JP2000149658A - 高分子固体電解質及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

高分子固体電解質及びそれを用いたリチウム二次電池

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JP2000149658A
JP2000149658A JP10320293A JP32029398A JP2000149658A JP 2000149658 A JP2000149658 A JP 2000149658A JP 10320293 A JP10320293 A JP 10320293A JP 32029398 A JP32029398 A JP 32029398A JP 2000149658 A JP2000149658 A JP 2000149658A
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monomer
electrolyte
solid electrolyte
polymer solid
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Masamichi Onuki
正道 大貫
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いイオン導電性と強度を両立する固体電解
質を提供する。 【構成】 リチウム塩及び溶媒を含有する電解液が高分
子中に保持されてなる高分子固体電解質において、
(1)該高分子のモノマーユニットは、不飽和二重結合
を複数個有するポリアルキレングリコール系モノマー及
び/又はポリアルキレンスルフィド系モノマーから選ば
れる多官能モノマーを主成分とし、(2)該多官能モノ
マーのアルキレングリコールユニット数及びアルキレン
スルフィドユニット数の合計数は、平均で8以下であ
り、(3)該高分子の高分子固体電解質に対する重量比
が1〜20%である、ことを特徴とする高分子固体電解
質、及びこれを用いたリチウム二次電池である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子固体電解質
に関するものである。詳しくは、放電特性などに優れた
リチウム二次電池等に使用できる固体電解質に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、リチウム電池などの電解質と
して、液漏れを原理上完全に抑制できる固体電解質を用
いる検討が行われている。高分子固体電解質は、リチウ
ム塩等の支持電解質を非水系溶媒に溶解した電解液を高
分子によって保持させてゲルとすることによって得るこ
とができる。このような高分子固体電解質に使用される
高分子として、ポリエチレンオキシド(PEO)に代表
されるポリエーテル類が、イオン導電性を有することか
ら長く検討されているが、イオン導電度が不十分のため
実用的な電池を与えることはできなかった。そこで最近
ではイオン導電性を向上させるために、可塑剤を含有し
た固体電解質が種々提案されている。それらはポリビニ
リデンフルオライド(PVdF)やポリアクリロニトリ
ル(PAN)などのポリマーに電解液を含浸させたタイ
プと電解液の存在下で不飽和二重結合を有するようなモ
ノマーを重合させたタイプとに大別される。前者のポリ
マー含浸型電解質は含浸時にポリマーを一旦溶解させる
ために高温にする必要があるなど生産工程上負荷が大き
い。
【0003】一方、後者のモノマー架橋型電解質は種々
のモノマーを組み合わせることができるなど設計上の自
由度が高い。しかしながら、イオン導電度を高めるべく
モノマー量を少なくすると、電解質の強度が低くなり、
固体を形成しない場合すらあるという問題点がある。強
度の低い固体電解質は短絡(ショート)を起こしやすい
電池を形成するので好ましくない。電解質の強度を補う
ために電極間にスペーサーをいれることで短絡は回避で
きる方向であるが、一方でエネルギー密度の低下を招く
ことになり、軽くて小さい電池を構築することはできな
い。このようにモノマー架橋型電解質の場合には特に強
度をいかに高めるかが重要である。
【0004】従来、高分子固体電解質の強度を高めるた
めに様々な試みがなされてきた。例えばリチウム塩の含
有量を多くする方法、モノマーの含有量を多くする方法
などが知られているが、これらの方法はイオン導電性の
悪化につながるという問題点があった。一般に高分子固
体電解質中の高分子の含有量は少ないほどイオン導電性
が良好となる一方で、ゲルの強度が不足し、さらに保液
性が低下する傾向にある。そこで従来の技術では通常高
分子固体電解質に対して相対的に多量の高分子を含有さ
せていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高分子固体電解質のイ
オン導電性や機械的強度は電池の性能や安全性に直接影
響する重要な因子である。本発明の目的は、高いイオン
導電性と強度を両立する高分子固体電解質を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、不飽和二重結合を有
するポリアルキレングリコール系モノマー又はポリアル
キレンスルフィド系モノマーを重合させて得られる高分
子を用いた場合、従来では一般的に架橋剤として少量し
か用いられていなかった不飽和二重結合を複数有するモ
ノマーをポリマー構成の主たるモノマーとして用い、さ
らにそのアルキレングリコールユニット数又はアルキレ
