JP2000136213A - 塩素化塩化ビニル系樹脂及びその製造方法 - Google Patents
塩素化塩化ビニル系樹脂及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化
ビニル系樹脂及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、該塩素化塩化ビニル系樹
脂の塩素含有率が60〜72重量%であり、水銀圧入法
により圧力2000kg/cm2 で測定した空隙率が3
0〜40容量%であり、水銀圧入法により圧力が0〜2
000kg/cm2 で測定した細孔容積分布において、
0.001〜0.1μmの空隙容積が、全空隙容積の2
〜15容積%であり、かつ、該塩素化塩化ビニル系樹脂
の1g/kgテトラヒドロフラン溶液の吸光度(セル長
1cm、測定温度23℃)が、波長235nmにおいて
0.2以下であることを特徴とする塩素化塩化ビニル系
樹脂。
ビニル系樹脂及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、該塩素化塩化ビニル系樹
脂の塩素含有率が60〜72重量%であり、水銀圧入法
により圧力2000kg/cm2 で測定した空隙率が3
0〜40容量%であり、水銀圧入法により圧力が0〜2
000kg/cm2 で測定した細孔容積分布において、
0.001〜0.1μmの空隙容積が、全空隙容積の2
〜15容積%であり、かつ、該塩素化塩化ビニル系樹脂
の1g/kgテトラヒドロフラン溶液の吸光度(セル長
1cm、測定温度23℃)が、波長235nmにおいて
0.2以下であることを特徴とする塩素化塩化ビニル系
樹脂。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素化塩化ビニル
系樹脂及びその製造方法に関する。
系樹脂及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂(以下、PVCとい
う)は、機械的強度、耐候性、耐薬品性に優れた材料と
して、多くの分野に用いられている。しかしながら、耐
熱性に劣るため、PVC樹脂を塩素化することにより耐
熱性を向上させた塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、CP
VCという)が開発されている。
う)は、機械的強度、耐候性、耐薬品性に優れた材料と
して、多くの分野に用いられている。しかしながら、耐
熱性に劣るため、PVC樹脂を塩素化することにより耐
熱性を向上させた塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、CP
VCという)が開発されている。
【0003】PVCは、熱変形温度が低く使用可能な上
限温度が60〜70℃付近であるため、熱水に対して使
用できないのに対し、CPVCは熱変形温度がPVCよ
りも20〜40℃も高いため、熱水に対しても使用可能
であり、例えば、耐熱パイプ、耐熱継手、耐熱バルブ等
に好適に使用されている。
限温度が60〜70℃付近であるため、熱水に対して使
用できないのに対し、CPVCは熱変形温度がPVCよ
りも20〜40℃も高いため、熱水に対しても使用可能
であり、例えば、耐熱パイプ、耐熱継手、耐熱バルブ等
に好適に使用されている。
【0004】しかしながら、CPVCは熱変形温度が高
いため、成形加工時にゲル化させるには高温と強い剪断
力とを必要とし、成形加工時に分解して着色しやすいと
いう傾向があった。従って、CPVCは成形加工幅が狭
く、不充分なゲル化状態で製品化されることが多く、素
材のもつ性能を充分発揮できているとはいえなかった。
そのため、CPVCの成形時の熱安定性を改良し、成形
加工性を向上させることが望まれている。
いため、成形加工時にゲル化させるには高温と強い剪断
力とを必要とし、成形加工時に分解して着色しやすいと
いう傾向があった。従って、CPVCは成形加工幅が狭
く、不充分なゲル化状態で製品化されることが多く、素
材のもつ性能を充分発揮できているとはいえなかった。
そのため、CPVCの成形時の熱安定性を改良し、成形
加工性を向上させることが望まれている。
【0005】このような問題点を解決するため、熱安定
性の良好なCPVCを製造する方法が提案されている。
例えば、特公昭45−30833号公報には、酸素濃度
が0.05〜0.35容量%の塩素を特定の流速で供給
して、55〜80℃の温度で塩素化すると、熱安定性の
良好なCPVCが得られるとしている。しかし、酸素濃
度が高く、低温での反応のため、熱安定性が格段に優れ
ているわけでなく、長期の押出成形や射出成形に耐えら
れない。
性の良好なCPVCを製造する方法が提案されている。
例えば、特公昭45−30833号公報には、酸素濃度
が0.05〜0.35容量%の塩素を特定の流速で供給
して、55〜80℃の温度で塩素化すると、熱安定性の
良好なCPVCが得られるとしている。しかし、酸素濃
度が高く、低温での反応のため、熱安定性が格段に優れ
ているわけでなく、長期の押出成形や射出成形に耐えら
れない。
【0006】また、例えば、特開平9−328518号
公報には、酸素濃度が200ppm以下の塩素を使用し
て紫外線照射下に塩素化する方法が提案されている。し
かしながら、紫外線照射による低温での反応のために、
熱安定性が格段に優れたCPVCは得られていない。
公報には、酸素濃度が200ppm以下の塩素を使用し
て紫外線照射下に塩素化する方法が提案されている。し
かしながら、紫外線照射による低温での反応のために、
熱安定性が格段に優れたCPVCは得られていない。
【0007】ところで、特開平6−32822号公報に
は、10〜100ppmの酸素を含んだ塩素を供給して
110〜135℃の温度で塩素化する方法が提案されて
いる。熱塩素化による高温での塩素化のため、熱安定性
に優れたCPVCを得ることが可能であり、塩素化反応
も円滑に進行する。しかしながら、高温反応による熱エ
ネルギーの影響のため、粒子内部の空隙の減少が起こ
り、成形加工時に十分なゲル化を発現しにくく、加工性
を向上させるには、さらに高温、高剪断による粒子内部
からの発熱を発生させる必要がある。
は、10〜100ppmの酸素を含んだ塩素を供給して
110〜135℃の温度で塩素化する方法が提案されて
いる。熱塩素化による高温での塩素化のため、熱安定性
に優れたCPVCを得ることが可能であり、塩素化反応
も円滑に進行する。しかしながら、高温反応による熱エ
ネルギーの影響のため、粒子内部の空隙の減少が起こ
り、成形加工時に十分なゲル化を発現しにくく、加工性
を向上させるには、さらに高温、高剪断による粒子内部
からの発熱を発生させる必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであり、その目的は、熱
安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化ビニル系樹脂
及びその製造方法を提供することにある。
を解決するためになされたものであり、その目的は、熱
安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化ビニル系樹脂
及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、本発明1という)は、
塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系
樹脂であって、該塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率
が60〜72重量%であり、水銀圧入法により圧力20
00kg/cm2 で測定した空隙率が30〜40容量%
であり、水銀圧入法により圧力が0〜2000kg/c
m2 で測定した細孔容積分布において、0.001〜
0.1μmの空隙容積が、全空隙容積の2〜15容積%
であり、かつ、該塩素化塩化ビニル系樹脂の1g/kg
テトラヒドロフラン溶液の吸光度(セル長1cm、測定
温度23℃)が、波長235nmにおいて0.2以下で
あることを特徴とする。
塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、本発明1という)は、
塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系
樹脂であって、該塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率
が60〜72重量%であり、水銀圧入法により圧力20
00kg/cm2 で測定した空隙率が30〜40容量%
であり、水銀圧入法により圧力が0〜2000kg/c
m2 で測定した細孔容積分布において、0.001〜
0.1μmの空隙容積が、全空隙容積の2〜15容積%
であり、かつ、該塩素化塩化ビニル系樹脂の1g/kg
テトラヒドロフラン溶液の吸光度(セル長1cm、測定
温度23℃)が、波長235nmにおいて0.2以下で
あることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項2記載の塩素化塩化ビニル
系樹脂(以下、本発明2という)は、塩化ビニル系樹脂
を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、該
塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が60〜72重量
%であり、水銀圧入法により圧力2000kg/cm2
で測定した空隙率が30〜40容量%であり、BET比
表面積値が2〜12m2 /gであり、かつ、該塩素化塩
化ビニル系樹脂の1g/kgテトラヒドロフラン溶液の
吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)が、波長23
5nmにおいて0.2以下であることを特徴とする。
系樹脂(以下、本発明2という)は、塩化ビニル系樹脂
を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、該
塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が60〜72重量
%であり、水銀圧入法により圧力2000kg/cm2
で測定した空隙率が30〜40容量%であり、BET比
表面積値が2〜12m2 /gであり、かつ、該塩素化塩
化ビニル系樹脂の1g/kgテトラヒドロフラン溶液の
吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)が、波長23
5nmにおいて0.2以下であることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項3記載の塩素化塩化ビニル
系樹脂(以下、本発明3という)は、塩化ビニル系樹脂
を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、該
塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が60〜72重量
%であり、水銀圧入法により圧力2000kg/cm2
で測定した空隙率が30〜40容量%であり、水銀圧入
法により圧力が0〜2000kg/cm2 で測定した細
孔容積分布において、0.001〜0.1μmの空隙容
積が、全空隙容積の2〜15容積%であり、かつ、該塩
素化塩化ビニル系樹脂は、3gを20℃にてテトラヒド
ロフラン60gに完全溶解させた後にメチルアルコール
を添加していくことにより析出させた場合に、塩素化塩
化ビニル系樹脂の塩素含有率X(重量%)、塩素化塩化
ビニル系樹脂が析出を開始した時点までのメチルアルコ
ール添加量Y(g)、及び、塩素化塩化ビニル系樹脂の
80重量%が析出した時点までのメチルアルコール添加
量Z(g)が下記式(1)及び(2)の関係を有するこ
とを特徴とする。 −3.9X+305≧Y≧−3.9X+300・・・(1) −3.2X+270≧Z≧−3.2X+265・・・(2)
系樹脂(以下、本発明3という)は、塩化ビニル系樹脂
を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、該
塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が60〜72重量
%であり、水銀圧入法により圧力2000kg/cm2
で測定した空隙率が30〜40容量%であり、水銀圧入
