JP2011094088A - 高比重エラストマー材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来品に比べ、遮音性、制振性、熱伝導性及び柔軟性すべてに優れた高比重エラストマー材料を提供すること。
【解決手段】本発明の高比重エラストマー材料は、フッ素ゴムに対し、比重7.7〜8.0、メジアン径6μm〜10μmの高比重充填剤と、直径20nm〜200nm、繊維長5μm〜20μmの炭素繊維とを配合してなる高比重エラストマー材料であって、100重量部のフッ素ゴムに対し、フッ素ゴムに対する重量比で、300〜450重量部の高比重充填剤と、5〜15重量部の炭素繊維が配合されている。高比重充填剤としては、ステンレス鋼を利用すると好ましく、炭素繊維としては気相成長炭素繊維を利用すると好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、遮音性、制振性、熱伝導性及び柔軟性に優れた高比重エラストマー材料に関する。
各種OA機器、電子機器、車載機器などにおいては、例えば、モーターを内蔵する機器など、騒音の発生源となる内部機構を備えたものがあるが、このような騒音を抑制するため、制振シートを貼り付けるなどの対策が施されている。これにより、振動や騒音を吸収して、空気伝播音を遮断したり、振動伝達を低減したりすることができる。また、遮音性や制振性を有する各種エラストマー材料も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3047473号公報
しかし、従来は、高い遮音性を発揮する材料であっても、必ずしも制振性に優れているとは限らなかったため、例えば、空気伝播音を遮断することはできても、振動伝達音を抑制することはできないことがあった。逆に、振動伝達音を抑制可能な制振性に優れた材料であっても、必ずしも空気伝播音に対する遮音性に優れているとは限らないので、この場合は、振動伝達音を抑制できても、空気伝播音を遮断することはできなかった。
さらに、モーターのような騒音発生源は、熱の発生源でもあるため、いたずらに遮音材や制振材で周囲を包囲してしまうと、放熱ができなくなってしまい、耐用寿命を縮めてしまうおそれがある、という問題もあった。
こうした問題に対し、熱対策を行う方法としては、熱伝導性に優れた材料で形成された放熱部材によって熱源側から熱を奪うことで、熱源側からの放熱を促すといった方法もあるが、このような熱対策用の材料も、必ずしも遮音性や制振性には優れていないものであった。
したがって、遮音性、制振性及び熱伝導性、これらすべての面において優れた材料を探し出すことは容易なことではなく、空気伝播音対策、振動対策及び熱対策を同時に実施することはきわめて難しい、という問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、従来品に比べ、遮音性、制振性、熱伝導性及び柔軟性すべてに優れた高比重エラストマー材料を提供することにある。
以下、本発明において採用した構成について説明する。
本発明の高比重エラストマー材料は、フッ素ゴムに対し、比重7.7〜8.0、メジアン径6μm〜10μmの高比重充填剤と、直径20nm〜200nm、繊維長5μm〜20μmの炭素繊維とを配合してなる高比重エラストマー材料であって、100重量部の前記フッ素ゴムに対し、当該フッ素ゴムに対する重量比で、300〜450重量部の前記高比重充填剤と、5〜15重量部の前記炭素繊維が配合されていることを特徴とする。
また、本発明の高比重エラストマー材料においては、前記高比重充填剤が、ステンレス鋼であると好ましい。
また、本発明の高比重エラストマー材料においては、前記炭素繊維が、気相法によって生成・成長させた気相成長炭素繊維であると好ましい。
さらに、本発明の高比重エラストマー材料は、比重が4以上、熱伝導率が1W/(m・K)以上、損失係数が20℃で0.03以上とされていると好ましい。
また、本発明の高比重エラストマー材料は、JIS A硬度が65〜90とされていると好ましい。
また、本発明の高比重エラストマー材料は、比重が4.0以上で、JIS A 1405−2:2007「音響管による吸音率およびインピーダンスの測定−第2部:伝達関数法」に準拠して測定される垂直入射音響透過損失が、2000Hz〜6300Hzの範囲において、30dB以上とされていると好ましい。
以下、本発明の構成について、さらに詳しく説明する。
