JP2000145137A - 送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法および同工法に用いる型枠 - Google Patents

送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法および同工法に用いる型枠

Info

Publication number
JP2000145137A
JP2000145137A JP10320500A JP32050098A JP2000145137A JP 2000145137 A JP2000145137 A JP 2000145137A JP 10320500 A JP10320500 A JP 10320500A JP 32050098 A JP32050098 A JP 32050098A JP 2000145137 A JP2000145137 A JP 2000145137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
retaining structure
formwork
earth retaining
wall surface
transmission tower
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10320500A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Tamura
誠 田村
Takeshi Yoshinaga
剛 吉永
Yoshihiro Nakayoshi
慶洋 仲吉
Shuji Wada
収司 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Tokyo Electric Power Co Inc
Priority to JP10320500A priority Critical patent/JP2000145137A/ja
Publication of JP2000145137A publication Critical patent/JP2000145137A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Foundations (AREA)
  • Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱型および洩れ止め作業が簡単に行え、地盤
の性状に影響されることなく、基礎コンクリートと一体
化を図れる土止め構造物を構築すること。 【解決手段】 型枠28は、同一形状の複数の曲面板3
0を有している。この曲面板30は、円筒状に組立てら
れる型枠28を、周および上下方向に複数個に分割した
ものであって、四周には、内方に伸びる接合フランジ板
32がそれぞれ設けられている。曲面板30は、周およ
び上下方向の互いに当接する接合フランジ板32同士
が、挟持クリップ34により結合され、これにより円筒
状に組立てられる。円筒状に組立てられた型枠28に
は、その外周面に、掘削壁面側に向けて、断面積が漸減
する突出部36が、一段ないし上下方向に所定の間隔を
隔てて、複数段設けられている。また、円筒状に組立て
られた型枠28の下端側には、環状の漏れ止め突起38
が設けられている。この漏れ止め突起38は、突出部3
6と同様に、掘削壁面側に向けて、断面積が漸減する形
状になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 送電鉄塔用深礎
基礎の土止め構造物の構築工法および同工法に用いる型
枠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】送電鉄塔用の基礎は、円形深礎基礎が採
用されており、この種の基礎構造は、通常、地盤中に送
電鉄塔の脚部が埋設された円筒形の鉄筋コンクリート体
を構築し、送電鉄塔の荷重を地盤に分担させて、送電鉄
塔を支持している。
【0003】このような基礎構造は、地上から地盤を所
定深度まで掘削した後に、地盤の崩壊を抑える土止め構
造物を部分的に形成する工程を複数回繰り返すことによ
り、所定深度まで土止め構造物を構築した後に、構築さ
れた土止め構造物の内部に、鉄塔脚部を挿入して、配
筋,コンクリートを打設することにより構築されてい
る。
【0004】この種の土止め構造物の構築工法として
は、従来、鋼製波板円形型枠を用いて、地盤と型枠との
間にモルタルを注入する工法や、掘削した地盤壁面に直
接モルタルを吹付ける工法が採用されていた。
【0005】ところが、このような従来の土止め構造物
の構築工法には、以下に説明する技術的な課題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、送電鉄塔用
深礎基礎においては、鉄塔からの引張り荷重に対して、
