JP2000145442A - エンジンの保温型排気マニホールド - Google Patents
エンジンの保温型排気マニホールドInfo
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- JP2000145442A JP2000145442A JP10323280A JP32328098A JP2000145442A JP 2000145442 A JP2000145442 A JP 2000145442A JP 10323280 A JP10323280 A JP 10323280A JP 32328098 A JP32328098 A JP 32328098A JP 2000145442 A JP2000145442 A JP 2000145442A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 排気集合管の内側集合管を,対向端部を線状
に溶接される一対の内側集合管半体で構成した保温型排
気マニホールドにおいて,内側集合管の溶接部及び非溶
接部間に発生する,熱膨張係数の差による熱歪みを軽減
し得るようにして,その薄肉化を極力可能する。 【解決手段】 排気集合管61 ,62 の内側集合管15
を,その半径方向に2分割された一対の内側集合管半体
15a,15bで構成し,その対向端部を,その端縁に
沿って形成される線状の溶接部23により結合し,その
溶接部23を分断するように透孔24を内側集合管15
に設ける。
に溶接される一対の内側集合管半体で構成した保温型排
気マニホールドにおいて,内側集合管の溶接部及び非溶
接部間に発生する,熱膨張係数の差による熱歪みを軽減
し得るようにして,その薄肉化を極力可能する。 【解決手段】 排気集合管61 ,62 の内側集合管15
を,その半径方向に2分割された一対の内側集合管半体
15a,15bで構成し,その対向端部を,その端縁に
沿って形成される線状の溶接部23により結合し,その
溶接部23を分断するように透孔24を内側集合管15
に設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,上部フランジと,
この上部フランジに各上流側端部が結合される複数の排
気単管と,これら排気単管の下流側端部に結合される排
気集合管と,この排気集合管の下流側端部に結合される
下部フランジとを備え,各管を断熱空間を挟んで配置さ
れる内外二重壁で構成した,エンジンの保温型排気マニ
ホールドの改良に関する。
この上部フランジに各上流側端部が結合される複数の排
気単管と,これら排気単管の下流側端部に結合される排
気集合管と,この排気集合管の下流側端部に結合される
下部フランジとを備え,各管を断熱空間を挟んで配置さ
れる内外二重壁で構成した,エンジンの保温型排気マニ
ホールドの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝる保温型排気マニホールドは,例え
ば特開平9−280046号公報に開示されているよう
に,公知である。
ば特開平9−280046号公報に開示されているよう
に,公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かゝるエンジンの保温
型排気マニホールドには,特に内壁のヒートマスを小さ
くして,これを通る排ガスの温度低下を極力抑えること
及び軽量化のために,その内壁をできるだけ薄肉にする
ことが要求される。排気マニホールドにおいて排ガスの
温度低下を抑えることは,排ガスを排気マニホールドか
ら下流の触媒コンバータに移行させたとき,その活性化
を促進して,排ガスの浄化効率を高める上に重要であ
る。
型排気マニホールドには,特に内壁のヒートマスを小さ
くして,これを通る排ガスの温度低下を極力抑えること
及び軽量化のために,その内壁をできるだけ薄肉にする
ことが要求される。排気マニホールドにおいて排ガスの
温度低下を抑えることは,排ガスを排気マニホールドか
ら下流の触媒コンバータに移行させたとき,その活性化
を促進して,排ガスの浄化効率を高める上に重要であ
る。
【0004】ところで,排気集合管は,その形状が比較
的複雑であるため,成形や組立の都合から,これを構成
する内側集合管及び外側集合管を二つ割り構造を採用し
て,分割された一対の半体を溶接により結合することが
一般に行われている。この場合,特に,内側集合管を,
