JP2000140890A - 廃水処理における不溶化アルミニウム化合物の低減方法ならびに装置 - Google Patents

廃水処理における不溶化アルミニウム化合物の低減方法ならびに装置

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JP2000140890A JP10319374A JP31937498A JP2000140890A JP 2000140890 A JP2000140890 A JP 2000140890A JP 10319374 A JP10319374 A JP 10319374A JP 31937498 A JP31937498 A JP 31937498A JP 2000140890 A JP2000140890 A JP 2000140890A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素含有廃水処理で発生するアルミニウム
化合物を含有するスラッジの処理において、アルカリ不
溶化合物の生成を抑え、再利用できるアルミニウムの回
収率を上げる方法ならびに装置を提供する。 【解決手段】 前記スラッジのアルミニウム溶出工程の
前に該スラッジに含まれるイオン性カルシウムの当量以
上の炭酸塩を該スラッジに投入することと、該スラッジ
のpHを8以上9.5以下に調整して反応させることと、
該スラッジからアルミニウムを溶出する工程における、
該スラッジのpHを10以上12.5以下に調整すること
を特徴としたアルミニウム化合物の回収方法、および該
方法を含む廃水処理方法。ならびに前記各手段を備えた
アルミニウム化合物の回収装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃水処理に利用さ
れたアルミニウム系凝集剤の再生方法に関し、特にフッ
素や燐を含有する廃水の処理に使用されたアルミニウム
系凝集剤を対象として、回収されたアルミニウム化合物
を含有するスラッジより、アルミニウム成分を溶解させ
て不溶成分と溶解性分を分離し、溶解したアルミニウム
成分を再度廃水処理の凝集剤として利用する分野におけ
る不溶性アルミニウム化合物を低減して回収率を上げる
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4を用いてフッ素廃水の処理技術につ
いて説明する。
【0003】フッ素廃水の処理方法として図4に示すC
aF2生成工程、Al(OH)3生成工程および固液分離工程
で構成さた技術が知られている。即ち、CaF2生成工程
は、フッ素廃水にCaを加えてFイオンとCaイオンを反
応させて固体のCaF2にする工程であり、Fイオン濃度
として約10ppm程度まで処理される。フッ素含有廃水
が燐含有廃水である場合も、同様にCaを加えて燐とカ
ルシウムの塩を生成させて除去することが知られてい
る。
【0004】次にAl(OH)3生成工程では、前記CaF2
として除去しきれなかった残留Fイオンを取り除くため
に、廃水にアルミニウム水溶液(例えば硫酸アルミニウ
ム(硫酸礬土)やポリ塩化アルミニウム溶液)を添加し
て、pH6〜8程度にして水酸化アルミニウムの固体を
生成させて、この固体にFイオンを吸着させて除去する
ものである。
【0005】この場合、添加するアルミニウムの量は廃
水中に含まれるFイオン濃度や処理したい濃度によって
適宜決定されるが、通常はアルミニウム濃度として数十
ppm程度であり、これより少なく添加した場合は、Fイ
オンを吸着除去する目的よりは、生成したCaF2の凝集
を助け沈降性を向上させることが主たる目的である。
【0006】また、廃水に燐酸イオンが含まれている場
合は、Fイオンのみならず燐酸イオンもまた水酸化アル
ミニウムの固体に吸着して除去される。
【0007】固液分離工程では、生成したCaF2、Al
(OH)3*F(フッ素を吸着した水酸化アルミニウム、Al
(OH)(3-m)m)と水分を分離し、分離された水は放流
し、固体(スラッジ)は通常廃棄物として回収される。
尚、図4ではCaF2生成工程とAl(OH)3生成工程を別
々に示しているが、この工程を同時に行ってもかまわな
い。
【0008】従って、上記フッ素処理工程で廃棄される
スラッジは、CaF2やAl(OH)3*Fを主成分とするも
のであり、この中からアルミニウム成分を回収して再度
利用する技術として特開平1-107890号公報や特
開平10-5769号公報が知られている。
【0009】図3を用いて、スラッジからアルミニウム
成分を回収し再度利用する方法を説明する。
【0010】アルミニウム成分を回収する方法は図3に
示すように、フッ素処理工程とスラッジのアルミニウム
を回収するアルミニウム回収工程、および回収したアル
ミニウム水溶液をフッ素処理工程に再度利用する工程に
より構成されている。
【0011】フッ素処理工程は、前記図4に示した工程
と同じであり、アルミニウム回収工程は、図6に示すよ
うに、少なくともアルミニウム溶解工程、固液分離工程
で構成される。
【0012】アルミニウム回収工程について、図6を用
いて説明する。
【0013】アルミニウム溶解工程とは、特開平1-1
07890号公報によればスラッジに水酸化ナトリウム
を加えてpHを7以上好ましくは9以上にして水溶性ア
ルミニウムを生成させる工程であり、特開平10-576
9号公報によれば、スラッジに水酸化ナトリウムを加
え、pHを10以上にすることとされている。そして固液