地盤のせん断耐力、コンクリートの自重ならびにコンク
リート上の土の重量により所定の安全率を確保してい
る。このため、特に、地盤に接触している土止め構造物
と基礎コンクリートとの一体化が極めて重要になる。
【0007】土止め構造物を構築するために、一般に市
販されている型枠は、表面が平滑なため、基礎コンクリ
ートとの一体化が不十分になるので、このような型枠
は、この種の土止め構造物の構築工法には採用されてお
らず、両者の一体化を強化するために、鋼製波板円形型
枠を用いている。
【0008】ところが、鋼製波板円形型枠を用いる工法
では、地盤と型枠との間に注入するモルタルの洩れ止め
作業が、型枠設置時間全体の1/3程度を占め、施工能
率を低下させる原因となっていた。
【0009】また、鋼製波板円形型枠は、モルタルとの
剥離性が悪く、分割した部分をボルトナットにより結合
していたので、地盤の荷重が加わっていると、より一層
脱型作業が難しくなるという問題があった。
【0010】一方、モルタルを掘削された壁面に直接吹
付ける工法では、地盤に湧水があると、湧水によりモル
タルが流れたり、あるいは、硬化が非常に遅くなり、地
盤の崩壊を抑制することができる程度の厚みに形成する
ことが難しい。
【0011】また、地盤の脆弱な個所では、モルタルの
自重により、掘削壁面が剥離し、土止め構造物自体を構
築することができない場合もある。
【0012】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的とするところは、脱
型および洩れ止め作業が簡単に行え、かつ、地盤の性状
に影響されることなく、効率良く土止め構造物を構築で
きる送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法を提
供することにある。
【0013】また、別の目的として、組立て,分解が簡
単に行える送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工
法に用いる型枠を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、地上から地盤を所定深度まで掘削した後に、掘削さ
れた壁面に沿って円筒状に組立てられる型枠を設置し、
掘削壁面と型枠外面との間にモルタル,コンクリートな
どの硬化性泥状物を注入し、前記硬化性泥状物の硬化後
に前記型枠を分解して脱型する工程を複数回繰り返す送
電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法であって、
前記型枠は、周および上下方向が、挟持クリップにより
相互に結合される複数の曲面板を円筒状に組立てたもの
であり、外周面に、前記掘削壁面側に向けて断面積が漸
減する突出部が設けられ、外周面下端に、前記掘削壁面
側に向けて、断面積が漸減する環状の漏れ止め突起を設
けた。このように構成した送電鉄塔用深礎基礎の土止め
構造物の構築工法によれば、型枠は、周および上下方向
が、挟持クリップにより相互に結合される複数の曲面板
を円筒状に組立てたものなので、組立て,分解が簡単に
行える。この場合、型枠の外周面およびその下端に設け
たテーパ状と環状の突起は、それぞれ掘削壁面側に向け
て、断面積が漸減する形状なので、曲面板を脱型する際
の障害にならない。また、型枠の外周面下端に環状の漏
れ止め突起を設け、掘削壁面と型枠外面との間隔が、突
起の突出量に応じて狭められているので、硬化性泥状物
の漏れ止め作業が簡単になる。さらに、本発明では、掘
削壁面に沿って円筒状に組立てた型枠を設置して、これ
らの間にモルタル,コンクリートなどの硬化性泥状物を
注入するので、泥状物を注入する空間が型枠により規制
され、湧水がある地盤や、脆弱な地盤に対しても、効率
良く土止め構造物を構築することができる。また、本発
明の構築工法では、型枠を脱型すると、土止め構造物の
内面に突出部に対応した凹部が形成されるので、土止め
構造物の内部にコンクリートを打設して基礎を構築する
際に、両者の一体化が強化される。さらに、本発明の構
築工法では、型枠を脱型すると、次段の打継部となる土
止め構造物の下端に、環状の漏れ止め突起に対応した凹
溝が形成され、この部分に、次段の土止め構造物の上端
がオーバラップするので、打継部の強化も図ることがで
きる。前記型枠は、既設土止め構造物の下端に吊下げ支
持することができる。この構成によれば、型枠の鉛直度
を自重により保ことができる。前記型枠は、上部側に構
築された既設土止め構造物の鋼製波板の下端に接続金具
を介して係止することができる。この構成によれば、従
来の鋼製波板を用いて土止め構造物を構築した途中で
も、本発明の構築工法を連続して施工することができ
る。また、本発明は、地上から地盤を所定深度まで掘削
した後に、掘削された壁面に沿って円筒状に組立てら
れ、掘削壁面と外面との間にモルタル,コンクリートな
どの硬化性泥状物を注入し、前記硬化性泥状物の硬化後