法により圧力が0〜2000kg/cm2 で測定した細
孔容積分布において、0.001〜0.1μmの空隙容
積が、全空隙容積の2〜15容積%であり、かつ、該塩
素化塩化ビニル系樹脂は、3gを20℃にてテトラヒド
ロフラン60gに完全溶解させた後にメチルアルコール
を添加していくことにより析出させた場合に、塩素化塩
化ビニル系樹脂の塩素含有率X(重量%)、塩素化塩化
ビニル系樹脂が析出を開始した時点までのメチルアルコ
ール添加量Y(g)、及び、塩素化塩化ビニル系樹脂の
80重量%が析出した時点までのメチルアルコール添加
量Z(g)が下記式(1)及び(2)の関係を有するこ
とを特徴とする。 −3.9X+305≧Y≧−3.9X+300・・・(1) −3.2X+270≧Z≧−3.2X+265・・・(2)
【0012】本発明の請求項4記載の塩素化塩化ビニル
系樹脂(以下、本発明4という)は、塩化ビニル系樹脂
を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、該
塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が60〜72重量
%であり、水銀圧入法により圧力2000kg/cm2
で測定した空隙率が30〜40容量%であり、BET比
表面積値が2〜12m2 /gであり、かつ、該塩素化塩
化ビニル系樹脂は、3gを20℃にてテトラヒドロフラ
ン60gに完全溶解させた後にメチルアルコールを添加
していくことにより析出させた場合に、塩素化塩化ビニ
ル系樹脂の塩素含有率X(重量%)、塩素化塩化ビニル
系樹脂が析出を開始した時点までのメチルアルコール添
加量Y(g)、及び、塩素化塩化ビニル系樹脂の80重
量%が析出した時点までのメチルアルコール添加量Z
(g)が下記式(1)及び(2)の関係を有することを
特徴とする。 −3.9X+305≧Y≧−3.9X+300・・・(1) −3.2X+270≧Z≧−3.2X+265・・・(2)
系樹脂(以下、本発明4という)は、塩化ビニル系樹脂
を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、該
塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が60〜72重量
%であり、水銀圧入法により圧力2000kg/cm2
で測定した空隙率が30〜40容量%であり、BET比
表面積値が2〜12m2 /gであり、かつ、該塩素化塩
化ビニル系樹脂は、3gを20℃にてテトラヒドロフラ
ン60gに完全溶解させた後にメチルアルコールを添加
していくことにより析出させた場合に、塩素化塩化ビニ
ル系樹脂の塩素含有率X(重量%)、塩素化塩化ビニル
系樹脂が析出を開始した時点までのメチルアルコール添
加量Y(g)、及び、塩素化塩化ビニル系樹脂の80重
量%が析出した時点までのメチルアルコール添加量Z
(g)が下記式(1)及び(2)の関係を有することを
特徴とする。 −3.9X+305≧Y≧−3.9X+300・・・(1) −3.2X+270≧Z≧−3.2X+265・・・(2)
【0013】本発明の請求項5記載の塩素化塩化ビニル
系樹脂の製造方法(以下、本発明5という)は、塩化ビ
ニル系樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂の
製造方法であって、前記塩化ビニル系樹脂は、BET比
表面積値が1.3〜8m2 /gであり、ESCA分析
(電子分光化学分析)による粒子表面分析において、炭
素原子と塩素原子との1S結合エネルギー値(eV)に
おけるピーク比(塩素原子ピーク×2/炭素原子ピー
ク)が、0.6を超えるものであり、かつ、塩素化反応
において、塩化ビニル系樹脂を水性媒体中で懸濁状態と
なした状態で、反応器内に液体塩素又は気体塩素を導入
し、反応温度を100〜135℃の範囲で反応を行うこ
とを特徴とする。
系樹脂の製造方法(以下、本発明5という)は、塩化ビ
ニル系樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂の
製造方法であって、前記塩化ビニル系樹脂は、BET比
表面積値が1.3〜8m2 /gであり、ESCA分析
(電子分光化学分析)による粒子表面分析において、炭
素原子と塩素原子との1S結合エネルギー値(eV)に
おけるピーク比(塩素原子ピーク×2/炭素原子ピー
ク)が、0.6を超えるものであり、かつ、塩素化反応
において、塩化ビニル系樹脂を水性媒体中で懸濁状態と
なした状態で、反応器内に液体塩素又は気体塩素を導入
し、反応温度を100〜135℃の範囲で反応を行うこ
とを特徴とする。
【0014】本発明の請求項6記載の塩素化塩化ビニル
系樹脂の製造方法(以下、本発明6という)は、反応温
度が120〜135℃の範囲であることを特徴とする請
求項5記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法であ
る。
系樹脂の製造方法(以下、本発明6という)は、反応温
度が120〜135℃の範囲であることを特徴とする請
求項5記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法であ
る。
【0015】本発明の請求項7記載の塩素化塩化ビニル
系樹脂の製造方法(以下、本発明7という)は、塩化ビ
ニル系樹脂のBET比表面積値が1.5〜5m2 /gで
ある請求項5又は6記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製
造方法である。
系樹脂の製造方法(以下、本発明7という)は、塩化ビ
ニル系樹脂のBET比表面積値が1.5〜5m2 /gで
ある請求項5又は6記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製
造方法である。
【0016】本発明の請求項8記載の塩素化塩化ビニル
系樹脂の製造方法(以下、本発明8という)は、塩化ビ
ニル系樹脂のESCA分析による粒子表面分析における
上記ピーク比が、0.7を超えるものである請求項5〜
7のいずれかに記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方
法である。
系樹脂の製造方法(以下、本発明8という)は、塩化ビ
ニル系樹脂のESCA分析による粒子表面分析における
上記ピーク比が、0.7を超えるものである請求項5〜
7のいずれかに記載の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方
法である。
【0017】本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂について
詳述する。上記CPVCとは、塩化ビニル単量体(以
下、VCMという)単独、又は、VCM及びVCMと共
重合可能な他の単量体の混合物を公知の方法で重合して
なる樹脂を塩素化することにより得られるものである。
上記VCMと共重合可能な他の単量体としては特に限定
されず、例えば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステ
ル類;エチレン、プロピレン等のα−モノオレフィン
類;塩化ビニリデン;スチレン等が挙げられる。これら
は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよ
い。
詳述する。上記CPVCとは、塩化ビニル単量体(以
下、VCMという)単独、又は、VCM及びVCMと共
重合可能な他の単量体の混合物を公知の方法で重合して
なる樹脂を塩素化することにより得られるものである。
上記VCMと共重合可能な他の単量体としては特に限定
されず、例えば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステ
ル類;エチレン、プロピレン等のα−モノオレフィン
類;塩化ビニリデン;スチレン等が挙げられる。これら
は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよ
い。
【0018】本発明のCPVCの製造に用いられるPV
Cとしては、特開平8−120007号公報、特開平8
−295701号公報、特開平9−132612号公報
又は特開平9−227607号公報に記載されている製
造方法により得られるPVCが好ましい。
Cとしては、特開平8−120007号公報、特開平8
−295701号公報、特開平9−132612号公報
又は特開平9−227607号公報に記載されている製
造方法により得られるPVCが好ましい。
【0019】本発明のCPVCの塩素含有率は60〜7
2重量%に限定される。塩素含有率は60重量%未満に
なると耐熱性の向上が不十分であり、72重量%を超え
ると成形加工が困難となりゲル化が不十分となる。好ま
しくは63〜70重量%である。
2重量%に限定される。塩素含有率は60重量%未満に
なると耐熱性の向上が不十分であり、72重量%を超え
ると成形加工が困難となりゲル化が不十分となる。好ま
しくは63〜70重量%である。
【0020】本発明のCPVCの空隙率は、30〜40
容量%に限定される。上記空隙率は、水銀圧入法により
圧力2000kg/cm2 で測定されるものを言う。空
隙率が30容量%未満になると、成形加工時のゲル化が
遅くなり成形加工上好ましくなく、40容量%を超える
と、成形時にスクリューへの食い込みが悪くなり、ゲル
化性が劣るので、上記範囲に限定される。好ましくは、
31〜38容量%である。
容量%に限定される。上記空隙率は、水銀圧入法により
圧力2000kg/cm2 で測定されるものを言う。空
隙率が30容量%未満になると、成形加工時のゲル化が
遅くなり成形加工上好ましくなく、40容量%を超える
と、成形時にスクリューへの食い込みが悪くなり、ゲル
化性が劣るので、上記範囲に限定される。好ましくは、
31〜38容量%である。
【0021】本発明1及び2のCPVCの1g/kgテ
トラヒドロフラン溶液の吸光度(セル長1cm、測定温
度23℃)は、波長235nmにおいて0.2以下に限
定される。本発明1及び2のCPVCでは、吸光度の値
により、塩素化反応時の分子鎖中の異種構造を定量化
し、熱安定性の指標とする。吸光度の測定方法は、紫外
吸収スペクトルを測定し、CPVC中の異種構造であ
る、−CH=CH−C(=O)−、−CH=CH−CH
=CH−が吸収をもつ、波長235nmの吸光度(セル
長1cm、測定温度23℃)の値を読み取る方法であ
る。吸光度を0.2以下に限定する理由は、以下の通り
である。すなわち、二重結合した炭素の隣の炭素に付い
た塩素原子は不安定であることから、そこを起点とし
て、脱塩酸が起こる、つまり、吸光度の値が大きいほ
ど、脱塩酸が起こり易く、熱安定性が低いことになる。
吸光度の値が0.2を超えると、分子鎖中の異種構造の
影響が大きくなるため、その結果、熱安定性に劣るよう
になる。
トラヒドロフラン溶液の吸光度(セル長1cm、測定温
度23℃)は、波長235nmにおいて0.2以下に限
定される。本発明1及び2のCPVCでは、吸光度の値
により、塩素化反応時の分子鎖中の異種構造を定量化
し、熱安定性の指標とする。吸光度の測定方法は、紫外
吸収スペクトルを測定し、CPVC中の異種構造であ
る、−CH=CH−C(=O)−、−CH=CH−CH
=CH−が吸収をもつ、波長235nmの吸光度(セル
長1cm、測定温度23℃)の値を読み取る方法であ
る。吸光度を0.2以下に限定する理由は、以下の通り
である。すなわち、二重結合した炭素の隣の炭素に付い
た塩素原子は不安定であることから、そこを起点とし
て、脱塩酸が起こる、つまり、吸光度の値が大きいほ
ど、脱塩酸が起こり易く、熱安定性が低いことになる。
吸光度の値が0.2を超えると、分子鎖中の異種構造の
影響が大きくなるため、その結果、熱安定性に劣るよう
になる。
【0022】1g/kgテトラヒドロフラン溶液の吸光
度を0.2以下にする塩素化方法としては、高温での塩
素化方法が挙げられる。高温反応による高い熱安定性発
現には、塩素化反応中の酸化(カルボニル基に代表され
る異種構造生成)が高温ほど起こりにくい(高温程、反
応の平衡が生成を抑制する方向に移動する)ことが起因
する。具体的には、反応温度100〜135℃、より好
ましくは、110〜125℃の範囲で行う。反応温度が
100℃未満では塩素化反応速度が低いため、反応を進
行させるには、過酸化物に代表される反応触媒を多量に
添加する必要があり、その結果、得られる樹脂の熱安定
性が劣るようになる。反応温度が135℃を超えると、
熱エネルギーによって樹脂が劣化し、得られるCPVC