前述のような必要性から薄肉に形成すると,熱膨張時,
内側集合管には,その溶接部及び非溶接部の熱膨張係数
の差による熱歪みが発生して,亀裂が生ずる虞があるた
め,内側集合管の薄肉化にも或る限界があった。
的複雑であるため,成形や組立の都合から,これを構成
する内側集合管及び外側集合管を二つ割り構造を採用し
て,分割された一対の半体を溶接により結合することが
一般に行われている。この場合,特に,内側集合管を,
前述のような必要性から薄肉に形成すると,熱膨張時,
内側集合管には,その溶接部及び非溶接部の熱膨張係数
の差による熱歪みが発生して,亀裂が生ずる虞があるた
め,内側集合管の薄肉化にも或る限界があった。
【0005】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたも
ので,内側集合管の溶接部及び非溶接部に発生する熱歪
みを軽減し得るようにして,その更なる薄肉化を可能
し,排ガスの浄化効率の向上に寄与し得る,前記保温型
排気マニホールドを提供することを目的とする。
ので,内側集合管の溶接部及び非溶接部に発生する熱歪
みを軽減し得るようにして,その更なる薄肉化を可能
し,排ガスの浄化効率の向上に寄与し得る,前記保温型
排気マニホールドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,上部フランジと,この上部フランジに各
上流側端部が結合される複数の排気単管と,これら排気
単管の下流側端部に結合される排気集合管と,この排気
集合管の下流側端部に結合される下部フランジとを備
え,各管を断熱空間を挟んで配置される内外二重壁で構
成した,エンジンの保温型排気マニホールドにおいて,
前記排気集合管を,半径方向に分割された一対の内側集
合管半体の対向端部を,その端縁に沿って形成される線
状の溶接部により結合してなる内側集合管と,この内側
集合管を囲繞する外側集合管とで構成し,前記内側集合
管には,前記溶接部を長手方向に分断する透孔を設けた
ことを第1の特徴とする。
に,本発明は,上部フランジと,この上部フランジに各
上流側端部が結合される複数の排気単管と,これら排気
単管の下流側端部に結合される排気集合管と,この排気
集合管の下流側端部に結合される下部フランジとを備
え,各管を断熱空間を挟んで配置される内外二重壁で構
成した,エンジンの保温型排気マニホールドにおいて,
前記排気集合管を,半径方向に分割された一対の内側集
合管半体の対向端部を,その端縁に沿って形成される線
状の溶接部により結合してなる内側集合管と,この内側
集合管を囲繞する外側集合管とで構成し,前記内側集合
管には,前記溶接部を長手方向に分断する透孔を設けた
ことを第1の特徴とする。
【0007】この第1の特徴によれば,線状の溶接部を
透孔により分断したことにより,内側集合管の溶接部及
び非溶接部間に生ずる熱膨張率の差による熱歪みは減少
する。しかも,内側集合管に生じた熱歪みは,内側集合
管が前記透孔周りで変形することにより緩和される。こ
うして,熱歪みによる内側集合管の破損が回避されるの
で,内側集合管の薄肉化を一層図ることができる。
透孔により分断したことにより,内側集合管の溶接部及
び非溶接部間に生ずる熱膨張率の差による熱歪みは減少
する。しかも,内側集合管に生じた熱歪みは,内側集合
管が前記透孔周りで変形することにより緩和される。こ
うして,熱歪みによる内側集合管の破損が回避されるの
で,内側集合管の薄肉化を一層図ることができる。
【0008】また本発明は,上記特徴に加えて,前記内
側集合管に,前記溶接部の溶接開始点及び溶接終了点を
切除する切欠きを設けたことを第2の特徴とする。
側集合管に,前記溶接部の溶接開始点及び溶接終了点を
切除する切欠きを設けたことを第2の特徴とする。
【0009】この第2の特徴によれば,溶接の開始点及
び終了点に発生し易い溶接欠陥を前記切欠きにより除去
することができる。
び終了点に発生し易い溶接欠陥を前記切欠きにより除去
することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0011】図1〜図7は本発明の第1実施例を示すも
ので,図1は本発明の保温型排気マニホールドをエンジ
ンへの取付け状態で示す側面図,図2は上記排気マニホ
ールドの斜視図,図3は上記排気マニホールドの一部縦
断正面図,図4は図3の4部拡大図,図5は図4の5−
5線断面図,図6は図1の6−6線断面図,図7は上記
