JP2000143937A - 反射防止膜形成組成物 - Google Patents

反射防止膜形成組成物

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JP2000143937A
JP2000143937A JP32567098A JP32567098A JP2000143937A JP 2000143937 A JP2000143937 A JP 2000143937A JP 32567098 A JP32567098 A JP 32567098A JP 32567098 A JP32567098 A JP 32567098A JP 2000143937 A JP2000143937 A JP 2000143937A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 KrFエキシマレーザー光に対する
高い吸光度を有するとともにレジスト層と同等の屈折率
を有し、形成される反射防止膜の膜厚がごく薄くても反
射防止効果が高く、解像度及び精度等に優れたレジスト
パターンを形成しうる反射防止膜形成組成物を提供する
こと。 【解決手段】 下記式(1)で示される二価の基を
有する重合体を含有することを特徴とする反射防止膜形
成組成物。 【化1】 [ここで、R1は一価の原子又は基であり、nは0〜4
の整数であり、ただし、nが2〜4のときには複数のR
1は同一でも異なっていてもよい。R2〜R6はヒドロキ
シ基あるいは一価の原子もしくは基である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の放射線を用
いるリソグラフィープロセスにおける微細加工に有用
で、特に集積回路素子の製造に好適な反射防止膜形成組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路素子の製造方法においては、よ
り高い集積度を得るために、リソグラフィープロセスに
おける加工サイズの微細化が進んでいる。このリソグラ
フィープロセスにおいては、レジスト組成物を基板上に
塗布し、縮小投影露光装置(ステッパー)によってマス
クパターンを転写し、適当な現像液で現像することによ
って、所望のパターンを得ている。しかしながら、この
プロセスに用いられる反射率の高いアルミニウム、アル
ミニウム−シリコン合金やアルミニウム−シリコン−銅
合金、ポリシリコン、タングステンシリサイド等の基板
は、照射した放射線を表面で反射してしまう。その影響
で、レジストパターンにハレーションが生じ、微細なレ
ジストパターンを正確に再現できないという問題があ
る。
【0003】この問題を解決するため、基板上に形成す
べきレジスト膜の下に基板から反射した放射線を吸収す
る性質のある反射防止膜を形成することが提案されてい
る。このような反射防止膜としては、まず、真空蒸着、
CVD、スパッタリング等の方法により形成されるチタ
ン膜、二酸化チタン膜、チッ化チタン膜、酸化クロム
膜、カーボン膜、またはα−シリコン膜等の無機膜が知
られているが、これらの無機系反射防止膜は、導電性を
有するため、集積回路の製造には使用できなかったり、
反射防止膜の形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッ
タリング装置等の特別の装置を必要とする等の欠点があ
った。この無機系反射防止膜の欠点を解決するために、
例えばポリアミド酸(共)重合体またはポリスルホン
(共)重合体と染料からなる有機系反射防止膜が提案さ
れている(例えば、特開昭59−93448号公報参
照)。この反射防止膜は、導電性が無く、また適当な溶
剤に溶解するので、特別の装置を必要としないで、レジ
ストと同様に溶液状態で基板上に塗布できるものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】集積回路の微細化の要
求が高まるに伴い、今日、レジストの一層の薄膜化が求
められているが、上記反射防止膜は、使用の際の塗布膜
厚が厚く、ドライエッチングで下層反射防止膜を除去す
る工程において、長時間のガスプラズマの照射を必要と
するため、薄膜で塗布されたレジスト層もまた同時に浸
食され、結果としてレジスト層の著しい膜減りを招くと
いう欠点があった。
【0005】反射防止膜の使用膜厚を薄膜化させるため
には、KrFエキシマレーザー光に対する高い吸光度と
レジスト層と同等の屈折率が反射防止膜に要求される。
上記反射防止膜は、吸光度が低く、またレジストと比較
して屈折率が低いため、使用膜厚の薄膜化は困難であっ
た。
【0006】そこで本発明の目的は、前記従来の諸問題
を克服し、 KrFエキシマレーザー光に対する高い吸
光度を有するとともにレジスト層と同等の屈折率を有
し、形成される反射防止膜の膜厚がごく薄くても反射防
止効果が高く、解像度及び精度等に優れたレジストパタ
ーンを形成しうる反射防止膜形成組成物、並びにレジス
トパターンの形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねることにより、アセナフテンをモノマー単位として
含有する重合体が、エキシマレーザー光に対する高い吸
光度と、従来の下層反射防止膜と比較して高い屈折率を
有することを発見し、本発明に至った。
【0008】即ち、本発明は、上記の目的を達成するも
のとして、(A)下記式(1)で示される二価の基を有
する重合体および溶剤を含有することを特徴とする反射
防止膜形成組成物を提供するものである。
【0009】
【化5】
【0010】[ここで、R1は一価の原子又は基であ
り、nは0〜4の整数であり、ただし、nが2〜4のと
きには複数のR1は同一でも異なっていてもよい。R2
5はヒドロキシ基あるいは一価の原子もしくは基であ
る。]
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
以下の記載のおいて、(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリロイル基などの用語は、そ
れぞれ、アクリル酸とメタクリル酸、アクリレートとメ
タクリレート、アクリロイル基とメタクリロイル基、な
どを包含する意味で使用される。
【0012】(A)基本重合体 前記の一般式(1)で表される二価の基を有する重合体
(以下、重合体(A)という)は、本発明の組成物の基
本的成分である。
【0013】一般式(1)において、R1は一価の原子
又は基であり、例えばハロゲン原子、アルキル基、アル
ケニル基、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキ
シル基、フェニル基、アシル基、カルボキシル基、スル
ホン酸基、メルカプト基等を挙げることができる。アル
キル基としては炭素原子数1〜6の直鎖状または分岐鎖
状アルキル基が好ましく、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−
ブチル等が挙げられる。アルケニル基としては炭素原子
数2〜6の直鎖状または分岐鎖状アルケニル基が好まし
く、例えばビニル、アリル等が挙げられる。ハロゲン原
子としてはフッ素、塩素、臭素を好ましいものとして挙
げることができる。また、アシル基としては炭素原子数
1〜6の脂肪族または芳香族アシル基を好ましく、例え
ばアセチル基等が挙げられる。アミノ基としては第一級
アミノ基が好ましい。
【0014】R2〜R5は、水素原子あるいは一価の原子
もしくは基であり、一価の原子及び基としては上でR1
に関して例示したものと同様のものを例示することがで
きる。重合体(A)の具体例としては、例えば下記一般
式(2)で示される構造を有する重合体が挙げられる。
【0015】
【化6】 [ここで、R1〜R5及びnは、式(1)で定義したとお
りであり、R6は、水素原子または1価の有機基を示
す。]
【0016】ここで、R6が示す1価の有機基として
は、例えば炭素原子数1〜6の直鎖状または分岐状のア
ルキル基;炭素原子数2〜6の直鎖状または分岐状のア
ルケニル基;炭素原子数4〜10を有する脂環式基;炭
素原子数6〜12の芳香族炭化水素基;4〜10員のヘ
テロ環式基が挙げられる。前記アルキル基としては、例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、tert−ブチル等が挙げられる。前記ア
ルケニル基としては、例えばビニル基、プロぺニル基、
1−ブテニル基、2−ブテニル基等が挙げられる。前記
脂環式基としては、例えばシクロヘキシル基、フルフリ
ル基、等が挙げられる。前記芳香族炭化水素基として
は、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基
等が挙げられる。前記ヘテロ環式基としては、例えばフ
ルフリル基が挙げられる。
【0017】重合体(A)は、例えばアセナフテン類を
主成分とする芳香族炭化水素類とアルデヒド類との反応
