JPH10303071A - トリマコンデンサ - Google Patents

トリマコンデンサ

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JPH10303071A
JPH10303071A JP9107864A JP10786497A JPH10303071A JP H10303071 A JPH10303071 A JP H10303071A JP 9107864 A JP9107864 A JP 9107864A JP 10786497 A JP10786497 A JP 10786497A JP H10303071 A JPH10303071 A JP H10303071A
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Japan
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stator
electrode
substrate
rotor
stator substrate
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JP9107864A
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Inventor
Hiroshi Nakao
浩 中尾
Yusuke Tsutsumi
祐介 堤
Tatsuo Beppu
辰生 別府
Takeshi Oku
岳 奥
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステータ電極とロータ電極の間に形成される
静電容量のばらつきを防止するとともに、静電容量の経
時的変化を有効に抑えるトリマコンデンサである。 【解決手段】 ステータ電極2が形成されたセラミック
からなるステータ基板1上に、ロータ電極32が形成さ
れた誘電体ロータ3とが回動自在に配置されたトリマコ
ンデンサである。そして、ステータ基板1は、ステータ
電極2が、ステータ端子22と接続する導通部21より
も厚く、しかもステータ電極2の周囲にオーバーガラス
コート層23が配置されているため、ステータ基板1の
表面研磨を行っても、導通部21が露出することが一切
なく、過剰研磨による研磨凹みがステータ基板1の端面
にまで通じないため、潤滑剤の流出、湿気の侵入が一切
なく、非常に安定したステータ基板1と誘電体ロータ3
との関係が経時的に安定して維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は微少容量を調整する
ことが可能なトリマコンデンサに関するものであり、耐
熱衝撃性に優れたステータ基板を有するトリマコンデン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】トリマコンデンサは、貫通孔が形成さ
れ、且つ表面にステータ電極が形成されたステータ基板
と、貫通孔が形成され、且つロータ電極を備えた円板状
誘電体ロータと、ロータ電極と導通するとともに、誘電
体ロータの貫通孔及びステータ基板の貫通孔にその一部
が挿通される調整ピンと、ステータ基板の裏面から他方
端面に延出されたロータ端子とから構成されていた。
尚、ステータ基板の一方端面には、ステータ電極に直接
接続されたステータ端子が形成されていた。
【0003】そして、ステータ基板上に、潤滑材のシリ
コーンオイルを介在させて誘電体ロータを配置し、さら
に誘電体ロータの貫通孔、ステータ基板の貫通孔に挿通
するようにして、誘電体ロータ上に調整ピンを固定し、
ステータ基板の裏面で、調整ピンの先端とロータ端子の
一部とを加締め処理にて接合していた。尚、誘電体ロー
タのロータ電極と調整ピンとは、例えば誘電体ロータの
貫通孔内で、または誘電体ロータの表面で電気的に導通
していた。
【0004】そして、調整ピンを所定量回動調整するこ
とによって、誘電体ロータがステータ基板上を回動し、
この結果、ロータ電極とステータ電極との対向面積が変
化に対応する所定容量特性がロータ端子とステータ端子
との間から導出される。
【0005】従来のトリマコンデンサは、ステータ基板
が樹脂などから構成されて、ステータ電極、ステータ端
子となる金属部材とともに樹脂のモールド成型時に一体
的に形成されていた。
【0006】このため、樹脂モールド成型時の金属部材
