JP2000146013A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP2000146013A
JP2000146013A JP10313497A JP31349798A JP2000146013A JP 2000146013 A JP2000146013 A JP 2000146013A JP 10313497 A JP10313497 A JP 10313497A JP 31349798 A JP31349798 A JP 31349798A JP 2000146013 A JP2000146013 A JP 2000146013A
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JP
Japan
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valve
pressure
outer peripheral
grinding
peripheral surface
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JP10313497A
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Inventor
Koji Takagi
貢治 高木
Mitsugi Nakao
貢 中尾
Teruhisa Uchida
輝久 内田
Atsushi Konekawa
淳志 古根川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センタレス加工などの各種の研削加工方法に
て高精度にかつ効率的に研削加工できる弁体を備えた電
磁弁の提供。 【解決手段】 ステム部98aの各外周面98dに形成
されている圧力抜き用溝98eが螺旋状である。このた
め、調整トイシ車122あるいはトイシ車124の一直
線状の接触部分全体が一度に圧力抜き用溝98eに落ち
込むことはなく、不連続で急激な研削圧力の変化が防止
される。したがって、高い研削圧力で研削しても形成さ
れるポペット弁98のステム部98aの真円度を低下さ
せることが無く、効率的かつ高精度の研削加工を実現す
ることができる。そして、このようにポペット弁98の
研削加工にセンタレス加工が採用できることから、ポペ
ット弁98の両端にセンタ穴を設け無くても高精度な加
工が効率的にでき、一層生産性を向上させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁に関し、例
えば内燃機関の燃料圧送に用いられる高圧燃料ポンプ用
電磁スピル弁等に用いられる電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】高圧燃料ポンプのポンプ室の燃料を開弁
によって溢流させる高圧燃料ポンプ用電磁スピル弁が知
られている(特開平10−153157号公報)。
【0003】このような電磁スピル弁は、円筒状をなす
シート体と、このシート体の貫通孔に移動可能に挿入支
持されるステム部を有する弁体とを備えている。この電
磁スピル弁は開閉指令に対する十分に高い応答性が望ま
れる。しかし、シート体の内周面とステム部の外周面と
の間から漏れた燃料の内圧によって弁体の移動を阻止す
る力が生じるため、十分な応答性が得られない場合があ
る。
【0004】このため、従来技術ではシート体に内圧抜
きの油路を設けているが、この油路の形成は加工に時間
を要し製造コストの増大につながる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような時間のかか
る油路形成を避けるために、例えば図12に示すごとく
弁体500におけるステム部502の外周面504にス
テム部502の中心軸方向へ延びる縦溝506を形成す
ることが考えられる。
【0006】しかしながら、このような縦溝506をス
テム部502の外周面504に設けると、ステム部50
2の外周面504を研削加工にて仕上げる場合に高精度
に加工できないおそれがある。
【0007】例えば、図13(A)に示すごとく、トイ
シ車510を用いたセンタ加工では、高精度に研削する
ためにはステム部502の外周面504に対して一定の
研削圧力でトイシ車510を接触させる必要がある。し
かし、縦溝506部分が研削位置に回転してくるとトイ
シ車510による研削圧力が不連続にしかも急激に低下
する。そして、その後、縦溝506の縁にトイシ車51
0が衝突する。このような状況を繰り返すので、研削加
工にむらを生じて真円度が低下してしまう。
【0008】このため、研削圧力を極めて小さくして長
時間の研削加工を行うことで真円度を規格内に維持して
生産することになる。このような長時間の加工は弁体の
生産性を低下させ、電磁弁の製造コストを上昇させる原
因となる。
【0009】センタ加工よりも研削加工にコストがかか
らない加工法として、センタレス加工が存在する。この
センタレス加工は弁体を支持するためのセンタ穴加工が
不要であり、図13(B)に示すごとくトイシ車610
と調整トイシ車612とに弁体を挟んで加工するため研
削圧力を高めることができ精度高くかつ効率的に研削加
工できる加工法である。
【0010】しかし、前述したごとくステム部502の
外周面504に縦溝506を形成した場合には、トイシ
車610と調整トイシ車612とにステム部502を挟
むことになる。このため縦溝506による不連続で急激
な研削圧力の変化がセンタ加工の場合よりも大きく影響
する。
【0011】更にセンタレス加工では、下からブレード
614で、上から上部押え616で挟んでいる。このた
めブレード614や上部押え616の支持に対しても縦
溝506が影響して弁体に位置ぶれが生じて高精度の研
削が困難となる。
【0012】したがって、センタレス加工は縦溝506
を有する弁体の研削加工に用いることはできない。現実
には前述したセンタ加工により非効率な研削加工を行わ
なくてはならず、弁体の生産性が極めて低いものとなら