生成物として得ることができる。該反応はアセナフテン
類を主成分とする芳香族炭化水素類とアルデヒド類とを
酸触媒の存在下、加熱することにより行われる。
【0018】上記の合成に用いられるアセナフテン類と
しては、例えば、アセナフテン;1―メチルアセナフテ
ン、3―メチルアセナフテン、4―メチルアセナフテ
ン、5―メチルアセナフテン、1―エチルアセナフテ
ン、3―エチルアセナフテン、4―エチルアセナフテ
ン、5―エチルアセナフテン等のアルキルアセナフテン
類;1―クロロアセナフテン、3―クロロアセナフテ
ン、4―クロロアセナフテン、5―クロロアセナフテ
ン、1―ブロモアセナフテン、3―ブロモアセナフテ
ン、4―ブロモアセナフテン、5―ブロモアセナフテン
等のハロゲン化アセナフテン類;1―ニトロアセナフテ
ン、3―ニトロアセナフテン、4―ニトロアセナフテ
ン、5―ニトロアセナフテン等のニトロアセナフテン
類;1―アミノアセナフテン、3―アミノアセナフテ
ン、4―アミノアセナフテン、5―アミノアセナフテン
等のアミノアセナフテン類;1―フェニルアセナフテ
ン、3―フェニルアセナフテン、4―フェニルアセナフ
テン、5―フェニルアセナフテン等のフェニルアセナフ
テン類;1―メルカプトアセナフテン、3―メルカプト
アセナフテン、4―メルカプトアセナフテン、5―メル
カプトアセナフテン等のメルカプトアセナフテン類;1
―ヒドロキシアセナフテン、3―ヒドロキシアセナフテ
ン、4―ヒドロキシアセナフテン、5―ヒドロキシアセ
ナフテン等のヒドロキシアセナフテン類;アセナフテン
ー1―カルボン酸、アセナフテンー3―カルボン酸、ア
セナフテンー4―カルボン酸、アセナフテンー5―カル
ボン酸等のアセナフテンカルボン酸類等が挙げられる。
これらは一種単独であるいは2種類以上を混合して使用
することができる。
【0019】上記の合成に用いられるアルデヒド類とし
ては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド等の飽和脂
肪族アルデヒド類;アクロレイン、メタクロレイン等の
不飽和脂肪族アルデヒド類;フルフラール等の脂環式ア
ルデヒド類;ベンズアルデヒド、ナフタルアルデヒド、
アントラアルデヒド等の芳香族アルデヒド類等が挙げら
れ、特に好ましくはホルムアルデヒドおよびパラホルム
アルデヒドである。これらは一種単独であるいは2種以
上を混合して使用することができる。
【0020】重合体(A)は、アセナフテン類と他の芳
香族炭化水素類との共縮合重合体であってもよい。この
場合、前記合成においてアセナフテン類とともに当該他
の芳香族類を反応成分として使用する。
【0021】芳香族類としては、アセナフテン類と共縮
合重合しうる芳香族類ならばいずれも用いることができ
る。例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フ
ェナントレン、アセナフチレン等の無置換芳香族炭化水
素類;トルエン、m―キシレン、p―キシレン、1―メ
チルナフタレン等のアルキル置換芳香族炭化水素類;フ
ェノール、クレゾール、1―ナフトール、ビスフェノー
ル類、多価フェノール類等のヒドロキシ置換芳香族炭化
水素類;安息香酸、1―ナフタレンカルボン酸、9―ア
ントラセンカルボン酸等のカルボキシル置換芳香族炭化
水素類;アニリン等のアミノ置換芳香族炭化水素類;ク
ロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化芳香族炭
化水素類等が挙げられる。これらは一種単独であるいは
2種以上を混合して使用することができる。
【0022】重合体(A)の合成は、より具体的には、
上記アセナフテン類と芳香族類とアルデヒド類とを混合
し、酸触媒の存在下、無溶媒あるいは溶剤中で加熱する
ことによって行われる。
【0023】重合体(A)の別の合成方法としては、ア
セナフテン類以外の芳香族炭化水素類とアルデヒド類を
酸触媒の存在下で反応させることによりメチロール誘導
体を得、次に得られたメチロール誘導体とアセナフテン
類とを反応させる方法でもよい。上記メチロール誘導体
としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、p−
クレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジ
メチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,
5−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェ
ノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2,4−
ジメチルフェノール、2−メチル−4−エチルフェノー
ル、2−エチル−4−メチルフェノール、2−メチル−
4−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール、2,4−ジt−ブチルフェノール、2−
メチル−4−シクロヘキシルフェノール、2−シクロヘ
キシル−4−メチルフェノール、2−メチル−4−メト
キシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノー
ル、2−メチル−4−フェニルフェノール、2−フェニ
ル−4−メチルフェノール等、またはこれら同種同士の
多核体、及びこれら異なる二種以上からなる多核体等そ
れぞれの0−置換多価メチロール体が挙げられる。これ
らのうち、フェノール、p−クレゾール、2個の2,5
−ジメチルフェノールが各々の4位においてメチレン結
合で連結してなる式:
【0024】
【化7】 で表される2核体の0−置換ジメチルロール体が好まし
く用いられる。
【0025】上の合成で用いられる酸触媒としては、例
えば、硫酸、リン酸、過塩素酸等の鉱酸類;p−トルエ
ンスルホン酸等の有機スルホン酸類;蟻酸、シュウ酸等
のカルボン酸類が使用される。酸触媒の使用量は、使用
する酸類の種類によって種々選択される。通常、アセナ
フテン類100重量部に対して、0.001〜10,00
0重量部、好ましくは、0.01〜1,000重量部であ
る。
【0026】上記の合成反応は、無溶媒でも行われるが
通常溶剤を用いて行われる。溶剤としては、反応を阻害
しないものであれば使用することができる。例えば、フ
ェノール樹脂やメラミン樹脂およびアミノ系樹脂等のア
ルデヒド類を原料とする樹脂に使用されている溶剤が使
用できる。例えば、後述する本願の組成物に使用する溶
剤の他、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エー
テル類が挙げられる。また、使用する酸類が例えば蟻酸
のような液状のものであるならば、溶剤としての役割を
兼ねさせることもできる。
【0027】重合体を製造する際の反応温度は、通常、
40℃〜200℃である。反応時間は、反応温度によっ
て種々選択されるが、通常、30分〜72時間である。
本願発明で使用される重合体(A)のポリスチレン換算
重量平均分子量(以下、「Mw」という)は、通常、5
00〜10,000、好ましくは1,000〜5,00
0である。
【0028】(B)硬化剤 本発明の組成物には必要に応じて硬化剤(以下、硬化剤
(B)という)を添加してもよい。該硬化剤は、例え
ば、本発明の組成物を半導体基板に塗布して得られる反
射防止膜と、その上に塗布、形成されるレジスト膜との
間でインターミキシングが起こることを防止する役割を
果たす。
【0029】硬化剤としては、種々の硬化剤を使用する
ことができるが、例えば、トリレンジイソシアナート、
ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジ
イソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート等の
ジイソシアナート類;エピコート812、同815、同
826、同828、同834、同836、同871、同
1001、同1004、同1007、同1009、同1
031(商品名:油化シェルエポキシ製)、アラルダイ
ト6600、同6700、同6800、同502、同6
071、同6084、同6097、同6099(商品
名:チバガイギー製)、DER331、同332、同33
3、同661、同644、同667(商品名:ダウ製)
等のエポキシ類;サイメル300、同301、同30
3、同350、同370、同771、同325、同32
7、同703、同712、同701、同272、同20
2、マイコート506、同508(商品名:三井サイア
ナミッド製)等のメラミン系硬化剤、サイメル112
3、同1123−10、同1128、マイコート10
2、同105、同106、同130(商品名:三井サイ
アナミッド製)等のベンゾグアナミン系硬化剤;サイメ
ル1170、同1172(商品名:三井サイアナミッド
製)等のグリコールウリル系硬化剤等が挙げられる。
