JP2012119674A - 熱伝導シート - Google Patents

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涼介 塩野
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康弘 川口
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Abstract

【課題】低誘電率の熱伝導シートにおいて、窒化ホウ素の使用量を低減すること。
【解決手段】母剤に熱伝導フィラーと中空フィラーとを下表に示す配合で混練し、シート状に成形して加硫した。成形できた各実施例では、100MHzにおける比誘電率が4.0未満であった。また、熱伝導率も0.8W/(m・K)以上でアスカーC硬度も30以下であった。
Figure 2012119674

【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品等の発熱源からの放熱を促すため、その発熱源に対して接触するように配置して使用される熱伝導シートに関する。
従来より、シリコーンやアクリル樹脂等のエラストマに熱伝導フィラーを混合(充填)し、シート状に成形してなる熱伝導シートが考えられている。この種の熱伝導シートは、電気・電子装置の内部において、例えば発熱源となる電子部品と、ヒートシンクや筐体パネル等といった放熱板となる部品(以下、単に放熱器という)との間に介在させるように配置される。
このように熱伝導シートを配置した場合、電子部品等が発生する熱を放熱器側へ良好に逃がすことができる。このため、この種の熱伝導シートは、例えばCPUの長寿命化等のために不可欠な素材として注目を集めている。
一方、高周波特性を重視する回路基板用途では、次のような理由で、この種の熱伝導シートの比誘電率を低下させることが要請されている。すなわち、比誘電率の高い熱伝導シートを電子部品と放熱器との間に挟むと、一種のコンデンサが形成される。そして、熱伝導シートの比誘電率が高いほど、そのコンデンサの静電容量は大きくなり、場合によっては高周波ノイズを発生させる原因となるといった懸念がある。
そこで、熱伝導フィラーとして多量の窒化ホウ素を使用することにより、低誘電率の熱伝導シートを提供することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−12982号公報
ところが、窒化ホウ素は高価な熱伝導フィラーであるため、多量に使用すると熱伝導シートの製造コストが上昇してしまう。そのため、窒化ホウ素を全く使用せずに、若しくは少ない使用量で、低誘電率の熱伝導シートを提供可能とすることが望まれている。
そこで、本発明は、低誘電率の熱伝導シートにおいて、窒化ホウ素を使用しない、またはその使用量を低減することを目的としてなされた。
上記目的を達するためになされた本発明は、エラストマからなる母剤に、気体を含めた比重である嵩比重が0.1〜1.0の中空フィラーと熱伝導フィラーとを混合し、シート状に成形してなる熱伝導シートであって、
上記熱伝導フィラーとして最も多く含まれる熱伝導フィラーうちの少なくとも1種類が、窒化ホウ素以外の熱伝導フィラーであることを特徴とする。
また、上記目的を達するためになされた本発明は、エラストマからなる母剤に、気体を含めた比重である嵩比重が0.1〜1.0の中空フィラーと熱伝導フィラーとを混合し、シート状に成形してなる熱伝導シートであって、
上記熱伝導フィラーとして窒化ホウ素以外の熱伝導フィラーが使用されていることを特徴とする。
このように構成された本発明の熱伝導シートでは、エラストマからなる母剤に、有機系バルーンまたはフライアッシュバルーンの如き中空フィラーが混合されている。中空フィラーの内部は気体であるので比誘電率が低く、窒化ホウ素を使用しなくても、またはその使用量を低減しても、熱伝導シートの比誘電率を良好に低下させることができる。そこで、本発明では、上記熱伝導フィラーとして最も多く含まれる熱伝導フィラーうちの少なくとも1種類を、窒化ホウ素以外の熱伝導フィラーとしている。
この場合も、混合される中空フィラーの内部は気体であるので比誘電率が低く、窒化ホウ素を使用しなくても、熱伝導シートの比誘電率を良好に低下させることができる。
また、気体は熱伝導率が低いので、嵩比重が0.1〜1.0の中空フィラーを混合することによって熱伝導シート自体の熱伝導率も低下することが懸念されたが、本願出願人は、母剤であるエラストマ100重量部に対して、窒化ホウ素以外の熱伝導フィラーを200〜300重量部混合(使用)することで熱伝導率も確保できることを発見した。
従って、本発明の熱伝導シートは、窒化ホウ素を使用しなくても低い比誘電率と高い熱伝導率とを両立することができる。