ざるを得ない。
【0013】本発明は、各種の研削加工方法にて高精度
にかつ効率的に研削加工できる弁体を備えた電磁弁の提
供を目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電磁弁
は、ステム部を有する弁体をシート体に形成された貫通
孔内にて該貫通孔の軸方向へ移動可能に前記ステム部の
外周面で支持するとともに、電磁コイルの起磁力に応じ
て前記弁体を駆動することで、前記弁体のバルブフェー
スと前記シート体に設けられたバルブシートとを離合動
作させる電磁弁であって、前記ステム部の外周面には1
つ以上の圧力抜き用溝が形成され、該各圧力抜き用溝は
前記ステム部の中心軸に対して回転位相が異なる部分が
存在することを特徴とする。
【0015】それぞれの圧力抜き用溝において、ステム
部の中心軸に対して回転位相が異なる部分が存在する。
すなわち、圧力抜き用溝は単なる一直線状に延びる縦溝
ではなく、曲折部分が存在したり、全体が曲がったり、
螺旋を描いたりしている。このことにより、ステム部の
中心軸に沿って外周面の同一位相上を一直線に辿ってい
くと必ず圧力抜き用溝が存在しない外周面を通過するこ
とになる。
【0016】このため、センタ加工においてもセンタレ
ス加工においても、ステム部の中心軸に沿って、同一位
相上で一直線にステム部の外周面に接触するトイシ車あ
るいは調整トイシ車は、圧力抜き用溝のない外周面に常
に接触していることになる。
【0017】したがって、トイシ車あるいは調整トイシ
車の接触部分が一度に圧力抜き用溝上を通過することが
防止されるので、不連続で急激な研削圧力の変化が防止
される。このため高い研削圧力にて効率的かつ高精度の
研削加工を実現することができる。
【0018】しかもセンタレス加工が可能となることか
ら、センタ穴を形成しなくてもよくなり、一層効率的な
製造方法を採用することが可能となる。請求項2記載の
電磁弁は、請求項1記載の構成に対して、前記圧力抜き
用溝は、螺旋状に前記ステム部の外周面に形成されてい
ることを特徴とする。
【0019】このように圧力抜き用溝は、ステム部の外
周面において螺旋状に形成することにより、ステム部の
中心軸に対して回転位相が異なる部分が存在するように
圧力抜き用溝を形成することができ、請求項1の作用効
果を生じさせることができる。しかも、螺旋状であるこ
とから圧力抜き用溝の形成も比較的容易に行うことがで
き、生産効率を低下させることはない。
【0020】請求項3記載の電磁弁は、請求項1または
2記載の構成に対して、前記電磁コイルの起磁力に応じ
て磁気回路内に配置されたコアに対してアーマチャを移
動させて、該アーマチャと連動する前記弁体のバルブフ
ェースと前記シート体に設けられたバルブシートとを離
合動作させることで、高圧燃料ポンプが圧送する燃料の
溢流状態を調整する高圧燃料ポンプ用電磁スピル弁とし
て形成されていることを特徴とする。
【0021】このように電磁弁が高圧燃料ポンプ用電磁
スピル弁として形成されることにより、十分な応答性で
高精度の燃料噴射制御を実現できる電磁弁を提供するこ
とができる。
【0022】請求項4記載の電磁弁は、請求項1〜3の
いずれか記載の構成に対して、前記ステム部の外周面
は、センターレス加工にて研削加工されていることを特
徴とする。
【0023】このように実際にステム部の外周面の研削
加工にセンターレス加工を適用することで、高応答性の
電磁弁を高精度にかつ効率よく製造することができる。
請求項5記載の電磁弁は、請求項1〜3のいずれか記載
の構成に対して、前記ステム部の外周面および前記バル
ブフェースは、センターレス加工にて同時に研削加工さ
れていることを特徴とする。
【0024】上述した請求項1〜3の構成では研削圧力
が安定しているため、センタレス加工にて、ステム部の
外周面とともに、高精度が要求されるバルブフェースも
同時に研削することができ、高精度の電磁弁を一層高い
効率で製造することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用された車輌用ガソリンエンジンの燃料供給
装置10の概略構成を表すブロック図である。この燃料
供給装置10は、高圧燃料ポンプ11、燃料タンク1
3、低圧フィードポンプ14および電磁スピル弁41等
を備えている。
【0026】ここで、高圧燃料ポンプ11は燃料を高圧
に加圧するためのものであり、シリンダ20と、このシ
リンダ20内で往復動するプランジャ21と、シリンダ
20の内周壁面およびプランジャ21の上端面により区
画形成された加圧室22とを備えている。
【0027】プランジャ21の下端に取り付けられたタ
ペット23は、スプリング(図示略)の付勢力によりエ
ンジンEのカムシャフト24に設けられたカム25に圧
接されている。カムシャフト24の回転に伴ってカム2
5が回転することで、プランジャ21がシリンダ20内
を往復動し加圧室22内の容積が変化する。
【0028】加圧室22は、流入通路30によって燃料
タンク13に接続されている。この流入通路30には低
圧フィードポンプ14が設けられており、この低圧フィ
ードポンプ14により燃料タンク13の燃料は吸入され
吐出される。吐出された燃料は流入通路30を通じて、
プランジャ21の下動の際に加圧室22内に導入され
る。低圧フィードポンプ14と加圧室22との間の流入
通路30には逆止弁31が設けられている。この逆止弁
31は流入通路30内において低圧フィードポンプ14
から加圧室22へ向かう燃料の流通のみを許容し、逆流
を防止している。
【0029】流入通路30において低圧フィードポンプ
14と逆止弁31との間の部分(以下、この部分を「吐
出側流入通路32」という)はリリーフ通路33により
燃料タンク13に接続されている。リリーフ通路33の
途中にはリリーフ弁34が設けられており、リリーフ弁
34は吐出側流入通路32内の燃料圧力が規定値以上に
なった場合に開弁する。このリリーフ弁34の開弁によ
り、吐出側流入通路32内の燃料はリリーフ通路33を
