JP2001181340A - 塩素化塩化ビニル系樹脂、その製造方法及びその成形体 - Google Patents
塩素化塩化ビニル系樹脂、その製造方法及びその成形体Info
- Publication number
- JP2001181340A JP2001181340A JP37215899A JP37215899A JP2001181340A JP 2001181340 A JP2001181340 A JP 2001181340A JP 37215899 A JP37215899 A JP 37215899A JP 37215899 A JP37215899 A JP 37215899A JP 2001181340 A JP2001181340 A JP 2001181340A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vinyl chloride
- chloride resin
- chlorinated vinyl
- chlorine
- volume
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/18—Introducing halogen atoms or halogen-containing groups
- C08F8/20—Halogenation
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化
ビニル系樹脂、その製造方法及びその成形体を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩化ビニル系樹脂
は、電子分光化学分析(ESCA)による粒子表面分析
において、炭素原子と塩素原子との1S結合エネルギー
値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭
素元素ピーク)が0.6を超えるものであり、前記塩素
化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率が60〜72重量
%、水銀圧入法により圧力196MPaで測定した空隙
率が30〜40容量%、及び水銀圧入法により圧力が0
〜196MPaで測定した細孔容積分布において、0.
001〜0.1μm の空隙容積が全空隙容積の2〜15
容積%であることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹
脂。
ビニル系樹脂、その製造方法及びその成形体を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩化ビニル系樹脂
は、電子分光化学分析(ESCA)による粒子表面分析
において、炭素原子と塩素原子との1S結合エネルギー
値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭
素元素ピーク)が0.6を超えるものであり、前記塩素
化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率が60〜72重量
%、水銀圧入法により圧力196MPaで測定した空隙
率が30〜40容量%、及び水銀圧入法により圧力が0
〜196MPaで測定した細孔容積分布において、0.
001〜0.1μm の空隙容積が全空隙容積の2〜15
容積%であることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹
脂。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素化塩化ビニル
系樹脂、その製造方法及びその成形体に関する。
系樹脂、その製造方法及びその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、塩化ビニル系樹脂(以下、P
VCという)は機械的強度、耐候性、耐薬品性に優れた
材料として、多くの分野に用いられている。しかしなが
ら、耐熱性に劣るため、PVCを塩素化することにより
耐熱性を向上させた塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、C
PVCという)が開発されている。PVCは熱変形温度
が低く使用可能な上限温度が60〜70℃付近であるた
め、熱水に対して使用できないのに対し、CPVCは熱
変形温度がPVCよりも20〜40℃も高いため、熱水
に対しても使用可能であり、例えば、耐熱パイプ、耐熱
継手、耐熱バルブ、耐熱プレート等に好適に使用されて
いる。
VCという)は機械的強度、耐候性、耐薬品性に優れた
材料として、多くの分野に用いられている。しかしなが
ら、耐熱性に劣るため、PVCを塩素化することにより
耐熱性を向上させた塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、C
PVCという)が開発されている。PVCは熱変形温度
が低く使用可能な上限温度が60〜70℃付近であるた
め、熱水に対して使用できないのに対し、CPVCは熱
変形温度がPVCよりも20〜40℃も高いため、熱水
に対しても使用可能であり、例えば、耐熱パイプ、耐熱
継手、耐熱バルブ、耐熱プレート等に好適に使用されて
いる。
【0003】しかしながら、CPVCは熱変形温度が高
いため、成形加工性時にゲル化させるには高温と剪断力
を必要とし、成形加工時に分解して着色しやすいという
傾向があった。従って、CPVCは成形加工幅が狭く、
不充分なゲル化状態で製品化されることが多く、素材の
もつ性能を充分発揮できているとはいえなかった。その
ため、CPVCの成形時の熱安定性を改良し、成形加工
性を向上させることが望まれている。
いため、成形加工性時にゲル化させるには高温と剪断力
を必要とし、成形加工時に分解して着色しやすいという
傾向があった。従って、CPVCは成形加工幅が狭く、
不充分なゲル化状態で製品化されることが多く、素材の
もつ性能を充分発揮できているとはいえなかった。その
ため、CPVCの成形時の熱安定性を改良し、成形加工
性を向上させることが望まれている。
【0004】このような問題点を解決するために、熱安
定性の良好なCPVCを製造する方法が提案されてい
る。例えば、特公昭45−30833号公報には、酸素
濃度が0.05〜0.35容量%の塩素を特定の流速で
供給して、55〜80℃の温度で塩素化すると、熱安定
性の良好なCPVCが得られるとしている。しかし、酸
素濃度が高く、低温での反応のため、熱安定性が格段に
すぐれているわけでなく、長期の押出成形、射出成形に
耐えられない。
定性の良好なCPVCを製造する方法が提案されてい
る。例えば、特公昭45−30833号公報には、酸素
濃度が0.05〜0.35容量%の塩素を特定の流速で
供給して、55〜80℃の温度で塩素化すると、熱安定
性の良好なCPVCが得られるとしている。しかし、酸
素濃度が高く、低温での反応のため、熱安定性が格段に
すぐれているわけでなく、長期の押出成形、射出成形に
耐えられない。
【0005】また、例えば、特開平9−328518号
公報には、酸素濃度が200ppm以下の塩素を使用し
て紫外線照射下に塩素化する方法が提示されている。し
かしながら、紫外線照射による低温での反応のために、
熱安定性が格段に優れたCPVC樹脂は得られていな
い。さらに、特開平6−32822号公報では、10〜
100ppmの酸素を含んだ塩素を供給して110〜1
35℃の温度で塩素化する方法が提案されている。この
方法は、熱塩素化による高温での塩素化のため、熱安定
性に優れたCPVCを得ることが可能であり、塩素化反
応も円滑に進行する。しかしながら、高温反応による熱
エネルギーの影響のため、粒子内部の空隙の減少が起こ
り、成形加工時に十分なゲル化を発現しにくく、加工性
を向上させるには、さらに高温、高剪断による粒子内部
からの発熱を発生させる必要がある。
公報には、酸素濃度が200ppm以下の塩素を使用し
て紫外線照射下に塩素化する方法が提示されている。し
かしながら、紫外線照射による低温での反応のために、
熱安定性が格段に優れたCPVC樹脂は得られていな
い。さらに、特開平6−32822号公報では、10〜
100ppmの酸素を含んだ塩素を供給して110〜1
35℃の温度で塩素化する方法が提案されている。この
方法は、熱塩素化による高温での塩素化のため、熱安定
性に優れたCPVCを得ることが可能であり、塩素化反
応も円滑に進行する。しかしながら、高温反応による熱
エネルギーの影響のため、粒子内部の空隙の減少が起こ
り、成形加工時に十分なゲル化を発現しにくく、加工性
を向上させるには、さらに高温、高剪断による粒子内部
からの発熱を発生させる必要がある。
【0006】また、耐熱パイプ、耐熱継手、耐熱バル
ブ、耐熱プレート等の成形体においては、安全装置の作
動不良等が原因で100℃以上の高温蒸気が発生した
り、100℃以上に加温した薬液等が投入された場合、
従来の給湯管、給湯管継手、貯槽のレベルよりも、更に
高い耐熱性や耐薬品性を持つ管、継手、プレート等の成
形体が必要とされている。
ブ、耐熱プレート等の成形体においては、安全装置の作
動不良等が原因で100℃以上の高温蒸気が発生した
り、100℃以上に加温した薬液等が投入された場合、
従来の給湯管、給湯管継手、貯槽のレベルよりも、更に
高い耐熱性や耐薬品性を持つ管、継手、プレート等の成
形体が必要とされている。
【0007】そこで、前記成形体の耐熱性を更に改良す
るために、従来のCPVCに比べ、塩素含有量を上げた
CPVC樹脂を用いて成形することが提示されている。
しかしながら、前述のように熱変形温度が高く、成形加
工性時にゲル化させるには高温と剪断力を必要とし、成
形加工時に分解しやすいため、不充分なゲル化状態で製
品化されることが多く、衝撃強度等の物性が充分発揮で
きているとはいえなかった。
るために、従来のCPVCに比べ、塩素含有量を上げた
CPVC樹脂を用いて成形することが提示されている。
しかしながら、前述のように熱変形温度が高く、成形加
工性時にゲル化させるには高温と剪断力を必要とし、成
形加工時に分解しやすいため、不充分なゲル化状態で製
品化されることが多く、衝撃強度等の物性が充分発揮で
きているとはいえなかった。
【0008】また、CPVC管においては、ゲル化が不
充分になるほど、吸水量の増加、長期クリープ性能の低
下が起こる。吸水量が多いと、吸水による径膨張が大き
くなり、膨張破壊を起こしやすくなる。また、長期クリ
ープ性能が低下すると、破裂等が起こりやすくなり、管
としての使用が難しくなる。また、ライニング管では、
内面割れや、吸水膨張による管内閉塞が起こる。このた
め、充分にゲル化した管が求められている。
充分になるほど、吸水量の増加、長期クリープ性能の低
下が起こる。吸水量が多いと、吸水による径膨張が大き
くなり、膨張破壊を起こしやすくなる。また、長期クリ
ープ性能が低下すると、破裂等が起こりやすくなり、管
としての使用が難しくなる。また、ライニング管では、
内面割れや、吸水膨張による管内閉塞が起こる。このた
め、充分にゲル化した管が求められている。
【0009】さらにまた、CPVCは一般のPVCと比
較して粘度が高く、応力緩和時間が長いため、管の表面
(内面)が平滑性に劣るという欠点がある。管の内面が
平滑性に劣る場合、凹凸の影響により滞留が起こりやす
く、最近の繁殖やゴミの蓄積が起こりやすくなるため、
プラント用の超純水配管およびライニング管での使用が
難しい。一般に、成形品に平滑性を与えるためには、成
形樹脂温度、金型温度を上昇させたり、金型内での滞留
時間を長くしたりする対策がとられるが、CPVC管を
成形する場合には、樹脂が熱履歴を受け分解しやすく、
ロングラン性(連続製造性)に問題を生じることがあっ
た。
較して粘度が高く、応力緩和時間が長いため、管の表面
(内面)が平滑性に劣るという欠点がある。管の内面が
平滑性に劣る場合、凹凸の影響により滞留が起こりやす
く、最近の繁殖やゴミの蓄積が起こりやすくなるため、
プラント用の超純水配管およびライニング管での使用が
難しい。一般に、成形品に平滑性を与えるためには、成
形樹脂温度、金型温度を上昇させたり、金型内での滞留
時間を長くしたりする対策がとられるが、CPVC管を
成形する場合には、樹脂が熱履歴を受け分解しやすく、
ロングラン性(連続製造性)に問題を生じることがあっ
た。
【0010】このような問題を解決するために、例え
ば、特開昭49−6080号公報には、イオン性乳化
剤、水溶性金属及び水溶性高分子からなる懸濁安定剤を
使用し、約1μm の基本粒子からなる凝集体で構成され
たPVC樹脂を塩素化する方法が開示されている。しか
し、この方法では、成形加工時のゲル化性能は向上する
ものの、未だ耐熱性能とゲル化性能を充分に満足するも
のではない。
ば、特開昭49−6080号公報には、イオン性乳化
剤、水溶性金属及び水溶性高分子からなる懸濁安定剤を
使用し、約1μm の基本粒子からなる凝集体で構成され
たPVC樹脂を塩素化する方法が開示されている。しか
し、この方法では、成形加工時のゲル化性能は向上する
ものの、未だ耐熱性能とゲル化性能を充分に満足するも
のではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化ビニ
ル系樹脂、その製造方法及びその成形体を提供すること
を目的とする。
鑑み、熱安定性とゲル化発現性に優れた塩素化塩化ビニ
ル系樹脂、その製造方法及びその成形体を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(本
発明1という)による塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化
ビニル樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂で
あって、前記塩化ビニル系樹脂は、電子分光化学分析
(ESCA)による粒子表面分析において、炭素原子と
塩素原子との1S結合エネルギー値(eV)におけるピ
ーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が、
0.6を超えるものであり、前記塩素化塩化ビニル系樹
脂は、塩素含有率は60〜72重量%、水銀圧入法によ
り圧力196MPaで測定した空隙率が30〜40容量
%、及び水銀圧入法により圧力が0〜196MPaで測
定した細孔容積分布において、0.001〜0.1μm
の空隙容積が、全空隙容積の2〜15容積%であるであ
ることを特徴とする。以下に本発明を詳述する。
発明1という)による塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化
ビニル樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂で
あって、前記塩化ビニル系樹脂は、電子分光化学分析
(ESCA)による粒子表面分析において、炭素原子と
塩素原子との1S結合エネルギー値(eV)におけるピ
ーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が、
0.6を超えるものであり、前記塩素化塩化ビニル系樹
脂は、塩素含有率は60〜72重量%、水銀圧入法によ
り圧力196MPaで測定した空隙率が30〜40容量
%、及び水銀圧入法により圧力が0〜196MPaで測
定した細孔容積分布において、0.001〜0.1μm
の空隙容積が、全空隙容積の2〜15容積%であるであ
ることを特徴とする。以下に本発明を詳述する。
【0013】本発明のPVCとは、塩化ビニル単量体
(以下、VCMという)単独、又は、VCM及びVCM
と共重合可能な他の単量体との混合物を公知の方法で重
合してなる樹脂である。上記VCMと共重合可能な他の
単量体としては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル等
のアルキルビニルエステル類;エチレン、プロピレン等
のα−モノオレフィン類;塩化ビニリデン;スチレン等
が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2
種以上が併用されてもよい。
(以下、VCMという)単独、又は、VCM及びVCM
と共重合可能な他の単量体との混合物を公知の方法で重
合してなる樹脂である。上記VCMと共重合可能な他の
単量体としては特に限定されず、例えば、酢酸ビニル等
のアルキルビニルエステル類;エチレン、プロピレン等
のα−モノオレフィン類;塩化ビニリデン;スチレン等
が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよく、2
種以上が併用されてもよい。
【0014】上記PVCは、電子分光化学分析(ESC
A)による粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子
との1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク比
(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が、0.6を
超えるものに限定され、好ましくは0.7を超えるもの
である。上記ピーク比が0.6以下では、PVC粒子表
面に分散剤等の添加剤が吸着していると考えられるた
め、後工程での塩素化速度が遅くなるだけでなく、PV
Cの成形加工性に問題を生じ、また、熱安定性が劣るよ
うになる。上記ピーク比が0.6を超えるPVCの中に
は、PVC粒子表面の表皮(以下、スキンという)面積
が少なく、粒子内部の微細構造(1次粒子)が露出して
いる粒子(以下、スキンレスPVC)が存在する。同じ
エネルギー比である場合は、スキンレスPVCを用いる
のが好ましい。
A)による粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子
との1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク比
(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が、0.6を
超えるものに限定され、好ましくは0.7を超えるもの
である。上記ピーク比が0.6以下では、PVC粒子表
面に分散剤等の添加剤が吸着していると考えられるた
め、後工程での塩素化速度が遅くなるだけでなく、PV
Cの成形加工性に問題を生じ、また、熱安定性が劣るよ
うになる。上記ピーク比が0.6を超えるPVCの中に
は、PVC粒子表面の表皮(以下、スキンという)面積
が少なく、粒子内部の微細構造(1次粒子)が露出して
いる粒子(以下、スキンレスPVC)が存在する。同じ
エネルギー比である場合は、スキンレスPVCを用いる
のが好ましい。
【0015】上記PVCの化学的構造の原子存在比は、
塩素原子:炭素原子=1:2であり(末端構造、分岐を
考慮しない時)、上記1S結合エネルギー値(eV)に
おけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピー
ク)は0〜1の値となる。ピーク比が0の場合は、PV
C粒子表面がPVC以外の物質で、且つ、塩素を含まな
い他の物質に覆われている事を意味し、ピーク比が1の
場合は、PVC粒子表面が、完全にPVC成分のみで覆
われていることを意味する。
塩素原子:炭素原子=1:2であり(末端構造、分岐を
考慮しない時)、上記1S結合エネルギー値(eV)に
おけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピー
ク)は0〜1の値となる。ピーク比が0の場合は、PV
C粒子表面がPVC以外の物質で、且つ、塩素を含まな
い他の物質に覆われている事を意味し、ピーク比が1の
場合は、PVC粒子表面が、完全にPVC成分のみで覆
われていることを意味する。
【0016】本発明のCPVCは、塩素含有率、空隙
率、および0.001〜0.1μmの空隙容積により規
定される。即ち、上記CPVCの塩素含有率は、60〜
72重量%に限定され、好ましくは63〜70重量%で
ある。塩素含有率が60重量%未満になると、耐熱性の
向上が不十分であり、逆に72重量%を超えると、成形
加工が困難となりゲル化が不十分となる。
率、および0.001〜0.1μmの空隙容積により規
定される。即ち、上記CPVCの塩素含有率は、60〜
72重量%に限定され、好ましくは63〜70重量%で
ある。塩素含有率が60重量%未満になると、耐熱性の
向上が不十分であり、逆に72重量%を超えると、成形
加工が困難となりゲル化が不十分となる。
【0017】上記CPVCの空隙率は、水銀圧入法によ
り圧力196MPaで測定されるが、30〜40容量%
に限定され、好ましくは31〜38容量%である。空隙
率が30容量%未満になると、成形加工時のゲル化が遅
くなり、成形加工上好ましくなく、逆に40容量%を超
えると、成形時にスクリューへの食い込みが悪くなり、
ゲル化性が劣る。
り圧力196MPaで測定されるが、30〜40容量%
に限定され、好ましくは31〜38容量%である。空隙
率が30容量%未満になると、成形加工時のゲル化が遅
くなり、成形加工上好ましくなく、逆に40容量%を超
えると、成形時にスクリューへの食い込みが悪くなり、
ゲル化性が劣る。
【0018】上記CPVCの0.001〜0.1μm の
空隙容積は、水銀圧入法により圧力が0〜196MPa
で測定した細孔容積分布において、全空隙容積の2〜1
5容積%に限定され、好ましくは全空隙容積の3〜13
容積%である。樹脂粒子内の空隙細孔径は、樹脂の空隙
細孔部に圧入される水銀の圧力の関数になっているた
め、圧入圧力と水銀重量を連続的に測定すれば、細孔径
の分布が測定できることになる。0.001〜0.1μ
m の空隙容積が、全空隙容積の2容積%未満であると、
粒子内部の微細孔の割合が少ないため成形加工時のゲル
化性に劣り、15容積%を超えると、塩素化時の塩素の
拡散がバランスよく行われず、粒子内の塩素化度分布が
大きくなりすぎて、熱安定性がよくない。
空隙容積は、水銀圧入法により圧力が0〜196MPa
で測定した細孔容積分布において、全空隙容積の2〜1
5容積%に限定され、好ましくは全空隙容積の3〜13
容積%である。樹脂粒子内の空隙細孔径は、樹脂の空隙
細孔部に圧入される水銀の圧力の関数になっているた
め、圧入圧力と水銀重量を連続的に測定すれば、細孔径
の分布が測定できることになる。0.001〜0.1μ
m の空隙容積が、全空隙容積の2容積%未満であると、
粒子内部の微細孔の割合が少ないため成形加工時のゲル
化性に劣り、15容積%を超えると、塩素化時の塩素の
拡散がバランスよく行われず、粒子内の塩素化度分布が
大きくなりすぎて、熱安定性がよくない。
【0019】請求項2記載の発明(本発明2という)に
よる塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル樹脂を塩素
化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩化
ビニル系樹脂は、電子分光化学分析(ESCA)による
粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子との1S結
合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピ
ーク×2/炭素元素ピーク)が、0.6を超えるもので
あり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率は6
0〜72重量%、水銀圧入法により圧力196MPaで
測定した空隙率が30〜40容量%、及びBET比表面
積が2〜12m 2 /gであることを特徴とする。
よる塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル樹脂を塩素
化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩化
ビニル系樹脂は、電子分光化学分析(ESCA)による
粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子との1S結
合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピ
ーク×2/炭素元素ピーク)が、0.6を超えるもので
あり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率は6
0〜72重量%、水銀圧入法により圧力196MPaで
測定した空隙率が30〜40容量%、及びBET比表面
積が2〜12m 2 /gであることを特徴とする。
【0020】本発明2のPVCのESCA分析における
ピーク比は、本発明1と同様である。また、本発明2の
CPVCの塩素含有率及び空隙率は、本発明1と同様で
ある。
ピーク比は、本発明1と同様である。また、本発明2の
CPVCの塩素含有率及び空隙率は、本発明1と同様で
ある。
【0021】上記本発明2のCPVCのBET比表面積
値は、2〜12m2 /gに限定され、好ましくは3〜1
0m2 /gである。BET比表面積が2m2 /g未満に
なると、粒子内部の微細孔の割合が少ないため、成形加
工時に、粒子内溶融が起こりにくくなりゲル化性に劣
り、逆にBET比表面積が12m2 /gを超えると、内
部からの摩擦熱の発生が急激に起こり成形時の熱安定性
が劣る。
値は、2〜12m2 /gに限定され、好ましくは3〜1
0m2 /gである。BET比表面積が2m2 /g未満に
なると、粒子内部の微細孔の割合が少ないため、成形加
工時に、粒子内溶融が起こりにくくなりゲル化性に劣
り、逆にBET比表面積が12m2 /gを超えると、内
部からの摩擦熱の発生が急激に起こり成形時の熱安定性
が劣る。
【0022】請求項3記載の発明(本発明3という)に
よる塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を塩
素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩
化ビニル系樹脂は、電子分光化学分析(ESCA)によ
る粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子との1S
結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素
ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.6を超えるもので
あり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率が6
0〜72重量%、水銀圧入法により圧力196MPaで
測定した空隙率が30〜40容量%、水銀圧入法により
圧力が0〜196MPaで測定した細孔容積分布におい
て、0.001〜0.1μm の空隙容積が全空隙容積の
2〜15容積%、及び1g/kgテトラヒドロフラン溶
液の吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)が、波長
235nmにおいて0.8以下であることを特徴とす
る。
よる塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を塩
素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩
化ビニル系樹脂は、電子分光化学分析(ESCA)によ
る粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子との1S
結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素
ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.6を超えるもので
あり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率が6
0〜72重量%、水銀圧入法により圧力196MPaで
測定した空隙率が30〜40容量%、水銀圧入法により
圧力が0〜196MPaで測定した細孔容積分布におい
て、0.001〜0.1μm の空隙容積が全空隙容積の
2〜15容積%、及び1g/kgテトラヒドロフラン溶
液の吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)が、波長
235nmにおいて0.8以下であることを特徴とす
る。
【0023】本発明3のPVCのESCA分析における
ピーク比は、本発明1と同様である。また、本発明3の
CPVCの塩素含有率、空隙率、及び0.001〜0.
1μmの空隙容積は、本発明1と同様である。
ピーク比は、本発明1と同様である。また、本発明3の
CPVCの塩素含有率、空隙率、及び0.001〜0.
1μmの空隙容積は、本発明1と同様である。
【0024】本発明3のCPVCの1g/kgテトラヒ
ドロフラン溶液の吸光度(セル長1cm、測定温度23
℃)は、波長235nmにおいて、0.8以下に限定さ
れ、好ましくは、0.2以下である。上記CPVCにお
いては、吸光度の値により、塩素化反応時の分子鎖中の
異種構造を定量化し、熱安定性の指標とする。紫外吸収
スペクトルを測定し、CPVC中の異種構造である、−
CH=CH−C(=O)−、−CH=CH−CH=CH
−が吸収をもつ波長235nmの吸光度(セル長1c
m、測定温度23℃)の値を読みとる方法である。吸光
度を0.8以下に限定する理由は、以下の通りである。
すなわち、二重結合の横の炭素に付いた塩素原子は不安
定であることから、そこを起点として、脱塩酸が起こ
る。つまり、吸光度の値が大きいほど、脱塩酸が起こり
易く、熱安定性が低いことになる。吸光度の値が0.8
を超えると、分子鎖中の異種構造の影響が大きくなるた
め、結果として熱安定性が劣ることとなる。
ドロフラン溶液の吸光度(セル長1cm、測定温度23
℃)は、波長235nmにおいて、0.8以下に限定さ
れ、好ましくは、0.2以下である。上記CPVCにお
いては、吸光度の値により、塩素化反応時の分子鎖中の
異種構造を定量化し、熱安定性の指標とする。紫外吸収
スペクトルを測定し、CPVC中の異種構造である、−
CH=CH−C(=O)−、−CH=CH−CH=CH
−が吸収をもつ波長235nmの吸光度(セル長1c
m、測定温度23℃)の値を読みとる方法である。吸光
度を0.8以下に限定する理由は、以下の通りである。
すなわち、二重結合の横の炭素に付いた塩素原子は不安
定であることから、そこを起点として、脱塩酸が起こ
る。つまり、吸光度の値が大きいほど、脱塩酸が起こり
易く、熱安定性が低いことになる。吸光度の値が0.8
を超えると、分子鎖中の異種構造の影響が大きくなるた
め、結果として熱安定性が劣ることとなる。
【0025】また、1g/kgテトラヒドロフラン溶液
の吸光度を0.8以下にする塩素化方法として、熱塩素
化法や光塩素化法が挙げられるが、特に限定されず、高
温での熱塩素化方法が好適に使用される。高温反応によ
る高熱安定性発現には、塩素化反応中の酸化(カルボニ
ル基に代表される異種構造生成)が高温ほど起こりにく
い(高温程、反応の平衡が生成を抑制する方向に移動す
る)ことが起因する。具体的には、反応温度は70〜1
35℃が好ましく、90〜125℃がより好ましい。熱
塩素化の場合、反応温度が70℃未満では、塩素化の反
応速度が低いため、反応を進行させるには、過酸化物に
代表される反応触媒を多量に添加する必要があり、その
結果、得られる樹脂の熱安定性が劣ることもある。ま
た、光塩素化の場合、反応温度が70℃未満では、塩素
が水に溶解しやすくなり、反応槽中に酸素が発生しやす
くなる。その結果、得られる樹脂の熱安定性が劣ること
もある。逆に、反応温度が135℃を超えると、熱エネ
ルギーにより樹脂が劣化することがあり、得られるCP
VCが着色することがある
の吸光度を0.8以下にする塩素化方法として、熱塩素
化法や光塩素化法が挙げられるが、特に限定されず、高
温での熱塩素化方法が好適に使用される。高温反応によ
る高熱安定性発現には、塩素化反応中の酸化(カルボニ
ル基に代表される異種構造生成)が高温ほど起こりにく
い(高温程、反応の平衡が生成を抑制する方向に移動す
る)ことが起因する。具体的には、反応温度は70〜1
35℃が好ましく、90〜125℃がより好ましい。熱
塩素化の場合、反応温度が70℃未満では、塩素化の反
応速度が低いため、反応を進行させるには、過酸化物に
代表される反応触媒を多量に添加する必要があり、その
結果、得られる樹脂の熱安定性が劣ることもある。ま
た、光塩素化の場合、反応温度が70℃未満では、塩素
が水に溶解しやすくなり、反応槽中に酸素が発生しやす
くなる。その結果、得られる樹脂の熱安定性が劣ること
もある。逆に、反応温度が135℃を超えると、熱エネ
ルギーにより樹脂が劣化することがあり、得られるCP
VCが着色することがある
【0026】請求項4記載の発明(本発明4 という)に
よる塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を塩
素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩
化ビニル系樹脂は、電子分光化学分析(ESCA)によ
る粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子との1S
結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素
ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.6を超えるもので
あり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率が6
0〜72重量%、水銀圧入法により圧力196MPaで
測定した空隙率が30〜40容量%、BET比表面積が
2〜12m2 /g、及び1g/kgテトラヒドロフラン
溶液の吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)が、波
長235nmにおいて0.8以下であることを特徴とす
る。
よる塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を塩
素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩
化ビニル系樹脂は、電子分光化学分析(ESCA)によ
る粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子との1S
結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素
ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.6を超えるもので
あり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率が6
0〜72重量%、水銀圧入法により圧力196MPaで
測定した空隙率が30〜40容量%、BET比表面積が
2〜12m2 /g、及び1g/kgテトラヒドロフラン
溶液の吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)が、波
長235nmにおいて0.8以下であることを特徴とす
る。
【0027】本発明4のPVCのESCA分析における
ピーク比は、本発明1と同様である。本発明4のCPV
Cの塩素含有率、空隙率、及びBET比表面積は、本発
明2と同様であり、235nmの吸光度は本発明3と同
様である。
ピーク比は、本発明1と同様である。本発明4のCPV
Cの塩素含有率、空隙率、及びBET比表面積は、本発
明2と同様であり、235nmの吸光度は本発明3と同
様である。
【0028】請求項5記載の発明(本発明5という)に
よる塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を塩
素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩
化ビニル系樹脂は、電子分光化学分析(ESCA)によ
る粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子との1S
結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素
ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.6を超えるもので
あり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率は6
0〜72重量%、水銀圧入法により圧力196MPaで
測定した空隙率が30〜40容量%、水銀圧入法により
圧力が0〜196MPaで測定した細孔容積分布におい
て、0.001〜0.1μm の空隙容積が全空隙容積の
2 〜15容積%、及び1g/kgテトラヒドロフラン溶
液の吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)が、波長
235nmにおいて0.2以下であることを特徴とす
る。
よる塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を塩
素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩
化ビニル系樹脂は、電子分光化学分析(ESCA)によ
る粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子との1S
結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素
ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.6を超えるもので
あり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率は6
0〜72重量%、水銀圧入法により圧力196MPaで
測定した空隙率が30〜40容量%、水銀圧入法により
圧力が0〜196MPaで測定した細孔容積分布におい
て、0.001〜0.1μm の空隙容積が全空隙容積の
2 〜15容積%、及び1g/kgテトラヒドロフラン溶
液の吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)が、波長
235nmにおいて0.2以下であることを特徴とす
る。
【0029】本発明5のPVCのESCA分析における
ピーク比は、本発明1と同様である。また、本発明5の
CPVCの塩素含有率、空隙率、及び0.001〜0.
1μmの空隙容積は、本発明3と同様である。
ピーク比は、本発明1と同様である。また、本発明5の
CPVCの塩素含有率、空隙率、及び0.001〜0.
