JP2000129668A - ソイルセメント合成壁及びその施工法 - Google Patents

ソイルセメント合成壁及びその施工法

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JP2000129668A
JP2000129668A JP10303126A JP30312698A JP2000129668A JP 2000129668 A JP2000129668 A JP 2000129668A JP 10303126 A JP10303126 A JP 10303126A JP 30312698 A JP30312698 A JP 30312698A JP 2000129668 A JP2000129668 A JP 2000129668A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソイルセメント止水壁の複数のH鋼芯材を一
体の組立鋼材とすることで後打ち躯体の受け材として一
体化させ、連続地中壁と同様に面内及び面外力に抵抗で
きるソイルセメント合成壁及びその施工法をローコスト
で提供する。 【解決手段】 本発明によるソイルセメント合成壁及び
その施工法は、複数の芯材を一体にした組立鋼材をソイ
ルセメント柱列の芯材として配置し、組立鋼材に設けた
ガセットプレートと本設梁とを結合して本体構造の躯体
コンクリートを打設することを特徴としており、具体的
には、組立鋼材を複数のH鋼芯材をH鋼のフランジ間に
所定間隔で渡したチャンネル鋼材によって一体化し、本
設梁を受けるガセットプレートを上記チャンネル鋼材の
ウェブ面に敷設して本体構造のプラン変更や施工の自由
度を図っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソイルセメント合
成壁及びその施工法に関し、特に、逆打ち工法や新地下
工法にも対応できるように、地中連続壁のように建物外
周部の軸力に対して杭としての機能を持つソイルセメン
ト合成壁及びその施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】大掛かりな機械設備と多くの人工を掛け
て施工される地中連続壁は、支持杭、土水圧に対する山
留め壁・止水壁、面内せん断力を処理する耐震壁及び後
打ち躯体と一体化して面内及び面外力に抵抗できる合成
壁として多彩な機能を発揮している。このため、大規模
な地下構造物や逆打ち工法などの特殊な工法を採用する
現場等では計画段階では連続地中壁を検討する機会があ
るものの、連続地中壁はコストが高いことから、上記の
機能を完全に発揮させる必要のない現場等ではコストの
面からその採用が断念され、最終的にローコストなソイ
ルセメント止水壁を採用することが多くなっている。
【0003】ソイルセメント止水壁は、多軸掘削機でセ
メントミルクを注入しながら所定の深度まで地盤を掘削
混練し、オーガーの引き上げ後にH鋼等の芯材を建て込
み、硬化することで止水性の高い山留め壁を構築できる
工法である。しかし、この工法は、仮設の山留め工法と
して位置付けられているために、本体構造のように管理
が十分に行われる体制がとられていないことから、十分
な品質や精度が確保されていない一面が見られた。
【0004】特に、芯材については、一般的に一本の芯
材を自重で掘削孔に挿入していたために、その位置や方
向が正確に設置されていない場合が多く、地下工事の進
展に伴って掘削を進めると本来等間隔で整列しているべ
き芯材が、位置のずれやねじれのために、バラバラに現
出してくることもあり、本体構造の後打ち躯体に山留め
壁が食い込んだり、芯材間隔の大きな箇所にクラックが
発生して漏水が生じてしまう場合もあった。
【0005】又、近年工期短縮や施工時の作業スペース
を確保するために、逆打ち工法や新地下工法を採用する
事例も増えてきているが、地下階の外壁側軸力(重量)
は山留め壁で受けて構真柱を省略するのが合理的である
にも関わらず、ソイルセメント止水壁は元来山留め壁と
して水平力の土水圧より想定しておらず、鉛直方向の力