の保持のばらつきによっては、ステータ電極がステータ
基板の表面と同一平面とはならず、トリマコンデンサの
容量の可変範囲にバラツキを発生させていた。また、ス
テータ基板が樹脂で構成されているため、プリント配線
基板へのリフロー半田接合などによる数回の熱履歴で、
ステータ基板の形状に歪みが発生してしまい、ステータ
電極とロータ電極との位置関係が変化してしまう。
【0007】このような問題を解決するため、ステータ
基板をセラミックで構成し、且つステータ電極を、Ag
などを主成分とする導電性ペーストの印刷・焼きつけに
よる厚膜導体膜で形成することが考えられる。
【0008】このような構造では、ステータ電極部分の
みがステータ基板表面から厚膜導体膜の厚み相当、例え
ば数十μmの凸部が突出してしまい、ステータ基板と誘
電体ロータ間に介在させて特性の安定化を図る潤滑材
(シリコーンオイル)がステータ基板の外部に流出して
しまい、また、油膜厚みが変化して、経時的に特性が変
動してしまう。
【0009】このため、特開平5−267100号で
は、厚膜導体膜で形成したステータ電極と、それ以外の
部分との境界部に段差が生じないように、ステータ電極
の周囲にガラスやエポキシ樹脂などの絶縁体を塗布し
て、ステータ基板の表面を平坦化していた。
【0010】具体的には、セラミックから成るステータ
基板の表面にステータ電極を導電性ペーストの印刷・焼
きつけによって形成し、次いで、ステータ基板の表面全
面にガラス、あるいはエポキシ樹脂などからなる絶縁体
を印刷し、硬化して、ステータ電極とステータ電極が形
成されていない部分との境界部の段差が2μm 以下、表
面粗さが、Rtm (10点平均粗さ)≦3μm になるよ
うに、ステータ基板の表面研磨を行い、ステータ電極を
露出させていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、絶縁体がエポ
キシなどの樹脂であれば、上述のように熱履歴により熱
分解され、変形が顕著となり、ステータ基板の表面材料
としては不向きである。
【0012】また、構造的には、ステータ基板の端面な
どにはステータ電極と接続する導通部が必要となる。し
かも、この導通部はステータ電極と同時に形成する必要
がある。
【0013】特開平5−267100号では、ガラスの
絶縁体を表面研磨して、ステータ電極とステータ電極か
らステータ端子に延びる導通部までも露出させていた。
【0014】また、実際の表面研磨加工においては、研
磨加工性の相違する2つの材料を研磨すると、両者の境
界部分のいずれかが過剰研磨領域による研磨凹みが発生
してしまう。例えば、Agなどのステータ電極とガラス
などの絶縁体との研磨においては、当然ステータ電極側
の研磨が進行することになる。
【0015】これにより、絶縁体の研磨を行いながら、
ステータ電極を完全に露させようとすれば、ステータ電
極と導通部とが露出して、しかも、ステータ電極及びそ
の導通部の境界部周囲に過剰研磨による研磨凹み部が発
生する。
【0016】例えば、例えば、砥粒2000番(人工ダ
イヤ)で固めた砥石でもって研磨を行った場合には、ス
テータ電極及び導通部の境界部周囲には、ガラスの表面
に比較して、約5μm深さの研磨凹みが発生し、しか
も、ステータ電極の平面部分でも、ガラスの表面に比較
して、約1〜2μm深さに凹んでしまう。
【0017】尚、段差を2μm以下としようとしても、
ステータ電極及び導通部の境界部周囲の研磨凹みの発生
は免れない。
【0018】このて研磨凹みは、ステータ電極からステ
ータ端子に通じる導通部の境界部分に形成されることか
ら、基板の端面にまで達してしてまうことになる。その
結果、ステータ基板と誘電体ロータとの間に介在させた
潤滑材が経時的に流出しまい、特性の安定が充分に達成
できないものであった。さらに、この凹みから湿気など
が侵入し、特性を変動させたり、ステータ電極を腐蝕さ
せてしまうという問題があった。
【0019】本発明は上述の課題に鑑みて案出されたも
のであり、その目的は耐熱衝撃性に優れ、且つステータ
基板と誘電体ロータとの接触状態が変動せず、経時的に
特性が安定し、微小容量調整が可能なトリマコンデンサ
を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、貫通孔が形成
され、且つ表面にステータ電極、端面に該ステータ電極
と接続するステータ端子が形成されたセラミックから成
るステータ基板と、前記ステータ基板上に配置され、貫