【0030】硬化剤(B)の配合量は、反射防止膜組成
物の固形分100重量部当たり、通常、5000重量部
以下、好ましくは、1000重量部以下である。
【0031】(C)フィルム形成能の有する重合体 本発明の組成物には必要に応じてフィルム形成能を有す
る重合体(以下、重合体(C)という)を配合すること
ができる。重合体(C)としては、本発明の組成物の一
成分として用いたとき、特に前記重合体(A)と混合し
たときに、得られる反射防止膜の透明性を失わせるもの
でなく、かつ組成物を基板上にスピンコートすることに
より平坦な膜を形成することができるものが好ましい。
【0032】重合体(C)として好ましいものとして、
例えば、下記式(3)で示される構造単位および下記式
(4)で示される構造単位を有する共重合体である。
【0033】
【化8】
【0034】[ここで、R7は水素原子又はメチル基で
あり、R8はアルキル基又は式(5):
【0035】
【化9】
【0036】[式中、R9は水素原子、ハロゲン原子、
炭化水素基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アシ
ル基、カルボキシル基、スルホン基またはメルカプト基
を示し、R9が複数存在する場合にはそれらは同一でも
異なってもよく、mは1〜9の整数を示す]
【0037】
【化10】 [ここで、R10は、水素原子またはメチル基を示し、R
11は、水素原子または有機基を示す。]
【0038】式(3)で表される構造単位において、R
7は水素原子又はメチル基であり、R8はアルキル基又は
式(5)で表される有機基である。アルキル基として
は、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチ
ル基等である。
【0039】式(3)において、R7は、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭化水素基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロ
キシ基、フェニル基、 アシル基、カルボキシル基、ス
ルホン基またはメルカプト基を示す。炭化水素基として
は、例えば、アルキル基、アルケニル基およびアリール
基が挙げられる。アルキル基としては、炭素原子数1〜
6の直鎖状または炭素原子数3〜6の分岐状アルキル基
が好ましく、具体例としてメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等
が挙げられる。アルケニル基としては炭素原子数2〜6
のアルケニル基が好ましく、具体例としてビニル基、プ
ロペニル基、ブテニル基等が挙げられる。ハロゲン原子
としては、例えば、フッ素、塩素、臭素を好ましいものと
して挙げることができる。またアシル基としては、炭素
原子数1〜6の脂肪族または芳香族アシル基を好ましい
ものとして挙げることができ、具体的には、ホルミル
基、アセチル基、フェナシル基等が挙げられる。
【0040】上記式(3)で表される構造単位のうち、
8として式(5)で表される基を有する構造単位は、
下記式(6):
【0041】
【化11】
【0042】(ここでR7は式(3)で定義の通りであ
り、R9およびmは式(5)で定義の通りである)で表
される アントラセン核含有(メタ)アクリル酸エステル
モノマーに由来する。
【0043】一般式(6)で表されるアントラセン核含
有(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、下記式
(7):
【0044】
【化12】
【0045】(式中、R9およびmは前記の通り)で表
されるアントラセンメタノール化合物と(メタ)アクリル
酸クロライドとを塩基性化合物の存在下、有機溶剤中で
反応することにより得られる。塩基性化合物としては、
例えば、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられ、有
機溶媒としては例えば、後述する反射防止膜材料を溶解
しうる溶剤を使用することができ、好ましくは、プロピ
レングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。
【0046】式(6)のアントラセン核含有(メタ)ア
クリル酸エステルとしては、例えば、9−アントラセン
メタノール(メタ)アクリル酸エステル;1−メチル−9
−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、
2−メチル−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリ
ル酸エステル、1−エチル−9−アントラセンメタノー
ル(メタ)アクリル酸エステル、2−エチル−9−アント
ラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル等のアルキ
ル置換9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エ
ステル類;1−クロロ−9−アントラセンメタノール(メ
タ)アクリル酸エステル、2−クロロ−9−アントラセ
ンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、1−ブロモ−
9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステ
ル、2−ブロモ−9−アントラセンメタノール(メタ)ア
クリル酸エステル等のハロゲン置換9−アントラセンメ
タノール(メタ)アクリル酸エステル類;1−ニトロ−9
−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、
2-ニトロ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル
酸エステル等のニトロ置換9−アントラセンメタノール
(メタ)アクリル酸エステル類;1−アミノ−9−アント
ラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2−アミ
ノ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エス
テル等のアミノ置換9−アントラセンメタノール(メタ)
アクリル酸エステル類;1−ヒドロキシ−9−アントラ
センメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロ
キシ−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エ
ステル等のヒドロキシ置換9−アントラセンメタノール
(メタ)アクリル酸エステル類;1−アセチル−9−アン
トラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステル、2−ア
セチル−9−アントラセンメタノール(メタ)アクリル酸
エステル等のアシル置換9−アントラセンメタノール
(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
【0047】これらのモノマーは、反射防止膜の所望の
特性に応じて、1種単独でまたは2種類以上を混合して
使用することができる。これらの化合物のうち、9−ア
ントラセンメタノール(メタ)アクリル酸エステルが好ま
しく用いられる。
【0048】本発明に用いられる共重合体の別の必須の
構造単位は、一般式(4):
【0049】
【化13】 (式中、R10およびR11は前記の通り)で表されるもの
である。
【0050】R10は、水素原子あるいは有機基を示し、
有機基としては、たとえば、アルキル基等を挙げること
ができる。アルキル基としては、炭素原子数1〜6の直鎖
状または分岐状アルキル基が好ましいものとして挙げる
ことができ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を
例示することができる。
【0051】上記式(4)で表される構造単位は、下記
式(8):
【0052】
【化14】
【0053】(ここでR10およびR11は前記の通り)で
表される (メタ)アクリルアミド誘導体モノマーに由来
する。
【0054】該式(8)で表される(メタ)アクリルアミ
ド誘導体のうち、R11が水素原子であるものは、例え
ば、下記式(9):
【0055】
【化15】
【0056】(ここでR10は前記の通り)で表される(メ
タ)アクリルアミドとホルムアルデヒドおよび/または
パラホルムアルデヒドとを反応させることにより容易に
得られる。R11が前記の有機基であるものは、上記式
(9)で表わされる(メタ)アクリルアミドをR11に相
当する基を有するアルコールの存在下で、ホルムアルデ
ヒドおよび/またはパラホルムアルデヒドとを反応させ
ることによりにより得られる。
【0057】式(8)で表される(メタ)アクリルアミド