分離工程において溶解したアルミニウム成分(以下アル
ミニウム水溶液と称す)と溶解しなかったスラッジを分
離し、アルミニウム水溶液をフッ素処理工程で利用する
ものである。
【0014】アルミニウム回収工程において、スラッジ
中にイオン性カルシウムが含まれていると、アルミニウ
ムとカルシウムが結合し、アルカリにしても溶解しない
物質、例えばCaAl24{またはCa(Al(OH)4)2}など
が生成するため、再利用できる水溶性アルミニウムの量
が低減してしまう。このため、アルカリで溶解する前に
カルシウムイオンを除去する必要があり、特開平10-5
769号公報では、図6に示すように、アルミニウム溶
解工程の前に炭酸処理工程を導入し、アルカリにする前
に炭酸塩を好ましくは炭酸水素ナトリウムをスラッジに
添加しイオン性のカルシウムをCaCO3として固体化し
除去する工夫がなされている。
【0015】また、同じく特開平10-5769号公報で
は回収するアルミニウムよりフッ素を除去するために、
図6に示したスラッジ濃縮工程やカルシウム処理工程を
付加している。
【0016】即ち、スラッジ濃縮工程は、スラッジの水
分を取り除く目的で行われ、これ以降のカルシウム処理
工程、炭酸処理工程、アルミニウム溶解工程での薬剤投
入量の削減と、カルシウム処理工程でのCaF2の生成効
率をあげることに寄与するものである。
【0017】またカルシウム処理工程は、スラッジに吸
着しているFイオンをカルシウムと反応させてCaF2
して脱着し、固体化させるために行われ、スラッジの水
分が少ないほど効率的に行われる。なぜなら、スラッジ
に吸着しているFイオンが水溶液に脱着した場合、水分
の量が少ないほどFイオン濃度は大きくなり、カルシウ
ムとの反応が効率的に行われるからである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、炭酸イオンは
pHにより解離状態が変化する物質であり、CaCO3
効率よく生成させるためには、pHをアルカリ側にする
必要がある。一方、pHをアルカリ側にすると、カルシ
ウムイオンは炭酸イオンとの反応だけでなく、アルミン
酸イオン{AlO2 -または(Al(OH)4)-}との反応も進行
してしまい、アルカリにしても溶解しないCaAl24
生成する。このため、沈殿スラッジに炭酸塩を添加して
pHを10以上にするという従来の炭酸処理操作では、ア
ルミニウムの不溶化を防ぐことはできないため、再利用
できるアルミニウムの回収率が小さいものであった。
【0019】本発明の目的は、アルミニウム化合物を含
有するスラッジをアルカリで溶解する際、不溶性のアル
ミニウムを低減させて、再利用するアルミニウムの回収
率を増加させることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、フッ素
および/または燐の除去を目的としたシステムにおいて
用いられる、アルミニウム化合物の回収方法であって、
アルミニウム化合物を主成分とし、カルシウム、および
フッ素および/または燐を含有するスラッジを処理して
アルミニウム成分を溶解させる工程と、不溶成分と溶解
成分を分離する工程とを有する、アルミニウム化合物の
回収方法において、アルミニウム溶出工程の前に該スラ
ッジに含まれるイオン性カルシウムの当量以上の炭酸塩
を該スラッジに投入することと、該スラッジのpHを8
以上9.5以下に調整して反応させることと、該スラッ
ジからアルミニウムを溶出する工程における、該スラッ
ジのpHを10以上12.5以下に調整することを特徴とし
たアルミニウム化合物の回収方法であり、また該アルミ
ニウム化合物回収方法を含む、廃水からのフッ素および
/または燐除去方法である。
【0021】さらに、フッ素および/または燐の除去を
目的とした装置におけるアルミニウム化合物の回収装置
であって、アルミニウム化合物を主成分とし、カルシウ
ム、およびフッ素または燐を含有するスラッジを導入す
る手段と、該スラッジを処理してアルミニウム成分を溶
解させる手段と、不溶成分と溶解成分を分離する手段
と、溶解したアルミニウム成分を含む溶液を送り出す手
段を有するアルミニウム化合物の回収装置において、ア
ルミニウム溶出の前に該スラッジに含まれるイオン性カ
ルシウムの当量以上の炭酸塩を該スラッジに投入する手
段と、該スラッジのpHを8以上9.5以下に調整して反
応させる手段と、該スラッジからアルミニウムを溶出す
る際に該スラッジのpHを10以上12.5以下に調整する
手段を有することを特徴としたアルミニウム化合物の回
収装置、ならびに該アルミニウム化合物回収装置を含
む、廃水からのフッ素および/または燐除去装置であ
る。
【0022】〔作用〕以下、前記効果をもたらすための
本発明の作用について説明する。
【0023】まず、炭酸イオンは次の解離平衡をするこ
とが知られている。
【0024】 HCO3 -=H++CO3 2- (1) この解離平衡定数K1はpK1=-log(K1)=10.3である
ので、カルシウムイオンと次の反応を行うCO3 2-イオ
ンはpHが10.3以上になると支配的に存在する。
【0025】 Ca2++CO3 2-→CaCO3 (2) (1)と(2)の反応をまとめれば Ca2++HCO3 -→H++CaCO3 (3) と示される。
【0026】一方、水酸化アルミニウムとアルミン酸の
解離平衡は次式が知られている。
