JP2000150740A - 熱伝導材 - Google Patents

熱伝導材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導率が高くて柔軟性にも優れた熱伝導
材、電気接点障害を招く恐れのない熱伝導材を提供する
こと。 【解決手段】 本発明の熱伝導材は、基材となる合成樹
脂材料中に、熱伝導性フィラーとして金属化合物の水和
物を添加、混合したものである。熱伝導性フィラーは、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜
鉛、水酸化カルシウム、水酸化錫、その他の金属水和物
などである。基材は、合成ゴム等であり、EPDM、ブ
チルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリル
ゴム、フッ素ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴムなどが好適である。ま
た、柔軟性を増すためにオイルを加えてもよい。オイル
としては、プロセスオイル、流動性パラフィン、脂肪
油、塩素化パラフィン、エステル系可塑剤、液状ゴム、
液状ブタジエン、炭化水素系合成潤滑油などが好適であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品等の発熱
体からの放熱を促すため、その発熱体に対して接触する
ように配置して使用される熱伝導材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、シリコーン(オルガノポリシ
ロキサン)を基材にして、その基材中に熱伝導性フィラ
ーを分散させてなる熱伝導材が利用されている。この種
の熱伝導材は、電気・電子装置の内部において、例え
ば、発熱源となる電子部品と、放熱板や筐体パネル等と
いったヒートシンクとなる部品(以下、単にヒートシン
クという)との間に介在させるように配置して使用され
るもので、この熱伝導材を介して、電子部品で発生した
熱をヒートシンク側へ逃がすようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の熱伝導材は、熱伝導性を高めるために、熱伝導性フ
ィラーの含有率を高くすると、柔軟性が低下して電子部
品やヒートシンクに対する密着性が低くなり、実質的な
接触面積が減少してしまうため、期待するほど熱伝導性
を改善することができないという問題があった。
【0004】ここで、単に柔軟性をも高めることを考え
れば、一般的な樹脂材の場合は、発泡剤の添加といった
手段を採用することができる。しかし、熱伝導材の場合
は、過剰に多くの気泡が含まれていると断熱作用が現れ
てしまう恐れがあり、特に、熱伝導性の低下を招かない
範囲内で発泡剤を添加しようとしても、発泡剤により形
成された気泡の存在密度が高い割には熱伝導性フィラー
の存在密度が低い領域が形成されてしまう恐れがあるた
め、その添加量、添加時期、添加方法などの調整に困難
をきわめるという問題があった。
【0005】さらに、シリコーンゴムには、主成分であ
るシリコーンポリマーの他に、いくらかのシリコーンオ
リゴマー(二量体、三量体などの低重合体)が含まれて
いる。そのため、このシリコーンオリゴマーが揮発して
モーターやリレー等の電気接点部分に接近すると、電気
接点部分からの電気エネルギーを受けてシロキサンなど
の絶縁物に変化することがあり、この種の絶縁物が電気
接点部分に堆積することが原因で、接点抵抗の上昇や接
点不良といった電気接点障害を招く恐れがあった。
【0006】本発明は、上記諸問題を解決するためにな
されたものであり、その第1の目的は、熱伝導率が高く
て柔軟性にも優れた熱伝導材を提供することにある。ま
た、第2の目的は、電気接点障害を招く恐れのない熱伝
導材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】上述
の第1の目的を達成するためになされた本発明の熱伝導
材は、基材となる合成樹脂材料中に、熱伝導性フィラー
として金属化合物の水和物を添加、混合したことを特徴
とする。
【0008】本発明の熱伝導材において、熱伝導性フィ
ラーとは、基材の熱伝導率を改善するために添加される
もので、基材中に均一に分散させることのできる粉末状
ないし微粒子状のものである。但し、基材となる合成樹
脂材料中に添加、混合する際には、粉末状ないし微粒子
状のまま混合しなくても、例えば適当な液状体と混合し
た上で混合してもよい。
【0009】本発明の熱伝導材においては、金属化合物
の水和物が、上記熱伝導性フィラーとして添加、混合さ