通孔及びロータ電極を備えた円板状の誘電体ロータと、
前記誘電体ロータ上に配置され、ロータ電極と導通する
とともに、誘電体ロータの貫通孔及びステータ基板の貫
通孔にその一部が挿通される調整ピンと、前記ステータ
基板の裏面で調整ピンの一部と導通するロータ端子とを
有するトリマコンデンサにおいて、前記ステータ基板の
表面には、上下導体層から成るステータ電極が形成され
ており、該ステータ電極の下層導体層はステータ端子と
を接続する導通部を有し、且つ上層導体層の周囲にオー
バーガラスコート層が被着されていることを特徴とする
トリマコンデンサである。
【0021】
【作用】本発明によれば、ステータ基板が、セラミック
から構成されているため、複数回の熱処理(熱履歴)に
よっても、ステータ基板が熱変形することが一切ない。
【0022】また、ステータ基板の表面には、オーバガ
ラスコート層が配置されているため、上述の熱処理(熱
履歴)によっても、安定した状態を維持できる。
【0023】また、ステータ基板の表面は、多層構造の
ステータ電極が形成され、下層導体層でもってステータ
電極とステータ電極からステータ端子に接続するための
導通部とが形成され、上層側導体層でステータ電極が形
成されている。即ち、導通部の導体厚みは薄く、ステー
タ電極の導体厚みが厚くなっている。従って、ステータ
基板の表面平坦性及びステータ電極を完全に露出させる
ため、表面研磨を行っても、ステータ電極が露出して
も、導通部はオーバーガラスコート層に被覆された状態
を維持される。
【0024】従って、研磨加工性の差異によって、ステ
ータ電極の境界部分に過剰研磨による研磨凹みが発生し
ても、この凹みはステータ電極の形状に応じて形成され
るだけであり、従来のように、導通部に沿ってステータ
基板の端面にまで延出することがない。
【0025】これにより、ステータ基板と誘電体ロータ
との間に介在した潤滑材が、研磨凹みを伝ってステータ
基板の端面に流出することが一切なく、しかも、湿気が
侵入することが一切ないため、ステータ基板と誘電体ロ
ータとの接触状態を経時的に維持でき、微小容量の特性
調整が可能で、且つ非常に安定維持できることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は本発明の一実施例にかかるトリ
マコンデンサを示す断面図であり、図2はその分解斜視
図である。
【0027】図において、1はステータ基板でであり、
3は誘電体ロータであり、4は調整ピンであり、5はロ
ータ端子である。
【0028】ステータ基板1は、貫通孔11が形成され
たセラミック基体10からなり、その表面には、半円形
状のステータ電極2が形成され、また、セラミック基体
10の端面にはステータ電極2と導通部21を介して接
続されステータ端子22が形成されている。
【0029】このステータ電極2は、多層構造、例えば
2層構造となっている。即ち、下層側導体層2aと上層
側導体層2bとからなり、何れもAg系(Ag単体また
はAg−Pdなどの合金)導電性ペーストの印刷(重ね
印刷)・焼きつけによって形成される。また、ステータ
電極2とステータ端子22とを接続する導通部21は、
上述の下層側導体層2aの形成時のみに形成される。
【0030】また、ステータ端子22は、Ag系導電性
ペーストのセラミック基体10の端面印刷・焼きつけに
よって形成される。
【0031】また、セラミック基体10の表面には、ス
テータ電極2の周囲のオーバガラスコート層23が配置
されている。そして、オーバガラスコート層23とステ
ータ電極2とは実質的に同一平面(実際には、過剰研磨
による若干の研磨凹みが発生するが)となっている。
【0032】誘電体ロータ3は、例えば多層構造の誘電
体セラミック層からなり、円板状となっており、その中
心部には、貫通孔31が形成されている。また、誘電体
セラミック層間に例えば半円形状のロータ電極32が形
成され、その一部が貫通孔31内にまで導出されてい
る。
【0033】調整ピン4は、ステンレスなどの金属部材
からなり、調整用ドライバが嵌合される頭部41と頭部
41の下面から延びるピン部42とから構成されてい
る。そして、そのピン部42の先端は、ステータ基板1
の裏面で加締め処理可能なように少なくとも先端部は中
空体となっている。
【0034】ロータ端子5は、半田が濡れない金属、例
えばステンレスなどの金属部材から成り、ステータ基板
1の裏面に配置され、バネ性を有するワッシャー部51