1μmの空隙容積は、本発明3と同様である。
【0030】本発明5のCPVCの波長235nmの吸
光度は、0.2以下に限定される。CPVCの波長23
5nmの吸光度が0.2以下であると、熱安定性に特に
優れる。
光度は、0.2以下に限定される。CPVCの波長23
5nmの吸光度が0.2以下であると、熱安定性に特に
優れる。
【0031】請求項6記載の発明(本発明6という)に
よる塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を塩
素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩
化ビニル系樹脂は、電子分光化学分析(ESCA)によ
る粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子との1S
結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素
ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.6を超えるもので
あり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率は6
0〜72重量%、水銀圧入法により圧力196MPaで
測定した空隙率は30〜40容量%、BET比表面積が
2〜12m2 /g、及び1g/kgテトラヒドロフラン
溶液の吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)は、波
長235nmにおいて0.2以下であることを特徴とす
る。
よる塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を塩
素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩
化ビニル系樹脂は、電子分光化学分析(ESCA)によ
る粒子表面分析において、炭素原子と塩素原子との1S
結合エネルギー値(eV)におけるピーク比(塩素元素
ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.6を超えるもので
あり、前記塩素化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率は6
0〜72重量%、水銀圧入法により圧力196MPaで
測定した空隙率は30〜40容量%、BET比表面積が
2〜12m2 /g、及び1g/kgテトラヒドロフラン
溶液の吸光度(セル長1cm、測定温度23℃)は、波
長235nmにおいて0.2以下であることを特徴とす
る。
【0032】本発明6のPVCのESCA分析における
ピーク比は、本発明1と同様である。また、本発明6の
CPVCの塩素含有率、空隙率、BET比表面積は、本
発明4と同様であり、波長235nmの吸光度は本発明
5と同様である。
ピーク比は、本発明1と同様である。また、本発明6の
CPVCの塩素含有率、空隙率、BET比表面積は、本
発明4と同様であり、波長235nmの吸光度は本発明
5と同様である。
【0033】請求項7記載の発明(本発明7という)に
よる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法は、塩化ビニル
系樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造
方法であって、前記塩化ビニル系樹脂は、BET比表面
積値が、1.3〜8m2 /gであり、電子分光化学分析
(ESCA)による粒子表面分析において、炭素元素と
塩素元素との1S結合エネルギー値( eV) におけるピ
ーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.
6を超えるものであり、また、前記塩素化は、塩化ビニ
ル系樹脂を水性媒体中で懸濁状態となした状態で、反応
器内に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度を70
〜135℃の範囲で反応を行うことを特徴とする。
よる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法は、塩化ビニル
系樹脂を塩素化してなる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造
方法であって、前記塩化ビニル系樹脂は、BET比表面
積値が、1.3〜8m2 /gであり、電子分光化学分析
(ESCA)による粒子表面分析において、炭素元素と
塩素元素との1S結合エネルギー値( eV) におけるピ
ーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.
6を超えるものであり、また、前記塩素化は、塩化ビニ
ル系樹脂を水性媒体中で懸濁状態となした状態で、反応
器内に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度を70
〜135℃の範囲で反応を行うことを特徴とする。
【0034】本発明7で用いられるPVCとは、VCM
単独、又は、VCM及びVCMと共重合可能な他の単量
体の混合物を公知の方法で重合してなる樹脂である。上
記VCNと重合可能な単量体としては特に限定されず、
例えば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル類;エ
チレン、プロピレン等のα−モノオレフィン類;塩化ビ
ニリデン;スチレン等が挙げられる。これらは、単独で
用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
単独、又は、VCM及びVCMと共重合可能な他の単量
体の混合物を公知の方法で重合してなる樹脂である。上
記VCNと重合可能な単量体としては特に限定されず、
例えば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル類;エ
チレン、プロピレン等のα−モノオレフィン類;塩化ビ
ニリデン;スチレン等が挙げられる。これらは、単独で
用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0035】上記PVCの平均重合度としては、特に限
定されず、通常用いられる400〜3000のものが使
用できる。
定されず、通常用いられる400〜3000のものが使
用できる。
【0036】本発明7で用いられるPVCのBET比表
面積値は、1.3〜8m2 /gに制限され、好ましく
は、1.5〜5m2 /gである。BET比表面積値が
1.3m 2 /g未満であると、PVC粒子内部に0.1
μm 以下の微細孔が少なくなるため、塩素化が均一にな
されなくなり、熱安定性が向上しなくなり、また、ゲル
化が遅くなる。逆に、BET比表面積値が8m2 /gを
超えると、塩素化前のPVC粒子自体の熱安定性が低下
するため、得られるCPVCの加工性が悪くなる。
面積値は、1.3〜8m2 /gに制限され、好ましく
は、1.5〜5m2 /gである。BET比表面積値が
1.3m 2 /g未満であると、PVC粒子内部に0.1
μm 以下の微細孔が少なくなるため、塩素化が均一にな
されなくなり、熱安定性が向上しなくなり、また、ゲル
化が遅くなる。逆に、BET比表面積値が8m2 /gを
超えると、塩素化前のPVC粒子自体の熱安定性が低下
するため、得られるCPVCの加工性が悪くなる。
【0037】上記本発明7で用いられるPVCは、ES
CA分析による粒子表面分析において、炭素元素と塩素
元素との1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク
比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.6を
超えるものに制限され、好ましくは0.7を超えるもの
である。このピーク比が0.6以下であると、PVC粒
子表面に分散剤等の添加剤が吸着していると考えられる
ため、後工程での塩素化速度が遅くなるだけでなく、P
VCの成形加工性に問題を生じ、また、熱安定性が劣る
ようになる。上記ピーク比が0.6を超えるPVCの中
には、PVC粒子表面のスキン面積が少なく、粒子内部
の微細構造(1 次粒子)が露出している粒子(スキンレ
スPVCという)が存在する。同じエネルギー比である
場合は、スキンレスPVCを用いるのが好ましい。
CA分析による粒子表面分析において、炭素元素と塩素
元素との1S結合エネルギー値(eV)におけるピーク
比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピーク)が0.6を
超えるものに制限され、好ましくは0.7を超えるもの
である。このピーク比が0.6以下であると、PVC粒
子表面に分散剤等の添加剤が吸着していると考えられる
ため、後工程での塩素化速度が遅くなるだけでなく、P
VCの成形加工性に問題を生じ、また、熱安定性が劣る
ようになる。上記ピーク比が0.6を超えるPVCの中
には、PVC粒子表面のスキン面積が少なく、粒子内部
の微細構造(1 次粒子)が露出している粒子(スキンレ
スPVCという)が存在する。同じエネルギー比である
場合は、スキンレスPVCを用いるのが好ましい。
【0038】上記PVCの化学的構造の原子存在比は、
塩素原子:炭素原子=1:2であり(末端構造、分岐を
考慮しない時)、上記1S結合エネルギー値(eV)に
おけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピー
ク)は0 〜1 の値となる。ピーク比が0の場合は、PV
C粒子表面がPVC以外の物質で、且つ、塩素を含まな
い他の物質に覆われている事を意味し、ピーク比が1の
場合は、PVC粒子表面が、完全にPVC成分のみで覆
われていることを意味する。
塩素原子:炭素原子=1:2であり(末端構造、分岐を
考慮しない時)、上記1S結合エネルギー値(eV)に
おけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭素元素ピー
ク)は0 〜1 の値となる。ピーク比が0の場合は、PV
C粒子表面がPVC以外の物質で、且つ、塩素を含まな
い他の物質に覆われている事を意味し、ピーク比が1の
場合は、PVC粒子表面が、完全にPVC成分のみで覆
われていることを意味する。
【0039】上述したBET比表面積値及び1S結合エ
ネルギー値(eV)におけるピーク比を有するPVC
は、例えば、分散剤として高ケン化度(60〜90モル
%)若しくは低ケン化度(20〜60モル%)又はその
両方のポリ酢酸ビニル、高級脂肪酸エステル類等を、乳
化剤としてアニオン系乳化剤又はノニオン系乳化剤等を
添加して水懸濁重合することにより得ることができる。
ネルギー値(eV)におけるピーク比を有するPVC
は、例えば、分散剤として高ケン化度(60〜90モル
%)若しくは低ケン化度(20〜60モル%)又はその
両方のポリ酢酸ビニル、高級脂肪酸エステル類等を、乳
化剤としてアニオン系乳化剤又はノニオン系乳化剤等を
添加して水懸濁重合することにより得ることができる。
【0040】本発明7でPVCを重合する際に用いるこ
とができる重合器(耐圧オートクレーブ)の形状及び構
造としては、特に限定されず、一般にPVCの重合に使
用されているもの等を用いることができる。また、撹拌
翼としては、特に限定されず、例えば、ファウドラー
翼、パドル翼、タービン翼、ファンタービン翼、ブルマ
ージン翼等の汎用的に用いられているもの等が挙げられ
るが、特にファウドラー翼が好適に用いられ、邪魔板
(バッフル)との組み合わせも特に限定されない。
とができる重合器(耐圧オートクレーブ)の形状及び構
造としては、特に限定されず、一般にPVCの重合に使
用されているもの等を用いることができる。また、撹拌
翼としては、特に限定されず、例えば、ファウドラー
翼、パドル翼、タービン翼、ファンタービン翼、ブルマ
ージン翼等の汎用的に用いられているもの等が挙げられ
るが、特にファウドラー翼が好適に用いられ、邪魔板
(バッフル)との組み合わせも特に限定されない。
【0041】本発明7でPVCを塩素化する方法は、P
VCを水性媒体中で懸濁状態となした状態で、反応機内
に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度70〜13
5℃の範囲で塩素化反応を行う方法である。
VCを水性媒体中で懸濁状態となした状態で、反応機内
に液体塩素又は気体塩素を導入し、反応温度70〜13
5℃の範囲で塩素化反応を行う方法である。
【0042】本発明7で使用する塩素化反応器の材質
は、グラスライニングが施されたステンレス製反応器の
他、チタン製反応器等、一般に使用されるものが適用で
きる。本発明7においては、塩素化はPVCを水性媒体
により懸濁状態になした状態で、液体塩素又は気体塩素
を導入することにより、塩素源を塩素化反応器内に導入
するが、液体塩素を導入することが工程上からも効率的
である。反応途中の圧力調整のため、また、塩素化反応
の進行に伴う塩素の補給については、液体塩素の他、気
体塩素を適宜吹き込むこともできる。
は、グラスライニングが施されたステンレス製反応器の
他、チタン製反応器等、一般に使用されるものが適用で
きる。本発明7においては、塩素化はPVCを水性媒体
により懸濁状態になした状態で、液体塩素又は気体塩素
を導入することにより、塩素源を塩素化反応器内に導入
するが、液体塩素を導入することが工程上からも効率的
である。反応途中の圧力調整のため、また、塩素化反応
の進行に伴う塩素の補給については、液体塩素の他、気
体塩素を適宜吹き込むこともできる。
【0043】上記PVCを懸濁状態に調製する方法とし
ては、PVCを重合した後、脱モノマー処理したケーキ
上の樹脂を用いるのが好ましいが、乾燥させたものを再
度、水性媒体で懸濁化してもよく、重合系中より、塩素
化反応に好ましくない物質を除去した懸濁液を使用して
もよい。また、反応器内に仕込む水性媒体の量は、特に
限定されないが、一般にPVCの重量1に対して2〜1
0倍(重量)量を仕込むのが好ましい。
ては、PVCを重合した後、脱モノマー処理したケーキ
上の樹脂を用いるのが好ましいが、乾燥させたものを再
度、水性媒体で懸濁化してもよく、重合系中より、塩素
化反応に好ましくない物質を除去した懸濁液を使用して
もよい。また、反応器内に仕込む水性媒体の量は、特に
限定されないが、一般にPVCの重量1に対して2〜1
0倍(重量)量を仕込むのが好ましい。
【0044】上述したような懸濁した状態で塩素化する
方法としては、熱により樹脂の結合や塩素を励起させて
塩素化を促進する方法(以下、熱塩素化という)と、光
を照射して光反応的に塩素化を促進する方法(以下、光
塩素化という)等が挙げられるが、特に限定されず、好
適に熱塩素化が使用される。熱塩素化を行う際、加熱方
法としては特に限定されず、例えば、反応器壁からの外
部ジャケット方式の他、内部ジャケット方式、スチーム
吹き込み方式等が挙げられ、通常は、外部ジャケット方
式又は内部ジャケット方式が効果的である。また、紫外
光線等の光エネルギーを併用しても良いが、この場合、
高温、高圧条件下での紫外線照射が可能な装置が必要に
なる。
方法としては、熱により樹脂の結合や塩素を励起させて
塩素化を促進する方法(以下、熱塩素化という)と、光
を照射して光反応的に塩素化を促進する方法(以下、光
塩素化という)等が挙げられるが、特に限定されず、好
適に熱塩素化が使用される。熱塩素化を行う際、加熱方
法としては特に限定されず、例えば、反応器壁からの外
部ジャケット方式の他、内部ジャケット方式、スチーム
吹き込み方式等が挙げられ、通常は、外部ジャケット方
式又は内部ジャケット方式が効果的である。また、紫外
光線等の光エネルギーを併用しても良いが、この場合、
高温、高圧条件下での紫外線照射が可能な装置が必要に
なる。
【0045】上記塩素化の工程で得られるCPVCの塩
素含有率は、60〜72重量%となるように調整するの
が好ましく、63〜70重量%がより好ましい。塩素含
有率が60重量%未満では、耐熱性に乏しくなることが
あり、72重量%を超えると、ゲル化性能が悪化するこ
とがあり、耐熱成形品を成形するのに不利となることが