が着色する。
度を0.2以下にする塩素化方法としては、高温での塩
素化方法が挙げられる。高温反応による高い熱安定性発
現には、塩素化反応中の酸化(カルボニル基に代表され
る異種構造生成)が高温ほど起こりにくい(高温程、反
応の平衡が生成を抑制する方向に移動する)ことが起因
する。具体的には、反応温度100〜135℃、より好
ましくは、110〜125℃の範囲で行う。反応温度が
100℃未満では塩素化反応速度が低いため、反応を進
行させるには、過酸化物に代表される反応触媒を多量に
添加する必要があり、その結果、得られる樹脂の熱安定
性が劣るようになる。反応温度が135℃を超えると、
熱エネルギーによって樹脂が劣化し、得られるCPVC
が着色する。
【0023】本発明3及び4のCPVCは、3gを20
℃にてテトラヒドロフラン60gに完全溶解させた後に
メチルアルコールを添加していくことにより析出させた
場合に、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率X(重量
%)、塩素化塩化ビニル系樹脂が析出を開始した時点ま
でのメチルアルコール添加量Y(g)、及び、塩素化塩
化ビニル系樹脂の80重量%が析出した時点までのメチ
ルアルコール添加量Z(g)が下記式(1)及び(2)
の関係を有する。 −3.9X+305≧Y≧−3.9X+300・・・(1) −3.2X+270≧Z≧−3.2X+265・・・(2)
℃にてテトラヒドロフラン60gに完全溶解させた後に
メチルアルコールを添加していくことにより析出させた
場合に、塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率X(重量
%)、塩素化塩化ビニル系樹脂が析出を開始した時点ま
でのメチルアルコール添加量Y(g)、及び、塩素化塩
化ビニル系樹脂の80重量%が析出した時点までのメチ
ルアルコール添加量Z(g)が下記式(1)及び(2)
の関係を有する。 −3.9X+305≧Y≧−3.9X+300・・・(1) −3.2X+270≧Z≧−3.2X+265・・・(2)
【0024】CPVCを、テトラヒドロフランに完全溶
解させた後にメチルアルコールを添加していくと、次第
に、溶解したCPVCの塩素化率の高い樹脂部分から析
出が始まる。上記Y(塩素化塩化ビニル系樹脂が析出を
開始した時点までのメチルアルコール添加量)は、高塩
素化率側の樹脂の存在を示す指標であり、Z(塩素化塩
化ビニル系樹脂の80重量%が析出した時点までのメチ
ルアルコール添加量)は、低塩素化率側の樹脂の存在を
示す指標である。上記式(1)及び(2)の関係を有す
るCPVCは、樹脂粒子内の塩素化度分布が狭く(粒子
内部まで均一に塩素化されている)、高い熱安定性を有
する。
解させた後にメチルアルコールを添加していくと、次第
に、溶解したCPVCの塩素化率の高い樹脂部分から析
出が始まる。上記Y(塩素化塩化ビニル系樹脂が析出を
開始した時点までのメチルアルコール添加量)は、高塩
素化率側の樹脂の存在を示す指標であり、Z(塩素化塩
化ビニル系樹脂の80重量%が析出した時点までのメチ
ルアルコール添加量)は、低塩素化率側の樹脂の存在を
示す指標である。上記式(1)及び(2)の関係を有す
るCPVCは、樹脂粒子内の塩素化度分布が狭く(粒子
内部まで均一に塩素化されている)、高い熱安定性を有
する。
【0025】上記式(1)及び(2)の関係を有するC
PVCを得るための塩素化方法としては、高温での熱塩
素化方法が挙げられる。高温反応により粒子内均一塩素
化が達成されるのは、拡散速度が温度の関数であり、塩
素の粒子内部への拡散が高温ほど起こりやすいことに起
因する。具体的には、反応温度120〜135℃の範囲
で塩素化反応を行う。反応温度が120℃未満では塩素
の粒子内部への拡散が十分でなく、上記式(1)及び
(2)の関係を満足できず、粒子内の塩素化分布が広
く、その結果、得られる樹脂の熱安定性が劣る。反応温
度が135℃を超えると、熱エネルギーによって樹脂が
劣化し、得られるCPVCが着色する。
PVCを得るための塩素化方法としては、高温での熱塩
素化方法が挙げられる。高温反応により粒子内均一塩素
化が達成されるのは、拡散速度が温度の関数であり、塩
素の粒子内部への拡散が高温ほど起こりやすいことに起
因する。具体的には、反応温度120〜135℃の範囲
で塩素化反応を行う。反応温度が120℃未満では塩素
の粒子内部への拡散が十分でなく、上記式(1)及び
(2)の関係を満足できず、粒子内の塩素化分布が広
く、その結果、得られる樹脂の熱安定性が劣る。反応温
度が135℃を超えると、熱エネルギーによって樹脂が
劣化し、得られるCPVCが着色する。
【0026】本発明1及び3のCPVCは、水銀圧入法
により圧力が0〜2000kg/cm2 で測定した細孔
容積分布において、0.001〜0.1μmの空隙容積
が、全空隙容積の2〜15容積%である。樹脂粒子内の
空隙細孔径は、樹脂の空隙細孔部に圧入される水銀の圧
力との関数になっているため、圧入圧力と水銀重量を連
続的に測定すれば、細孔径の分布が測定できることにな
る。0.001〜0.1μmの範囲の空隙容積が、全空
隙容積中の2容積%未満であると、粒子内部の微細孔の
割合が少ないため成形加工時のゲル化性に劣り、15容
積%を超えると、塩素化時の塩素の拡散がバランスよく
行われておらず、粒子内の塩素化度分布が大きくなりす
ぎて、熱安定性がよくないので、上記範囲に限定され
る。好ましくは、0.001〜0.1μmの範囲の空隙
容積が、全空隙容積中の3〜13容積%である。
により圧力が0〜2000kg/cm2 で測定した細孔
容積分布において、0.001〜0.1μmの空隙容積
が、全空隙容積の2〜15容積%である。樹脂粒子内の
空隙細孔径は、樹脂の空隙細孔部に圧入される水銀の圧
力との関数になっているため、圧入圧力と水銀重量を連
続的に測定すれば、細孔径の分布が測定できることにな
る。0.001〜0.1μmの範囲の空隙容積が、全空
隙容積中の2容積%未満であると、粒子内部の微細孔の
割合が少ないため成形加工時のゲル化性に劣り、15容
積%を超えると、塩素化時の塩素の拡散がバランスよく
行われておらず、粒子内の塩素化度分布が大きくなりす
ぎて、熱安定性がよくないので、上記範囲に限定され
る。好ましくは、0.001〜0.1μmの範囲の空隙
容積が、全空隙容積中の3〜13容積%である。
【0027】本発明2及び4のCPVCは、BET比表
面積値が2〜12m2 /gに限定される。BET比表面
積が2m2 /g未満になると、粒子内部の微細孔の割合
が少ないため、成形加工時に、粒子内溶融が起こりにく
くなりゲル化性に劣る。BET比表面積値が12m2 /
gを超えると、内部からの摩擦熱の発生が急激に起こり
成形時の熱安定性が劣る。好ましいBET比表面積値は
3〜10m2 /gである。
面積値が2〜12m2 /gに限定される。BET比表面
積が2m2 /g未満になると、粒子内部の微細孔の割合
が少ないため、成形加工時に、粒子内溶融が起こりにく
くなりゲル化性に劣る。BET比表面積値が12m2 /
gを超えると、内部からの摩擦熱の発生が急激に起こり
成形時の熱安定性が劣る。好ましいBET比表面積値は
3〜10m2 /gである。
【0028】本発明1又は2のCPVCは、例えば、本
発明5の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法を用いて製
造することができる。
発明5の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法を用いて製
造することができる。
【0029】以下、本発明5の塩素化塩化ビニル系樹脂
の製造方法について詳述する。本発明の製造方法で用い
られるPVCとは、VCM単独、又は、VCM及びVC
Mと共重合可能な他の単量体の混合物を公知の方法で重
合してなる樹脂である。上記VCMと共重合可能な他の
単量体としては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル等
のアルキルビニルエステル類;エチレン、プロピレン等
のα−モノオレフィン類;塩化ビニリデン;スチレン等
が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種
以上が併用されてもよい。
の製造方法について詳述する。本発明の製造方法で用い
られるPVCとは、VCM単独、又は、VCM及びVC
Mと共重合可能な他の単量体の混合物を公知の方法で重
合してなる樹脂である。上記VCMと共重合可能な他の
単量体としては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル等
のアルキルビニルエステル類;エチレン、プロピレン等
のα−モノオレフィン類;塩化ビニリデン;スチレン等
が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種
以上が併用されてもよい。
【0030】上記PVCの平均重合度は特に限定され
ず、通常用いられる400〜3,000のものが使用で
きる。
ず、通常用いられる400〜3,000のものが使用で
きる。
【0031】本発明5で用いられるPVCのBET比表
面積値は、1.3〜8m2 /gに制限される。比表面積
値が1.3m2 /g未満であると、PVC粒子内部に
0.1μm以下の微細孔が少なくなるため、塩素化が均
一になされなくなり、熱安定性が向上しなくなる。ま
た、ゲル化が遅く、成形加工上好ましくない。比表面積
値が8m2 /gを超えると、塩素化前のPVC粒子自体
の熱安定性が低下するため、得られるCPVCの加工性
が悪くなる。好ましくは、1.5〜5m2 /gである。
面積値は、1.3〜8m2 /gに制限される。比表面積
値が1.3m2 /g未満であると、PVC粒子内部に
0.1μm以下の微細孔が少なくなるため、塩素化が均
一になされなくなり、熱安定性が向上しなくなる。ま
た、ゲル化が遅く、成形加工上好ましくない。比表面積
値が8m2 /gを超えると、塩素化前のPVC粒子自体
の熱安定性が低下するため、得られるCPVCの加工性
が悪くなる。好ましくは、1.5〜5m2 /gである。
【0032】上記PVCは、ESCA分析(電子分光化
学分析)による粒子表面分析において、炭素原子と塩素
原子との1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク
比(塩素原子ピーク×2/炭素原子ピーク)が、0.6
を超えるものに制限される。0.6以下であると、PV
C粒子表面に分散剤等の添加剤が吸着していると考えら
れるため、後工程での塩素化速度が遅くなるだけでな
く、得られるCPVCの成形加工性に問題を生じ、ま
た、熱安定性が劣るようになる。好ましくは、上記ピー
ク比が0.7を超えるものである。
学分析)による粒子表面分析において、炭素原子と塩素
原子との1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク
比(塩素原子ピーク×2/炭素原子ピーク)が、0.6
を超えるものに制限される。0.6以下であると、PV
C粒子表面に分散剤等の添加剤が吸着していると考えら
れるため、後工程での塩素化速度が遅くなるだけでな
く、得られるCPVCの成形加工性に問題を生じ、ま
た、熱安定性が劣るようになる。好ましくは、上記ピー
ク比が0.7を超えるものである。
【0033】上記ピーク比が0.6を超えるPVCの中
には、PVC粒子表面の表皮(以下、スキンという)面
積が少なく、粒子内部の微細構造(1次粒子)が露出し
ている粒子(スキンレスPVCという)が存在する。同
じエネルギー比である場合は、スキンレスPVCを用い
ることが好ましい。
には、PVC粒子表面の表皮(以下、スキンという)面
積が少なく、粒子内部の微細構造(1次粒子)が露出し
ている粒子(スキンレスPVCという)が存在する。同
じエネルギー比である場合は、スキンレスPVCを用い
ることが好ましい。
【0034】上記PVCの化学的構造の原子存在比は、
塩素原子:炭素原子=1:2であり(末端構造、分岐を
考慮しないとき)、上記1S結合エネルギー値(eV)
におけるピーク比(塩素原子ピーク×2/炭素原子ピー
ク)は0〜1の値となる。ピーク比が0の場合は、PV
C粒子表面がPVC以外で、かつ、塩素を含まない他の
物質により覆われていることを意味し、ピーク比が1の
場合は、PVC粒子表面が、完全に塩化ビニル成分のみ
で覆われていることを意味する。
塩素原子:炭素原子=1:2であり(末端構造、分岐を
考慮しないとき)、上記1S結合エネルギー値(eV)