【0027】 Al(OH)3+OH-=Al(OH)4 - (pK2=10:K2は平衡定数)(4) この解離平衡定数K2はpK2=11.2(出典:化学便覧)で
あるので、Caイオンと次の反応を行うAl(OH)4 -イオ
ンはpHが11以上になると支配的に存在することにな
る。
【0028】 Ca2++2Al(OH)4 -→CaAl24+4H2O (5) (4)と(5)の反応をまとめれば Ca2++2Al(OH)3+2OH-→CaAl24+4H2O (6) と示される。
【0029】従って、平衡論的には、カルシウムイオン
がCaCO3として沈殿する条件であるpH10程度以上に
おいては、反応(3)のみならず、(6)も同時に進行し、
CaAl24の沈殿を多量に随伴すると考えられ、アルミ
ニウムのかなりの部分がカルシウム化合物となって不溶
化されてしまうと思われる。
【0030】一方、pHが10より小さい領域では、CO
3 2-イオンやAl(OH)4 -イオンの存在は支配的ではない
ものの、平衡論的に見合った量は常に存在しており、し
たがって反応(2)および(5)は前記強アルカリ領域より
はかなり遅いものの、たしかに進行する。ここで、両反
応は競合的であり、初期における沈殿形成速度は反応速
度定数に依存する。沈殿反応が進行するとCO3 2-やAl
(OH)4 -が消費されるため、平衡を保つため再び(1)や
(4)の反応により消費された分だけCO3 2-やAl(OH)
4 -が供給されるが、この供給反応速度にも差があり、沈
殿反応の速度にも影響を与える。このようにpHが10よ
り小さい領域でも反応速度は小さいが(3)や(6)の反応
が進行することになるが、これら(3)および(6)の反応
にはH+やOH-が介在し、pHを制御することで反応速
度を制御することが可能である。
【0031】実際のアルミニウムを主成分としたスラッ
ジには、一次処理で分離しきれなかった燐-カルシウム-
フッ素を含む微細な固体やアルミニウム固体が吸着した
燐酸も含まれるため、カルシウム-燐-フッ素の複数の平
衡関係が複雑に絡んでくる。
【0032】ここで、本発明のpH範囲、たとえば8以
上9.5以下に保持すると、 反応(3)の速度>反応(6)の速度 を保つことができ、カルシウムの生成物は CaCO3生成物量>CaAl24生成物量 となる。
【0033】このように、pHを本発明の範囲、たとえ
ば8以上9.5以下で炭酸塩をスラッジに添加すれば、
不溶性アルミニウム化合物であるCaAl24の生成を抑
えながらカルシウムをCaCO3として固定することが可
能となり、この工程のあとでアルカリを更に添加してp
Hを10以上12.5以下にすれば、カルシウムイオンは
既にCaCO3として固体状になっているので、(5)の反
応を進行させることなく、(4)の反応が進行しアルミン
酸イオンとしてアルミニウムをスラッジより回収するこ
とができるようになる。
【0034】またこのときに添加する炭酸塩として、ア
ルカリ性である炭酸ナトリウムを用いることで、スラッ
ジのpHは水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加する
ことなく、本発明に用いられる好適なpH、たとえば8
以上9.5以下に調整することが可能となるだけでな
く、炭酸ナトリウムの水への溶解度は炭酸水素ナトリウ
ムの水への溶解度より大きいため、添加する薬液の濃度
を大きくすることができ、従って、薬液タンクを小さく
することができたり、配管などに炭酸塩が析出しにくく
なり配管の閉塞なども防止することが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】〔構成の説明〕次に、本発明の実
施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0036】図3を参照すると、本発明の実施の形態
は、フッ素を処理する工程とアルミニウム回収工程、お
よび回収したアルミニウム水溶液を再度フッ素処理工程
に利用する3つの工程により構成されている。更にフッ
素処理工程は、図4に示したCaF2生成工程、Al(O
H)3生成工程および固液分離工程で構成される。またア
ルミニウム回収工程は、図1に示すように、少なくとの
アルミニウム不溶化工程、アルミニウム溶解工程および
固液分離工程で構成され、アルミニウム不溶化工程と
は、図2に示す炭酸添加工程、pH調整工程、反応工程
で構成される。
【0037】尚、図1のアルミニウム回収工程には、回
収するアルミニウムよりフッ素を除去するためにスラッ
ジ濃縮工程やカルシウム処理工程を付加しているが、必
ず必要というわけではない。即ちスラッジ濃縮工程と
は、スラッジの水分取り除く目的で行われ、これ以降の
カルシウム処理工程、アルミニウム不溶化工程、アルミ
ニウム溶解工程での薬剤投入量の削減とカルシウム処理
工程でのCaF2生成効率をあげることに寄与するもので
ある。
【0038】またカルシウム処理工程とは、スラッジに
吸着しているFイオンをカルシウムと反応させてCaF2
として脱着し固体化させるために行われ、スラッジの水
分が少ないほど効率的に行われる。なぜなら、スラッジ
に吸着しているFイオンが水溶液に脱着した場合、水分
の量が少ないほどFイオン濃度は大きくなり、カルシウ
ムとの反応が効率的に行われるからである。
【0039】〔動作の説明〕フッ素処理工程の動作を図
4を用いて説明する。
【0040】CaF2生成工程は、フッ素廃水にCaを加
えてFイオンとCaイオンを反応させて固体のCaF2