れているため、熱伝導材を成形加工する際の熱によって
金属化合物の水和物が加熱されると、熱伝導性フィラー
の個々の粒子が微量の水蒸気を発生させ、その水蒸気が
基材中に無数の気泡を形成する。この気泡は、顕微鏡に
よる実測値で、約20〜50μm程度ときわめて微細な
ものである。
【0010】このような気泡が存在すると、気泡が潰れ
ることで基材自体の伸縮が起こりやすくなるのはもちろ
んのこと、単に発泡剤を添加した場合とは異なり、気泡
がちょうど熱伝導性フィラーの個々の粒子に隣接する位
置や粒子を取りまく位置に形成される。そのため、熱伝
導性フィラーの粒子相互、あるいは熱伝導性フィラーと
基材との相対的な変位が容易に起こり得る状態となり、
その結果、熱伝導材全体としての柔軟性がきわめて高く
なる。
【0011】しかも、熱伝導性フィラーからは粒子寸法
に応じた量の水蒸気が発生するので、粒子寸法に応じた
大きさの気泡が粒子数に応じた数だけ形成される。その
ため、単に発泡剤を添加した場合とは異なり、過剰に大
きな気泡が過剰に多く形成されることはなく、特に、気
泡の存在密度のみが高くて熱伝導性フィラーの存在密度
が低い領域が形成されないので、熱伝導材として利用す
るのに適した十分に優れた熱伝導性が確保される。
【0012】したがって、本発明の熱伝導材によれば、
熱伝導性を高めるために熱伝導性フィラーの含有率を高
くしても、従来品ほど柔軟性が低下することはなく、電
子部品やヒートシンクに対する密着性が低くならないの
で、実質的な接触面積が減少せず、熱伝導性を効果的に
改善することができる。具体的な硬度や熱伝導率は、諸
条件によって変化するので一概には特定できないが、実
験的に確認されている範囲で言えば、例えば、硬度につ
いては、JIS A20〜A80程度、特にJIS A
40を下回るものが製造でき、熱伝導率については、少
なくとも0.3W/(m・K)以上、多くの場合は、
0.6W/(m・K)以上程度とすることができ、特
に、0.8W/(m・K)を超える高い熱伝導率を有す
るものも得られる。
【0013】また、発泡剤を用いることなく、熱伝導性
フィラーの添加によって気泡を形成でき、特に、添加
量、添加時期、添加方法などを厳密に選定しなくても、
熱伝導性フィラーの存在密度に応じた密度で適量の気泡
を形成できるので、容易に高い熱伝導率を確保したまま
柔軟性を付与することができる。なお、さらに柔軟性を
高めたければ、必要な熱伝導率が確保される範囲内でい
くらかの発泡剤を加えることは任意であり、その場合で
も、単に発泡剤のみを用いて同程度の柔軟性を確保した
場合に比べれば、熱伝導率が高くなる。
【0014】また、この種の熱伝導材は、発熱体とヒー
トシンクとの間に挟み込んで使用される場合が多々あ
り、そのような場合には熱伝導材が圧縮されるため、熱
伝導材に歪みが生じるが、熱伝導材内部に気泡がある
と、発熱体から伝わる熱で気泡内の気体が熱膨張するた
め、その圧力で歪みが解消されて発熱体やヒートシンク
との密着性が高まることになり、これも熱抵抗の低下に
寄与する。
【0015】さらに、熱伝導材内部に無数の気泡が形成
されていると、制振・防振材、緩衝材としての機能も高
くなり、吸音材としても良好な性能を発揮するので、例
えば、モーターのような騒音源をこの熱伝導材で囲むこ
とにより、放熱を図りながら騒音を抑制することができ
る。
【0016】加えて、熱伝導性フィラーとして金属化合
物の水和物を添加、混合すると、熱伝導材の難燃性がき
わめて高くなるという効果もある。したがって、特に、
高音となる箇所、発火の危険性があるような箇所に対し
てでも適用できる。ところで、本発明において、金属化
合物の水和物としては、例えば請求項2に記載の通り、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜
鉛、水酸化カルシウム、水酸化錫の中から選ばれる1種
または2種以上の混合物を利用すると望ましい。これら
の化合物は、加熱に伴って水蒸気を放出するので、所期
の気泡形成作用があり、しかも、熱伝導率が比較的高い
ので、熱伝導性フィラーとしての性能も申し分ない。但
し、本発明は、水和物が放出する水蒸気で気泡が形成さ
れ、その水和物が熱伝導性フィラーとしても機能する点
に特徴があるので、同様に機能する化合物であれば、上
記以外の化合物を熱伝導性フィラーとして採用すること
も可能であり、例えば、金属酸化物の水和物や、その
他、金属酸化物以外の金属化合物の水和物などを採用し
てもよい。
【0017】また、熱伝導材の形状については、特に限
定されず、適用箇所に応じた形態に適宜加工して利用す
ることができる。例えば、汎用性を高くするには、熱伝
