JP2000145559A - 吸気ダクト - Google Patents

吸気ダクト

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JP2000145559A JP10321746A JP32174698A JP2000145559A JP 2000145559 A JP2000145559 A JP 2000145559A JP 10321746 A JP10321746 A JP 10321746A JP 32174698 A JP32174698 A JP 32174698A JP 2000145559 A JP2000145559 A JP 2000145559A
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等 木野
Kazuo Fujiwara
和夫 藤原
Takahiro Komori
敬博 古森
Yoshikazu Hirose
吉一 広瀬
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
  • Characterised By The Charging Evacuation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電子制御回路や電磁開閉弁などを用いずに、エ
ンジンの低速回転時には吸気騒音を低減し、かつ高速回
転時には十分な空気量を吸入できる安価な吸気ダクトと
する。 【解決手段】弁40が第2吸気通路2を閉状態から開状態
とする際に弁40の動きを抑制し弁40が第2吸気通路2を
開状態から閉状態とする際に弁40の動きを容易とする保
持手段を設けた。閉状態から開状態となる際には凸形ピ
ン44に作用するクリップ5の抵抗が大きいため弁40の動
きが抑制され、開状態から閉状態となる際には凸形ピン
44にクリップ5から作用する力が小さいため弁40は容易
に揺動して第2吸気通路2が開かれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンへ空気を
供給する通路としての吸気ダクトに関し、詳しくは吸気
時の騒音が低減された吸気ダクトに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの吸気系では、吸気時に
吸気ダクトにおいて騒音が発生するという問題がある。
この吸気騒音は、特にエンジンの低速回転時に耳障りで
ある。そこで従来より、吸気ダクトにサイドブランチ及
び/又はレゾネータを設け、ヘルムホルツの共鳴理論な
どに基づいて計算される特定周波数の騒音を低減するこ
とが行われている。
【0003】ところがサイドブランチは、長いものでは
約30cmの長さにもなり、レゾネータの容積は大きいもの
では14リットルもの大きさとなる。そのためこれらの吸
音装置のエンジンルーム内に占めるスペースが大きくな
り、他の部品の搭載の自由度が低くなるという不具合が
生じる。そこで実開昭64-22866号公報には、吸気ダクト
内にオリフィスを配置し、オリフィスの位置で吸気を絞
ることで吸気騒音を低減することが開示されている。こ
のように吸気通路を絞ることにより、音響質量が大きく
なり、低音域の吸気音を低減することができる。
【0004】また実開平3-43576号公報には、エアクリ
ーナケースに並列に接続された2本の吸気管と、2本の
吸気管からそれぞれ分岐した分岐管と、各分岐管が共に
連結された共通のレゾネータを有し、一方の吸気管にお
ける分岐管の接続部の上流側に運転状態に応じて選択的
に開く開閉弁を備えた吸気音低減装置が開示されてい
る。
【0005】この実開平3-43576号公報に開示の装置に
よれば、エンジン回転数に応じて開閉弁を制御して吸気
管を1本又は2本に切り替えることにより、エンジン回
転数に応じて吸入空気量を制御し、かつ吸気騒音を低減
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記した吸気
通路を絞る方法では、エンジンの高速回転時に吸入空気
量が不足して出力が低下するという不具合がある。また
実開平3-43576号公報に開示の装置では、開閉弁が全閉
状態から全開状態となるまでの間、あるいは全開状態か
ら全閉状態となるまでの間の状態で保持される状態があ
り、吸気管と開閉弁の間に隙間がある時間が長くなる場
合がある。このような場合には、吸気音がその隙間から
漏れるため、車内において低周波のこもり音が聞こえる
という不具合がある。
【0007】さらに実開平3-43576号公報に開示の装置
では、開閉弁を駆動するために電子制御回路、電磁開閉
弁、あるいはダイヤフラムアクチュエータなどを用いて
いるので、部品点数が多く複雑となってコスト面から好
ましいものではない。本発明はこのような事情に鑑みて
なされたものであり、電子制御回路や電磁開閉弁などを
用いずに、エンジンの低速回転時には吸気騒音を低減
し、かつ低周波のこもり音の発生を防止するとともに、
高速回転時には十分な空気量を吸入できる安価な吸気ダ
クトとすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載の吸気ダクトの特徴は、エンジンへ空気を供
給する通路としての吸気ダクトにおいて、第1吸気通路
と、第2吸気通路と、第2吸気通路に揺動自在に設けら
れ第2吸気通路を開閉する開閉部材と、開閉部材を第2
吸気通路を閉じる方向へ付勢する付勢手段と、開閉部材
を第2吸気通路を閉じる方向へ付勢する付勢手段と、開
閉部材が第2吸気通路を閉状態から開状態とする際に開
閉部材の動きを抑制し開閉部材が第2吸気通路を開状態