排気マニホールドにおける内側集合管の側面図であり,
図8は本発明の第2実施例に係る排気マニホールドの縦
断正面図である。
ので,図1は本発明の保温型排気マニホールドをエンジ
ンへの取付け状態で示す側面図,図2は上記排気マニホ
ールドの斜視図,図3は上記排気マニホールドの一部縦
断正面図,図4は図3の4部拡大図,図5は図4の5−
5線断面図,図6は図1の6−6線断面図,図7は上記
排気マニホールドにおける内側集合管の側面図であり,
図8は本発明の第2実施例に係る排気マニホールドの縦
断正面図である。
【0012】先ず,本発明の第1実施例について説明す
る。
る。
【0013】図1〜図3において,4気筒エンジンEの
シリンダヘッド1の前面に,その気筒に対応して4本の
排気ポート21 〜24 が開口しており,これら排気ポー
ト2 1 〜24 から排出される排ガスを誘導する,本発明
の保温型排気マニホールドMが複数のスタッドボルト3
及びナット4によりシリンダヘッド1に取付けられる。
この排気マニホールドMは,前記4本の排気ポート21
〜24 に個別に連通する4本の排気単管51 〜54 を備
えており,これらを図3で上流端左側から第1〜第4排
気単管と呼ぶことにする。
シリンダヘッド1の前面に,その気筒に対応して4本の
排気ポート21 〜24 が開口しており,これら排気ポー
ト2 1 〜24 から排出される排ガスを誘導する,本発明
の保温型排気マニホールドMが複数のスタッドボルト3
及びナット4によりシリンダヘッド1に取付けられる。
この排気マニホールドMは,前記4本の排気ポート21
〜24 に個別に連通する4本の排気単管51 〜54 を備
えており,これらを図3で上流端左側から第1〜第4排
気単管と呼ぶことにする。
【0014】第1〜第4排気単管51 〜54 の上流側端
部に上部フランジ7が接続され,第2及び第3排気単管
52 ,53 の下流側端部に第1排気集合管61 が接続さ
れ,第1及び第4排気単管51 54 の下流側端部に第2
排気集合管62 が接続される。そして第1及び第2排気
集合管61 ,62 の下流側端部に下部フランジ8が接続
される。上部フランジ7は,前記スタッドボルト3及び
ナット4によりシリンダヘッド1に固着されるものであ
り,下部フランジ8には,車両の床下に配置される図示
しない共通の触媒コンバータ(排気浄化装置)に連なる
中間排気管21が接続される。尚,下部フランジ8に
は,上記触媒コンバータを直接接続することもできる。
部に上部フランジ7が接続され,第2及び第3排気単管
52 ,53 の下流側端部に第1排気集合管61 が接続さ
れ,第1及び第4排気単管51 54 の下流側端部に第2
排気集合管62 が接続される。そして第1及び第2排気
集合管61 ,62 の下流側端部に下部フランジ8が接続
される。上部フランジ7は,前記スタッドボルト3及び
ナット4によりシリンダヘッド1に固着されるものであ
り,下部フランジ8には,車両の床下に配置される図示
しない共通の触媒コンバータ(排気浄化装置)に連なる
中間排気管21が接続される。尚,下部フランジ8に
は,上記触媒コンバータを直接接続することもできる。
【0015】各排気単管51 〜54 は,内外2重に配置
した内側単管10及び外側単管11からなるもので,内
側及び外側単管10,11間には筒状の断熱空間12が
形成される。内側単管10は薄肉のステンレス鋼管製で
あり,外側単管11もステンレス鋼管製であるが,内側
単管10よりは厚肉である。
した内側単管10及び外側単管11からなるもので,内
側及び外側単管10,11間には筒状の断熱空間12が
形成される。内側単管10は薄肉のステンレス鋼管製で
あり,外側単管11もステンレス鋼管製であるが,内側
単管10よりは厚肉である。
【0016】図1に示すように,外側単管11の上流側
端部は,内側単管10の上流側端部外周面に嵌合するよ
うに縮径され,それらの上流側端部が上部フランジ7
の,対応する排気ポート21 〜24 に連なる通孔131
〜134 に嵌合されると共に,その通孔131 〜134
の内周面に溶接により固着される。
端部は,内側単管10の上流側端部外周面に嵌合するよ
うに縮径され,それらの上流側端部が上部フランジ7
の,対応する排気ポート21 〜24 に連なる通孔131
〜134 に嵌合されると共に,その通孔131 〜134
の内周面に溶接により固着される。
【0017】図3〜図5において,内側単管10の下流