ここで中空フィラーの嵩比重が1.0以下であると、窒化ホウ素以外の熱伝導フィラーを用いた場合でも比誘電率を低くできる。
一方、0.1以上であると、熱伝導シート内に存在する空気量を少なくできるので、断熱層としての作用が抑制され、熱伝導シートの熱伝導率を低下させることがない。また、母剤であるエラストマに対する混合が容易に可能となる。更に、得られる熱伝導シート内に中空フィラーが均質に混合されるため、該シートの物性の部位による差異がなくなり安定となる。
そして中空フィラーの嵩比重が0.1〜1.0の範囲外であると、母剤中に対する中空フィラーの混合が困難となる。その結果、以下の2つの問題が顕在化する。すなわち、
(1)上記中空フィラーが母剤中に偏在してしまい、得られる熱伝導シートの各物性が安定的に発現しない。
(2)中空フィラーが偏在する部位において、該フィラーの外形状が熱伝導シート外部に現れてしまうため、電子部品等の発熱源や放熱板に対する密着性が低下して、熱伝導シートの性能が発揮できなくなる。
また、母剤であるエラストマ100重量部に対する熱伝導フィラーの混合量が200重量部以上であると、窒化ホウ素を使用した場合と同等以上の熱伝導率を確保し得る。
一方、300重量部以下であると、母剤であるエラストマに対する混合が容易となるため、熱伝導シートの成形を短時間で完了できる。また、得られる熱伝導シート内に熱伝導フィラーが均質に混合されるため、該シートの物性(特に熱伝導率等)の部位による差異がなくなり安定となる。
併せて、本願出願人は、エラストマ100重量部に対して、上記中空フィラーの使用量を5〜80重量部とすることで、熱伝導シートの比誘電率を良好に低下させ、かつシート形状により容易に成形できるようになることも発見した。
この中空フィラーの使用量が5重量部以上であると、窒化ホウ素以外の熱伝導フィラーを用いた場合でも比誘電率を低くできる。
一方、80重量部以下であると、母剤であるエラストマに対する混合が容易となるため、熱伝導シートの成形を短時間で完了できる。また、得られる熱伝導シート内に中空フィラーが均質に混合されるため、該シートの物性(特に比誘電率)の部位による差異がなくなり安定となる。
ここで、中空フィラーとして有機系バルーンを使用した場合、該有機系バルーンは弾性を有するので、材料混練の際にバルーンが破壊され難く、熱伝導シートの硬度を低下させると共に圧縮永久歪みを生じ難くすることもできる。従って、低硬度で圧縮永久歪みを生じ難いといった極めて良好な特性を有する。
また、中空フィラーとして、その嵩比重が0.1〜1.0であるものを使用すると、その比重が母剤の比重に近いため、母剤に混合し易く、その結果、母剤中に中空フィラーを均質に分散させ得る。従って、比誘電率を低くすると共に、熱伝導率も確保するといった中空フィラーによる効果が、熱伝導シートの一部に偏って発現することなく、熱伝導シート全体で均質的に発現し易い。
更に、中空フィラーとしてフライアッシュバルーンを使用してもよい。この場合、フライアッシュバルーンの比重は母剤の比重に近いため、より混合しやすくなると共にフィラーとしての取り扱い性が良好になる。また、フライアッシュバルーンは、高強度であるため材料混練の際にバルーンが破壊され難いという効果も生じる。
ここで、フライアッシュバルーンとは,石炭火力発電所から発生するフライアッシュ(飛灰)に少量含まれる中空・球形の粒子のことであり,「浮灰」,「セノスフェア」とも呼ばれる。主成分はシリカとアルミナである。フライアッシュバルーンは,フライアッシュを水に混ぜ,水に浮遊するものだけを集めることにより採取される。
また、本発明の熱伝導シートにおいて、その熱伝導率が0.8W/(m・K)以上であり、100MHzにおける比誘電率が4.0以下であってもよい。このような特性を満たすように上記熱伝導フィラーの混合量を調整すれば、本発明の熱伝導シートは、電子部品等の発熱源の熱を極めて良好に放熱器に伝達することができ、しかもノイズの原因とも極めてなり難いといった、顕著な特性を呈する。
更に、本発明の熱伝導シートにおいて、そのアスカーC硬度が、30以下であってよい。このような特性を満たすように上記熱伝導フィラー等の混合量を調整すれば、本発明の熱伝導シートは、電子部品等の発熱源に対する密着性が増すため、熱を極めて良好に放熱器に伝達することができる、顕著な特性を呈する。
次に、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態では、以下の製造方法により熱伝導シートを製造した。すなわち、母剤であるエラストマとして用いる液状シリコーンに、中空フィラーと熱伝導フィラーとを混合・混練することで、液状シリコーン内に中空フィラー及び熱伝導フィラーを均質に分散させた。