と該ワッシャー部51からステータ基板の他方端面側に
延出する端子部52とから構成されている。
【0035】このような構成のトリマコンデンサは、先
ず、ステータ基板1の表面に、シリコーンオイルなどの
潤滑剤を介して、誘電体ロータ3を配置し、さらに誘電
体ロータ3の貫通孔31、ステータ基板1の貫通孔11
に調整ピン4のピン部42が挿通するようにして、誘電
体ロータ3上に調整ピン4を固定する。この固定とは、
導電性接着剤を用いて、少なくとも誘電体ロータ3のロ
ータ電極32の一部と調整ピン4の一部が電気的に接続
されるように接着することである。そして、ステータ基
板1の裏面に挿通した調整ピン4のピン部42の先端に
ロータ端子5のワッシャー部51を挿通して、調整ピン
4のピン部42の先端を加締め処理を行う。
【0036】これより、ステータ基板1の表面に誘電体
ロータ3が回動自在に配置され、調整ピン4の頭部41
を所定量回動させることにより、誘電体ロータ3が共動
することになる。そして、誘電体ロータ3のロータ電極
32とステータ基板1の表面のステータ電極2との対向
面積が変化して、この対向面積に応じた容量成分が発生
し、この容量成分が、ステータ電極2と導通部21を介
して接続されたステータ端子22と、ロータ電極3と調
整ピン4を介して接続されたロータ端子5の端子部52
との間から導出されることになる。
【0037】本発明において、ステータ基板1の表面、
即ち、セラミック基体10の表面には、多層構造のステ
ータ電極2、ステータ電極2よりも厚みの薄い導通部2
1、ステータ電極2の周囲に、導通部21を被覆するよ
うに形成された、オーバーガラスコート層23が配置さ
れており、夫々が耐熱性に優れているため、トリマコン
デンサをプリント配線基板上に半田接合する際の熱衝撃
によって、いずれも変形がなく、ステータ電極2と誘電
体ロータ3との位置関係を安定化させることができる。
【0038】また、ステータ基板1と誘電体ロータ3と
の間に介在した潤滑剤が外部に流出ることも一切なく、
ステータ基板1と誘電体ロータ3との接合状態が経時的
に安定することから微小容量特性の調整が可能となり、
しかも、経時的に安定維持されることになる。
【0039】この潤滑剤の流出の防止については、多層
構造のステータ電極2、該ステータ電極2よりも厚みの
薄い導通部21、この導通部21を被覆し、且つステー
タ電極2の周囲に形成されたオーバーガラスコート層2
3によって達成される。
【0040】即ち、ステータ基板1の表面の平滑性を向
上させるために、ステータ基板1の表面を鏡面研磨加工
を施すが、この時、ステータ電極2がオーバーガラスコ
ート層23に囲まれているため、ステータ電極2部分の
研磨レートとオーバーガラスコート層23の研磨レート
の相違から、ステータ電極2部分の周囲に過剰研磨によ
る研磨凹みが形成されても、この凹みがステータ基板1
の端面にまで達することがない。
【0041】このため、ステータ基板1と誘電体ロータ
3との間の潤滑剤が流出せず、両者の接触状態が経時的
非常に安定する。
【0042】次に、本発明のトリマコンデンサに用いら
れるステータ基板の製造方法を説明する。
【0043】図3(a)〜図3(d)はステータ基板1
の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。
【0044】この例において、まず、中心に貫通孔11
が形成されたセラミック基体10を用意する。次に、図
3(a)に示すように、セラミック基体10表面に、貫
通孔11を取り囲み、且つステータ電極の形状を含む領
域、ステータ電極の円弧先端から基体10の端面に延び
る導通部の形状に応じて下層導体層2aを形成する。
【0045】具体的には、Ag系導電性ペーストの選択
的な印刷及び焼きつけによって形成する。この焼きつけ
は大気雰囲気中、850℃で行う。
【0046】次に、図3(b)に示すように、下層導体
層2a上に、平面形状半円形状のステータ電極となる上
層導体層2bを形成する。具体的には、Ag系導電性ペ
ーストの選択的な印刷及び焼きつけによって形成する。
この焼きつけは大気雰囲気中、850℃で行う。
【0047】これによって、ステータ電極2は少なくと
も2層の導体層2a、2bで構成され、導通部21は下
層導体層2aのみで構成されることから、ステータ電極
2と導通部21との導体厚みが夫々相違することにな
る。
【0048】次に、図3(c)に示すようにセラミック