におけるピーク比(塩素原子ピーク×2/炭素原子ピー
ク)は0〜1の値となる。ピーク比が0の場合は、PV
C粒子表面がPVC以外で、かつ、塩素を含まない他の
物質により覆われていることを意味し、ピーク比が1の
場合は、PVC粒子表面が、完全に塩化ビニル成分のみ
で覆われていることを意味する。
【0035】上記に示したBET比表面積値及び1S結
合エネルギー値(eV)におけるピーク比を有するPV
Cは、例えば、分散剤として高ケン化度(60〜90モ
ル%)若しくは低ケン化度(20〜60モル%)又はそ
の両方のポリ酢酸ビニル、高級脂肪酸エステル類等を、
乳化剤としてアニオン系乳化剤又はノニオン系乳化剤等
を添加して水懸濁重合することにより得ることができ
る。
合エネルギー値(eV)におけるピーク比を有するPV
Cは、例えば、分散剤として高ケン化度(60〜90モ
ル%)若しくは低ケン化度(20〜60モル%)又はそ
の両方のポリ酢酸ビニル、高級脂肪酸エステル類等を、
乳化剤としてアニオン系乳化剤又はノニオン系乳化剤等
を添加して水懸濁重合することにより得ることができ
る。
【0036】本発明5で上記PVCを重合する際に用い
ることができる重合器(耐圧オートクレーブ)の形状及
び構造としては特に限定されず、従来よりPVCの重合
に使用されているもの等を用いることができる。また、
攪拌翼としては特に限定されず、例えば、ファウドラー
翼、パドル翼、タービン翼、ファンタービン翼、ブルマ
ージン翼等の汎用的に用いられているもの等が挙げられ
るが、特にファウドラー翼が好適に用いられ、邪魔板
(バッフル)との組み合わせも特に制限されない。
ることができる重合器(耐圧オートクレーブ)の形状及
び構造としては特に限定されず、従来よりPVCの重合
に使用されているもの等を用いることができる。また、
攪拌翼としては特に限定されず、例えば、ファウドラー
翼、パドル翼、タービン翼、ファンタービン翼、ブルマ
ージン翼等の汎用的に用いられているもの等が挙げられ
るが、特にファウドラー翼が好適に用いられ、邪魔板
(バッフル)との組み合わせも特に制限されない。
【0037】上記PVCを塩素化する方法としては、P
VCを水性媒体中で懸濁状態となした状態で、反応器内
に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度を100〜
135℃の範囲で塩素化反応を行う方法である。
VCを水性媒体中で懸濁状態となした状態で、反応器内
に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度を100〜
135℃の範囲で塩素化反応を行う方法である。
【0038】本発明5に使用する塩素化反応器の材質
は、グラスライニングが施されたステンレス製反応器の
他、チタン製反応器等、一般に使用されるものが適用で
きる。
は、グラスライニングが施されたステンレス製反応器の
他、チタン製反応器等、一般に使用されるものが適用で
きる。
【0039】本発明5では、塩素化はPVCを水性媒体
により懸濁状態になした状態で、液体塩素又は気体塩素
を導入することにより、塩素源を塩素化反応器内に導入
するが、液体塩素を導入することが工程上からも効率的
である。反応途中の圧力調製の為、又、塩素化反応の進
行に伴う塩素の補給については、液体塩素の他、気体塩
素を適宜吹き込むこともできる。
により懸濁状態になした状態で、液体塩素又は気体塩素
を導入することにより、塩素源を塩素化反応器内に導入
するが、液体塩素を導入することが工程上からも効率的
である。反応途中の圧力調製の為、又、塩素化反応の進
行に伴う塩素の補給については、液体塩素の他、気体塩
素を適宜吹き込むこともできる。
【0040】上記PVCを懸濁状態に調製する方法とし
ては、PVCを重合の後、脱モノマー処理したケーキ状
の樹脂を用いるのが好ましいが、乾燥させたものを再
度、水性媒体で懸濁化してもよく、あるいは、重合系中
より、塩素化反応に好ましくない物質を除去した懸濁液
を使用しても良い。反応器内に仕込む水性媒体の量は、
特に制限はないが、一般にPVCの重量1に対して2〜
10倍(重量)量を仕込む。
ては、PVCを重合の後、脱モノマー処理したケーキ状
の樹脂を用いるのが好ましいが、乾燥させたものを再
度、水性媒体で懸濁化してもよく、あるいは、重合系中
より、塩素化反応に好ましくない物質を除去した懸濁液
を使用しても良い。反応器内に仕込む水性媒体の量は、
特に制限はないが、一般にPVCの重量1に対して2〜
10倍(重量)量を仕込む。
【0041】上記懸濁した状態で塩素化する際、本発明
5では、熱により樹脂の結合や塩素を励起させて塩素化
を促進する。熱エネルギーにより塩素化する際、加熱方
法としては特に限定されず、例えば、反応器壁からの外
部ジャケット方式の他、内部ジャケット方式、スチーム
吹き込み方式等が挙げられ、通常は、外部ジャケット方
式又は内部ジャケット方式が効果的である。また、紫外
光線等の光エネルギーを併用してもよいが、この場合
は、高温、高圧下の条件下での紫外線照射が可能な装置
が必要になる。
5では、熱により樹脂の結合や塩素を励起させて塩素化
を促進する。熱エネルギーにより塩素化する際、加熱方
法としては特に限定されず、例えば、反応器壁からの外
部ジャケット方式の他、内部ジャケット方式、スチーム
吹き込み方式等が挙げられ、通常は、外部ジャケット方
式又は内部ジャケット方式が効果的である。また、紫外
光線等の光エネルギーを併用してもよいが、この場合
は、高温、高圧下の条件下での紫外線照射が可能な装置
が必要になる。
【0042】上記塩素化の工程で、得られるCPVCの
塩素含有率が、60〜72重量%となるように調製する
のが好ましく、63〜70重量%がより好ましい。塩素
含有率が60重量%未満では、耐熱性に乏しく、72重
量%を超えるとゲル化性能が悪化して、耐熱成形品を成
形するのに不利である。
塩素含有率が、60〜72重量%となるように調製する
のが好ましく、63〜70重量%がより好ましい。塩素
含有率が60重量%未満では、耐熱性に乏しく、72重
量%を超えるとゲル化性能が悪化して、耐熱成形品を成
形するのに不利である。
【0043】上記塩素化反応温度は、100〜135℃
に限定され、好ましくは110〜125℃である。反応
温度が100℃未満では塩素化反応速度が低いため、反
応を進行させるには、過酸化物に代表される反応触媒を
多量に添加する必要があり、その結果、得られる樹脂の
熱安定性が劣るようになる。反応温度が135℃を超え
ると、熱エネルギーによって樹脂が劣化し、得られるC
PVCが着色する。
に限定され、好ましくは110〜125℃である。反応
温度が100℃未満では塩素化反応速度が低いため、反
応を進行させるには、過酸化物に代表される反応触媒を
多量に添加する必要があり、その結果、得られる樹脂の
熱安定性が劣るようになる。反応温度が135℃を超え
ると、熱エネルギーによって樹脂が劣化し、得られるC
PVCが着色する。
【0044】本発明5で使用する塩素としては、特開平
6−32822号公報に記載されているような、ボンベ
塩素の5〜10重量%をパージした後の塩素を用いるの
が好ましい。
6−32822号公報に記載されているような、ボンベ
塩素の5〜10重量%をパージした後の塩素を用いるの
が好ましい。
【0045】上記反応器内のゲージ圧力は、特に限定さ
れないが、塩素圧力が高いほど塩素がPVC粒子の内部
に浸透し易いため、0.3〜2MPaの範囲が好まし
い。
れないが、塩素圧力が高いほど塩素がPVC粒子の内部
に浸透し易いため、0.3〜2MPaの範囲が好まし
い。
【0046】本発明3又は4のCPVCは、例えば、本
発明6の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法を用いて製
造することができる。
発明6の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法を用いて製
造することができる。
【0047】以下、本発明6の塩素化塩化ビニル系樹脂
の製造方法について詳述する。本発明6の塩素化塩化ビ
ニル系樹脂の製造方法は、反応温度が120〜135℃
の範囲に限定されることの他は、本発明5の塩素化塩化
ビニル系樹脂の製造方法と同様である。従って、本発明
5の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法と異なる構成に
ついて、主として説明する(特に説明しない構成につい
ては、本発明5で詳細に説明した構成と同様である)。
の製造方法について詳述する。本発明6の塩素化塩化ビ
ニル系樹脂の製造方法は、反応温度が120〜135℃
の範囲に限定されることの他は、本発明5の塩素化塩化
ビニル系樹脂の製造方法と同様である。従って、本発明
5の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法と異なる構成に
ついて、主として説明する(特に説明しない構成につい
ては、本発明5で詳細に説明した構成と同様である)。
【0048】本発明6の製造方法で用いられるPVC
は、本発明5の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法で述
べたものと同様であり、BET比表面積値及びESCA
分析(電子分光化学分析)による粒子表面分析における
ピーク比についても本発明5のものと同様である。
は、本発明5の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法で述
べたものと同様であり、BET比表面積値及びESCA
分析(電子分光化学分析)による粒子表面分析における
ピーク比についても本発明5のものと同様である。
【0049】上記PVCを塩素化する方法としては、P
VCを水性媒体中で懸濁状態となした状態で、反応器内
に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度を120〜
135℃の範囲で塩素化反応を行う方法である。
VCを水性媒体中で懸濁状態となした状態で、反応器内
に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度を120〜
135℃の範囲で塩素化反応を行う方法である。
【0050】本発明6では、本発明5と同様に、塩素化
はPVCを水性媒体により懸濁状態になした状態で、液
体塩素又は気体塩素を導入することにより、塩素源を塩
素化反応器内に導入するが、液体塩素を導入することが
工程上からも効率的である。反応途中の圧力調製の為、
又、塩素化反応の進行に伴う塩素の補給については、液
体塩素の他、気体塩素を適宜吹き込むこともできる。
はPVCを水性媒体により懸濁状態になした状態で、液
体塩素又は気体塩素を導入することにより、塩素源を塩
素化反応器内に導入するが、液体塩素を導入することが
工程上からも効率的である。反応途中の圧力調製の為、
又、塩素化反応の進行に伴う塩素の補給については、液
体塩素の他、気体塩素を適宜吹き込むこともできる。
【0051】上記PVCを懸濁状態に調製する方法とし
ては、本発明5と同様である。反応器内に仕込む水性媒
体の量は、特に制限はないが、一般にPVCの重量1に
対して2〜10倍(重量)量を仕込む。
ては、本発明5と同様である。反応器内に仕込む水性媒
体の量は、特に制限はないが、一般にPVCの重量1に
対して2〜10倍(重量)量を仕込む。
【0052】上記懸濁した状態で塩素化する際、本発明
6でも、熱により樹脂の結合や塩素を励起させて塩素化
を促進する。熱エネルギーにより塩素化する際の加熱方
法、また、紫外光線等の光エネルギーを併用してもよい
ことについても、本発明5と同様である。
6でも、熱により樹脂の結合や塩素を励起させて塩素化
を促進する。熱エネルギーにより塩素化する際の加熱方
法、また、紫外光線等の光エネルギーを併用してもよい
ことについても、本発明5と同様である。
【0053】上記塩素化の工程で、得られるCPVCの
塩素含有率が、60〜72重量%となるように調製する
のが好ましく、63〜70重量%がより好ましい、こと
についても本発明5と同様である。
塩素含有率が、60〜72重量%となるように調製する
のが好ましく、63〜70重量%がより好ましい、こと
についても本発明5と同様である。
【0054】上記塩素化反応温度は、120〜135℃
に限定される。反応温度が120℃未満では、塩素の粒
子内部への拡散が十分でなく、粒子内の塩素化度分布が
広く(粒子レベルで塩素化が均一でない)、その結果、
得られる樹脂の熱安定性が劣るようになる。反応温度が