になる地下躯体の荷重を処理する工法にはなっていなか
ったために、これらの工法に採用することができず、コ
ストの高い他の工法を採用せざるを得ない状況にあっ
た。
【0006】ソイルセメント柱列の芯材にブラケットを
溶接して本設梁を結合する手段も試みられてきた。この
手段は、図11に示すように地下階の施工時に芯材30
のフランジ面31をはつり出し、芯材のフランジ面31
にブラケット32を溶接してブラケットに外壁面と平行
な通し梁33を取り付け、この梁にソイルセメント柱列
に直交する本設梁34を受けさせるものである。しか
し、この手段は以下のような問題点を抱えており、期待
通りの結果は得られなかった。 ブラケットの現場溶接は、上フランジに大きな引っ張
り力を生じさせる突き合わせ溶接であるから、溶接部の
信頼性と施工時の安全性に問題点が残る。 芯材からのブラケットや上記通し梁の敷設が必要であ
り、これらを本体構造の中に設けられるために、部品点
数が増加し本設梁の主筋や地下外壁の壁筋と干渉する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みてその改善を図ったものであり、ソイルセメン
ト止水壁の複数のH鋼芯材を一体の組立鋼材とすること
で後打ち躯体の受け材として一体化させ、連続地中壁と
同様に面内及び面外力に抵抗できるソイルセメント合成
壁及びその施工法をローコストで提供することを目的に
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるソイルセメ
ント合成壁は、複数の芯材を一体にした組立鋼材をソイ
ルセメント柱列の芯材として配置し、組立鋼材に設けた
ガセットプレートと本設梁とを結合して本体構造の躯体
コンクリートを打設して構成することを特徴としてお
り、面内及び面外力に抵抗できるように支持杭、土水圧
に対する山留め壁・止水壁、面内せん断力を処理する耐
震壁及び後打ち躯体と一体化して面内及び面外力に抵抗
できる多彩な機能を発揮している。
【0009】具体的には、組立鋼材を複数のH鋼芯材を
H鋼のフランジ間に所定間隔で渡したチャンネル鋼材に
よって一体化して、芯材の位置設定と施工精度を向上さ
せると共に本体構造のプラン変更や施工の自由度を図っ
ている。
【0010】又、本発明によるソイルセメント合成壁の
施工法は、連続した複数のソイルセメント柱列孔を掘削
し、セメントミルクと掘削土とを混練させた柱列孔内に
複数の芯材を一体にした組立鋼材を吊り込み、所定の位
置に保持しながらソイルセメントを硬化させてソイルセ
メント止水壁を構成し、止水壁内側の地盤掘削に沿って
組立鋼材の内側表面をはつり出し、次いで組立鋼材の内
側表面にガセットプレートを敷設して、ガセットプレー
トに本設梁を結合し、しかる後に組立鋼材及び梁に型枠
を配置してコンクリートを打設することを特徴としてお
り、芯材の一体化によって組立鋼材の保持と掘削孔への
吊り下げを円滑にし、ガセットプレートをチャンネル鋼
材のウェブ面に敷設して本体構造物を施工する際の自由
度の向上を図っている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明によるソイルセメント合成
壁は、ソイルセメント柱列の芯材として複数の芯材を一
体にした組立鋼材を配置してソイルセメント止水壁を構
築し、内側表面をはつり出した組立鋼材にガセットプレ
ートを敷設して本設梁と結合した後に、躯体コンクリー
トを打設して構成されている。従って本発明によるソイ
ルセメント合成壁は、山留め壁として水平方向の土水圧
を受けると同時に、支持杭として建物外周部に生じる鉛
直方向の軸力を負担して、止水壁の面内及び面外力に抵
抗できるものである。
【0012】本発明によるソイルセメント合成壁及びそ
の施工法を図面に基づいて以下に説明する。図1は、本
発明によるソイルセメント合成壁の躯体コンクリートを
打設する以前の側断面図である。 図において、1はソ
イルセメント柱列、2はソイルセメント柱列の外側の地
盤、3は内側の掘削された地盤である。ソイルセメント
柱列1には、芯材として複数の芯材を一体にした組立鋼