側端部外周面には環状ビード部14が形成され,このビ
ード部14を介して内側単管10の下流側端部は外側単
管11の下流側端部内周面に摺動可能に支承される。
側端部外周面には環状ビード部14が形成され,このビ
ード部14を介して内側単管10の下流側端部は外側単
管11の下流側端部内周面に摺動可能に支承される。
【0018】図3,図6及び図7において,各排気集合
管61 ,62 は,内外二重に配置した内側集合管15及
び外側集合管16からなるもので,内側及び外側集合管
15,16の間にも断熱空間17が形成される。内側集
合管15の上流側端部には,内側二股管18,18が形
成され,これらに,対応する2本の前記外側単管11,
11の下流側端部が嵌入される。
管61 ,62 は,内外二重に配置した内側集合管15及
び外側集合管16からなるもので,内側及び外側集合管
15,16の間にも断熱空間17が形成される。内側集
合管15の上流側端部には,内側二股管18,18が形
成され,これらに,対応する2本の前記外側単管11,
11の下流側端部が嵌入される。
【0019】内側集合管15は,半径方向に分割された
薄肉のステンレス鋼板製の一対の内側集合管半体15
a,15bの相対向する端部を相互に重ね,その重ね端
部全体を溶接して構成される。即ち,図7に示すよう
に,一対の内側集合管半体15a,15bの相互に重ね
た端部は,その端縁に沿って形成された線状の溶接部2
3により結合される。その溶接後,両内側集合管半体1
5a,15bの結合された端部には,溶接部23を長手
方向に分断する一個もしくは複数個の透孔24と,溶接
部23の溶接開始点及び終了点を切除する切欠き25,
26とが穿設される。
薄肉のステンレス鋼板製の一対の内側集合管半体15
a,15bの相対向する端部を相互に重ね,その重ね端
部全体を溶接して構成される。即ち,図7に示すよう
に,一対の内側集合管半体15a,15bの相互に重ね
た端部は,その端縁に沿って形成された線状の溶接部2
3により結合される。その溶接後,両内側集合管半体1
5a,15bの結合された端部には,溶接部23を長手
方向に分断する一個もしくは複数個の透孔24と,溶接
部23の溶接開始点及び終了点を切除する切欠き25,
26とが穿設される。
【0020】また外側集合管16もステンレス鋼板製の
一対の外側集合管半体16a,16bの相対向する端部
を相互に重ね,その重ね部全体を溶接して構成される
が,その板厚は内側集合管15より厚い。この外側集合
管16の上流側端部には,上記内側二股管18,18を
それぞれ覆う外側二股管19,19が形成される。この
外側二股管19,19の先端部は内側二股管18,18
の外周面に嵌合するように縮径され,それらの嵌合部
が,対応する2本の前記外側単管11,11の下流側端
部外周面に溶接により固着される。
一対の外側集合管半体16a,16bの相対向する端部
を相互に重ね,その重ね部全体を溶接して構成される
が,その板厚は内側集合管15より厚い。この外側集合
管16の上流側端部には,上記内側二股管18,18を
それぞれ覆う外側二股管19,19が形成される。この
外側二股管19,19の先端部は内側二股管18,18
の外周面に嵌合するように縮径され,それらの嵌合部
が,対応する2本の前記外側単管11,11の下流側端
部外周面に溶接により固着される。
【0021】図5及び図6に示すように,外側集合管1
6の下流側端部に前記下部フランジ8が溶接により固着
される。この外側集合管16の下流側端部の内周面に
は,ステンレスワイヤを編んでなる環状二つ割りのメッ
シュ部材20が溶接により付設され,このメッシュ部材
20の内周面に内側集合管15の下流側端部が摺動自在
に嵌合される。こうして内側集合管15の下流側端部
は,メッシュ部材20を介して外側集合管16に摺動自
在に支承される。
6の下流側端部に前記下部フランジ8が溶接により固着
される。この外側集合管16の下流側端部の内周面に
は,ステンレスワイヤを編んでなる環状二つ割りのメッ
シュ部材20が溶接により付設され,このメッシュ部材
20の内周面に内側集合管15の下流側端部が摺動自在
に嵌合される。こうして内側集合管15の下流側端部
は,メッシュ部材20を介して外側集合管16に摺動自
在に支承される。
【0022】次に,この第1実施例の作用について説明
する。
する。
【0023】エンジンEの作動中,排ガスが4本の排気
ポート21 ,22 ,24 ,23 から第1排気単管51 ,
