JPH1060817A - 添設構造体の構築方法 - Google Patents

添設構造体の構築方法

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JPH1060817A JP22395496A JP22395496A JPH1060817A JP H1060817 A JPH1060817 A JP H1060817A JP 22395496 A JP22395496 A JP 22395496A JP 22395496 A JP22395496 A JP 22395496A JP H1060817 A JPH1060817 A JP H1060817A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地中又は水中から空中に立設している柱状躯体
3の地中又は水中の部分を補強する。 【解決手段】既設の柱状躯体3の空中露出部分の周囲に
パネル11によって補強用構造体21を組立て、組立て
た構造体21を柱状躯体3に添って地中又は水中に降下
沈設し、地中又は水中の柱状躯体3との間に膨張硬化性
モルタルを注入し一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】地上から地中、又は水上から
水面下、水面上から水面下更に水底中に、連続して一体
的に構築された構造物を囲んで、周囲に添加されて補強
などの用に供される、添設構造体の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地中又は水面下に空間を形成する方法と
して、古くは掘り抜き井戸、近年は円形構造物やPCウ
エルの沈設、河川等の水中に設置する橋脚周囲の仮締め
切りなど、先に空間を形成し、その後その空間内に構造
物を構築していた。このような構造物の構築方法には、
種々の方法が存在する。しかし、既設構造物の周囲に構
造体を構築する場合、その構造物が陸上、又は水面上に
露出している部分に構築することは比較的簡単に行うこ
とができるが、例えば近年問題が顕在化した橋梁の耐震
性の向上のための補強などでは、水中部分や水底下の補
強工事に大がかりな締切り排水工事を必要とする等の問
題があった。また、地中部分でも、大がかりな掘削及び
土留め、仮補強などが必要な場合があった。
【0003】一例として、図10〜14に水中構築され
た橋脚の柱状躯体部を増し打ちする例で説明する。図1
0に示すように、橋脚51の周囲の水中52にシートパ
イル53などを二重に打ち込み、仮締め切りの準備をす
る。図11は、二重に打ち込まれたシートパイル53間
に土砂54を投入して止水し、水中ポンプ55などでそ
の内側の部分56を排水して、図12に示すように作業
空間57を形成する。次いで図13に示すように、増し
打ち補強材(添設構造体)58をコンクリートで橋脚5
1の外周に構築し、橋脚51の柱状部と一体化する。そ
の後、締切りのシートパイル53を抜き取り図14に示
すように完成する。このようにシートパイル53などの
締切り材の打ち込み、抜き取りだけでも煩雑で工事費全
体に占める割合も大きく不経済であった。
【0004】また、陸上に構築された構造物でも、その
構造物の地中部分に補強構造などを添設する工事では、
その周囲を大きく掘削する必要があり多大な費用が掛か
る問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は既設構造物の
周囲に添設する構造体を比較的簡便に構築可能とし、そ
の構造体を構造物の補強構造としたり、添設構造物の形
成手段として使用することを可能とすることを目的とす
るものである。。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、地中又は水中
から空中に立設している柱状の既設構造物の地中又は水
中の部分の周囲を囲繞して構築する構造体の構築に際
し、既設構造物の空中露出部分の周囲に構造体を組立
て、その後、組立てた構造体を前記既設構造物に添って
地中又は水中に降下沈設することを特徴とする添設構造
体の構築方法である。
【0007】露出形成部分の構造体をプレキャストコン
クリートパネルで構築して、既設構造物表面に添って沈