本発明の高比重エラストマー材料によれば、上記のような各成分(すなわち、フッ素ゴム、高比重充填剤、炭素繊維)が、本発明で規定する特徴的な配合比で配合されているので、遮音性、制振性、熱伝導性及び柔軟性のすべてに優れた高比重エラストマー材料となる。この事実は、本件発明者らが、様々な材料を選定して、それらの配合比を変えながら数多くの試験を繰り返す中で見いだしたものである。
より詳しく説明すると、本発明において、フッ素ゴムとしては、2元系フッ素ゴム(例えば、VDF−HFP;フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン)や、3元系フッ素ゴム(例えば、VDF−HFP−TFE;フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン)など、公知のフッ素ゴムを任意に利用することができる。また、フッ素ゴムの加硫方法としては、アミン加硫、ポリオール加硫、パーオキサイド加硫など、いずれを利用することができるが、より安定した加硫を行うことができる点では、ポリオール系が好ましい。
また、高比重充填剤としては、比重7.7〜8.0、メジアン径6μm〜10μmで、他の成分との間で互いに悪影響が無く、他の成分を加えた後の混練性、成形性、耐用寿命にも問題が無い成分が選ばれる。なお、メジアン径とは、頻度曲線上の頻度50%における粒径であり、平均粒径の1種である。このような条件のもと、本発明を実施する上で好適な高比重充填剤の代表例としては、ステンレス鋼を挙げることができる。
すなわち、ステンレス鋼は、比重が大きく、熱伝導も良好であり、耐食性も良いので、本発明でいう高比重充填剤として好適なものである。また、ステンレス鋼は、コスト面でも安価である。ちなみに、コストの増加を考慮しなければ、タングステンやモリブデンを併用しても問題は無い。すなわち、本発明でいう高比重充填剤としては、ステンレス鋼粉末を単独で用いても良いし、ステンレス鋼粉末に対してタングステン粉末やモリブデン粉末を加えたものを用いても良い。
このような高比重充填剤を、他の成分とともにフッ素ゴム100重量部に対して300〜450重量部の範囲内で配合することで、最終的に得られる高比重エラストマー材料の比重を4.0以上とすることができ、これにより、優れた遮音性を発現させることができる。
なお、この高比重充填剤については、その配合量が300重量部を下回ると、最終的に得られる高比重エラストマー材料の比重を十分に向上させることが難しくなり、この場合は、十分な遮音性を確保することが困難になる。一方、高比重充填剤の配合量が450重量部を上回ると、高比重エラストマー材料の成形性が悪くなり、成形後の形状維持が困難になるなどの問題を招く。
また、本発明において、炭素繊維としては、最終的に得られる高比重エラストマー材料の熱伝導性を向上させる成分であり、直径20nm〜200nm、繊維長5μm〜20μm程度のものであれば、様々な炭素繊維を用いることができるが、混練性や分散性、あるいはより良好な熱伝導性を発揮する点などを考慮すると、炭素繊維としては、気相法によって生成・成長させた気相成長炭素繊維を利用すると好ましい。
このような炭素繊維を、他の成分とともにフッ素ゴム100重量部に対して10〜50重量部の範囲内で配合することで、最終的に得られる高比重エラストマー材料の熱伝導率を1W/(m・K)以上にまで改善することができる。
なお、この種の炭素繊維は、比重が小さくてかさ高い成分であるため、いたずらに配合比を上げると最終的に得られる高比重エラストマー材料の遮音性を低下させる要因となり得る。また、いたずらに配合比を上げると最終的に得られる高比重エラストマー材料が硬くなる傾向があるので、良好な制振性を確保する上でも不利になる。
この点、本件発明者らは、炭素繊維の配合比を15重量部以下に抑えれば、後は、高比重充填剤の配合比を調節することで、良好な遮音性が発現することを見いだした。すなわち、炭素繊維の配合比が15重量部を超過すると、上述の通り、熱伝導性が向上するとしても遮音性には劣るものとなるおそれがあるが、炭素繊維の配合比が15重量部以下に抑えられていれば、熱伝導性と遮音性の双方をバランス良く改善することが可能となる。
また、炭素繊維の配合比が5重量部を下回ると、最終的に得られる高比重エラストマー材料の熱伝導性を十分に向上させることが難しくなるが、この点も炭素繊維の配合比が5重量部以下になっていれば問題ない。