第2排気単管52 ,第4排気単管54 ,第3排気単管5
3 に順次排出される。そして第1及び第4排気単管
51 ,54 を通過した排ガスは第1排気集合管61 で合
流し,第2及び第3排気単管52 ,53 を通過した排ガ
スは第2排気合流管62 で合流し,その後,排ガスは中
間排気管21で更に合流しながら図示しない共通の触媒
コンバータへと誘導され,浄化される。
ポート21 ,22 ,24 ,23 から第1排気単管51 ,
第2排気単管52 ,第4排気単管54 ,第3排気単管5
3 に順次排出される。そして第1及び第4排気単管
51 ,54 を通過した排ガスは第1排気集合管61 で合
流し,第2及び第3排気単管52 ,53 を通過した排ガ
スは第2排気合流管62 で合流し,その後,排ガスは中
間排気管21で更に合流しながら図示しない共通の触媒
コンバータへと誘導され,浄化される。
【0024】ところで,各排気単管51 〜54 は内外二
重配置の内側単管10及び外側単管11から構成され,
その内側単管10は薄肉に形成されると共に,内側及び
外側単管10,11の間には断熱空間12が形成され,
また各排気集合管61 ,62も内外二重配置の内側集合
管15及び外側集合管16から構成され,その内側集合
管15は薄肉に形成されると共に,内側及び外側集合管
15,16の間にも断熱空間17が形成されるので,ヒ
ートマスの小なる内側単管10及び内側集合管15は,
その内部を流れる高温の排ガスにより加熱されて速やか
に昇温し,これが断熱空間12,17により保温され
る。したがって,後続の排ガスを,その温度低下を抑え
ながら前記触媒コンバータへ誘導して,その活性化を促
進し,排ガスの浄化効率を高めることができる。
重配置の内側単管10及び外側単管11から構成され,
その内側単管10は薄肉に形成されると共に,内側及び
外側単管10,11の間には断熱空間12が形成され,
また各排気集合管61 ,62も内外二重配置の内側集合
管15及び外側集合管16から構成され,その内側集合
管15は薄肉に形成されると共に,内側及び外側集合管
15,16の間にも断熱空間17が形成されるので,ヒ
ートマスの小なる内側単管10及び内側集合管15は,
その内部を流れる高温の排ガスにより加熱されて速やか
に昇温し,これが断熱空間12,17により保温され
る。したがって,後続の排ガスを,その温度低下を抑え
ながら前記触媒コンバータへ誘導して,その活性化を促
進し,排ガスの浄化効率を高めることができる。
【0025】その間に,各排気単管51 〜54 において
は,内側単管10に外側単管11側よりも大きな軸方向
の熱伸びが生ずるが,その伸びに伴い内側単管10の下
流側端部外周面の環状ビード部14が,それらを支承す
る外側単管11の内周面に対して図4に鎖線で示すよう
に摺動し,内側及び外側単管10,11の軸方向の熱伸
びの差が吸収される。
は,内側単管10に外側単管11側よりも大きな軸方向
の熱伸びが生ずるが,その伸びに伴い内側単管10の下
流側端部外周面の環状ビード部14が,それらを支承す
る外側単管11の内周面に対して図4に鎖線で示すよう
に摺動し,内側及び外側単管10,11の軸方向の熱伸
びの差が吸収される。
【0026】また各排気集合管61 ,62 においても,
内側集合管15に外側集合管16側よりも大きな軸方向
の熱伸びが生ずるが,その伸びに伴い内側集合管15の
下流側端部が,外側集合管16に支持されるメッシュ部
材20に対して摺動し,内側及び外側集合管15,16
の軸方向の熱伸びの差が吸収される。
内側集合管15に外側集合管16側よりも大きな軸方向
の熱伸びが生ずるが,その伸びに伴い内側集合管15の
下流側端部が,外側集合管16に支持されるメッシュ部
材20に対して摺動し,内側及び外側集合管15,16
の軸方向の熱伸びの差が吸収される。
【0027】このように,保温型排気マニホールドMに
おいて,内外二重壁の軸方向の熱伸びの差を吸収する摺
動部を各排気単管51 〜54 の下流側端部と各排気集合
管6 1 ,62 の下流側端部とに分けて設けることによ
り,各摺動部での摺動ストロークを小さく設定すること
が可能となり,摺動過程で,その摺動部相互に傾きが起
こり難くなり,排気マニホールドM各部に熱歪みが生ず
ることを効果的に防ぎ,その耐久性の向上を図ることが
できる。
おいて,内外二重壁の軸方向の熱伸びの差を吸収する摺
動部を各排気単管51 〜54 の下流側端部と各排気集合
