JP2000148306A - 電子機器筐体構造 - Google Patents

電子機器筐体構造

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JP2000148306A
JP2000148306A JP10315867A JP31586798A JP2000148306A JP 2000148306 A JP2000148306 A JP 2000148306A JP 10315867 A JP10315867 A JP 10315867A JP 31586798 A JP31586798 A JP 31586798A JP 2000148306 A JP2000148306 A JP 2000148306A
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housing
human body
metal
electronic device
resin
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JP10315867A
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English (en)
Inventor
Yasuo Yokota
康夫 横田
Norio Fujiwara
則夫 藤原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属筐体を有し、内部に発熱体を内包し、筐
体温度が体温以上まで高温化する電子機器において、長
時間人体に触れて使用した場合に生じる低温火傷を抑制
する筐体構造を提供すること。 【解決手段】 金属筐体外表面の体温以上の高温部に1
00μm以上の厚みで、かつ、熱伝導率が1W/mK以
下の樹脂あるいはゴム等からなる断熱皮膜を設けること
により、触感温度を低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属筐体を有する電
子機器、特に携帯型パソコンの筐体構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近の電子機器、特に携帯型パソコンは
CPU高速化に伴う消費電力の増加、機器の小型化・実
装密度の向上により筐体内温度は上昇する一方であり、
放熱を適切に行わないと各電子部品の品質確保は困難な
状況にある。従来の携帯型パソコンにおいては、熱対策
として、ファン空冷による熱気の筐体外への排出あるい
は放熱板への熱拡散による自然空冷で各種部品の温度上
昇を抑制してきたが、携帯型パソコンにおける筐体薄型
化によるファンスペースの問題、バッテリ長寿命化、騒
音の観点から、ファンを使わない自然空冷による放熱構
造が求められている。
【0003】しかし、自然空冷の場合には、筐体内部に
熱気がこもるため、筐体表面温度は部分的に45度前後
まで上昇している(周囲温度25度前後の場合)のが現
状である。一方、従来の筐体材料はABSや炭素繊維強
化樹脂を用いてきたのに対し、最近では、筐体肉厚の減
少による軽量化、リサイクル率向上、放熱性促進、金属
特有のメタリックなデザインによる高級感の確保の点か
ら、筐体材料は樹脂からマグネシウム合金に移行してい
る。
【0004】こうした金属筐体では、使用中には人体が
45度前後に加熱された金属と接触することとなり、樹
脂筐体よりもかなり熱く感じてしまう。しかも、マグネ
シウム合金の表面は数十μmの塗装をしているのみで熱
さを緩和する手段はとられていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来用いられてきた樹
脂筐体は、熱伝導率が0.2W/m程度であり、熱拡散
性が小さいため、筐体内で熱が拡散せず大きな温度むら
が生じるとともに、筐体材内部の熱移動速度が小さいこ
とから、周囲空気への放熱性も悪い。その結果、筐体内
部に熱がこもり、各部品温度が冷却されにくいという性
質を有している。
【0006】その結果CPU等発熱部品に大きな放熱板
を設ける必要があり、薄型化・軽量化にも障害となって
いた。
【0007】一方、最近では筐体薄型・軽量化の市場要
求、リサイクル問題等の観点から樹脂筐体からの脱却が
図られており、現在では、筐体材料は対重量強度の高い
金属筐体、しかも、金属の中でも比重の小さいマグネシ
ウム合金が使われるようになってきた。金属筐体とする