する工程(以下フッ素1次処理と称す)であり、Fイオン
濃度として約10ppm程度まで処理される。
【0041】Al(OH)3生成工程(以下フッ素2次処理
と称す)は、前記CaF2として除去しきれなかった残留
Fイオンを取り除くために、廃水にアルミニウム回収工
程より供給されたアルミニウム水溶液と、補充分のアル
ミニウム水溶液(例えば硫酸礬土やポリ塩化アルミニウ
ム溶液)を添加して、pH6〜8程度にして水酸化アルミ
ニウムの固体を生成させて、この固体にFイオンを吸着
させて除去するものである。このときの補充分のアルミ
ニウム水溶液は、アルミニウム回収工程で回収できなか
ったアルミニウム量を補充する量程度であればよい。
【0042】固液分離工程では、生成したCaF2、Al
(OH)3*F(フッ素を吸着した水酸化アルミニウム)と水
分を分離する。分離された水は放流し、固体(スラッジ)
はアルミニウム回収工程に供給される。尚、図4ではC
aF2生成工程とAl(OH)3*F生成工程を別々に示して
いるが、この工程を同時に行ってもかまわない。
【0043】また図5の様に、CaF2生成工程とAl(O
H)3*F生成工程の間に固液分離工程を設けて、1次処理
工程のスラッジ、2次処理工程のスラッジを別々に排出
してもかまわないが、この場合、アルミニウム回収工程
に供給されるスラッジは、2次処理より排出されたスラ
ッジである。またこの場合、1次処理で生成したCaF2
の凝集沈降性を向上させる目的で、少量のアルミニウム
化合物を添加することが多いが、後述するアルミニウム
回収工程で発生するスラッジを利用することも可能であ
る。
【0044】次にアルミニウム回収工程の動作について
図1を用いて説明する。
【0045】スラッジ濃縮工程では、フッ素処理工程よ
り供給されたスラッジの濃度をあげる目的で行われる
が、必ず必要なわけではない。スラッジの濃度をあげる
(スラッジに含まれる水分を除去する)ことの効果として
は、これ以降のカルシウム処理工程、アルミニウム不溶
化工程、アルミニウム溶解工程での薬剤投入量の削減
と、カルシウム処理工程でのCaF2生成効率をあげるこ
とに寄与するものである。例えばスラッジに含まれる水
分(以下スラッジ含水率と称す)99%を濃縮工程で95
%まで除去すれば、スラッジの体積は1/5、水分は19/
99に削減され、薬品の添加量を約1/5にできるもので
ある。
【0046】また、FとCaの反応は、FやCaの濃度が
大きい程反応は速くなることが知られているが、Caの
濃度を上げることは、反応後に残留するカルシウム量も
多くなることから、後述するCaとAlの不溶性化合物が
生成するという点では、Caを添加することは得策では
なく、F濃度を上げた方が良い。
【0047】前述のスラッジ含水率を99%から95%
にすればフッ素の濃度(=スラッジに含まれるフッ素量/
スラッジの体積)を5倍にするものであり、反応速度が
速くなるため、CaF2生成効率が向上する。また、Ca
2を生成してFを除去する場合、生成したCaF2の水
への溶解のため、Fは約10ppm程度までしか除去され
ない。もし濃縮前のF濃度が100ppm、濃縮後のF濃
度が500ppmであったとするなら、濃縮をしない場合
のFの除去率は [除去前後の濃度差]/[除去前の濃度]=(100−10)/1
00=90% であるのに対し、濃縮をする場合のFの除去率は [除去前後の濃度差]/[除去前の濃度]=(500−10)/
500=98%となる。
【0048】カルシウム処理工程では、スラッジに含ま
れるFをCaF2として除去するためにCa化合物を添加
する。この場合、添加量は、スラッジに含まれるFの当
量以上であれば良いが、スラッジにはフッ素処理工程で
添加した余剰または未反応のCaイオンが数百ppm程度
残留していることが多く、不足分を補充する程度が望ま
しい。この処理後スラッジはアルミニウム不溶化工程に
供給される。
【0049】アルミニウム不溶化工程を更に詳しく示し
た図2を用いて説明する。
【0050】まず炭酸添加工程では、スラッジに含まれ
るイオン性カルシウムの当量以上の炭酸塩をスラッジに
投入する。炭酸塩としてNaHCO3を加えた場合は、ス
ラッジのpHはほぼフッ素処理工程から排出されたpHの
6〜8の範囲となっており、投入した炭酸のスラッジ内
での形態は、イオン性カルシウムとは反応しないHCO
3 -となっている。
【0051】一方、炭酸塩としてNa2CO3を加えた場
合、スラッジのpHはアルカリ側に変動するが、pHが8
〜9.5内におさまる添加量であればNa2CO3の方が好
ましい。なぜなら、次工程のpH調整工程でのNaOHの
添加量を削減、場合によっては省くことが可能となるだ
けでなく、NaHCO3の水への溶解度は10%であるの
に対して、Na2CO3は30%であり、薬液の濃度を大
きくすることができる(即ち薬液タンクを小さくするこ
とができる)、配管などに析出しにくい、等の点で有利
になるためである。
【0052】次に、このスラッジはpH調整工程で、Na
OHなどのアルカリを添加して、pHを8以上9.5以下
に調整される。このpH範囲では炭酸イオンのほとんど
はイオン性カルシウムとは反応しないHCO3 -となって
いるものの、一部はカルシウムイオンと反応するCO3
2-として存在するため、このpH範囲でスラッジを保持
すればカルシウムイオンをCaCO3として固体化するこ
とが可能となる。
【0053】次に、スラッジは一部存在するCO3 2-
カルシウムイオンとCaCO3の反応を行わせるための反
