JP2000144040A - 被覆用樹脂組成物 - Google Patents

被覆用樹脂組成物

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JP2000144040A
JP2000144040A JP10325753A JP32575398A JP2000144040A JP 2000144040 A JP2000144040 A JP 2000144040A JP 10325753 A JP10325753 A JP 10325753A JP 32575398 A JP32575398 A JP 32575398A JP 2000144040 A JP2000144040 A JP 2000144040A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に水酸基がブロックでき、ブロック化に
よって低粘度化した水酸基含有アクリル系樹脂を提供す
ること、及び、水酸基含有アクリル系樹脂と水酸基と反
応する基を有する化合物との共存下でのポットライフを
格段に改良した被覆用樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 ビシナルグリコール基をオルトエステル
でブロックした基を有するアクリル系樹脂を必須成分と
して含有する被覆用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な被覆用樹脂組
成物に関し、更に詳細には、塗料、インキ、接着剤等の
分野で有用な水酸基ブロックアクリル系樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】塗料、インキ、接着剤等の
分野で広く使用されているアクリル系樹脂は、架橋官能
基付与、付着性付与、親水性付与等の目的で水酸基を含
有している場合が多い。この場合には、水酸基の水素結
合に基づく相互作用により、系の粘度が高くなる。
【0003】近年、環境問題、省エネルギー化等の観点
から、樹脂を溶解するために使用する溶剤の削減が求め
られており、そのためには樹脂溶液の高固形分化を図る
必要がある。樹脂溶液の高固形分化を図るためには樹脂
の粘度を低下させる必要があり、その手段として樹脂の
分子量を低下させる等の方法が採られているが、硬化性
や塗膜性能の低下を招く。
【0004】一方、水酸基含有アクリル系樹脂と水酸基
と反応する基を有する化合物との反応、とりわけ低温硬
化、高性能化の観点から水酸基含有アクリル系樹脂とイ
ソシアネート硬化剤による架橋も盛んに検討されている
が、イソシアネート硬化剤の高反応性の故に、水酸基含
有アクリル系樹脂とイソシアネート硬化剤の一液化は困
難であり、ポットライフの改良が求められている。
【0005】これら上記の課題を解決する手法として、
水酸基をトリメチルシリル基によってブロックする方法
が提案されている(特開昭62−283163号公報参
照)が、この方法はコストが高く、またブロック剤がハ
ジキ物質となって作業環境を汚染するといった問題点が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、容易
に水酸基がブロックでき、ブロック化によって低粘度化
した水酸基含有アクリル系樹脂を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、水酸基含有アクリル
系樹脂と水酸基と反応する基を有する化合物との共存下
でのポットライフを格段に改良した被覆用樹脂組成物を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記した問
題点を解消するために鋭意研究を重ねた。その結果、特
定構造を有するブロック化水酸基含有アクリル系樹脂が
上記した問題点を全て解決することを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して水素
原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表わす)で表わさ
れるビシナルグリコール基を下記一般式(2)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R4は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基を、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表
わす)で表わされるオルトエステルでブロックした基を
有するアクリル系樹脂を必須成分として含有する被覆用
樹脂組成物に係る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。
【0015】本発明の被覆用樹脂組成物は、特定の構造
を有するブロック化水酸基含有アクリル系樹脂を必須成
分として含有することを特徴とする。
【0016】本発明の被覆用樹脂組成物は、水と脱ブロ
ック化触媒であるスルホン酸の如き酸触媒が共存しない
系では極めて安定で、水酸基をブロックしていない状態
に比べて著しく低粘度である。
【0017】本発明において、ビシナルグリコール基と
オルトエステルとの反応を化学反応式で示すと次の通り
である。
【0018】
【化5】
【0019】上記化学反応式において、一般式(1)は
ビシナルグリコール基を表わし、一般式(2)はオルト
エステルを表わす。該化学反応は酸触媒の存在下で常温
もしくは加熱することにより速やかに進行し、アルコー
ルを脱離して一般式(3)となる。
【0020】本発明において、ブロック化水酸基の脱ブ
ロック化反応を化学反応式で示すと次の通りである。