ンスルフィド数を平均8以下とした場合には、従来に比
べゲル電解質中の高分子量を少ない領域において、高い
ゲル強度と高い電気伝導性とを両立できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明の要旨は、リチウム塩及び
溶媒を含有する電解液が高分子中に保持されてなる高分
子固体電解質において、(1)該高分子のモノマーユニ
ットは、不飽和二重結合を複数個有するポリアルキレン
グリコール系モノマー及び/又はポリアルキレンスルフ
ィド系モノマーから選ばれる多官能モノマーを主成分と
し、(2)該多官能モノマーのアルキレングリコールユ
ニット数及びアルキレンスルフィドユニット数の合計数
は、平均で8以下であり、(3)該高分子の高分子固体
電解質に対する重量比が1〜20%である、ことを特徴
とする高分子固体電解質、及びそれらを用いたリチウム
二次電池に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明の高分子固体電解質は、高分子中に電解液が保持
されてなる。そして、該高分子は、そのモノマーユニッ
トとして、不飽和二重結合を複数個有するポリアルキレ
ングリコール系モノマー及び/又はポリアルキレンスル
フィド系モノマー(以下、これらをまとめて「多官能モ
ノマー」と称することがある)を含有する。
【0009】本発明における多官能モノマーとは、アク
リロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等
の不飽和二重結合を複数有しさらに分子内にポリアルキ
レングリコールユニット及び/又はポリアルキレンスル
フィドユニットを含有するものである。中でも、不飽和
二重結合を複数有しポリアルキレングリコールユニット
を有するものが好ましい。多官能モノマーにおけるポリ
アルキレングリコールユニット及びポリアルキレンスル
フィドユニットの合計数(以下単に「ユニット数」とい
うことがある)は8以下、好ましくは6以下、さらに好
ましくは4以下とする。ユニット数が大きすぎる場合、
形成されるゲルの強度が不足する。なお、入手可能な多
官能モノマーの中にはいくつかのユニット数を有するも
のの混合物であるものも存在する。従って、この場合ユ
ニット数は平均値としての値となる。
【0010】多官能モノマーの例としては、ポリアルキ
レングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコ
ールジメタクリレートなどの不飽和二重結合を2つ有す
る2官能モノマー、トリメチロールプロパンアルコキシ
レートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコ
キシレートトリアクリレートなどの不飽和二重結合を3
つ有する3官能モノマー、ペンタエリスリトールアルコ
キシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロ
パンアルコキシレートテトラアクリレートなどの不飽和
二重結合を4つ以上有する4官能以上のモノマーなどが
挙げられる。
【0011】多官能モノマーのなかでも特に2官能モノ
マーが好ましい。3官能以上のモノマーの場合には、重
合させた後でも未反応のモノマーが残存しやすい傾向に
ある。ゲル電解質中の残存モノマーは内部抵抗の高い界
面を形成するのに寄与する場合があるので、存在しない
ことが望ましい。特に好ましい2官能モノマーとして
は、アクリロイル基またはメタクリロイル基のようなア
クリル系官能基を2個有するポリアルキレングリコール
系2官能モノマーである。具体的には、下記一般式
(I)で表される化合物が挙げられる。
【0012】
【化2】
【0013】(ただし、R1 〜R4 はそれぞれ独立に水
素原子又は低級アルキル基であり、複数のR2 又はR3
はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Xは酸素原子
又は硫黄原子であり、nは1〜8である。)R1 〜R4
としては、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好
ましく、特に水素原子又はメチル基が好ましい。nは好
ましくは6以下であり、特に好ましくは4以下である。
また、Xとしては酸素原子が好ましい。
【0014】このような構造を持つモノマーを例示する
と、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、テトラエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリ
レートなどのポリエチレングリコールジアクリレート類
及びポリエチレングリコールジメタクリレート類、プロ
ピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリ
レート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ト
リプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレ
ングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメ
タクリレートなどのポリプロピレングリコールジアクリ
レート類及びポリプロピレングリコールジメタクリレー
ト類などが挙げられる。この中でも、特にアクリレート
は反応速度が格段に早く電解質の生産性向上につながる
ので好ましい。特にジエチレングリコールジアクリレー