135℃を超えると、熱エネルギーによって樹脂が劣化
し、得られるCPVCが着色する。
に限定される。反応温度が120℃未満では、塩素の粒
子内部への拡散が十分でなく、粒子内の塩素化度分布が
広く(粒子レベルで塩素化が均一でない)、その結果、
得られる樹脂の熱安定性が劣るようになる。反応温度が
135℃を超えると、熱エネルギーによって樹脂が劣化
し、得られるCPVCが着色する。
【0055】上記反応器内のゲージ圧力は、特に限定さ
れないが、塩素圧力が高いほど塩素がPVC粒子の内部
に浸透し易いため、0.3〜2MPaの範囲が好まし
い、ことについても本発明5と同様である。
れないが、塩素圧力が高いほど塩素がPVC粒子の内部
に浸透し易いため、0.3〜2MPaの範囲が好まし
い、ことについても本発明5と同様である。
【0056】
【作用】本発明1又は2のCPVCでは、まず、CPV
Cの粒子構造に特徴を持たせる。すなわち、内部多孔状
態を規定することにより成形加工時の易ゲル化性を発現
させる。次に、CPVC分子鎖中の異種構造量を規定す
ることにより高熱安定性を発現させる。こうして、本発
明1又は2により、高熱安定性と易ゲル化性を併せ持つ
樹脂が提供される。
Cの粒子構造に特徴を持たせる。すなわち、内部多孔状
態を規定することにより成形加工時の易ゲル化性を発現
させる。次に、CPVC分子鎖中の異種構造量を規定す
ることにより高熱安定性を発現させる。こうして、本発
明1又は2により、高熱安定性と易ゲル化性を併せ持つ
樹脂が提供される。
【0057】本発明3又は4のCPVCでは、まず、C
PVCの粒子構造に特徴を持たせる。すなわち、内部多
孔状態を規定することにより成形加工時の易ゲル化性を
発現させる。次に、CPVC樹脂粒子中の塩素化度分布
を規定することにより高熱安定性を発現させる。こうし
て、本発明3又は4により、高熱安定性と易ゲル化性を
併せ持つ樹脂が提供される。
PVCの粒子構造に特徴を持たせる。すなわち、内部多
孔状態を規定することにより成形加工時の易ゲル化性を
発現させる。次に、CPVC樹脂粒子中の塩素化度分布
を規定することにより高熱安定性を発現させる。こうし
て、本発明3又は4により、高熱安定性と易ゲル化性を
併せ持つ樹脂が提供される。
【0058】本発明5の製造方法では、まず、PVCの
粒子構造に特徴を持たせる。すなわち、表面状態及び内
部多孔状態を規定することにより成形加工時の易ゲル化
性を発現させる。次に、高温熱塩素化の反応温度を限定
することにより高熱安定性を発現させる。この高温反応
による高熱安定性の発現は、塩素化反応中の酸化(カル
ボニル基に代表される異種構造生成)が高温ほど起こり
にくい(高温程、反応の平衡が生成を抑制する方向に移
動する)ことに基づいている。こうして、本発明5によ
ると、高熱安定性と易ゲル化性を併せ持つ樹脂を製造す
ることが可能となる。
粒子構造に特徴を持たせる。すなわち、表面状態及び内
部多孔状態を規定することにより成形加工時の易ゲル化
性を発現させる。次に、高温熱塩素化の反応温度を限定
することにより高熱安定性を発現させる。この高温反応
による高熱安定性の発現は、塩素化反応中の酸化(カル
ボニル基に代表される異種構造生成)が高温ほど起こり
にくい(高温程、反応の平衡が生成を抑制する方向に移
動する)ことに基づいている。こうして、本発明5によ
ると、高熱安定性と易ゲル化性を併せ持つ樹脂を製造す
ることが可能となる。
【0059】本発明6の製造方法では、まず、PVCの
粒子構造に特徴を持たせる。すなわち、表面状態及び内
部多孔状態を規定することにより成形加工時の易ゲル化
性を発現させる。次に、高温熱塩素化の反応温度を限定
することにより高熱安定性を発現させる。この高温反応
による高熱安定性の発現は、PVC樹脂粒子中への塩素
の拡散速度を大きくすることにより、粒子レベルでの塩
素化の均一性が向上することに基づいている。こうし
て、本発明6によると、高熱安定性と易ゲル化性を併せ
持つ樹脂を製造することが可能となる。
粒子構造に特徴を持たせる。すなわち、表面状態及び内
部多孔状態を規定することにより成形加工時の易ゲル化
性を発現させる。次に、高温熱塩素化の反応温度を限定
することにより高熱安定性を発現させる。この高温反応
による高熱安定性の発現は、PVC樹脂粒子中への塩素
の拡散速度を大きくすることにより、粒子レベルでの塩
素化の均一性が向上することに基づいている。こうし
て、本発明6によると、高熱安定性と易ゲル化性を併せ
持つ樹脂を製造することが可能となる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0061】(実施例1) 〔PVCの調製〕内容積100リットルの重合器(耐圧
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、平均ケン化度72モル%及び重合度70
0の部分ケン化ポリ酢酸ビニル400ppm、ソルビタ
ンモノラウレート(HLB8.6)1,600ppm、
ラウリン酸1,500ppm、ポリアクリルアミド(2
0℃、1atmで0.1重量%水溶液のブルックフィー
ルズ粘度が51cps)100ppm並びにt−ブチル
パーオキシネオデカノエート500ppmを投入した。
次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した後、塩化
ビニル単量体33kgを仕込み攪拌を開始した。重合器
を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応終了までこ
の温度を保った。
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、平均ケン化度72モル%及び重合度70
0の部分ケン化ポリ酢酸ビニル400ppm、ソルビタ
ンモノラウレート(HLB8.6)1,600ppm、
ラウリン酸1,500ppm、ポリアクリルアミド(2
0℃、1atmで0.1重量%水溶液のブルックフィー
ルズ粘度が51cps)100ppm並びにt−ブチル
パーオキシネオデカノエート500ppmを投入した。
次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した後、塩化
ビニル単量体33kgを仕込み攪拌を開始した。重合器
を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応終了までこ
の温度を保った。
【0062】重合転化率が90%になった時点で反応を
終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体
をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを
得た。得られたPVCのBET比表面積値は3.7m2
/gであった。また、スキン層の存在程度を示すESC
A分析値は、0.80であった。なお、BET比表面
積、及び、ESCA分析の測定は、下記方法により実施
した。
終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体
をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを
得た。得られたPVCのBET比表面積値は3.7m2
/gであった。また、スキン層の存在程度を示すESC
A分析値は、0.80であった。なお、BET比表面
積、及び、ESCA分析の測定は、下記方法により実施
した。
【0063】〔CPVCの調製〕内容積300リットル
のグラスライニング製耐圧反応槽に脱イオン水150k
gと上記で得たPVC40kgとを入れ、攪拌してPV
Cを水中に分散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引
し、ゲージ圧が−0.8kgf/cm2 になるまで減圧
した。窒素ガスで圧戻し(ゲージ圧が0になるまで戻す
こと)を行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸
素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケットに
通して反応槽内を加温した。
のグラスライニング製耐圧反応槽に脱イオン水150k
gと上記で得たPVC40kgとを入れ、攪拌してPV
Cを水中に分散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引
し、ゲージ圧が−0.8kgf/cm2 になるまで減圧
した。窒素ガスで圧戻し(ゲージ圧が0になるまで戻す
こと)を行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸
素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケットに
通して反応槽内を加温した。
【0064】反応槽内の温度が90℃に達したとき、塩
素ガスを供給し始め、110℃定温で反応を進行させ
た。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素化度を計算
し、塩素化度63重量%の時点で濃度100ppmの過
酸化水素水を0.5kg/hrで連続添加しながら反応
を継続した。塩素化度が66.5重量%に達した時点で
塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。反応
中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に対し4p
pmであった。
素ガスを供給し始め、110℃定温で反応を進行させ
た。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素化度を計算
し、塩素化度63重量%の時点で濃度100ppmの過
酸化水素水を0.5kg/hrで連続添加しながら反応
を継続した。塩素化度が66.5重量%に達した時点で
塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。反応
中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に対し4p
pmであった。
【0065】更に、反応槽内に窒素ガスを吹き込んで未
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は66.5重量%であった。
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は66.5重量%であった。
【0066】得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調製した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.13であった。ま
た、得られたCPVCの空隙率は34.6容量%、比表
面積値は6.4m2 /g、0.001〜0.1μmの範
囲の空隙容積(以下、空隙容積という)は、7.8容積
%であった。
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調製した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.13であった。ま
た、得られたCPVCの空隙率は34.6容量%、比表
面積値は6.4m2 /g、0.001〜0.1μmの範
囲の空隙容積(以下、空隙容積という)は、7.8容積
%であった。
【0067】(実施例2) 〔PVCの調製〕実施例1使用の部分ケン化ポリ酢酸ビ
ニルを550ppmにしたこと以外は、実施例1と同様
に行った。得られたPVCのBET比表面積値は2.1
m2 /gであった。また、スキン層の存在程度を示すE
SCA分析値は、0.73であった。
ニルを550ppmにしたこと以外は、実施例1と同様
に行った。得られたPVCのBET比表面積値は2.1
m2 /gであった。また、スキン層の存在程度を示すE
SCA分析値は、0.73であった。
【0068】〔CPVCの調製〕塩素化反応条件につい
ては、実施例1と同様に実施した。得られたCPVCを
テトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶液を
調製した。この溶液の、波長235nmでの吸光度を、
セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、0.