誘導体としては、例えばN−(ヒドロキシメチル)(メ
タ)アクリルアミド;N―(メトキシメチル)(メタ)
アクリルアミド、N―(エトキシメチル)(メタ)アク
リルアミド、N―(プロポキシメチル)(メタ)アクリ
ルアミド、N−(ブトキシメチル)(メタ)アクリルア
ミド等のN−(アルコキシメチル)(メタ)アクリルア
ミド等が挙げられる。これらの中で、N−ヒドロキシメ
チル(メタ)アクリルアミドおよびN―メトキシメチル
(メタ)アクリルアミドが好ましく用いられる。これら
の(メタ)アクリルアミド誘導体は、反射防止膜の所望の
特性に応じて、1種単独でまたは2種類以上を混合して
使用することができる。
【0058】重合体(C)は前記式(3)の構造単位お
よび式(4)の構造単位の他に、得られる組成物の塗布
性、得られる反射防止膜の耐熱性等を改良する目的で、
他の構造単位を含むことができる。
【0059】このような他の構造単位としては、不飽和
多重結合を有する他の単量体に由来する構造単位を挙げ
ることができる。このような単量体を前記一般式(6)
の化合物および一般式(8)の化合物とともに共重合に
供することにより、共重合体構造中に導入される。
【0060】このような不飽和単量体としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、0−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、0−ヒ
ドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒド
ロキシスチレン、0−アセトキシスチレン、、m−アセ
トキシスチレン、p−アセトキシスチレン、p−t−ブ
トキシスチレン等の置換スチレン系化合物;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル等のカルボ
ン酸ビニルエステル系化合物;(メタ)アクリロニトリ
ル、α−クロロアクリロニトリル等のシアン化ビニル化
合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)ア
クリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽
和カルボン酸エステル系化合物;エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ビニル、ジメチ
ルビニルメタクリロイルオキシメチルシラン等の不飽和
基含有不飽和カルボン酸エステル;
【0061】2−クロロエチルビニルエーテル、クロロ
酢酸ビニル、クロロ酢酸アリル等のハロゲン含有ビニル
系化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ビニル系化合
物;(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド等のア
ミド基含有ビニル系化合物;2−メタクロイルオキシエ
チルコハク酸、2−メタクロイルオキシエチルマレイン
酸等のカルボキシル基含有ビニル系化合物;1−ビニル
ナフタレン、2−ビニルナフタレン、9−ビニルアント
ラセン、9−ビニルカルバゾール等のビニルアリール系
化合物等が挙げられる。これらの不飽和単量体は、1種
単独でまたは2種以上を混合して使用することができ
る。
【0062】重合体(C)は、式(3)で表される構造
単位および式(4)で表される構造単位、並びに場合に
よってはさらに上記如きその他の不飽和単量体に由来す
る構造単位の合計を基準にして、式(3)の構造単位を
5〜90モル%含有することが好ましく、より好ましく
は10〜80モル%、更に好ましくは、20〜80モル
%含有する。一般式(4)の構造単位は、5〜80モル
%含有することが好ましく、より好ましくは、5〜70
モル%、更に好ましくは、10〜60モル%含有する。
その他の不飽和単量体に由来の構造単位が存在する場合
には、60モル%以下含有される。
【0063】該共重合体(C)のMwは、反射防止膜の
所望の特性に応じて適宜選択されるが、通常2,000
〜1,000,000、好ましくは、3,000〜70
0,000、特に好ましくは、5,000〜500,0
00である。
【0064】重合体(C)は、例えばラジカル重合、ア
ニオン重合、カチオン重合等の適宜の方法により、溶液
重合等の重合形態で製造することができる。
【0065】重合体(C)の本発明の組成物中における
配合量は、重合体(A)100重量部当り、通常、10
00重量部以下、好ましくは50〜500重量部、さら
に好ましくは50〜200重量部の範囲である。
【0066】溶剤 本発明の組成物には通常溶剤が配合される。用いられる
溶剤としては、上述及び後述する組成物の成分を溶解し
うる溶剤、例えばエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキ
ルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセ
テート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルア
セテート類;
【0067】ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレング
リコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ
ブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエ
ーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコー
ルモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノア
ルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエー
テル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピ
レングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコ
ールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアル
キルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノエテルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキ
ルエーテルアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳
酸nープロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、
乳酸n−イソブチル等の乳酸エステル類;
【0068】ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸n−プロピ
ル、ギ酸イソプロピル、ギ酸n−ブチル、ギ酸イソブチ
ル、ギ酸n−アミル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミ
ル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオ
ン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸
イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸
イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピ
ル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、酪酸イソブチ
ル等の脂肪族カルボン酸エステル類;ヒドロキシ酢酸エ
チル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチ
ル、3−メトキシ2−メチルプロピオン酸メチル、2−
ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチ
ル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メ
チル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシ
プロピオン酸エチル、3−メトキシプロピルアセテー
ト、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−
メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ
ブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチ
ルブチレート、アセト酢酸メチル、ピルビン酸メチル、
ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類;
【0069】メチルエチルケトン、メチルn−アミルケ
トン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2
−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シク
ロヘキサノン等のケトン類;N−メチルホルムアミド、
N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミ
ド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリ
ドン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類
等を適宜選択して使用する。これらのうち、好ましい溶
剤としては、エチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチ
ル、3−メトキシプロピオン酸メチル、メチルn−アミ
ルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等が挙げ
られる。これらの溶剤は、1種単独でまたは2種類以上
を混合して使用される。
【0070】溶剤の配合量は、得られる組成物の固形分
濃度が、通常0.01〜70重量%程度、好ましくは
0.05〜60重量%、さらに好ましくは0.1〜50
重量%となる範囲である。
【0071】その他の成分 本発明の組成物には、本発明の所望の効果を損なわない
限り、必要に応じてバインダー樹脂や各種添加剤を配合
することができる。
【0072】バインダー樹脂 バインダー樹脂としては、種々の合成樹脂を使用するこ
とができる。それらの例としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ1−ペンテン、ポリ
1−ヘキセン、ポリ1−ヘプテン、ポリ1−オクテン、
ポリ1−デセン、ポリ1−ドデセン、ポリ1−テトラデ
セン、ポリ1−ヘキサデセン、ポリ1−オクタデセン、
ポリビニルシクロアルカン等のα−オレフィン重合体;
ポリ−1,4−ペンタジエン、ポリ1,4−ヘキサジエ
ン、ポリ1,5−ヘキサジエン、ポリ1,7−オ−クロル
アクロレイン等のα、β−不飽和アルデヒド重合体類;
ポリメチルビニルケトン、ポリ芳香族ビニルケトン、ポ
リ環状ビニルケトン等のα、β−不飽和ケトン重合体
類;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸
の塩類、ポリ(メタ)アクリル酸のエステル、ポリ(メ
タ)アクリル酸のハロゲン化物等のα、β−不飽和酸誘
導体の重合体類;ポリ(メタ)アクリル酸無水物、ポリ
無水マレイン酸等のα、β−不飽和酸無水物の重合体
類;
【0073】ポリメチレンマロン酸ジエステル、ポリイ
タコン酸ジエステル等の不飽和多塩基酸エステル重合体
類;ポリソルビン酸エステル、ムコン酸エステル等のジ
オレフィン酸エステル重合体類;ポリアクリル酸チオエ
ステル、メタクリル酸チオエステル、α−クロルアクリ
ル酸チオエステル等のα、β−不飽和酸チオエステル重
合体類;ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリ
ル等のアクリロニトリル誘導体の重合体類;ポリアクリ
ルアミド、ポリメタクリルアミド等のアクリルアミド誘
導体の重合体類;スチリル金属化合物重合体類;ポリビ
ニルオキシ金属化合物類;ポリイミン類;ポリフェニレ
ンオキシド、ポリ1.3−ジオキソラン、ポリオキシラ
ン、ポリテトラヒドロフラン、ポリテトラヒドロピラン
等のポリエーテル類;ポリスルフィド類;ポリスルホン
アミド類;
【0074】ポリペプチド類;ナイロン66、ナイロン
1〜ナイロン12等のポリアミド類;脂肪族ポリエステ
ル、芳香族ポリエステル、脂環族ポリエステル、ポリ炭
酸エステル、アルキド樹脂等のポリエステル類;ポリ尿
素類;ポリスルホン類;ポリアジン類;ポリアミン類;
ポリ芳香族ケトン類;ポリイミド類;ポリベンゾイミダ
ゾール類;ポリベンゾオキサゾール類;ポリベンゾチア
ゾール類;ポリアミノトリアゾール類;ポリオキサジア
ゾール類;ポリピラゾール類;ポリテトラゾール類;ポ
リキノキサリン類;ポリトリアジン類;ポリベンゾオキ
サジノン類;ポリキノリン類;ポリアントラゾリン類等
が挙げられる。これらは一種単独で、あるいは2種類以
上を混合して使用できる。こうしたバインダー樹脂の配
合量は、重合体(A)100重量部当り、通常20重量
部以下、好ましくは10重量部以下である。
【0075】また、本発明に使用される樹脂としては、
レジストとのインターミキシングを防止するために、基
板塗布後、加熱により硬化されて溶剤に不溶となる熱硬
化性樹脂も好ましく用いられる。
【0076】これら熱硬化性樹脂としては、例えば、熱
硬化性アクリル系樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アミノ系樹脂、芳香族炭化水素樹脂、エポ
キシ樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。これらは一種
単独で、あるいは2種類以上を混合して使用できる。
【0077】他の添加剤 添加剤としては、例えば、放射線吸収剤、界面活性剤、
酸発生剤等を挙げることができる。
【0078】放射線吸収剤としては、各種の放射線吸収
性を有する化合物を使用することができ、例えば油溶性
染料、分散染料、塩基性染料、メチン系染料、ピラゾー
ル系染料、イミダゾール系染料、ヒドロキシアゾ系染料
等の染料;ビクシン誘導体、ノルビクシン、スチルベ
ン、4、4’−ジアミノスチルベン誘導体、クマリン誘
導体、ピラゾリン誘導体等の蛍光増白剤;ヒドロキシア
ゾ系染料、チヌビン234(チバガイギー社製)、チヌ
ビン1130(チバガイギー製)等の紫外線吸収剤;ア
ントラセン誘導体、アントラキノン誘導体等の芳香族化
合物等が挙げられる。これらの放射線吸収剤は一種単独
で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
放射線吸収剤の配合量は、反射防止膜形成組成物の固形
分100重量部当たり、通常、100重量部以下、好ま
しくは、50重量部以下である。
【0079】界面活性剤は、塗布性、ストリエーショ
ン、ぬれ性、現像性等を改良する作用を有するものであ
る。このような界面活性剤としては、例えばポリオキシ
エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレング
リコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステ
アレート等のノニオン系界面活性剤のほか、市販品とし
ては、例えばオルガノシロキサンポリマーである、KP
341(商品名、信越化学工業製)、(メタ)アクリル
酸系(共)重合体であるポリフローNo.75、同No.95(商
品名、共栄社油脂化学工業製)、エフトップEF101、同E
F204、同EF303、同EF352(商品名、トーケムプロダクツ
製)、メガファックF171、同F172、同F173(商品名、大
日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431、
同FC135、同FC93(商品名、住友スリーエム製)、アサ
ヒガードAG710、サーフロンS382、同SC101、同SC102、
同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(商品名、旭硝子
製)等が挙げられる。これらは一種単独でも二種以上組
合わせても使用することができる。界面活性剤の配合量
は、反射防止膜組成物の固形分100重量部当たり、通
常、15重量部以下、好ましくは、10重量部以下であ
る。
【0080】前記酸発生剤としては光酸発生剤および熱
酸発生剤を使用することができ、これらは併用すること
ができる。
【0081】光酸発生剤としては、例えばジフェニルヨ
ードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニ
ルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨード
ニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨー
ドニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、ビス
(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロ
メタンスルホネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)
ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4
―t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホ
ネート、ビス(4―t−ブチルフェニル)ヨードニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4―t−ブチル
フェニル)ヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホ
ネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタン
スルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレ
ンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオ
ロn−ブタンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベ
ンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、シク
ロヘキシルメチル(2―オキソシクロヘキシル)スルホ
ニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキ
シル(2―オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフ
ルオロメタンスルホネート、
【0082】ジメチル(2―オキソシクロヘキシル)ス
ルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニ
ルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフ
ェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4―ヒ
ドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエ
ンスルホネート、1−ナフチルジメチルスルホニウムト
リフルオロメタンスルホネート、1―ナフチルジエチル
スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―シ
アノー1―ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロ
メタンスルホネート、4―ニトロ−1―ナフチルジメチ
ルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―
メチル−1―ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオ
ロメタンスルホネート、4―シアノ−1―ナフチル−ジ
エチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
4―ニトロ−1―ナフチルジエチルスルホニウムトリフ
ルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチル
ジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネー
ト、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウ
ムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−
1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ
メタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテト
ラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネー
ト、4―エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェ
ニウムトリフルオロメタンスルホネート、4―メトキシ
メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムト
リフルオロメタンスルホネート、4―エトキシメトキシ
−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオ
ロメタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)
−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオ
ロメタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)
−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオ
ロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ
−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオ
ロメタンスルホネート、4−エトキシカルブニルオキシ
−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオ
ロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニル
オキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリ
フルオロメタンスルホネート、
【0083】4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1
−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメ
タンスルホネート、4−n−ブトキカルビニルオキシ−
1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ
メタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキ
シ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフル
オロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラ
ニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウ
ムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチ
オフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベ
ンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウ
ムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルア
セトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ
メタンスルホネート等のオニウム塩系光酸発生剤類;フ
ェニル-ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−
トリアジン等のハロゲン含有化合物系光酸発生剤類;
【0084】1,2−ナフトキノンジアジド−4−スル
ホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−
スルホニルクロリド、2,3,4,4‘−テトラベンゾ
フェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホ
ン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5
−スルホン酸エステル等のジアゾケトン化合物系光酸発
生剤類;4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェ
ナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等
のスルホン酸化合物系光酸発生剤類;ベンゾイントシレ
ート、ピロガロールのトリストリフルオロメタンスルホ
ネート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアント
ラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホ
ニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシンイミドト
リフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジ
カルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等の
スルホン酸化合物系光酸発生剤類等が挙げられる。これ
らは一種単独でも二種以上組合わせても使用することが
できる。
【0085】前記熱酸発生剤としては、例えば2,4,
4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイ
ントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、アルキ
ルスルホネート等が挙げられる。これらは一種単独でも
二種以上組合わせても使用することができる。
【0086】これらの酸発生剤の配合量は、反射防止膜
組成物の固形分100重量部当たり、通常、5000重
量部以下、好ましくは、0.1重量部以上1000重量
部以下である。
【0087】さらにその他の添加剤として保存安定剤、
消泡剤、接着助剤等を挙げることもできる。
【0088】組成物の使用法 本発明の組成物は、半導体基板上にレジストパターンを
形成する際に反射防止膜を形成するのに用いられる。具
体的には、例えば、次のように使用される。即ち、通
常、レジストパターン形成方法は、1)基板上に本発明
の反射防止膜形成組成物を基板上に塗布し、得られた塗
膜をベークして反射防止膜を形成する工程、2)該反射
防止膜上にレジスト組成物を塗布し、得られた塗膜をベ
ークしてレジスト膜を形成する工程、3)該レジスト膜
を露光用マスクを介して放射線に選択的に露光する工
程、4)露光したレジスト膜を現像する工程、及び5)
反射防止膜をエッチングする工程を含む。
【0089】第1工程で形成される反射防止膜の膜厚、
例えば100〜5000オングストロームであり、組成
物は例えば回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の方法に
より塗布される。次いで、ベークして反射防止膜組成物
を熱硬化させる。この際のベーク温度は、例えば90〜
350℃程度である。基板としては、例えばシリコンウ
エハー、アルミニウムで被覆したウエハー等が挙げられ
る。
【0090】第2工程では、該反射防止膜上に得られる
レジスト膜が所定の膜厚となるように塗布し、プレベー
クして得られた塗膜中の溶剤を揮発させてレジスト膜を
形成する。この際のプレベークの温度は、使用されるレ
ジストの種類等に応じて適宜調製される。通常、30〜
200℃程度、好ましくは、50〜150℃である。
【0091】レジストを反射防止膜上に塗布する際に
は、レジストを適当な溶液に固形分濃度が例えば5〜5
0重量%となるように溶解したのち、例えば孔径0、2
μm程度のフィルターでろ過して組成物溶液を調製し、
これを回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の方法により
反射防止膜上に塗布する。なお、この場合、市販のレジ
スト溶液をそのまま使用できる。
【0092】上で使用されるレジストとしては、例えば
アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからな
るポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と感放射
線性架橋剤とからなるネガ型レジスト組成物、感放射線
性酸発生剤を含有するポジ型またはネガ型の化学増幅型
レジスト組成物等を挙げることができる。
【0093】第3工程で露光に用いられる放射線として
は、使用するレジストの種類に応じて、可視光線、紫外
線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビ
ーム等から適切に選択される。これらの放射線のうち、
好ましいのは、遠赤外線であり、特に、KrFエキシマレ
ーザー(248nm)及びArFエキシマレーザー(19
3nm)が本願の組成物には好適に用いられる。
【0094】次いで第4工程で、露光後のレジストを現
像する。その後洗浄し、乾燥することにより、所望のレ
ジストパターンを得る。この工程中、解像度、パターン
形状、現像性等を向上させるため、露光後、現像前にに
ベーキングを行ってもよい。
【0095】最後に第5工程で、レジストパターンをマ
スクとして、酸素プラズマ等のガスプラズマを用いて反
射防止膜の乾式エッチングを行い、基板加工用のレジス
トパターンを得る。
【0096】この工程で使用される現像液としては、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニ
ア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチ
ルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロー
ル、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシ
クロ−[4.3.0]−5−ノナン等を溶解したアルカ
リ性水溶液を挙げることができる。また、これらの現像
液には、水溶性有機溶剤、例えばメタノール、エタノー
ル等のアルコール類、および界面活性剤を適量添加する
こともできる。
【0097】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に何ら制約
されるものではない。以下の説明において「部」は特記
しない限り「重量部」を意味する。以下の合成例におい
て、得られた樹脂のMwは、東ソー社製GPCカラム
(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本)
を用い、流量:1.0ml/分、溶出溶媒:テトラヒド
ロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポ
リスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマト
グラフ法(検出器:示差屈折計)により測定した。
【0098】以下の実施例及び比較例で使用したレジス
トは、KrF用ポジ型レジスト(商品名 KRF M20
G、ジェイエスアール(株)製)である。反射防止膜形
成組成物の性能評価は、下記の要領で行った。
【0099】○光学特性測定:8インチのシリコンウエ
ハー上に、反射防止膜形成組成物をスピンコートしたの
ち、ホットプレート上で200℃で1分間ベークして膜
厚0.1μmの反射防止膜を形成した。KLA-TENCOR社製分光
エリプソメータUV-1280Eを用いて、248nmにおける屈折
率(n値)および吸光度(k値)を測定した。
【0100】○膜厚評価:8インチのシリコンウエハー
上に、反射防止膜形成組成物を回転数を変えてスピンコ
ートしたのち、ホットプレート上で200℃で1分間ベ
ークして種々の膜厚の反射防止膜を形成した。その後、
該反射防止膜上にレジストを膜厚0.61μmのレジス
ト膜が得られるようにスピンコートしたのち、140℃
のホットプレート上で1分間ベークし、レジスト膜を形
成した。次いで、(株)ニコン製ステッパーNSR2005EX1
2B(波長248nm)を用いて、0.22μm幅のラインア
ンドスペースパターンを1対1の線幅で形成する露光時
間(以下「最適露光時間」という。)だけ露光を行っ
た。次いで、140℃のホットプレート上で、1.5分間
ベーキングを行ったのち、2.38重量%テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で30
秒間現像し、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形
成した。走査型電子顕微鏡を用いてレジストパターンの
膜厚方向断面形状(プロファイル)を観察し、良好な矩
形性を示したときに、下層の反射防止膜の膜厚が最適膜
厚であると判定した。
【0101】○インターミキシング防止効果:前記の膜
厚評価の場合と同様にして、反射防止膜およびレジスト
膜の形成、露光並びに現像を行った。反射防止膜は、前
記使用膜厚評価で得られた最適膜厚に形成した。レジス
ト膜の現像後に残った部分と反射防止膜との接点におけ
るレジスト膜の裾引きの程度を走査型電子顕微鏡を用い
て調べた。
【0102】○定在波防止効果:前記膜厚評価の場合と
同様にして、反射防止膜およびレジスト膜の形成、露光
並びに現像を行った。反射防止膜は、前記膜厚評価で得
られた最適膜厚に形成した。その後、レジスト膜への定
在波の影響の有無を走査型電子顕微鏡を用いて調べた。
【0103】合成例1(アセナフテン樹脂の合成) 温度計を備えたセパラブルフラスコに、アセナフテン7
5部、下記式(10)で表されるメチロール誘導体50