基体10の表面に、すなくとも導通部21を被い、且つ
ステータ電極2の周囲を完全に囲む、またはステータ電
極を覆うようにオーバーガラスコート層23となるガラ
ス層23’を被覆形成する。
【0049】具体的には、ホウ珪酸系ガラスまたはホウ
珪酸系鉛系ガラスを主成分とするガラスペーストを用い
て、オーバーガラスコート層となるガラス層23’を印
刷し、焼きつけを行う。この時、導通部21上のガラス
層23’の表面が、上層導体層2bの表面と同一または
それ以上になるように、印刷量の制御、重ね印刷、複数
回の印刷、焼きつけを行う。尚、この焼きつけは大気雰
囲気中、800℃で行う。
【0050】次に、図3(d)に示すように、ガラス層
23’の表面を研磨処理を行う。
【0051】この研磨処理は、埋設されたステータ電極
2を露出すること、さらに、ステータ基板1の表面に鏡
面加工を行うものである。具体的には、1500〜20
00番の砥粒を用いて、表面研磨を行う。
【0052】これによって、導通部21よりも厚みが厚
いステータ電極2のみがステータ基板1の表面から露出
することになる。
【0053】ここで、従来技術でも説明したように、オ
ーバーガラスコート層23とAgを主成分とするステー
タ電極2とでは、研磨加工性が相違し、スーテタ電極2
側の研磨レートが大きい。このため、ガラス層23’の
表面を研磨をステータ電極2の形状が露出した時点で終
了しても、図4の斜線部分に示すように、ステータ電極
2の境界部分は、過剰研磨による研磨凹み(深さ約5μ
m)が発生してしまう。しかし、本発明ではステータ電
極2からステータ端子22に接続する導通部21は、下
層導体層2aのみで構成されることから、ステータ電極
2の形状が露出した時点では、未だオーバガラスコート
層23に被覆されていることになる。従って、ステータ
電極2の境界部分に発生する研磨凹みは、ステータ電極
2の形状と実質的に同一の形状となり、その凹みがステ
ータ基板1の端面にまで通じることが一切ない。
【0054】このような構造のステータ基板1では、そ
の表面が鏡面状態(表面状態が非常に平坦化)となり、
また、シリコーンオイルなどの潤滑剤を介して誘電体ロ
ータ3を配置しても、この潤滑剤はステータ電極2部分
のみに在留し、少なくともステータ基板1の端面に流出
することが一切なくなる。
【0055】これにより、経時的に非常に安定した特性
が維持でき、また、外部からの湿気の侵入を有効に抑
え、ステータ電極2の腐蝕なども一切発生しないことに
なる。
【0056】図5(a)〜図5(f)は別のステータ基
板の製造方法を示す。
【0057】まず、中心に貫通孔11が形成されたセラ
ミック基体10を用意する。次に、図5(a)に示すよ
うに、セラミック基体10表面に、貫通孔11を取り囲
み、ステータ電極の形状を含む領域及びステータ電極か
ら基体10の端面に延びる導通部となる下層導体層2a
を形成する。具体的には、Ag系導電性ペーストの選択
的な印刷及び焼きつけによって形成する。この焼きつけ
は大気雰囲気中、850℃で行う。
【0058】次に、図5(b)に示すようにセラミック
基体10の表面に、下層導体層2aを被覆するように、
ホウ珪酸系ガラスまたはホウ珪酸系鉛系ガラスを主成分
とするガラスペーストを用いて、オーバーガラスコート
層となる下層ガラス層23aを印刷し、焼きつけを行
う。
【0059】次に、図5(c)に示すように、ガラス層
23aの表面を一次研磨処理を行う。この一次研磨処理
では、少なくともステータ電極2が露出するまで行う。
しかし実際には、同一下層導体層2aで構成された導通
部21までもが露出してしまうことになる。
【0060】次に、図5(d)に示すように、下層導体
層2a上に、平面形状半円形状のステータ電極となる上
層導体層2bを、Ag系導電性ペーストの選択的な印刷
及び焼きつけによって形成する。
【0061】これによって、ステータ電極2は少なくと
も2層の導体層2a、2bで構成され、導通部21は下
層導体層2aのみで構成され、ステータ電極2と導通部
21との導体厚みが夫々相違することになる。
【0062】次に、図5(e)に示すようにセラミッ基
体板10の表面、即ち、下層導体層2aからなる導通
部、上層導体層2aからなるステータ電極2部分が被覆
されるように、ガラスペーストを用いて、オーバーガラ
スコート層となる上層ガラス層23bを印刷し、焼きつ
けを行う。
【0063】次に、図5(f)に示すように、ガラス層
23bの表面を二次研磨処理を行う。この二次研磨処理