管6 1 ,62 の下流側端部とに分けて設けることによ
り,各摺動部での摺動ストロークを小さく設定すること
が可能となり,摺動過程で,その摺動部相互に傾きが起
こり難くなり,排気マニホールドM各部に熱歪みが生ず
ることを効果的に防ぎ,その耐久性の向上を図ることが
できる。
【0028】ところで,前記内側集合管15を構成する
一対の内側集合管半体15a,15bの対向端部は,そ
の端縁に沿って形成された線状の溶接部23により結合
されるが,その線状の溶接部23は,一個もしくは複数
個の透孔24により分断されるので,分断された個々の
溶接部23の長さが短くなったことから,個々の溶接部
23と内側集合管半体15の非溶接部との間に,熱膨張
率の差による熱歪みが生じても,その歪みは比較的小さ
いものとなる。しかも,内側集合管半体15a,15b
の熱歪みは,該半体15a,15bが透孔24周りで変
形することにより緩和される。こうして,熱歪みによる
内側集合管の破損が回避されるので,内側集合管15の
一層の薄肉化を図り,そのヒートマスを小さくして排ガ
スの温度低下を抑え,排気浄化装置の活性化を促進する
ことができる,また同時に排気マニホールドの軽量化を
図ることができる。
一対の内側集合管半体15a,15bの対向端部は,そ
の端縁に沿って形成された線状の溶接部23により結合
されるが,その線状の溶接部23は,一個もしくは複数
個の透孔24により分断されるので,分断された個々の
溶接部23の長さが短くなったことから,個々の溶接部
23と内側集合管半体15の非溶接部との間に,熱膨張
率の差による熱歪みが生じても,その歪みは比較的小さ
いものとなる。しかも,内側集合管半体15a,15b
の熱歪みは,該半体15a,15bが透孔24周りで変
形することにより緩和される。こうして,熱歪みによる
内側集合管の破損が回避されるので,内側集合管15の
一層の薄肉化を図り,そのヒートマスを小さくして排ガ
スの温度低下を抑え,排気浄化装置の活性化を促進する
ことができる,また同時に排気マニホールドの軽量化を
図ることができる。
【0029】また両内側集合管半体15a,15bの結
合された端部には,溶接部23の溶接開始点及び終了点
を切除する切欠き25,26とが穿設されるので,溶接
の開始点及び終了点に発生し易い溶接欠陥を上記切欠き
25,26により除去することができる。したがって,
熱歪みの発生時,内側集合管15の溶接欠陥部からの破
壊を未然に防ぐことができる。
合された端部には,溶接部23の溶接開始点及び終了点
を切除する切欠き25,26とが穿設されるので,溶接
の開始点及び終了点に発生し易い溶接欠陥を上記切欠き
25,26により除去することができる。したがって,
熱歪みの発生時,内側集合管15の溶接欠陥部からの破
壊を未然に防ぐことができる。
【0030】図8は本発明の第2実施例を示す。この実
施例の保温型排気マニホールドMは,4本の排気単管5
1 〜54 に共通1個の排気集合管6を接続したもので,
その保温構造及び熱伸び吸収構造は前記第1実施例のも
のと実質的に同一であり,図中,第1実施例との対応部
分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
施例の保温型排気マニホールドMは,4本の排気単管5
1 〜54 に共通1個の排気集合管6を接続したもので,
その保温構造及び熱伸び吸収構造は前記第1実施例のも
のと実質的に同一であり,図中,第1実施例との対応部
分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0031】以上,本発明の実施例を詳述したが,本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことができる。例えば,一対の内側集合管半体15a,
15b相互の溶接に,第1,第2実施例では,重ね継ぎ
手を採用したが,これに代えて,突き合わせ継ぎ手,拝
み合わせ継ぎ手を採用することもでき,またシーム溶接
を行うこともできる。また排気単管及び排気集合管の本
数や形状は,エンジンの気筒数や形式に応じて自由に選
定することができる。また断熱空間12,17には,適
当な断熱材を充填することもできる。
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことができる。例えば,一対の内側集合管半体15a,
15b相互の溶接に,第1,第2実施例では,重ね継ぎ
