JP2000139376A - 調理米飯の炊飯方法及びバラ状凍結調理米飯の製造方法並びにバラ状凍結調理米飯 - Google Patents

調理米飯の炊飯方法及びバラ状凍結調理米飯の製造方法並びにバラ状凍結調理米飯

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JP2000139376A
JP2000139376A JP10319042A JP31904298A JP2000139376A JP 2000139376 A JP2000139376 A JP 2000139376A JP 10319042 A JP10319042 A JP 10319042A JP 31904298 A JP31904298 A JP 31904298A JP 2000139376 A JP2000139376 A JP 2000139376A
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water
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Teruo Kobayashi
輝夫 小林
Osamu Yoshida
修 吉田
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KOMEKKU KK
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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KOMEKKU KK
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理米飯としての好ましい風味や食味を有し
ながら、バラ状に凍結することも容易に行うことができ
る調理米飯を効率よく炊飯するとともに、これをバラ状
に凍結させることにより、解凍後の風味や食味に優れた
バラ状凍結調理米飯を得る。 【解決手段】 米を水に浸漬した後、この浸漬米を蒸気
で蒸し上げて澱粉をα化し、次いで、この蒸し上げられ
た米を調味料等の添加物と共に釜に入れて調理米飯を炊
き上げ、さらにバラ状に凍結させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調理米飯の炊飯方
法及びバラ状凍結調理米飯の製造方法並びにバラ状凍結
調理米飯に関し、詳しくは、ピラフ,炒飯,和風炊き込
みご飯等の調理米飯、特に、バラ状に凍結させるのに適
した調理米飯を効率よく炊飯し、これをバラ状に凍結さ
せることによって喫食事の風味や食感に優れたバラ状凍
結調理米飯を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ピラフ,炒飯,和風炊き込みご飯等の調
理米飯を凍結処理した冷凍食品が広く流通している。こ
のような冷凍食品は、米飯に肉や野菜等の各種具材及び
調味料を添加混合した調理米飯をバラ状に凍結処理した
ものであるが、調理米飯を得るための一般的な炊飯方法
としては、釜炊飯と蒸気炊飯との二通りが広く行われて
いる。
【0003】釜炊飯による調理米飯の製造は、洗米工程
を終えた精白米を水に浸して水分を吸収させる浸漬工程
と、浸漬工程を終えた米(浸漬米)と所定量の炊飯水と
調味料や具材とを釜内に投入して加熱,焼き,蒸らしの
三段階で炊飯する炊飯工程(釜炊飯工程)と、炊飯後に
必要に応じて調味野菜等を加えて混合する仕上げ工程と
により行われる。
【0004】また、蒸気炊飯による調理米飯の製造は、
通常、浸漬及び蒸し上げを二段階に分けて行っており、
浸漬工程(一次浸漬工程)を終えた浸漬米を蒸し上げる
一次蒸米工程と、一次蒸米工程を終えた米を再度水に浸
漬する二次浸漬工程と、二次浸漬工程を終えた米を再度
蒸し上げる二次蒸米工程と、二次蒸米工程で炊き上がっ