応工程へ送られる。この工程はpHを8以上9.5以下に
調整されスラッジを熟成させる目的で行われ、好ましく
は30分以上充分な攪拌を行っている反応槽で行われる
ことが望ましい。尚、上記炭酸添加工程、pH調整工程
および反応工程は、別々の反応槽で行っても、同じ反応
槽で行ってもかまわない。
【0054】以上の炭酸添加工程、pH調整工程および
反応工程からなるアルミニウム不溶化工程の後、スラッ
ジは図1に示したアルミニウム溶解工程に送られ、Na
OHなどのアルカリを添加して、pHを10以上12.5以
下にする。より好ましくは10以上であり、11以下で
ある。pHを12.5以上にすることは、極端にアルカリ
および再度中和するのに要する酸の消費が拡大すること
と、スラッジに有機物が混入している場合、ケン化反応
などが促進され、発泡するという問題が生じることがあ
り、あまり好ましいとはいえない。これにより、スラッ
ジに含まれるアルミニウムはアルミン酸イオン{AlO2 -
またはAl(OH)4 -}として溶解する。
【0055】図7は、(回収アルミニウム溶液/供給スラ
ッジ)=溶液回収率と、反応時間の関係を示した図であ
る。具体的には、フッ素含有廃水に利用したスラッジ
(含水率96%、アルミニウム濃度120000ppm、
フッ素濃度2300ppm、カルシウムイオン濃度500
ppm)に、炭酸ナトリウムをカルシウムイオンの0.5〜
3倍当量を添加し、pHを9に調整した後、図7に示す
反応時間攪拌しながら熟成させ、所定時間後にpHを12
に調整してアルミニウム成分を溶解させ、次にこの溶液
を30分間静置して、固体と液体に分離し、全体積に対
する液体の比率を溶液回収率として求めた図である。
(なお、この実験では原料廃水ならびにスラッジは有機
物をほとんど含まないため、pHを上限近くまで上げ
た)。
【0056】図7より、約1時間以上の熟成を行わせれ
ば、ほぼ溶液回収率は一定になること、また炭酸の添加
量が、カルシウムイオンの1倍当量以上であれば溶液回
収率にあまり差がないことが判明する。また上記スラッ
ジを、一連のアルミニウム不溶化工程を行わずそのまま
pHを12にして溶解工程を行った場合、溶液回収率は
0.05以下で、実質的には固液分離ができない状態で
あった。
【0057】図8と図9は、フッ素含有廃水に利用した
スラッジ(含水率98%、アルミニウム濃度12000p
pm、フッ素濃度2300ppm、カルシウムイオン濃度
500ppm)に炭酸水素ナトリウムを、カルシウムイオ
ンの2倍当量および6倍当量を添加し、pHを6〜10に
調整した後、攪拌しながら熟成させ、1.5時間後にpH
を12に調整してアルミニウム成分を溶解させ、次にこ
の溶液を30分間静置して、固体と液体に分離し、全体
積に対する液体の比率を溶液回収率として求めた図8
と、溶液に含まれるアルミニウム濃度(回収アルミニウ
ム溶液のアルミニウム濃度)を分析し、 {回収アルミニウム溶液のアルミニウム濃度/供給した
スラッジのアルミニウム濃度(12000ppm)}=濃度
回収率 として求めた図9である。
【0058】図8より、炭酸を添加して調整するpH(以
下炭酸処理pHと称す)が本発明の8〜9.5の範囲で
は、溶液回収率は比較的大きい値となるが、それ以外の
範囲では小さい。また図9より、濃度回収率では、炭酸
処理pHが7〜9.5の範囲で大きいが、それ以外では小
さくなる。回収されるアルミニウムは、この溶液回収率
と濃度回収率の積になるが、これらの結果から、本発明
の炭酸処理のpHとしては8〜9.5で回収されるアルミ
ニウム量が大きいことになり好ましい。より好ましく
は、8.5以上であり、また、9.2以下である。
【0059】例えば、炭酸処理pHが9の場合、回収率
は [溶液回収率0.65]*[濃度回収率0.85]=0.55 であるのに対し、炭酸処理pHが7.5の場合の回収率
は、 [溶液回収率0.25]*[濃度回収率0.8]=0.2 であり、炭酸処理pHが10の場合には、回収率は [溶液回収率0.4]*[濃度回収率0.7]=0.28 となり小さい。
【0060】アルミニウム溶解工程の後、スラッジに含
まれる固体成分CaF2、CaCO3と水溶液成分AlO2 -
または(Al(OH)4)-は、次の固液分離工程で分離さ
れ、分離された水溶液はフッ素処理工程に利用される。
また固体成分はそのまま廃棄物として回収されるか、図
5のように、フッ素処理工程が1次処理と2次処理が別
々になっている場合は、1次処理工程に再度供給するこ
とが望ましい。
【0061】なぜなら、このスラッジはCaF2、CaC
3などを主成分とし、1次処理でのCaF2を形成する反
応をなんら妨害しないだけでなく、むしろこれら微細な
固体が核となってCaF2生成反応を促すこと、および、
スラッジに含まれる水分はアルミニウム成分を含んでい
るため、CaF2などの固体成分の凝集性を促すためであ
る。
【0062】
【実施例】〔実施例の構成の説明〕図10および図11
に本発明の不溶性アルミニウム化合物の低減方法を用い
たフッ素廃水の処理実施例を示した。図10は、図5に
示したフッ素処理を1次処理と2次処理に分けた工程に
対応しており、図11は図1のアルミニウム回収工程に
対応した実施例である。
【0063】図10のフッ素処理実施例において、Ca
(OH)2スラリー溶液(図では単にCaと記した)を添加す
る反応槽110、硫酸礬土(図では単にAlと記した)およ
びpHを調整するためNaOHまたはH2SO4(図では単