ある。
素含有率は、60〜72重量%となるように調整するの
が好ましく、63〜70重量%がより好ましい。塩素含
有率が60重量%未満では、耐熱性に乏しくなることが
あり、72重量%を超えると、ゲル化性能が悪化するこ
とがあり、耐熱成形品を成形するのに不利となることが
ある。
【0046】本発明7による塩素化の反応温度は、70
〜135℃に限定され、90〜125℃が好ましい。反
応温度が70℃未満では、塩素化反応速度が低いため
に、反応を進行させるには、過酸化物に代表される反応
触媒を多量に添加する必要があり、その結果、得られる
樹脂の熱安定性が劣るようになる。逆に、反応温度が1
35℃を超えると、熱エネルギーによって樹脂が劣化
し、得られるPVCが着色する。
〜135℃に限定され、90〜125℃が好ましい。反
応温度が70℃未満では、塩素化反応速度が低いため
に、反応を進行させるには、過酸化物に代表される反応
触媒を多量に添加する必要があり、その結果、得られる
樹脂の熱安定性が劣るようになる。逆に、反応温度が1
35℃を超えると、熱エネルギーによって樹脂が劣化
し、得られるPVCが着色する。
【0047】本発明7で使用する塩素としては、特開平
6−32822号公報に記載されているような、ボンベ
塩素の5〜10重量%をパージした後の塩素を用いるの
が好ましい。また、反応器内のゲージ圧力は、特に限定
されないが、塩素圧力が高いほど塩素がPVC粒子の内
部に浸透しやすいため、0.3〜2MPaの範囲が好ま
しい。
6−32822号公報に記載されているような、ボンベ
塩素の5〜10重量%をパージした後の塩素を用いるの
が好ましい。また、反応器内のゲージ圧力は、特に限定
されないが、塩素圧力が高いほど塩素がPVC粒子の内
部に浸透しやすいため、0.3〜2MPaの範囲が好ま
しい。
【0048】請求項8記載の発明(本発明8という)に
よる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法は、塩化ビニル
系樹脂のBET比表面積が1.5〜5m2 /gである本
発明7 の塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法である。
よる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法は、塩化ビニル
系樹脂のBET比表面積が1.5〜5m2 /gである本
発明7 の塩素化塩化ビニル樹脂の製造方法である。
【0049】請求項9記載の発明(本発明9という)に
よる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法は、塩化ビニル
系樹脂のESCA分析による粒子表面分析における前記
ピーク比が、0.7を超えるものである本発明7又は8
の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法である。
よる塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法は、塩化ビニル
系樹脂のESCA分析による粒子表面分析における前記
ピーク比が、0.7を超えるものである本発明7又は8
の塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法である。
【0050】請求項10記載の発明(本発明10とい
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂成形体は、本発明1
〜6いずれかの塩素化塩化ビニル系樹脂を成形して得ら
れる塩素化塩化ビニル系樹脂成形体であって、JIS
K 7206に準拠した方法で測定した9.8N荷重時
のビカット軟化温度が145℃以上であることを特徴と
する。
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂成形体は、本発明1
〜6いずれかの塩素化塩化ビニル系樹脂を成形して得ら
れる塩素化塩化ビニル系樹脂成形体であって、JIS
K 7206に準拠した方法で測定した9.8N荷重時
のビカット軟化温度が145℃以上であることを特徴と
する。
【0051】本発明10において、ビカット軟化温度
は、塩素化塩化ビニル系樹脂成形体の耐熱性の指標であ
り、145℃以上に限定され、好ましくは155℃以上
である。ビカット軟化温度が145℃未満であると、現
状の使用分野よりも高い耐熱性が要求される給湯管に代
表される分野である100℃以上の液体、気体を流す場
合の使用が難しい。上記ビカット軟化温度の上限はより
高い方が好ましいが、実際の管状成形体の押出成形を考
慮すると、185℃以下が好ましい。
は、塩素化塩化ビニル系樹脂成形体の耐熱性の指標であ
り、145℃以上に限定され、好ましくは155℃以上
である。ビカット軟化温度が145℃未満であると、現
状の使用分野よりも高い耐熱性が要求される給湯管に代
表される分野である100℃以上の液体、気体を流す場
合の使用が難しい。上記ビカット軟化温度の上限はより
高い方が好ましいが、実際の管状成形体の押出成形を考
慮すると、185℃以下が好ましい。
【0052】本発明10のCPVC成形体を成形するの
に際し、安定剤、滑剤、改質剤、充填剤、加工助剤、顔
料等、一般に用いられる配合剤を用いて成形することが
できる。上記CPVC成形体の成形においては、成形機
としては特に限定されず、例えば、押出成形機、射出成
形機、カレンダー成形機等が挙げられる。上記CPVC
成形体を成形する金型、樹脂温度、成形条件も特に限定
されない。
に際し、安定剤、滑剤、改質剤、充填剤、加工助剤、顔
料等、一般に用いられる配合剤を用いて成形することが
できる。上記CPVC成形体の成形においては、成形機
としては特に限定されず、例えば、押出成形機、射出成
形機、カレンダー成形機等が挙げられる。上記CPVC
成形体を成形する金型、樹脂温度、成形条件も特に限定
されない。
【0053】請求項11記載の発明(本発明11とい
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂成形体は、本発明1
〜6いずれかの塩素化塩化ビニル系樹脂を成形して得ら
れる塩素化塩化ビニル系樹脂成形体であって、JIS
K 7206に準拠した方法で測定した9.8N荷重時
のビカット軟化温度が145℃以上であり、JIS K
7111に準拠した方法で測定したシャルピー衝撃値が
10kJ/m2 以上であることを特徴とする。
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂成形体は、本発明1
〜6いずれかの塩素化塩化ビニル系樹脂を成形して得ら
れる塩素化塩化ビニル系樹脂成形体であって、JIS
K 7206に準拠した方法で測定した9.8N荷重時
のビカット軟化温度が145℃以上であり、JIS K
7111に準拠した方法で測定したシャルピー衝撃値が
10kJ/m2 以上であることを特徴とする。
【0054】本発明11のCPVC成形体のビカット軟
化温度は、本発明10と同様である。本発明11におい
ては、JIS K 7111に準拠した方法で測定した
シャルピー衝撃値が10kJ/m2 以上である。このシ
ャルピー衝撃値は成形体の衝撃強度の指標であり、シャ
ルピー衝撃値が10kJ/m2 以上であると、100℃
以上の液体、気体を流す成形体として好ましい。さら
に、本発明11のCPVC成形体は、本発明1〜6のC
PVCを用いて成形するが、一般には高塩素化樹脂を用
いると、成形時のゲル化が不充分なために、得られる成
形体が脆くなる。そのため、衝撃改質剤の添加量を増や
して成形することになるが、反面、耐熱性を低下させる
原因にもなる。よって、好ましい範囲は10〜60kJ
/m2 で、より好ましくは15〜50kJ/m2 であ
る。
化温度は、本発明10と同様である。本発明11におい
ては、JIS K 7111に準拠した方法で測定した
シャルピー衝撃値が10kJ/m2 以上である。このシ
ャルピー衝撃値は成形体の衝撃強度の指標であり、シャ
ルピー衝撃値が10kJ/m2 以上であると、100℃
以上の液体、気体を流す成形体として好ましい。さら
に、本発明11のCPVC成形体は、本発明1〜6のC
PVCを用いて成形するが、一般には高塩素化樹脂を用
いると、成形時のゲル化が不充分なために、得られる成
形体が脆くなる。そのため、衝撃改質剤の添加量を増や
して成形することになるが、反面、耐熱性を低下させる
原因にもなる。よって、好ましい範囲は10〜60kJ
/m2 で、より好ましくは15〜50kJ/m2 であ
る。
【0055】請求項12記載の発明(本発明12とい
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂成形体は、本発明1
〜6いずれかの塩素化塩化ビニル系樹脂を成形して得ら
れる塩素化塩化ビニル系樹脂成形体であって、JIS
K 7206に準拠した方法で測定した9.8N荷重時
のビカット軟化温度が145℃以上であり、JIS K
7111に準拠した方法で測定したシャルピー衝撃値が
20kJ/m2 以上であることを特徴とする。
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂成形体は、本発明1
〜6いずれかの塩素化塩化ビニル系樹脂を成形して得ら
れる塩素化塩化ビニル系樹脂成形体であって、JIS
K 7206に準拠した方法で測定した9.8N荷重時
のビカット軟化温度が145℃以上であり、JIS K
7111に準拠した方法で測定したシャルピー衝撃値が
20kJ/m2 以上であることを特徴とする。
【0056】本発明12のCPVC成形体のビカット軟
化温度は、本発明10と同様である。本発明12のCP
VC成形体のシャルピー衝撃値は20kJ/m2 以上で
あり、より高い耐熱性と衝撃強度を求められる場合に好
適に用いられる。
化温度は、本発明10と同様である。本発明12のCP
VC成形体のシャルピー衝撃値は20kJ/m2 以上で
あり、より高い耐熱性と衝撃強度を求められる場合に好
適に用いられる。
【0057】請求項13記載の発明(本発明13とい
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂管は、本発明1〜6
いずれかの塩素化塩化ビニル系樹脂を成形して得られる
塩素化塩化ビニル系樹脂管であって、JIS K 72
06に準拠した方法で測定した9.8N荷重時のビカッ
ト軟化温度が120℃以上であり、90℃熱水浸漬試験
を60日間行った後の吸水率が1.5%以下であり、A
STM D 2837に準拠した90℃での長期内圧ク
リープ試験で、破壊時間1000時間経過時における破
壊応力が4.5MPa以上であることを特徴とする。
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂管は、本発明1〜6
いずれかの塩素化塩化ビニル系樹脂を成形して得られる
塩素化塩化ビニル系樹脂管であって、JIS K 72
06に準拠した方法で測定した9.8N荷重時のビカッ
ト軟化温度が120℃以上であり、90℃熱水浸漬試験
を60日間行った後の吸水率が1.5%以下であり、A
STM D 2837に準拠した90℃での長期内圧ク
リープ試験で、破壊時間1000時間経過時における破
壊応力が4.5MPa以上であることを特徴とする。
【0058】本発明13のCPVC管のビカット軟化温
度は、120℃以上である。ビカット軟化温度が120
℃未満であると、80〜90℃の熱水を流す給湯管とし
ての使用が難しい。上記ビカット軟化温度の上限はより
高い方が好ましいが、実際の管状成形体の押出成形を考
慮すると、185℃以下が好ましい。
度は、120℃以上である。ビカット軟化温度が120
℃未満であると、80〜90℃の熱水を流す給湯管とし
ての使用が難しい。上記ビカット軟化温度の上限はより
高い方が好ましいが、実際の管状成形体の押出成形を考
慮すると、185℃以下が好ましい。
【0059】本発明13のCPVC管は、90℃熱水浸
漬試験を60日間行った後の吸水率が1.5%以下であ
り、より好ましくは1.0%以下である。上記吸水率が
1.5%を超えると、吸水による膨張破壊が起こりやす
くなる。
漬試験を60日間行った後の吸水率が1.5%以下であ
り、より好ましくは1.0%以下である。上記吸水率が
1.5%を超えると、吸水による膨張破壊が起こりやす
くなる。
【0060】本発明13のCPVC管は、ASTM D
2837に準拠した90℃での長期内圧クリープ試験
で破壊時間1000時間経過時における破壊応力が4.
5MPa以上であり、好ましくは6.0MPa以上であ
り、より好ましくは、7.0MPa以上である。上記破
壊応力が4.5MPa未満である場合は、給湯管として
長期間使用することが難しい。
2837に準拠した90℃での長期内圧クリープ試験
で破壊時間1000時間経過時における破壊応力が4.
5MPa以上であり、好ましくは6.0MPa以上であ
り、より好ましくは、7.0MPa以上である。上記破
壊応力が4.5MPa未満である場合は、給湯管として
長期間使用することが難しい。
【0061】本発明13のCPVC管を成形するのに際
し、安定剤、滑剤、改質剤、充填剤、加工助剤、顔料
等、一般に用いられる配合剤を用いて成形することがで
きる。上記CPVC管の成形においては、成形機として
は特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸異方向パ
ラレル押出機、二軸異方向コニカル押出機、二軸同方向
押出機等が挙げられる。上記CPVC管を成形する金
型、樹脂温度、成形条件も特に限定されない。
し、安定剤、滑剤、改質剤、充填剤、加工助剤、顔料
等、一般に用いられる配合剤を用いて成形することがで
きる。上記CPVC管の成形においては、成形機として
は特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸異方向パ
ラレル押出機、二軸異方向コニカル押出機、二軸同方向
押出機等が挙げられる。上記CPVC管を成形する金
型、樹脂温度、成形条件も特に限定されない。
【0062】請求項14記載の発明(本発明14とい
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂管は、本発明1〜6
いずれかの塩素化塩化ビニル系樹脂を成形して得られる
塩素化塩化ビニル系樹脂管であって、JIS K 72
06に準拠した方法で測定した9.8N荷重時のビカッ
ト軟化温度が120℃以上であり、90℃熱水浸漬試験
を60日間行った後の吸水率が1.5%以下であり、A
STM D 2837に準拠した90℃での長期内圧ク
リープ試験で、破壊時間1000時間経過時における破
壊応力が4.5MPa以上であり、表面粗さRmaxが
5.0μm 以下であることを特徴とする。
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂管は、本発明1〜6
いずれかの塩素化塩化ビニル系樹脂を成形して得られる
塩素化塩化ビニル系樹脂管であって、JIS K 72
06に準拠した方法で測定した9.8N荷重時のビカッ
ト軟化温度が120℃以上であり、90℃熱水浸漬試験
を60日間行った後の吸水率が1.5%以下であり、A
STM D 2837に準拠した90℃での長期内圧ク
リープ試験で、破壊時間1000時間経過時における破
壊応力が4.5MPa以上であり、表面粗さRmaxが
5.0μm 以下であることを特徴とする。
【0063】本発明14のCPVC管のビカット軟化温
度、吸水率及び破壊応力は本発明13と同様である。本
発明14のCPVC管の表面粗さRmaxは、5.0μ
m 以下であり、好ましくは1.5μm であり、特に0.
5μm 以下が好ましい。Rmaxが、5.0μm を超え
ると、凹凸により滞留が起こり、滞留部に不純物が溜ま
ったり、細菌が発生するために管として使用することが
難しい。上記表面粗さRmaxが0.5μm 以下である
と、プラント用超純水配管に使用できる。本発明14の
CPVC管を成形するための、配合・成形条件は本発明
13と同様である。
度、吸水率及び破壊応力は本発明13と同様である。本
発明14のCPVC管の表面粗さRmaxは、5.0μ
m 以下であり、好ましくは1.5μm であり、特に0.