ことで筐体肉厚を薄くしても筐体剛性を確保できるた
め、結果として、筐体肉厚減少による薄型・軽量化が実
現できる。
【0008】さらに、マグネシウムは100%近いリサ
イクル性を有するため、環境にも有益となると考えられ
る。さらに、金属筐体とすることで、CPU等発熱部品
の熱を筐体に熱伝導性部材により熱拡散させることがで
きる為、従来のように筐体内に大容量の放熱板を設ける
必要がなくなり、この点からも軽量化が可能である。
【0009】さらに、マグネシウム合金は樹脂筐体に比
べ2桁も熱伝導率が高いため、熱拡散性能も高く、ヒー
トスポット(局部的温度上昇)を緩和できるとともに、
伝熱速度が大きいことから、外気への放熱性も高まる。
その結果、放熱性の点からも有利である。
【0010】しかし、一方で、金属筐体は樹脂筐体に比
べ、触感温度が高いという課題が発生している。すなわ
ち、現在のノートパソコンは筐体薄型化、発熱量増加に
より発熱密度が増加し、その結果、筐体底面あるいはキ
ーボード、手のひらをのせるパームトップ部が45度〜
50度(室温25度環境下で測定した場合)にも達して
いるが、例えば、50度の樹脂部材と金属部材に触れた
場合、同一温度でも樹脂と金属では人の感じる温度が大
きく異なり、樹脂では暖かい程度であるが金属の場合、
熱さを感じ、長時間触れなくなる。
【0011】しかも、携帯型パソコンは膝の上において
長時間使用する、あるいは、筐体上面に手のひらをおい
てキー入力する為、筐体の金属化による触感温度の上昇
は、不快感が増すとともに、低温やけどを引き起こす危
険性が高い。
【0012】図9、10に従来の携帯型パソコンの筐体
構造を示す。図9に携帯型パソコンの第1の従来筐体構
造例を示す。図9において、1が金属筐体、2がディス
プレイ部、3がキーボード、4が発熱体、5が基板、8
が塗装膜であり、通常100μm以下である。本構成の
ように、従来の金属筐体を有する携帯型パソコンでは金
属筐体表面に防錆およびデザイン上、数十μm以下の塗
装膜を形成しているのみで、人体が接触した場合には、
金属特有の刺すような熱さを感じる。
【0013】一方、塗装は一般に厚みを増やすと割れが
発生するため、厚み増加には限界がある。さらに、塗装
は、衝撃あるいは擦った場合の塗装剥がれによる品質低
下の課題、また、デザイン上金属筐体のメタリックな高
級感が出せなくなるという課題を有している。
【0014】さらに、金属筐体底面に発泡材を内包した
特殊塗装も考えられているが、やはり塗装剥がれによる
品質低下、また、デザイン上、透明性を確保できず、金
属特有のメタリックな高級感は表現できないといったデ
ザイン上の課題は依然として残っている。
【0015】また、図10に携帯型パソコンの第2の従
来筐体構造例を示す。図10において、1が金属筐体、
2がディスプレイ部、3がキーボード、4が発熱体、5
が基板であり、8は塗装膜である。以上は従来例1と同
じである。本従来例が従来例1と異なるのは、接着剤6
によりパイル植毛7を筐体底面に施していることであ
る。こうした構成により、人体が直接金属筐体に触れる
ことを防止でき、毛の間の空気が断熱層として働くた
め、長時間膝の上で使用しても、金属の熱さを感じるこ
とがなくなる。しかし、デザイン上の課題、あるいは毛
の汚れ、さらに数mmにも及ぶ毛をつけることは折角マ
グネシウム筐体で薄型化を図っても厚み増加の要因とな
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の電子機器筐体構造は、筐体内部に発熱体を
有し、かつ前記筐体が金属部材からなり、前記金属筐体
外表面の人体と接触可能部位の温度が摂氏35度以上と
なる電子機器において、前記金属筐体外表面のうち、前
記人体との接触可能部位の少なくとも一部に金属筐体か
ら人体への熱移動を抑制する断熱層を有することを特徴
とする電子機器筐体構造である。
【0017】また、筐体外表面のうち、表面温度が摂氏
35度以上となり人体と接触可能な筐体外表面に厚さ1
00μm以上、熱伝導率が1W/mK以下の樹脂あるい
はゴム部材からなる断熱層を設けていることを特徴とす
る電子機器筐体構造である。
【0018】さらに、前記断熱層が空気を内包している
ことを特徴とする電子機器筐体構造である。
【0019】さらに、筐体外表面と前記断熱層の間に空
気を有することを特徴とする電子機器筐体構造である。
【0020】さらに、前記断熱層の表面が最大粗さ50