から閉状態とする際に開閉部材の動きを容易とする保持
手段と、よりなることにある。
【0009】また請求項2に記載の吸気ダクトの特徴
は、請求項1に記載の吸気ダクトにおいて、第2吸気通
路は開閉部材が第2吸気通路を開くときに開閉部材の揺
動端面と近接して案内する案内面をもつことにある。さ
らに請求項3に記載の吸気ダクトの特徴は、第2吸気通
路は開閉部材が第2吸気通路を閉じたときに開閉部材と
当接する係止面をもち、開閉部材が係止面から離れると
きに抵抗力を与える抵抗手段を備えたことにある。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の吸気ダクトで
は、エンジンが低速回転の場合には第2吸気通路の負圧
が所定値以下であるため、付勢手段の付勢力と保持手段
によって開閉部材は第2吸気通路を閉じた状態で保持さ
れ、これにより第1吸気通路のみが開口した構成とな
る。したがって低速回転の場合には吸気通路が絞られた
状態となり、音響質量が大きくなるため低音域の吸気音
が低減される。
【0011】次いでエンジンが高速回転となって第2吸
気通路の負圧が所定値を超えると、保持手段により動き
が抑制された状態で開閉部材が揺動して第2吸気通路が
開かれる。したがって吸気負圧が所定値となるまでは開
閉部材が開くことなく、かつ開閉部材のばたつきが防止
され異音の発生が防止される。そして第2吸気通路が開
かれることで吸気通路が広く確保されるので、高速回転
時にエンジンへ十分な空気量を供給することができる。
【0012】なお、保持手段による開閉部材の動きの抑
制は、閉状態から開状態への揺動初期には強く抑制し、
揺動の中期から後期には弱く抑制するようにすることが
好ましい。これにより揺動初期には開閉部材がゆっくり
と揺動し、吸気負圧がさらに高まってから一気に揺動し
て第2吸気通路を開くため、開閉部材のばたつきが一層
防止されるとともに、第2吸気通路と開閉部材の間の隙
間から吸気音が漏れるのが防止される。
【0013】さらに第2吸気通路の負圧が所定値以下に
低下して開閉部材が開状態から閉状態となる際には、付
勢手段の付勢力によって開閉部材が揺動する。このとき
保持手段は開閉部材の動きを容易とするため、開閉部材
は速やかにかつ確実に第2吸気通路を閉じ、第2吸気通
路と開閉部材の間の隙間から吸気音が漏れるのが防止さ
れる。
【0014】上記作用をさらに向上させるには、第1吸
気通路の開口面積を小さくし、第2吸気通路の開口面積
を大きくすることが好ましい。また、吸気ダクトを分岐
構造とし、例えばそれぞれ第1吸気通路と第2吸気通路
をもつ二つの吸気通路をもちそれが途中で合流して一つ
になるような吸気ダクトとした場合には、第1吸気通路
をもつ吸気通路を細くして音響質量をさらに大きくする
とともに、第2吸気通路をもつ吸気通路を太くして十分
な空気量を供給できるように構成することが好ましい。
【0015】開閉部材としては、揺動により第2吸気通
路を開閉する弁などが例示される。また付勢手段として
は、重力による付勢を利用するもの、バネ力による付勢
を利用するものなど種々選択することができる。またサ
イドブランチやレゾネータを設けてもよいが、本発明の
吸気ダクトによればサイドブランチやレゾネータを設け
ることなく低音域の吸気音を低減することができる。し
たがって、エンジンルーム内に占めるスペースを小さく
して他の部品の搭載の自由度を向上させるためには、サ
イドブランチやレゾネータを設けないことが望ましい。
【0016】保持手段は開閉部材が第2吸気通路を閉状
態から開状態とする際に開閉部材の動きを抑制し開閉部
材が第2吸気通路を開状態から閉状態とする際に開閉部
材の動きを容易とするものであり、機械的な凹凸係合、
磁石を用いた吸着力、あるいはバネによる付勢力などを
利用することができる。開閉部材が第2吸気通路を閉じ
ているときの第2吸気通路の負圧の所定値F1と、開閉
部材が第2吸気通路を開くときの負圧の所定値F2
は、F1 ≦F2 の関係にある。F1 とF2 の差が小さい
と、開閉部材が第2吸気通路を開くときに開閉部材がば
たついて騒音の原因となる場合があり、F1 とF2 の差
が大きすぎると吸気量が不足する場合がある。したがっ
てF1 とF2 の値、付勢手段の付勢力などは慎重に決定
する必要がある。
【0017】ところで、吸気負圧が大きくなって開閉部
材が揺動する際には、エンジン回転数の上昇に伴って開
閉部材は最初ゆっくり揺動し、次いで一気に揺動して全
開状態となる場合がある。この場合には、僅かな時間で
あるが揺動初期に開閉部材が少し開いた状態があり、そ
の間吸気音が隙間から漏れるという不具合がある。そこ
で請求項2に記載の吸気ダクトでは、第2吸気通路は開
閉部材が第2吸気通路を開くときに開閉部材の揺動端面
と近接して案内する案内面を有している。したがって、
エンジン回転数の上昇に伴って開閉部材が最初ゆっくり
揺動した場合でも、開閉部材の揺動端面が案内面に近接
して移動するので、開閉部材と第2吸気通路との間に隙
間が生じるのが防止されているため、吸気音が漏れるの
を防止することができる。
【0018】さらに上記吸気ダクトでは、開閉部材が第
2吸気通路を僅かに開いた時点で開閉部材に振動が発生
し、それによる異音が発生するという不具合がある。こ
れは、開閉部材と第2吸気通路との間の小さな断面積の
空間を吸気が急激に通過し、しかも付勢手段による付勢
力と吸気負圧との差が小さいと開閉部材がその状態とな
っている時間が長くなるために、エンジン本体からの吸
気脈動が開閉部材に伝わりやすく、それによって開閉部
材が振動するからである。
【0019】そこで請求項3に記載の吸気ダクトでは、
第2吸気通路は開閉部材が第2吸気通路を閉じたときに