た米(白飯)に、各種調味料,調理野菜,調理肉等を添
加混合する仕上げ工程とにより行われる。
【0005】上述のようにして得られた調理米飯を、バ
ラ状凍結装置で凍結(冷凍)処理(IQF:individual
quick freezing)することにより、米飯粒や具材をバ
ラ状に凍結させたバラ状凍結調理米飯、すなわち、冷凍
ピラフや冷凍炒飯等が得られる。
【0006】この米飯の凍結処理方法としては、大きく
分類すると次の三通りの方法が知られている。なお、冷
凍と凍結とは同義語として用いる。まず、一つ目の方法
は、米飯類を冷媒ガス(低温空気あるいは低温ガス等)
の気流で流動させ、飯粒をバラバラに踊らせながら冷凍
する方法であり、二つ目は、薄く広げた米飯を冷媒ガス
又は液化ガスで凍結した後にクラッシャー等でバラバラ
に崩す方法であり、三つ目は、米飯類をほぐし機等でほ
ぐしながら冷媒ガス又は粉状ドライアイスを用いてバラ
バラに凍結する方法である。
【0007】実際には、これらを組合わせた方法が一般
的に採用されているが、いずれにおいても、飯粒を一粒
一粒バラバラに凍結するためには、飯粒の表面の粘りを
抑える必要がある。粘りを抑える方法としては、油脂等
を飯粒表面にコーテイングする方法や、過剰の水で飯粒
表面の粘りを取去る方法があるが、後者の場合は、飯粒
表面の調味料等までも取去るので、調理米飯には不向き
であり、前者の方法が一般的に多く用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に食される調理米
飯(炊き込みご飯)における味付けや風味付けは、従来
から、釜に浸漬米と調味料等と炊飯水とを加えて炊き上
げるいわゆる「炊き込み」によって得られるが、この方
法は、得られた米飯における米粒表面の粘りが多いの
で、バラ状に凍結するものには適していなかった。一
方、蒸気炊飯によって得られる米飯は、表面の粘りが少
なくバラ状凍結には適してはいるが、炊飯時に調味料等
と同時に炊く「炊き込み」ができず、調理米飯には適さ
ないものであった。
【0009】すなわち、釜炊飯は、その炊飯工程におけ
る加熱,焼き,蒸らしの三段階で、釜炊飯独特の炊き込
みや焼きによる風味付けが行われ、調理米飯としての優
れた風味や味覚が得られるという利点は有しているが、
工業的な生産やバラ状凍結に対しては、次のような欠点
がある。
【0010】まず、釜炊飯においては、その炊飯工程中
に、米粒表面側から吸水と加熱とが同時に進行し、米粒
の表面側から澱粉のα化と膨潤とが一斉に始まるので、
米粒表面が急激に糊化し、このため、米粒中心部への水
の侵入経路が狭くなって米粒中心部へ水分が浸透しにく
くなり、炊き上がった飯粒の表面と中心部とでの硬さに
差が生じやすいという問題があるため、工程管理に注意
が必要であり、また、米粒中心部への水の進入経路が狭
くなるため、米粒中心部が溶け出し、炊き上げられた飯
がべたついた食感になるとともに、そのべたつきがバラ
凍結を阻害する問題があった。
【0011】さらに、硬めの食感を有した飯を炊くため
に炊飯水の量を減らすと、米粒中心部に浸透する水の量
がますます減少して中心部が十分にα化しきれない状
態、いわゆる芯が残った飯になり易いという問題もあ
る。一方、砕米や未熟米は、粒が小さいので正常米より
早く膨潤して糊化するため、砕米や未熟米等を含む低級
米を使用した場合、飯全体の粘度が高くなりすぎて食感
を悪くしてしまう。
【0012】これらの現象は、調理米飯を得るために調
味料等で炊き込む場合は一層顕著に現れる。これは、調
味料である塩類や香辛料又は油脂類等が米粒への吸水を
阻害するためであって、米粒中心部が十分に膨潤するた
めの時間が、より長く必要とされるためである。
【0013】加えて、古米や古古米のように糠臭の強い
米を使用した場合には、洗米作業を十分に行っても炊き
上がりの飯に異臭が残り、風味が損なわれる不満があっ
た。
【0014】一方の蒸気炊飯は、工業的なバラ状凍結米