にpH調整剤と記した)を添加する反応槽150、高分子
凝集剤を添加する凝集槽155および生成した固体と1次
処理水を分離する沈降分離槽160と、回収アルミニウ
ム溶液、補充のための硫酸礬土(図では単にAl補給と記
した)およびpHを調整するためH2SO4(図では単にpH
調整剤と記した)を添加する反応槽210、高分子凝集剤
を添加する凝集槽250および生成した固体と処理水を
分離する沈降分離槽260で構成されている。
【0064】また図11のアルミニウム回収処理は、供
給されたスラッジのスラリー濃度を高める濃縮槽31
0、CaCl2溶液(図では単にCaと記した)を添加する反
応槽320、炭酸塩としてNa2CO3溶液(図では単に炭
酸塩と記した)およびNaOH(図では単にpH調整剤と記
した)を添加する反応槽330、さらにNaOHを添加す
る反応槽340、高分子凝集剤を添加する凝集槽350
および生成した固体と回収アルミニウム溶液を分離する
沈降分離槽360で構成されている。
【0065】〔実施例の動作の説明〕フッ素を数十ppm
以上含まれるフッ素廃水は反応槽110に供給される。
ここに、Ca(OH)2スラリー溶液を約フッ素の2倍当量
〜3倍当量を添加することで、フッ素は固体のCaF2
なり水溶液にはフッ素が10〜30ppm程度まで低減す
ることができる。また後述するスラッジCをこの反応槽
に添加することで、スラッジの水分に含まれるAl成分
が生成したCaF2の凝集剤として働き、またスラッジに
含まれる微細な固体成分がCaF2を形成する核としての
作用をする。
【0066】次にこれら溶液は反応槽150に送られ、
ここで硫酸礬土とのNaOHが添加される。硫酸礬土
は、フッ素を更に排除する目的(2次処理としての目的)
で添加するのではなく、生成したCaF2の凝集を行わせ
るために添加するので、ここではAl濃度として数ppm
になる程度であればよい。
【0067】Al成分を凝集剤として働く水酸化アルミ
ニウムにするには、溶液のpHを6〜8程度にする必要
があり、硫酸礬土を多く入れている場合は、酸性側にな
るのでNaOHを、スラッジCが多く流入している場合
は、アルカリ側になるのでH2SO4を添加してpHの調
整が行われる。次に、この溶液(固体と溶液の混在した
状態)は、更に凝集沈降性を向上させるため、凝集槽15
5で高分子凝集剤を添加した後、沈降分離槽160で固
体と液体に分離される。
【0068】分離された1次処理水には、フッ素が10〜
30ppm程度含まれており、更に処理するために反応槽
210へ送られる。一方固体として分離されたスラッジ
Aは、CaF2が主成分であり廃棄物として処理される。
【0069】反応槽210では、回収アルミニウム溶液
と補給分の硫酸礬土を添加する。補給量はアルミニウム
回収工程で消失する量であり、先に示した回収率が0.
55である場合、反応槽210内のAl濃度を仮に100p
pmになるような運転をしている場合は(反応槽210内
のAlの濃度として100ppm程度以上でないと、Fの吸
着処理即ちF濃度として10ppm以下にする処理がなさ
れない)、そのうち45ppm分を補給Al量で補うことに
なる。また、スラッジBの引き抜くアルミニウムの回収
速度、即ち回収アルミニウム溶液の供給速度は、反応槽
210内Alの濃度が補給分以外の55ppmを満足するよ
うに決定される。
【0070】また回収アルミニウム溶液は、pHが10以
上の高アルカリであり、水酸化アルミニウムを形成する
pHを6〜8に調整するためH2SO4が添加される。こ
の段階で、残留していたFは、水酸化アルミニウムに吸
着し、処理水のF濃度は、5ppm程度まで低減されてい
る。この後、生成した水酸化アルミニウムの凝集沈降性
を向上させるため、凝集槽250で高分子凝集剤が加え
られ、次に沈降分離槽260で固体と液体に分離され
る。
【0071】分離された処理水はフッ素が5ppm程度ま
で処理されており、この後必要なら後処理を行い放流さ
れる。一方固体として分離されたスラッジBは、フッ素
を吸着した水酸化アルミニウムが主成分であるが、1次
処理でCaを添加しているため、カルシウムイオンも数
百ppm残留している。このスラッジBは、濃縮槽310
に送られる。尚、アルミニウム回収処理として濃縮工程
やカルシウム処理工程を含まない、図13に示した実施
例の場合は、反応槽330に送っても良い。
【0072】濃縮槽310でスラッジの水分を取り除
き、この水分(上澄液)にはFが5ppm程度しか含まれて
いないが、固体成分もある程度含まれているため、1次
処理工程の反応槽110または2次処理工程の反応槽21
0へ送られる。濃縮されたスラッジの濃度は、スラッジ
の初期濃度や沈降性、濃縮槽の規模、移送ポンプの能力
にもよるが、約5%程度であればよい。
【0073】次の反応槽330では、CaCl2溶液が加
えられる。加える量は、反応槽330のCa濃度がスラ
ッジに含まれるFの当量程度になるようにする。即ち、
供給されたスラッジに含まれるカルシウムイオンが50
0ppmでフッ素イオンが2000ppm相当吸着されてい
るなら、添加するカルシウムは1500ppm程度になる
よう調整される。カルシウムがFの当量程度存在する
と、吸着していたフッ素イオンはCaF2になり脱着され
る。尚、カルシウムを補給しない場合であっても、残留
しているカルシウムと吸着しているフッ素イオンは反応
するため、一部のフッ素イオンをCaF2にして脱着する
ことが可能である。
【0074】次に反応槽330では、未反応のカルシウ