開閉部材と当接する係止面をもち、開閉部材が係止面か
ら離れるときに抵抗力を与える抵抗手段を備えている。
このように構成したことにより、吸気負圧が大きくなり
付勢手段による付勢力と吸気負圧との差圧が大きくなっ
て開閉部材が第2吸気通路を開く方向へ揺動しようとす
ると、抵抗手段からの抵抗力が作用するので、差圧力が
抵抗手段からの抵抗力を超えるまでは開閉部材は第2吸
気通路を閉じた状態を維持する。そして差圧力が抵抗手
段の抵抗力を超えた時点で、開閉部材は一気に揺動して
第2吸気通路を開く。
【0020】したがってこの吸気ダクトによれば、開閉
部材と第2吸気通路との間に小さな断面積の空間ができ
る時間をきわめて短くすることができるので、開閉部材
の振動による異音を防止することができる。この抵抗手
段としては、上記した保持手段を利用してもよいし、別
の抵抗手段を用いてもよい。別の抵抗手段としては、永
久磁石、電磁石など開閉部材を吸着する手段、あるいは
スプリング、ダンパ、開閉部材の自重などの付勢手段を
用いることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 (比較例)図23に比較例の吸気ダクトを示す。この吸気
ダクトは、実開平3-43576号公報に開示のものに相当
し、径の小さな第1吸気通路 100と径の大きな第2吸気
通路200を備え、第2吸気通路 200に弁 300が揺動自在
に枢支されている。そして弁300の枢支軸は円板形状の
カム 400の中心に連結され、カム 400の周縁部には、一
端が固定されたスプリング 500の他端が固定されてい
る。スプリング 500は弁300が第2吸気通路 200を全閉
状態としたときに最も付勢力が小さくなるように構成さ
れている。
【0022】この吸気ダクトでは、第2吸気通路 200の
吸気負圧が所定値より小さい間は弁300が第2吸気通路
200を全閉状態とし、第1吸気通路 100のみから吸気さ
れるため低音域の吸気音が低減される。そして吸気負圧
が所定値を超えると、吸気負圧に比例して弁 300がカム
400を介して伝わるスプリング 500の付勢力に抗して揺
動し、第2吸気通路 200の開口面積が増大するため、十
分な空気量が確保される。
【0023】しかしながら、この比較例の吸気ダクトで
は、弁 300が全閉状態から全開状態となるまでの間、あ
るいは全開状態から全閉状態となるまでの間の状態で保
持される状態があり、第2吸気通路 200と弁 300の間に
隙間がある時間が長くなる場合がある。このような場合
には、吸気音がその隙間から漏れるため、車内において
低周波のこもり音が聞こえるという不具合がある。
【0024】(実施例1)そこで図1に本実施例の吸気
ダクトの構成説明図を示す。この吸気ダクトは、小径の
第1吸気通路1と、第1吸気通路1より大径の第2吸気
通路2とがエアクリーナケース3に接続されている。第
1吸気通路1の断面積はφ40のパイプの断面積に相当
し、第2吸気通路2の断面積はφ70のパイプの断面積に
相当するように構成されている。そして第2吸気通路2
の中間には、弁部4が形成されている。
【0025】弁部4では、図2に示すように、第2吸気
通路2の管壁に弁40が揺動自在に枢支されている。弁40
の揺動軸の一端には、図3に示すようにリターンスプリ
ング41が配置され、リターンスプリング41は常に第2吸
気通路2を閉じる方向へ弁40を付勢している。また第2
吸気通路2には、弁40の揺動端部が当接する段部20が形
成されている。
【0026】弁40の表面には長孔42をもつガイド43が弁
40の揺動軸に対して直角方向に延びて形成され、凸形ピ
ン44の一端がピン45を介して長孔42内を移動自在に係合
している。また凸形ピン44は、ピン45により弁40に対し
て揺動自在ともなっている。そして凸形ピン44の他端の
径大部46が第2吸気通路2の上壁を貫通して上方へ突出
し、第2吸気通路2の上外壁面には突出する凸形ピン44
の他端の径大部46を覆うカバー47が気密に固定されてい
る。
【0027】そしてカバー47内には図4に示すクリップ
5が、ブッシュ48により下方への移動が規制された状態
で固定されている。このクリップ5は、凸形ピン44の他
端の径大部46が着脱可能に形成され、径大部46のクリッ
プ5内へ進入する方向の移動を抑制するとともに径大部
46のクリップ5内から退出する方向への移動を容易とす
るようにその断面形状が設計されている。
【0028】すなわちクリップ5は、図5に示すよう
に、中央にくびれ部50をもち、くびれ部50の下方に下方
へ向かって径が拡大する下テーパー面51が形成され、く
びれ部50の上方に上方へ向かって径が拡大する上テーパ
ー面52が形成されている。そして上テーパー面52の上方
には、下方へ湾曲した湾曲部53が形成されている。した
がって径大部46がクリップ5に進入する際には、径大部
46は下テーパー面51を押圧しくびれ部50を拡径して進入
する。このとき湾曲部53はほとんど変形しないため、径
大部46は大きな抵抗を受けながら進入する。しかし一旦
クリップ5に進入した径大部46が退出する際には、径大
部46は上テーパー面51を押圧してくびれ部50を拡径する
とともに、湾曲部53も拡径する方向へ弾性変形する。し
たがって径大部46がクリップ5から退出する際には、く
びれ部50と湾曲部53の両方が弾性変形するため進入時に
比べてクリップ5が容易に弾性変形するので、径大部46
は容易に退出する。
【0029】上記のように構成された本実施例の吸気ダ
クトにおいて、第2吸気通路2内の吸気負圧が所定値よ
り小さい場合には、リターンスプリング41の付勢力によ
り、図2に示すように弁40の揺動端部が段部20に押圧さ
れて第2吸気通路2が閉じられている。したがって径の