ト、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエ
チレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリ
コールジアクリレートは入手が容易で安価であることか
ら好適に用いられる。
【0015】本発明では、電解液を保持する高分子のモ
ノマーユニットとして、上記多官能モノマーを主成分と
するが、その他に不飽和二重結合を1つ有するモノマー
(「単官能モノマー」と称することがある)を用いても
よい。特に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニ
ル基、アリル基等の官能基を有する単官能モノマーを共
存させると強度が向上するので好ましい。このようなモ
ノマーとしては、アクリレート類、メタクリレート類な
どの不飽和エステル類、塩化ビニル、酢酸ビニル、アク
リロニトリルなどのビニル化合物などが挙げられる。中
でもアクリレート及びメタクリレートなどの不飽和エス
テル類はラジカル重合がしやすい点で通常使用される。
特に好適に用いられる単官能モノマーとしては、2−メ
トキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリ
レートなどの2−アルコキシエチルアクリレート類、ジ
エチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ジエ
チレングリコールエチルエーテルアクリレートなどのジ
エチレングリコールアルキルエーテルアクリレート類、
ポリエチレングリコールフェニルエーテルアクリレー
ト、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルア
クリレートなどのポリエチレングリコールアリールエー
テルアクリレート類、アクリル酸2−(メチルチオ)エ
チルなどの含硫黄アクリレート類が挙げられる。特にエ
ーテルユニットを持つ2−エトキシエチルアクリレー
ト、ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート
などのアクリレートは好適に使用される。エーテルユニ
ットはリチウムとの親和性が高いためイオン導電度の向
上に寄与するので有効である。
【0016】モノマーユニットは、好ましくは、実質的
に多官能モノマーのみからなるか、又は、実質的に多官
能モノマーと単官能モノマーとからなるが、この場合、
該単官能モノマーの該多官能モノマーに対する重量比
は、通常100%以下、好ましくは50%以下、さらに
好ましくは30%以下である。無論その下限値は0%で
ある。単官能モノマーの割合が多すぎると強度が低下
し、ゲル化を起こさない場合すらありうる。上記のモノ
マー以外に、本発明の効果を害しない範囲で他のモノマ
ーを使用しても良いが、このような場合でも、その使用
量は多官能モノマーの50重量%以下、好ましくは10
重量%以下とする。
【0017】上記のモノマーの重合によって、電解液を
保持するための高分子が得られる。即ち、多官能モノマ
ーや単官能モノマーの不飽和二重結合部分の付加反応に
よって高分子となる。高分子の重量平均分子量は、通常
1万以上、好ましくは10万以上であり、また通常50
0万以下、好ましくは100万以下である。大きすぎる
と粘度が高すぎて取り扱いが困難になり、小さすぎると
ゲルを形成しにくくなう傾向にある。
【0018】高分子の高分子固体電解質に対する重量比
は、1重量%以上、好ましくは3重量%以上であり、ま
た20重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに
好ましくは12重量%とする。比率が低過ぎる場合は溶
媒の保持が困難となって液漏れが発生し、高過ぎる場合
はイオン伝導度が低下して電池特性が低下する傾向にあ
る。また、電解液として使用する溶媒に対する上記高分
子の割合は、その分子量に応じて適宜選択されるが、通
常3重量%以上、好ましくは6重量%以上であり、また
通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下とされ
る。高分子の割合が少な過ぎる場合は、ゲルの形成が困
難となり溶媒の保持性が低下して流動及び液漏れの問題
が生じる傾向がある。高分子の割合が多過ぎる場合は、
粘度が高くなり過ぎて取り扱いが困難となり、また、電
解液の濃度低下によりイオン伝導度が低下してレート特
性などの電池特性が低下する傾向にある。
【0019】本発明の高分子固体電解質は電解液を含有
する。電解液は、非水系の溶媒にリチウム塩を溶解した
ものである。本発明で用いるリチウム塩としては、特に
制限はないが、LiPF6 、LiAsF6 、LiB
4 、LiSbF6 、LiAlCl4 、LiClO4
CF3 SO3 Li、C4 9 SO3 Li、CF3 COO
Li、(CF3 CO)2 NLi、(CF3 SO2 2
Li、(C2 5 SO2 )NLiなどのリチウム塩が挙
げられる。特に溶媒に溶けやすく高い解難度を示すLi
PF6 、LiBF4 、LiClO4 、CF3 SO3 Li
及び(CF3 SO2 2 NLiからなる群から選ばれる
少なくとも一種は好適に用いられる。
【0020】リチウム塩の量は、高分子固体電解質の全
量に対して通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上
である。また、通常は30重量%以下、好ましくは20
重量%以下である。リチウム塩の量が少なすぎても多す