上記母剤であるエラストマとしては、上述の液状シリコーンの他、アクリル樹脂等が挙げられる。
また、上記混合の方法としては、真空脱泡ミキサー等の機械を用いて混練する方法の他、押し出し,2本ロール,ニーダ,バンバリーミキサー等の種々の方法を適用することができる。この内、ミキサーを使用して混練する場合、作業性が向上する点で望ましい。
続いて、このように中空フィラー及び熱伝導フィラーを混合した液状シリコーンを0.5mmのシート状に成形した後、加硫を施した。この成形の方法としては、コーター,カレンダロール,押し出し,プレス等の機械を用いて成形する方法等、種々の方法を適用することができる。この内、コーターを用いて成形する場合、薄いシート(フィルム)の作製が簡単にできる、生産性がよいため大量生産に向いている、シート(フィルム)の厚さ精度が出し易い、といった点で望ましい。
以下に各実験例1〜4に使用した物質等を記載する。
・液状シリコーン(母剤):2液性シリコンエラストマー(東レ・ダウ製、25℃における粘度1000mPa・s)
・熱伝導フィラー
A:窒化ホウ素(National Nitride Technologies製、平均粒径約6μm)
B:水酸化アルミニウム(日本軽金属製、平均粒径約10μm)
C:水酸化マグネシウム(神島化学工業製、平均粒径約1μm)
D:アルミナ(日本軽金属製、平均粒径約12μm)
E:炭化ケイ素(昭和電工製、平均粒径約8μm)
・中空フィラー
a:フライアッシュバルーン(商品名「フィライト」:日本フィライト製、粒径分布5〜300μm、嵩比重0.65〜0.85)
b:有機系バルーン(商品名「エクスパンセル EMC40(B)」:日本フィライト製、平均粒径約40μm,嵩比重0.13〜0.18 )
c:フライアッシュバルーン(セノスフェア(フライアッシュバルーンの一種):巴工業製、平均粒径約50μm、嵩比重0.8))
d:中空フィラー[ガラスバルーン](ポッターズバロティーニ製、平均粒径約40μm,嵩比重0.2)
e:中空フィラー[シラスバルーン](丸中白土製、平均粒径約40μm、嵩比重0.15〜0.20)
f:有機系バルーン(商品名「エクスパンセル」:日本フィライト製、平均粒径約40μm,嵩比重0.03〜0.08
g:中空フィラー[シラスバルーン](シラックスウ製、平均粒径約40μm、嵩比重1.1)
(実験例1:熱伝導フィラーの混合量)
次に、実施例の熱伝導シートを、表1の左側欄に示すように配合を特定して製造した。(実施例1−1〜1−15、比較例1−1〜1−4)
更に、そのような配合で混練した液状シリコーンをシート状に成形し、130℃,10分,t=0.5mmの加硫条件で加硫を施して得られた熱伝導シートの物性及び評価を、表1の右側欄に示した。
なお、以下の各表1〜3及び5に記載される配合割合については、全て重量部表示である。
Figure 2012119674
なお、熱伝導フィラーとして窒化ホウ素を、中空フィラーとしてフライアッシュバルーン(商品名「フィライト」)をそれぞれ使用したものを、参考例1〜3として示した。ここから、窒化ホウ素は、エラストマ100重量部に対して65重量部を混合すると、その鱗片状という粒子形状故に成形性が悪化し、80重量部では成形できないことと、65重量部混合した場合に、熱伝導率は0.90、比誘電率は4.2と、非常に高い性能を発揮することが確認された。
評価については、「成形性」、「熱伝導率」、「比誘電率」及び「アスカーC硬度」の各結果を総合的に判断して、以下の各結果が全て「○」で「○」、一つでも「△」があれば「△」、一つでも「×」があれば「×」とした。
また、各結果の評価方法は、本発明の熱伝導シートとして「好適」なものを「○」、「適」なものを「△」、「不適」なものを「×」とした。具体的には以下の通り。
1.成形性
○:0.5mmのシート状物に好適に成形できる。
△:成形はできるが熱伝導フィラー、中空フィラーが部位によって不均質。
×:成形が困難または不能
2.熱伝導率
○:0.8W/(m・K)以上(一般的な熱伝導シートに要求される数値)
△:0.8W/(m・K)未満
3.比誘電率
○:4.0未満(一般的に高周波ノイズを抑制する上で望ましい数値)
△:4.0以上
4.アスカーC硬度
○:30以下
△:30を超える
表1に示すように、熱伝導フィラーとして水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを使用した場合、何れもその混合量が350重量部の時点で成形ができないことが確認された。
また、熱伝導フィラーとして水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを使用した場合、その混合量が200〜300重量部で評価は「○」、その混合量が200重量部未満で「△」となることが確認された。