小さな第1吸気通路1のみから吸気されるので、音響質
量が大きくなりレゾネータなどを用いずとも低音域の吸
気音が低減される。またこの時、凸形ピン44の他端の径
大部46はクリップ5の下テーパー面51内に位置してい
る。
【0030】吸気負圧がリターンスプリング41の付勢力
より大きくなり、弁40が揺動しようとすると、凸形ピン
44の他端の径大部46がクリップ5の下テーパー面51を押
圧し、クリップ5のくびれ部50が拡径するように弾性変
形する。したがって吸気負圧がある程度大きくなるまで
は、クリップ5の弾性力が反力として作用するため、弁
40の揺動が抑制される。
【0031】そして吸気負圧が所定値を超えて弁40が大
きく揺動すると、凸形ピン44がガイド43に案内されて移
動しながら上昇し、径大部46がクリップ5のくびれ部50
を弾性変形させて拡径させ、くびれ部50を乗り越えて上
テーパー面52の位置まで進入する。凸形ピン44がこのよ
うにして上昇が抑制された状態で上昇するため、弁40の
ばたつきが抑制される。そして径大部46がくびれ部50を
乗り越えると、クリップ5からの弾性反力が解消される
ため、弁40が一気に揺動し第2吸気通路2と略平行な全
開状態となって第2吸気通路2が開かれる。一方、クリ
ップ5は弾性反力により元の状態に復帰している。
【0032】したがって、吸気は主として太く短い第2
吸気通路2を通って吸入されるため、吸入空気量が少な
くなるような不具合が回避される。また吸気音はエンジ
ン音にまぎれて聞こえず、不快な騒音となることがな
い。そして再び吸気負圧が小さくなると、リターンスプ
リング41の付勢力により弁40が揺動し、径大部46がクリ
ップ5の上テーパー面52を押圧する。するとクリップ5
は、くびれ部50と湾曲部53の両方が弾性変形するため、
径大部46はくびれ部50を容易に乗り越えることができ、
弁40は容易に揺動する。したがって弁40はリターンスプ
リング41の付勢力により素早く段部20に押圧され第2吸
気通路2が閉じられるため、第2吸気通路2と弁40の間
に隙間がある時間が短くでき、吸気音がその隙間から漏
れることによる低周波のこもり音の発生を防止すること
ができる。
【0033】すなわち本実施例の吸気ダクトによれば、
吸気負圧に応じて弁40を自動的に全開及び全閉状態に維
持することができ、レゾネータなどを用いずとも吸気音
の低減と必要な吸気量の確保とを両立することができ
る。そして電子制御やダイヤフラムアクチュエータなど
を不要とした単純な構成であるため、信頼性が高く低コ
ストとすることができる。
【0034】なお本実施例では、請求項1にいう保持手
段としてクリップ5の形状を利用したが、例えば凸形ピ
ン44の径大部46の形状を、先端を曲率半径の大きな曲面
とし後端を曲率半径の小さな曲面として保持手段とする
こともできる。この場合も径大部46のクリップ5への進
入時に抵抗が大きく、クリップ5からの退出時に抵抗が
小さくすることができるので、弁40が第2吸気通路2を
閉状態から開状態とする際に弁40の動きが抑制され、弁
40が第2吸気通路2を開状態から閉状態とする際に弁40
の動きを容易とすることができる。
【0035】(実施例2)図6に本発明の第2の実施例
の吸気ダクトを示す。この吸気ダクトは、第2吸気通路
2内に揺動自在に配置された弁40をもち、同じく第2吸
気通路2内に揺動自在に配置されたステー6を有してい
る。また第1吸気通路1及びエアクリーナケース3は、
実施例1と同様に構成されているが、弁40にはリターン
スプリング41は設けられていない。
【0036】ステー6は一端60が第2吸気通路2の側壁
に枢支され、他端61の先端が弁40に当接している。そし
て一端60にはコイルスプリング62が設けられ、ステー6
はコイルスプリング62によって弁40の揺動軸に対して直
角方向に揺動端部へ向かって揺動するように付勢されて
いる。上記のように構成された本実施例の吸気ダクトに
おいて、第2吸気通路2内の吸気負圧が所定値より小さ
い場合には、弁40はコイルスプリング62の付勢力により
ステー6によって押し下げられ、図6に示すように第2
吸気通路2は弁40によって閉じられている。そしてステ
ー6の先端が弁40の揺動端部近傍に当接している。
【0037】ここで吸気負圧の力Fにより、ステー6の
先端が当接している点Pにおいて弁40にF1 の力が作用
するとすると、ステー6には分力F2 及びF3 が作用す
る。したがって点Pに作用するコイルスプリング62の付
勢力をF3 より大きくしておけば、弁40はステー6によ
って揺動が抑制され、第2吸気通路2は閉じられた状態
が維持される。これにより径の小さな第1吸気通路1の
みから吸気されるので、音響質量が大きくなりレゾネー
タなどを用いずとも低音域の吸気音が低減される。
【0038】すなわち吸気負圧がある程度大きくなるま
では、点Pに作用するコイルスプリング62の付勢力が反
力として作用するため、ステー6を介して弁40の揺動が
抑制される。したがって低速回転時に騒音を効果的に防
止でき、弁40のばたつきも抑制される。そして吸気負圧
Fの分力F3 が点Pに作用するコイルスプリング62の付
勢力より大きくなると、弁40が揺動し図7に示すように
第2吸気通路2が開かれる。この時点ではステー6に
は、吸気負圧Fから点Pにコイルスプリング62の付勢力
より大きな分力F3 が作用するため、弁40は第2吸気通
路2を開いた状態で保持される。
【0039】したがって、吸気は主として太く短い第2
吸気通路2を通って吸入されるため、吸入空気量が少な
くなるような不具合が回避される。また吸気音はエンジ
ン音にまぎれて聞こえず、不快な騒音となることがな
い。そして再び吸気負圧が小さくなると、コイルスプリ