5μm 以下が好ましい。Rmaxが、5.0μm を超え
ると、凹凸により滞留が起こり、滞留部に不純物が溜ま
ったり、細菌が発生するために管として使用することが
難しい。上記表面粗さRmaxが0.5μm 以下である
と、プラント用超純水配管に使用できる。本発明14の
CPVC管を成形するための、配合・成形条件は本発明
13と同様である。
【0064】請求項15記載の発明(本発明15とい
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂管は、給湯用の樹脂
管であることを特徴とする本発明13又は14の塩素化
塩化ビニル系樹脂管である。
う)による塩素化塩化ビニル系樹脂管は、給湯用の樹脂
管であることを特徴とする本発明13又は14の塩素化
塩化ビニル系樹脂管である。
【0065】請求項16記載の発明(本発明16とい
う)によるライニング管は、金属管の内側に本発明13
又は14の塩素化塩化ビニル系樹脂管が内張りされてい
ることを特徴とする。
う)によるライニング管は、金属管の内側に本発明13
又は14の塩素化塩化ビニル系樹脂管が内張りされてい
ることを特徴とする。
【0066】本発明16のライニング管に使用される金
属管は特に限定されず、鋼管が好適に使用される。ま
た、ライニング管において、金属管と本発明13又は1
4のCPVC管を接着する方法は特に限定されず、鋼管
の縮径による方法が好適に用いられる。更に、金属管と
CPVC管を接着する接着剤、接着条件等も特に限定さ
れない。
属管は特に限定されず、鋼管が好適に使用される。ま
た、ライニング管において、金属管と本発明13又は1
4のCPVC管を接着する方法は特に限定されず、鋼管
の縮径による方法が好適に用いられる。更に、金属管と
CPVC管を接着する接着剤、接着条件等も特に限定さ
れない。
【0067】本発明のCPVCでは、まず、CPVCの
粒子構造に特徴を持たせる。すなわち、内部多孔状態を
規定することにより成形加工時の易ゲル化性を発現させ
る。次に、CPVC分子鎖中の異種構造量を規定するこ
とにより高熱安定性を発現させる。こうして、本発明に
より、高熱安定性と易ゲル化性を併せ持つ樹脂が提供さ
れる。
粒子構造に特徴を持たせる。すなわち、内部多孔状態を
規定することにより成形加工時の易ゲル化性を発現させ
る。次に、CPVC分子鎖中の異種構造量を規定するこ
とにより高熱安定性を発現させる。こうして、本発明に
より、高熱安定性と易ゲル化性を併せ持つ樹脂が提供さ
れる。
【0068】本発明の製造方法では、まず、PVCの粒
子構造に特徴を持たせる。すなわち、表面状態及び内部
多孔状態を規定することにより成形加工時の易ゲル化性
を発現させる。次に、反応温度を規定することにより、
高熱安定性を発現させる。この高温反応による高熱安定
性の発現は、塩素化反応中の酸化(カルボニル基に代表
される異種構造生成)が高温ほど起こりにくい(高温
程、反応の平衡が生成を抑制する方向に移動する)こと
に基づいている。こうして、本発明により、高熱安定性
と易ゲル化性を併せ持つ樹脂を製造することが可能とな
る。
子構造に特徴を持たせる。すなわち、表面状態及び内部
多孔状態を規定することにより成形加工時の易ゲル化性
を発現させる。次に、反応温度を規定することにより、
高熱安定性を発現させる。この高温反応による高熱安定
性の発現は、塩素化反応中の酸化(カルボニル基に代表
される異種構造生成)が高温ほど起こりにくい(高温
程、反応の平衡が生成を抑制する方向に移動する)こと
に基づいている。こうして、本発明により、高熱安定性
と易ゲル化性を併せ持つ樹脂を製造することが可能とな
る。
【0069】本発明のCPVC成形体は、本発明のCP
VCを用いることにより、成形加工時に充分ゲル化さ
せ、耐熱性や衝撃強度を発現させる。こうして、耐熱性
と衝撃強度に優れた成形体を製造することが可能とな
る。
VCを用いることにより、成形加工時に充分ゲル化さ
せ、耐熱性や衝撃強度を発現させる。こうして、耐熱性
と衝撃強度に優れた成形体を製造することが可能とな
る。
【0070】本発明のCPVC管は、本発明のCPVC
を用いることにより、成形加工時に充分ゲル化させ、耐
熱性等の物性を発現させる。こうして、高温クリープ性
能等に優れた管を製造することが可能となる。
を用いることにより、成形加工時に充分ゲル化させ、耐
熱性等の物性を発現させる。こうして、高温クリープ性
能等に優れた管を製造することが可能となる。
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0071】(実施例1 ) [PVCの調製]内容積100リットルの重合器(耐圧
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(平均ケン化
度72モル%及び重合度700)400ppm、ソルビ
タンモノラウレート(HLB8.6)1600ppm、
ラウリン酸1500ppm、ポリアクリルアミド(20
℃、101325MPaで0.1重量%水溶液のブルッ
クフィールズ粘度が51mPa・s)100ppm、及
びt−ブチルパーオキシネオデカノエート500ppm
を投入した。次いで、重合器内を6kPaまで脱気した
後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み撹拌を開始し
た。重合器を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応
終了までこの温度を保った。重合転化率が90%になっ
た時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収
した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾
燥してPVCを得た。得られたPVCのBET比表面積
は3.7m 2 /gであった。また、スキン層の存在程度
を示すESCA分析値は、0.80であった。なお、B
ET比表面積、及び、ESCA分析の測定は下記方法に
より実施した。
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(平均ケン化
度72モル%及び重合度700)400ppm、ソルビ
タンモノラウレート(HLB8.6)1600ppm、
ラウリン酸1500ppm、ポリアクリルアミド(20
℃、101325MPaで0.1重量%水溶液のブルッ
クフィールズ粘度が51mPa・s)100ppm、及
びt−ブチルパーオキシネオデカノエート500ppm
を投入した。次いで、重合器内を6kPaまで脱気した
後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み撹拌を開始し
た。重合器を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応
終了までこの温度を保った。重合転化率が90%になっ
た時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収
した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾
燥してPVCを得た。得られたPVCのBET比表面積
は3.7m 2 /gであった。また、スキン層の存在程度
を示すESCA分析値は、0.80であった。なお、B
ET比表面積、及び、ESCA分析の測定は下記方法に
より実施した。
【0072】[CPVCの調製]内容積300リットル
のグラスライニング製耐圧反応槽に脱イオン水150k
gと上記で得たPVC40kgを入れ、攪拌してPVC
を水中に分散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、
ゲージ圧が−78.4kPaになるまで減圧した。窒素
ガスで圧戻し(ゲージ圧が0になるまで戻すこと)を行
い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸素を除去し
た。この間、加熱したオイルをジャケットに通して反応
器内を加温した。反応槽内の温度が90℃に達したと
き、塩素ガスを供給し始め、110℃定温で反応を進行
させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素含有率を
計算し、塩素含有率63重量%の時点で濃度100pp
mの過酸化水素水を0.5kg/hrで連続添加しなが
ら反応を継続した。塩素含有率が66.5重量%に達し
た時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了し
た。反応中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に
対し4ppmであった。更に、反応槽内に窒素ガスを吹
き込んで未反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄
し脱水、乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたC
PVCの塩素含有率は66.5重量%、空隙率は34.
6容量%、比表面積値は6.4m2 /g、0.001〜
0.1μm の範囲の空隙容積(以下、空隙容積という)
は7.8容積% であった。
のグラスライニング製耐圧反応槽に脱イオン水150k
gと上記で得たPVC40kgを入れ、攪拌してPVC
を水中に分散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、
ゲージ圧が−78.4kPaになるまで減圧した。窒素
ガスで圧戻し(ゲージ圧が0になるまで戻すこと)を行
い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸素を除去し
た。この間、加熱したオイルをジャケットに通して反応
器内を加温した。反応槽内の温度が90℃に達したと
き、塩素ガスを供給し始め、110℃定温で反応を進行
させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素含有率を
計算し、塩素含有率63重量%の時点で濃度100pp
mの過酸化水素水を0.5kg/hrで連続添加しなが
ら反応を継続した。塩素含有率が66.5重量%に達し
た時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了し
た。反応中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に
対し4ppmであった。更に、反応槽内に窒素ガスを吹
き込んで未反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で洗浄
し脱水、乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られたC
PVCの塩素含有率は66.5重量%、空隙率は34.
6容量%、比表面積値は6.4m2 /g、0.001〜
0.1μm の範囲の空隙容積(以下、空隙容積という)
は7.8容積% であった。
【0073】(実施例2 )PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。 [CPVCの調製]内容積300リットルのグラスライ
ニング製反応槽に脱イオン水150kgと上記で得たP
VC40kgを入れ、攪拌してPVCを水中に分散さ
せ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が−7
8.4kPaになるまで減圧した。窒素ガスで圧戻しを
行い、槽内を窒素ガスで置換した。この間、加熱したオ
イルをジャケットに通して反応器内を加温した。反応槽
内の温度が70℃に達したとき、塩素ガスを供給し始
め、水銀ランプにより槽内を紫外線で照射しながら反応
を進行させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素含
有率を計算し、塩素含有率が66.5重量%に達した時
点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。
更に、反応槽内に窒素ガスを吹き込んで未反応塩素を除
去し、得られた樹脂を水で洗浄し脱水、乾燥して粉末状
のCPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は6
6.5重量%、空隙率は35.2容量%、比表面積値は
6.6m2 /g、空隙容積は8.1容積%であった。
同様に実施した。 [CPVCの調製]内容積300リットルのグラスライ
ニング製反応槽に脱イオン水150kgと上記で得たP
VC40kgを入れ、攪拌してPVCを水中に分散さ
せ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が−7
8.4kPaになるまで減圧した。窒素ガスで圧戻しを
行い、槽内を窒素ガスで置換した。この間、加熱したオ
イルをジャケットに通して反応器内を加温した。反応槽
内の温度が70℃に達したとき、塩素ガスを供給し始
め、水銀ランプにより槽内を紫外線で照射しながら反応
を進行させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素含
有率を計算し、塩素含有率が66.5重量%に達した時
点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了した。
更に、反応槽内に窒素ガスを吹き込んで未反応塩素を除
去し、得られた樹脂を水で洗浄し脱水、乾燥して粉末状
のCPVCを得た。得られたCPVCの塩素含有率は6
6.5重量%、空隙率は35.2容量%、比表面積値は
6.6m2 /g、空隙容積は8.1容積%であった。
【0074】(実施例3)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。 [CPVCの調製]内容積300リットルのグラスライ
ニング製耐圧反応槽に脱イオン水150kgと上記で得
たPVC40kgを入れ、攪拌してPVCを水中に分散
させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が−
78.4kPaになるまで減圧した。窒素ガスで圧戻し
を行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸素を除
去した。この間、加熱したオイルをジャケットに通して
反応器内を加温した。反応槽内の温度が85℃に達した
とき、塩素ガスを供給し始め、90℃定温で反応を進行
させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素含有率を
計算し、塩素含有率62重量%の時点で濃度100pp
mの過酸化水素水を0.5kg/hrで連続添加しなが
ら反応を継続した。塩素含有率が66.5重量%に達し
た時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了し
た。反応中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に
対し8ppmであった。得られたCPVCの空隙率は3
5.0容量%、比表面積値は6.6m2 /g、空隙容積
は8.0容積%であった。
同様に実施した。 [CPVCの調製]内容積300リットルのグラスライ
ニング製耐圧反応槽に脱イオン水150kgと上記で得
たPVC40kgを入れ、攪拌してPVCを水中に分散
させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が−
78.4kPaになるまで減圧した。窒素ガスで圧戻し
を行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸素を除
去した。この間、加熱したオイルをジャケットに通して
反応器内を加温した。反応槽内の温度が85℃に達した
とき、塩素ガスを供給し始め、90℃定温で反応を進行
させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素含有率を
計算し、塩素含有率62重量%の時点で濃度100pp
mの過酸化水素水を0.5kg/hrで連続添加しなが
ら反応を継続した。塩素含有率が66.5重量%に達し
た時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了し
た。反応中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に
対し8ppmであった。得られたCPVCの空隙率は3
5.0容量%、比表面積値は6.6m2 /g、空隙容積
は8.0容積%であった。
【0075】(実施例4)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、反応温度を130
℃にしたこと、及び、過酸化水素を添加しなかったこと
以外は実施例1と同様に実施した。更に、反応槽内に窒
素ガスを吹き込んで未反応塩素を除去し、得られた樹脂
を水で洗浄し脱水、乾燥して粉末状のCPVCを得た。
得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%、空隙
率は33.9容量%、比表面積値は6.1m2 /g、空
隙容積は7.6容積%であった。
同様に実施した。CPVCの調製は、反応温度を130
℃にしたこと、及び、過酸化水素を添加しなかったこと
以外は実施例1と同様に実施した。更に、反応槽内に窒
素ガスを吹き込んで未反応塩素を除去し、得られた樹脂
を水で洗浄し脱水、乾燥して粉末状のCPVCを得た。
得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量%、空隙
率は33.9容量%、比表面積値は6.1m2 /g、空
隙容積は7.6容積%であった。
【0076】(実施例5)PVCの調製は、部分ケン化
ポリ酢酸ビニルを550ppmにした以外は実施例1と
同様に行った。CPVCの調製は、実施例1と同様に実
施した。得られたCPVCの空隙率は33.8容量%、
比表面積値は5.2m2 /g、空隙容積は6.3容積%
であった。
ポリ酢酸ビニルを550ppmにした以外は実施例1と
同様に行った。CPVCの調製は、実施例1と同様に実
施した。得られたCPVCの空隙率は33.8容量%、
比表面積値は5.2m2 /g、空隙容積は6.3容積%
であった。
【0077】(実施例6)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、CPVCの塩素含
有率を64.0重量%としたこと、及び、過酸化水素を
添加しなかったこと以外は実施例1と同様に実施した。
得られたCPVCの空隙率は34.1容量%、比表面積
値は6.3m2 /g、空隙容積は7.6容積%であっ
た。
同様に実施した。CPVCの調製は、CPVCの塩素含
有率を64.0重量%としたこと、及び、過酸化水素を
添加しなかったこと以外は実施例1と同様に実施した。
得られたCPVCの空隙率は34.1容量%、比表面積
値は6.3m2 /g、空隙容積は7.6容積%であっ
た。
【0078】(実施例7)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、CPVCの塩素含
有率を70.0重量%としたこと以外は実施例1と同様
に実施した。添加した過酸化水素の量は仕込み樹脂量に
対して10ppmであった。得られたCPVCの空隙率
は35.3容量%、比表面積値は6.7m2 /g、空隙
容積は8.1容積%であった。
同様に実施した。CPVCの調製は、CPVCの塩素含
有率を70.0重量%としたこと以外は実施例1と同様
に実施した。添加した過酸化水素の量は仕込み樹脂量に
対して10ppmであった。得られたCPVCの空隙率
は35.3容量%、比表面積値は6.7m2 /g、空隙
容積は8.1容積%であった。
【0079】(比較例1) [PVCの調製]内容積100リットルの重合器(耐圧
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(平均ケン化
度72モル% 及び重合度750)1300ppmを懸濁
分散剤として添加後、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート550ppmを投入した。次いで、重合器内を4
5mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kg
を仕込み撹拌を開始した。重合器を57℃に昇温して重
合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。重合
転化率が90%になった時点で反応を終了し、重合器内
の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系
外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。得られたP
VCのBET比表面積は0.7m2 /gであった。ま
た、スキン層の存在程度を示すESCA分析値は、0.
20であった。なお、BET比表面積、及び、ESCA
分析の測定は下記方法により実施した。
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(平均ケン化
度72モル% 及び重合度750)1300ppmを懸濁
分散剤として添加後、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート550ppmを投入した。次いで、重合器内を4
5mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kg
を仕込み撹拌を開始した。重合器を57℃に昇温して重
合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。重合
転化率が90%になった時点で反応を終了し、重合器内
の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系
外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。得られたP
VCのBET比表面積は0.7m2 /gであった。ま
た、スキン層の存在程度を示すESCA分析値は、0.
