JP3802206B2 - 二重管式排気マニホルドの内管 - Google Patents

二重管式排気マニホルドの内管 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に用いられる二重管式排気マニホルドの内管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気マニホルドには断熱性を向上させる観点から内管と外管とを備えた二重管式排気マニホルドが使用され、該二重管式排気マニホルドの内管は通常図3〜4に示す構造を有している。
【0003】
図3に示すように、二重管式排気マニホルド20の内管21は内管本体22、23、24が管軸方向に連結されている。内管本体22、23、24は、管軸に沿って半割りされた一方の半割内管材22a、23a、24aと他方の半割内管材22b、23b、24bとがモナカ合わせされ、その接合部を溶接して形成されている。
【0004】
図4に内管本体22と内管本体23との連結部分を示す。内管本体23の排気上流側端部25は拡径され、内管本体22の排気下流側端部26にスライド可能に外嵌されている。内管本体22の排気下流側端部26においては、半割内管材22aの両側端縁22cと半割内管材22bの両側端縁22dとが互いに突き合わされた突合せ継手形式で溶接され、端部26を除く内管本体部位27においては、半割内管材22aの両側端22eが半割内管材22bの両側端22fに外嵌して重ね継手形式で溶接されている。
【0005】
内管本体23の端部25、28及び内管本体24の端部29においては、内管本体22の接合端部26と同様に半割内管材23a、24aと半割内管材23b、24bとが突合せ継手形式で溶接され、内管本体23、24の接合端部25、28、29を除く内管本体部位30、31においては、内管本体22の内管本体部位27と同様に半割内管材23a、24aと半割内管材23b、24bとが重ね継手形式で溶接されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の内管では、内管本体22、23、24の端部25、26、28、29と内管本体部位27、30、31との境界に溶接形式が重ね継手形式から突合せ継手形式に不連続的に変化する段状の切欠部32が形成される。切欠部32には応力が集中するため、切欠部32からき裂が発生し易く、内管21を流通する排気ガスが該き裂から内管21と外管33との間に形成された間隙34に流出し、二重管式排気マニホルドの断熱性が低下するという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、断熱性を良好に保つ二重管式排気マニホルドの内管を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一方の半割内管材と他方の半割内管材とをモナカ合わせし、その接合部を溶接して形成した内管本体を、管軸に沿って複数個連結した二重管式排気マニホルドの内管において、
一方の半割内管材の両側端を他方の半割内管材の両側端に外嵌すると共に、隣接する各内管本体の間に筒体を介設し、該各内管本体に該筒体の両端を内嵌し、排気上流側の内管本体と該筒体とを溶接したことを特徴とする。
【0008】
上記内管では、内管中に高温の排気ガスが流入すると、各内管本体の温度上昇に伴って該各内管本体が熱膨張するが、該各内管本体の熱膨張に応じて排気下流側の内管本体と筒体とが摺接し、内管本体の熱膨張に伴う内管の歪みが発生しない。この際、筒体と排気上流側の内管本体とが溶接されているため、排気ガスが該内管中から該内管と該外管との間に形成された間隙中に漏れにくい。
【0009】
【発明の実施の形態】
隣接する内管本体の互いに対向する端部は拡径してもよく、拡径しなくてもよいが、排気ガスの流通抵抗を低減させる観点から、該両端部に内嵌する筒体の厚さ分拡径することが望ましい。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1〜2に基づいて説明する。
図1に示すように、二重管式排気マニホルド1は、エンジンのシリンダヘッド(図示せず)に取り付けるヘッド取付フランジ2と、排気管(図示せず)に接続される排気管接続フランジ3とマニホルド本体4とから形成されている。
マニホルド本体4は、外管5と内管6とから形成されている。
【0011】
内管6は、内管本体7、8、9と、内管本体7と内管本体8との間に介設された筒体10と、内管本体8と内管本体9との間に介設された筒体11とを管軸方向に連結して形成されている。内管本体7、8、9は、管軸に沿って半割りされた一方の半割内管材7a、8a、9aと他方の半割内管材7b、8b、9bとがモナカ合わせされて形成されている。半割内管材7a、8a、9aの両側端7c、8c、9cはジョグリング加工されて半割内管材7b、8b、9bの両側端7d、8d、9dに外嵌されると共に該両側端7d、8d、9dの外周に溶接12されている。また、隣接する内管本体7、8、9の互いに対向する端部13、14、15、16は拡径し、端部13と端部14との間に介設された筒体10は、端部13、14に内嵌されると共に排気上流側の端部13の端縁に沿って全周に溶接17され、端部15と端部16との間に介設された筒体11は、端部15、16に内嵌されると共に排気上流側の端部15の端縁に沿って全周に溶接18されている。
【0012】
エンジンのシリンダヘッド(図示せず)から内管6中に高温の排気ガスが流入すると、内管本体7、8、9の温度が上昇し、内管本体7、8、9が熱膨張するが、内管本体7、8、9の熱膨張に応じて内管本体8、9と筒体10、11とが摺接し、内管本体7、8、9の熱膨張に伴う内管6の歪みの発生が抑制される。この際、筒体10は内管本体7の端縁に沿って全周に溶接17され、筒体11は内管本体8の端縁に沿って全周に溶接18されるため、内管6中を流通する排気ガスが内管6中から内管6と外管5との間に形成された間隙19中に漏れにくい。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、一方の半割内管材と他方の半割内管材とをモナカ合わせし、その接合部を溶接して形成した内管本体を、管軸に沿って複数個連結した二重管式排気マニホルドの内管において、一方の半割内管材の両側端を他方の半割内管材の両側端に外嵌すると共に、隣接する各内管本体の間に筒体を介設し、該各内管本体に該筒体の両端を内嵌し、排気上流側の内管本体と該筒体とを溶接するので、内管中から内管と外管との間に形成された間隙中への排気ガスの漏れが抑制され、長期間にわたって高い断熱性を維持することが可能となり、二重管式排気マニホルドの寿命が長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である内管を有する二重管式排気マニホルドの断面図である。
【図2】上記実施例の内管の要部拡大図である。
【図3】従来の内管を有する二重管式排気マニホルドの断面図である。
【図4】上記従来の内管の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 二重管式排気マニホルド
6 内管
7 内管本体
7a 半割内管材
7b 半割内管材
8 内管本体
8a 半割内管材
8b 半割内管材
9 内管本体
9a 半割内管材
9b 半割内管材
10 筒体
11 筒体
17 溶接
18 溶接

Claims (1)

  1. 一方の半割内管材と他方の半割内管材とをモナカ合わせし、その接合部を溶接して形成した内管本体を、管軸に沿って複数個連結した二重管式排気マニホルドの内管において、
    一方の半割内管材の両側端を他方の半割内管材の両側端に外嵌すると共に、隣接する各内管本体の間に筒体を介設し、該各内管本体に該筒体の両端を内嵌し、排気上流側の内管本体と該筒体とを溶接したことを特徴とする二重管式排気マニホルドの内管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008068984A1 (ja) * 2006-11-13 2008-06-12 Calsonic Kansei Corporation 排気系部材と挿入部材の接続構造

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