチ
    ャンバーを用いて形成することを特徴とする半導体素子
    からなる半導体回路を備えた半導体装置の作製方法。
  21. 【請求項21】請求項19において、前記ゲート絶縁
    膜、前記半導体膜、及び前記保護膜は、同一のチャンバ
    ーを用いて形成することを特徴とする半導体素子からな
    る半導体回路を備えた半導体装置の作製方法。
  22. 【請求項22】請求項19において、前記ゲート絶縁膜
    及び前記保護膜は、第1のチャンバーを用いて形成し、
    前記半導体膜は、第2のチャンバーを用いて形成するこ
    とを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた
    半導体装置の作製方法。
  23. 【請求項23】請求項18乃至22のいずれか一におい
    て、前記半導体膜を成膜する前に被膜形成面上を、活性
    水素または水素化合物によって汚染物を減少させること
    を特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半
    導体装置の作製方法。
  24. 【請求項24】請求項18乃至23のいずれか一におい
    て、前記ゲート絶縁膜を形成する前に窒化シリコン膜を
    形成する工程を有することを特徴とする半導体素子から
    なる半導体回路を備えた半導体装置の作製方法。
  25. 【請求項25】請求項18乃至24のいずれか一におい
    て、前記ゲート絶縁膜の一部としてBCB(ベンゾシク
    ロブテン)を含む積層膜を形成する工程を有することを
    特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半導
    体装置の作製方法。
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