導材をブロック状、シート状などの形態に成形してお
き、使用時に適用箇所に応じて所望の形状に切削、切断
して利用するようにすればよい。あるいは、適用箇所に
応じた形状の金型内で成形して、そのまま利用できるよ
うにしてもよい。熱伝導材を配置するに当たっては、適
当な接着剤や両面テープで貼り付けてもよいし、2つの
部品間に挟み込んでもよいし、場所によっては単に設置
するだけでもよい。接着剤や両面テープで貼り付ける場
合は、これら接着剤や両面テープがあらかじめ熱伝導材
に貼着されていてもよく、このような熱伝導材であれ
ば、粘着面を被覆している剥離シートを剥がすだけで、
熱伝導材を簡単に所望の箇所へ貼り付けることができ
る。
【0018】次に、上述の第1の目的に加え、第2の目
的をも達成するため、請求項3に記載の熱伝導材は、前
記基材として、全体に対する重量比で1〜30重量%の
合成ゴムを含み、前記熱伝導性フィラーとして、全体に
対する重量比で45〜65重量%の前記金属化合物の水
和物を含み、さらに、軟化剤として、全体に対する重量
比で10〜50重量%のオイルを含むことを特徴とす
る。
【0019】このように構成された熱伝導材は、シリコ
ーンゴムを基材とする熱伝導材とは異なり、合成ゴムを
基材として採用しているので、基材中からシリコーンオ
リゴマーが揮発することはない。そのため、モーターや
リレー等の電気接点を有する電気・電子部品の近くに配
置しても、シリコーンオリゴマーに起因する電気接点障
害を招く恐れがない。
【0020】したがって、例えば、磁気ディスク装置や
光ディスク装置などの放熱対策に利用すれば、ディスク
駆動用のモーターに悪影響を及ぼすことがないという利
点がある。また、上述の通り、この熱伝導材は、制振・
防振材、あるいは緩衝材として利用することもできるの
で、例えば、モーターのような振動源となる部品をこの
熱伝導材で押さえ込めば、接点障害を回避しながら放熱
を図ることができ、しかも同時に振動を抑制することが
できるので、熱伝導材と防振材をそれぞれ別々に適用す
る場合に比べれば、製造コストの抑制および機器の小型
化を図ることも可能となる。
【0021】なお、請求項3に記載の熱伝導材において
用いられる合成ゴムは、熱伝導材の基材となる成分であ
り、例えば、EPDM、ブチルゴム、クロロプレンゴ
ム、アクリルゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、クロロ
スルフォン化ポリエチレンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴムを採用すると望ましい。合成ゴムの含有量は、1〜
30重量%の範囲内に調製するとよく、望ましくは5〜
20重量%、より望ましくは8〜14重量%程度に調製
するとよい。この含有量が1重量%を下回ると、基材に
要求される強度を維持することが困難になる。一方、合
成ゴムの含有量が30重量%を上回ると、十分に満足な
熱伝導率を確保することが困難になり、硬度が高くなり
やすい。
【0022】また、上記各種合成ゴムの中でも、請求項
4に記載の通り、EPDMを用いることが望ましい。E
PDMは、エチレン、プロピレン、および少量のジエン
モノマーを構成単位とする三元共重合体であり、EPD
Mを用いた場合は、熱伝導性フィラーの含有率を高くし
ても強度を維持しやすい、軟化剤等の添加により柔軟性
を高くしやすい、耐熱温度を高くすることができる、耐
候性に優れている、といった優れた効果がある。
【0023】さらに、オイルは、主に合成ゴムの柔軟性
を改善する可塑剤あるいは軟化剤として添加されるもの
で、より具体的な例を挙げれば、請求項5に記載の通
り、プロセスオイル、流動性パラフィン、脂肪油、塩素
化パラフィン、エステル系可塑剤、液状ゴム、液状ブタ
ジエン、および炭化水素系合成潤滑油の中から選ばれる
1つまたは2つ以上の混合物を採用すると望ましい。
【0024】但し、合成ゴムの柔軟性を改善することが
できれば、上記以外のオイルを採用してもよい。オイル
の含有量は、通常、10〜50重量%の範囲内、望まし
くは、20〜40重量%の範囲内に調製するとよい。こ
の含有量が10重量%を下回ると、柔軟性が低下して電
子部品等との密着性が悪くなるといった傾向が顕著にな
る。一方、オイルの含有量が50重量%を上回ると、熱
伝導材表面に過剰にオイルが滲み出やすくなって、熱伝
導材表面がべとつきやすくなるため、用途によっては問
題となる場合がある。
【0025】但し、用途によっては、請求項6に記載の
ように、前記オイルが表面に滲み出ているものでもよ
い。このような熱伝導材は、表面に粘着性があるので、