は、上層導体層2bで構成されたステータ電極2のみを
露出すること、さらに、ステータ基板1の表面に鏡面加
工を行うものである。
【0064】以上のようの図5に示す製造方法によって
形成されたステータ基板1は、図3に示すステータ基板
の製造方法に比較して、オーバーコートガラス層の形成
回数、研磨の回数は増加するものの、同一の構造のステ
ータ基板が得ら、図4に示すような過剰研磨による研磨
凹みが発生する。
【0065】このようなステータ基板1を用いたトリマ
コンデンサでは、ステータ基板をセラミック基体10、
オーバーガラスコート層23から形成できるため、実装
工程でリフロー半田などにより加熱された場合にもステ
ータが変形することがない。
【0066】また、ステータ基板1の表面が鏡面状態と
なり、しかも、誘電体ロータ3との間に介在させた潤滑
剤が基板1の端面にまで流れることが一切ない。
【0067】したがって、ステータ電極2とロータ電極
32との間に発生される静電容量のばらつきを防止し
て、意図する大きさの静電容量を確実に抽出でき、実装
後の微小な静電容量特性の可変制御が容易に行え、しか
も、安定的に維持できる。
【0068】
【発明の効果】本発明では、ステータ基板を介してプリ
ント配線基板への半田接合しても、熱処理による基板の
変形が一切なく、また、ステータ基板の表面が鏡面状に
仕上げされているため、ステータ基板と誘電体ロータと
が十分に密着する。しかも、その間に介在される潤滑剤
の移動などが一切なく、静電容量の経時的変化を有効に
抑えることができる。
【0069】したがって、ステータ電極とロータ電極と
の間に形成される静電容量のばらつきが防止でき、意図
する微小静電容量を確実に調整でき、実装後の静電容量
の経時的な変化を確実に防止して、信頼性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトリマコンデンサの断面図である。
【図2】本発明のトリマコンデンサの分解斜視図であ
る。
【図3】(a)〜(d)は、本発明のトリマコンデンサ
のステータ基板の製造方法を説明する断面図である。
【図4】本発明のトリマコンデンサのステータ基板の平
面図である。
【図5】(a)〜(f)は、本発明の別の製造方法を説
明する断面図である。
【符号の説明】
1・・・・ステータ基板 10・・・セラミック基体 11・・・貫通孔 2・・・・ステータ電極 2a・・・下層導体層 2b・・・上層導体層 21・・・・導通部 22・・・ステータ端子 3・・・・誘電体ロータ 31・・・貫通孔 32・・・ロータ電極 4・・・調整ピン 5・・・ロータ端子 52・・・端子部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥 岳 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔が形成され、且つ表面にステータ
    電極、端面に該ステータ電極と接続するステータ端子が
    形成されたセラミックから成るステータ基板と、 前記ステータ基板上に配置され、貫通孔及びロータ電極
    を備えた円板状の誘電体ロータと、 前記誘電体ロータ上に配置され、ロータ電極と導通する
    とともに、誘電体ロータの貫通孔及びステータ基板の貫
    通孔にその一部が挿通される調整ピンと、 前記ステータ基板の裏面で調整ピンの一部と導通するロ
    ータ端子とを有するトリマコンデンサにおいて、 前記ステータ基板の表面には、上下導体層から成るステ
    ータ電極が形成されており、該ステータ電極の下層導体
    層はステータ端子とを接続する導通部を有し、且つ上層
    導体層の周囲にオーバーガラスコート層が被着されてい
    ることを特徴とするトリマコンデンサ。
JP9107864A 1997-04-24 1997-04-24 トリマコンデンサ Pending JPH10303071A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2359194A (en) * 2000-02-08 2001-08-15 Murata Manufacturing Co Manufacturing method for variable capacitor stator

Cited By (3)

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