ぎてもイオン導電度は低下する傾向にある。また、リチ
ウム塩の液成分に対する濃度は通常0.5〜2.5mo
l/L程度である。リチウム塩の量が少なすぎても多す
ぎてもイオン導電度は低下する傾向にある。
【0021】電解液に使用する溶媒としては、リチウム
塩を溶解させるものであれば特に限定されないが、高い
イオン導電性を得るために通常ジメチルカーボネート
(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチル
カーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(P
C)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチルカ
ーボネート(MEC)などのアルキルまたはアルキレン
カーボネート類、γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなど
のエステル類、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類、スルホラン、ジメチルスル
ホキシドなどの含硫黄化合物類、が好ましく用いられ
る。またこれらの溶媒の混合液を用いてもよい。またこ
れらの溶媒に予め所定量のリチウム塩を溶解させたもの
が市販されており、これらを用いてもよい。好ましく
は、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル
エチルカーボネート等のカーボネート類である。
【0022】溶媒の量は、高分子固体電解質全量に対し
て通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上であ
る。一方、通常は95重量%以下、好ましくは90重量
%以下である。溶媒が少なすぎるとイオン導電度が低下
し、多すぎると電解質の強度が弱くなる傾向にある。本
発明の高分子固体電解質には、必要に応じて他の成分を
含有させることができる。例えば、電池としての安定性
や性能、寿命を高めるために、トリフルオロプロピレン
カーボネート、ビニレンカーボネート、カテコールカー
ボネート、1,6−Dioxaspiro[4,4]n
onane−2,7−dione、12−クラウン−4
−エーテル等の添加剤を使用できる。また、その製造過
程において使用した重合触媒等が残存していても良い。
【0023】本発明の高分子固体電解質は、高分子と電
解液とを別々に調製した後、これらを混合することによ
って得ることもできるが、好ましくは、高分子のモノマ
ー成分をリチウム塩及び溶媒の存在下で重合させること
によって本発明の高分子固体電解質を得る。モノマー成
分を重合させる方法としては、開始剤を加えることなく
直接電子線やγ線などの放射線を照射する方法、光増感
剤等の紫外線重合開始剤を添加して紫外線を照射する方
法や有機過酸化物などの熱重合開始剤を添加して加熱す
る方法、酸化還元系の開始剤を用いたレドックス系常温
硬化法などが挙げられる。特に紫外線照射法は低温重合
が可能で硬化に要する時間が短い点で、また熱硬化法は
特別な装置を必要とせず簡便である点で、好ましく用い
られる。
【0024】紫外線重合開始剤としては、ベンゾイル、
ベンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラー
ケトン、ビアセチル、ベンゾイルパーオキサイド等が挙
げられる。熱重合開始剤としては、1,1−ジ(ターシ
ャルブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、2,2−ビス−[4,4−ジ(ターシャル
ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン]、1,1
−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)−シクロヘキサ
ン、ターシャリブチルパーオキシ−3,5,5−トリメ
チルヘキサノネート、ターシャリブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノネート、ジベンゾイルパーオキサイド
等が挙げられる。
【0025】本発明で使用する各原料は、予め脱水して
おくのが好ましい。その水分量は通常50ppm以下、
好ましくは30ppm以下とする。水が多量に存在する
と、水の電気分解及びリチウム金属との反応、リチウム
塩の加水分解などが起こる可能性があり電池用の電解質
として不適当な場合がある。脱水の手段としては特に制
限はないが、モノマー、溶媒などの液体の場合はモレキ
ュラーシーブ4A等を用いればよい。またリチウム塩な
どの固体の場合は分解が起きる温度以下で乾燥すればよ
い。
【0026】上記各原料の調合方法については、水分、
酸素、二酸化炭素を極力排除した雰囲気で行うのが望ま
しい。特に水分については前述のように注意が必要であ
る。また酸素及び二酸化炭素が組成物中に多量存在する
と重合する際に、これらの分子がポリマー鎖中に取り込
まれ電気化学的に不安定なマトリックスが形成される可
能性がある。
【0027】得られた高分子固体電解質は、高分子、リ
チウム塩、溶媒及び必要に応じてその他の成分を含有す
る。溶媒は、高分子のネットワーク中に保持されて、全
体として流動性が著しく低下している。このような高分
子固体電解質は、イオン伝導性などの特性は通常の電解
液に近い特性を示すが、流動性や揮発性などは著しく抑
制されて安全性が高められている。
