JP2000138132A - トリマーコンデンサ - Google Patents

トリマーコンデンサ

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JP2000138132A
JP2000138132A JP10309659A JP30965998A JP2000138132A JP 2000138132 A JP2000138132 A JP 2000138132A JP 10309659 A JP10309659 A JP 10309659A JP 30965998 A JP30965998 A JP 30965998A JP 2000138132 A JP2000138132 A JP 2000138132A
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electrode
rotor
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stator electrode
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JP10309659A
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Hiroshi Nakao
浩 中尾
Yusuke Tsutsumi
祐介 堤
Tomotsugu Kimotsuki
智嗣 肝付
Takeshi Oku
岳 奥
Kazumasa Watanabe
一正 渡辺
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はステータ電極と誘電体ロータとの
密接状態が、温度変化によっても実質的に変化すること
がなく、安定した静電容量成分が得られるトリマーコン
デンサを提供する。 【解決手段】本発明によれば、表面にステータ電極2が
形成されたステータ基板1上に、ロータ電極32を備え
たセラミックからなる円板状の誘電体ロータ3を回動自
在に配置したトリマーコンデンサである。そして、ステ
ータ基板1は、少なくともステータ電極2を基板表面か
ら突出させて露出すべく、ガラス被覆膜23が形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、特性安定
に優れたトリマーコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トリマーコンデンサは、貫通孔が
形成され且つ表面にステータ電極、端面にステータ端子
が形成されたステータ基板と、貫通孔が形成され且つロ
ータ電極を備えた円板状の誘電体ロータと、ロータ電極
と導通するとともに誘電体ロータの貫通孔及びステータ
基板の貫通孔に挿通される調整ピンと、ステータ基板の
裏面から他方端面に延出されたロータ端子とから構成さ
れていた。
【0003】このようなトリマーコンデンサの配置につ
いては、ステータ基板上にシリコーンオイルなどの潤滑
剤を介在させて誘電体ロータを配置し、さらに誘電体ロ
ータの貫通孔、ステータ基板の貫通孔に挿通するように
して、誘電体ロータ上に、調整ピンを固定し、ステータ
基板の裏面で調整ピンの先端とロータ端子のー部とを加
締め処理にて接合していた。尚、誘電体ロータのロータ
電極と調整ピンとは、例えば、誘電体ロータの貫通孔内
で、また、誘電体ロータの表面で電気的に導通してい
た。
【0004】そして、調整ピンを所定量回動調整するこ
とによって、誘電体ロータがステータ基板上を回動し、
ロータ電極とステータ電極との対向面積が変化して、所
定容量成分がロータ端子とステータ端子との間から導出
される。
【0005】このようなトリマーコンデンサにおいて、
ステータ基板が樹脂から構成されており、このステータ
基板を樹脂モールド成型する際に、ステータ電極、ステ
ータ端子がー体化した金属部材を用いて、ステータ電極
及びステータ端子がステータ基板の所定位置に配置され
るようにしていた。このため、樹脂モールド成型時の金
属部材の保持のバラツキによっては、ステータ電極の表
面がステータ基板の表面と同一平面とならず、各トリマ
ーコンデンサ毎に、容量可変範囲、直線性などがばらつ
いてしまう。また同時に、ステータ基板が樹脂で構成さ
れているため、トリマーコンデンサをプリント配線基板
にリフロー半田接合で実装すると、このリフロー処理の
熱履歴でステータ基板の形状に歪みが発生してしまい、
ステータ電極とロータ電極との対向位置関係が変化して
しまう。これによって、プリント配線基板に実装したト
リマーコンデンサの容量可変範囲、直線性特性が変動し
てしまうという問題があった。
【0006】また、特開平5−267100号では、ス
テータ基板に絶縁体セラミックを使用したものが提案さ
れている。即ち、ステータ基板をセラミックで構成し、
且つステータ電極を、Ag等を主成分とする導電性ペー
ストの印刷・焼き付けによる厚膜導体膜で形成して、そ
れ以外のステータ基板の表面領域にステータ電極を囲む
ようにガラスなどの絶縁体を塗布して、ステータ基板の
表面平坦性を達成していた。
【0007】具体的には、セラミックからなるステータ
基板の表面にステータ電極を導電性ペーストの印刷・焼
き付けによって形成する。次いで、ステータ基板の表面
全面にガラスなどからなる絶縁体を印刷・焼き付けす
る。次いで、ステータ電極となる領域とステータ電極が
形成されていない領域との境界部の段差が2μm以下、
表面粗さがRtm( 1 0点平均粗さ)≦3μmになるよ
うに、ステータ基板の表面研磨を行い、ステータ電極を
露出していた。
【0008】ここで、ステータ電極はAg等を主成分と
する導体膜からなり、ステータ基板の表面はガラスなど
からなる絶縁体となるため、両者の硬さの違いにより、
図5のようにステータ電極2が周囲のガラス22の表面
に比較して凹んだ構造になってしまう。この研磨処理
は、例えば、ダイヤモンドペレットや砥石などの固定砥
粒で研磨加工によって行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図5に示すように従来
の構造では、ステータ電極が周囲のガラスよりも凹んだ
構造になってしまう。そして、ステータ電極である厚膜
導体膜と周囲のガラス焼結体の線膨張係数は当然相違す
る。これにより、気温が変化するとステータ電極とロー
タ電極との電極間距離が変化して、その結果、静電容量
値が変化してしまう。例えば、ステータ電極をAgの導
体膜で形成した場合、Agの線膨張係数は1.921×
10-5/ ℃であり、電極周囲のガラスは、例えば、0.