【0021】
【化6】
【0022】上記化学反応式において、一般式(3)で
表わされるブロック化水酸基は酸触媒の存在下で加水分
解されて一般式(1)のビシナルグリコール基を再生す
る。脱ブロック化反応の際に用いる酸触媒は前記ブロッ
ク化反応の際に用いる酸触媒と同じでも異なっていても
構わない。水は直接添加してもよいし、系中に何らかの
方法で発生させてもよい。上記反応は雰囲気中の水分や
湿気によっても進行する。
【0023】尚、上記のブロック化反応及び脱ブロック
化反応は一般的な主反応を表わしており、副反応や副生
物の発生を伴っても本発明の範疇に包含される。例え
ば、一般式(1)で表わされるブロック化水酸基を多量
のカルボン酸の存在下で反応させると、ビシナルグリコ
ール基の一方の水酸基がエステル化された化合物を生成
することもある。
【0024】本発明のブロック化水酸基を有するアクリ
ル系樹脂を製造する方法には特に制限はなく、いかなる
方法によっても構わない。例えば、 ビシナルグリコール基がオルトエステルでブロックさ
れた基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体と、所
望により他の重合性単量体とを共重合する方法。 ビシナルグリコール基を有するα,β−エチレン性不
飽和単量体と、所望により他の重合性単量体とを予め共
重合しておき、共重合後にオルトエステルを反応させる
方法。
【0025】ビシナルグリコール基がオルトエステル
でブロックされた基を有する化合物(例えば、グリセリ
ン、ジグリセリン、ソルビトール等の一部がオルトエス
テルでブロックされた化合物)とアクリル系樹脂とを反
応させる方法。
【0026】ビシナルグリコール基を有するα,β−
エチレン性不飽和単量体及び所望により他の重合性単量
体とをオルトエステルの存在下で共重合する方法。
【0027】等を用いることができ、必要に応じてこれ
らの方法を併用することもできる。
【0028】前記ビシナルグリコール基を有するα,β
−エチレン性不飽和単量体としては、例えば、2,3−
ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(グリセロ
ールモノ(メタ)アクリレート)、2,3−ジヒドロキ
シ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、2,3
−ジヒドロキシプロピルアリルエーテル等を挙げること
ができる。これらは1種又は2種以上併用して用いるこ
とができる。
【0029】前記ビシナルグリコール基を有するα,β
−エチレン性不飽和単量体と共に所望により用いる他の
重合性単量体としては、共重合可能なものであれば特に
制約されず、また併用できる官能基も特に制約されな
い。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プ
ロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)ア
クリル酸ブチル(n−、i−、t−)、(メタ)アクリ
ル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリ
ル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアクリル酸
又はメタクリル酸の炭素数1〜30のアルキルエステル
又はシクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸メト
キシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタ
クリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステ
ル;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート;ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ク
ロルスチレン等のビニル芳香族化合物;2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8の
ヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸又はメタクリ
ル酸のヒドロキシアルキルエステルとε−カプロラクト
ンとの付加物、例えばプラクセルFM−3(ダイセル化
学工業社製、「プラクセル」は商品名)で表わされるモ
ノマー;ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート類、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類;グリ
シジル(メタ)アクリレート、ジグリシジルフマレー
ト、アリルグリシジルエーテル、ε−カプロラクトン変
性グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシ
ジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有
不飽和単量体;パーフルオロブチルエチル(メタ)アク
リレート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アク
リレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリ
レート等のアクリル酸又はメタクリル酸のパーフルオロ
アルキルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレン、