に分解して脱型する送電鉄塔用土止め構造物の構築工法
用の型枠であって、周および上下方向が、挟持クリップ
により相互に結合され、円筒状に組立てられる複数の曲
面板を有し、外周面に、前記掘削壁面側に向けて断面積
が漸減する突出部と、外周面下端に、前記掘削壁面側に
向けて、断面積が漸減する環状の漏れ止め突起とを設け
た。このように構成した送電鉄塔用深礎基礎の土止め構
造物の構築工法に用いる型枠によれば、型枠は、周およ
び上下方向が、挟持クリップにより相互に結合される複
数の曲面板を円筒状に組立てたものなので、組立て,分
解が簡単に行える。前記突出部は、前記掘削壁面の深度
方向と直交する方向に環状に設けられ、かつ、上下方向
に所定の間隔をおいて複数設けることができる。前記型
枠は、既設土止め構造物の下端に打設されたアンカーに
上端が係止された固定金具を複数設置し、その上端を前
記固定金具の下端に係止して、吊下げ支持することがで
きる。この構成によれば、型枠の鉛直度を自重により保
ことができる。前記固定金具には、前記アンカーに支持
されたナットと、このナットに螺着され、下端が前記型
枠に係止されるネジロッドを設けることができる。この
構成によれば、ネジロッドのナットに対する螺着位置を
上下させることにより、型枠の上下位置の調整が可能に
なる。前記型枠には、前記漏れ止め突起の上部に連な
り、上方に延設された直立突起を設けることができる。
この構成によれば、直立突起が除去された部分に内方に
開口した凹状切欠部が形成されるので、この凹状切欠部
を硬化性泥状物の注入口として利用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1か
ら図9は、本発明にかかる送電鉄塔用深礎基礎の土止め
構造物の構築工法および同工法に用いる型枠の第1実施
例を示している。
【0016】同図に示した構築工法では、まず、図1に
示すように、基礎の構築予定個所に、円環状の坑口コン
クリート10を形成した後に、抗外掘削機12により、
段掘り部14の掘削を所定深度まで行う。
【0017】この段掘り部14は、円形の掘削孔を掘削
し、土止め支保工には、鋼製波板を用いる。段掘り部1
4の掘削孔径は、基礎の掘削孔径Dよりも大きく、図1
の左端側で、これらの掘削孔同士が内接するように設定
している。
【0018】このような段掘り部14を設ける理由は、
送電鉄塔の脚部が基礎中に斜めに埋設されるので、この
ような状態での脚部の埋設を可能にするために、基礎の
掘削孔径Dよりも大径の段掘り部14を地上側に設けて
いる。段掘り部14の形成が終了すると、図2に示すよ
うに、躯体部の掘削が行われる。
【0019】この掘削は、抗内掘削機18を使用して、
左端側が段掘り部14の掘削孔と内接する円形の掘削孔
19を所定深度まで形成する。掘削孔19の掘削深度
は、地盤の性状に応じて適宜設定され、例えば、2m以
内に設定する。
【0020】このとき、段掘り部14の上端側には、作
業足場20が設置され、掘削に伴う掘削土は、図3に示
すように、作業足場20の中心に設けられたゴムケーシ
ング22を介して、ジブクレーン24に吊下げ支持され
たバックナー26により、抗外に排出する。
【0021】掘削孔19が所定深度まで形成されると、
図4に示すように、抗内掘削機18,ゴムケーシング2
2は、ジブクレーン24により抗内から一旦撤去され
る。次に、図5に示すように、掘削孔19の内面側に、
円筒状に組立てられる型枠28が、根切り掘削面上に設
置される。
【0022】このときに用いられる型枠28の詳細を図
9に示している。同図に示した型枠28は、上下方向の
長さが若干異なるものの、実質的に同一形状の円弧状に
湾曲した複数の曲面板30を有している。
【0023】この曲面板30は、円筒状に組立てられる
型枠28を、周および上下方向に複数個に分割したもの
であって、四周には、内方に伸びる接合フランジ板32
がそれぞれ設けられている。
【0024】図9においては、円筒を周方向に5分割
し、上下方向に3分割した型枠28が示されている。ま
た、同図に示した例では、各曲面板30の内面側には、
フランジ板32と同じ形状の仕切板が固設されている。
【0025】このように構成した曲面板30は、周およ
び上下方向の互いに当接する接合フランジ板32同士
が、挟持クリップ34により結合され、これにより円筒
状に組立てられる。
【0026】この結合に用いる挟持クリップ34の一例
を図10に示している。同図に示した挟持クリップ34
は、各接合フランジ板32に貫通形成されている取付孔
32aに挿入される軸部34aと、この軸部34aの一
端に設けられた略Ω形の挟持部34bとを備えている。
【0027】接合フランジ板32を結合させる際には、
当接している一対の接合フランジ板32の取付孔32a
内に軸部34aを挿入して、挟持部34bを回転させ
て、挟持部34b間に接合フランジ板32を挟み込むよ
うに装着する。
【0028】結合状態を解除する際には、上記操作と逆