20であった。なお、BET比表面積、及び、ESCA
分析の測定は下記方法により実施した。
【0080】CPVCの調製は、実施例1と同様に実施
した。得られたCPVCの空隙率は27.3容量%、比
表面積値は1.8m2 /g、空隙容積は1.1容積%で
あった。
した。得られたCPVCの空隙率は27.3容量%、比
表面積値は1.8m2 /g、空隙容積は1.1容積%で
あった。
【0081】(比較例2)PVCの調製は、比較例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、実施例2と同様に
実施した。得られたCPVCの空隙率は27.9容量
%、比表面積値は2.0m2 /g、空隙容積は1.4容
積%であった。
同様に実施した。CPVCの調製は、実施例2と同様に
実施した。得られたCPVCの空隙率は27.9容量
%、比表面積値は2.0m2 /g、空隙容積は1.4容
積%であった。
【0082】(比較例3)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、反応温度を140
℃にしたこと、及び、過酸化水素を添加しなかったこと
以外は実施例1と同様に実施した。得られたCPVCの
空隙率は28.8容量%、比表面積値は1.9m2 /
g、空隙容積は1.3容積%であった。
同様に実施した。CPVCの調製は、反応温度を140
℃にしたこと、及び、過酸化水素を添加しなかったこと
以外は実施例1と同様に実施した。得られたCPVCの
空隙率は28.8容量%、比表面積値は1.9m2 /
g、空隙容積は1.3容積%であった。
【0083】(比較例4)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、CPVCの塩素含
有率を73.0重量%としたこと以外は実施例1と同様
に実施した。添加した過酸化水素の量は仕込み樹脂量に
対して40ppmであった。得られたCPVCの空隙率
は36.8容量%、比表面積値は10.0m2 /g、空
隙容積)は12.1容積%であった。
同様に実施した。CPVCの調製は、CPVCの塩素含
有率を73.0重量%としたこと以外は実施例1と同様
に実施した。添加した過酸化水素の量は仕込み樹脂量に
対して40ppmであった。得られたCPVCの空隙率
は36.8容量%、比表面積値は10.0m2 /g、空
隙容積)は12.1容積%であった。
【0084】上記実施例1〜7、及び比較例1〜4で得
られたCPVCについて性能評価を行い、その結果を表
1に示した。
られたCPVCについて性能評価を行い、その結果を表
1に示した。
【0085】
【表1】
【0086】(実施例8)PVCの調製、CPVCの調
製ともに実施例1と同様に実施した。得られたCPVC
をテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶液
を調整した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.13であった。
製ともに実施例1と同様に実施した。得られたCPVC
をテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶液
を調整した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.13であった。
【0087】(実施例9)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、実施例2と同様に
実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに溶
解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液の、
波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定温度
23℃で測定したところ、0.70であった。
同様に実施した。CPVCの調製は、実施例2と同様に
実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに溶
解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液の、
波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定温度
23℃で測定したところ、0.70であった。
【0088】(実施例10)PVCの調製は、実施例1
と同様に実施した。CPVCの調製は、実施例3と同様
に実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.12であった。
と同様に実施した。CPVCの調製は、実施例3と同様
に実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.12であった。
【0089】(実施例11)PVCの調製は、実施例1
と同様に実施した。CPVCの調製は、実施例4と同様
に実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.32であった。
と同様に実施した。CPVCの調製は、実施例4と同様
に実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.32であった。
【0090】(実施例12)PVCの調製、CPVCの
調製ともに実施例5と同様に実施した。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶
液を調整した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.14であった。
調製ともに実施例5と同様に実施した。得られたCPV
Cをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶
液を調整した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.14であった。
【0091】(実施例13)PVCの調製は、実施例1
と同様に実施した。CPVCの調製は、実施例6と同様
に実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.10であった。
と同様に実施した。CPVCの調製は、実施例6と同様
に実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.10であった。
【0092】(実施例14)PVCの調製は、実施例1
と同様に実施した。CPVCの調製は、実施例7と同様
に実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.29であった。
と同様に実施した。CPVCの調製は、実施例7と同様
に実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.29であった。
【0093】(比較例5)PVCの調製、CPVCの調
製ともに比較例1と同様に実施した。得られたCPVC
をテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶液
を調整した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.27であった。
製ともに比較例1と同様に実施した。得られたCPVC
をテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/kgの溶液
を調整した。この溶液の、波長235nmでの吸光度
を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したところ、
0.27であった。
【0094】(比較例6)PVCの調製は、比較例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、比較例2と同様に
実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに溶
解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液の、
波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定温度
23℃で測定したところ、0.85であった。
同様に実施した。CPVCの調製は、比較例2と同様に
実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに溶
解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液の、
波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定温度
23℃で測定したところ、0.85であった。
【0095】(比較例7)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。 [CPVCの調製]内容積300リットルのグラスライ
ニング製耐圧反応槽に脱イオン水150kgと上記で得
たPVC40kgを入れ、攪拌してPVCを水中に分散
させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が−
78.4kPaになるまで減圧した。窒素ガスで圧戻し
を行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸素を除
去した。この間、加熱したオイルをジャケットに通して
反応器内を加温した。反応槽内の温度が60℃に達した
とき、塩素ガスを供給し始め、65℃定温で反応を進行
させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素含有率を
計算し、塩素含有率63重量% の時点で濃度500pp
mの過酸化水素水を0.5kg/hrで連続添加しなが
ら反応を継続した。塩素含有率が66.5重量% に達し
た時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了し
た。反応中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に
対し500ppmであった。更に、反応槽内に窒素ガス
を吹き込んで未反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で
洗浄し脱水、乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られ
たCPVCの塩素含有率は66.5重量% であった。得
られたCPVCをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1
g/kgの溶液を調整した。この溶液の、波長235n
mでの吸光度を、セル長1cm、測定温度23℃で測定
したところ、1.32であった。また、このCPVCの
空隙率は35.9容量% 、比表面積値は6.9m2 /
g、空隙容積は8.3容積% であった。
同様に実施した。 [CPVCの調製]内容積300リットルのグラスライ
ニング製耐圧反応槽に脱イオン水150kgと上記で得
たPVC40kgを入れ、攪拌してPVCを水中に分散
させ、真空ポンプにて内部空気を吸引し、ゲージ圧が−
78.4kPaになるまで減圧した。窒素ガスで圧戻し
を行い、再び真空ポンプで吸引して反応槽内の酸素を除
去した。この間、加熱したオイルをジャケットに通して
反応器内を加温した。反応槽内の温度が60℃に達した
とき、塩素ガスを供給し始め、65℃定温で反応を進行
させた。反応槽内の発生塩化水素濃度から塩素含有率を
計算し、塩素含有率63重量% の時点で濃度500pp
mの過酸化水素水を0.5kg/hrで連続添加しなが
ら反応を継続した。塩素含有率が66.5重量% に達し
た時点で塩素ガスの供給を停止し、塩素化反応を終了し
た。反応中添加した過酸化水素の量は、仕込み樹脂量に
対し500ppmであった。更に、反応槽内に窒素ガス
を吹き込んで未反応塩素を除去し、得られた樹脂を水で
洗浄し脱水、乾燥して粉末状のCPVCを得た。得られ
たCPVCの塩素含有率は66.5重量% であった。得
られたCPVCをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1
g/kgの溶液を調整した。この溶液の、波長235n
mでの吸光度を、セル長1cm、測定温度23℃で測定
したところ、1.32であった。また、このCPVCの
空隙率は35.9容量% 、比表面積値は6.9m2 /
g、空隙容積は8.3容積% であった。
【0096】(比較例8)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、反応温度を60℃
にしたこと以外は実施例2と同様に実施した。得られた
CPVCをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/k
gの溶液を調整した。この溶液の、波長235nmでの
吸光度を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したと
ころ、0.92であった。また、このCPVCの空隙率
は36.0容量% 、比表面積値は7.0m2 /g、空隙
容積は8.5容積% であった。
同様に実施した。CPVCの調製は、反応温度を60℃
にしたこと以外は実施例2と同様に実施した。得られた
CPVCをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/k
gの溶液を調整した。この溶液の、波長235nmでの
吸光度を、セル長1cm、測定温度23℃で測定したと
ころ、0.92であった。また、このCPVCの空隙率
は36.0容量% 、比表面積値は7.0m2 /g、空隙
容積は8.5容積% であった。
【0097】(比較例9)PVCの調製は、実施例1と
同様に実施した。CPVCの調製は、比較例3と同様に
実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに溶
解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液の、
波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定温度
23℃で測定したところ、0.41であった。
同様に実施した。CPVCの調製は、比較例3と同様に
実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに溶
解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液の、
波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定温度
23℃で測定したところ、0.41であった。
【0098】(比較例10)PVCの調製は、実施例1
と同様に実施した。CPVCの調製は、比較例4と同様
に実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.52であった。
と同様に実施した。CPVCの調製は、比較例4と同様
に実施した。得られたCPVCをテトラヒドロフランに
溶解し、濃度1g/kgの溶液を調整した。この溶液
の、波長235nmでの吸光度を、セル長1cm、測定
温度23℃で測定したところ、0.52であった。
【0099】上記実施例8〜14、及び比較例5〜10
で得られたCPVCについて性能評価を行い、その結果
を表2に示した。
で得られたCPVCについて性能評価を行い、その結果
を表2に示した。
【0100】
【表2】
【0101】(実施例15)PVCの調製は、実施例1
と同様に実施した。CPVCの調製は、実施例1で最終
塩素含有率を70.5重量% としたこと以外は同様に実
施した。
と同様に実施した。CPVCの調製は、実施例1で最終
塩素含有率を70.5重量% としたこと以外は同様に実
施した。
【0102】[配合]上記で得られたCPVC100重
量部(phr)に対して、表3の配合1に示す各種添加
剤を添加し、ヘンシェルミキサーにて加熱混合した。
量部(phr)に対して、表3の配合1に示す各種添加
剤を添加し、ヘンシェルミキサーにて加熱混合した。
【0103】
【表3】
【0104】[成形]上記配合粉を用い、下記の押出条
件で成形を行い、口径20mmの管状成形体を得た。 ・押出機:SLM50(2軸異方向コニカル押出機、長
田製作所社製) ・金型:パイプ用金型(出口部外半径;11.66m
m、出口部内半径;9.4mm、樹脂流動面クロムメッ
キ、Rmax=5μm 、Ra=0.1μm (出口部周方
向4箇所平均)、3本ブリッジ) ・押出量:25〜30kg/hr ・樹脂温度:215〜217℃ ・回転数:20〜30rpm ・バレル温度:185〜210℃ ・金型温度:200〜215℃
件で成形を行い、口径20mmの管状成形体を得た。 ・押出機:SLM50(2軸異方向コニカル押出機、長
田製作所社製) ・金型:パイプ用金型(出口部外半径;11.66m
m、出口部内半径;9.4mm、樹脂流動面クロムメッ
キ、Rmax=5μm 、Ra=0.1μm (出口部周方
向4箇所平均)、3本ブリッジ) ・押出量:25〜30kg/hr ・樹脂温度:215〜217℃ ・回転数:20〜30rpm ・バレル温度:185〜210℃ ・金型温度:200〜215℃
【0105】(実施例16)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
5で反応温度を120℃で、過酸化水素添加を塩素含有
率が65重量% の時点で行うこと以外は実施例5と同様
にして実施した。配合・成形は、実施例15と同様にし
て実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
5で反応温度を120℃で、過酸化水素添加を塩素含有
率が65重量% の時点で行うこと以外は実施例5と同様
にして実施した。配合・成形は、実施例15と同様にし
て実施した。
【0106】(実施例17)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
で最終塩素含有率を71.5重量% としたこと以外は同
様にして実施した。配合・成形は、実施例15と同様に
して実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
で最終塩素含有率を71.5重量% としたこと以外は同
様にして実施した。配合・成形は、実施例15と同様に
して実施した。
【0107】(比較例11)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
で反応温度を140℃で、最終塩素含有率を69.0重
量% としたこと以外は同様にして実施した。配合・成形
は、実施例15と同様にして実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
で反応温度を140℃で、最終塩素含有率を69.0重
量% としたこと以外は同様にして実施した。配合・成形
は、実施例15と同様にして実施した。
【0108】上記実施例15〜17、及び比較例11で
得られたCPVCについて、下記の測定方法により、塩
素含有率、空隙率、空隙容積、BET比表面積、ESC
A分析値の測定を行った。また、管状成形体について下
記の測定方法により、ビカット軟化点を測定した結果を
表4 に示す。
得られたCPVCについて、下記の測定方法により、塩
素含有率、空隙率、空隙容積、BET比表面積、ESC
A分析値の測定を行った。また、管状成形体について下
記の測定方法により、ビカット軟化点を測定した結果を
表4 に示す。
【0109】
【表4】
【0110】(実施例18)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。配合・成形は、実施例15と
同様にして実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。配合・成形は、実施例15と
同様にして実施した。
【0111】(実施例19)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
6と同様にして実施した。配合・成形は、実施例15と
同様にして実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
6と同様にして実施した。配合・成形は、実施例15と
同様にして実施した。
【0112】(実施例20)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
7と同様にして実施した。配合・成形は、実施例15と
同様にして実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
7と同様にして実施した。配合・成形は、実施例15と
同様にして実施した。
【0113】(比較例12)PVCの調製は、比較例1
と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例15
と同様にして実施した。配合・成形は実施例15と同様
にして実施した。
と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例15
と同様にして実施した。配合・成形は実施例15と同様
にして実施した。
【0114】(比較例13)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
で反応温度を140℃で、最終塩素含有率を70.5重
量% としたこと以外は同様にして実施した。配合・成形
は、実施例15と同様にして実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
で反応温度を140℃で、最終塩素含有率を70.5重
量% としたこと以外は同様にして実施した。配合・成形
は、実施例15と同様にして実施した。
【0115】(比較例14)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、比較例1
1と同様にして実施した。配合・成形は、実施例15と