ちなみに、公知の炭素系フィラーとしては、炭素繊維以外のもの(例えば、カーボンブラックや黒鉛)も知られているが、本発明においては炭素繊維を用いることが重要である。炭素繊維以外の炭素系フィラーでは、遮音性、制振性、熱伝導性及び柔軟性のすべてにおいて、各性能を改善することは難しい。
したがって、これらの知見に基づいて、本発明においては上述の如き構成を採用し、その結果、従来品に比べ、遮音性、制振性、熱伝導性及び柔軟性を改善することができたのである。
このような本発明の高比重エラストマー材料であれば、騒音対策部品、振動対策部品、熱対策部品としての機能をすべて兼ね備えた成形品の材料として利用することができ、特に、これら騒音対策、振動対策、熱対策などが同時に必要な場合に、効果的な材料となる。
例えば、モーターやHDDなど、騒音や振動が発生しやすく、しかも、自己発熱する電機部品や電子機器に対して、本発明の高比重エラストマー材料で製造された部品を適用すれば、その部品によって放熱を促しつつ、空気電波音に対する音対策が可能となる。また、ポンプやモーターなどが振動を発生させても、その振動が筐体に伝わるのを、この高比重エラストマー製の部品で抑制することができ、これにより、筐体の振動音を低減することができる。
特に、本発明の高比重エラストマー材料において、比重が4以上、熱伝導率が1W/(m・K)以上、損失係数が20℃で0.03以上とされているものであれば、20℃付近を中心とする常温域において、良好な遮音性、制振性及び熱伝導性を発揮させることができるので、そのような常温域で使用される機器に適用するのに好適である。
また、本発明の高比重エラストマー材料は、JIS A硬度が65〜90とされていると好ましく、これにより、この高比重エラストマー材料を成形してなる部品を配置する面に多少の凹凸があったとしても、その凹凸に追従するかたちで部品を変形させることができるようになるので、密着性の高い部品を製造する際にも好適な材料となる。
さらに、本発明の高比重エラストマー材料は、比重が4.0以上で、JIS A 1405−2:2007「音響管による吸音率およびインピーダンスの測定−第2部:伝達関数法」に準拠して測定される垂直入射音響透過損失が、2000Hz〜6300Hzの範囲において、30dB以上とされていれば、2000Hz〜6300Hzの範囲においては、例えば、ステンレス鋼板などと同程度の遮音性を発揮するようになるので、遮音対策として設けてあった金属板を、本発明の高比重エラストマー材料からなる成形品で代替することが可能となり、特に金属板では実現できなかった柔軟性を発揮するので、狭い場所や曲がった場所などにおいても、従来より容易に遮音対策を施すことができるようになる。
垂直入射音響透過損失特性の一例を示すグラフ。 加振装置の構造を示す説明図。 損失係数の一例を示すグラフ。
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
以下に説明する高比重エラストマー材料は、フッ素ゴムに対し、高比重充填剤としてSUS(ステンレス鋼)粉末と、気相成長炭素繊維を配合したものである。気相成長炭素繊維は、フッ素ゴムの原料組成物とミキサーで予備混合した後に、混練機へ投入してフッ素ゴム中に分散させてある。
本実施形態において、フッ素ゴムとしては、ダイキン工業製、G−7201(ポリオール架橋、架橋剤含)を使用し、SUS粉末としては、エプソンアトミクス製、ステンレス微粉末 ステンレス304L PF−20F(メジアン粒径20μm 比重7.7)を使用し、気相成長炭素繊維としては、昭和電工製、VGCF−H)を使用した。
また、ポリオール架橋の際にフッ酸が生成するため、架橋受酸剤として、酸化マグネシウム(協和化学工業社製、キョーワマグ 150)と、水酸化カルシウム(近江化学工業社製、CALDIC#2000)を配合した。
これらの各成分については、その配合比を下記表1に示すように変更して複数の試料を作成し、それら各試料の性能を評価した。また、比較のため、気相成長炭素繊維の代わりにカーボンブラック(Cancarb社製、Thermax N−990)を配合したものや、一部の成分を配合しない組成物についても、性能を評価した。
性能の評価項目としては、以下の3項目を設定した。
《評価項目1》…混練・成形