【0028】本発明における高分子固体電解質はリチウ
ム二次電池の電解質層として有用である。また電極の活
物質層内に形成されるイオン移動相としても用いること
もできる。以下、本発明の電解質を適用できるリチウム
二次電池について説明する。
【0029】本発明の高分子固体電解質を適用できるリ
チウム二次電池の基本的構成は、従来公知の電池と同様
であり、正極と負極とが電解質層を介して積層されてケ
ースに収納される。先ず、正極及び負極について説明す
る。正極及び/又は負極は、通常集電体上に設けられた
リチウムイオンの吸蔵放出可能な活物質含有層と当該層
内に形成されるイオン移動相とから構成することができ
る。イオン移動相は、電解質層を構成するのと同様の電
解質から構成され、正極及び/又は負極のイオン移動相
を構成する電解質は、例えば、活物質、バインダー及び
溶剤を含有する電極用塗料を集電体上に塗布して乾燥す
ることにより空隙を有する活物質層を形成し、当該活物
質層に本発明の高分子固体電解質を充填させる方法によ
り形成される。
【0030】集電体としては、通常、アルミ箔や銅箔な
どの金属箔が使用され、その厚さは適宜選択されるが、
通常1〜50μm好ましくは1〜30μmである。集電
体の厚さが薄過ぎる場合は、機械的強度が弱くなり、生
産上問題になり、厚過ぎる場合は、電池全体としての容
量が低下する。集電体は、活物質含有層の接着強度を高
めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ましい。
粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学
研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研
磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線
などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、活
物質含有層の接着強度や導電性を高めるために、集電体
表面に中間層を形成してもよい。
【0031】リチウムイオンの吸蔵放出可能な正極活物
質は、無機化合物と有機化合物とに大別される。無機化
合物から成る正極活物質としては、遷移金属酸化物、リ
チウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物など
が挙げられる。上記の遷移金属としては、Fe、Co、
Ni、Mn等が使用される。正極活物質に使用される無
機化合物の具体例としては、MnO、V2 5 、V6
13、TiO2 等の遷移金属酸化物、ニッケル酸リチウ
ム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチ
ウムと遷移金属との複合酸化物、TiS2 、FeS、M
oS2 等の遷移金属硫化物が挙げられる。これらの化合
物は、その特性を向上させるため、部分的に元素置換し
たものであってもよい。
【0032】有機化合物から成る正極活物質としては、
例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジ
スルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物、N−フ
ルオロピリジニウム塩などが挙げられる。正極活物質
は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であっても
よい。正極活物質の粒径は、電池の他の構成要件との兼
ね合いで適宜選択されるが、レート特性、サイクル特性
などの電池特性を向上させるため、通常1〜30μm、
好ましくは1〜10μmとされる。
【0033】リチウムイオンの吸蔵放出可能な負極活物
質としては、グラファイトやコークス等の炭素系活物質
が挙げられる。斯かる炭素系活物質は、金属、金属塩、
酸化物などとの混合体や被覆体の形態で利用することも
出来る。また、負極活物質としては、ケイ素、錫、亜
鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の酸化物や硫酸塩、金属
リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn
−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シ
リコン等を使用できる。負極活物質の粒径は、電池の他
の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、初期効
率、レート特性、サイクル特性などの電池特性を向上さ
せるため、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μ
mとされる。
【0034】電極中には、必要に応じ、導電材料、補強
材などの各種の機能を発現する添加剤を含有させること
が出来る。導電材料としては、活物質に適量混合して導
電性を付与できるものであれば特に制限されないが、通
常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛など
の炭素粉末、各種金属のファイバーや箔などが挙げられ
る。また、電池の安定性や寿命を高めるため、トリフル
オロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、
カテコールカーボネート、1,6−Dioxaspir
o[4,4]nonane−2,7−dione、12