通じて燃料タンク13に戻される。その結果、低圧フィ
ードポンプ14から加圧室22に移送される燃料の圧力
が略一定に維持されるようになっている。
【0030】加圧室22は、供給通路35によりエンジ
ンEに設けられた燃料リザーバ55に接続されている。
この燃料リザーバ55は燃料を高圧の状態に保持すると
ともに、その燃料をインジェクタ56に分配する。
【0031】エンジンEには、その各気筒に対応して複
数のインジェクタ56が設けられている。各インジェク
タ56は燃料リザーバ55にそれぞれ接続されており、
この燃料リザーバ55内の高圧燃料が各インジェクタ5
6に分配供給されるようになっている。また、供給通路
35には加圧室22から燃料リザーバ55に向かう燃料
の流通のみを許容する逆止弁36が設けられており、こ
の逆止弁36によって燃料リザーバ55から加圧室22
への燃料の逆流が防止されている。
【0032】また、燃料リザーバ55は、途中にリリー
フ弁37が設けられたリリーフ通路38により燃料タン
ク13に接続されている。燃料リザーバ55の燃料圧力
が規定値以上にまで上昇したときにリリーフ弁37が開
弁することにより、燃料リザーバ55内の燃料がリリー
フ通路38を通じて燃料タンク13に戻される。これに
より、燃料リザーバ55内の燃料圧力が過大になること
が防止される。
【0033】インジェクタ56はエンジンEの電子制御
装置(以下、「ECU」という)60からの信号に基づ
いて開閉することにより、エンジンEの各気筒に対して
必要な量の燃料を噴射供給する。燃料リザーバ55には
燃圧センサ61が取り付けられている。燃圧センサ61
は燃料リザーバ55内の燃料圧力を検出して、その圧力
に応じた信号をECU60に対して出力する。
【0034】加圧室22は、この加圧室22に接続され
る部分が供給通路35と共通になったスピル通路11
c,11dにより、電磁スピル弁41(図1では電磁ス
ピル弁41の構造は概略的に示しているが詳細は後述す
る)を介して燃料タンク13に接続されている。
【0035】この電磁スピル弁41は常開式の電磁弁で
あり、開閉がECU60により通電制御されるようにな
っている。電磁スピル弁41よりも下流側のスピル通路
11dには、燃料タンク13から電磁スピル弁41側へ
の燃料の逆流を防止するとともに、スピル通路11d内
の燃料圧力が規定圧力以上となった際に開弁する圧力調
整弁40が設けられている。
【0036】図2の縦断面図に電磁スピル弁41の詳細
構成を示す。電磁スピル弁41のフランジ部材72はス
テンレス製のリング形状をなしている。このフランジ部
材72にはステンレス製のナット部74が回転可能に取
り付けられている。このナット部74を、高圧燃料ポン
プ11に設けられた螺合部11aに螺入することによ
り、電磁スピル弁41の各構成を高圧燃料ポンプ11に
固定している。
【0037】ナット部74の一端にはリング状係合縁部
74aが設けられ、フランジ部材72の外周面に設けら
れたリング状係合突条72aに係合している。このこと
により、フランジ部材72およびフランジ部材72に直
接あるいは間接に取り付けられている電磁スピル弁41
の各構成が高圧燃料ポンプ11に固定されることにな
る。
【0038】フランジ部材72には、ナット部74とは
反対側に、ヨーク部品76が接している。更にヨーク部
品76にはもう一つのヨーク部品78が接している。一
方のヨーク部品76は、中央に丸孔が形成された円板部
材76aを有し、この丸孔に短円筒部材76bが形成さ
れた形状をなしている。他方のヨーク部品78は、中央
に丸孔が形成された円板部78aを有し、この丸孔に短
円筒部材78bが形成され、更に円板部78aの外周縁
に長円筒部材78cが形成された形状をなしている。ヨ
ーク部品76,78は、共に低炭素鋼をプレスにて成形
したものである。
【0039】これら2つのヨーク部品76,78は、一
方のヨーク部品76の円板部材76aの外周縁と、他方
のヨーク部品78の長円筒部材78cの先端面とを接触
させることにより組み合わされて、一つのヨーク80を
形成している。なお、短円筒部材76b,78bの先端
部は隙間を開けて対向状態に配置され、その間にヨーク
部材が存在しない分離部80bを設けている。
【0040】上述したごとくヨーク部品76,78が組
み合わされて形成されたヨーク80の内部にはリング状
の空間が形成されている。この空間にはリング状の電磁
コイル82が配置されている。なおヨーク80とリング
状の電磁コイル82との間隙には樹脂84が充填されて
いる。
【0041】このようなヨーク80と電磁コイル82と
の一体物は、射出成形によりフランジ部材72のリング
状突条72bとともに樹脂86中に埋設されている。こ
のことにより、フランジ部材72とヨーク80側とが一
体化されている。なおこの射出成型時に電磁コイル82
に電流を供給するためのコネクタ部86aも形成され
る。
【0042】フランジ部材72の中心孔72cおよびヨ
ーク80の中心孔80aへは、ナット部74側からステ
ンレス等の非磁性体からなる有底の筒状部材88が挿入
されている。この筒状部材88は、円板部88aと、こ
の円板部88aの中央から突出する筒部88bとから構
成されている。この筒部88bの先端は閉塞されて半球
状の底部88cを形成している。筒状部材88は、この
底部88cを先頭にして、フランジ部材72の中心孔7
2c側からヨーク80の中心孔80aへ挿入されてい
る。なお、筒状部材88が挿入された状態では、筒状部
材88はヨーク80の中心孔80aの内周面に接触して
いるが、フランジ部材72の中心孔72cの内周面には
接触していない。
【0043】図3の縦断面図に、中心孔72c,80a
に挿入される前の、筒状部材88に組み込まれて一体化
されたバルブサブアッセンブリ95を示す。筒部88b
内には、底部88c側から、コア90、アーマチャ92
およびシート体94が配置されている。この内、コア9
0およびアーマチャ92は、パーマロイや電磁ステンレ
ス等の高透磁率材料が用いられている。シート体94は
ステンレス等の非磁性体である。