μm以上の凹凸を有し、人体との接触面積を少なくして
いることを特徴とする電子機器筐体構造である。
【0021】また、断熱層が透明であることを特徴とす
る電子機器筐体構造である。また、人体と接触可能で、
かつ、表面温度が摂氏35度以上となる筐体外表面に厚
さ100μm以上の繊維部材からなる断熱層を設けたこ
とを特徴とする電子機器筐体構造である。
【0022】また、筐体内部に発熱体を有し、かつ、前
記筐体が金属部材からなり、前記金属筐体外表面の人体
と接触可能部位の温度が摂氏35度以上となる電子機器
において、前記金属筐体外表面のうち、人体と接触可能
で表面温度が摂氏35度以上となる筐体外表面に最大粗
さ50μm以上の凹凸を有し、人体との接触面積を少な
くしていることを特徴とする電子機器筐体構造である。
【0023】また、前記樹脂部材あるいはゴム部材ある
いは繊維部材からなる断熱層は樹脂あるいはゴム部材あ
るいは繊維部材からなるシートを前記金属筐体外表面に
接着剤により貼付けて形成していることを特徴とする電
子機器筐体構造である。
【0024】また、弾性を有する液状ゴム塗料を前記金
属筐体表面にコーティングして断熱層を形成しているこ
とを特徴とする電子機器筐体構造である。
【0025】さらに、空気を内包したマイクロカプセル
を混在させた塗料の塗布により前記筐体外表面に断熱層
を形成していることを特徴とする電子機器筐体構造であ
る。
【0026】さらに、筐体内部に発熱体を有し、かつ、
前記筐体が金属部材からなる電子機器筐体において、少
なくとも、人体と接触可能部位で、かつ、表面温度が摂
氏35度以上となる部位の前記筐体部材が内部に樹脂層
を有する積層部材からなることを特徴とする電子機器筐
体構造である。
【0027】携帯型パソコンの金属筐体の金属製底面あ
るいは金属製上面あるいは金属製側面に上記構造を有す
る携帯型パソコン筐体構造である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を用いて説
明する。
【0029】図1は本発明の第1実施例を示す携帯用パ
ソコン筐体断面図である。図1において、6は接着剤、
9は金属筐体、10は接着剤で貼付けられた厚さ100
μm以上の樹脂製シートである。
【0030】図1において、樹脂シート10の下面と人
体が接触し、直接、人体が金属筐体9に接触することが
なくなる。しかも、前記樹脂シートは100μm以上の
厚みを有し、熱伝導率が1W/mK以下(通常の樹脂部
材は0.2W/mK程度)と金属筐体に比べかなり小さ
いことから、人体へ流れる単位時間あたりの熱通過量、
即ち、次式のごとく近似される熱通過率U(W/m2K)
は表面処理をしない金属筐体に比べ、大幅に低下する。 熱通過率U(W/m2K)≒人体と接触する部材の熱伝導率λ(W/mK)/人体 と接触する部材の厚みd(m)・・・(1) ここで、式(1)より、表面処理していない厚さ1mm
のAl板の場合、U=200/0.001=2×105
であるのに対し、100μmの樹脂層がある場合は、U
=0.2/0.0001=2×103と熱通過率は約1
/100となる。
【0031】一方、1mm厚の樹脂筐体の場合は2×1
2と算出され、この結果より本構成は金属筐体より樹
脂筐体に近い熱通過率となることがわかる。その結果、
人体への熱移動を抑制することが可能で、人体接触時に
も金属に接触した場合のような瞬間的な熱さを感じるこ
となく樹脂筐体に近い触感温度を得ることができる。
【0032】一方、断熱層の熱伝導率を1W/mK以上
とした場合、本構成の一般的な樹脂コートと同等の熱通
過率をもつには、厚みが0.5mm以上必要と算出され
る。しかしながら、携帯型パソコン筐体のように最近の
電子機器は1mmでも薄く軽くすることが求められてお
り、0.5mm以上の膜厚は非現実となる。さらに、金
属筐体の曲面あるいは凹凸に対し、0.5mm以上の厚
膜シートを形状追従性を確保しつつ貼付けることは実現
困難である。
【0033】また、熱伝導率が1W/mK前後の部材と
して、放熱用シリコン系熱伝導ゴムシートや陶器がある
が、45〜50度に加熱されたこれらの部材に触った場
合、すぐに人体へ熱移動が発生し、接触後短時間に熱さ
を感じてしまうことは一般に経験されるとおりである。
こうした点から、熱伝導率が1W/mK以下の一般的な
樹脂部材あるいはゴム部材あるいは繊維部材等で、厚み
が500μm未満の断熱膜を形成することが好ましいと
考える。
【0034】図8に実験による樹脂筐体と本構成の触感