の操作を行えばよい。なお、接合フランジ板32を結合
させる挟持クリップ34は、図10に示したものに限る
ことはなく、例えば、取付孔32aを設けることなく、
挟持できるU字形の簡単なものであってもよい。
【0029】複数の曲面板30を周および上下方向に挟
持プリップ34により結合させて、円筒状に組立てられ
た型枠28には、その外周面に、掘削壁面側に向けて、
断面積が漸減する突出部36が、上下方向に所定の間隔
を隔てて、2段状に設けられている。すなわち、図9に
示した例では、下から2段目と3段目の曲面板30の下
端に、突出部36がそれぞれ配置されている。
【0030】図9に示した突出部36は、図12にその
断面形状を示すように、上下側面にテーパが設けられた
略台形に形成され、掘削孔19の深度方向に直交する方
向に周回形成されている。
【0031】この突出部36は、予め、各曲面板30の
外面に分断した状態で一体に設けておくこともできる
し、また、曲面板30の外周面に着脱自在に取付けるこ
ともできる。
【0032】なお、突出部36は、掘削壁面側に向け
て、断面積が漸減するものであれば台形に限ることはな
く、例えば、半円状や三角形状などであってもよい。
【0033】また、円筒状に組立てられた型枠28の下
端側には、環状の漏れ止め突起38が設けられている。
この漏れ止め突起38は、突出部36と同様に、掘削壁
面側に向けて、断面積が漸減する形状になっていて、そ
の形成構造は、突出部36と同じ構成が採用される。
【0034】なお、本実施例の漏れ止め突起38は、図
11にその断面形状を示すように、略三角形断面となっ
ているが、掘削壁面側に向けて、断面積が漸減する形状
であれば、この形状に限ることはない。
【0035】円筒状に組立てられた型枠28が、掘削孔
19の内壁面から所定の間隔を隔てて、その内面に沿っ
て設置されると、型枠28の内部に、サポート材40が
設置される。ただし、型枠強度が十分あれば、サポート
材40は無くてもよい。
【0036】型枠28がサポート材40により内方側か
ら支持されると、次に、図6に示すように、掘削孔19
の内壁面と型枠28の外周面との間に硬化性泥状物が注
入される。
【0037】硬化性泥状物は、モルタル,コンクリート
またはこれらに各種の混和剤を添加した適宜配合のもの
から選択される。硬化性泥状物を注入する際には、型枠
28の下端に泥状物の漏出防止作業を行う。
【0038】この場合、型枠28の下端外周面には、環
状の漏れ止め突起38が設けられているので、この作業
が簡単になり、施工能率が向上する。すなわち、漏れ止
め突起38は、図11に示すように、掘削孔19の壁面
側に向かって突出しているので、この部分で、掘削孔1
9と型枠28の外周面との間の間隔が狭められている。
【0039】従って、この部分から下方に漏れ出す硬化
性泥状物の量が少なくなり、その分だけ漏出防止作業が
低減される。漏出防止作業が終了すると、ジブクレーン
24に吊下げ支持されたバケット42内に、収容されて
いる硬化性泥状物をホース44を介して、掘削孔19の
内壁面と型枠28の外周面との間に注入する。
【0040】注入が終了し、硬化性泥状物の初期強度が
発現された段階で、型枠28の脱型が行われる。この脱
型は、サポート材40による支保を解除し、挟持クリッ
プ34を取り外して、各曲面板30を分解することによ
り行われる。
【0041】この脱型作業においては、突出部36およ
び漏れ止め突起38が、共に掘削壁面側に向けて断面が
漸減する形状になっているので、図12に示すように、
曲面板30を内方に引き剥がす際の障害とならず、この
作業が円滑に行える。
【0042】型枠28の脱型終了すると、図7に示すよ
うに、掘削孔19の内面に密着した1ステップ分の土止
め構造物161が形成される。
【0043】このようにして、1ステップ分の土止め構
造物161の形成が終了すると、図2から図7に示した
手順を繰り返すことにより、第1ステップの土止め構造
物161の下端に、第2ステップの土止め構造物162
打継形成する(図8参照)。
【0044】この場合、型枠28を脱型すると、図13
に示すように、次段の打継部となる第1ステップの土止
め構造物161の下端に、環状の漏れ止め突起38に対
応した凹部が形成され、この部分に、第2ステップの土
止め構造物162の上端がオーバラップするので、打継
部が強化される。
【0045】そして、図2から図7に示した手順を複数
回繰り返すことにより、所定深度まで土止め構造物16
を形成すると、その構築が完了する。
【0046】さて、以上のようにして行う送電鉄塔用深
礎基礎の土止め構造物16の構築工法によれば、型枠2
8は、周および上下方向が、挟持クリップ34により相
互に結合される複数の曲面板30を円筒状に組立てたも
のなので、組立て,分解が簡単に行える。
【0047】この場合、型枠28の外周面およびその下
端に設けた突出部36と漏れ止め突起38は、それぞれ
掘削壁面側に向けて、断面積が漸減する形状なので、曲