ング62の付勢力によりステー6によって押し下げられる
ことで弁40は容易に揺動し、第2吸気通路2が閉じられ
る。
【0040】すなわち本実施例の吸気ダクトにおいて
も、実施例1と同様に吸気負圧に応じて弁40を自動的に
全開及び全閉状態に維持することができ、レゾネータな
どを用いずとも吸気音の低減と必要な吸気量の確保とを
両立することができる。そして電子制御やダイヤフラム
アクチュエータなどを不要とした単純な構成であるた
め、信頼性が高く低コストとすることができる。
【0041】なお本実施例ではステー6とコイルスプリ
ング62により請求項1にいう保持手段を構成したが、例
えばステー6をバネ鋼などから形成すれば、ステー6自
身で付勢力が得られるので、コイルスプリング62を不要
として本実施例と同様の作用・効果を奏する吸気ダクト
とすることもできる。また本実施例では、ステー6とコ
イルスプリング62を第2吸気通路2内に設けたが、弁40
の移動に伴って移動する部材を第2吸気通路2の外部に
設ければ、ステー6とコイルスプリング62を第2吸気通
路2の外部に設けることもできる。
【0042】(実施例3)図8に本発明の第3の実施例
の吸気ダクトを示す。この吸気ダクトは、第2吸気通路
2内に揺動自在に配置された弁40をもち、弁40にはロッ
ド49が弁40の揺動軸に対して直角方向に揺動自在に保持
されている。そしてロッド49が第2吸気通路2の上壁に
設けられたスリット21を貫通して上方へ突出し、第2吸
気通路2の上外壁面には突出するロッド49を覆うカバー
47が傾斜状態で気密に固定されている。また第1吸気通
路1及びエアクリーナケース3は実施例1と同様に構成
されているが、弁40にはリターンスプリング41は設けら
れていない。
【0043】そしてカバー47内にはカム7がスプリング
70を介して配置され、カム7とカバー47との間に形成さ
れたくさび状の隙間71にロッド49の先端が係合するよう
になっている。ロッド49の先端は曲面をなし、隙間71内
を円滑に移動可能となっている。カム7は、ロッド49に
対向する表面に第1テーパー面72をもち、第1テーパー
面72に連続する頂部にも第2テーパー面73が設けられて
いる。したがってカム7の第2テーパー面73とカバー47
の内面との間には、上方ほど間隔が狭くなるくさび状の
隙間71が形成されている。そしてスプリング70は、カム
7を隙間71の間隔が狭くなる方向へ付勢している。
【0044】したがって第2吸気通路2内の吸気負圧が
所定値より小さい場合には、スプリング70の付勢力によ
ってロッド49の先端が隙間71から排除された状態となる
ことにより、弁40は第2吸気通路2を閉じた状態が維持
される。そして吸気負圧が大きくなって弁40が第2吸気
通路2を開く方向へ揺動しようとしても、ロッド49の先
端が隙間71に進入しようとする力よりもスプリング70の
付勢力が大きい間は、弁40が第2吸気通路2を閉じた状
態が維持される。
【0045】そして吸気負圧がさらに大きくなると、ロ
ッド49がスプリング70の付勢力に抗して隙間71に進入し
てカム7を押し下げ、さらに隙間71内に進入する。これ
により弁40はスプリング70の付勢力によって抑制されな
がら吸気負圧によって揺動し、第2吸気通路2を開いた
状態となる。したがって、吸気は主として太く短い第2
吸気通路2を通って吸入されるため、吸入空気量が少な
くなるような不具合が回避される。また吸気音はエンジ
ン音にまぎれて聞こえず、不快な騒音となることがな
い。
【0046】再び吸気負圧が小さくなると、スプリング
70の付勢力によってロッド49の先端が隙間71から押し出
される。したがって弁40は容易に揺動して第2吸気通路
2を閉じる。すなわち本実施例の吸気ダクトにおいて
も、実施例1と同様に吸気負圧に応じて弁40を自動的に
全開及び全閉状態に維持することができ、レゾネータな
どを用いずとも吸気音の低減と必要な吸気量の確保とを
両立することができる。そして電子制御やダイヤフラム
アクチュエータなどを不要とした単純な構成であるた
め、信頼性が高く低コストとすることができる。
【0047】なお、図9に示すように、弁40に長孔42を
もつガイド43を形成し、ロッド49の一端をピン45を介し
て長孔42内を移動自在に保持することも好ましい。この
ようにすれば、ロッド49が一層円滑に隙間71内を進退す
るので、弁40の揺動が一層円滑となる。また第2吸気通
路2を貫通する孔(スリット21)の面積を小さくするこ
とができるので、吸気音の漏れを一層防止することがで
きる。
【0048】(実施例4)図10に本実施例の吸気ダクト
を示す。この吸気ダクトは、第2吸気通路2内に揺動自
在に配置された弁40をもち、弁40には円弧状の案内レー
ル74をもつカム7が突設されている。そしてカム7は第
2吸気通路2の上壁に設けられたスリット21を貫通して
上方へ突出し、第2吸気通路2の上外壁面には突出する
カム7を覆うカバー47が気密に固定されている。また第
1吸気通路1及びエアクリーナケース3は実施例1と同
様に構成されているが、弁40にはリターンスプリング41
は設けられていない。そしてカバー47内には、ロッド49
がスプリング70を介して配置され、ロッド49は水平方向
に前後移動可能となっている。
【0049】またロッド49の先端は曲面形状とされ、カ
ム7の案内レール74に押圧されて円滑に移動可能に構成
されている。そしてロッド49の先端形状と案内レール74
の形状を最適に設計することにより、スプリング70の付
勢力によってロッド49がカム7を押圧すると、カム7は
下方へ移動するように構成されている。したがって第2
吸気通路2内の吸気負圧が所定値より小さい場合には、