ムイオン、例えば上記全カルシウムイオンを2000pp
mになるよう調整した場合、約300〜500ppmが残
留する。このため、炭酸ナトリウム溶液を、残留したカ
ルシウム量の当量程度添加し、更にpHを8以上9.5以
下、より好ましくは8.5以上9.2以下になるようにN
aOH溶液を添加する。そして、この反応槽に滞留して
いる時間でカルシウムイオンを炭酸カルシウムに反応さ
せるため、反応槽330の大きさは、少なくとも滞留時
間が1時間以上になることが望ましい。
【0075】次に反応槽340でNaOHを加えてpHを
10以上12.5以下、できれば10以上11以下にしてア
ルミニウム成分を溶解させる。このとき、スラッジに内
に含まれるCaCO3やCaF2はこのpHでは溶解しな
い。次にこれら溶液は凝集槽350で高分子凝集剤を添
加した後、沈降分離槽360で未溶解のCaCO3やCa
2(スラッジC)と、溶解したアルミニウム溶液に分離
される。スラッジCは反応槽110に戻されるが、スラ
ッジAとともに廃棄してもかまわない。また回収したア
ルミニウム溶液は、再度反応槽210へ戻される。
【0076】〔発明の他の実施形態にかかる実施例〕図
12はフッ素処理として1次処理のスラッジおよび2次処
理のスラッジを別々に回収しない、図4に示す工程の実
施例である。また、図13は図1に示すアルミニウム回
収工程でスラッジ濃縮工程およびカルシウム処理工程を
省いた場合の実施例である。
【0077】図12の実施例の場合、スラッジABに含
まれる固体成分は、フッ素を吸着した水酸化アルミニウ
ムのみならず、前述のスラッジBにはあまり含まれてい
ないCaF2や反応しきれなかったCa(OH)2などが含ま
れており、前述のスラッジBよりCaイオン源が含まれ
ている。従って、特にカルシウム処理工程を持たなくと
も、残留しているCa(OH)2を利用して、水酸化アルミ
ニウムに吸着しているフッ素を脱着してCaF2に変換す
ることができる。またスラッジDには、フッ素処理工程
から送られたCaF2などの不溶成分の比率が多くなって
いるため、フッ素処理工程には戻さずそのまま廃棄され
る。
【0078】あるいは次のような運転も考えられる。即
ち、スラッジABの一部は廃棄し、他方は反応槽330
に供給する。また、これによって発生したスラッジDは
全量反応槽110に戻す。この際廃棄するスラッジAB
量は、アルミニウム回収工程で発生する不溶固体成分の
比率で決まってくるが、簡易的には沈降分離槽360の
固体/液体の界面が一定の深さを保つように調整すれば
よい。
【0079】
【発明の効果】第1の効果は、再利用できるアルミニウ
ムの量が増えることである。
【0080】その理由は、本発明のアルミニウム不溶化
方法を用いることで、アルミニウムと結合して再利用で
きないCaAl24の生成を抑えることができることと、
これら不溶性の固体成分の比率が多くなれば、スラッジ
に含まれる水分も増えるため、アルミニウム回収工程で
発生した不溶性固体を廃棄する場合は、この固体と一緒
に水分としてアルミニウム成分が排出されてしまうため
である。
【0081】第2の効果は、フッ素処理で発生する汚泥
の量を削減することである。
【0082】その理由は、廃棄されていたアルミニウム
の一部を繰り返し利用しているためであり、既に説明し
たように、例えば炭酸処理pHが9の場合、回収率は、 [溶液回収率0.65]*[濃度回収率0.85]=0.55 であるのに対し、炭酸処理pHが7.5の場合の回収率
は、 [溶液回収率0.25]*[濃度回収率0.8]=0.2 であり、炭酸処理pHが10の場合の回収率は、 [溶液回収率0.4]*[濃度回収率0.7]=0.28 となる。従って、スラッジのアルミニウムを全く再利用
しない場合より、本発明のアルミニウム不溶化方法を用
いてアルミニウムを回収再利用すれば、汚泥量は45%
削減できる。これは、従来のアルミニウム回収方法より
更に半分の汚泥発生量となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるアルミニウムの回収工程を示す
図である。
【図2】本発明におけるアルミニウム不溶化工程を示す
図である。
【図3】本発明でも用いられる、公知のアルミニウム成
分を回収し再度利用するシステムフローを示す図であ
る。
【図4】本発明でも用いられる、公知のフッ素処理工程
の動作を示す図である。
【図5】本発明におけるフッ素処理工程の他の動作を示
す図である。
【図6】本発明でも用いられる、公知のアルミニウム回
収工程を示す図である。
【図7】本発明における溶液回収率と反応時間の関係を
示した図である。
【図8】本発明における溶液回収率と炭酸処理pHの関
係を示した図である。
【図9】本発明における濃度回収率と炭酸処理pHの関
係を示した図である。
【図10】本発明におけるフッ素処理の一実施形態を示
す図である。
【図11】本発明におけるアルミニウム回収処理の一実
施形態を示す図である。
【図12】本発明におけるフッ素処理の他の実施形態を
示す図である。
【図13】本発明におけるアルミニウム回収処理の他の
実施形態を示す図である。
【符号の説明】
110、150、210、320、330、340:反
応槽 155、250、350 :凝
集槽 160、260、360 :沈
降分離槽 310 :濃
縮槽
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月8日(1999.10.