材4を配置してあり、芯材間に配備されたチャンネル鋼
材5は芯材同士を結合すると共にそのウェブ面にはガセ
ットプレート6を溶接によって敷設してある。又、チャ
ンネル鋼材5に呼応する位置に平鋼7が補強用に溶接さ
れており各芯材間の一体化を強力にしている。ガセット
プレート6は、本体構造の本設梁8を受けて結合してお
り、以後は図示を省略しているが、通常の施工手順に従
って本体構造用の躯体コンクリートが打設され、ソイル
セメント柱列は、本体構造と一体の合成壁として構築さ
れる。
【0013】ソイルセメント柱列1は、連続地中壁に相
当する鉛直方向の軸力を負担するために、複数の芯材を
一体にした組立鋼材を採用すると共に、先端部にも対策
を講じている。掘削孔の先端9は、孔壁の周面摩擦抵抗
をも考慮して、建物外周部の重量を支持するのに十分な
強度を持つ地盤まで掘削して支持基盤10にしている。
掘削孔の先端9から芯材の先端までは杭根固め部11と
して構成し、ソイルセメントの強度を20kg/cm2
以上にしており、芯材埋込部12は芯材の先端から掘
削孔径の2倍以上の係合深さを保って構成しソイルセメ
ントの強度も20kg/cm2 以上にしている。この
ため、芯材の先端が掘削孔の先端付近にまで到達してい
る場合には、両部の兼用も当然に成し得ることである。
【0014】又、芯材の先端付近にある芯材埋込部12
では、埋め込み長さが小さくとも鋼材とソイルセメント
との付着強度を確保するために、スタッドジベルやウィ
ングプレートを使用している。さらに、組立鋼材4とガ
セットプレート6との採用は、従来工法の問題点を改善
するものであり、部品数の減少と現場工事の効率化を図
っているものであるから、施工性の向上と安全性の確保
が可能になっている。
【0015】図2、3は、図1におけるイ−イ矢視及び
ロ−ロ矢視の断面図である。図2において、ソイルセメ
ント柱列1は、内側地盤3の掘削と共に内側を削り取ら
れてはつり面13として露出するが、この際に芯材14
のフランジ面15とチャンネル鋼材5のウェブ面16は
はつりとられて溶接加工やコンクリート打ちに適合する
ように清掃されている。チャンネル鋼材5のウェブ面1
6は、図示のように上下の幅には制限を受けるが、水平
方向にはガセットプレート6を敷設する際に支障になる
ような部材が全く存在しないから、水平方向の任意の位
置にガセットプレートを敷設可能である。このため、本
体構造のプランに沿って本設梁を配置するのに、芯材1
4の位置に多少のズレが生じたとしてもガセットプレー
トを所定の位置に容易に取付固定させて対応することが
可能であり、敷設後のガセットプレートと本設梁とを簡
潔に接合させることが出来る。
【0016】図3は、組立鋼材の配置状態を示す断面図
である。3軸掘削機で施工したソイルセメント柱列孔に
は、3つの芯材14を一体にした組立鋼材4が配置され
ており、各芯材間にはチャンネル鋼材5と平鋼7が所定
の間隔で溶接されている。ソイルセメント柱列1の構築
後に組立鋼材4の内面ははつり出されて露出しており、
鋼材に対する機械加工がし易いように清掃される。チャ
ンネル鋼材5のウェブ面16には所定の位置にガセット
プレート6が溶接されており、本設梁8が結合されてい
る。
【0017】ところで、山留め応力は一般的に下部の方
が大きく上部の方は減少していることは周知である。従
って、上部の支持力を下部に対して小さくすることが当
然に意識されてきたところであるが、従来のソイルセメ
ント柱列ではそれぞれ単独の芯材を配置していたため
に、芯材を中間部において変更を加えることは不可能で
あり、止むおえずに全体的に同じ大きさの部材を使用し
ていた。上記実施の形態でも、従来の方針を踏襲する形
で組立鋼材を構成する芯材の長さを全て同じものとして
記述してきたが、本発明によれば複数の芯材を互いに一
体化しているために短い芯材が存在してもこれを中間部
において他の芯材が支えられるので、3個の芯材の中で
中間に配置されている芯材を上方部が欠如した状態で構
成して支持する応力に合わせて芯材の長さを選択するこ
とが可能になっており、コスト面で大きく貢献するもの
である。