大きさ100mm×50mm×厚み1mmの金型を使用し、170℃、15分のプレス加硫を行い、所期の形状に成形でき、且つ、その形状を維持することができる成形品が得られた場合は『○』、それ以外の場合(例えば、成形が不可能、又は脆性が強すぎて成形後の形態維持が困難等といった場合)は『×』とした。
《評価項目2》…比重
遮音性を左右する評価項目であり、比重が4以上なら『○』、4未満なら『×』とした。
《評価項目3》…熱伝導率
熱伝導率は、迅速型熱伝導率計(QTM−500、京都電子工業社製)によって測定した。この熱伝導率については、1W/(m・K)以上なら『○』、1W/(m・K)未満なら『×』とした。
《総合評価》
上記評価項目1〜3のすべてが『○』の場合に、『○』とし、ひとつでも『×』があった場合は『×』とした。
下記表1に、各試料の配合比と、その評価結果を示す。
上記表1に示した総合評価の結果から、実施例1〜4については、比重が高い遮音性に優れた材料であり、また、熱伝導性にも優れた材料であることがわかる。
一方、比較例1〜4は、気相成長炭素繊維が配合されていないものである。そのため、比較例1〜3では、SUS粉の配合比をどのように調製しても、熱伝導率が0.21〜0.85W/(m・K)となり、実施例1〜4ほど熱伝導率を高くすることができなかった。また、比較例4については、SUS粉の配合比が過大になった結果、混練・成形を適切に実施することができなかった。
また、比較例5,6は、SUS粉の配合比が300重量部で、これは実施例1,2と同じであるが、気相成長炭素繊維の配合比が実施例1,2とは相違する。これらのうち、比較例5は、気相成長炭素繊維の配合比が過小であるため、熱伝導率が0.92W/(m・K)となり、実施例1〜4ほど熱伝導率を高くすることができなかった。
一方、比較例6は、気相成長炭素繊維の配合比が大きいため、熱伝導率は1.64W/(m・K)という優れた値を示したが、比重が3.89まで下がってしまう結果となった。したがって、この比較例6の場合、熱伝導率は優れているものの、遮音性の面では実施例1〜4ほどの性能を期待できない結果となった。
比較例7,8は、SUS粉の配合比が450重量部で、これは実施例3,4と同じであるが、気相成長炭素繊維の配合比が実施例3,4とは相違する。これらのうち、比較例7は、気相成長炭素繊維の配合比が過小であるため、熱伝導率が0.95W/(m・K)となり、実施例1〜4ほど熱伝導率を高くすることができなかった。
一方、比較例8は、気相成長炭素繊維の配合比が過大になった結果、混練・成形を適切に実施することができなかった。つまり、適量の気相成長炭素繊維を配合することで(実施例1〜4)、無配合の場合(比較例1〜3)より熱伝導率を改善することはできるが、過剰に配合すると、比重の低下を招いたり(比較例6)、成形性に悪影響を及ぼすことになるのである(比較例8)。
さらに、比較例9,10は、SUS粉の配合比が450重量部で、これは実施例3,4と同じであるが、気相成長炭素繊維に代えて、カーボンブラックを配合した点で実施例3,4とは相違する。なお、比較例9,10におけるカーボンブラックの配合比は、実施例3,4における気相成長炭素繊維の配合比と同じである。
これら比較例9,10において、カーボンブラックは、炭素系フィラーという点では気相成長炭素繊維と同様の成分であるが、熱伝導率は0.87〜0.90W/(m・K)となり、実施例1〜4ほど熱伝導率を高くすることができなかった。
次に、上記実施例1の試料を対象に、以下の評価試験を行った。
《評価試験1》…硬度試験
硬度は、“JIS K 6253”に準拠し、タイプAデュロメータを用いて測定した。その結果、この試料の硬度は65となり、凹凸面にフィットさせることができる程度の十分な柔軟性を備えていることが確認された。なお、この硬度試験については、他の実施例及び比較例についても実施したので、その結果については上記表1に併記した。
《評価試験2》…垂直入射音響透過損失
“JIS A1405−2:2007”に準拠し、垂直入射音響透過損失を測定した。この測定に当たっては、市販の測定器(リオン株式会社製、垂直入射音響計測システム9301型 透過損失計測システム)を使用した。また、試料は厚さ1mmのシート状に成形したもの(以下、遮音シートともいう。)を使用し、比較のため、厚さ1mmのSUS板についても同様の試験を行った。その測定結果を図1に示す。
図1から明らかなように、周波数2000Hz〜6300Hzの音域において、垂直入射音響透過損失30dB以上を確保することができ、SUS板と比較して、何ら遜色の無い遮音性能を発揮すること、一部の音域(周波数2500Hz〜4000Hz)においては、SUS板を上回る遮音性能を発揮することが確認された。