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】フッ素廃水の処理方法として図4に示すC
aF2生成工程、Al(OH)3生成工程および固液分離
工程で構成さた技術が知られている。即ち、CaF2
成工程は、フッ素廃水にCaを加えてFイオンとCaイ
オンを反応させて固体のCaF2にする工程であり、F
イオン濃度として約10ppm程度まで処理される。フ
ッ素含有廃水の他に燐含有廃水に対しても、フッ素廃水
同様の工程でCaを加えて燐とカルシウムの塩を生成
させて除去することが知られている。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素および/または燐の除去を目的と
    したシステムにおいて用いられる、アルミニウム化合物
    の回収方法であって、アルミニウム化合物を主成分と
    し、カルシウム、およびフッ素および/または燐を含有
    するスラッジを処理してアルミニウム成分を溶解させる
    工程と、不溶成分と溶解成分を分離する工程とを有す
    る、アルミニウム化合物の回収方法において、アルミニ
    ウム溶出工程の前に該スラッジに含まれるイオン性カル
    シウムの当量以上の炭酸塩を該スラッジに投入すること
    と、該スラッジのpHを8以上9.5以下に調整して反応
    させることと、該スラッジからアルミニウムを溶出する
    工程における、該スラッジのpHを10以上12.5以下
    に調整することを特徴としたアルミニウム化合物の回収
    方法。
  2. 【請求項2】 前記スラッジが少なくともフッ素を含有
    することを特徴とする、請求項1に記載の回収方法。
  3. 【請求項3】 前記炭酸塩に炭酸ナトリウムを用いる請
    求項1または2記載の回収方法。
  4. 【請求項4】 前記スラッジが、フッ素および/または
    燐を含む廃水をpH6〜8で処理することで形成された
    ものであることを特徴とする、請求項1ないし3のいず
    れか1項に記載の回収方法。
  5. 【請求項5】 前記スラッジが、前記炭酸塩の投入前に
    濃縮されることを特徴とする、請求項1ないし4のいず
    れか1項に記載の回収方法。
  6. 【請求項6】 請求項1および3ないし5のいずれか1
    項に記載のアルミニウム化合物回収方法を含む、廃水か
    らのフッ素および/または燐除去方法。
  7. 【請求項7】 前記廃水が少なくともフッ素を含有する
    ことを特徴とする、請求項6に記載のフッ素および/ま
    たは燐除去方法。
  8. 【請求項8】 前記イオン除去方法において、廃水に添
    加するカルシウムが、上流側で該イオン除去のため添加
    および/または補充されるカルシウム塩と、下流工程か
    ら回収され上流の該カルシウム添加工程に戻されるスラ
    ッジの一部からのみ供給されることを特徴とする、請求
    項7に記載のフッ素および/または燐除去方法。
  9. 【請求項9】 フッ素および/または燐の除去を目的と
    した装置におけるアルミニウム化合物の回収装置であっ
    て、アルミニウム化合物を主成分とし、カルシウム、お
    よびフッ素および/または燐を含有するスラッジを導入
    する手段と、該スラッジを処理してアルミニウム成分を
    溶解させる手段と、不溶成分と溶解成分を分離する手段
    と、溶解したアルミニウム成分を含む溶液を送り出す手
    段を有する、アルミニウム化合物の回収装置において、
    アルミニウム溶出の前に該スラッジに含まれるイオン性
    カルシウムの当量以上の炭酸塩を該スラッジに投入する
    手段と、該スラッジのpHを8以上9.5以下に調整して
    反応させる手段と、該スラッジからアルミニウムを溶出
    する際に該スラッジのpHを10以上12.5以下に調整
    する手段を有することを特徴としたアルミニウム化合物
    の回収装置。
  10. 【請求項10】 前記回収装置がスラッジの濃縮手段を
    有することを特徴とする、請求項9に記載のアルミニウ
    ム化合物の回収装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載のアルミニ
    ウム化合物回収装置を含む、廃水からのフッ素および/
    または燐除去装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102557367A (zh) * 2012-02-02 2012-07-11 南京大学 一种铝盐混凝污泥的资源化及安全处置方法
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