飯の製造には適しているが、調理米飯については、その
炊飯工程で前述の炊き込みや焼きが行われないため、調
理米飯としての風味や味覚が十分に得られないという問
題があった。
【0015】すなわち、蒸気炊飯においては、一次蒸米
工程で少ない水分のうちに予め米粒をα化しておくた
め、米粒の中心部への水の進入経路を塞ぐことがなく、
米粒の吸水経路が開いたまま二次浸漬で吸水膨潤だけを
行うため、米粒中心部まで十分な膨潤ができるととも
に、米粒表面が過剰に膨潤することを防げるので、歩留
まりや食感が良く、表面のべたつきが少なく、バラ状に
凍結し易い飯を得ることができる。
【0016】しかしながら、蒸気炊飯においては、上述
のように、調理米飯に不可欠な味付け方法である「炊き
込み」操作ができない欠点がある。蒸気炊飯では、二次
浸漬工程で調味料等を溶かした湯又は水によって、釜の
炊き込みと同様の味付けが可能と思われるが、可溶性の
調味料である塩等においても、二次浸漬時の米は選択的
に水のみを吸水しようとするため、規定量の塩分を付着
させることが困難であることに加え、連続的な炊飯にお
いては、二次浸漬水の塩分濃度が濃くなっていく(選択
的に水のみが吸水消費される)ため、飯の塩分調整がで
きない問題がある。
【0017】また、不溶性の調味料、特に香辛料は、二
次浸漬水の中で漂う形で存在し、米が二次浸漬工程を通
過する間に偶然付着した調味料のみで味が決定されるた
め、定量的な味付けができない。したがって、通常の調
理は、蒸気炊飯によって一旦白飯を炊き上げた後、この
白飯に調味料等を加えて味付けを行わざるを得なかっ
た。しかしながら、この場合でも、調味料が飯粒表面に
付着しているだけになってしまうため、釜炊飯での炊き
込みのように、飯粒表面の膨潤した澱粉と調味料とがお
互いに混ざり合うことで得られる味の深みや丸みを得る
ことはできなかった。
【0018】例えば、和風の味付けの代表である醤油の
炊き込みご飯のように、釜で炊き込んだときには、その
焼きの段階で醤油が適度に焦げて特有の香ばしい香りが
ご飯全体に付着することにより、風味の良い炊き込みご
飯を得ることができるが、蒸気炊飯では、この焼きの段
階がないため、前記香ばしい香りを発生させることはで
きなかった。
【0019】そこで本発明は、調理米飯としての好まし
い風味や食味を有しながら、バラ状に凍結することも容
易に行うことができ、しかも、生産性にも優れた調理米
飯の炊飯方法及びバラ状凍結調理米飯の製造方法を提供
するとともに、解凍後の風味や食味に優れたバラ状凍結
調理米飯を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の調理米飯の炊飯方法は、水に浸漬した米を
蒸気で蒸し上げて澱粉をα化する蒸米工程と、該蒸米工
程を終えた米を調味料等の添加物と共に釜に入れて炊き
上げる釜炊飯工程とを行うことを特徴としている。
【0021】また、本発明のバラ状凍結調理米飯の製造
方法は、水に浸漬した米を蒸気で蒸し上げて澱粉をα化
する蒸米工程と、該蒸米工程を終えた米を調味料等の添
加物と共に釜に入れて炊き上げる釜炊飯工程と、釜炊飯
工程で炊き上げられた調理米飯をバラ状に凍結するバラ
状凍結工程とを行うことを特徴としている。
【0022】さらに、本発明のバラ状凍結調理米飯は、
水に浸漬した米を蒸気で蒸し上げて澱粉をα化し、次い
で、調味料等の添加物と共に釜で炊き上げた後、バラ状
に凍結したことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の調理米飯の炊飯
方法及びバラ状凍結調理米飯の製造方法の一形態例を示
すフローチャートであって、調理米飯を炊飯してバラ状
凍結調理米飯を得るまでの工程を示している。
【0024】まず、精白米1は、計量工程2で計量され
た後、常法による洗米工程3と浸漬工程4とが行われ
る。原料となる精白米1は、特に限定されるものではな