面板30を脱型する際の障害にならない。
【0048】また、本発明では、掘削壁面に沿って円筒
状に組立てた型枠28を設置して、これらの間にモルタ
ル,コンクリートなどの硬化性泥状物を注入するので、
泥状物を注入する空間が型枠28により規制され、湧水
がある地盤や、脆弱な地盤に対しても、効率良く土止め
構造物を構築することができる。
【0049】さらに、本発明の構築工法および型枠で
は、型枠28を脱型すると、土止め構造物16の内面に
突出部36および硬化性泥状物注入口52に対応した凹
凸部が形成されるので、土止め構造物16の内部にコン
クリートを打設して基礎を構築する際に、両者の一体化
が強化される。
【0050】図14は、本発明にかかる土止め構造物の
構築工法および同工法に用いる型枠の第2実施例を示し
ており、上記実施例と同一もしくは相当する部分に同一
符号を付してその説明を省略するとともに、以下にその
特徴点についてのみ説明する。
【0051】上記第1実施例では、円筒状に組立てられ
る型枠28を根切り掘削面上に設置したが、この実施例
の場合には、上部側に構築された既設土止め構造物16
aに、型枠28を吊下げ支持するようにしている。この
場合、既設土止め構造物16aは本発明による工法で形
成されたものでもモルタルを吹き付ける工法により形成
されたものでもよい。本実施例の場合には、固定金具4
8を用いて型枠28を吊下げ支持している。
【0052】固定金具48は、アンカー48aと、ナッ
ト48bと、ネジロッド48cとを有している。アンカ
ー48aは、既設土止め構造物16aの下端側に打設さ
れている。なお、アンカー48aは、図14に示すよう
に、既設土止め構造物16aを貫通する構造となってい
るが、必ずしも貫通していなくてもよい。
【0053】ナット48bは、吊下げプレート48dに
鉛直方向を指向するように固設され、吊下げプレート4
8dは、アンカー48aの頭部に係止されていて、これ
によりナット48bがアンカーに支持されている。
【0054】ネジロッド48cは、ナット48bに螺着
され、その下端には、連結プレート48eが固設されて
いる。このような構成の固定金具48は、既設土止め構
造物16aの内周に沿って、所定の間隔を隔てて複数設
置されている。
【0055】型枠28は、その上端側の接合フランジ板
32に、連結プレート48eを当接し、両者間を貫通す
るボルトナットを装着することにより、吊下げ支持され
る。このように構成した実施例においては、上記実施例
の作用効果に加えて、型枠28の鉛直度を自重により保
つことができる。
【0056】また、固定金具48のネジロッド48cの
ナット48bに対する螺着位置を上下させることによ
り、型枠28の上下位置の調整が可能になる。
【0057】図15は、本発明にかかる土止め構造物の
構築工法および同工法に用いる型枠の第3実施例を示し
ており、上記実施例と同一もしくは相当する部分に同一
符号を付してその説明を省略するとともに、以下にその
特徴点についてのみ説明する。
【0058】同図に示した実施例では、型枠28の上端
に組付けられる曲面板30の一部が、周方向の長さが若
干短くなっていて、曲面板30の周方向の接合部分に、
弾性変形が可能なウレタンなどの弾性材50を介装して
いる。
【0059】このような型枠28を採用すると、型枠2
8を円筒状に組立てる際のズレをこの弾性材50で許容
することが可能になる。
【0060】なお、型枠28を円筒状に組立てる際のズ
レを許容することは、型枠28の上端に組付けられる曲
面板30の直径を若干小さくすることでも可能であり、
この場合は、弾性変形が可能なウレタンなどの弾性材5
0を省略できる。
【0061】図16は、本発明にかかる土止め構造物の
構築工法および同工法に用いる型枠の第4実施例を示し
ており、上記実施例と同一もしくは相当する部分に同一
符号を付してその説明を省略するとともに、以下にその
特徴点についてのみ説明する。
【0062】同図に示した実施例では、型枠28の外周
面下端に設けられた環状の漏れ止め突起38の一部に、
その上部に連なり上方に伸びる直立突起52を設けてい
る。この直立突起52も、突起38と同様に、掘削壁面
側に向けて断面積が漸減する形状になっている。
【0063】このような直立突起52を設けておくと、
型枠28を脱型した際に、図13に仮想線で示すよう
に、内方に開口した凹状切欠部54が形成されるので、
この凹状切欠部54を、次のステップの土止め構造物1
6を形成する際に、硬化性泥状物の注入口として利用す
ることができる。
【0064】図17は、本発明にかかる土止め構造物の
構築工法および同工法に用いる型枠の第5実施例を示し
ており、上記実施例と同一もしくは相当する部分に同一
符号を付してその説明を省略するとともに、以下にその
特徴点についてのみ説明する。
【0065】同図に示した実施例では、型枠28は、上部
側に構築されている既設土止め構造物16bの鋼製波板
56の下端に係止されている。この場合の既設土止め構