手を採用したが,これに代えて,突き合わせ継ぎ手,拝
み合わせ継ぎ手を採用することもでき,またシーム溶接
を行うこともできる。また排気単管及び排気集合管の本
数や形状は,エンジンの気筒数や形式に応じて自由に選
定することができる。また断熱空間12,17には,適
当な断熱材を充填することもできる。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば,上部フラ
ンジと,この上部フランジに各上流側端部が結合される
複数の排気単管と,これら排気単管の下流側端部に結合
される排気集合管と,この排気集合管の下流側端部に結
合される下部フランジとを備え,各管を断熱空間を挟ん
で配置される内外二重壁で構成した,エンジンの保温型
排気マニホールドにおいて,前記排気集合管を,半径方
向に分割された一対の内側集合管半体の対向端部を,そ
の端縁に沿って形成される線状の溶接部により結合して
なる内側集合管と,この内側集合管を囲繞する外側集合
管とで構成し,前記内側集合管には,前記溶接部を長手
方向に分断する透孔を設けたので,分断された個々の溶
接部と内側集合管の非溶接部との間に生ずる熱歪みを減
少することができると共に,内側集合管に生じた熱歪み
を,内側集合管の前記透孔周りでの変形により緩和する
ことができ,したがって,熱歪みによる内側集合管の破
損が回避され,内側集合管の薄肉化を一層図り,排気温
度の低下を抑えて,排気浄化装置の活性化促進に寄与す
ることができ,同時に排気マニホールドを軽量化にも寄
与することができる。
ンジと,この上部フランジに各上流側端部が結合される
複数の排気単管と,これら排気単管の下流側端部に結合
される排気集合管と,この排気集合管の下流側端部に結
合される下部フランジとを備え,各管を断熱空間を挟ん
で配置される内外二重壁で構成した,エンジンの保温型
排気マニホールドにおいて,前記排気集合管を,半径方
向に分割された一対の内側集合管半体の対向端部を,そ
の端縁に沿って形成される線状の溶接部により結合して
なる内側集合管と,この内側集合管を囲繞する外側集合
管とで構成し,前記内側集合管には,前記溶接部を長手
方向に分断する透孔を設けたので,分断された個々の溶
接部と内側集合管の非溶接部との間に生ずる熱歪みを減
少することができると共に,内側集合管に生じた熱歪み
を,内側集合管の前記透孔周りでの変形により緩和する
ことができ,したがって,熱歪みによる内側集合管の破
損が回避され,内側集合管の薄肉化を一層図り,排気温
度の低下を抑えて,排気浄化装置の活性化促進に寄与す
ることができ,同時に排気マニホールドを軽量化にも寄
与することができる。
【0033】また本発明の第2の特徴によれば,前記内
側集合管に,前記溶接部の溶接開始点及び溶接終了点を
切除する切欠きを設けたので,溶接の開始点及び終了点
に発生し易い溶接欠陥を除去することができ,したがっ
て,熱歪みの発生時,内側集合管の溶接欠陥部からの破
壊を未然に防ぎ,耐久性の向上に寄与し得る。
側集合管に,前記溶接部の溶接開始点及び溶接終了点を
切除する切欠きを設けたので,溶接の開始点及び終了点
に発生し易い溶接欠陥を除去することができ,したがっ
て,熱歪みの発生時,内側集合管の溶接欠陥部からの破
壊を未然に防ぎ,耐久性の向上に寄与し得る。
【図1】本発明の第1実施例に係る保温型排気マニホー
ルドをエンジンへの取付け状態で示す側面図。
ルドをエンジンへの取付け状態で示す側面図。
【図2】上記排気マニホールドの斜視図。
【図3】上記排気マニホールドの一部縦断正面図。
【図4】図3の4部拡大図。
【図5】図4の5−5線断面図。
【図6】図1の6−6線断面図。
【図7】上記排気マニホールドにおける内側集合管の側
面図。
面図。
【図8】本発明の第2実施例に係る排気マニホールドの
縦断正面図。
縦断正面図。