スプリング70の付勢力によってロッド49の先端がスリッ
ト21内へ押し出されてカム7を押圧することにより、カ
ム7は下方へ移動し弁40は第2吸気通路2を閉じた状態
が維持される。そして吸気負圧が大きくなって弁40が第
2吸気通路2を開く方向へ揺動しようとしても、吸気負
圧がカム7の先端をロッド49に向かって押圧する力より
もスプリング70の付勢力が大きい間は、弁40が第2吸気
通路2を閉じた状態が維持される。
【0050】そして吸気負圧がさらに大きくなると、カ
ム7がスプリング70の付勢力に抗して案内レール74がロ
ッド49を押圧しながら上昇する。これにより弁40はスプ
リング70の付勢力によって抑制されながら吸気負圧によ
って揺動し、第2吸気通路2を開いた状態となる。した
がって、吸気は主として太く短い第2吸気通路2を通っ
て吸入されるため、吸入空気量が少なくなるような不具
合が回避される。また吸気音はエンジン音にまぎれて聞
こえず、不快な騒音となることがない。
【0051】再び吸気負圧が小さくなると、スプリング
70の付勢力によってロッド49の先端がカム7を押圧する
ので、カム7が下降し弁40は容易に揺動して第2吸気通
路2を閉じる。すなわち本実施例の吸気ダクトにおいて
も、実施例1と同様に吸気負圧に応じて弁40を自動的に
全開及び全閉状態に維持することができ、レゾネータな
どを用いずとも吸気音の低減と必要な吸気量の確保とを
両立することができる。そして電子制御やダイヤフラム
アクチュエータなどを不要とした単純な構成であるた
め、信頼性が高く低コストとすることができる。
【0052】なお、図11に示すように、スプリング70の
代わりに上下方向に弾性変形可能なロッド49としても同
様の作用効果が得られることはいうまでもない。また図
12,13に示すように、ロッド49の進退方向を本実施例か
ら90度ずらせた構成としてもよい。さらに図14に示す
ように、カム7、ロッド49及びスプリング70を第2吸気
通路2の外部に設けることもできる。
【0053】(実施例5)図15に本実施例の吸気ダクト
を示す。この吸気ダクトは、第2吸気通路2内に揺動自
在に配置された弁40をもち、第2吸気通路2の外側面に
はスイングアーム80が揺動自在に枢支されている。そし
てスイングアーム80の先端には歯車81が固定されてい
る。また弁40の揺動軸の先端は第2吸気通路2から突出
し、第2吸気通路2から突出する揺動軸の端部には、楕
円形状の歯面をもつ楕円歯車82が1/4の形状で固定さ
れている。したがって弁40の揺動に伴って楕円歯車82が
回動する。
【0054】そしてスイングアーム80は、図示しないス
プリングによって弁40の上方(図16の矢印A方向)へ向
かって付勢され、歯車81はその付勢力により楕円歯車82
に常時押圧されて噛合するように構成されている。また
歯車81の軸にも図示しないスプリングが保持され、歯車
81はそのスプリングによって図16の矢印B方向へ回動す
るように付勢されている。したがって弁40は、楕円歯車
82が歯車81と噛合することにより、歯車81に設けられた
図示しないスプリングによって第2吸気通路2を常時閉
じる方向に付勢されている。なお第1吸気通路1及びエ
アクリーナケース3は実施例1と同様に構成されている
が、弁40にはリターンスプリング41は設けられていな
い。
【0055】また楕円歯車82は、弁40が第2吸気通路2
を閉じた状態でその長径部が歯車82と噛合し、弁40が第
2吸気通路2を開くにつれて楕円歯車82の短径部が噛合
するように構成されている。したがって弁40が第2吸気
通路2を閉じた状態では、図16に示すように、歯車81は
楕円歯車82の長径部と噛合して弁40を閉じる方向へ付勢
している。したがって歯車81から楕円歯車82に作用する
回転モーメントが大きいため、第2吸気通路2内の負圧
が所定値に達するまでは弁40が第2吸気通路2を閉じた
状態が維持される。
【0056】そして吸気負圧が大きくなり弁40が第2吸
気通路2を開く方向へ揺動すると、楕円歯車81は歯車82
からの付勢力によって回動が抑制されつつ回動し、弁40
は抑制されながら吸気負圧によって揺動して第2吸気通
路2を開いた状態となる。その状態では、歯車81は楕円
歯車82の短径部と噛合しているので、歯車81から楕円歯
車82に作用する回転モーメントが小さく、弁40は吸気負
圧によって第2吸気通路2を安定して開いている。した
がって、吸気は主として太く短い第2吸気通路2を通っ
て吸入されるため、吸入空気量が少なくなるような不具
合が回避される。また吸気音はエンジン音にまぎれて聞
こえず、不快な騒音となることがない。
【0057】吸気負圧が歯車81から楕円歯車82に作用す
る回転モーメントより小さくなると、楕円歯車82は歯車
81からの付勢力によって容易に揺動し、弁40は容易に揺
動して第2吸気通路2を閉じる。すなわち本実施例の吸
気ダクトにおいても、実施例1と同様に吸気負圧に応じ
て弁40を自動的に全開及び全閉状態に維持することがで
き、レゾネータなどを用いずとも吸気音の低減と必要な
吸気量の確保とを両立することができる。そして電子制
御やダイヤフラムアクチュエータなどを不要とした単純
な構成であるため、信頼性が高く低コストとすることが
できる。
【0058】(実施例6)ところで上記した各実施例の
吸気ダクトにおいては、吸気負圧が大きくなって弁40が
揺動する際には、エンジン回転数の上昇に伴って弁40は
最初ゆっくり揺動し、次いで一気に揺動して全開状態と
なるため、僅かな時間であるが揺動初期に弁40が少し開
いた状態がある。そのため、その間吸気音が隙間から漏
れるという不具合がある。
【0059】そこで本実施例では、図17に示すように第
2吸気通路2の底壁面に断面三角形状の凹部23を設け、