【0018】上記実施の形態では、地下構造部分で本体
構造と一体化する状態を説明してきたが、ソイルセメン
ト合成壁を構成している芯材をあらかじめ地表上に延長
する長さに設定しておいて、本体構造の地上部と一体に
結合することも可能である。図4は、本発明によるソイ
ルセメント合成壁と本体構造地上部の躯体とを一体化し
た実施の形態を示しており、図4(a)は一部を欠如し
た平面図、図4(b)は図4(a)イーイ矢視の断面図
である。
【0019】図4(a)には、組立鋼材の芯材頂部18
が、ソイルセメント合成壁20の上端から地表上に露出
させてあり、芯材頂部間には本体構造のRC構造の外周
梁21を配置して一体に結合している状態を示してい
る。組立鋼材の上部芯材にはあらかじめジベルスタッド
等を植設してあり、躯体の重量を受けるのに効力を発揮
している。図4(b)に見られるように、外周梁21の
施工は、ソイルセメント合成壁20の施工後に、組立鋼
材4の外側にある芯材間にRC構造の外周梁21を掛け
渡し溶接付けによって一体に接合するもので、ガセット
プレートや水平方向の鋼材を省略することが可能にな
り、コスト的に有利である。
【0020】図5〜10は、本発明によるソイルセメン
ト合成壁の施工法を説明するための各行程における状態
図である。図5には、施工前に地組みされて一体化した
組立鋼材を示している。図示のように、組立鋼材4は、
H鋼から成る3本の単独芯材14が、ソイルセメント柱
列掘削孔のピッチに合わせた間隔をとって配置され、芯
材間には本設梁の敷設予定間隔に合わせてチャンネル鋼
材5が溶接付けされており、本設梁と無関係の部分には
組立鋼材4の強度を確保するために平鋼7を各芯材に渡
ってフランジ面の所定の位置に取り付けられて一体に構
成されている。以上のように、組立鋼材4は芯材相互間
を互いに緊密に一体化しているので、芯材14が単独の
場合と異なって施工時やソイルセメント止水壁の設置位
置でバラバラに乱れたり、回転して収まりを乱すことが
なく、施工効率を向上させると共に施工精度の向上を図
ることが出来る。なお、各芯材14には、上述のように
芯材埋込部12や頂部18でのコンクリートとの結合を
強化するためや外周部の組立用に、スタッドジベル等の
補強部材あるいは組立用の鉄筋が適宜配置、植設されて
いる。
【0021】図6は、図5で示した組立鋼材の製造過程
を示している。図6(a)は図5のイーイ矢視図、図6
(b)は図7(a)のイーイ矢視図である。組立鋼材4
の地組みは、図6(a)に見られるように、横に長く設
置されている作業架台22の上にH鋼の芯材14を所定
の間隔で配置する。次いで、各芯材14の間にチャンネ
ル鋼材5を渡してH鋼芯材のフランジ23及びウェブ2
4に隅肉溶接するが、この際にチャンネル鋼材5のウェ
ブ面16はH鋼芯材のフランジ面15に合わせてある。
図6(b)の断面図で示すように、チャンネル鋼材5を
溶接したフランジ23と反対のフランジ23には、チャ
ンネル鋼材5と対応する位置に芯材の全部に渡らせて平
鋼7を溶接付けしている。
【0022】図7は、ソイルセメント柱列の掘削孔に組
立鋼材を吊り下ろす状態図である。ソイルセメント止水
壁1を構築する地盤に、連続した複数のソイルセメント
柱列孔25を掘削してから、別途に地組みされた組立鋼
材4をクローラクレーン等で吊り上げて掘削孔25内に
吊り下げて行く。 掘削孔25は、ソイルセメント掘削
機を用いて、前述の通りソイルセメント合成壁の軸力を
支えるのに十分な強度を有する支持層の深さまで掘削し
ているので、掘削孔の施工能率が高く、掘削時の内圧は
保持されて排土が少なく経済的である。又、組立鋼材4
は、十分に一体化されて掘削孔内に建て込まれるので、
掘削孔25内への吊り下げは円滑で、埋設精度も高度に
維持できる。なお、組立鋼材4に連結する芯材14は、
ソイルセメント掘削機の掘削軸数に合わせる必要がな
く、本体構造体の外壁形状や組立鋼材の揚重計画から芯
材の連結数や連結配置形状を設定することが出来る。
【0023】図8は、ソイルセメント止水壁が構築され
た後のはつり面を示す立面図(a)と断面図(b)であ
る。ソイルセメント止水壁1が構築されると、止水壁内