−クラウン−4−エーテル等が使用できる。更に、補強
材として、各種の無機および有機の球状、板状、棒状ま
たは繊維状のフィラーが使用できる。電極用塗料を構成
するバインダーとしては、シリケートやガラスの様な無
機化合物や各種の樹脂が挙げられる。
【0035】電極に使用する上記のバインダー用樹脂と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
−1,1−ジメチルエチレン等のアルカン系ポリマー、
ポリブタジエン、ポリイソプレン等の不飽和系ポリマ
ー、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピ
リジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポ
リマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エ
チル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタ
クリル酸、ポリアクリルアミド等のアクリル系ポリマ
ー、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテ
トラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリアクリロ
ニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリ
マー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリ
ビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー、ポリアニリン
等の導電性ポリマー等が挙げられる。また、上記のポリ
マーの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交
互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体など
であっても使用できる。これらの樹脂の重量平均分子量
は、通常10000〜3000000、好ましくは10
0000〜1000000とされる。分子量が低過ぎる
場合は塗膜の強度が低下し、高過ぎる場合は、粘度が高
くなり電極の形成が困難になる。
【0036】活物質100重量部に対するバインダーの
配合量は、通常0.1〜30重量部、好ましくは1〜1
5重量部とされる。バインダーの配合量が少な過ぎる場
合は電極の強度が低下し、多過ぎる場合は活物質含有層
中の空隙量が低下し、高分子固体電解質形成用の電解液
を含浸させることが困難となる。電極用塗料の調製に使
用する溶剤の種類は、活物質に対して不活性であり且つ
バインダーを溶解し得る限り特に制限されず、無機また
は有機の何れの溶剤であってもよい。好適な溶剤の一例
としては、N−メチルピロリドンが挙げられる。また、
電極用塗料の調製には、ボールミル、サンドミル、二軸
混練機などが使用される。
【0037】また、空隙を有する活物質層は、活物質を
バインダーとの混合物を加熱により軟化させた状態で集
電体上に圧着または吹き付ける方法によっても形成する
ことが出来る。この場合も活物質100重量部に対する
バインダーの配合量は上記の範囲とされる。更に、集電
体上に活物質のみを焼き付ける方法も採用することが出
来る。
【0038】正極および負極のイオン移動相の電解質
は、本発明の高分子固体電解質で構成することができ
る。好ましくは、本発明の高分子固体電解質の原料とな
るモノマー成分及び電解液からなる組成物を活物質層の
空隙内に充填させた後にゲル化させる方法により形成さ
れる。この法は、電解液の粘度が低いため、活物質層の
空隙中に電解液を含浸させるのが容易である。活物質層
の厚さは通常1mm以下であるため、電解液の含浸は速
やかに完了する。無論、活物質層を形成する成分と上記
組成物を混合したものを塗布した後に重合してゲル化す
る方法や、本発明の高分子固体電解質を別途調製し、こ
れを加熱して粘度を下げた状態で活物質層に含浸させて
後冷却する方法も採用できる。また、何れの方法による
場合も塗膜にカレンダー処理を加えることにより、塗膜
を圧密し活物質の充填量を高めることが出来る。
【0039】次に、電解質層について説明する。電解質
層は、本発明の高分子固体電解質で構成することができ
る。この際、電解質は、多孔膜等の構造体に含浸、保持
されることができる。上記の電解質層用構造体は、電解
質層の保液性を一層高めるため圧縮に対する初期弾性率
が1×105 (N/m2 )以上であることが好ましい。
斯かる初期弾性率は、応力−歪み曲線における、応力0
近傍の線形応答領域の直線の傾きから求められる。そし
て、初期弾性率の値が高いことは、荷重が小さい段階か
ら構造体の変形が少ないことを意味する。従って、初期
弾性率の値が高い構造体の使用により、高分子固体電解
質に加わる圧力を効果的に支えることが可能となる。
【0040】また、上記の電解質層用構造体の空隙は、
イオン移動度を高めるため、大部分が垂直方向(電極方
向)に通じた構造になっていることが好ましい。構造体
の空隙率は、60〜90体積%の範囲が好ましく、特に
70〜90体積%の範囲が好ましい。空隙率が60%よ
り小さい場合は、イオン伝導度が低下し、しかも、電解
液の滲み込み量が低下して高分子固体電解質の形成が困
難になることがある。空隙率が90%を超える場合は構
造体が柔らかくなり過ぎ、電解質層の製造工程に困難を