同様にして実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、比較例1
1と同様にして実施した。配合・成形は、実施例15と
同様にして実施した。
【0116】上記実施例18〜20、及び比較例12〜
14で得られたCPVCについて、下記の測定方法によ
り、塩素含有率、空隙率、空隙容積、BET比表面積、
ESCA分析値の測定を行った。また、管状成形体につ
いて下記の測定方法により、ビカット軟化点、シャルピ
ー衝撃値を測定した結果を表5に示す。
14で得られたCPVCについて、下記の測定方法によ
り、塩素含有率、空隙率、空隙容積、BET比表面積、
ESCA分析値の測定を行った。また、管状成形体につ
いて下記の測定方法により、ビカット軟化点、シャルピ
ー衝撃値を測定した結果を表5に示す。
【0117】
【表5】
【0118】(実施例21)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
7と同様にして実施した。配合は、表3の配合2に示す
各種配合剤を添加して、ヘンシェルミキサーにて加熱混
合を行った。成形は、実施例15と同様にして実施し
た。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
7と同様にして実施した。配合は、表3の配合2に示す
各種配合剤を添加して、ヘンシェルミキサーにて加熱混
合を行った。成形は、実施例15と同様にして実施し
た。
【0119】(実施例22)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
6で最終塩素含有率を71.5重量% としたこと以外は
同様にして実施した。配合・成形は、実施例21と同様
にして実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例1
6で最終塩素含有率を71.5重量% としたこと以外は
同様にして実施した。配合・成形は、実施例21と同様
にして実施した。
【0120】(比較例15)PVCの調製は、比較例1
と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例17
と同様にして実施した。配合・成形は実施例21と同様
にして実施した。
と同様にして実施した。CPVCの調製は、実施例17
と同様にして実施した。配合・成形は実施例21と同様
にして実施した。
【0121】(比較例16)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、比較例1
3で最終塩素含有率を71.5重量% としたこと以外は
同様にして実施した。配合・成形は、実施例21と同様
にして実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、比較例1
3で最終塩素含有率を71.5重量% としたこと以外は
同様にして実施した。配合・成形は、実施例21と同様
にして実施した。
【0122】(比較例17)PVCの調製は、実施例1
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、比較例1
1と同様にして実施した。配合・成形は、実施例21と
同様にして実施した。
5と同様にして実施した。CPVCの調製は、比較例1
1と同様にして実施した。配合・成形は、実施例21と
同様にして実施した。
【0123】上記実施例21、22、及び比較例15〜
17で得られたCPVCについて、下記の測定方法によ
り、塩素含有率、空隙率、空隙容積、BET比表面積、
ESCA分析値の測定を行った。また、管状成形体につ
いて下記の測定方法により、ビカット軟化点、シャルピ
ー衝撃値を測定した結果を表6に示す。
17で得られたCPVCについて、下記の測定方法によ
り、塩素含有率、空隙率、空隙容積、BET比表面積、
ESCA分析値の測定を行った。また、管状成形体につ
いて下記の測定方法により、ビカット軟化点、シャルピ
ー衝撃値を測定した結果を表6に示す。
【0124】
【表6】
【0125】(実施例23) [PVCの調製]内容積100リットルの重合器(耐圧
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(平均ケン化
度72モル% 及び重合度700)400ppm、ソルビ
タンモノラウレート(HLB8.6)1600ppm、
ラウリン酸1500ppm、ポリアクリルアミド(20
℃、101325MPaで0.1重量% 水溶液のブルッ
クフィールズ粘度が51mPa・s)100ppm並び
にt−ブチルパーオキシネオデカノエート500ppm
を投入した。次いで、重合器内を6kPaまで脱気した
後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み撹拌を開始し
た。重合器を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応
終了までこの温度を保った。重合転化率が90% になっ
た時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収
した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾
燥してPVCを得た。得られたPVCのBET比表面積
は3.7m2 /gであった。また、スキン層の存在程度
を示すESCA分析値は、0.80であった。なお、B
ET比表面積、及び、ESCA分析の測定は下記方法に
より実施した。
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(平均ケン化
度72モル% 及び重合度700)400ppm、ソルビ
タンモノラウレート(HLB8.6)1600ppm、
ラウリン酸1500ppm、ポリアクリルアミド(20
℃、101325MPaで0.1重量% 水溶液のブルッ
クフィールズ粘度が51mPa・s)100ppm並び
にt−ブチルパーオキシネオデカノエート500ppm
を投入した。次いで、重合器内を6kPaまで脱気した
後、塩化ビニル単量体33kgを仕込み撹拌を開始し
た。重合器を57℃に昇温して重合を開始し、重合反応
終了までこの温度を保った。重合転化率が90% になっ
た時点で反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収
した後、重合体をスラリー状で系外へ取り出し、脱水乾
燥してPVCを得た。得られたPVCのBET比表面積
は3.7m2 /gであった。また、スキン層の存在程度
を示すESCA分析値は、0.80であった。なお、B
ET比表面積、及び、ESCA分析の測定は下記方法に
より実施した。
【0126】[CPVCの調製]内容積300リットル
のグラスライニング製耐圧反応槽に脱イオン水150k
gと、上記で得たPVC40kgを入れ、攪拌してPV
Cを水中に分散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引
し、ゲージ圧が−78.4kPaになるまで減圧した。
窒素ガスで圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反
応槽内の酸素を除去した。この間、加熱したオイルをジ
ャケットに通して反応器内を加温した。反応槽内の温度
が90℃に達したとき、塩素ガスを供給し始め、110
℃定温で反応を進行させた。反応槽内の発生塩化水素濃
度から塩素含有率を計算し、塩素含有率63重量% の時
点で濃度100ppmの過酸化水素水を0.5kg/h
rで連続添加しながら反応を継続した。塩素含有率が6
6.5重量% に達した時点で塩素ガスの供給を停止し、
塩素化反応を終了した。反応中添加した過酸化水素の量
は、仕込み樹脂量に対し4ppmであった。更に、反応
槽内に窒素ガスを吹き込んで未反応塩素を除去し、得ら
れた樹脂を水で洗浄し脱水、乾燥して粉末状のCPVC
を得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量
% 、空隙率は34.6容量% 、比表面積値は6.4m2
/g、空隙容積は7.8容積% 、及びESCA分析値は
0.71であった。
のグラスライニング製耐圧反応槽に脱イオン水150k
gと、上記で得たPVC40kgを入れ、攪拌してPV
Cを水中に分散させ、真空ポンプにて内部空気を吸引
し、ゲージ圧が−78.4kPaになるまで減圧した。
窒素ガスで圧戻しを行い、再び真空ポンプで吸引して反
応槽内の酸素を除去した。この間、加熱したオイルをジ
ャケットに通して反応器内を加温した。反応槽内の温度
が90℃に達したとき、塩素ガスを供給し始め、110
℃定温で反応を進行させた。反応槽内の発生塩化水素濃
度から塩素含有率を計算し、塩素含有率63重量% の時
点で濃度100ppmの過酸化水素水を0.5kg/h
rで連続添加しながら反応を継続した。塩素含有率が6
6.5重量% に達した時点で塩素ガスの供給を停止し、
塩素化反応を終了した。反応中添加した過酸化水素の量
は、仕込み樹脂量に対し4ppmであった。更に、反応
槽内に窒素ガスを吹き込んで未反応塩素を除去し、得ら
れた樹脂を水で洗浄し脱水、乾燥して粉末状のCPVC
を得た。得られたCPVCの塩素含有率は66.5重量
% 、空隙率は34.6容量% 、比表面積値は6.4m2
/g、空隙容積は7.8容積% 、及びESCA分析値は
0.71であった。
【0127】[配合]上記CPVC100重量部(ph
r)に対して、表7に示す各種配合剤を添加し、ヘンシ
ェルミキサーにて加熱混合した。
r)に対して、表7に示す各種配合剤を添加し、ヘンシ
ェルミキサーにて加熱混合した。
【0128】
【表7】
【0129】[成形]上記配合粉を用い、下記の押出条
件で成形を行い、口径20mmの管を得た。 ・押出機:SLM50(2軸異方向コニカル押出機、長
田製作所社製) ・金型:パイプ用金型(出口部外半径;11.66m
m、出口部内半径;9.4mm、樹脂流動面クロムメッ
キ、Rmax=5μm 、Ra=0.1μm (出口部周方
向4 箇所平均)、3本ブリッジ) ・押出量:25〜30kg/hr ・樹脂温度:205〜207℃ ・回転数:20〜30rpm ・バレル温度:185〜210℃ ・金型温度:200〜215℃
件で成形を行い、口径20mmの管を得た。 ・押出機:SLM50(2軸異方向コニカル押出機、長
田製作所社製) ・金型:パイプ用金型(出口部外半径;11.66m
m、出口部内半径;9.4mm、樹脂流動面クロムメッ
キ、Rmax=5μm 、Ra=0.1μm (出口部周方
向4 箇所平均)、3本ブリッジ) ・押出量:25〜30kg/hr ・樹脂温度:205〜207℃ ・回転数:20〜30rpm ・バレル温度:185〜210℃ ・金型温度:200〜215℃
【0130】(実施例24)PVCの調製は、部分ケン
化ポリ酢酸ビニルを550ppmにしたこと以外は、実
施例23と同様にして実施した。得られたPVCのBE
T比表面積は2.5m2 /gであった。また、スキン層
の存在程度を示すESCA分析値は、0.63であっ
た。なお、BET比表面積、及び、ESCA分析の測定
は下記方法により実施した。CPVCの調製は、実施例
23と同様にして実施した。得られたCPVCの空隙率
は33.8容量% 、比表面積値は5.2m2 /g、空隙
容積は6.3容積%、及びESCA分析値は0.60で
あった。配合・成形は、実施例23と同様にして実施し
た。
化ポリ酢酸ビニルを550ppmにしたこと以外は、実
施例23と同様にして実施した。得られたPVCのBE
T比表面積は2.5m2 /gであった。また、スキン層
の存在程度を示すESCA分析値は、0.63であっ
た。なお、BET比表面積、及び、ESCA分析の測定
は下記方法により実施した。CPVCの調製は、実施例
23と同様にして実施した。得られたCPVCの空隙率
は33.8容量% 、比表面積値は5.2m2 /g、空隙
容積は6.3容積%、及びESCA分析値は0.60で
あった。配合・成形は、実施例23と同様にして実施し
た。
【0131】(比較例18) [PVCの調製]内容積100リットルの重合器(耐圧
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(平均ケン化
度72モル% 及び重合度750)1300ppmを懸濁
分散剤として添加後、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート550ppmを投入した。次いで、重合器内を4
5mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kg
を仕込み撹拌を開始した。重合器を57℃に昇温して重
合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。重合
転化率が90% になった時点で反応を終了し、重合器内
の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系
外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。得られたP
VCのBET比表面積は0.7m2 /gであった。ま
た、スキン層の存在程度を示すESCA分析値は、0.
20であった。なお、BET比表面積、及び、ESCA
分析の測定は下記方法により実施した。
オートクレーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単
量体に対して、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(平均ケン化
度72モル% 及び重合度750)1300ppmを懸濁
分散剤として添加後、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート550ppmを投入した。次いで、重合器内を4
5mmHgまで脱気した後、塩化ビニル単量体33kg
を仕込み撹拌を開始した。重合器を57℃に昇温して重
合を開始し、重合反応終了までこの温度を保った。重合
転化率が90% になった時点で反応を終了し、重合器内
の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状で系
外へ取り出し、脱水乾燥してPVCを得た。得られたP
VCのBET比表面積は0.7m2 /gであった。ま
た、スキン層の存在程度を示すESCA分析値は、0.
20であった。なお、BET比表面積、及び、ESCA
分析の測定は下記方法により実施した。
【0132】CPVCの調製は、実施例23と同様に実
施した。得られたCPVCの空隙率は27.3容量% 、
比表面積値は1.8m2 /g、空隙容積は1.1容積%
、及びESCA分析値は0.21であった。配合・成
形は、実施例23と同様にして実施した。
施した。得られたCPVCの空隙率は27.3容量% 、
比表面積値は1.8m2 /g、空隙容積は1.1容積%
、及びESCA分析値は0.21であった。配合・成
形は、実施例23と同様にして実施した。
【0133】(比較例19)PVCの調製は、実施例2
3と同様に実施した。CPVCの調製は、最終塩素含有
率を64.0重量% とした以外は実施例23と同様にし
て実施した。得られたCPVCの空隙率は34.2容量
% 、比表面積値は5.8m2 /g、空隙容積は7.5容
積% 、ESCA分析値は0.70であった。配合・成形
は、実施例23と同様にして実施した。
3と同様に実施した。CPVCの調製は、最終塩素含有
率を64.0重量% とした以外は実施例23と同様にし
て実施した。得られたCPVCの空隙率は34.2容量
% 、比表面積値は5.8m2 /g、空隙容積は7.5容
積% 、ESCA分析値は0.70であった。配合・成形
は、実施例23と同様にして実施した。
【0134】(比較例20)PVCの調製は、比較例1
8と同様にして実施した。CPVCの調製は、最終塩素
含有率を68.5重量% とした以外は実施例23と同様
にして実施した。得られたCPVCの空隙率は29.1
容量% 、比表面積値は4.8m2 /g、空隙容積は4.
3容積% 、ESCA分析値は0.20であった。配合・
成形は、実施例23と同様にして実施した。
8と同様にして実施した。CPVCの調製は、最終塩素
含有率を68.5重量% とした以外は実施例23と同様
にして実施した。得られたCPVCの空隙率は29.1
容量% 、比表面積値は4.8m2 /g、空隙容積は4.
3容積% 、ESCA分析値は0.20であった。配合・
成形は、実施例23と同様にして実施した。
【0135】上記実施例23、24、及び比較例18〜
20で得られたCPVCについて、下記の測定方法によ
り、塩素含有率、空隙率、空隙容積、BET比表面積、
ESCA分析値の測定を行った。また、管状成形体につ
いて下記の測定方法により、吸水率、ビカット軟化温
度、内圧クリープ試験(1000時間破壊応力)、表面
粗さRmaxを測定した結果を表8に示す。
20で得られたCPVCについて、下記の測定方法によ
り、塩素含有率、空隙率、空隙容積、BET比表面積、
ESCA分析値の測定を行った。また、管状成形体につ
いて下記の測定方法により、吸水率、ビカット軟化温
度、内圧クリープ試験(1000時間破壊応力)、表面
粗さRmaxを測定した結果を表8に示す。
【0136】
【表8】
【0137】[評価方法] (PVC評価)上記実施例1〜14、及び比較例1〜1
0で用いたPVCのBET比表面積値の測定及びESC
A分析の方法は以下の通りである。 (1)BET比表面積値の測定 試料管に測定サンプル約2gを投入し、前処理として7
0℃で3時間サンプルを真空脱気した後、サンプル重量
を正確に測定した。前処理の終了したサンプルを測定部
(40℃恒温槽)に取り付けて測定を開始した。測定終
了後、吸着等温線の吸着側のデータからBETプロット
を行い、比表面積を算出した。なお、測定装置として比
表面積測定装置「BELSORP28SA」(日本ベル
社製)を使用し、測定ガスとして窒素ガスを使用した。
0で用いたPVCのBET比表面積値の測定及びESC
A分析の方法は以下の通りである。 (1)BET比表面積値の測定 試料管に測定サンプル約2gを投入し、前処理として7
0℃で3時間サンプルを真空脱気した後、サンプル重量
を正確に測定した。前処理の終了したサンプルを測定部
(40℃恒温槽)に取り付けて測定を開始した。測定終
了後、吸着等温線の吸着側のデータからBETプロット
を行い、比表面積を算出した。なお、測定装置として比
表面積測定装置「BELSORP28SA」(日本ベル
社製)を使用し、測定ガスとして窒素ガスを使用した。
【0138】(2)ESCA分析 PVC粒子の表面をESCA(Electron Sp
ectroscopyfor Chemical An
alysis:電子分光化学分析)でスキャンし、C1S
(炭素)、Cl1S(塩素)、O1S(酸素)の各ピーク面
積より塩素量を基準に粒子表面の塩化ビニル樹脂成分を
定量分析した。 ・使用機器:日本電子社製「JPS−90FX」 ・使用条件:X 線源(M gKα線)、12kV−15m
A ・スキャン速度:200ms/0.1eV/scan ・パスエネルギー:30eV
ectroscopyfor Chemical An
alysis:電子分光化学分析)でスキャンし、C1S
(炭素)、Cl1S(塩素)、O1S(酸素)の各ピーク面
積より塩素量を基準に粒子表面の塩化ビニル樹脂成分を
定量分析した。 ・使用機器:日本電子社製「JPS−90FX」 ・使用条件:X 線源(M gKα線)、12kV−15m
A ・スキャン速度:200ms/0.1eV/scan ・パスエネルギー:30eV
【0139】(CPVC評価) (1)塩素含有率測定 JIS K 7229に準拠して行った。 (2)空隙率、細孔分布測定 水銀圧入ポロシメーターを用いて、196MPaで塩素
化塩化ビニル系樹脂100gに圧入される水銀の容量を
測定して空隙率を求めた。空隙率とは樹脂粒子体積に占
める空隙の割合である。細孔分布は、空隙率を測定する
ために0〜196MPaまで圧力を上げるが、その際に
水銀圧入量を連続的に測定し、細孔径の分布を測定し
た。 (3)BET比表面積の測定 上記PVCのBET比表面積の測定方法と同様に行っ
た。
化塩化ビニル系樹脂100gに圧入される水銀の容量を
測定して空隙率を求めた。空隙率とは樹脂粒子体積に占
める空隙の割合である。細孔分布は、空隙率を測定する
ために0〜196MPaまで圧力を上げるが、その際に
水銀圧入量を連続的に測定し、細孔径の分布を測定し
た。 (3)BET比表面積の測定 上記PVCのBET比表面積の測定方法と同様に行っ
た。
【0140】(4)吸光度測定 CPVCをテトラヒドロフランに溶解し、濃度1g/k
gの溶液を調製し、分光光度計(日立製作所製「U−3
300」)により、セル長1cm、測定温度23℃、波
長235nmでの吸光度を測定した。
gの溶液を調製し、分光光度計(日立製作所製「U−3
300」)により、セル長1cm、測定温度23℃、波
長235nmでの吸光度を測定した。
【0141】(5)加工性(ゲル化温度の測定) Haake社製プラストミル「レオコード90」を使用
して、下記樹脂組成物55gを、回転数40rpmで、
温度を150℃から毎分5℃の昇温速度で上昇させなが
ら混練し、混練トルクが最大になる時の温度を測定し
た。なお、樹脂組成物としては、CPVC100重量部
に対して、三塩基性硫酸鉛3重量部、二塩基性ステアリ
ン酸鉛1重量部及びMBS樹脂10重量部からなるもの
を使用した。
して、下記樹脂組成物55gを、回転数40rpmで、
温度を150℃から毎分5℃の昇温速度で上昇させなが
ら混練し、混練トルクが最大になる時の温度を測定し
た。なお、樹脂組成物としては、CPVC100重量部
に対して、三塩基性硫酸鉛3重量部、二塩基性ステアリ
ン酸鉛1重量部及びMBS樹脂10重量部からなるもの
を使用した。
【0142】(6)熱安定性試験 上記樹脂組成物を、8インチロール2本からなる混練機
に供給してロール表面温度205℃で混練し、混練物を
ロールに巻き付けてから、30秒毎に巻き付いたCPV
Cシートを切り返しながら、3分毎に少量のシートを切
り出して、シートの着色度を比較し、黒褐色に変わる時
間で熱安定性を判定した。
に供給してロール表面温度205℃で混練し、混練物を
ロールに巻き付けてから、30秒毎に巻き付いたCPV
Cシートを切り返しながら、3分毎に少量のシートを切
り出して、シートの着色度を比較し、黒褐色に変わる時
間で熱安定性を判定した。
【0143】(7)空隙容積 上記CPVCの細孔分布より、空隙容積中の0.001