【0044】コア90は、内部にバネ96を収納する収
納孔90aと貫通孔90bとが中心軸位置に形成された
円柱状をなしている。このコア90は、筒状部材88内
の必要な位置に挿入後、筒状部材88を外側から加締め
ることにより固定される。
【0045】バネ96に付勢される状態で、リング状の
アーマチャ92が筒状部材88内に配置されている。ア
ーマチャ92の外径は筒状部材88の内径よりも小さい
ので、筒状部材88の内壁との間に隙間が存在する。
【0046】アーマチャ92の中心軸位置に形成されて
いる貫通孔92aには、シート体94側から挿入された
ポペット弁98のステム部98aの先端部98bが挿入
されている。このステム部98aの先端部98bに形成
されている環状溝98c部分にて、アーマチャ92が外
側から加締められることにより、ポペット弁98はアー
マチャ92と一体化されている。このことにより、アー
マチャ92とポペット弁98とが連動して移動可能とさ
れている。
【0047】シート体94は、その円柱状の支持部94
aにて筒状部材88に圧入されている。このことで、シ
ート体94は円板部88a側から筒状部材88内部を塞
いでいる。支持部94aの中心軸位置には貫通孔94b
が形成され、この貫通孔94bの内部を前述したポペッ
ト弁98のステム部98aが摺動可能に貫通している。
【0048】シート体94の基部94cにはスピル空間
100が形成され、その開口部にはバルブシート102
が形成されている。ポペット弁98のステム部98a
は、支持部94aの貫通孔94bとスピル空間100と
を貫通しているとともに、その拡径された基端部98f
にはバルブフェース104が形成されている。このバル
ブフェース104がステム部98aの移動に連動して、
バルブシート102に対して離合動作するように構成さ
れている。
【0049】また、シート体94には、バルブシート1
02よりも外側にストッパ収納部94dが形成されてい
て、このストッパ収納部94dには円板状ストッパ10
6が挿入されている。このため、バルブシート102と
バルブフェース104とは、円板状ストッパ106によ
り覆われることになる。
【0050】この円板状ストッパ106には、燃料流通
用貫通孔106aが複数形成され、供給通路35におけ
る燃料を、図示矢印Aのごとくスピル時に流通させるこ
とができる。なお、燃料流通用貫通孔106aの方向は
燃料が直接ポペット弁98の基端部98fに衝突しない
ように、基端部98fから外れされている。
【0051】更に、スピル空間100には、バルブシー
ト102とバルブフェース104との間を通過した燃料
を、図示矢印Bにて示すごとく圧力調整弁40側へ排出
するための排出路94eが設けられている。
【0052】また、シート体94の貫通孔94bに摺動
するステム部98aの外周面98dには、螺旋状の圧力
抜き用溝98eが複数(ここでは各2本)設けられ、筒
状部材88の内部に対して燃料の流入流出を許容してい
る。このため筒状部材88の内圧の影響を無くして、ポ
ペット弁98の軸方向での移動を円滑に行うことができ
る。
【0053】また、燃料が筒状部材88とシート体94
との間、あるいは高圧燃料ポンプ11の螺合部11aと
シート体94との間から漏出しないように、ゴム製のO
リング108,110がシート体94の基部94cに形
成されたリング状の溝94f,94g内に配置されてい
る。
【0054】図3に示したバルブサブアッセンブリ95
の製造は、まず、シート体94の貫通孔94bにバルブ
シート102側からポペット弁98を挿入する。そし
て、ポペット弁98の先端部98bにアーマチャ92を
ストッパ部98hに当接するまで圧入するとともに、ア
ーマチャ92を加締めてポペット弁98のステム部98
aにアーマチャ92を固定する。
【0055】次に、バルブフェース104とバルブシー
ト102とを密着させた状態で、シート体94の基部9
4cの表面94hとアーマチャ92の先端面92dとの
距離Dを測定する。
【0056】次に、コア90の基端面90cと、筒状部
材88の円板部88aにおける基端側面88dとの距離
が、前述したごとく測定した距離DとエアギャップG
(所望の規格値)との和となる位置まで、筒状部材88
内にコア90を圧入する。そして、コア90を挿入した
部分において筒状部材88を外側から加締めてコア90
を筒状部材88に対して固定する。
【0057】次に、バネ96をコア90の収納孔90a
内に配置し、前述したごとく組み立てておいたアーマチ
ャ92、ポペット弁98およびシート体94の一体物
を、筒状部材88に対してシート体94の支持部94a
にて圧入して固定する。
【0058】次に、円板状ストッパ106をストッパ収
納部94d内に配置すれば、図3の構成、すなわちバル
ブサブアッセンブリ95が完成する。また、図2に示し
たごとくの電磁スピル弁41を完成するには、予め図4
に示すごとくのコイルサブアッセンブリ112を形成し
ておく。すなわち、フランジ部材72に対してナット部
74を組み合わせ、前述したごとく形成したヨーク部品
76,78と電磁コイル82との一体物を樹脂86の射
出成形によりフランジ部材72に固定一体化し、コイル
サブアッセンブリ112を形成しておく。なお、樹脂8
6の射出成型時にコネクタ部86aも形成される。
【0059】そして、コイルサブアッセンブリ112の
2つのヨーク部品76,78からなるヨーク80の中心
孔80aとフランジ部材72の中心孔72cとに、フラ
ンジ部材72側から図3に示したバルブサブアッセンブ
リ95を挿入することにより、電磁スピル弁41を完成
することができる。
【0060】この時、分離部80bに臨むヨーク部品7
8の短円筒部材78bの縁部が、コア90が存在する部
分に筒状部材88の外部から接触し、分離部80bに臨
むヨーク部品76の縁部が、アーマチャ92が存在する
部分に筒状部材88の外部から接触する。このことで、
電磁コイル82による起磁力により、ヨーク80、コア
90およびアーマチャ92にて十分に効率の良い磁気回
路を形成することができる。
【0061】この電磁スピル弁41を、図2に示したご