生じる様になる。上記の空隙率は、体積と重さから見掛
け比重を算出し、構造体の材質の真比重との比較から算
出することが出来る。
【0041】上記の電解質層用構造体の材質は、上記の
物性を満足する限り特に制限されず、例えば、洋紙、和
紙などの紙類、各種の天然、合成繊維から作られる布
類、分離精製などに使用される市販のフィルター類など
が挙げられる。特にフィルター類は構造が緻密で均質で
あるために好適に使用される。構造体の厚みは、通常5
〜200μm、好ましくは10〜60μmである。厚み
が5μm未満の場合は、強度が低下し安全上問題にな
り、しかも、柔らかくなり過ぎて電池製作時の位置決め
等が困難になる。厚みが200μmを超える場合は、電
解質部分の抵抗が高くなると共に電池全体としての容量
が低下する。電解質層用構造体の電解液と接触する部分
は、電解液との親和性をコントロールするため表面処理
することも出来る。
【0042】電解質層用構造体に電解質を含有させる方
法は、正極および負極のイオン移動相の電解質の形成方
法と同様の方法を採用することが出来る。電解質層の電
解質は、その全てが電解質層用構造体の内部に取り込ま
れていなくてもよい。構造体−電解質複合体から成る電
解質層の表面にある程度の厚みの電解質単独層が存在す
ることは、電解質層と電極との積層界面の抵抗の低減に
も寄与し得る。従って、電解質層全体としての液保持性
に支障が生じない限り、電解質の全てが電解質層用構造
体の内部に取り込まれていなくてもよい。
【0043】次に、リチウム二次電池のケースについて
説明する。リチウム二次電池においては、前記の様に構
成された正極と負極とが電解質層を介して積層されてケ
ースに収納される。ケースとしては、柔軟性、屈曲性、
可撓性などを有する形状可変性のケースが好適に使用さ
れる。その材質としては、プラスチック、高分子フィル
ム、金属フィルム、ゴム、薄い金属板などが挙げられ
る。ケースの具体例としては、ビニール袋の様な高分子
フィルムから成る袋、高分子フィルムから成る真空包装
用袋もしくは真空パック、金属箔と高分子フィルムのラ
ミネート素材から成る真空包装用袋もしくは真空パッ
ク、プラスチックで形成された缶、または、プラスチッ
ク板で挟んで周囲を溶着、接着、はめ込み等で固定した
ケース等が挙げられる。
【0044】上記の中では、気密性および形状可変性の
点で高分子フィルムから成る真空包装用袋もしくは真空
パック、または、金属箔と高分子フィルムのラミネート
素材から成る真空包装用袋もしくは真空パックが好まし
い。これらのケースは、金属缶の様な重量や剛性がな
く、柔軟性、屈曲性、可撓性であるため、電池の収納後
に曲げたり出来る形状自由性があると共に軽量化が図れ
るという利点を有する。本発明のリチウム二次電池は、
円筒型、箱形、ペーパー型、カード型など種々の形状を
軽量で実現できる。勿論、電池の機器への装着などの利
便を図るため、形状可変性のケースに電池を封入して好
ましい形状に変形した後、剛性の外装ケースに収納する
ことも可能である。好ましい一態様としては、正極と電
解質層と負極が平板的に積層され且つ形状可変性のケー
スに真空シールされて収納されているリチウム二次電池
が挙げられる。
【0045】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの
実施例により限定されるものではない。 実施例1 ジエチレングリコールジアクリレート(アルドリッチ社
製、ユニット数2)0.8g、ソルライト(三菱化学社
製、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの
等重量混合液にLiClO4 を1mol/Lの濃度とな
るように溶解させたもの)19.1g、カヤエステルO
(化薬アクゾ社製)0.1gを3角フラスコに秤取し不
活性な雰囲気下で混合した。この組成物18gをビーカ
ーに秤取し密閉した後、オーブンに入れ90℃で20分
間熱処理した。得られた固体(厚さ10mm)の圧縮破
断試験をレオメーター(レオテック社製、RT−202
0D・D、直径1mm進入弾性棒使用)により実施した
ところ、破断強度は3600g/cm2 であった。また
伝導度の測定については、上記ゲルを白金電極間に注入
し、90℃で20分間熱処理させたものを交流インピー
ダンス法により行ったところ、5.2mS/cmであっ
た。
【0046】実施例2 テトラエチレングリコールジアクリレート(アルドリッ
チ社製、ユニット数4)1.5g、ソルライト(三菱化
学社製、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネー
トの等重量混合液にLiClO4 を1mol/Lの濃度
となるように溶解させたもの)18.4g、カヤエステ
ルO(化薬アクゾ社製)0.1gを3角フラスコに秤取
し不活性な雰囲気下で混合した。この組成物18gをビ
ーカーに秤取し密閉した後、オーブンに入れ90℃で2
0分間熱処理した。得られた固体の圧縮破断試験を実施
例1と同様に行ったところ、破断強度は3200g/c
2 であった。また伝導度は、4.3mS/cmであっ
た。
【0047】実施例3 トリプロピレングリコールジアクリレート(アルドリッ
チ社製、ユニット数3)1.2g、ソルライト(三菱化
学社製、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネー
トの等重量混合液にLiClO4 を1mol/Lの濃度
となるように溶解させたもの)18.7g、カヤエステ
ルO(化薬アクゾ社製)0.1gを3角フラスコに秤取