く、一般に流通しているものを任意に選択して使用する
ことができる。また、洗米工程3も周知の方法で行うこ
とができ、手作業で洗米してもよく、適宜な洗米機を使
用して行うこともできる。浸漬工程4は、常温の水に米
を30〜120分間浸漬しておけばよく、通常の方法で
行うことができる。
【0025】浸漬工程4を終えた米は、次に蒸米工程5
に入り、高温の蒸気により加熱されて米粒中の澱粉をα
化する処理が行われる。蒸米工程5は、連続式あるいは
バッチ式のいずれでも行うことができ、このとき用いる
蒸気の温度は、通常の蒸気炊飯と同じ程度でよく、時間
は、澱粉のα化を行える程度とすればよいが、蒸気の温
度は90〜100℃程度が適当であり、蒸米時間は、蒸
気の温度によっても異なるが、10〜30分程度が適当
である。
【0026】この蒸米工程5では、外部から米粒中に水
分がほとんど吸収されずにα化が進行するので、米粒が
膨張することはなく、蒸し上げられた米は、米粒中心部
への吸水経路が開放された状態に保たれている。また、
この蒸米工程5では、水蒸気蒸留の原理、すなわち、沸
点の高い油類も、水蒸気の存在下で沸点よりも低い温度
で留出させることができる、という原理により、油類の
酸化によって生じる古米や古古米の糠臭を除去すること
もできる。
【0027】このようにして蒸米工程5で蒸し上げられ
た米は、計量工程6で計量された後、炊飯釜に投入され
て炊飯用の湯及び添加物と混合され、次の釜炊飯工程7
に送られる。ここで混合される湯及び添加物は、それぞ
れ別の工程で、水11を加熱工程12で所定温度に加熱
して計量工程13で計量したものと、醤油,塩,胡椒等
の調味料や、肉等の具材、ラード等の調味油、さらには
各種香辛料やコンソメ等、調理米飯の具材や味付けを行
うための調味料等からなる添加物21を計量工程22で
計量したものとを、混合工程14で十分に混合したも
の、いわゆる調味液である。
【0028】このとき、湯に代えて水を用いることもで
きるが、湯の方が釜炊飯工程7の時間短縮が図れるとと
もに、調味料等を十分に溶かし混むことができるので、
適当な温度、例えば70〜90℃程度の湯を用いること
が好ましい。また、添加物21の内容は、目的とする調
理米飯の種類に応じて任意に選択することができるが、
具材は、米と同時に炊き上げることが好ましい食材、例
えば、肉類,魚介類や芋,栗,茸等は、この時点で混合
して炊き込むことが好ましく、葱等の香味野菜や卵等は
後の工程で添加混合することが好ましい。
【0029】釜炊飯工程7は、上述のように混合した
米、添加物を炊飯水(湯)の中で加熱する蒸煮段階7a
と、炊飯水が全て米に吸収された後の加熱による焼き段
階7bと、加熱を停止した蒸らし段階7cとの3段階で
行われる。蒸煮段階7aは、蓋をした釜をガス等の適当
な加熱手段で加熱する段階であって、蒸し上げられた米
粒が湯(水)と共に加熱されると、開放された状態の吸
水経路から水分が急速に米粒内に浸透し、米粒全体に均
一に行き渡ることになる。
【0030】また、米粒の内部まで水が急速に浸透する
ことにより、釜炊飯工程7で加える炊飯水の量を減らし
ても、米粒全体に水分を十分にかつ均一に行き渡らせる
ことができるので、芯がなく、硬い飯を容易に得ること
ができる。さらに、砕米や未熟米であっても、正常米と
ほとんど同時に吸水膨潤させることができるので、これ
らを含む低級米を使用しても食感を悪化させることがな
くなる。
【0031】しかも、調味料等を加えて炊き込んだ場
合、通常の釜炊飯では、吸水を阻害する調味料等の影響
で米粒表面のみが過剰に糊化し、表面がべたついた飯に
なることがあるが、水分が米粒中心部に急速に浸透する
ので、吸水を阻害する調味料等の影響を受けにくく、米
粒の表面と中心部とにおける水分が均一の調理米飯を得
ることができる。
【0032】すなわち、通常の釜炊飯では、大量の塩や
大量の香辛料と共に炊き込むと、特に硬めの食感を有す
る飯を得ようとする場合は、調味料等の影響で吸水が阻