とくナット部74にて高圧燃料ポンプ11の螺合部11
aに螺合することにより、高圧燃料ポンプ11に取り付
けることができる。なお、高圧燃料ポンプ11に取り付
けた際に、ポンプボディ11b側が円板状ストッパ10
6に接触することで、円板状ストッパ106を固定でき
る。更に、ポンプボディ11bに設けられている加圧室
22からの燃料が流入するスピル通路11cは円板状ス
トッパ106の燃料流通用貫通孔106aに連通し、燃
料タンク13へ排出するスピル通路11dはシート体9
4の排出路94eに連通する。
【0062】上述したごとく形成された電磁スピル弁4
1は、次のように機能する。高圧燃料ポンプ11におい
てプランジャ21により加圧室22の圧縮が開始される
前に、ECU60からの指令により電磁コイル82に電
流が流される。このことで、電磁コイル82の起磁力に
より、ヨーク部品78、ヨーク部品76、アーマチャ9
2およびコア90を経路とする磁気回路が作動する。こ
のため、アーマチャ92はバネ96の付勢力に抗してコ
ア90に引きつけられる。そして、アーマチャ92に連
動してポペット弁98もコア90側へ移動するので、バ
ルブフェース104とバルブシート102とは密着し
て、電磁スピル弁41は閉じられる。したがって、以
後、燃料リザーバ55内の燃料圧力は加圧室22の圧縮
に応じて上昇する。
【0063】そして、必要な燃料量が燃料リザーバ55
内に圧送されたタイミングで、ECU60は電磁コイル
82への電流供給を停止する。すると、コア90への引
きつけ力が消失したアーマチャ92は、バネ96の付勢
力によりコア90から離れる。これに連動してバルブフ
ェース104はバルブシート102から離れるので、電
磁スピル弁41は開く。したがって、供給通路35側か
らの燃料はスピル通路11c,11d側へ排出される。
【0064】ここで、バルブサブアッセンブリ95内に
組み込まれているポペット弁98は、上述した電磁スピ
ル弁41の性能を決定する重要部品の一つである。した
がって、図5の斜視図に示すごとく、ポペット弁98の
外形、特にステム部98aにおける外周面98dおよび
基端部98fのバルブフェース104は高精度に形成さ
れている。
【0065】このポペット弁98の形成については次の
ように行われている。まず、前加工として、旋削により
外形を出すとともに、ネジ切り加工により螺旋状の圧力
抜き用溝98eを形成する。なお、前加工としては転造
により外形と螺旋状の圧力抜き用溝98eとを直接に形
成してもよい。また転造では後の研削加工するには寸法
精度が不十分な場合は、更に旋削を組み合わせてもよ
い。
【0066】前加工の次は、研削加工にて高精度に仕上
げるために、ポペット弁98はセンタレス加工機にセッ
トされる。すなわち、まず図6(上方から見た部分断面
図)および図7(図6のA−A断面図)に示すごとく、
ポペット弁98のステム部98aを下方からブレード1
20にて支持する。更に、ステム部98aの上方からは
上部押え125にて浮き上がりを防止する。ポペット弁
98の前後からは調整トイシ車122とトイシ車124
とで挟持して必要な研削圧力をかける。
【0067】このトイシ車124は、テーパ状の外周面
に少なくとも2つの研削面124a,124bを形成し
ている。この研削面の内、図6のほぼ中央部に存在する
研削面124aにてステム部98aの外周面98dを研
削し、左端に存在する研削面124bにて基端部98f
の外周面を研削するように配置される。
【0068】なお、トイシ車124の回転軸に対して
は、ポペット弁98の中心軸および調整トイシ車122
の回転軸は角度差、例えば15°の角度差が設けられて
いる。また、ポペット弁98の基端部98f側には先端
に超硬合金126aを備えたストッパ126が当接され
て、ポペット弁98が研削加工中に図6において左側に
ずれるのを防止している。
【0069】更に、ポペット弁98の基端部98fの外
周面には、トイシ車124とは反対側から、シュー12
8がその一部に設けられた超硬合金128aにて接触
し、基端部98fにおいてポペット弁98が中心軸とは
直交する方向へぶれるのを防止している。
【0070】この状態で、調整トイシ車122とトイシ
車124とを図7に示した矢印のごとく回転させる。こ
のことにより、ポペット弁98は調整トイシ車122の
回転に従って図示矢印のごとく回転されて、トイシ車1
24によりステム部98aの2つの外周面98dおよび
基端部98fの外周面が研削される。
【0071】次に、トイシ車124を、図8に示すごと
く、外周面98dを最終仕上げするための研削面174
aとバルブフェース104を研削仕上げするための研削
面174cとを備えたトイシ車174に取り替える。調
整トイシ車122、ストッパ126およびシュー128
は同じものを用いている。なお、図8と同じ構成の別の
研削加工機にてポペット弁98を研削するようにしても
よい。
【0072】この状態で調整トイシ車122とトイシ車
174とを回転させる。このことにより、ポペット弁9
8はトイシ車174によりステム部98aの外周面98
dが最終仕上げされ、バルブフェース104も同時に研
削されて完成される。
【0073】このように高精度に形成されたポペット弁
98は前述したごとく、バルブサブアッセンブリ95に
組み込まれ、そしてコイルサブアッセンブリ112と組
み合わせれて電磁スピル弁41として燃料供給装置10
に用いられる。
【0074】上述した研削加工の際には、調整トイシ車
122およびトイシ車124,174は、ステム部98
aの中心軸方向に沿って一直線状態に外周面98dに接
触して回転する。そして、この回転の際には調整トイシ
車122およびトイシ車124,174の接触部分は、
圧力抜き用溝98e上を繰り返し通過することになる。
【0075】しかし、この圧力抜き用溝98eは、ステ
ム部98aの中心軸に対して、長さ方向において次第に
回転位相が変化する螺旋状に形成されている。すなわ
ち、圧力抜き用溝98eはステム部98aの中心軸に対
して、全長が同一位相に存在するのでなく、回転位相が