造物16bは、前述した従来工法で構築されており、例
えば、図1に示した段掘り部14や、施工の途中まで従
来工法で土止め構造物を構築した場合に適用することが
できる。
【0066】型枠28と鋼製波板56との間の係止に用
いる連結金具58の一例を図17(B)に示している。
同図に示した連結金具58は、長さの異なる一対のプレ
ート58aを、スペーサ58bを介在させてボルトナッ
ト58cで結合したものであって、型枠28の上端側の
接合フランジ板32と、鋼製波板56の下端部とを重ね
合せて、これをプレート58a間に挟み込んで、ボルト
ナット58cで締め付ける。
【0067】このような連結金具58は、型枠28の周
方向に沿って複数配置して、型枠28と鋼製波板56と
を結合させて、土止め構造物を構築する。このような工
法によれば、従来の鋼製波板を用いて土止め構造物を構
築した途中でも、本発明の構築工法を連続して施工する
ことができる。
【0068】なお、上記実施例では、突出部36は、周
方向に連続する環状のものを例示したが、本発明の実施
は、これに限定されることはなく、分断ないしは独立し
た突出部36を型枠28外周面に散在させてもよい。
【0069】また、上記実施例では、突出部36は掘削
壁面の深度方向と直交する方向に環状に設けられたもの
を例示したが、本発明の実施は、これに限定されること
はなく、例えばらせん状でもよい。
【0070】
【発明の効果】以上実施例で詳細に説明したように、本
発明にかかる送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築
工法および同工法に用いる型枠によれば、脱型および洩
れ止め作業が簡単に行え、かつ、地盤の性状に影響され
ることなく、効率良く土止め構造物を構築することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる土止め構造物の構築工法の最初
に行われる工程の説明図である。
【図2】図1の工程に引き続いて行われる工程の説明図
である。
【図3】図2の工程に引き続いて行われる工程の説明図
である。
【図4】図3の工程に引き続いて行われる工程の説明図
である。
【図5】図4の工程に引き続いて行われる工程の説明図
である。
【図6】図5の工程に引き続いて行われる工程の説明図
である。
【図7】図6の工程に引き続いて行われる工程の説明図
である。
【図8】図7の工程に引き続いて行われる工程の説明図
である。
【図9】本発明にかかる型枠の一実施例を示す組立て状
態の斜視図である。
【図10】図9に示した型枠の組立てに用いる挟持クリ
ップの一例を示す説明図である。
【図11】図9に示した型枠を設置した状態の下端側の
断面説明図である。
【図12】図9に示した型枠を設置した状態の中間部分
の断面説明図である。
【図13】本発明にかかる構築工法の土止め構造物の打
継部分の断面説明図である。
【図14】本発明にかかる土止め構造物の構築工法およ
び同工法に用いる型枠の第2実施例を示す要部断面説明
図である。
【図15】本発明にかかる土止め構造物の構築工法およ
び同工法に用いる型枠の第3実施例を示す型枠の斜視図
である。
【図16】本発明にかかる土止め構造物の構築工法およ
び同工法に用いる型枠の第4実施例を示す型枠の要部斜
視図である。
【図17】本発明にかかる土止め構造物の構築工法およ
び同工法に用いる型枠の第5実施例を示す要部断面説明
図である。
【符号の説明】
16 土止め構造物 16a,16b 既設土止め構造物 28 型枠 30 曲面板 32 接合フランジ板 34 挟持クリップ 36 突出部 38 漏れ止め突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲吉 慶洋 東京都豊島区東池袋1丁目25番8号タカセ ビル内 東京電力株式会社送変電建設所内 (72)発明者 和田 収司 東京都豊島区東池袋1丁目25番8号タカセ ビル内 東京電力株式会社送変電建設所内 Fターム(参考) 2D046 DA00 DA31 DA38

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上から地盤を所定深度まで掘削した後
    に、 掘削された壁面に沿って円筒状に組立てられる型枠を設
    置し、 掘削壁面と型枠外面との間にモルタル,コンクリートな
    どの硬化性泥状物を注入し、 前記硬化性泥状物の硬化後に前記型枠を分解して脱型す
    る工程を複数回繰り返す送電鉄塔用深礎基礎の土止め構
    造物の構築工法であって、 前記型枠は、周および上下方向が、挟持クリップにより
    相互に結合される複数の曲面板を円筒状に組立てたもの
    であり、 外周面に、前記掘削壁面側に向けて断面積が漸減する突
    出部が設けられ、 外周面下端に、前記掘削壁面側に向けて、断面積が漸減
    する環状の漏れ止め突起を設けたことを特徴とする送電
    鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法。
  2. 【請求項2】 前記型枠は、既設土止め構造物の下端に
    吊下げ支持することを特徴とする請求項1記載の送電鉄
    塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法。
  3. 【請求項3】 前記型枠は、上部側に構築された既設土
    止め構造物の鋼製波板の下端に接続金具を介して係止す
    ることを特徴とする請求項1記載の送電鉄塔用深礎基礎
    の土止め構造物の構築工法。
  4. 【請求項4】 地上から地盤を所定深度まで掘削した後
    に、 掘削された壁面に沿って円筒状に組立てられ、掘削壁面
    と外面との間にモルタル,コンクリートなどの硬化性泥
    状物を注入し、 前記硬化性泥状物の硬化後に分解して脱型する送電鉄塔
    用深礎基礎の土止め構造物の構築工法用の型枠であっ
    て、 周および上下方向が、挟持クリップにより相互に結合さ
    れ、円筒状に組立てられる複数の曲面板を有し、 外周面に、前記掘削壁面側に向けて断面積が漸減する突
    出部と、 外周面下端に、前記掘削壁面側に向けて、断面積が漸減
    する環状の漏れ止め突起とを設けたことを特徴とする送
    電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法に用いる型
    枠。
  5. 【請求項5】 前記突出部は、前記掘削壁面の深度方向
    と直交する方向に環状に設けられ、かつ、上下方向に所
    定の間隔をおいて複数設けたことを特徴とする請求項4
    記載の送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法に
    用いる型枠。
  6. 【請求項6】 前記型枠は、既設土止め構造物の下端に
    打設されたアンカーに上端が係止された固定金具を複数
    設置し、その上端を前記固定金具の下端に係止して、吊
    下げ支持することを特徴とする請求項4記載の送電鉄塔
    用深礎基礎の土止め構造物の構築工法に用いる型枠。
  7. 【請求項7】 前記固定金具は、前記アンカーに支持さ
    れたナットと、このナットに螺着され、下端が前記型枠
    に係止されるネジロッドとを備えたことを特徴とする請
    求項6記載の送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築
    工法に用いる型枠。
  8. 【請求項8】 前記型枠は、前記漏れ止め突起の上部に
    連なり、上方に延設された直立突起を有することを特徴
    とする請求項4記載の送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造
    物の構築工法に用いる型枠。
JP10320500A 1998-11-11 1998-11-11 送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法および同工法に用いる型枠 Pending JP2000145137A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10320500A JP2000145137A (ja) 1998-11-11 1998-11-11 送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法および同工法に用いる型枠

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10320500A JP2000145137A (ja) 1998-11-11 1998-11-11 送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法および同工法に用いる型枠

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000145137A true JP2000145137A (ja) 2000-05-26

Family

ID=18122152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10320500A Pending JP2000145137A (ja) 1998-11-11 1998-11-11 送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法および同工法に用いる型枠