害されるため、米粒中心部へ十分な水分が浸透せず、芯
の残った状態(飯が炊けない状態)になってしまうが、
あらかじめ蒸米工程5で蒸し上げた米を用いることによ
り、開放状態の吸水経路から急速に水分が米粒中心部に
浸透するので、従来は得ることができなかった好ましい
食感や風味を有する調理米飯を得ることができる。
【0033】この蒸煮段階7aは、釜内の炊飯水がほと
んど無くなるまで行われ、次の焼き段階7bに進む。こ
の焼き段階7bは、蒸煮段階7aを終了後に加熱力を弱
めて釜内面部分の米を焦がす段階であって、この焼き段
階7bを行うことにより、釜炊飯特有の香ばしい香りを
米飯に付着させることができる。
【0034】次の蒸らし段階7cは、通常の釜炊飯と同
様にして行われるものであって、火を止め、蓋を取らず
に所定温度以上、通常は95℃以上に保った状態で所定
時間以上、例えば15分以上保持する段階であり、この
蒸らし段階7cを行うことにより、釜内の米飯全体の均
質性を高めることができる。
【0035】上述のような蒸米工程5及び3段階からな
る釜炊飯工程7を経て炊き上げられた調理米飯は、飯粒
中心まで良く膨潤しており、中心部と表面部とは同等の
硬さで、表面のべたつきも少なく、さらに、古米等を使
用しても糠臭が残ることはなく、釜炊き特有の香ばしさ
を有するものとなる。
【0036】また、先に蒸米工程5を行って米粒中の澱
粉をあらかじめα化させているので、蒸煮段階7a,焼
き段階7b,蒸らし段階7cからなる釜炊飯工程7の時
間を、従来の釜炊飯に比べて半分以下の時間に短縮する
ことができる。したがって、蒸米工程5で用いる蒸米機
等を含めた設備全体の大きさを、従来の連続式炊飯機よ
り大幅に小型化することができる。さらに、蒸米工程5
でボイラーで発生させた蒸気を用い、釜炊飯工程7で必
要な湯(炊飯水)も温水器で容易に供給できるため、通
常の釜炊飯のような熱交換率の低い装置に比べて少ない
エネルギーで炊飯することが可能となる。
【0037】次に、得られた調理米飯は、計量工程8で
計量された後、必要に応じて調理野菜や他の添加物31
が計量工程32で計量されて混合され、所定の具材が混
合し、所定の味付けを施された調理米飯となる。
【0038】さらに、この調理米飯を凍結させてバラ状
凍結調理米飯とする場合は、ドライアイス41等の適当
な寒剤を計量工程42で計量して調理米飯に混合し、ほ
ぐしながら撹拌する凍結工程9を行うことにより、バラ
状に凍結させることができる。この凍結工程9において
は、釜炊飯工程7で炊き上げられた米飯における表面の
べたつきが抑えられているため、米飯がブロック状に凍
結してしまうことがほとんどなく、効率よくバラ状に凍
結させることができる。また、凍結工程9は、周知の凍
結装置、例えば、特開平7−289221号公報や特開
平7−289223号公報に記載されたバラ状凍結装置
を用いて行うことができ、飯粒や具材をバラ状に凍結さ
せたバラ状凍結調理米飯を容易に得ることができる。
【0039】このとき、上述のようにして得られた調理
米飯は、その飯粒表面が過剰に粘ることがないので、バ
ラ状に凍結させることが容易であり、ブロック状の凍結
塊をほとんど生じることがない。したがって、得られた
バラ状凍結調理米飯は、飯粒や具材がバラ状に凍結して
いるので、喫食時の加熱調理を均一に行うことができ、
釜炊飯工程7で得られた調理米飯が有する優れた食感,
食味,風味を再現することができる。
【0040】なお、浸漬,蒸米,釜炊飯等における各工
程の時間は、要求される米飯の品質等に応じて適宜設定
すればよく、また、蒸米工程後の米は、そのままの温度
で釜炊飯に供してもよく、室温近くまで冷却してから釜
炊飯を行うようにしてもよい。さらに、使用する機器
は、調理米飯の種類や処理量等に応じて最適なものを選
定することができる。
【0041】
【実施例】実施例1 平成8年度産古米(産地熊本県、品種ミナミニシキ)を
精米した精白米50kgを通常の方法で3回洗米した