し不活性な雰囲気下で混合した。この組成物18gをビ
ーカーに秤取し密閉した後、オーブンに入れ90℃で2
0分間熱処理した。得られた固体の圧縮破断試験を実施
例1と同様に行ったところ、破断強度は3310g/c
2 であった。また伝導度は、4.7mS/cmであっ
た。
【0048】比較例1(ユニット数が8を越える場合) ポリエチレングリコールジアクリレート(ポリサイエン
ス社製、平均ユニット数8.7)1.20g、ソルライ
ト(三菱化学社製、プロピレンカーボネートとエチレン
カーボネートとの等重量混合液にLiClO4 を1mo
l/Lの濃度となるように溶解させたもの)18.70
g、カヤエステルO(化薬アクゾ社製)0.1gを3角
フラスコに秤取し不活性な雰囲気下で混合した。この組
成物18gをビーカーに秤取し密閉した後、オーブンに
入れ90℃で20分間熱処理した。得られた固体の圧縮
破断試験を実施例1と同様に行ったところ、破断強度は
250g/cm2 であった。また伝導度は、4.4mS
/cmであった。
【0049】比較例2(多官能モノマーが主成分でない
場合) ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート(ア
ルドリッチ社製)1.6g及びテトラエチレングリコー
ルジアクリレート(アルドリッチ社製、エチレングリコ
ールユニット数4)0.8g、ソルライト(三菱化学社
製、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの
等重量混合液にLiClO4 を1mol/Lの濃度とな
るように溶解させたもの)17.5g、カヤエステルO
(化薬アクゾ社製)0.1gを3角フラスコに秤取し不
活性な雰囲気下で混合した。この組成物18gをビーカ
ーに秤取し密閉した後、オーブンに入れ90℃で20分
間熱処理したが、硬化せず粘性のある液体のままであっ
た。以上の結果を表−1にまとめる。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、高いイオン導電性と強
度を両立する固体電解質を提供することができる。この
電解質はリチウム二次電池の材料として有用である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム塩及び溶媒を含有する電解液が
    高分子中に保持されてなる高分子固体電解質において、
    (1)該高分子のモノマーユニットは、不飽和二重結合
    を複数個有するポリアルキレングリコール系モノマー及
    び/又はポリアルキレンスルフィド系モノマーから選ば
    れる多官能モノモーを主成分とし、(2)該多官能モノ
    マーのアルキレングリコールユニット数及びアルキレン
    スルフィドユニット数の合計数は、平均で8以下であ
    り、(3)該高分子の高分子固体電解質に対する重量比
    が1〜20%である、ことを特徴とする高分子固体電解
    質。
  2. 【請求項2】 高分子のモノマーユニットが、実質的に
    多官能モノマーのみからなるか、又は、実質的に多官能
    モノマーと不飽和二重結合を1つ有する単官能モノマー
    とからなり、 該単官能モノマーの該多官能モノマーに対する重量比が
    0〜100%である請求項1に記載の高分子固体電解
    質。
  3. 【請求項3】 多官能モノマーが下記一般式(I)で表
    される請求項1又は2に記載の高分子固体電解質。 【化1】 (ただし、R1 〜R4 はそれぞれ独立に水素原子又は低
    級アルキル基であり、複数のR2 又はR3 はそれぞれ同
    一でも異なっていてもよく、Xは酸素原子又は硫黄原子
    であり、nは1〜8である。)
  4. 【請求項4】 多官能モノマーが、ジエチレングリコー
    ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
    ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリ
    プロピレングリコールジアクリレートである請求項3に
    記載の高分子固体電解質。
  5. 【請求項5】 リチウム塩が、LiPF6 、LiB
    4 、LiClO4 、CF 3 SO3 Li及び(CF3
    2 2 NLiからなる群から選ばれる少なくとも一種
    である請求項1乃至4のいずれか1つに記載の高分子固
    体電解質。
  6. 【請求項6】 溶媒がカーボネート類を含む請求項1乃
    至5のいずれか1つに記載の高分子固体電解質。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の
    高分子固体電解質を使用したリチウム二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010514134A (ja) * 2006-12-21 2010-04-30 エルジー・ケム・リミテッド ゲルポリマー電解質用組成物及びこれから製造されたゲルポリマー電解質とこれを含む電気化学素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010514134A (ja) * 2006-12-21 2010-04-30 エルジー・ケム・リミテッド ゲルポリマー電解質用組成物及びこれから製造されたゲルポリマー電解質とこれを含む電気化学素子
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