9×10-5/℃である。ここで、電極厚みを20.0μ
m、ガラスの厚みを20.5μmとすると、電極は3.
842×10-4μm/℃、ガラスは1.845×10-4
μm/℃の寸法変化をすることになる。
【0010】ここで、ステータ電極が周囲のガラスより
も凹んだ構造になっている場合、トリマーコンデンサは
実際にはステータ電極と誘電体ロータとの間には、潤滑
オイル層が介在され、誘電体層としては誘電体セラミッ
ク層とオイルの層との2つの容量成分の直列的な接続と
見なすことができる。
【0011】そして、上述のようにステータ電極側で寸
法の変化が生じた場合、ステータ−ロータ間の潤滑オイ
ル層で形成された容量成分の静電容量値が変化して、そ
の結果、トリマーコンデンサの全体の静電容量値が変化
するという問題点があった。
【0012】通常、トリマーコンデンサは、例えば発振
回路で発振周波数の調整のために用いられるものであ
り、このように温度変化により静電容量値の変化が発生
してしまうことは非常に大きな問題であった。
【0013】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的はステータ電極と誘電体ロータと
の関係が、温度変化によっても実質的に変化することが
なく、非常に安定した静電容量成分が得られるトリマー
コンデンサを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、表面に
ステータ電極、一方端面に該ステータ電極と接続するス
テータ端子が形成されたステータ基板上に、ロータ電極
を備えたセラミックからなる円板状の誘電体ロータを回
動自在に配置して成るトリマーコンデンサにおいて、前
記ステータ基板は、ステータ電極の非形成領域の表面に
ガラス被覆膜を被着するとともに、該ステータ電極の表
面をガラス被覆膜より背高にしたことを特徴とするトリ
マーコンデンサである。
【0015】
【作用】本発明によれば、ステータ電極がセラミックか
ら成るステータ基板上に被着形成されている。従って、
ステータ電極及びステータ基板の表面の平坦性が向上す
ることになる。
【0016】しかも、ステータ電極の表面が、ステータ
基板内で最も突出するように、ステータ電極の被形成領
域には、ステータ電極の厚みよりも薄いガラス被覆膜が
形成されている。従って、ステータ電極の金属材料とそ
の周囲のガラス被覆膜の線膨張係数の違いが存在し、気
温の変化により、ステータ電極の厚み方向の寸法が変化
しても、誘電体ロータとステータ電極との密着性が確実
に維持できる。
【0017】従って、ステータ電極とロータ電極との間
の間隔が変化することがなく、誘電体材料である誘電体
セラミック層と潤滑剤層との層厚みが変動することがな
く、温度変化に対する静電容量値の変動を有効に抑える
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトリマーコンデン
サを図面に基づいて説明する。
【0019】図1は本発明のトリマーコンデンサの断面
構造図であり、図2はトリマーコンデンサの分解斜視図
である。
【0020】図において、1はステータ基板であり、3
は誘電体ロータであり、4は調整ピンであり、5はロー
タ端子である。
【0021】ステータ基板1は、貫通孔11が形成され
たセラミック基体10からなり、その表面には半円形状
のステータ電極2が形成され、該ステータ電極2から端
面に延びるような接続部21が形成されている。また、
セラミック基体10の端面にはステータ電極2と接続部
21を介して電気的に導通しているステータ端子22が
形成されている。
【0022】また、ステータ基板1の電極側表面には、
半円形状のステータ電極2を露出するようにステータ電
極の2の非形成領域にガラス被覆膜23が形成されてい
る。
【0023】そして、ガラス被覆膜23は、ステータ電
極2の厚みに比較して薄くなっており、ステータ電極2
の表面がステータ基板1の表面で突出している。
【0024】誘電体ロータ3は、例えば多層構造の誘電
体セラミックス層からなり、円板形状で、その中心部に
は貫通孔31が形成されている。また、誘電体セラミツ
クス層間に概略半円形状のロータ電極32が形成され、
その一部が貫通孔31内を経て誘電体ロータ上部のロー
タ電極導出部33にまで延出している。
【0025】調整ピン4は、リン青銅などの金属材料か
ら成り、表面には必要に応じてSnやAgなどのメッキ