中空フィラーについては、5〜80重量部の範囲であれば、その種類に拘わらず評価は「○」、「△」であった。
同時に、中空フィラーの好適な混合量は、その嵩密度に大きく関係し、a:フライアッシュバルーンにおける30重量部が、b:有機系バルーンにおける8重量部と略同等の作用を呈することが確認された。
ここから、中空フィラーの好適な混合量は、その嵩密度の比率と正の相関関係を有していると推察される。
また、実施例1−15では、アスカーC硬度が65と30を上回っており、実装時における電子部品やヒートシンクの凹凸に対する追従性に劣ることが分かった。これに対して、実施例1−1〜1−14は、アスカーC硬度が何れも30以下の良好な値を呈し、電子部品やヒートシンクの凹凸に対する追従性も優れており、電子部品等の発熱源の熱を極めて良好にヒートシンクに伝達することができることが分かった。また、本配合は手で混合・混練したために、実施例1−14、1−15は中空フィラーが破壊されていなかったが量産時にミキサーを用いて混練すると、これが破壊され更に特性が悪くなることが懸念される。
(実験例2:中空フィラーの混合量)
次に、実施例の熱伝導シートを、表2の左側欄に示すように配合を特定して製造し(実施例1−3、2−1〜2−2、比較例2−1〜2−3)、実験例1と同様にシート状に成形し、同条件で熱伝導シートを製造した、そしてその物性及び評価を、表2の右側欄に示した。
なお、中空フィラーを使用していないものを参考例4〜6として示した。
Figure 2012119674
表2に示すように、中空フィラーを混合していない参考例4〜6では、100MHzにおける比誘電率がそれぞれ4.7、5.1、5.8と、高周波ノイズを抑制する上で望ましいと言われている4.0を大きく上回った。これに対して、中空フィラーを混合している各実施例2−1、2−2は、その比誘電率がそれぞれ3.1、4.1となった。これは中空フィラーに含まれる気体の比誘電率が低いことに起因している。また、気体は熱伝導率が低いので、熱伝導シート自体の熱伝導率の低下も懸念されたが、上記の実験例1、実験例2から明らかなように熱伝導率も確保できた。
また、中空フィラーの混合量が5重量部以下(実施例2−2)の場合には比誘電率が4.1と、4に近いものの下回らず、80重量部を超えると(85重量部:比較例2−1)熱伝導シートが成形できなかった。
更に、嵩比重が0.1〜1.0の範囲外の中空フィラーを使用する場合(比較例2−2、2−3)、何れも熱伝導シートが成形できなかった。また何れの比較例も、中空フィラーが熱伝導シートの上側(比較例2−2)または下側(比較例2−3)に偏在している様子が、外部からの目視で確認できた。
(実験例3:熱伝導フィラーとして酸化物(アルミナ)を使用した場合)
次に、実施例の熱伝導シートを、表3の左側欄に示すように配合を特定して製造し(実施例3−1〜3−10、比較例3−1〜3−6)、実験例1と同様にシート状に成形し、同条件で熱伝導シートを製造した、そしてその物性及び評価を、表3の右側欄に示した。
なお、熱伝導フィラーとして、比誘電率が9以上と高い炭化ケイ素のみを、中空フィラーとしてフライアッシュバルーン(商品名「フィライト」)を使用したものを参考例7として示した。
Figure 2012119674
表3に示すように、アルミナまたは炭化ケイ素のみを熱伝導フィラーとして使用した参考例7、実施例3−1〜3−6は、熱伝導フィラーとして水酸化物を使用した結果(実験例1における各実施例)に比較して、100MHzにおける比誘電率が高くなる傾向があった。しかし、それらのフィラーと比較的比誘電率の低い窒化ホウ素または水酸化アルミニウムとを混合して使用することで、実施例3−7〜3−10に示すように比誘電率を良好に低下させることができた。
また、一部窒化ホウ素を使用した実施例3−9、3−10でも、その使用量は(母剤100重量部に対して)50重量部(約12体積%)と少なくて済み、他の実施例では窒化ホウ素を使用しなくてもよいので、熱伝導シートの製造コストを良好に低減することができる。また、液状のエラストマ母剤に中空フィラーのみを混合する場合は、中空フィラーが浮き上がって混合し難くなるが、上記各実施例では、熱伝導フィラーによって中空フィラーが浮き上がるのを物理的に阻害することもでき、製造も容易になる。
更に、次の表4に示すように、アルミナとマグネシアとは同様の比誘電率を有する。このため、表3の配合において、アルミナとマグネシアとを入れ替えても同様の結果が得られるものと推定される。
更に、表1の配合において、水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムとを入れ替えた各実施例においても、比誘電率については同様の結果が得られている。これは、水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムとも同様の比誘電率を有する(表4参照)点から自明である。