異なる部分が存在することになる。このため、それぞれ
の外周面98dにおいて、調整トイシ車122あるいは
トイシ車124,174の一直線状の接触部分全体が一
度に圧力抜き用溝98eに落ち込むことはない。常に、
各外周面98dにおいて調整トイシ車122およびトイ
シ車124,174は各外周面98dに接触して研削を
行っている。
【0076】以上説明した本実施の形態1によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前述したごとく、ステム部98aの各外周面9
8dにおける圧力抜き用溝98eが螺旋状であり、ステ
ム部98aの中心軸に対して回転位相が異なる部分が存
在する。このため、調整トイシ車122あるいはトイシ
車124,174の一直線状の接触部分全体が一度に圧
力抜き用溝98eに落ち込むことはなく、常にいずれか
の部分が外周面98dに接触しているので不連続で急激
な研削圧力の変化が防止される。
【0077】したがって、高い研削圧力で研削してもポ
ペット弁98のステム部98aやバルブフェース104
の真円度を低下させることが無く、効率的かつ高精度の
研削加工を実現することができる。
【0078】しかも、このような作用効果により前述し
たごとくポペット弁98の研削加工にセンタレス加工が
採用できることから、ポペット弁98の両端にセンタ穴
を設け無くても高精度な加工が効率的にでき、一層生産
性を向上させることができる。
【0079】(ロ).また、圧力抜き用溝98eは、ス
テム部98aの中心軸に対して回転位相が異なる部分が
存在するという形状を、螺旋状に形成されることで実現
されている。この螺旋状の圧力抜き用溝98eは、ネジ
溝の形成と同じ加工方法により極めて容易に形成するこ
とができるものである。したがって、このような圧力抜
き用溝98eを形成しても生産性を低下させることはな
い。
【0080】(ハ).また、上述したポペット弁98は
電磁スピル弁41に組み込まれて、高圧燃料ポンプ用電
磁スピル弁として用いられることにより、高応答性かつ
高精度の燃料噴射制御を実現できる。
【0081】(ニ).また、加工時に研削圧力が安定し
ているため、センタレス加工にて前述したごとくステム
部98aの外周面98dとともに、高精度が要求される
バルブフェース104も同時に研削することができ、高
精度の電磁スピル弁41を一層高い生産性で製造するこ
とが可能となる。
【0082】[実施の形態2]図9に実施の形態2に用
いられるポペット弁298を示す。他の構成は前記実施
の形態1と同じである。
【0083】本実施の形態2のポペット弁298が前記
実施の形態1のポペット弁98と異なるのは、ステム部
298aの外周面298dに設けられた圧力抜き用溝2
98eが螺旋状でなくクランク状に折れ曲がって形成さ
れている点である。
【0084】このことによっても、圧力抜き用溝298
eはステム部298aの中心軸に対して回転位相が異な
る部分が存在することになる。このため、図6〜8に示
したごとくセンタレス加工する際に、それぞれの外周面
298dにおいて、調整トイシ車あるいはトイシ車の直
線状の接触部分全体が一度に圧力抜き用溝298eに落
ち込むことはない。常に、各外周面298dにおいて調
整トイシ車およびトイシ車は各外周面298dに接触し
ていることになる。
【0085】以上説明した本実施の形態2によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態1の(イ)、(ハ)および
(ニ)の効果を生じる。 (ロ).クランク状の圧力抜き用溝298eは、前加工
において転造等にて実現してもよく、形成も容易であり
生産性を低下させることはない。
【0086】[その他の実施の形態] ・前記各実施の形態において、研削加工にセンタレス加
工を使用していたが、これ以外に、例えば図10に示す
ごとく、ポペット弁398をセンタ間に保持して回転さ
せ、反対方向に回転するトイシ車324にて研削するセ
ンタ加工を利用してもよい。この場合は、ポペット弁3
98の基端部側端面と先端部側端面とにセンタ穴を設け
る必要がある。しかし、センタレス加工の場合と同じ
く、トイシ車の一直線状の接触部分全体が一度に圧力抜
き用溝に落ち込むことはない。したがって、不連続で急
激な研削圧力の変化が防止される。このためセンタ加工
においても高い研削圧力にて効率的かつ高精度の研削加
工を実現することができる。
【0087】・前記実施の形態2のポペット弁の構成を
変形して、図11に示すごとく、ポペット弁498の2
つの外周面498d間でクランク状の圧力抜き用溝49
8eの位相をずらすことで、同一位相に存在する圧力抜
き用溝498eの長さを更に短くするようにしてもよ
い。このようにすることにより、一層、研削圧力の変動
が小さくなり、より高精度で効率的な研削加工が可能と
なる。
【0088】・前記実施の形態1の圧力抜き用溝98e
は各外周面98dに2本ずつ右ネジ状に形成されていた
が、左ネジ状でもよく、また一方が右ネジ状に他方が左
ネジ状に形成して交叉するように形成してもよい。
【0089】・前記実施の形態1では圧力抜き用溝98
eは各外周面98dに2本ずつ形成されていたが、圧力
抜き用溝98eは各外周面98dに1本でもよく、3本
以上でもよい。同様に前記実施の形態2あるいは図11
に示した例では圧力抜き用溝298e,498eは各外
周面298d,498dに4本ずつ形成されていたが、
1〜3本でもよく、5本以上でもよい。
【0090】・また、各実施の形態ではステム部には2
つの外周面が設けられていたが、1つでも3つ以上でも
よく、3つ以上の外周面が設けられている場合には、す
べての外周面において圧力抜き用溝はステム部の中心軸
に対して回転位相が異なる部分が存在することが好まし
い。ただし、3つ以上の外周面が設けられている場合に
は、他の外周面に挟まれて存在する一部の外周面につい
ては、隣接する外周面と異なり圧力抜き用溝はステム部
の中心軸に沿って一直線状に形成されていてもよい。こ
の場合は、隣接する外周面において調整トイシ車および