14であった。また、得られたCPVCの空隙率は3
3.8容量%、比表面積値は5.2m2 /g、空隙容積
は6.3容積%であった。
ては、実施例1と同様に実施した。得られたCPVCを
テトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶液を
調製した。この溶液の、波長235nmでの吸光度を、
セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、0.
14であった。また、得られたCPVCの空隙率は3
3.8容量%、比表面積値は5.2m2 /g、空隙容積
は6.3容積%であった。
【0069】(実施例3)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、反応温度を120
℃にしたこと、過酸化水素水の添加を塩素化度65重量
%の時点で行ったこと以外は、実施例1と同様に実施し
た。反応中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に
対し2ppmであった。得られたCPVCをテトラヒド
ロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶液を調製した。
この溶液の、波長235nmでの吸光度を、セル長1c
m、測定温度23℃で測定したところ、0.11であっ
た。また、得られたCPVCの空隙率は32.8容量
%、比表面積値は3.5m2 /g、空隙容積は4.7容
積%であった。
同様に実施した。CPVCの調製は、反応温度を120
℃にしたこと、過酸化水素水の添加を塩素化度65重量
%の時点で行ったこと以外は、実施例1と同様に実施し
た。反応中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に
対し2ppmであった。得られたCPVCをテトラヒド
ロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶液を調製した。
この溶液の、波長235nmでの吸光度を、セル長1c
m、測定温度23℃で測定したところ、0.11であっ
た。また、得られたCPVCの空隙率は32.8容量
%、比表面積値は3.5m2 /g、空隙容積は4.7容
積%であった。
【0070】(比較例1) 〔PVCの調製〕内容積100リットルの重合器(耐圧
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、平均ケン化度72モル%及び重合度75
0の部分ケン化ポリ酢酸ビニル1,300ppmを懸濁
分散剤として添加後、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート550ppmを投入した。次いで、重合器内を4
5mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kg
を仕込み攪拌を開始した。重合器を57℃に昇温して重
合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、平均ケン化度72モル%及び重合度75
0の部分ケン化ポリ酢酸ビニル1,300ppmを懸濁
分散剤として添加後、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート550ppmを投入した。次いで、重合器内を4
5mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kg
を仕込み攪拌を開始した。重合器を57℃に昇温して重
合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。
【0071】重合転化率が90%になった時点で反応を
終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体
をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを
得た。得られたPVCのBET比表面積値は0.7m2
/gであった。また、スキン層の存在程度を示すESC
A分析値は、0.20であった。CPVCの調製は、実
施例1と同様に実施した。得られたCPVCをテトラヒ
ドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶液を調製し
た。この溶液の、波長235nmでの吸光度を、セル長
1cm、測定温度23℃で測定したところ、0.19で
あった。また、得られたCPVCの空隙率は27.3容
量%、比表面積値は1.8m2 /g、空隙容積は1.1
容積%であった。
終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、重合体
をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを
得た。得られたPVCのBET比表面積値は0.7m2
/gであった。また、スキン層の存在程度を示すESC
A分析値は、0.20であった。CPVCの調製は、実
施例1と同様に実施した。得られたCPVCをテトラヒ
ドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶液を調製し
た。この溶液の、波長235nmでの吸光度を、セル長
1cm、測定温度23℃で測定したところ、0.19で
あった。また、得られたCPVCの空隙率は27.3容
量%、比表面積値は1.8m2 /g、空隙容積は1.1
容積%であった。
【0072】(比較例2)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。 〔CPVCの調製〕内容積300リットルのグラスライ
ニング製耐圧反応槽に脱イオン水150kgと上記で得
たPVC40kgとを入れ、攪拌してPVCを水中に分
散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が
−0.8kgf/cm2 になるまで減圧した。窒素ガス
で圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の
酸素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケット
に通して反応槽内を加温した。反応槽内の温度が70℃
に達したとき、塩素ガスを供給し始め、85℃定温で反
応を進行させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素
化度を計算し、塩素化度60重量%の時点で濃度400
ppmの過酸化水素水を1.0kg/hrで連続添加し
ながら反応を継続した。塩素化度が66.5重量%に達
した時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了
した。反応中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量
に対し100ppmであった。
同様に実施した。 〔CPVCの調製〕内容積300リットルのグラスライ
ニング製耐圧反応槽に脱イオン水150kgと上記で得
たPVC40kgとを入れ、攪拌してPVCを水中に分
散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が
−0.8kgf/cm2 になるまで減圧した。窒素ガス
で圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の
酸素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケット
に通して反応槽内を加温した。反応槽内の温度が70℃
に達したとき、塩素ガスを供給し始め、85℃定温で反
応を進行させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素
化度を計算し、塩素化度60重量%の時点で濃度400
ppmの過酸化水素水を1.0kg/hrで連続添加し
ながら反応を継続した。塩素化度が66.5重量%に達
した時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了
した。反応中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量
に対し100ppmであった。
【0073】更に、反応槽内に窒素ガスを吹き込んで未
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は66.5重量%であった。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶
液を調製した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.26であった。また、得られたCPVCの空隙率は
37.2容量%、比表面積値は10.2m2 /g、空隙
容積は11.7容積%であった。
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は66.5重量%であった。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶
液を調製した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.26であった。また、得られたCPVCの空隙率は
37.2容量%、比表面積値は10.2m2 /g、空隙
容積は11.7容積%であった。
【0074】(比較例3)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。 〔CPVCの調製〕内容積300リットルのグラスライ
ニング製耐圧反応槽に脱イオン水150kgと上記で得
たPVC40kgとを入れ、攪拌してPVCを水中に分
散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が
−0.8kgf/cm2 になるまで減圧した。窒素ガス
で圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の
酸素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケット
に通して反応槽内を加温した。反応槽内の温度が90℃
に達したとき、塩素ガスを供給し始め、140℃定温で
反応を進行させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩
素化度を計算し、塩素化度が66.5重量%に達した時
点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。
同様に実施した。 〔CPVCの調製〕内容積300リットルのグラスライ
ニング製耐圧反応槽に脱イオン水150kgと上記で得
たPVC40kgとを入れ、攪拌してPVCを水中に分
散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が
−0.8kgf/cm2 になるまで減圧した。窒素ガス
で圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の
酸素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケット
に通して反応槽内を加温した。反応槽内の温度が90℃
に達したとき、塩素ガスを供給し始め、140℃定温で
反応を進行させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩
素化度を計算し、塩素化度が66.5重量%に達した時
点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。
【0075】更に、反応槽内に窒素ガスを吹き込んで未
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は66.5重量%であった。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶
液を調製した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.41であった。また、得られたCPVCの空隙率は
28.8容量%、比表面積値は1.9m2 /g、空隙容
積は1.3容積%であった。
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は66.5重量%であった。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶
液を調製した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.41であった。また、得られたCPVCの空隙率は
28.8容量%、比表面積値は1.9m2 /g、空隙容
積は1.3容積%であった。
【0076】(比較例4)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。 〔CPVCの調製〕内容積300リットルの光塩素化用
チタン製反応槽に脱イオン水150kgと上記で得たP
VC40kgとを入れ、攪拌してPVCを水中に分散さ
せ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が−
0.8kgf/cm2 になるまで減圧した。窒素ガスで
圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸
素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケットに
通して反応槽内を加温した。反応槽内の温度が70℃に
達したとき、塩素ガスを供給し始め、高圧水銀灯を照射
して、70℃で反応を行った。反応槽内の発生塩化水素
濃度から塩素化度を計算し、塩素化度が66.5重量%
に達した時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を
終了した。
同様に実施した。 〔CPVCの調製〕内容積300リットルの光塩素化用
チタン製反応槽に脱イオン水150kgと上記で得たP
VC40kgとを入れ、攪拌してPVCを水中に分散さ
せ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が−
0.8kgf/cm2 になるまで減圧した。窒素ガスで
圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸
素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケットに
通して反応槽内を加温した。反応槽内の温度が70℃に
達したとき、塩素ガスを供給し始め、高圧水銀灯を照射
して、70℃で反応を行った。反応槽内の発生塩化水素
濃度から塩素化度を計算し、塩素化度が66.5重量%
に達した時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を
終了した。
【0077】更に、反応槽内に窒素ガスを吹き込んで未
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は66.5重量%であった。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶
液を調製した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.38であった。また、得られたCPVCの空隙率は
37.8容量%、比表面積値は11.5m2 /g、空隙
容積は12.2容積%であった。
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は66.5重量%であった。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶
液を調製した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.38であった。また、得られたCPVCの空隙率は
37.8容量%、比表面積値は11.5m2 /g、空隙
容積は12.2容積%であった。
【0078】〔評価方法〕上記実施例1〜3、比較例1
〜4で用いたPVCのBET比表面積値の測定及びES
CA分析の方法は以下の通りである(なお、後述の実施
例4〜7、比較例5〜7で用いたPVCについても同様
の方法で行った)。 (1)BET比表面積値の測定 試料管に測定サンプル約2gを投入し、前処理として7
0℃で3時間サンプルを真空脱気した後、サンプル重量
を正確に測定した。前処理の終了したサンプルを測定部
(40℃恒温槽)に取り付けて測定を開始した。測定終
了後、吸着等温線の吸着側のデータからBETプロット
を行い、比表面積を算出した。なお、測定装置として比
表面積測定装置「BELSORP 28SA」(日本ベ
ル社製)を使用し、測定ガスとして窒素ガスを使用し
た。
〜4で用いたPVCのBET比表面積値の測定及びES
CA分析の方法は以下の通りである(なお、後述の実施
例4〜7、比較例5〜7で用いたPVCについても同様
の方法で行った)。 (1)BET比表面積値の測定 試料管に測定サンプル約2gを投入し、前処理として7
0℃で3時間サンプルを真空脱気した後、サンプル重量
を正確に測定した。前処理の終了したサンプルを測定部
(40℃恒温槽)に取り付けて測定を開始した。測定終
了後、吸着等温線の吸着側のデータからBETプロット
を行い、比表面積を算出した。なお、測定装置として比
表面積測定装置「BELSORP 28SA」(日本ベ
ル社製)を使用し、測定ガスとして窒素ガスを使用し
た。
【0079】(2)ESCA分析 PVC粒子の表面をESCA(Electron Sp
ectroscopyfor Chemical An
alysis:電子分光化学分析)でスキャンし、C1S
(炭素)、Cl1S(塩素)、O1S(酸素)の各ピーク面
積より塩素量を基準に粒子表面の塩化ビニル樹脂成分を
定量分析した。 ・使用機器:日本電子社製「JPS−90FX」 ・使用条件:X線源(Mg Kα線)、12kV−15
mA ・スキャン速度:200ms/0.1eV/scan ・パスエネルギー:30eV
ectroscopyfor Chemical An
alysis:電子分光化学分析)でスキャンし、C1S
(炭素)、Cl1S(塩素)、O1S(酸素)の各ピーク面
積より塩素量を基準に粒子表面の塩化ビニル樹脂成分を
定量分析した。 ・使用機器:日本電子社製「JPS−90FX」 ・使用条件:X線源(Mg Kα線)、12kV−15
mA ・スキャン速度:200ms/0.1eV/scan ・パスエネルギー:30eV
【0080】性能評価 上記実施例1〜3、比較例1〜4で得られたCPVCに
つき、下記の性能評価を行い、その結果を表1に示し
た。
つき、下記の性能評価を行い、その結果を表1に示し
た。
【0081】〔評価方法〕 (1)塩素含有率測定 JIS K 7229に準拠して行った。 (2)空隙率、細孔分布測定 水銀圧入ポロシメーターを用いて、2000kg/cm
2 でCPVC100gに圧入される水銀の容量を測定し
て空隙率を求めた。空隙率とは樹脂粒子体積に占める空
隙の容積である。細孔分布は、空隙率を測定するために
0〜2000kg/cm2 まで圧力を上げるが、その際
に水銀圧入量を連続的に測定し、細孔径の分布を測定し
た。
2 でCPVC100gに圧入される水銀の容量を測定し
て空隙率を求めた。空隙率とは樹脂粒子体積に占める空
隙の容積である。細孔分布は、空隙率を測定するために
0〜2000kg/cm2 まで圧力を上げるが、その際
に水銀圧入量を連続的に測定し、細孔径の分布を測定し
た。
【0082】(3)BET比表面積値の測定 上記PVCのBET比表面積値の測定方法と同様。
【0083】(4)吸光度測定 CPVCをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/k
gの溶液を調製。分光光度計により、セル長1cm、測
定温度23℃で、波長235nmでの吸光度を測定。使
用機器は日立製作所社製「U−3300」。
gの溶液を調製。分光光度計により、セル長1cm、測
定温度23℃で、波長235nmでの吸光度を測定。使
用機器は日立製作所社製「U−3300」。
【0084】(5)加工性(ゲル化温度の測定) Haake社製プラストミル「レオコード90」を使用
して、下記樹脂組成物55gを、回転数40rpmで、
温度を150℃から毎分5℃の昇温速度で上昇させなが
ら混練し、混練トルクが最大になる時の温度を測定し
た。なお、樹脂組成物としては、CPVC100重量部
に対して、三塩基性硫酸鉛3重量部、二塩基性ステアリ
ン酸鉛1重量部及びMBS樹脂(メタクリル酸メチル−
ブタジエン−スチレン共重合体)10重量部からなるも
のを使用した。
して、下記樹脂組成物55gを、回転数40rpmで、
温度を150℃から毎分5℃の昇温速度で上昇させなが
ら混練し、混練トルクが最大になる時の温度を測定し
た。なお、樹脂組成物としては、CPVC100重量部
に対して、三塩基性硫酸鉛3重量部、二塩基性ステアリ
ン酸鉛1重量部及びMBS樹脂(メタクリル酸メチル−
ブタジエン−スチレン共重合体)10重量部からなるも
のを使用した。
【0085】(6)熱安定性試験 上記樹脂組成物を、8インチロール2本からなる混練機
に供給してロール表面温度205℃で混練し、混練物を
ロールに巻き付けてから30秒毎に巻き付いたCPVC
樹脂シートを切り返しながら、3分毎に少量のシートを
切り出して、シートの着色度を比較し、黒褐色に変わる
時間で熱安定性を判定した。
に供給してロール表面温度205℃で混練し、混練物を
ロールに巻き付けてから30秒毎に巻き付いたCPVC
樹脂シートを切り返しながら、3分毎に少量のシートを
切り出して、シートの着色度を比較し、黒褐色に変わる
時間で熱安定性を判定した。
【0086】
【表1】
【0087】(実施例4) PVCの調製、及びCPVCの調製、共に実施例3と同
様に行った。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、メタノールによる析出評価を行った。その結
果、析出開始時点の添加量Yが42g、80%析出時点
の添加量Zが55gであった。また、得られたCPVC
の空隙率は32.8容量%、比表面積値は3.5m2 /
g、空隙容積は、4.7容積%であった。
様に行った。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、メタノールによる析出評価を行った。その結
果、析出開始時点の添加量Yが42g、80%析出時点
の添加量Zが55gであった。また、得られたCPVC
の空隙率は32.8容量%、比表面積値は3.5m2 /
g、空隙容積は、4.7容積%であった。
【0088】(実施例5) 〔PVCの調製〕PVCの調製は、実施例4と同様に行
った。 〔CPVCの調製〕塩素化反応条件については、塩素含
有率を68.0重量%としたこと、及び、反応中添加し
た過酸化水素の量が仕込み樹脂量に対し8ppmであっ
たこと以外は実施例4と同様に実施した。得られたCP
VCをテトラヒドロフランに溶解し、メタノールによる
析出評価を行った。その結果、析出開始時点の添加量Y
が36g、80%析出時点の添加量Zが49gであっ
た。また、得られたCPVCの空隙率は33.5容量
%、比表面積値は4.7m2 /g、空隙容積は5.8容
積%であった。
った。 〔CPVCの調製〕塩素化反応条件については、塩素含
有率を68.0重量%としたこと、及び、反応中添加し
た過酸化水素の量が仕込み樹脂量に対し8ppmであっ
たこと以外は実施例4と同様に実施した。得られたCP
VCをテトラヒドロフランに溶解し、メタノールによる
析出評価を行った。その結果、析出開始時点の添加量Y
が36g、80%析出時点の添加量Zが49gであっ
た。また、得られたCPVCの空隙率は33.5容量
%、比表面積値は4.7m2 /g、空隙容積は5.8容
積%であった。
【0089】(実施例6) 〔PVCの調製〕PVCの調製は、実施例4と同様に実
施した。 〔CPVCの調製〕CPVCの調製は、反応温度を13
0℃にしたこと、過酸化水素水の添加を行わなかったこ
と以外は、実施例4と同様に実施した。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、メタノールによる析
出評価を行った。その結果、析出開始時点の添加量Yが
44g、80%析出時点の添加量Zが52gであった。
また、得られたCPVCの空隙率は30.9容量%、比
表面積値は2.5m2 /g、空隙容積は2.9容積%で
あった。
施した。 〔CPVCの調製〕CPVCの調製は、反応温度を13
0℃にしたこと、過酸化水素水の添加を行わなかったこ
と以外は、実施例4と同様に実施した。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、メタノールによる析
出評価を行った。その結果、析出開始時点の添加量Yが
44g、80%析出時点の添加量Zが52gであった。
また、得られたCPVCの空隙率は30.9容量%、比
表面積値は2.5m2 /g、空隙容積は2.9容積%で
あった。
【0090】(実施例7) 〔PVCの調製〕PVCの調製は、実施例4と同様に実
施した。 〔CPVCの調製〕内容積300リットルのグラスライ
ニング製耐圧反応槽に脱イオン水150kgと上記で得
たPVC40kgとを入れ、攪拌してPVCを水中に分
散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が
−0.8kgf/cm2 になるまで減圧した。窒素ガス
で圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の
酸素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケット
に通して反応槽内を加温した。
施した。 〔CPVCの調製〕内容積300リットルのグラスライ
ニング製耐圧反応槽に脱イオン水150kgと上記で得
たPVC40kgとを入れ、攪拌してPVCを水中に分
散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が
−0.8kgf/cm2 になるまで減圧した。窒素ガス
で圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の
酸素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケット
に通して反応槽内を加温した。
【0091】反応槽内の温度が80℃に達したとき、塩
素ガスを供給し始め、100℃定温で反応を進行させ
た。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素化度を計算
し、塩素化度62重量%の時点で濃度100ppmの過
酸化水素水を0.5kg/hrで連続添加しながら反応
を継続した。塩素化度が66.5重量%に達した時点で
塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。反応
中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に対し10
ppmであった。
素ガスを供給し始め、100℃定温で反応を進行させ
た。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素化度を計算
し、塩素化度62重量%の時点で濃度100ppmの過
酸化水素水を0.5kg/hrで連続添加しながら反応
を継続した。塩素化度が66.5重量%に達した時点で
塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。反応
中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に対し10
ppmであった。
【0092】更に、反応槽内に窒素ガスを吹き込んで未
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は66.5重量%であった。
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は66.5重量%であった。
【0093】得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、メタノールによる析出評価を行った。その結
果、析出開始時点の添加量Yが35g、80%析出時点
の添加量Zが62gであった。また、得られたCPVC
の空隙率は35.2容量%、比表面積値は8.3m2 /
g、空隙容積は9.2容積%であった。
溶解し、メタノールによる析出評価を行った。その結
果、析出開始時点の添加量Yが35g、80%析出時点
の添加量Zが62gであった。また、得られたCPVC
の空隙率は35.2容量%、比表面積値は8.3m2 /
g、空隙容積は9.2容積%であった。
【0094】(比較例5)PVCの調製、及びCPVC
の調製、共に比較例3と同様に行った。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、メタノールによる析
出評価を行った。その結果、析出開始時点の添加量Yが
46g、80%析出時点の添加量Zが51gであった。
また、得られたCPVCの空隙率は28.8容量%、比
表面積値は1.9m2 /g、空隙容積は、1.3容積%
であった。
の調製、共に比較例3と同様に行った。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、メタノールによる析
出評価を行った。その結果、析出開始時点の添加量Yが
46g、80%析出時点の添加量Zが51gであった。
また、得られたCPVCの空隙率は28.8容量%、比
表面積値は1.9m2 /g、空隙容積は、1.3容積%
であった。
【0095】(比較例6)PVCの調製は、実施例4と
同様に実施した。 〔CPVCの調製〕内容積300リットルの光塩素化用
チタン製反応槽に脱イオン水150kgと上記で得たP
VC40kgとを入れ、攪拌してPVCを水中に分散さ
せ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が−
0.8kgf/cm2 になるまで減圧した。窒素ガスで
圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸
素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケットに
通して反応槽内を加温した。反応槽内の温度が70℃に
達したとき、塩素ガスを供給し始め、高圧水銀灯を照射
して、70℃で反応を行った。反応槽内の発生塩化水素
濃度から塩素化度を計算し、塩素化度が68.0重量%
に達した時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を
終了した。
同様に実施した。 〔CPVCの調製〕内容積300リットルの光塩素化用