オイルの滲出が問題とならない箇所であれば、接着剤等
を用いることなく熱伝導材を貼着できるという効果があ
る。
【0026】熱伝導性フィラーの含有量は、通常45〜
65重量%の範囲内、望ましくは50〜60重量%の範
囲内に調製するとよい。この含有量が45重量%を下回
ると、熱伝導率が低くなるため、熱伝導材として十分に
満足な性能を得ることが困難になる。一方、熱伝導性フ
ィラーの含有量が65重量%を上回ると、硬度が上がっ
て硬くなるため、強度不足になったり、電子部品等との
密着性が悪くなるといった傾向が顕著になる。
【0027】なお、上記の合成ゴム、オイル、および熱
伝導性フィラーの重量比は、熱伝導材全体に対する重量
比であるが、これらの成分のみで熱伝導材が構成されて
いなくてもよく、本発明の熱伝導材の機能を損なわない
範囲内であれば、上記主成分とは別に、さらに、反応速
度を調節するための各種触媒や、顔料や染料などの着色
剤、あるいはその他の安定剤や添加剤等を含んでいても
よい。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
一例を挙げて説明する。以下に説明する手順で、熱伝導
材を製造した。基材となる合成ゴムに、熱伝導性フィラ
ーを加えて、混練機で混練した。本実施形態において、
合成ゴムとしては、EPDMを利用した。また、熱伝導
性フィラーとしては、水酸化アルミニウムを利用した。
混練機としては、ロールミル、バンバリーミキサー、イ
ンターミックス、加圧型ニーダーなどの密閉型混練機、
連続混練機を利用できる。また、混練の際には、その他
の成分として、可塑剤ないし軟化剤となるオイル、およ
び少量の各種添加成分を添加した。本実施形態におい
て、オイルとしては、塩素化パラフィンを利用した。ま
た、各種添加成分としては、例えば、活性剤、加工助
剤、離型剤、安定剤等を加えることができる。
【0029】その後、さらに加硫剤、加硫促進剤を加え
て、ロールミル、加圧型ニーダーにて混練した。この
時、必要があれば発泡剤を加えてもよい。次に、上記ゴ
ム組成物を金型内に入れて温度を高めることにより加硫
を行い、所期の熱伝導材を形成した。なお、熱伝導材を
形成する工程は、通常の加硫ゴムの製造に供される手法
でよく、上記の他、例えば、押し出し機を用いて任意形
状に成形したのち、加硫槽内で加熱して加硫を行うこと
により、所期の熱伝導材を形成してもよい。
【0030】次に、上記手順で得られた数種の熱伝導材
の硬度を、JIS 6301K(A硬度)に従って測定
した。また、各熱伝導材の熱伝導率を、迅速熱伝導率測
定計(QTM−500,京都電子製)を使って測定し
た。各熱伝導材の主要成分と、硬度および熱伝導率を下
記表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】上記表1から明らかなように、上記各熱伝
導材は、いずれも高い柔軟性と高い熱伝導率の双方を兼
ね備えている。なお、上記熱伝導材は、表面にオイルが
滲み出し、若干の粘着性を有するものとなっていた。
【0033】また、上記熱伝導材を顕微鏡で観察したと
ころ、熱伝導性フィラーを核として50μ程度以下の気
泡が形成されていること、熱伝導性フィラーが存在せず
気泡だけが存在しているような領域が存在しないことな
どが判明した。このような微細な気泡は、熱伝導経路の
連続性を減少させる要因となるので、気泡のみが偏在し
ていると断熱作用が現れやすいが、上記熱伝導材の場合
は、気泡の近傍に確実に熱伝導性フィラーが存在するの
で、気泡による断熱作用は低下し、これが、高い熱伝導
性を備える一因になっているものと推察される。また、
熱伝導性フィラーの周囲に気泡による空間があると、熱
伝導材が変形する際には、空間が潰れ、あるいは、熱伝
導性フィラーが空間内で変位できるので、これらが、高
い柔軟性を備える一因になっているものと推察される。
【0034】いずれにしても、上記各熱伝導材によれ
ば、熱伝導率はもちろんのこと、電子部品やヒートシン
クに対する密着性が高いので、これらの相乗効果によ
り、従来の熱伝導材以上に放熱を促すことができる。ま
た、シリコーンゴムを基材とするものとは異なり、基材
中にシリコーンオリゴマーが含まれていないため、この
シリコーンオリゴマーの揮発に起因する接点抵抗の上昇
や接点不良といった電気接点障害を招く恐れがない。
【0035】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明の実施形態については上記のもの以外にも種
々の具体的形態が考えられる。例えば、上記実施形態で
は、熱伝導性フィラーとして、水酸化アルミニウムを使