《評価試験3》…制振性試験
図2に示すように、長さ220mm×幅10mm×厚さ1mmの試料1を切り出し、これを長さ250mm×幅10mm×厚さ1mmのSUS板3に対して、長手方向の一端を揃えて貼り合わせた。そして、これを加振装置10に対して片持ち梁状に取り付けた。この取り付けに当たっては、SUS板3の長手方向全長分の範囲のうち、試料1が積層されていない長手方向30mm分の範囲を、振台11と荷重板13との間に挟み込んだ。
この加振装置10を加速度0.4Gで作動させて振台11を振動させ、1Hz/secという掃引条件で、振動の周波数を5Hzから2000Hzまで変化させ、一次、二次の共振を起こさせた。そして、このときの振動を、SUS板3の先端に取り付けた加速度ピックアップ15で検出し、共振曲線のピーク値(共振倍率)を示した共振周波数f0(Hz)と、そのピーク値よりも3dB下がった値を示した周波数f1,f2(f1<f0<f2)とに基づいて、損失係数tanδ=(f2−f1)/f0を算出した。
周波数と損失係数の関係を図3に示す。図3に示した結果からは、−30℃、20℃、85℃の各温度とも、一般に制振シートと呼ばれている市販品と比べ、何ら遜色の無い制振性能が確保されていることがわかる。例えば、図3からは、20℃で損失係数0.03以上が確保されていることがわかるが、これは市販の制振シートと同レベルの制振性能である。
したがって、この高比重エラストマーを利用すれば、評価試験2で示した通りの遮音性能に加え、評価試験3で示した通りの制振性能を期待することもでき、空気伝播音及び振動音双方の対策に有効であることがわかる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、本発明でいう高比重充填剤として、ステンレス鋼粉末を単独で用いる例を示したが、この他、ステンレス鋼粉末に対してタングステン粉末やモリブデン粉末を加えたものを、高比重充填剤として用いても良い。
また、上記実施形態では、好適な例として、気相成長炭素繊維を利用する例を示したが、他の炭素繊維であってもカーボンブラックより優れた導電性付与能力を持つものはあるので、そのような炭素繊維を利用しても良い。
10・・・加振装置、11・・・振台、13・・・荷重板、15・・・加速度ピックアップ。

Claims (6)

  1. フッ素ゴムに対し、比重7.7〜8.0、メジアン径6μm〜10μmの高比重充填剤と、直径20nm〜200nm、繊維長5μm〜20μmの炭素繊維とを配合してなる高比重エラストマー材料であって、
    100重量部の前記フッ素ゴムに対し、当該フッ素ゴムに対する重量比で、300〜450重量部の前記高比重充填剤と、5〜15重量部の前記炭素繊維が配合されている
    ことを特徴とする高比重エラストマー材料。
  2. 前記高比重充填剤が、ステンレス鋼である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高比重エラストマー材料。
  3. 前記炭素繊維が、気相法によって生成・成長させた気相成長炭素繊維である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高比重エラストマー材料。
  4. 比重が4以上、熱伝導率が1W/(m・K)以上、損失係数が20℃で0.03以上とされている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の高比重エラストマー材料。
  5. JIS A硬度が65〜90とされている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の高比重エラストマー材料。
  6. 比重が4.0以上で、JIS A 1405−2:2007「音響管による吸音率およびインピーダンスの測定−第2部:伝達関数法」に準拠して測定される垂直入射音響透過損失が、2000Hz〜6300Hzの範囲において、30dB以上とされている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の高比重エラストマー材料。
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