チタン製反応槽に脱イオン水150kgと上記で得たP
VC40kgとを入れ、攪拌してPVCを水中に分散さ
せ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が−
0.8kgf/cm2 になるまで減圧した。窒素ガスで
圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸
素を除去した。この間、加熱したオイルをジャケットに
通して反応槽内を加温した。反応槽内の温度が70℃に
達したとき、塩素ガスを供給し始め、高圧水銀灯を照射
して、70℃で反応を行った。反応槽内の発生塩化水素
濃度から塩素化度を計算し、塩素化度が68.0重量%
に達した時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を
終了した。
【0096】更に、反応槽内に窒素ガスを吹き込んで未
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は68.0重量%であった。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、メタノールによる析
出評価を行った。その結果、析出開始時点の添加量Yが
25g、80%析出時点の添加量Zが60gであった。
また、得られたCPVCの空隙率は38.5容量%、比
表面積値は11.8m2 /g、空隙容積は13.6容積
%であった。
反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄し、脱水、
乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたCPVCの
塩素含有率は68.0重量%であった。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、メタノールによる析
出評価を行った。その結果、析出開始時点の添加量Yが
25g、80%析出時点の添加量Zが60gであった。
また、得られたCPVCの空隙率は38.5容量%、比
表面積値は11.8m2 /g、空隙容積は13.6容積
%であった。
【0097】(比較例7) 〔PVCの調製〕PVCの調製は、比較例1と同様に実
施した。CPVCの調製は、実施例4と同様に実施し
た。
施した。CPVCの調製は、実施例4と同様に実施し
た。
【0098】性能評価 上記実施例4〜7、比較例5〜7で得られたCPVCに
つき、下記の性能評価を行い、その結果を表2に示し
た。
つき、下記の性能評価を行い、その結果を表2に示し
た。
【0099】〔評価方法〕 (1)塩素含有率測定、(2)空隙率、細孔分布測定、
(3)BET比表面積値の測定、(4)加工性(ゲル化
温度の測定)、及び(5)熱安定性試験については、前
記実施例1〜3、比較例1〜4で得られたCPVCにつ
いて行った評価方法と同様である。 (6)メチルアルコール添加による析出試験 得られた塩素化塩化ビニル系樹脂3gを20℃にてテト
ラヒドロフラン60gに完全溶解させた後に、メチルア
ルコールを添加していくことにより析出させ、塩素化塩
化ビニル系樹脂の塩素含有率X(重量%)、塩素化塩化
ビニル系樹脂が析出を開始した時点までのメチルアルコ
ール添加量Y(g)、及び、塩素化塩化ビニル系樹脂の
80重量%が析出した時点までのメチルアルコール添加
量Z(g)をそれぞれ測定し、下記式(1)及び(2)
の成立性を調べた。 −3.9X+305≧Y≧−3.9X+300・・・(1) −3.2X+270≧Z≧−3.2X+265・・・(2)
(3)BET比表面積値の測定、(4)加工性(ゲル化
温度の測定)、及び(5)熱安定性試験については、前
記実施例1〜3、比較例1〜4で得られたCPVCにつ
いて行った評価方法と同様である。 (6)メチルアルコール添加による析出試験 得られた塩素化塩化ビニル系樹脂3gを20℃にてテト
ラヒドロフラン60gに完全溶解させた後に、メチルア
ルコールを添加していくことにより析出させ、塩素化塩
化ビニル系樹脂の塩素含有率X(重量%)、塩素化塩化
ビニル系樹脂が析出を開始した時点までのメチルアルコ
ール添加量Y(g)、及び、塩素化塩化ビニル系樹脂の
80重量%が析出した時点までのメチルアルコール添加
量Z(g)をそれぞれ測定し、下記式(1)及び(2)
の成立性を調べた。 −3.9X+305≧Y≧−3.9X+300・・・(1) −3.2X+270≧Z≧−3.2X+265・・・(2)
【0100】
【表2】
【0101】
【発明の効果】本発明1又は2の塩素化塩化ビニル系樹
脂の構成は、上記の通りであり、本発明1又は2による
と、熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化ビニル
系樹脂が提供される。本発明3又は4の塩素化塩化ビニ
ル系樹脂の構成は、上記の通りであり、本発明3又は4
によると、熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化
ビニル系樹脂が提供される。
脂の構成は、上記の通りであり、本発明1又は2による
と、熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化ビニル
系樹脂が提供される。本発明3又は4の塩素化塩化ビニ
ル系樹脂の構成は、上記の通りであり、本発明3又は4
によると、熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化
ビニル系樹脂が提供される。
【0102】本発明5の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造
方法の構成は、上記の通りであり、本発明5によると、
熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化ビニル系樹
脂を製造することができる。本発明6の塩素化塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法の構成は、上記の通りであり、本発
明6によると、熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化
塩化ビニル系樹脂を製造することができる。
方法の構成は、上記の通りであり、本発明5によると、
熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化ビニル系樹
脂を製造することができる。本発明6の塩素化塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法の構成は、上記の通りであり、本発
明6によると、熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化
塩化ビニル系樹脂を製造することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、 該塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が60〜72重
量%であり、 水銀圧入法により圧力2000kg/cm2 で測定した
空隙率が30〜40容量%であり、 水銀圧入法により圧力が0〜2000kg/cm2 で測
定した細孔容積分布において、0.001〜0.1μm
の空隙容積が、全空隙容積の2〜15容積%であり、か
つ、 該塩素化塩化ビニル系樹脂の1g/kgテトラヒドロフ
ラン溶液の吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)
が、波長235nmにおいて0.2以下であることを特
徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂。 - 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、 該塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が60〜72重
量%であり、 水銀圧入法により圧力2000kg/cm2 で測定した
空隙率が30〜40容量%であり、 BET比表面積値が2〜12m2 /gであり、かつ、 該塩素化塩化ビニル系樹脂の1g/kgテトラヒドロフ
ラン溶液の吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)
が、波長235nmにおいて0.2以下であることを特
徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂。 - 【請求項3】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、 該塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が60〜72重
量%であり、 水銀圧入法により圧力2000kg/cm2 で測定した
空隙率が30〜40容量%であり、 水銀圧入法により圧力が0〜2000kg/cm2 で測
定した細孔容積分布において、0.001〜0.1μm
の空隙容積が、全空隙容積の2〜15容積%であり、か
つ、 該塩素化塩化ビニル系樹脂は、3gを20℃にてテトラ
ヒドロフラン60gに完全溶解させた後にメチルアルコ
ールを添加していくことにより析出させた場合に、塩素
化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率X(重量%)、塩素化
塩化ビニル系樹脂が析出を開始した時点までのメチルア
ルコール添加量Y(g)、及び、塩素化塩化ビニル系樹
脂の80重量%が析出した時点までのメチルアルコール
添加量Z(g)が下記式(1)及び(2)の関係を有す
ることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂。 −3.9X+305≧Y≧−3.9X+300・・・(1) −3.2X+270≧Z≧−3.2X+265・・・(2) - 【請求項4】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、 該塩素化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率が60〜72重
量%であり、 水銀圧入法により圧力2000kg/cm2 で測定した
空隙率が30〜40容量%であり、 BET比表面積値が2〜12m2 /gであり、かつ、 該塩素化塩化ビニル系樹脂は、3gを20℃にてテトラ
ヒドロフラン60gに完全溶解させた後にメチルアルコ
ールを添加していくことにより析出させた場合に、塩素
化塩化ビニル系樹脂の塩素含有率X(重量%)、塩素化
塩化ビニル系樹脂が析出を開始した時点までのメチルア
ルコール添加量Y(g)、及び、塩素化塩化ビニル系樹
脂の80重量%が析出した時点までのメチルアルコール
添加量Z(g)が下記式(1)及び(2)の関係を有す
ることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂。 −3.9X+305≧Y≧−3.9X+300・・・(1) −3.2X+270≧Z≧−3.2X+265・・・(2) - 【請求項5】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂の製造方法であって、前記塩化ビニ
ル系樹脂は、BET比表面積値が1.3〜8m2 /gで
あり、ESCA分析(電子分光化学分析)による粒子表
面分析において、炭素原子と塩素原子との1S結合エネ
ルギー値(eV)におけるピーク比(塩素原子ピーク×
2/炭素原子ピーク)が、0.6を超えるものであり、
かつ、 塩素化反応において、塩化ビニル系樹脂を水性媒体中で
懸濁状態となした状態で、反応器内に液体塩素又は気体
塩素を導入し、反応温度を100〜135℃の範囲で反
応を行うことを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂の製
造方法。 - 【請求項6】 反応温度が120〜135℃の範囲であ
ることを特徴とする請求項5記載の塩素化塩化ビニル系
樹脂の製造方法。 - 【請求項7】 塩化ビニル系樹脂のBET比表面積値が
1.5〜5m2 /gである請求項5又は6記載の塩素化
塩化ビニル系樹脂の製造方法。 - 【請求項8】 塩化ビニル系樹脂のESCA分析による
粒子表面分析における上記ピーク比が、0.7を超える
ものである請求項5〜7のいずれかに記載の塩素化塩化
ビニル系樹脂の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP795599A JP2000136213A (ja) | 1998-06-25 | 1999-01-14 | 塩素化塩化ビニル系樹脂及びその製造方法 |
PCT/JP1999/000417 WO1999067305A1 (fr) | 1998-06-25 | 1999-02-02 | Resine a base de chlorure de vinyle chlore et articles moules |
US09/720,515 US6590041B1 (en) | 1998-01-14 | 1999-02-02 | Chlorinated vinyl chloride-based resin and molded articles |
EP99901207A EP1160264A4 (en) | 1998-06-25 | 1999-02-02 | RESIN BASED ON CHLORINATED VINYL CHLORIDE AND MOLDED ARTICLES |
KR1020007014656A KR100627122B1 (ko) | 1998-06-25 | 1999-02-02 | 염소화 염화 비닐계 수지 및 성형품 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17892598 | 1998-06-25 | ||
JP10-178925 | 1998-08-24 | ||
JP23696098 | 1998-08-24 | ||
JP10-236960 | 1998-08-24 | ||
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018520237A (ja) * | 2016-03-08 | 2018-07-26 | オキシ ビニルズ, エルピー | ポリ塩化ビニルを塩素化するための方法 |
-
1999
- 1999-01-14 JP JP795599A patent/JP2000136213A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018520237A (ja) * | 2016-03-08 | 2018-07-26 | オキシ ビニルズ, エルピー | ポリ塩化ビニルを塩素化するための方法 |
KR20190008185A (ko) * | 2016-03-08 | 2019-01-23 | 옥시 비닐스, 엘.피. | 폴리비닐 클로라이드를 염소화하는 방법 |
US10487157B2 (en) | 2016-03-08 | 2019-11-26 | Oxy Vinyls, Lp | Methods for chlorinating polyvinyl chloride |
KR102312194B1 (ko) | 2016-03-08 | 2021-10-14 | 옥시 비닐스, 엘.피. | 폴리비닐 클로라이드를 염소화하는 방법 |
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