設し、既設構造物と構造体パネルとの空隙に膨張硬化性
のモルタルやコンクリートを充填すれば構造物に拘束力
を付与でき、補強効果を高めることも可能となる。この
パネルは周囲方向に複数分割して製作したものを現地で
組立て周方向にプレストレスを導入したものを使用すれ
ばさらに効果的である。
【0008】また、この添設構造体は鋼板やコルゲート
成形した薄肉鋼板などを溶接やボルト接合等で形成して
もよい。更に、場所打ちコンクリートで壁状に形成する
ことも可能である。膨張硬化性モルタルは、ポルトラン
ドセメントに膨張性の混和材を混合した膨張セメントを
用いたモルタルで、セメントの水和や乾燥による収縮を
補償して、収縮亀裂を抑制したり、拘束下でコンクリー
トの体積を増大して圧密させたり、拘束鉄筋によるプレ
ストレス効果を導入することができる。膨張性の混和材
としてはカルシウムサルフォアルミネート系のものや生
石灰系のものが用いられている。一般にコンクリートの
乾燥ひび割れの低減、ヒューム管等のコンクリート製品
へのプレストレスの導入、グラウト工事等に使用され
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら説明す
る。図1〜図4に示す第1の例は、水中に構築された直
径2.5mの円形柱状躯体部を持つ橋脚1の基礎(フー
チング部)2から上方の4mを被覆補強した例である。
本例では周方向に4分割したプレキャストコンクリート
パネル11を柱状躯体3に添設して、パネル11相互間
をPC緊張材12で緊張し周方向プレストレスを導入し
て添設構造体21を形成し、その後図4に示すように、
パネル11の裏面13と柱状躯体3の表面4との間に膨
張硬化性モルタル14を注入し柱状躯体3の法線方向に
拘束力(コンファインド効果)を付与し補強した例であ
る。
【0010】まず、図1(a)は、柱状躯体3が水底か
ら水面5上に延出した部分にプレキャストコンクリート
パネル11を組立てる作業構台15を橋脚枕梁17から
吊り材16で支持させ構築する。その作業構台15上で
分割されたパネル11を組立てて、図2に示すように、
円筒状添設構造体21を形成する。この添設構造体21
は図4に示すように、周方向PC緊張材12を挿入し、
緊張してプレストレスを導入している。作業構台15は
杭又は柱状躯体3に取り付けたブラケット等で支持して
もよい。
【0011】図2に示すように、形成された円筒状添設
構造体21を橋脚枕梁からチェーンブロック又はワイヤ
18で吊り、構台15から地切り支持し、添設構造体2
1の底部支持材(吊り材16及び構台15の一部)を撤
去する。チェーンブロック又はワイヤ18で支持しなが
ら水面下に徐々に沈下させ、円筒状添設構造体21を基
礎2上に備えつけ(図3)、円筒内面13と柱状躯体3
の間隙の底部に止水材又は捨てモルタル等の止水を施
し、膨張硬化性モルタル14を注入する。(図4)図3
は、作業構台15を撤去して添設構造体21の沈設を完
了した図である。
【0012】図4は、図3のC−C矢視詳細図で、柱状
躯体3とその周囲に4分割したプレキャストコンクリー
トパネル11をPC緊張材12で緊結して円筒状の添設
構造体21を形成し、膨張硬化性モルタル14で一体化
した断面図を示している。図5〜9は、第2の実施例
で、地中から地上に延出した橋脚1の地中部柱状躯体3
を増し打ち補強した例で、柱状躯体3の地上部の周囲
に、底部に刃口23を設けたプレキャストコンクリート
パネルで形成した筒状添設構造体21を、柱状躯体3に
添ってジャッキで圧入沈下させ、筒状添設構造体21と
柱状躯体3の間の土砂を排出し、コンクリートを充填し
て筒状添設構造体21と柱状躯体3とを一体化する例で
ある。
【0013】図5は、柱状躯体3の周囲に土砂排出作業
可能な最小限度の間隔22をあけて、筒状添設構造体2
1を組立てる段階で、添設構造体21の下端には圧入の
ための刃口23が装着されている。図6、図7に示すよ
うに、組立てられた筒状の構造体21を橋脚枕梁17の
下部に仮設した反力梁31に反力をとり、ロングストロ
ークの油圧ジャッキ32によって地中に圧入する。
【0014】なお、この添設構造体21の圧入は油圧ジ
ャッキに限らず、バイブロハンマーや、ウォータージェ