部、p―トルエンスルホン酸1水和物6部、およびパラ
ホルムアルデヒド50部を、トルエン97部とジオキサ
ン65部とからなる混合溶媒に溶解し、120℃で6時
間攪拌した。得られた反応溶液を多量のイソプロパノー
ル中に投入し、沈殿した樹脂をろ過により採取した。4
0℃で減圧乾燥し、アセナフテン樹脂を得た。得られた
樹脂は、Mw1500(ポリスチレン換算)で、1H−
NMRの結果から、アセナフテンと式(10)に示され
るフェノール化合物の残基が6:4(重量比)であり、
下記式(11)で表される構造を有する共重合体が確認
された。
【0104】
【化16】
【0105】
【化17】
【0106】合成例2(モノマーの合成) 温度計を備えたセパラブルフラスコに、9−アントラセ
ンメタノール80部、トリエチルアミン55部、および
ジオキサン500部を加え、10℃以下に冷却し、塩化
メタクリロイル58部を徐々に滴下し、10℃以下で2
0時間攪拌した。その後、フラスコの内容物を水中に投
入し、1000部の酢酸エチルを加えて抽出を行ったの
ち、溶剤を減圧除去した。こうして得られた固体を、n
−ヘキサン−プロピレングリコールモノメチルエーテル
(2:1)中で再結晶し、下記式(12)の化学構造式
で示される9−アントラセンメタノールメタクリル酸エ
ステルモノマーを得た。
【0107】
【化18】
【0108】合成例3 温度計を備えたセパラブルフラスコに、合成例2で合成
したモノマー41部、N−(ブトキシメチル)アクリル
アミド18部、アゾビスイソブチロニトリル1部および
シクロヘキサノン160部を仕込み、窒素を内容物にバ
ブリングしながら80℃で8時間攪拌した。その後、フ
ラスコ内容物をイソプロパノールに投入して樹脂を析出
させた。析出した樹脂を真空乾燥器にて40℃で一晩乾
燥した(得られた樹脂を「アクリル樹脂A」という)。
アクリル樹脂Aは、Mw12,000(ポリスチレン換
算)で、1H−NMRの結果から、9−アントラセンメ
タノールメタクリル酸エステルおよびN−(ブトキシメ
チル)アクリルアミドが1:1(モル比)で共重合した
構造であることが確認された。
【0109】合成例4 N−(ブトキシメチル)アクリルアミド18部の代わり
にN−(メトキシメチル)アクリルアミド13部を使用
した以外は、合成例3と同様にして、 Mw12、00
0(ポリスチレン換算)のアクリル樹脂(以下、「アク
リル樹脂B」という)を得た。アクリル樹脂Bは1H−
NMRの結果から、9−アントラセンメタノールメタク
リル酸エステルおよびN−(メトキシメチル)アクリル
アミドが1:1(モル比)で共重合した構造であること
が確認された。
【0110】合成例5 N−(ブトキシメチル)アクリルアミド18部の代わり
にN−(エトキシメチル)アクリルアミド14.5部を使用
した以外は、合成例3と同様にして、 Mw12,00
0(ポリスチレン換算)のアクリル樹脂(以下、アクリ
ル樹脂Cという)を得た。アクリル樹脂Cは、1H−N
MRの結果から、9−アントラセンメタノールメタクリ
ル酸エステルおよびN−(エトキシメチル)アクリルア
ミドが1:1(モル比)で共重合した構造であることが
確認された。
【0111】実施例1 合成例1で調製したアセナフテン樹脂3部およびビス(4
-t-ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネー
ト0.15部を、2―ヘプタノン97部に溶解し、得ら
れた溶液を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ
過し、反射防止膜形成組成物を調製した。次いで、得ら
れた組成物について、前記のようにして性能評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。
【0112】実施例2〜4 合成例1で得られたアセナフテン樹脂1.5部、合成例
2、3又は4で得られたアクリル樹脂1.5部、および
ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースル
ホネート0.15部を、2―ヘプタノン97部に溶解
し、得られた溶液を孔径0.2μmのメンブランフィル
ターでろ過し、反射防止膜形成組成物を調製した。次い
で、得られた各組成物について、前記のようにして性能
評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0113】実施例5 合成例1で得られたアセナフテン樹脂1.5部、グリコー
ルウリル系硬化剤(商品名:ニカラックN―2702、
(株)三和ケミカル社製) 1.5部、およびビス(4-t-ブ
チルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート
0.15部を、2―ヘプタノン97部に溶解し、得られ
た溶液を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過
し、反射防止膜形成組成物を調製した。得られた組成物
について、前記のようにして性能評価を行った。評価結
果を表1に示す。
【0114】比較例1〜3 アセナフテン樹脂を添加しなかった以外はそれぞれ実施
例2〜4と同様にして反射防止膜形成組成物を調製し、
性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】
【発明の効果】本発明の反射防止膜形成組成物を用いて
形成される反射防止膜は、好ましい放射線とされる K
rFエキシマレーザー光に対して高い吸光度を有すると
ともに代表的なレジスト層と同等の屈折率を有するの
で、反射防止膜として機能的に極めて優れている。ま
た、この反射防止膜は、薄膜でも反射防止効果が高く、
解像度及び精度等に優れたレジストパターンの形成に大
きく貢献するものである。したがって、この組成物は、
特に高集積度の集積回路の製造に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/11 503 G03F 7/11 503 // C08G 10/00 C08G 10/00 C08L 33/06 C08L 33/06 33/24 33/24 (72)発明者 大田 芳久 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 岩永 伸一郎 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA02 AB16 AC08 CB41 DA34 4F071 AA33 AA35 AA69 AH12 BB02 BC01 4J002 BG04X BG05X BG13X CC183 CC193 CD003 CE00W ER006 FD143 FD146 GP03 4J033 DA01 DA02 DA12 4J038 CG142 DA101 EA011 EA012 KA03 KA06 NA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で示される二価の基を有
    する重合体および溶剤を含有することを特徴とする反射
    防止膜形成組成物。 【化1】 [ここで、R1は一価の原子又は基であり、nは0〜4
    の整数であり、ただし、nが2〜4のときには複数のR
    1は同一でも異なっていてもよい。R2〜R5は独立にヒ
    ドロキシ基あるいは一価の原子もしくは基である。]
  2. 【請求項2】 さらに、硬化剤を含有することを特徴と
    する請求項1記載の反射防止膜形成組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、フィルム形成能を有する重合体
    を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の反
    射防止膜形成組成物。
  4. 【請求項4】 前記フィルム形成能を有する重合体が、
    下記式(3)で示される構造単位および下記式(4)で
    示される構造単位を有する共重合体を含有することを特
    徴とする請求項1記載の反射防止膜形成組成物。 【化2】 [ここで、R7は水素原子又はメチル基であり、R8はア
    ルキル基又は式(5): 【化3】 [式中、R9は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、
    ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、 アシル基、カル
    ボキシル基、スルホン基またはメルカプト基を示し、R
    9が複数存在する場合にはそれらは同一でも異なっても
    よく、 mは1〜9の整数を示す] 【化4】 [ここで、R10は、水素原子またはメチル基を示し、R
    11は、水素原子または有機基を示す。]
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