弁40の揺動端部が凹部23に収納されるように構成してい
る。他の構成は上記した各実施例と同様である。凹部23
は、弁40が全閉状態となったときに弁40の揺動端部を係
止する係止面24と、弁40の揺動時に揺動端部の端面が沿
う案内面25とをもち、案内面25の幅Lは、上記した弁40
がゆっくり揺動する間の揺動端面の移動距離に相当して
いる。
【0060】したがって本実施例の吸気ダクトでは、エ
ンジン回転数の上昇に伴って弁40が最初ゆっくり揺動し
た場合でも、弁40の揺動端部は案内面25に近接して移動
し第2吸気通路2との間に隙間が生じるのが防止されて
いるため、吸気音が隙間から漏れるのが防止できる。な
お案内面25の断面形状を弁40の揺動軸を中心とした円弧
形状とすれば、弁40の揺動端部との間隙を一層小さくす
ることができ、吸気音が隙間から漏れるのを一層防止す
ることができる。また第2吸気通路2の内壁面と摺接す
る弁40の周囲に、不織布などを貼り付けることも好まし
い。このようにすれば第2吸気通路2の内壁面とのクリ
アランスが調整されるため、隙間の発生による吸気音の
漏れを一層防止することができ、ガタつきなどによる衝
撃音も防止される。
【0061】また上記実施例では第2吸気通路2に凹部
23を設けたが、図18に示すように断面三角形状の凸部26
としても同様の作用効果が奏される。なお図18に示す例
では、第2吸気通路2の底壁面に貫通孔27を設けてい
る。このように貫通孔27を設けることにより、弁40や管
壁に付着して溜まった水分を貫通孔27から排出すること
ができ、水分の付着による作動不良を抑制することがで
きる。
【0062】(実施例7)ところが上記した各実施例に
おいては、弁40が僅かに開いた時点で弁に振動が発生
し、それによる異音が発生するという不具合があった。
これは、弁と第2吸気通路との間の小さな断面積の空間
を吸気が急激に通過し、それによって弁が振動するから
である。
【0063】そこで本実施例では、図19に示すように、
実施例6の吸気ダクトにおいて、第2吸気通路2の凹部
23の係止面24に所定の磁力をもつ永久磁石60を配置し、
弁40の先端の永久磁石60に対向する表面に鉄片61を接合
している。このように構成したことにより、吸気負圧が
小さい場合には鉄片61が永久磁石60に吸着され、弁40は
凹部23の係止面24に当接して第2吸気通路2を閉じてい
る。そして吸気負圧が大きくなって永久磁石60と鉄片61
との吸着力を超えた時点で、弁40は凹部23から離れ一気
に揺動して第2吸気通路2を開く。
【0064】したがって本実施例の吸気ダクトによれ
ば、弁40と第2吸気通路2との間に小さな断面積の空間
ができる時間をきわめて短くすることができるので、弁
40の振動による異音を防止することができる。なお上記
第7の実施例では、凹部23に永久磁石60を配置し弁40に
鉄片61を接合したが、逆に凹部23に鉄片を配置し弁40に
永久磁石を接合しても同様の効果が奏される。また永久
磁石に代えて電磁石を用いてもよい。そして永久磁石60
あるいは鉄片61を凹部23あるいは弁40に配置するには、
インサート成形、接着など公知の種々の手段を採用する
ことができる。
【0065】(実施例8)さらに永久磁石60の断面形状
を図20に示すように例えば略三角形状とすれば、永久磁
石60を凹部23の代用とすることもできる。また上記第7
の実施例では、弁40の振動防止に磁力のみを利用してい
たが、図20に示すように、弁40の揺動軸に弁40が常に第
2吸気通路2を閉じる方向へ付勢するトーションスプリ
ング62をさらに配置してもよい。
【0066】そしてトーションスプリング62の付勢力を
所定値とすることにより、吸気負圧が小さい場合には、
トーションスプリング62の付勢力によって弁40が永久磁
石60に押圧され、弁40は第2吸気通路2を閉じる。そし
て吸気負圧が大きくなると、弁40は永久磁石60から離れ
一気に揺動して第2吸気通路2を開く。したがって本実
施例の吸気ダクトによっても、弁40と第2吸気通路2と
の間に小さな断面積の空間ができる時間をきわめて短く
することができるので、弁40の振動による異音を防止す
ることができる。
【0067】なお本実施例では、トーションスプリング
62のバネ力と磁力の両方を利用しているが、トーション
スプリング62のバネ力のみで同じ作用を発現することも
できることはいうまでもない。 (実施例9)また磁力あるいはトーションスプリングの
付勢力に代えて、ダンパによる抵抗力を利用することも
できる。例えば図21に示すように、弁40の揺動軸と第2
吸気通路2の側壁とに互いに噛合する一対の歯車32,33
を形成し、いずれか一方あるいは両方の歯車の内部にダ
ンパ機構34を内蔵させておく。図21では第2吸気通路2
の側壁に設けられた歯車33にダンパ機構34が内蔵されて
いる。
【0068】そしてダンパ機構34の抵抗力を所定値とす
ることにより、吸気負圧が小さい場合には、ダンパ機構
34の抵抗力によって弁40が開くのが防止され、弁40は段
部20又は凹部23に接して第2吸気通路2を閉じている。
そして吸気負圧が大きくなると、弁40は段部20又は凹部
23から離れ一気に揺動して第2吸気通路2を開く。した
がって本実施例の吸気ダクトによっても、弁40と第2吸
気通路2との間に小さな断面積の空間ができる時間をき
わめて短くすることができるので、弁40の振動による異
音を防止することができる。
【0069】(実施例10)上記した実施例9の吸気ダク
トでは、弁40にはダンパ機構34の抵抗力が常に作用して
いる。そのため弁40の応答性が低下するという不具合が
発生する。そこで本実施例では図22に示すように、一対
の歯車32,33の一方(図22では歯車33)を部分歯車とし