後、20℃の水76kgの中に投入し、約1時間浸漬工
程を行った。浸漬工程が終了した後の米の含水率を測定
したところ、30〜40%の範囲であった。
【0042】浸漬工程を終了した米(浸漬米)を、図2
に縦断面図で示す構造の縦型蒸米機に投入して蒸米工程
を行った。この縦型蒸米機は、上部に投入口51を、下
部に排出用のスクリューコンベヤ52をそれぞれ有する
筒状体53の中段部に蒸気吹込み用の複数のノズル54
を設けたものであって、連続的に蒸米処理を行える機能
を有している。
【0043】蒸米工程は、ノズル54から約100℃の
蒸気を15分間吹込むことにより行った。蒸米工程を終
えてスクリューコンベヤ52から取出した米の中の澱粉
は全てα化しており、含水率は35〜45%の範囲であ
った。
【0044】次に、蒸し上げた米5kgを計量し、図3
に縦断面図で示す直径40cmの丸形炊飯釜61に投入
するとともに、ラード50g,塩100g,胡椒5gを
80℃の湯4kgに溶かした調味液を投入し、ガスバー
ナー62に点火して釜炊飯工程を行った。釜炊飯工程で
は、最初に強火で加熱して蒸煮を行い、8分後に釜の表
面温度が急上昇したところで火力を弱め、弱火で2分間
加熱して焼きを行うことにより、米から出たエキス分を
釜の内面で焦がし、釜炊飯特有の香ばしい香りを米に付
けた。この後、火を止め、蓋を取らずに95℃以上に保
った状態で15分間蒸らしを行った。
【0045】これにより、7.8kgの調理米飯が得ら
れた。炊上がった飯粒を調べたところ、飯粒中心まで良
く膨潤しており、中心部と表面部とは同等の硬さであ
り、表面のべたつきも少なかった。また、古米特有の糠
臭が消えており、釜で炊き上げた飯特有の香ばしさを有
していた。
【0046】次に、この調理米飯を2kg計量し、粉末
状のドライアイス2.5kgと共に角形容器に入れ、手
作業でほぐしながら80回撹拌してバラ状に凍結させ
た。この操作を3回繰返して合計6kgの凍結米(バラ
状凍結調理米飯)を得た。得られた凍結米を10mmメ
ッシュのふるいにかけたところ、ふるいに残ったブロッ
ク米飯は無く、すべての飯が完全にバラ状に凍結されて
いた。なお、従来の釜炊飯方法で炊飯した米飯を同じ操
作で凍結させた場合、その0.5〜1%は、バラ状にな
らずにブロック状に凍結する。
【0047】実施例2 実施例1と同じ精白米の一部を砕き、砕米が20重量%
程度含まれた精白米を調製した。これを実施例1と同様
の手順で炊飯したところ、実施例1で得られた調理米飯
と同程度の品質であり、砕米が混入していても、従来の
ようにべたつきが増すことがなく、食感の良好な調理米
飯を得ることができた。
【0048】実施例3 釜炊飯工程における炊飯水を3.5kgに減らした以外
は、実施例1と同じ操作を行って調理米飯を製造した。
その結果、炒飯に適した硬めの食感を有する飯を得るこ
とができ、しかも、同じ操作を10回繰り返したが、い
ずれの場合も、飯粒の中心部と表面部とは同等の硬さで
あり、芯の残ったものは全くなかった。
【0049】実施例4 実施例2で用いた砕米が20重量%含まれた精白米を使
用して実施例3と同じ炊飯方法で硬めに炊いた。得られ
た飯を調べたところ、べたつきも無く、実施例3と同じ
硬さの飯が得られ、芯の残ったものは全くなかった。
【0050】実施例5 釜炊飯工程の調味液に、香辛料としてチリパウダー10
0gを追加した以外は実施例1と同様にして炊飯を行っ
た。得られた調理米飯を調べたところ、香辛料を多量に
含んだ炊飯水で炊き上げたにもかかわらず、芯の残って
いるものは全くなかった。
【0051】実施例6 釜炊飯工程の調味液に、調味料として粉末ブイヨンスー
プ400gを追加した以外は実施例1と同様にして炊飯
を行った。得られた調理米飯を調べたところ、調味調を
多量に含んだ炊飯水で炊き上げたにもかかわらず、芯の
残っているものは全くなかった。
【0052】実施例7 釜炊飯工程の調味液に、調味料として醤油100gを追