トイシ車が常に外周面に接触しているので研削圧力の不
連続で急激な変化が抑制される。
【0091】・前記各実施の形態は、車輌用ガソリンエ
ンジンの燃料供給装置10に用いられる電磁スピル弁4
1についての例であったが、このような用途に限らず、
前述したポペット弁を有する電磁弁であれば本発明は具
現化できる。
【0092】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明の実施の形態には、特許請求の範囲に記載
した技術的事項以外に次のような各種の技術的事項の実
施形態を有するものであることを付記しておく。
【0093】(1).ステム部を有する弁体をシート体
に形成された貫通孔内にて該貫通孔の軸方向へ移動可能
に前記ステム部の外周面で支持するとともに、電磁コイ
ルの起磁力に応じて前記弁体を駆動することで、前記弁
体のバルブフェースと前記シート体に設けられたバルブ
シートとを離合動作させる電磁弁における前記弁体であ
って、前記ステム部の外周面には1つ以上の圧力抜き用
溝が形成され、該各圧力抜き用溝は前記ステム部の中心
軸に対して回転位相が異なる部分が存在することを特徴
とする電磁弁用弁体。
【0094】(2).前記圧力抜き用溝は、螺旋状に前
記ステム部の外周面に形成されていることを特徴とする
(1)記載の電磁弁用弁体。 (3).前記電磁弁は、前記電磁コイルの起磁力に応じ
て磁気回路内に配置されたコアに対してアーマチャを移
動させて、該アーマチャと連動する前記弁体のバルブフ
ェースと前記シート体に設けられたバルブシートとを離
合動作させることで、高圧燃料ポンプが圧送する燃料の
溢流状態を調整する高圧燃料ポンプ用電磁スピル弁とし
て形成されていることを特徴とする(1)または(2)
記載の電磁弁用弁体。
【0095】(4).前記ステム部の外周面は、センタ
ーレス加工にて研削加工されていることを特徴とする
(1)〜(3)のいずれか記載の電磁弁用弁体。 (5).前記ステム部の外周面および前記バルブフェー
スは、センターレス加工にて同時に研削加工されている
ことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載の電磁
弁用弁体。
【0096】
【発明の効果】請求項1記載の電磁弁においては、それ
ぞれの圧力抜き用溝において、ステム部の中心軸に対し
て回転位相が異なる部分が存在する。すなわち、圧力抜
き用溝は単なる一直線状に延びる縦溝ではなく、曲折部
分が存在したり、全体が曲がったり、螺旋を描いたりし
ている。このことにより、ステム部の中心軸に沿って外
周面の同一位相上を一直線に辿っていくと必ず圧力抜き
用溝が存在しない外周面を通過することになる。このた
め、センタ加工においてもセンタレス加工においても、
ステム部の中心軸に沿って、同一位相上で一直線にステ
ム部の外周面に接触するトイシ車あるいは調整トイシ車
は、圧力抜き用溝のない外周面に常に接触していること
になる。したがって、トイシ車あるいは調整トイシ車の
接触部分が一度に圧力抜き用溝上を通過することが防止
されるので、不連続で急激な研削圧力の変化が防止され
る。このため高い研削圧力にて効率的かつ高精度の研削
加工を実現することができる。しかもセンタレス加工が
可能となることから、センタ穴を形成しなくてもよくな
り、一層効率的な製造方法を採用することが可能とな
る。
【0097】請求項2記載の電磁弁においては、請求項
1記載の構成に対して、圧力抜き用溝はステム部の外周
面において螺旋状に形成している。このことにより、ス
テム部の中心軸に対して回転位相が異なる部分が存在す
るように圧力抜き用溝を形成することができ、請求項1
の作用効果を生じさせることができる。しかも、螺旋状
であることから圧力抜き用溝の形成も比較的容易に行う
ことができ、生産効率を低下させることはない。
【0098】請求項3記載の電磁弁においては、請求項
1または2記載の構成に対して、前記電磁コイルの起磁
力に応じて磁気回路内に配置されたコアに対してアーマ
チャを移動させて、該アーマチャと連動する前記弁体の
バルブフェースと前記シート体に設けられたバルブシー
トとを離合動作させることで、高圧燃料ポンプが圧送す
る燃料の溢流状態を調整する高圧燃料ポンプ用電磁スピ
ル弁として形成されている。このように電磁弁が高圧燃
料ポンプ用電磁スピル弁として形成されることにより、
十分な応答性で高精度の燃料噴射制御を実現できる電磁
弁を提供することができる。
【0099】請求項4記載の電磁弁においては、請求項
1〜3のいずれか記載の構成に対して、前記ステム部の
外周面は、センターレス加工にて研削加工されている。
このように実際にステム部の外周面の研削加工にセンタ
ーレス加工を適用することで、高応答性の電磁弁を高精
度にかつ効率よく製造することができる。
【0100】請求項5記載の電磁弁においては、請求項
1〜3のいずれか記載の構成に対して、前記ステム部の
外周面および前記バルブフェースは、センターレス加工
にて同時に研削加工されている。上述した請求項1〜3
の構成では、研削圧力が安定しているため、センタレス
加工にて、ステム部の外周面とともに、高精度が要求さ
れるバルブフェースも同時に研削することができ、高精
度の電磁弁を一層高い効率で製造することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用された車輌用ガソリンエンジン
の燃料供給装置の概略構成を表すブロック図。
【図2】 実施の形態1としての電磁スピル弁の縦断面
図。
【図3】 実施の形態1におけるバルブサブアッセンブ
リの縦断面図。
【図4】 実施の形態1におけるコイルサブアッセンブ
リの縦断面図。
【図5】 実施の形態1におけるポペット弁の斜視図。
【図6】 実施の形態1におけるポペット弁のセンタレ
ス加工説明のための断面図。
【図7】 図6におけるA−A断面図。
【図8】 実施の形態1におけるポペット弁のセンタレ
ス加工説明のための断面図。
【図9】 実施の形態2におけるポペット弁の正面図。
【図10】 センタ加工の例を示す断面図。