側の地盤3が掘削されるが、この掘削に沿って組立鋼材
4の内側表面をも同時にはつり出しを行い、各芯材の本
体構造側のフランジ面15とチャンネル鋼材の内側ウェ
ブ面16が露出されて、以降の工事のために両面の表面
清掃が行われる。
【0024】ソイルセメント止水壁の芯材先端が埋め込
まれている付近では、ソイルセメントの強度が確保され
ているので、芯材からの応力が円滑にソイルセメント柱
列に伝達されると共に、芯材の先端下部に生じる壁の引
張り割裂破壊が防止されている。又、掘削孔先端部のソ
イルセメント強度が確保されているので、ソイルセメン
ト合成壁の軸力が円滑に支持地盤に伝達され、連続地中
壁と同様の支持力を維持している。さらに、チャンネル
鋼材5は露出されているウェブ面16と反対側の部材面
をソイルセメント内に埋設させているので、芯材を含む
組立鋼材の回転や曲げねじれ座屈に対しても高い安全率
を確保している。
【0025】図9は、組立鋼材への施工状態を示す立面
図(a)と断面図(b)である。図に示すガセットプレ
ート6は、地下構築時に本体構造の梁の位置に対応させ
て、チャンネル鋼材5の表面上で水平方向の所定の位置
に現場溶接で取り付けてある。組立鋼材4の施工精度
は、機械的に管理し易いことから水平方向よりも鉛直方
向の方が大幅に高いものであり、敷設されるガセットプ
レート6の位置はチャンネル鋼材5の表面16からほと
んど外れることなく納めることができる。
【0026】又、ガセットプレート6を芯材14の位置
と無関係にチャンネル鋼材5の任意の位置に敷設できる
ことは、本体構造における梁位置の変更にも容易に対応
できるもので工事全体の自由度が向上して施工行程にお
いて工期の短縮を図れるものである。さらに、ガセット
プレート6の溶接は隅肉溶接で行われることから、現場
溶接に対する信頼性と施工時の安全性を向上させること
が可能であり、工事全体の品質確保が達成されるもので
ある。
【0027】図10は、ソイルセメント合成壁の断面図
である。ソイルセメント合成壁20を逆打ち工法で施工
する場合には、地盤3を掘削して各芯材のフランジ面及
びチャンネル鋼材の内側ウェブ面をはつり出してから、
止水壁の組立鋼材に敷設したガセットプレートに本設梁
を固定し、次いでスラブ、柱、外壁の配筋及び型枠を施
工し躯体コンクリートの打設を行うことで地下構造物の
外周部として構築される。従って、構築後のソイルセメ
ント合成壁20の内側には地下構造物の外壁26が構成
され、組立鋼材のガセットプレートに受けられた梁27
は地下構造物の梁として各地下階のスラブ28を支持し
ている。以上の説明から明らかなように、本発明による
ソイルセメント合成壁は、支持杭としての機能を備え、
土水圧に対する山留め壁・止水壁として働くと同時に、
面内せん断力を処理する耐震壁として後打ち躯体と一体
化して面内及び面外力に抵抗でき、逆打ち工法、新地下
工法にも採用できるものである。
【0028】以上、本発明を各種の実施の形態に基づい
て詳細に説明してきたが、本発明によるソイルセメント
合成壁とその施工法は、複数の芯材を一体にした組立鋼
材をソイルセメント柱列の芯材として配置し、組立鋼材
に設けたガセットプレートと本設梁とを結合して本体構
造の躯体コンクリートを打設して構成することを特徴と
しているものであるから、本発明は上記実施の形態に何
ら限定されるものでなく、本発明の上記の趣旨を逸脱し
ない範囲において種々の変更が可能であることは当然で
ある。
【0029】
【発明の効果】本発明によるソイルセメント合成壁は、
複数の芯材を一体にした組立鋼材をソイルセメント柱列
の芯材として配置し、組立鋼材に設けたガセットプレー
トと本設梁とを結合して本体構造の躯体コンクリートを
打設して構成することを特徴としており、連続地中壁並
に支持杭、土水圧に対する山留め壁・止水壁及び後打ち
躯体と一体化して面内せん断力を処理する耐震壁として
機能し、面内及び面外力に抵抗できる多彩な機能を圧倒
的な安さで施工でき、逆打ち工法、新地下工法にも構真
柱を省略して採用できる効果を発揮している。
【0030】又、組立鋼材が一体化していることで、掘