て、弁40が段部20又は凹部23表面に当接した状態から僅
かに開いた状態となるまでの間のみダンパ機構34の抵抗
力が作用するように構成している。
【0070】したがって本実施例の吸気ダクトでは、第
9実施例と同様の作用効果が奏されるとともに、弁40の
応答性も他の実施例と同等とすることができる。
【0071】
【発明の効果】すなわち請求項1に記載の吸気ダクトに
よれば、エンジンの低速回転時には低音域の吸気音を低
減できるとともに、高速回転時には十分な空気量を吸入
することができる。そして電子制御回路、電磁開閉弁及
びダイヤフラムアクチュエータなどを用いていないの
で、安価な吸気ダクトとすることができる。
【0072】そして開閉部材が閉状態から開状態となる
際には、保持手段によって開閉部材の揺動が抑制されて
いるので、吸気負圧が所定値となるまでは開閉部材を確
実に閉状態に維持することができる。また開状態から閉
状態となる際には、保持部材の抑制力が解除されるた
め、吸気負圧が所定値以下となれば開閉部材は容易に揺
動して確実に第2吸気通路を閉じる。したがって作動の
安定性に優れている。
【0073】また請求項2に記載の吸気ダクトによれば
吸気音が外部に漏れるのを確実に防止することができ、
請求項3に記載の吸気ダクトによれば開閉部材の振動に
よる異音を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の吸気ダクトの全体構成を示
す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の吸気ダクトの弁全閉時の図
1の要部断面図である。
【図3】本発明の一実施例の吸気ダクトの要部斜視図で
ある。
【図4】本発明の一実施例に用いたクリップの斜視図で
ある。
【図5】本発明の一実施例に用いたクリップの断面図で
ある。
【図6】本発明の第2の実施例の吸気ダクトの弁全閉時
の要部断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例の吸気ダクトの弁全開時
の要部断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例の吸気ダクトの弁全閉時
の要部断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例の吸気ダクトの他の態様
を示し、弁全閉時の要部断面図である。
【図10】本発明の第4の実施例の吸気ダクトの弁全閉時
の要部断面図である。
【図11】本発明の第4の実施例の吸気ダクトの他の態様
を示し、弁全閉時の要部断面図である。
【図12】本発明の第4の実施例の吸気ダクトの他の態様
を示し、弁全閉時の要部断面図である。
【図13】図12に示す第4の実施例の吸気ダクトを図12と
直角方向から見た弁全閉時における要部断面図である。
【図14】本発明の第4の実施例の吸気ダクトの他の態様
を示し、弁全閉時の要部断面図である。
【図15】本発明の第5の実施例の吸気ダクトの弁全閉時
の要部断面図である。
【図16】本発明の第5の実施例の吸気ダクトの動作を示
す説明図である。
【図17】本発明の第6の実施例の吸気ダクトの弁全閉時
の要部断面図である。
【図18】本発明の第6の実施例の吸気ダクトの他の態様
を示し、弁全閉時の要部断面図である。
【図19】本発明の第7の実施例の吸気ダクトの弁全閉時
の要部断面図である。
【図20】本発明の第8の実施例の吸気ダクトの弁全閉時
の要部断面図である。
【図21】本発明の第9の実施例の吸気ダクトの弁全閉時
の要部断面図である。
【図22】本発明の第10の実施例の吸気ダクトの弁全閉時
の要部断面図である。
【図23】比較例の吸気ダクトの構成を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1:第1吸気通路 2:第2吸気通路 3:エ
アクリーナケース 4:弁部 5:クリップ(保持手段) 40:弁
(開閉部材) 41:リターンスプリング(付勢手段) 44:凸形ピン
(保持手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古森 敬博 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 広瀬 吉一 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンへ空気を供給する通路としての
    吸気ダクトにおいて、第1吸気通路と、第2吸気通路
    と、該第2吸気通路に揺動自在に設けられ該第2吸気通
    路を開閉する開閉部材と、該開閉部材を該第2吸気通路
    を閉じる方向へ付勢する付勢手段と、該開閉部材が該第
    2吸気通路を閉状態から開状態とする際に該開閉部材の
    動きを抑制し該開閉部材が該第2吸気通路を開状態から
    閉状態とする際に該開閉部材の動きを容易とする保持手
    段と、よりなることを特徴とする吸気ダクト。
  2. 【請求項2】 前記第2吸気通路は前記開閉部材が前記
    第2吸気通路を開くときに前記開閉部材の揺動端面と近
    接して案内する案内面をもつことを特徴とする請求項1
    に記載の吸気ダクト。
  3. 【請求項3】 前記第2吸気通路は前記開閉部材が前記
    第2吸気通路を閉じたときに前記開閉部材と当接する係
    止面をもち、前記開閉部材が該係止面から離れるときに
    抵抗力を与える抵抗手段を備えたことを特徴とする請求
    項1に記載の吸気ダクト。
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