加した以外は実施例1と同様にして炊飯を行った。得ら
れた調理米飯は、表面のべたつきが抑えられており、醤
油の少し焦げた香ばしい香りのする良好な香味のもので
あった。
【0053】実施例8 実施例2から実施例7で得た各調理米飯について、実施
例1と同様のバラ状凍結試験を行った結果、実施例1と
同様に良好なバラ化凍結状態を示した。また、それぞれ
のバラ状凍結調理米飯をフライパンで加熱して食したと
ころ、炊飯直後とほとんど変わらない食味,食感,風味
が得られた。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれ
ば、釜炊飯特有の風味や食味を有しながら、バラ状に凍
結させるのに適した状態の調理米飯を効率よく得ること
ができるとともに、均一にバラ状に凍結させたバラ状凍
結調理米飯を効率よく製造することができる。そして、
本発明のバラ状凍結調理米飯は、バラ状に凍結している
ので喫食時の加熱を容易に行うことができ、釜炊飯特有
の風味を味わうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の一形態例を示すフローチャート
である。
【図2】 実施例で使用した縦型蒸米機の概略縦断面図
である。
【図3】 実施例で使用した炊飯釜の概略縦断面図であ
る。
【符号の説明】
3…洗米工程、4…浸漬工程、5…蒸米工程、7…釜炊
飯工程、7a…蒸煮段階、7b…焼き段階、7c…蒸し
段階、9…凍結工程
フロントページの続き (72)発明者 吉田 修 東京都港区西新橋1−16−7 日本酸素株 式会社内 Fターム(参考) 4B022 LA01 LB01 LJ01 LN07 4B023 LE13 LE21 LE22 LP10 LP15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に浸漬した米を蒸気で蒸し上げて澱粉
    をα化する蒸米工程と、該蒸米工程を終えた米を調味料
    等の添加物と共に釜に入れて炊き上げる釜炊飯工程とを
    行うことを特徴とする調理米飯の炊飯方法。
  2. 【請求項2】 水に浸漬した米を蒸気で蒸し上げて澱粉
    をα化する蒸米工程と、該蒸米工程を終えた米を調味料
    等の添加物と共に釜に入れて炊き上げる釜炊飯工程と、
    釜炊飯工程で炊き上げられた調理米飯をバラ状に凍結す
    るバラ状凍結工程とを行うことを特徴とするバラ状凍結
    調理米飯の製造方法。
  3. 【請求項3】 水に浸漬した米を蒸気で蒸し上げて澱粉
    をα化し、次いで、調味料等の添加物と共に釜で炊き上
    げた後、バラ状に凍結したことを特徴とするバラ状凍結
    調理米飯。
JP10319042A 1998-11-10 1998-11-10 調理米飯の炊飯方法及びバラ状凍結調理米飯の製造方法並びにバラ状凍結調理米飯 Pending JP2000139376A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022210311A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 株式会社ニチレイフーズ 冷凍加工米飯食品の製造方法
WO2022210310A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 株式会社ニチレイフーズ 冷凍米飯食品の製造方法

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WO2022210311A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 株式会社ニチレイフーズ 冷凍加工米飯食品の製造方法
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