が施されている。その形状は、調整用ドライバー溝(穴
や孔の場合もある)の形成された頭部41と、該頭部4
1の下面に延びる貫通軸42とから構成されている。そ
して、その貫通軸42の先端は、ステータ基板1の裏面
にまで到達して、その先端部分でカシメ処理可能なよう
なっている。即ち、少なくともその先端部は中空体とな
っている。
【0026】ロータ端子5は、リン青銅などの金属材料
からなり、ステータ基板1の裏面に配置され、バネ性を
有するバネ部51と、該バネ部51からステータ基板1
のステータ端子22と対向する端面側に延出するロータ
端子部52とから構成されている。ロータ端子部52は
リフローなどにより半田付けされるため、半田塗れ性の
良くない金属を選定されている。尚、必要応じて、ま
た、半田濡れ性の良好でない金属を用いた場合には、こ
の端子部52上にはSn、Ag、Auなどのメッキ処理
が施される。
【0027】このような構成のトリマーコンデンサの組
み立ては、まず、ステータ基板1の表面に、シリコーン
オイルなどの潤滑剤(図示せず)を介して、誘電体ロー
タ3を配置する。次に、誘電体ロータ3の貫通孔31と
ステータ基板1の貫通孔11とに調整ピン4の貫通軸4
2を挿通し、調整ピン4と誘電体ロータ3とを固定す
る。この固定とは、誘電体ロータ3と調整ピン4との間
に導電性接着剤や半田などを用いて接着を行なう。これ
により、少なくとも誘電体ロータ3のロータ電極32の
一部と調整ピン4の一部とが電気的に接続する。尚、調
整ピン頭部41と誘電体ロータ3の上面とが互いにかみ
合うようにいずれかに突起と凹部を形成して係止しても
よい。いずれにしても、ロータ電極32と調整ピン4と
が電気的に導通し、且つ調整ピン4と誘電体ロータ3と
が互いに一体的に回動するようになればよい。
【0028】そして、ステータ基板1の裏面に挿通され
た調整ピン4のピン部42の先端は、ロータ端子5のバ
ネ部51に挿通した状態でカシメ処理する。これによ
り、ステータ基板1の表面に誘電体ロータ3が回動可能
に配置され、調整ピン4の頭部41をドライバーなどで
回動させることにより、誘電体ロータ3が共動すること
になる。また、上述のロータ端子5のバネ部51の弾性
力が誘電体ロータ3を調整ピン4の頭部41からステー
タ基板1の表面側に押圧する力になるため、誘電体ロー
タ3とステータ基板1とが密着しあうことになる。
【0029】そして、上述の誘電体ロータ3の回動によ
り、誘電体ロータ3のロータ電極32とステータ基板1
の表面のステータ電極2との対向面積が変化して、この
対向面積に応じた静電容量が、ステータ電極2、接続部
21を介してステータ端子22と、ロータ電極32、調
整ピン4、ロータ端子5を介してロータ端子部52との
間で得られる。
【0030】本発明において、ステータ基板1の表面、
すなわちセラミツク基体10の表面は、厚膜導体膜で形
成されたステータ電極2、ステータ電極2とステータ端
子22とを接続し、厚膜導体膜で形成された接続部2
1、ステータ電極2を囲み、且つガラスペーストの焼き
付けにより形成されたガラス被覆膜23が形成されてい
る。このような構造のため、それぞれが耐熱性に優れて
いるため、耐熱性が向上し、例えば、トリマーコンデン
サをプリント配線基板にリフロー半田接合、フロー半田
接合を行うことができる。これは、ステータ電極2と誘
電体ロータ3との位置関係を安定化させ、特性の安定を
図ることができる。
【0031】また、図4に示すように、ステータ電極2
の表面が少なくともガラス被覆膜23よりも突出するよ
うに形成されている。これにより、少なくともステータ
基板1、即ちステータ電極2と誘電体ロータ3の密着性
を向上させることができる。
【0032】これによって、非常に特性を安定化させる
ことができる。特に、トリマーコンデンサは、プリント
配線基板に実装した後、調整ピン4を回動して調整され
た所定容量成分を経時的に保持しなくてはならない。そ
の点、誘電体ロータ3とステータ電極3とが常に密着し
ていることは非常に重要なこととなる。
【0033】仮に、図5に示すように、ガラス被覆膜2
3の表面がステータ電極2よりも突出してしまうと、誘
電体ロータ3とステータ電極2との間には、上述のよう
に、厚い膜厚のシリコーンオイルが存在してしまい、誘
電体ロータ3の誘電体セラミックとは異なる誘電率の材
料が無視できない程存在してしまい、さらに、周囲の温
度変化にともない、ステータ電極2、ガラス被覆膜23