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000145137A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007270427A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Maeda Corp 底板型枠の固定構造
KR100970432B1 (ko) 2010-03-29 2010-07-15 주식회사 케이씨산업개발 역방향 콘 형태의 콘크리트 홈 형성용 몰드
CN102877483A (zh) * 2012-09-11 2013-01-16 天津大学 一种能够预制组装的基础结构及其施工方法
JP2020002633A (ja) * 2018-06-28 2020-01-09 株式会社北浦工業 連結金具
JP2020002634A (ja) * 2018-06-28 2020-01-09 Jfe建材株式会社 連結金具
CN113737821A (zh) * 2021-07-27 2021-12-03 泉州市华泰建设工程有限公司 一种路堑抗滑桩免抹灰附着式支模施工方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007270427A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Maeda Corp 底板型枠の固定構造
JP4630213B2 (ja) * 2006-03-30 2011-02-09 前田建設工業株式会社 底板型枠の固定構造
KR100970432B1 (ko) 2010-03-29 2010-07-15 주식회사 케이씨산업개발 역방향 콘 형태의 콘크리트 홈 형성용 몰드
CN102877483A (zh) * 2012-09-11 2013-01-16 天津大学 一种能够预制组装的基础结构及其施工方法
JP2020002633A (ja) * 2018-06-28 2020-01-09 株式会社北浦工業 連結金具
JP2020002634A (ja) * 2018-06-28 2020-01-09 Jfe建材株式会社 連結金具
JP7037138B2 (ja) 2018-06-28 2022-03-16 Jfe建材株式会社 連結金具
JP7037154B2 (ja) 2018-06-28 2022-03-16 株式会社北浦工業 連結金具
CN113737821A (zh) * 2021-07-27 2021-12-03 泉州市华泰建设工程有限公司 一种路堑抗滑桩免抹灰附着式支模施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4698491B2 (ja) 水中構造物の仮締切工法及び構造
JPH11117315A (ja) 仮締切構造体
JP2000145137A (ja) 送電鉄塔用深礎基礎の土止め構造物の構築工法および同工法に用いる型枠
JPH1060817A (ja) 添設構造体の構築方法
JP2000265484A (ja) PCa杭地中壁による地下構造物の構築方法
JP2634381B2 (ja) 分割型ボックスカルバート及びその組立方法
JPH07292783A (ja) Pc部材の接続構造
JP4440497B2 (ja) 地中連続壁の構築方法及び地下構造物の構築方法
KR100349107B1 (ko) 프리캐스트 콘크리트 세그먼트 블록을 이용한 수직구 건설 공법
JP3928226B2 (ja) 仮締切構造体
JP2004011327A (ja) ケーソン及びケーソン構築方法
JP2784317B2 (ja) オープンケーソンの構造
JP7275844B2 (ja) 壁状構造物及び壁状構造物の構築方法
KR100999410B1 (ko) 유공 성형보와 조립식 슬리브를 사용한 조립식 띠장 및그를 이용하여 지하 옹벽의 연속시공이 가능한 지하 구조물시공방법
JPH11117521A (ja) 吊り足場
JP2741387B2 (ja) 組立マンホールの施工方法
JP2002155695A (ja) シールドトンネル接続部の施工方法
CN221276619U (zh) 基坑支护结构及建筑基坑
JPH08100464A (ja) 仕口構造およびそれを用いた構造物の施工方法
JP3168197B2 (ja) ケーソンのアンカー構造及びその施工方法
JPH11117686A (ja) 樹脂内面被覆型開口部対応セグメント
JP4706994B2 (ja) 既製杭を使用した基礎杭構造
KR200251408Y1 (ko) 접합플랜지 조립식 강재틀을 이용한 교각기초 흙막이 구조
JP2000129668A (ja) ソイルセメント合成壁及びその施工法
KR100355513B1 (ko) 강선을 이용한 매달기식 수직구 건설 공법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060718

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061205