Figure 2012119674
(実験例4:中空フィラーの種類による圧縮永久歪み特性)
次に、中空フィラーとして実験例1と同様の有機系(樹脂)バルーンを使用した場合と、実施例1−14と同様のガラスバルーンを使用した場合とで、圧縮永久歪み特性の相違を調べる実験を行った。なお、この実験では、中空フィラーの混合量を揃えるため、次の表5に示す配合で上記方法により熱伝導シートをそれぞれ作成した。
Figure 2012119674
そして、作成された熱伝導シートから10mm角のサンプルを各3つ作成し、シックネスゲージにて厚さを測定し、圧縮板にて間隙量0.5mmに挟み込み、その後常温にて放置してサンプルの厚さの変化を測定した。測定結果を表6に示す。
Figure 2012119674
表6に示すように、中空フィラーとして樹脂バルーンを使用した場合、圧縮永久歪みが極めて残り難いことが分かった。これは、樹脂バルーンが弾性を有することに起因すると考えられ、前述のように熱伝導シートの硬度が低いのも同様の理由と考えられる。
従って、本実施例4−1の熱伝導シートは、窒化ホウ素の使用しない、または使用量を低減させて低い比誘電率と高い熱伝導率とを両立した上で、しかも、低硬度で圧縮永久歪みを生じ難いといった極めて良好な特性を有する。
よって、本実施例の熱伝導シートでは、電子部品等の発熱源の熱を極めて良好に、かつ、長期間安定して、ヒートシンクに伝達することができ、しかも、高周波ノイズの発生を抑制することができる。
更に、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、エラストマとしては、液状シリコーンの他、シリコーンゲル、アクリルゲル等のアクリル系のエラストマやEPDMも適用することができる。
また、有機系バルーンとしては、前述した日本フィラメント製のエクスパンセルの他、フェノールバルーンとしてユニオンカーバイド製のUCAR及びPHENOLIC MICROBALLOONS、エポキシバルーンとしてEMERSON&CUMING製のECCOSPHERES、尿素バルーンとしてEMERSON&CUMING製のECCOSPHERES VF−O、サランバルーンとしてDOW CHEMICAL製のSARAN MICROSPHERES、松本油脂製薬製のマツモトマイクロスフェア、ポリスチレンバルーンとしてARCO POLYMERS製のDYLITE EXPANDABLE POLYSTYRENE、BASF WYANDOTE製のEXPANDABLE POLYSTYRENE BEADS、架橋型スチレン−アクリル酸バルーンとして日本合成ゴム製のSX863(P)など、種々の市販品を使用することができる。
更に、実施例1−1〜1−6、1−13、2−1、2−2、3−1、3−2、3−4,3−5、3−7、3−9のように、中空フィラーとしてフライアッシュバルーンの一例であるフィライトまたはセノスフェア等を使用した場合、その比重が0.8と母剤の液状シリコーンの比重に近いため、窒化ホウ素の使用量を低減させても低い比誘電率と高い熱伝導率とを両立することができるといった上記各実施例と同様の効果に加えて、母剤に混合し易いといった効果も生じる。

Claims (5)

  1. エラストマからなる母剤に嵩比重が0.1〜1.0の中空フィラーと熱伝導フィラーとを混合し、シート状に成形してなる熱伝導シートであって、
    上記熱伝導フィラーとして最も多く含まれる熱伝導フィラーうちの少なくとも1種類が、窒化ホウ素以外の熱伝導フィラーであることを特徴とする熱伝導シート。
  2. エラストマからなる母剤に嵩比重が0.1〜1.0の中空フィラーと熱伝導フィラーとを混合し、シート状に成形してなる熱伝導シートであって、
    上記熱伝導フィラーとして、窒化ホウ素以外の熱伝導フィラーが使用されていることを特徴とする熱伝導シート。
  3. 前記熱伝導フィラーの混合量は、前記エラストマ100重量部に対して、200〜300重量部であることを特徴とする請求項2に記載の熱伝導シート。
  4. 前記中空フィラーの混合量は、前記エラストマ100重量部に対して、5〜80重量部であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の熱伝導シート。
  5. 前記中空フィラーは、有機系バルーンまたはフライアッシュバルーンであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の熱伝導シート。
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