E・・・・・・・・エンジン M・・・・・・・・排気マニホールド 51 〜54 ・・・・排気単管 61 ,62 ,6・・排気集合管 12,17・・・・断熱空間 15・・・・・・・内側集合管 15a,15b・・一対の内側集合管半体 16・・・・・・・外側集合管 23・・・・・・・線状の溶接部 24・・・・・・・切欠き 25,26・・・・切欠き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 達己 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 橋本 宏 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 石井 和夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 藤森 浩一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 加藤 誠司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 大塩 清隆 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G004 DA02 DA12 DA14 EA05 FA01 FA04 GA06
Claims (2)
- 【請求項1】 上部フランジ(7)と,この上部フラン
ジ(7)に各上流側端部が結合される複数の排気単管
(51 〜54 )と,これら排気単管(51 〜5 4 )の下
流側端部に結合される排気集合管(61 ,62 ,6)
と,この排気集合管(61 ,62 ,6)の下流側端部に
結合される下部フランジ(8)とを備え,各管を断熱空
間(12,17)を挟んで配置される内外二重壁で構成
した,エンジンの保温型排気マニホールドにおいて,前
記排気集合管(61 ,62 ,6)を,半径方向に分割さ
れた一対の内側集合管半体(15a,15b)の対向端
部を,その端縁に沿って形成される線状の溶接部(2
3)により結合してなる内側集合管(15)と,この内
側集合管(15)を囲繞する外側集合管(16)とで構
成し,前記内側集合管(15)には,前記溶接部(2
3)を長手方向に分断する透孔(24)を設けたことを
特徴とする,エンジンの保温型排気マニホールド。 - 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの保温型排気マ
ニホールドにおいて,前記内側集合管(15)に,前記
溶接部(23)の溶接開始点及び溶接終了点を切除する
切欠き(25,26)を設けたことを特徴とする,エン
ジンの保温型排気マニホールド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10323280A JP2000145442A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | エンジンの保温型排気マニホールド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10323280A JP2000145442A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | エンジンの保温型排気マニホールド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000145442A true JP2000145442A (ja) | 2000-05-26 |
Family
ID=18153033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10323280A Pending JP2000145442A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | エンジンの保温型排気マニホールド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000145442A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009103001A (ja) * | 2007-10-20 | 2009-05-14 | Calsonic Kansei Corp | 溶接による遮熱板の取付構造 |
-
1998
- 1998-11-13 JP JP10323280A patent/JP2000145442A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009103001A (ja) * | 2007-10-20 | 2009-05-14 | Calsonic Kansei Corp | 溶接による遮熱板の取付構造 |
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