の熱膨張係数の差による表面の変形により、このシリコ
ーンオイルの膜厚がさらに変化してしまい、特性の変動
を惹起してしまうことになる。
【0034】ステータ基板1の製造にあたり、ステータ
基板1と誘電体ロータ3は研磨加工されるが、このとき
固定砥粒ではなく遊離砥粒で研磨加工を行うことが重要
である。ステータ電極2はAgなどを主成分とした厚膜
導体膜であり、ガラスペーストの印刷、焼き付けした焼
結体であるガラス被覆膜23に比較して柔らかい。この
遊離砥粒を用いると、研磨加工性の違いによりガラス被
覆膜23よりステータ電極2が突出する。
【0035】この突出量は加工の際に用いる砥粒の大き
さによって決まるが、例えば#1500の砥粒を使用す
れば、ステータ電極2をガラス被覆膜23よりも約3〜
6μm突出する。
【0036】具体的には、研磨に使用する加圧研磨治具
の硬度x、ステータ電極2の金属材料の硬度y、ガラス
被覆膜23の硬度zを適正に制御することにより達成で
きる。その関係は、y<x<zとなるように設定する。
例えば、ステータ電極2に銀材料を用いた場合、加圧研
磨治具の材料に鉄を用いる。このようにすれば、遊離砥
粒による研磨において、加圧研磨治具とステータ電極2
との間に遊離砥粒は、硬度が低い銀に突き刺さるように
なり、例えば鉄からなる加圧研磨治具を研磨することに
なる。また、加圧研磨治具とガラス被覆膜23との間に
遊離砥粒は、硬度が低い加圧研磨治具に突き刺さるよう
になり、ガラス被覆膜23を研磨することになる。これ
により、加圧研磨治具により硬度の高いガラス被覆膜2
3のみを主に研磨することになり、ステータ基板1上で
ステータ電極2を突出させることができるようになる。
【0037】ここで、温度変化に対して誘電体の特性と
は無関係な静電容量変化を防止するためには、2つの場
合がある。
【0038】尚、Tstd を常温、Tmin を特性保障最低
温度、Tmax を特性保障最高温度、βE をステータ電極
の線膨張係数、tE をステータβE をステータ電極の線
膨張係数、tE をステータ電極の厚み、βG をオーバー
コートガラスの線膨張係数、tG をオーバーコートガラ
スの厚みとする。
【0039】βE ≧βG の場合は、(Tstd −Tmin
・(βE ・tE −βG ・tG )≧0が、βE <βG の場
合は、(Tstd −Tmax )・(βE ・tE −βG
G )<0が成り立てばよい。
【0040】ステータ電極2にはAgの厚膜導体膜を、
オーバーコートガラス層23にはガラスペーストの焼結
体を使用するので、一般的にステータ電極とオーバーコ
ートガラスでは線膨張係数は異なり、オーバーコートガ
ラスよりステータ電極の方が突出しなければならない。
【0041】そのときの、必要最低突出量ΔTは、△t
=tE −tG となる。
【0042】種々の実験により、3〜6μm程度の電極
突出量により、保障温度範囲内において温度が変化して
も、安定した特性が維持できる。
【0043】また、通常、トリマーコンデンサの潤滑油
には、粘度20〜5000csのシリコーンオイルが使
用されるが、粘度の関係上ステータ基板1と誘電体ロー
タ3の隙間が10μm以下であれば、オイルがステータ
基板1から流出することはなく、両者の接触状態が経時
的に安定させることができる。即ち、上述の突出量が6
μmあったとしても、シリコーンオイルの流出が完全に
防止できることになる。尚、突出量が3μm以下では、
βE <βG の場合は、高温側で0よりを越えてしまい、
ステータ電極2と誘電体ロータ3との安定した密接状態
が確保できなくなる。
【0044】次に、本発明のトリマーコンデンサに用い
られるステータ基板の製造方法を説明する。
【0045】図3(a)〜(d)は、ステー基板1の製
造方法の一例を概略断面図である。
【0046】まず、中心に貫通孔11が形成されたセラ
ミック基体10を用意する。次に、図3(a)に示すよ
うに、セラミックス基体10表面に、貫通孔11を取り
囲み、且つステータ電極の形状を含む領域、ステータ電
極の円弧先端からセラミック基体10にのびる接続部2
1となる導体膜を形成する。この導体膜は、ステータ電
極2と接続部21となる。具体的には、Ag系導電性ペ
ーストのスクリーン印刷及び焼成によって形成する。こ
の焼成は、大気雰囲気中、800〜900℃で行う。
【0047】次に、図3(b)に示すように、セラミッ
ク基体10の表面に、少なくとも接続部21を覆い、且