削構内で芯材がバラバラになることを防止して地下躯体
への食い込みを阻止し、芯材間隔を均等に保持してクラ
ックや漏水の防止を図り、チャンネル鋼材とソイルセメ
ントとの結合を密にして芯材の回転や座屈を抑制する効
果を奏している。
【0031】本発明によるソイルセメント合成壁の施工
法は、連続した複数のソイルセメント柱列孔を掘削し、
セメントミルクと掘削土とを混練させた柱列孔内に複数
の芯材を一体にした組立鋼材を吊り込み、所定の位置に
保持しながらソイルセメントを硬化させてソイルセメン
ト止水壁を構成し、止水壁内側の地盤掘削に沿って組立
鋼材の内側表面をはつり出し、次いで組立鋼材の内側表
面にガセットプレートを敷設して、ガセットプレートに
本設梁を結合し、しかる後に組立鋼材及び梁に型枠を配
置してコンクリートを打設することを特徴としているの
で、掘削機の施工効率が高く杭の沈下量を小さくでき、
掘削孔内への建て込み精度を高くして地下工事段階での
躯体精度を向上できる効果を奏している。又、排土がほ
とんどないので経済的であり、地球環境に優しい効果を
奏することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるソイルセメント合成壁の側断面図
【図2】ソイルセメント止水壁の断面図
【図3】ソイルセメント止水壁の断面図
【図4】本発明によるソイルセメント合成壁の実施の形
態図
【図5】本発明に採用する組立鋼材の地組み図
【図6】本発明に採用する組立鋼材の地組み工程図
【図7】組立鋼材の掘削孔への吊り込み工程図
【図8】ソイルセメント止水壁のはつり工程図
【図9】ガセットプレートの敷設工程図
【図10】本体構造合成壁の断面図
【図11】従来のソイルセメント止水壁に対する合成壁
の施工図
【符号の説明】
1 ソイルセメント柱列(ソイルセメント合成壁) 2 ソイルセメント合成壁の外側地盤 3 ソイルセメント合成壁の内側掘削地盤 4 組立鋼材 5 チャンネル鋼材 6 ガセットプレート 7 平鋼 8 本設梁 9 掘削孔の先端 10 支持基盤 11 杭根固め部 12 芯材埋込部 13 はつり面 14 H鋼製の芯材 15 フランジ面 16 ウェブ面 18 芯材頂部 20 ソイルセメント合成壁 21 外周梁 22 作業架台 23 H鋼芯材のフランジ 24 H鋼芯材のウェブ 25 掘削孔 26 地下構造物の外壁 27 地下構造物の梁 28 スラブ 30 芯材 31 芯材のフランジ面 32 ブラケット 33 通し梁 34 本設梁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の芯材を一体にした組立鋼材をソイ
    ルセメント柱列の芯材として配置し、該組立鋼材に設け
    たガセットプレートと本設梁とを結合して本体構造の躯
    体コンクリートを打設して成るソイルセメント合成壁。
  2. 【請求項2】 組立鋼材が、複数のH鋼芯材を該H鋼の
    フランジ間に所定間隔で渡したチャンネル鋼材によって
    一体にされていることを特徴とする請求項1に記載のソ
    イルセメント合成壁。
  3. 【請求項3】 連続した複数のソイルセメント柱列孔を
    掘削し、セメントミルクと掘削土とを混練させた該柱列
    孔内に複数の芯材を一体にした組立鋼材を吊り込み、所
    定の位置に保持しながらソイルセメントを硬化させてソ
    イルセメント止水壁を構成し、該止水壁内側の地盤掘削
    に沿って組立鋼材の内側表面をはつり出し、次いで該組
    立鋼材の内側表面にガセットプレートを敷設し、該ガセ
    ットプレートに本設梁を結合して後に、組立鋼材及び梁
    に型枠を配置してコンクリートを打設することを特徴と
    する請求項1に記載のソイルセメント合成壁の施工法。
JP30312698A 1998-10-26 1998-10-26 ソイルセメント合成壁及びその施工法 Expired - Lifetime JP3656437B2 (ja)

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