温度の定量比較を示す。図8の実験は厚さ1.0mmの
ABSおよび各種表面に本発明の触感温度低減対策を施
した厚さ1.0mmのAl板を45度に加熱しておき、
指を模擬した樹脂物体を接触させた場合の樹脂物体内部
(加熱板との接触表面から0.5mm内部)の温度上昇
推移を測定したものである。
【0035】触感温度は人体接触直後からの人体接触部
の温度上昇と強い相関関係があるとの学会での研究発表
結果(日本機械学会熱工学シンポジウム、1997/7
/17、P75−76)があり、図8の温度上昇カーブ
が樹脂筐体(ABS)の場合の温度上昇カーブと近接し
ている程、触感温度は樹脂筐体に近いとの評価ができ
る。
【0036】図8においてカーブA)B)はそれぞれ厚
さ100μm、200μmのシートを貼付けた場合の温
度上昇である。温度上昇カーブA)B)共、金属筐体表
面処理なしの場合に比べ、かなり樹脂筐体の場合に近接
しており、単位時間当たりの熱移動が抑制され、樹脂筐
体と同等の触感を確保していることがわかる。
【0037】また、シート厚みが大きい程触感温度は小
さくなることが示されており、式(1)の正当性を示し
ている。ちなみに、本実施例の実験においては、樹脂シ
ート材料として、PET(熱伝導率0.1〜0.3W/
mK程度)を使用したが、同等の熱伝導率を有する樹脂
あるいはゴム部材、繊維部材であってもよい。特に、樹
脂の代わりに厚み1mm以上のゴム部材を携帯型パソコ
ンの底面に貼付けることで、携帯型パソコンにかかる衝
撃・振動も吸収可能となるため、触感温度低減のみなら
ず耐振性も向上させることが可能となる。
【0038】さらに、樹脂シートは透明であれば、金属
筐体のメタリックな高級感を確保できるため、デザイン
的にも好ましい。
【0039】図2は本発明の第2実施例を示す携帯用パ
ソコン筐体断面図である。図2において、6は接着剤、
9は金属筐体、10は厚み100μmの樹脂シートであ
り、以上の構成は実施例1と同じ構成である。本実施例
が実施例1と異なるのは、樹脂シート10が空気11を
有している点である。静止空気の熱伝導率は、0.01
(W/mK)程度であり、樹脂よりも1桁熱伝導率が小
さい。
【0040】その結果、樹脂層全体の熱伝導率も0.0
1〜0.1(W/mK)と小さくできるため、式(1)
に示すように、人体への熱通過率Uも小さくなり、人体
への熱移動を抑制し、触感温度を低減することができる
(ちなみに、断熱材として一般に用いられているフォー
ムポリスチレンの場合、熱伝導率は0.03(W/m
K)程度である。)。
【0041】本構成の場合も、図8の実験結果C)に示
すように、樹脂筐体と同等レベルまで触感温度を低減す
ることが実証されている。本構成においても、樹脂の代
わりにゴム部材、繊維部材であってもよい。特に、樹脂
の代わりに数mmの厚さのゴム部材を携帯型パソコンの
底面に貼付けることで、触感温度低減のみならず携帯型
パソコンの耐衝撃性、耐振性を向上させることが可能と
なる。さらに、樹脂シートは透明であれば、金属筐体の
メタリックな高級感を確保できるため、デザイン的にも
好ましい。
【0042】図3は本発明の第3実施例を示す携帯用パ
ソコン筐体断面図である。本実施例において、9は金属
筐体であり、本実施例が従来の実施例と異なるのは、金
属筐体の外表面に最大粗さ50μmの凹凸12を設けて
いる点である。
【0043】本構成とすることで、人体と金属筐体との
接触面積を従来の凹凸を設けていない筐体に比べ、小さ
くすることができるため、人体への熱移動量を小さくす
ることが可能となり、触感温度は低減する。本構成の効
果も、図8の実験結果D)カーブに示すように、樹脂筐
体と同等までは達しないまでも表面処理を設けない場合
に比べ、人体の温度上昇勾配を小さくでき、触感温度を
抑制していることが確認された。
【0044】図4は本発明の第4実施例を示す携帯用パ
ソコン筐体断面図である。図4において、6は接着剤、
9は金属筐体、10は厚み100μmの樹脂シートであ
り、以上の構成は実施例1と同じ構成である。本実施例
が実施例1と異なるのは、金属筐体外表面に最大粗さ5
0μmの凹凸12を設けており、金属筐体と樹脂シート
との接触面積を少なくしている。
【0045】本構成とすることで、金属筐体から樹脂層
への伝熱面積を減少させることが可能であるため、人体
への熱流入を抑制でき、触感温度を低減することができ
る。その効果は、図8のE)に示す温度上昇カーブが樹