【図11】 実施の形態2に対する変形例を示すポペッ
ト弁の正面図。
【図12】 改良前のポペット弁の斜視図。
【図13】 改良前のポペット弁の加工状況を示す断面
図。
【符号の説明】
10…燃料供給装置、11…高圧燃料ポンプ、11a…
螺合部、11b…ポンプボディ、11c,11d…スピ
ル通路、13…燃料タンク、14…低圧フィードポン
プ、20…シリンダ、21…プランジャ、22…加圧
室、23…タペット、24…カムシャフト、25…カ
ム、30…流入通路、31…逆止弁、32…吐出側流入
通路、33…リリーフ通路、34…リリーフ弁、35…
供給通路、36…逆止弁、37…リリーフ弁、38…リ
リーフ通路、40…圧力調整弁、41…電磁スピル弁、
55…燃料リザーバ、56…インジェクタ、60…電子
制御装置(ECU)、61…燃圧センサ、72…フラン
ジ部材、72a…リング状係合突条、72b…リング状
突条、72c… 中心孔、74…ナット部、74a…リ
ング状係合縁部、76…ヨーク部品、76a…円板部
材、76b…短円筒部材、78…ヨーク部品、78a…
円板部、78b…短円筒部材、78c…長円筒部材、8
0…ヨーク、80a…中心孔、80b…分離部、82…
電磁コイル、84…樹脂、86…樹脂、86a…コネク
タ部、88…筒状部材、88a…円板部、88b…筒
部、88c…底部、88d…基端側面、90…コア、9
0a…収納孔、90b…貫通孔、90c…基端面、92
…アーマチャ、92a…貫通孔、92d…先端面、94
…シート体、94a…支持部、94b…貫通孔、94c
…基部、94d…ストッパ収納部、94e…排出路、9
4f,94g…リング状の溝、94h…表面、95…バ
ルブサブアッセンブリ、96…バネ、98…ポペット
弁、98a…ステム部、98b…先端部、98c…環状
溝、98d…外周面、98e…圧力抜き用溝、98f…
基端部、98h…ストッパ部、100…スピル空間、1
02…バルブシート、104…バルブフェース、106
…円板状ストッパ、106a…燃料流通用貫通孔、10
8,110…ゴム製のOリング、112…コイルサブア
ッセンブリ、120…ブレード、122…調整トイシ
車、124…トイシ車、124a,124b… 研削
面、125…上部押え、126…ストッパ、126a…
超硬合金、128…シュー、128a…超硬合金、17
4…トイシ車、174a,174c…研削面、298…
ポペット弁、298a…ステム部、298d…外周面、
298e…圧力抜き用溝、324…トイシ車、398,
498…ポペット弁、498d…外周面、498e…圧
力抜き用溝、E…エンジン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 輝久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 古根川 淳志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3G066 AA02 AB02 AD12 BA19 BA51 BA55 CA01S CA09 CA20U CE02 CE25 CE31 DC18 3H106 DA07 DA12 DA23 DB02 DB12 DB23 DB32 DC02 DD03 EE35 GA07 KK18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステム部を有する弁体をシート体に形成
    された貫通孔内にて該貫通孔の軸方向へ移動可能に前記
    ステム部の外周面で支持するとともに、電磁コイルの起
    磁力に応じて前記弁体を駆動することで、前記弁体のバ
    ルブフェースと前記シート体に設けられたバルブシート
    とを離合動作させる電磁弁であって、前記ステム部の外
    周面には1つ以上の圧力抜き用溝が形成され、該各圧力
    抜き用溝は前記ステム部の中心軸に対して回転位相が異
    なる部分が存在することを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 前記圧力抜き用溝は、螺旋状に前記ステ
    ム部の外周面に形成されていることを特徴とする請求項
    1記載の電磁弁。
  3. 【請求項3】 前記電磁コイルの起磁力に応じて磁気回
    路内に配置されたコアに対してアーマチャを移動させ
    て、該アーマチャと連動する前記弁体のバルブフェース
    と前記シート体に設けられたバルブシートとを離合動作
    させることで、高圧燃料ポンプが圧送する燃料の溢流状
    態を調整する高圧燃料ポンプ用電磁スピル弁として形成
    されていることを特徴とする請求項1または2記載の電
    磁弁。
  4. 【請求項4】 前記ステム部の外周面は、センターレス
    加工にて研削加工されていることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか記載の電磁弁。
  5. 【請求項5】 前記ステム部の外周面および前記バルブ
    フェースは、センターレス加工にて同時に研削加工され
    ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の
    電磁弁。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005511952A (ja) * 2002-11-27 2005-04-28 株式会社ボッシュオートモーティブシステム 液体の流量制御弁および可動子のためのアンカー、ならびに燃料噴射システム
WO2017001093A1 (de) * 2015-07-02 2017-01-05 Robert Bosch Gmbh Elektromagnetisch betätigbares saugventil für eine hochdruckpumpe sowie hochdruckpumpe

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