ペンテン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプレン、
クロロプレン等のジエン化合物;トリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等のフ
ルオロオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、カプリン酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学社
製、分岐高級脂肪酸のビニルエステル)、酢酸イソプロ
ペニル等の炭素原子数1〜20の脂肪酸のビニルエステ
ル類やプロペニルエステル類;エチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエ
ーテル、ベンジルビニルエーテル等のビニルエーテル
類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)ア
クリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレ
ート等のカルボキシル基含有不飽和モノマー;ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−スチリルエ
チルトリメトキシシラン等の加水分解性アルコキシシリ
ル基含有不飽和モノマー;N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル
(メタ)アクリレートなどの含窒素アルキル(メタ)ア
クリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)ア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアク
リルアミド等の重合性アミド類;2−ビニルピリジン、
1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン、
(メタ)アクリロイルモルホリンなどの含窒素モノマ
ー;ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スルホエ
チル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のス
ルホン酸モノマー及びその塩;2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルアシッドホスフェート等の水酸基含有モ
ノマーとりん酸化合物のエステル化物;グリシジル(メ
タ)アクリレート等のエポキシ基にりん酸化合物を付加
させた物等のりん酸含有モノマー;アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等の重合性ニトリル;アリルアミ
ン;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物モノ
マー等を挙げることができる。
【0030】また、これら上記のモノマーを(共)重合
するにあたり、重合開始剤、溶剤、連鎖移動剤等は公知
のものを特に制限なく用いることができる。
【0031】かくして得られる本発明のブロック化水酸
基含有アクリル系樹脂は数平均分子量が500〜50,
000なる範囲が好ましい。数平均分子量が500未満
である場合には塗膜物性が十分とはなり得なく、逆に5
0,000を越えた場合には塗膜の外観、光沢、肉持感
あるいは塗装作業性などに欠陥が表われ易くなるのでと
もに好ましくない。
【0032】前記オルトエステルとしては、例えば、オ
ルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルトギ酸プロピ
ル、オルトギ酸ブチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸
エチル、オルトプロピオン酸メチル、オルトプロピオン
酸エチル、オルト酪酸メチル、オルト酪酸エチル等を挙
げることができる。これらは1種又は2種以上併用して
用いることができる。これらのうち、オルトギ酸メチ
ル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル及びオルト酢
酸エチルから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0033】水酸基のブロック化反応及び脱ブロック化
反応に用いる酸触媒としては特に制限されず、例えば、
塩酸、硫酸、硝酸、スルホン酸化合物、カルボン酸化合
物、リン酸化合物及びそれらの誘導体等を挙げることが
できる。
【0034】本発明の被覆用樹脂組成物は、更に、水酸
基と反応する基を有する化合物を含有することができ
る。水酸基と反応する基を有する化合物としては、例え
ば、イソシアネート硬化剤やアミノプラスト硬化剤を挙
げることができる。
【0035】イソシアネート硬化剤としては、例えば、
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネートもしくはキシリレンジイソシアネートの如き芳
香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートもしくはトリメチ
ルヘキサンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネ
ート;イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキ
サン2,4−(ないしは2,6−)ジイソシアネート、
4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)もしくは1,3−ジ(イソシアネートメチル)−シ