脂筐体の場合と同等となっていることからも実証されて
いる。本実施例においても、樹脂部材はゴム部材、繊維
部材であってもよい。
【0046】特に、樹脂の代わりに厚み1mm以上のゴ
ム部材を携帯型パソコンの底面に貼付けることで、携帯
型パソコンにかかる衝撃・振動も吸収可能となるため、
触感温度低減のみならず耐振性も向上させることが可能
となる。さらに、樹脂シートは透明であれば、金属筐体
のメタリックな高級感を確保できるため、デザイン的に
も好ましい。
【0047】また、本実施例においては、金属筐体9に
凹凸12を設けたが、樹脂シート10側に設けてもよ
い。
【0048】さらに、上記実施例1,2,4に示すよう
に樹脂あるいはゴム状のシートを筐体に接着剤により貼
付ける構成では、リサイクル時にはシートをはがし金属
筐体と樹脂シートを分離できるため、塗装に比べリサイ
クルの点からも好ましい。
【0049】また、上記実施例1,2,4において、人
体と接触する側の樹脂表面に50μm以上の凹凸を設
け、人体との接触面積を小さくすることでさらに、人体
への熱移動を抑制し、触感温度を下げることが可能であ
る。
【0050】図5は本発明の第5実施例を示す携帯用パ
ソコン筐体断面図である。図5において、9は金属筐体
であり、13は弾性を有するゴム状塗料粉体である。本
構成が他の実施例と異なるのは、シートの貼付けで断熱
層を形成するのでなく、液状ゴム塗料を吹き付け等で金
属筐体表面に100μm以上の厚みのコーティング層を
形成していることである。前記したとおり、通常の塗装
では、塗装膜厚の増加は割れを起こすため厚膜コートが
困難であったが、弾性を有するゴム状粉体を塗装するこ
とで、100μm以上の厚膜コートが可能となり、図8
のF)カーブに示すように、触感温度も樹脂並に低減す
ることが可能となる。本実験では、液状ゴム塗料とし
て、ジックス株式会社から販売しているUSA製”プラ
スティディップスプレー(商品名)”を用いた。
【0051】図6は本発明の第6の実施の形態を示す携
帯用パソコン筐体断面図である。図6において、9は金
属筐体であり、本実施例が上記の実施例と異なるのは、
塗料基材15の中に、空気11を内包したマイクロカプ
セル16を混在させ、金属筐体表面に吹き付け、ディッ
プ等により塗装している点である。本構成とすること
で、マイクロカプセル中の空気が良好な断熱層として作
用するため、塗装膜の熱伝導率を低下させ、人体への熱
移動を小さくすることができる。さらに、マイクロカプ
セルの径を大きくすることで、コート層表面の粗さも大
きくでき、人体との接触面積を小さくすることも可能と
なり、さらに人体の熱移動を低減できる。
【0052】図7は本発明の第7の実施の形態を示す携
帯用パソコン筐体断面図である。図7において、14は
金属筐体であり、本実施例が上記実施例と異なるのは、
金属筐体14内に断熱層として、樹脂10を挟み込んだ
積層部材となっていることである。本構成とすることで
筐体金属板の内側表面に伝わった熱は、面内方向に熱拡
散しても、筐体板金の厚み方向には樹脂10により遮断
されるため熱移動量が減少する。
【0053】その結果、筐体外表面を人体が触れても熱
さを抑制し、触感温度を低減することが可能となる。樹
脂の代わりにゴム部材、繊維質部材であってもよい。特
に、樹脂の代わりにゴム部材を挟み込み、携帯型パソコ
ンにかかる衝撃・振動も吸収させ、触感温度低減のみな
らず耐振性も向上させることが可能となる。さらに、本
構成では、筐体外表面も金属部材であるため、デザイン
上金属筐体のメタリックな高級感を確保できる。
【0054】
【発明の効果】上記に示したような構成とすることで、
携帯型パソコンのように金属筐体に長時間接触して使用
する場合にも、金属筐体から人体への熱移動を抑制する
ことができ、金属筐体を使い、熱拡散性、高剛性、リサ
イクル性を確保しつつも、樹脂筐体と同等の触感温度
(人体が触れた時に感じる主観的温度)を得ることが可
能で、低温やけどを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電子機器筐体断面図
【図2】本発明の第2実施例の電子機器筐体断面図
【図3】本発明の第3実施例の電子機器筐体断面図
【図4】本発明の第4実施例の電子機器筐体断面図
【図5】本発明の第5実施例の電子機器筐体断面図
【図6】本発明の第6実施例の電子機器筐体断面図
【図7】本発明の第7実施例の電子機器筐体断面図
【図8】本発明の効果を実証する実験結果を示す図