〜0.1μm の範囲の空隙容積の割合を算出した。 (8)ESCA分析 測定サンプルをCPVCとする以外は、上記PVC粒子
表面のESCA分析の方法と同様にした。
〜0.1μm の範囲の空隙容積の割合を算出した。 (8)ESCA分析 測定サンプルをCPVCとする以外は、上記PVC粒子
表面のESCA分析の方法と同様にした。
【0144】(性能評価) (1)ビカット軟化温度 JIS K 7206(荷重9.8N)に準拠して測定
した。 (2)シャルピー衝撃値 JIS K 7111に準拠して測定した。 (3)吸水率 口径20mm管を押出方向に幅20mmで切り取り、9
0℃の熱水に60日間浸漬して、重量の変化を測定し、
重量の変化率を吸水率(%)とした。 (4)長期内圧クリープ試験 ASTM D 2837に準拠して、90℃の熱水で測
定した。
した。 (2)シャルピー衝撃値 JIS K 7111に準拠して測定した。 (3)吸水率 口径20mm管を押出方向に幅20mmで切り取り、9
0℃の熱水に60日間浸漬して、重量の変化を測定し、
重量の変化率を吸水率(%)とした。 (4)長期内圧クリープ試験 ASTM D 2837に準拠して、90℃の熱水で測
定した。
【0145】(5)表面粗さ(Rmax) 成形品の内面周方向8箇所(45°間隔)の各部で下記
の方法により表面粗さを測定し、その平均値を計算し
て、Rmaxを求めた。即ち、軸方向に8回測定を繰り
返し(リターンせず)、最大値と最小値を除いた6点の
平均値をもって、その箇所の平均粗さとし、8箇所の表
面粗さの平均値を、そのサンプルのRmaxとした。 ・測定機器:東洋精機社製、SURFCOM1.63 ・測定速度:0.3mm/s ・評価長さ:0.25mm ・カットオフ値:0.08mm ・傾斜補正:R 面 ・フィルタ種別:ガウシアン ・λsフィルタ:なし ・予備駆動長さ:カットオフ比/3 ・算出規格:JIS−’94
の方法により表面粗さを測定し、その平均値を計算し
て、Rmaxを求めた。即ち、軸方向に8回測定を繰り
返し(リターンせず)、最大値と最小値を除いた6点の
平均値をもって、その箇所の平均粗さとし、8箇所の表
面粗さの平均値を、そのサンプルのRmaxとした。 ・測定機器:東洋精機社製、SURFCOM1.63 ・測定速度:0.3mm/s ・評価長さ:0.25mm ・カットオフ値:0.08mm ・傾斜補正:R 面 ・フィルタ種別:ガウシアン ・λsフィルタ:なし ・予備駆動長さ:カットオフ比/3 ・算出規格:JIS−’94
【0146】
【発明の効果】本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂及びそ
の製造方法は、上述の構成よりなるので、熱安定性とゲ
ル化発現性に優れた塩素化塩化ビニル系樹脂が提供され
る。本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂成形体は、上述の
構成よりなるので、耐熱性と衝撃強度に優れ、また、本
発明の塩素化塩化ビニル系樹脂管は、上述の構成よりな
るので、耐熱温度が高く、低吸水性であるため、熱水に
よる破壊の無い管として、例えば、給湯管、ライニング
管等の内張り、耐薬品管等に好適に使用できる。更に、
本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂管は、優れた平滑性も
併せ持っており、管内の細菌の繁殖やゴムの蓄積を防止
することができるので、プラント用純水配管等にも好適
に使用できる。
の製造方法は、上述の構成よりなるので、熱安定性とゲ
ル化発現性に優れた塩素化塩化ビニル系樹脂が提供され
る。本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂成形体は、上述の
構成よりなるので、耐熱性と衝撃強度に優れ、また、本
発明の塩素化塩化ビニル系樹脂管は、上述の構成よりな
るので、耐熱温度が高く、低吸水性であるため、熱水に
よる破壊の無い管として、例えば、給湯管、ライニング
管等の内張り、耐薬品管等に好適に使用できる。更に、
本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂管は、優れた平滑性も
併せ持っており、管内の細菌の繁殖やゴムの蓄積を防止
することができるので、プラント用純水配管等にも好適
に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA24 AA85 AB13 AD03 AD06 AF10Y AF15Y AF23Y BA01 BB06 BC05 4J100 AA02Q AA03Q AB02Q AC03P AC04Q AG04Q BB01H CA01 CA04 EA13 HA21 JA67
Claims (16)
- 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩化ビニル系樹脂
は、電子分光化学分析(ESCA)による粒子表面分析
において、炭素原子と塩素原子との1S結合エネルギー
値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭
素元素ピーク)が0.6を超えるものであり、前記塩素
化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率が60〜72重量
%、水銀圧入法により圧力196MPaで測定した空隙
率が30〜40容量%、及び水銀圧入法により圧力が0
〜196MPaで測定した細孔容積分布において、0.
001〜0.1μm の空隙容積が全空隙容積の2〜15
容積%であることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹
脂。 - 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩化ビニル系樹脂
は、電子分光化学分析(ESCA)による粒子表面分析
において、炭素原子と塩素原子との1S結合エネルギー
値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭
素元素ピーク)が0.6を超えるものであり、前記塩素
化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率が60〜72重量
%、水銀圧入法により圧力196MPaで測定した空隙
率が30〜40容量%、及びBET比表面積が2〜12
m2 /gであることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹
脂。 - 【請求項3】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩化ビニル系樹脂
は、電子分光化学分析(ESCA)による粒子表面分析
において、炭素原子と塩素原子との1S結合エネルギー
値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭
素元素ピーク)が0.6を超えるものであり、前記塩素
化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率が60〜72重量
%、水銀圧入法により圧力196MPaで測定した空隙
率が30〜40容量%、水銀圧入法により圧力が0〜1
96MPaで測定した細孔容積分布において、0.00
1〜0.1μm の空隙容積が全空隙容積の2〜15容積
%、及び1g/kgテトラヒドロフラン溶液の吸光度
(セル長1cm、測定温度23℃)が、波長235nm
において0.8以下であることを特徴とする塩素化塩化
ビニル系樹脂。 - 【請求項4】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩化ビニル系樹脂
は、電子分光化学分析(ESCA)による粒子表面分析
において、炭素原子と塩素原子との1S結合エネルギー
値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭
素元素ピーク)が0.6を超えるものであり、前記塩素
化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率が60〜72重量
%、水銀圧入法により圧力196MPaで測定した空隙
率が30〜40容量%、BET比表面積が2〜12m2
/g、及び1g/kgテトラヒドロフラン溶液の吸光度
(セル長1cm、測定温度23℃)が、波長235nm
において0.8以下であることを特徴とする塩素化塩化
ビニル系樹脂。 - 【請求項5】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩化ビニル系樹脂
は、電子分光化学分析(ESCA)による粒子表面分析
において、炭素原子と塩素原子との1S結合エネルギー
値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭
素元素ピーク)が0.6を超えるものであり、前記塩素
化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率は60〜72重量
%、水銀圧入法により圧力196MPaで測定した空隙
率が30〜40容量%、水銀圧入法により圧力が0〜1
96MPaで測定した細孔容積分布において、0.00
1〜0.1μm の空隙容積が全空隙容積の2 〜15容積
%、及び1g/kgテトラヒドロフラン溶液の吸光度
(セル長1cm、測定温度23℃)が、波長235nm
において0.2以下であることを特徴とする塩素化塩化
ビニル系樹脂。 - 【請求項6】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂であって、前記塩化ビニル系樹脂
は、電子分光化学分析(ESCA)による粒子表面分析
において、炭素原子と塩素原子との1S結合エネルギー
値(eV)におけるピーク比(塩素元素ピーク×2/炭
素元素ピーク)が0.6を超えるものであり、前記塩素
化塩化ビニル系樹脂は、塩素含有率は60〜72重量
%、水銀圧入法により圧力196MPaで測定した空隙
率は30〜40容量%、BET比表面積が2〜12m2
/g、及び1g/kgテトラヒドロフラン溶液の吸光度
(セル長1cm、測定温度23℃)は、波長235nm
において0.2以下であることを特徴とする塩素化塩化
ビニル系樹脂。 - 【請求項7】 塩化ビニル系樹脂を塩素化してなる塩素
化塩化ビニル系樹脂の製造方法であって、前記塩化ビニ
ル系樹脂は、BET比表面積値が、1.3〜8m2 /g
であり、電子分光化学分析(ESCA)による粒子表面
分析において、炭素元素と塩素元素との1S結合エネル
ギー値( eV) におけるピーク比(塩素元素ピーク×2
/炭素元素ピーク)が0.6を超えるものであり、ま
た、前記塩素化は、塩化ビニル系樹脂を水性媒体中で懸
濁状態となした状態で、反応器内に液体塩素又は気体塩
素を導入し、反応温度を70〜135℃の範囲で反応を
行うことを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方
法。 - 【請求項8】 塩化ビニル系樹脂のBET比表面積が
1.5〜5m2 /gである請求項7記載の塩素化塩化ビ
ニル樹脂の製造方法。 - 【請求項9】 塩化ビニル系樹脂の電子分光化学分析
(ESCA)による粒子表面分析における前記ピーク比
が、0.7を超えるものである請求項7 又は8記載の塩
素化塩化ビニル系樹脂の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1〜6いずれかに記載の塩素化
塩化ビニル系樹脂を成形して得られる塩素化塩化ビニル
系樹脂成形体であって、JIS K 7206に準拠し
た方法で測定した9.8N荷重時のビカット軟化温度が
145℃以上であることを特徴とする塩素化塩化ビニル
系樹脂成形体。 - 【請求項11】 請求項1〜6いずれかに記載の塩素化
塩化ビニル系樹脂を成形して得られる塩素化塩化ビニル
系樹脂成形体であって、JIS K 7206に準拠し
た方法で測定した9.8N荷重時のビカット軟化温度が
145℃以上であり、JIS K 7111に準拠した
方法で測定したシャルピー衝撃値が10kJ/m2 以上
であることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂成形
体。 - 【請求項12】 請求項1〜6いずれかに記載の塩素化
塩化ビニル系樹脂を成形して得られる塩素化塩化ビニル
系樹脂成形体であって、JIS K 7206に準拠し
た方法で測定した9.8N荷重時のビカット軟化温度が
145℃以上であり、JIS K 7111に準拠した
方法で測定したシャルピー衝撃値が20kJ/m2 以上
であることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂成形
体。 - 【請求項13】 請求項1〜6いずれかに記載の塩素化
塩化ビニル系樹脂を成形して得られる塩素化塩化ビニル
系樹脂管であって、JIS K 7206に準拠した方
法で測定した9.8N荷重時のビカット軟化温度が12
0℃以上であり、90℃熱水浸漬試験を60日間行った
後の吸水率が1.5%以下であり、ASTM D 28
37に準拠した90℃での長期内圧クリープ試験で、破
壊時間1000時間経過時における破壊応力が4.5M
Pa以上であることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹
脂管。 - 【請求項14】 請求項1〜6いずれかに記載の塩素化
塩化ビニル系樹脂を成形して得られる塩素化塩化ビニル
系樹脂管であって、JIS K 7206に準拠した方
法で測定した9.8N荷重時のビカット軟化温度が12
0℃以上であり、90℃熱水浸漬試験を60日間行った
後の吸水率が1.5%以下であり、ASTM D 28
37に準拠した90℃での長期内圧クリープ試験で、破
壊時間1000時間経過時における破壊応力が4.5M
Pa以上であり、表面粗さRmaxが5.0μm 以下で
あることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂管。 - 【請求項15】 給湯用の樹脂管であることを特徴とす
る請求項13又は14記載の塩素化塩化ビニル系樹脂
管。 - 【請求項16】 金属管の内側に請求項13又は14記
載の塩素化塩化ビニル系樹脂管が内張りされていること
を特徴とするライニング管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37215899A JP2001181340A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 塩素化塩化ビニル系樹脂、その製造方法及びその成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37215899A JP2001181340A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 塩素化塩化ビニル系樹脂、その製造方法及びその成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001181340A true JP2001181340A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18499956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37215899A Pending JP2001181340A (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 塩素化塩化ビニル系樹脂、その製造方法及びその成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001181340A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020203858A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 積水化学工業株式会社 | 塩素化塩化ビニル系樹脂 |
-
1999
- 1999-12-28 JP JP37215899A patent/JP2001181340A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020203858A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 積水化学工業株式会社 | 塩素化塩化ビニル系樹脂 |
JPWO2020203858A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2021-10-28 | 積水化学工業株式会社 | 塩素化塩化ビニル系樹脂 |
CN113646339A (zh) * | 2019-03-29 | 2021-11-12 | 积水化学工业株式会社 | 氯化聚氯乙烯系树脂 |
KR20210148098A (ko) * | 2019-03-29 | 2021-12-07 | 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 | 염소화 염화비닐계 수지 |
JP7016953B2 (ja) | 2019-03-29 | 2022-02-07 | 積水化学工業株式会社 | 塩素化塩化ビニル系樹脂 |
KR102455105B1 (ko) | 2019-03-29 | 2022-10-14 | 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 | 염소화 염화비닐계 수지 |
CN113646339B (zh) * | 2019-03-29 | 2022-12-23 | 积水化学工业株式会社 | 氯化聚氯乙烯系树脂 |
US12110385B2 (en) | 2019-03-29 | 2024-10-08 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Chlorinated vinyl chloride resin |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2008062526A1 (fr) | Résines de chlorure de vinyle chlorées et leur procédé de fabrication | |
JP7379575B2 (ja) | ポリ塩化ビニルを塩素化するための方法 | |
WO1999067305A1 (fr) | Resine a base de chlorure de vinyle chlore et articles moules | |
JP2001181340A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂、その製造方法及びその成形体 | |
JP4331813B2 (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂粒子の製造方法及びそれにより得られた樹脂粒子 | |
JP2000273121A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂及びその製造方法 | |
JP2000186113A (ja) | 耐熱塩化ビニル系樹脂成形品及び耐熱塩化ビニル系樹脂管 | |
JP3814733B2 (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JP2001278992A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂成形体及び樹脂管 | |
JP4555494B2 (ja) | 塩化ビニル系樹脂組成物 | |
JP3487742B2 (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JPH11158221A (ja) | 塩化ビニル系樹脂及び塩素化塩化ビニル系樹脂 | |
JPH11209425A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JP2000136213A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂及びその製造方法 | |
JP2006322013A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JP3802668B2 (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
KR102498961B1 (ko) | 염소화 염화비닐계 수지 | |
JP2002060421A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JP3863279B2 (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JP2000352481A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂管、継手、プレート、及び、ライニング管 | |
JP3481099B2 (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂及び製造方法 | |
JPH11124407A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JPH1135627A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JPH1192525A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 | |
JPH11140122A (ja) | 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20060721 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20090204 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090610 |