クロヘキサンの如き脂環族ジイソシアネート;上記のビ
ュレット体、ヌレート体、オリゴマー等;そしてさらに
これらのポリイソシアネートと、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールもしく
はトリメチロールプロパンの如き多価アルコール類;イ
ソシアネート基と反応する官能基を有するごく低分子量
のポリエステル樹脂(油変性タイプをも含む。)または
水などとの付加物等を挙げることができる。
【0036】そして、これらのイソシアネート硬化剤と
本発明のブロック化水酸基含有アクリル系樹脂との配合
比としては、生成される水酸基/イソシアネート基=1
/0.2〜1/3(当量比)なる範囲が塗膜性能の点か
ら好ましい。この場合、あらかじめイソシアネート硬化
剤を配合しておく一液型もしくは塗装直前に配合する二
液型いずれの方法でも使用することができる。
【0037】アミノプラスト硬化剤としては特に制限さ
れず、例えば、メチロール型メラミン樹脂、イミノ型メ
ラミン樹脂、エーテル化メラミン樹脂等を挙げることが
できる。アミノプラスト硬化剤の使用量としては、本発
明のブロック化水酸基含有アクリル系樹脂の10〜40
重量%なる割合が好ましい。また、架橋性を増すために
アミノプラスト用の硬化促進剤、例えばパラトルエンス
ルホン酸などの酸触媒を添加してもよい。硬化促進剤の
使用量としては樹脂固形分に対して0.1〜10重量%
が好ましい。
【0038】本発明の被覆用樹脂組成物は、そのままク
リアー塗料として使用することもできるし、さらに顔料
を混合混合せしめることによりエナメル塗料として使用
することもできる。また、本発明の被覆用樹脂組成物に
対しては、必要に応じてレベリング剤、可塑剤、紫外線
吸収剤、顔料分散剤などの各種の添加剤を混合させるこ
とができる。
【0039】さらに、塗装方法としては刷毛塗り、スプ
レー塗装、静電塗装またはロール塗装などの如き常用の
方法が採用できるし、硬化方法としても常温乾燥から加
熱乾燥までの幅広い範囲で硬化条件を設計することがで
きる。
【0040】かくして得られる本発明の被覆用樹脂組成
物は溶液の形で、あるいは粉体の形で自動車、家電製
品、建築外装、金属類のプレコートなどに用いる塗料;
インキ;接着剤等の分野で多岐にわたって利用すること
ができるが、就中、一液型で貯蔵安定性の要求される分
野においてその効果が顕著である。
【0041】
【発明の効果】本発明の水酸基ブロックアクリル系樹脂
組成物は未ブロックの水酸基含有アクリル系樹脂組成物
と比べて系の粘度が大幅に低下する。また、本発明の水
酸基ブロックアクリル系樹脂と水酸基と反応する基を有
する化合物との共存下でのポットライフが格段に長くな
り、塗料、インキ、接着剤等の分野でのハイソリッド化
もしくは貯蔵安定性の改良に大きな効果があり、極めて
有用である。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。以下、単に「部」及び「%」とあるのは、それ
ぞれ「重量部」及び「重量%」を表わす。
【0043】製造例1 撹拌機、冷却器、温度制御装置、溶剤回収装置、窒素導
入管及び滴下ロートを備えた2リットルの反応容器にキ
シレン311部及び酢酸ブチル80部を加え、窒素置換
後125℃に保ち、スチレン200部、n−ブチルメタ
クリレート80部、n−ブチルアクリレート96部、2
−エチルヘキシルアクリレート176部、イソボルニル
アクリレート120部、グリセロールモノメタクリレー
ト120部、アクリル酸8部及びアゾビスイソブチロニ
トリル24部からなる混合物を4時間かけて滴下した。
滴下終了後125℃で30分間熟成し、次にキシレン4
0部及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル4
部からなる混合液を1時間かけて滴下し、その後30分
間125℃に保って、固形分63.1%、樹脂溶液のガ
ードナー粘度Z-、樹脂溶液酸価4.3mgKOH/g
の淡黄色微濁の水酸基含有アクリル系樹脂溶液(A−
1)を得た。
【0044】実施例1 製造例1で得られた樹脂溶液(A−1)30部に対し、
オルトギ酸エチル2.7部及びドデシルベンゼンスルホ
ン酸0.2部を加えて室温でよく撹拌したところ、系は
速やかに低粘度化し、ガードナー粘度はM-となった。
また、IR測定により、水酸基の吸収である3200〜
3600cm-1付近の吸収が完全に消失し、水酸基がブ
ロックされていることが確認できた。
【0045】実施例2 製造例1で得られた樹脂溶液(A−1)30部に対し、
オルトギ酸エチル5.4部及びドデシルベンゼンスルホ
ン酸0.2部を加えて室温でよく撹拌したところ、系は
速やかに低粘度化し、ガードナー粘度はF-となった。
また、IR測定により、水酸基の吸収である3200〜
3600cm-1付近の吸収が完全に消失し、水酸基がブ
ロックされていることを確認した。
【0046】製造例2 撹拌機、冷却器、温度制御装置、溶剤回収装置、窒素導
入管及び滴下ロートを備えた2リットルの反応容器に後
記表1に示す成分をを加え、窒素置換後125℃に保
ち、後記表1に示す滴下用混合物溶液を4時間かけて滴
下した。重合中、水酸基のブロック化によって生成する
エチルアルコールを留去しながら125℃を保った。滴
下用混合物溶液の滴下終了30分後に、キシレン40部
及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル4部か
らなる混合液を1時間かけて滴下し、その後135℃に
昇温して30分間生成したエチルアルコールをさらに留
去し、固形分70.9%、樹脂溶液のガードナー粘度Z