用する例を示したが、同様な金属酸化物の水和物、ある
いはその他の金属化合物の水和物を熱伝導性フィラーと
してもよく、具体的には、水酸化アルミニウムの他、例
えば、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシ
ウム、水酸化錫などを利用することができる。これら
は、単独で用いるのはもちろんのこと、複数種を混合し
て用いても何ら問題はない。
【0036】また、上記実施形態では、基材として、E
PDMを用いたが、これ以外の合成ゴムや、その他の軟
質合成樹脂材料でもよく、具体的には、ブチルゴム、ク
ロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、フッ素
ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、スチレン
−ブタジエンゴムなどを利用することができる。
【0037】さらに、上記実施形態では、オイルとし
て、塩素化パラフィンを用いたが、これ以外の軟化剤な
いし可塑剤であってもよく、具体的には、プロセスオイ
ル、流動性パラフィン、脂肪油、塩素化パラフィン、エ
ステル系可塑剤、液状ゴム、液状ブタジエン、炭化水素
系合成潤滑油などを利用することができる。塩素化パラ
フィンのような塩素含有化合物を用いない場合は、ハロ
ゲンフリーであり、例えば焼却等による廃棄処分の際に
有害物質が発生する可能性を、より低くすることができ
るので、最近の環境問題にもよい。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月2日(1999.9.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】上述
の第1の目的を達成するためになされた本発明の熱伝導
材は、基材となる合成樹脂材料中に、熱伝導性フィラー
として、加熱に伴って水蒸気を放出する金属化合物の水
和物を添加、混合したことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明の熱伝導材においては、加熱に伴っ
て水蒸気を放出する金属化合物の水和物が、上記熱伝導
性フィラーとして添加、混合されているため、熱伝導材
を成形加工する際の熱によって金属化合物の水和物が加
熱されると、熱伝導性フィラーの個々の粒子が微量の水
蒸気を発生させ、その水蒸気が基材中に無数の気泡を形
成する。この気泡は、顕微鏡による実測値で、約20〜
50μm程度ときわめて微細なものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材となる合成樹脂材料中に、熱伝導性フ
    ィラーとして金属化合物の水和物を添加、混合したこと
    を特徴とする熱伝導材。
  2. 【請求項2】前記金属化合物の水和物が、水酸化アルミ
    ニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カル
    シウム、水酸化錫の中から選ばれる1種または2種以上
    の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝
    導材。
  3. 【請求項3】前記基材として、全体に対する重量比で1
    〜30重量%の合成ゴムを含み、 前記熱伝導性フィラーとして、全体に対する重量比で4
    5〜65重量%の前記金属化合物の水和物を含み、 さらに、軟化剤として、全体に対する重量比で10〜5
    0重量%のオイルを含むことを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の熱伝導材。
  4. 【請求項4】前記合成ゴムが、EPDMであることを特
    徴とする請求項3に記載の熱伝導材。
  5. 【請求項5】前記オイルが、プロセスオイル、流動性パ
    ラフィン、脂肪油、塩素化パラフィン、エステル系可塑
    剤、液状ゴム、液状ブタジエン、および炭化水素系合成
    潤滑油の中から選ばれる1つまたは2つ以上の混合物で
    あることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の
    熱伝導材。
  6. 【請求項6】前記オイルが、熱伝導材の表面に滲み出て
    いることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに
    記載の熱伝導材。
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