【図9】携帯型パソコンの第1従来例の筐体構造断面図
【図10】携帯型パソコンの第2従来例の筐体構造断面
【符号の説明】
1 携帯型パソコンの金属筐体 2 携帯型パソコンの表示装置 3 携帯型パソコンのキーボード 4 発熱体 5 基板 6 接着剤 7 パイル植毛 8 塗装膜 9 金属筐体 10 樹脂断熱膜 11 空気 12 表面凹凸 13 ゴム状塗料粉体 14 積層材筐体 15 塗料基材 16 マイクロカプセル

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体内部に発熱体を有し、かつ前記筐体
    が金属部材からなり、前記金属筐体外表面の人体と接触
    可能部位の温度が摂氏35度以上となる電子機器におい
    て、前記金属筐体外表面のうち、前記人体との接触可能
    部位の少なくとも一部に金属筐体から人体への熱移動を
    抑制する断熱層を有することを特徴とする電子機器筐体
    構造。
  2. 【請求項2】 前記筐体外表面のうち、表面温度が摂氏
    35度以上となり人体と接触可能な筐体外表面に厚さ1
    00μm以上、熱伝導率が1W/mK以下の樹脂あるい
    はゴム部材からなる断熱層を設けていることを特徴とす
    る請求項1記載の電子機器筐体構造。
  3. 【請求項3】 前記断熱層が空気を内包していることを
    特徴とする請求項1,2記載の電子機器筐体構造。
  4. 【請求項4】 前記筐体外表面と前記断熱層の間に空気
    を有することを特徴とする請求項2,3記載の電子機器
    筐体構造。
  5. 【請求項5】 前記断熱層の表面が最大粗さ50μm以
    上の凹凸を有することを特徴とする請求項2,3,4記
    載の電子機器筐体構造。
  6. 【請求項6】 前記断熱層が透明であることを特徴とす
    る請求項2,3,4,5記載の電子機器筐体構造。
  7. 【請求項7】 人体と接触可能で、かつ、表面温度が摂
    氏35度以上となる筐体外表面に厚さ100μm以上の
    繊維部材からなる断熱層を設けたことを特徴とする請求
    項1記載の電子機器筐体構造。
  8. 【請求項8】 筐体内部に発熱体を有し、かつ前記筐体
    が金属部材からなり、前記金属筐体外表面の人体と接触
    可能部位の温度が摂氏35度以上となる電子機器におい
    て、前記金属筐体外表面のうち、人体と接触可能で表面
    温度が摂氏35度以上となる筐体外表面に最大粗さ50
    μm以上の凹凸を有することを特徴とする電子機器筐体
    構造。
  9. 【請求項9】 前記樹脂部材あるいはゴム部材あるいは
    繊維部材からなる断熱層は樹脂あるいはゴム部材あるい
    は繊維部材からなるシートを前記金属筐体外表面に接着
    剤により貼付けて形成していることを特徴とする請求項
    2,3,4,5,6,7記載の電子機器筐体構造。
  10. 【請求項10】 弾性を有するゴム状塗料を前記金属筐
    体表面にコーティングして前記筐体外面に断熱層を形成
    していることを特徴とする請求項1,2,3,5,6記
    載の電子機器筐体構造。
  11. 【請求項11】 空気を内包したマイクロカプセルを混
    在させた塗料の塗布により前記筐体外表面に断熱層を形
    成していることを特徴とする請求項1,2,3,5,6
    記載の電子機器筐体構造。
  12. 【請求項12】 筐体内部に発熱体を有し、かつ、前記
    筐体が金属部材からなる電子機器筐体において、少なく
    とも、人体と接触可能部位で、かつ、表面温度が摂氏3
    5度以上となる部位の前記筐体部材が内部に樹脂層を有
    する積層部材からなることを特徴とする電子機器筐体構
    造。
  13. 【請求項13】 前記筐体が携帯型パソコンの金属筐体
    であり、前記金属筐体の底面あるいは上面あるいは側面
    が金属部材からなっており、前記筐体の金属製底面ある
    いは金属製上面あるいは金属製側面の外表面に請求項
    1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,1
    2記載の筐体構造を有していることを特徴とする携帯型
    パソコン筐体構造。
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