-、樹脂溶液酸価0.6mgKOH/gの淡黄色透明の
水酸基ブロックアクリル系樹脂溶液(A−2)を得た。
樹脂溶液のIR測定により、水酸基の吸収である320
0〜3600cm-1付近の吸収が完全に消失し、水酸基
がブロックされていることを確認した。
【0047】製造例3 製造例2と同様の反応容器に後記表1に示す成分をを加
え、窒素置換後90℃に保ち、後記表1に示す滴下用混
合物溶液を4時間かけて滴下した。重合中、水酸基のブ
ロック化によって生成するメチルアルコールを留去しな
がら90℃を保った。滴下用混合物溶液の滴下終了30
分後に、キシレン40部及びアゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル4部からなる混合液を1時間かけて滴
下し、その後135℃に昇温して30分間生成したメチ
ルアルコールをさらに留去し、固形分68.7%、樹脂
溶液のガードナー粘度Z2、樹脂溶液酸価0.2mgK
OH/gの淡黄色透明の水酸基ブロックアクリル系樹脂
溶液(A−3)を得た。樹脂溶液のIR測定により、水
酸基の吸収である3200〜3600cm-1付近の吸収
が完全に消失し、水酸基がブロックされていることを確
認した。
【0048】製造例4 製造例2と同様の反応容器に後記表1に示す成分をを加
え、窒素置換後90℃に保ち、後記表1に示す滴下用混
合物溶液を4時間かけて滴下した。重合中、水酸基のブ
ロック化によって生成するメチルアルコールを留去しな
がら90℃を保った。滴下用混合物溶液の滴下終了30
分後に、キシレン40部及びアゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル4部からなる混合液を1時間かけて滴
下し、その後135℃に昇温して30分間生成したメチ
ルアルコールをさらに留去し、固形分68.3%、樹脂
溶液のガードナー粘度Z3、樹脂溶液酸価4.3mgK
OH/gの淡黄色透明の水酸基ブロックアクリル系樹脂
溶液(A−4)を得た。樹脂溶液のIR測定により、水
酸基の吸収である3200〜3600cm-1付近の吸収
が完全に消失し、水酸基がブロックされていることを確
認した。
【0049】製造例5 製造例2と同様の反応容器に後記表1に示す成分をを加
え、窒素置換後125℃に保ち、後記表1に示す滴下用
混合物溶液を4時間かけて滴下した。重合中、水酸基の
ブロック化によって生成するエチルアルコールを留去し
ながら125℃を保った。滴下用混合物溶液の滴下終了
30分後に、キシレン40部及びアゾビス−2,4−ジ
メチルバレロニトリル4部からなる混合液を1時間かけ
て滴下し、その後135℃に昇温して30分間生成した
エチルアルコールをさらに留去し、固形分70.9%、
樹脂溶液のガードナー粘度Z2、樹脂溶液酸価5.7m
gKOH/gの淡黄色透明の水酸基ブロックアクリル系
樹脂溶液(A−5)を得た。樹脂溶液のIR測定によ
り、水酸基の吸収である3200〜3600cm-1付近
の吸収が完全に消失し、水酸基がブロックされているこ
とを確認した。
【0050】
【表1】
【0051】実施例3〜5及び比較例1 上記製造例1〜5で得られたアクリル系樹脂溶液(A−
1)〜(A−5)のそれぞれ30部に対してヘキサメチ
レンジイソシアネート1.5部を加えて十分撹拌した
後、蓋付きの70mLのマヨネーズ瓶に入れて室温に放
置し、ゲル化するまでの日数を測定した。結果を表2に
示す。
【0052】
【表2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1〜R3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素
    数1〜4のアルキル基を表わす)で表わされるビシナル
    グリコール基を下記一般式(2) 【化2】 (式中、R4は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
    を、R5は炭素数1〜4のアルキル基を表わす)で表わ
    されるオルトエステルでブロックした基を有するアクリ
    ル系樹脂を必須成分として含有する被覆用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 オルトエステルが、オルトギ酸メチル、
    オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル及びオルト酢酸エ
    チルから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 更に、水酸基と反応する基を有する化合
    物を含有する請求項1記載の樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001021611A1 (fr) * 1999-09-17 2001-03-29 Kansai Paint Co., Ltd. Polyorthoester et composition reticulable contenant ce compose
JP2010189480A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Basf Coatings Japan Ltd 2液型ウレタン塗料組成物
JP2013511577A (ja) * 2009-11-20 2013-04-04 ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 良好な貯蔵安定性を有する塗料および該塗料から形成される、良好な耐候性と共に高い耐引掻性を有する塗膜

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