ットなどを併用した方法であってもよい。図7、図8に
示すように、1ロット分の圧入が終わったら、その上に
次のロットの構造体21bを形成し、PC鋼棒24を接
続して圧入を繰り返す。図9は、所定長の添設構造体2
1,21b,21cの圧入が完了し、柱状躯体3と構造
体21,21b,21cの間の土砂を排出してコンクリ
ート25を充填して、柱状躯体3と、添設構造体21,
21b,21cとの一体化が完成した図を示している。
【0015】以上の二例では、構造体の材質としてプレ
キャストコンクリートパネルを使用したが、これに限定
されるわけではなく、場所打ちコンクリート、鋼板、コ
ルゲート鋼板等でもよい。また、対象となる構造物の断
面形状も円形、楕円形、三角形以上の多角形等広い範囲
に適用可能である。
【0016】
【発明の効果】本発明の方法によれば、足場のよい地上
や水面上で形成した構造体を降下沈設することによって
仮締切り等大掛かりな準備工程が不必要となった。また
大量生産可能なプレキャストコンクリートパネルを使用
すれば鉄筋、型枠の組払いを最小限に留めることも可能
となり、その上プレストレスを導入し膨張硬化性モルタ
ルを充填することで対象とする構造物にコンファインド
効果を付与することもでき、構造上も堅固な補強が可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の説明図である。(b)は(a)図のA
−A矢視断面図である。
【図2】実施例の説明図である。(b)は(a)図のB
−B矢視断面図である。
【図3】実施例の説明図である。(b)は(a)図のC
−C矢視断面図である。
【図4】図3のC−C矢視断面図である。
【図5】別の実施例の説明図である。
【図6】別の実施例の説明図である。
【図7】別の実施例の説明図である。
【図8】別の実施例の説明図である。
【図9】別の実施例の説明図である。
【図10】従来例の説明図である。
【図11】従来例の説明図である。
【図12】従来例の説明図である。
【図13】従来例の説明図である。
【図14】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 橋脚 2 基礎 3 柱状躯体 4 表面 5 水面 11 パネル 12 PC緊張材 13 裏面 14 モルタル 15 構台 16 吊り材 17 枕梁 18 ワイヤ 21 添設構造体 22 間隔 23 刃口 24 PC鋼棒 25 コンクリート 31 反力梁 32 ジャッキ 51 橋脚 52 水中 53 シートパイル 54 土砂 55 水中ポンプ 56 内側の部分 57 作業空間 58 添設構造体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中又は水中から空中に立設している柱
    状の既設構造物の地中又は水中の部分の周囲を囲繞する
    構造体の構築に際し、既設構造物の空中露出部分の周囲
    に構造体を組立て、その後、組立てた構造体を前記既設
    構造物に添って地中又は水中に降下沈設することを特徴
    とする添設構造体の構築方法。
  2. 【請求項2】 前記既設構造物と前記構造体との空隙に
    膨張硬化性のモルタル又はコンクリートを充填すること
    を特徴とする請求項1記載の添設構造体の構築方法。
  3. 【請求項3】 前記構造体をプレキャストコンクリート
    パネルで構築することを特徴とする請求項1又は2記載
    の添設構造体の構築方法。
  4. 【請求項4】 前記プレキャストコンクリートパネルは
    周囲方向に複数分割して製作したものを組立て、周方向
    にプレストレスを導入することを特徴とする請求項3記
    載の添設構造体の構築方法。
  5. 【請求項5】 前記構造体は鋼板又はコルゲート鋼板か
    らなることを特徴とする請求項1又は2記載の添設構造
    体の構築方法。
  6. 【請求項6】 前記構造体は、場所打ちコンクリートで
    形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の添設構
    造体の構築方法。
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