つステータ電極の2の周囲及びその表面を覆うようにオ
ーバーコートガラス層23となるガラス層23’を被覆
形成する。具体的には、ホウ珪酸系ガラスまたはホウ珪
酸鉛系ガラスを主成分とするガラスペーストのスクリー
ン印刷及び焼成によって形成する。この焼成は、大気雰
囲気中、800〜900℃で行う。
【0048】次に図3(c)に示すように、セラミック
基体10の端面に、少なくとも接続部21の一部を覆う
ようにステータ端子22を形成する。具体的には、Ag
系導電性ペーストに、セラミック基体10の端面を浸漬
し、焼成する。また、端面印刷を行い、焼成してもよ
い。
【0049】次に、図3(d)に示すように、ガラス層
23’を研磨処理する。この研磨処理は、埋設されたス
テータ電極2を露出し、さらに、ステータ基板1の表面
に鏡面加工を行うものである。具体的には、遊離砥粒、
例えば#1500〜#2000のホワイトモランダム砥
粒等を用いて表面加工を行う。この遊離砥粒により研磨
加圧するため、本発明のトリマーコンデンサでは、ステ
ータ電極2が研磨によってオーバーコートガラス層23
よりも突出する。尚、その突出量が10μm以下であれ
ば、ステータ基板1と誘電体ロータ3との間に介在させ
る粘度20〜5000csのシリコーンオイルが流出し
にくい。好ましくは、3〜6μm程度の突出量となるよ
うに、研磨時間を制御する。
【0050】このように形成されたステータ基板1によ
れば、上述したように、耐熱性に優れステータ基板1の
変形が少ない上、プリント配線基板上にトリマーコンデ
ンサを実装し、所定容量成分が得られるように調整した
後、仮に周囲の温度が変化しても、ステータ基板1、特
に、ステータ電極2と誘電体ロータ3との接触状態が安
定的に維持できることになり、回路に組み込んだ後に容
量変化が変化することが一切ない。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明のトリマーコンデ
ンサでは、温度変化に対して誘電体特性以外の要因によ
って、静電容量が変化しないので、安定した温度特性を
持つ温度保証型のトリマーコンデンサとあり、回路動作
の安定化に有益なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のトリマーコンデンサの断面図
である。
【図2】本発明のトリマーコンデンサの分解斜視図であ
る。
【図3】(a)〜(d)は、本発明のトリマーコンデン
サのステータ基板の製造方法を説明する断面図である。
【図4】本発明のステータ基板におけるステータ電極と
オーバーコートガラスとの関係を示す拡大断面図であ
る。
【図5】従来のステータ基板におけるステータ電極とオ
ーバーコートガラスとの関係を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・ステータ基板 10・・セラミックス基体 11・・貫通孔 2・・ステータ電極 21・・接続部 22・・ステータ端子 23・・・オーバーコートガラス層 23’・・・ガラス層 3・・・誘電体ロータ 31・・・貫通孔 32・・・ロータ電極 33・・・ロータ電極導出部 4・・・調整ピン 41・・・頭部 42・・・貫通軸 5・・ロータ端子 51・・バネ部 52・・端子部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥 岳 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社国分工場内 (72)発明者 渡辺 一正 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社国分工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にステータ電極、一方端面に該ステ
    ータ電極と接続するステータ端子が形成されたステータ
    基板上に、ロータ電極を備えたセラミックからなる円板
    状の誘電体ロータを回動自在に配置して成るトリマーコ
    ンデンサにおいて、 前記ステータ基板は、ステータ電極の非形成領域の表面
    にガラス被覆膜を被着するとともに、該ステータ電極の
    表面をガラス被覆膜より背高にしたことを特徴とするト
    リマーコンデンサ。
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