JP2000134955A - インバータ装置及びインバータ装置用スイッチングモジュール - Google Patents

インバータ装置及びインバータ装置用スイッチングモジュール

Info

Publication number
JP2000134955A
JP2000134955A JP10304434A JP30443498A JP2000134955A JP 2000134955 A JP2000134955 A JP 2000134955A JP 10304434 A JP10304434 A JP 10304434A JP 30443498 A JP30443498 A JP 30443498A JP 2000134955 A JP2000134955 A JP 2000134955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
electrode
switching element
current detection
arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10304434A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Kobayashi
澄男 小林
Masato Takase
真人 高瀬
Shigeki Morinaga
茂樹 森永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Keiyo Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Keiyo Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Keiyo Engineering Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP10304434A priority Critical patent/JP2000134955A/ja
Publication of JP2000134955A publication Critical patent/JP2000134955A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流検出にシャント抵抗を用いながら、小形
化と軽量化に充分に対応でき、大容量機種にも充分に対
応し得るようにしたインバータ装置を提供すること。 【解決手段】 インバータ主回路のスイッチング素子の
一部にマルチエミッタ付きスイッチング素子4E、6E
を用い、これらのマルチ電極に電流検出用のシャント抵
抗104U、106Wを設け、これらのシャント抵抗1
04U、106Wに現われる電圧降下を負荷電流検出回
路116U、118Wで検出し、アームの電流を検出す
るようにしたもの。 【効果】 検出すべきアーム電流に比して、シャント抵
抗104U、106Wのワット数をかなり小さくするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体スイッチン
グ素子を用いたインバータ装置及びインバータ装置用の
スイッチングモジュールに係り、特に電動機駆動用に好
適な可変電圧可変周波数インバータ装置及びインバータ
装置用スイッチングモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般産業機械を可変速運転するた
めの動力源として、速度センサ付ベクトル制御方式又は
速度センサレスベクトル制御方式のインバータ装置駆動
による誘導電動機が使われるようになってきている。ま
た、半導体製造装置、マウンタ、ロボットなど、位置、
速度センサを内蔵したACサーボモートルにも、自動
化、省力化の要求によりインバータ装置が盛んに使用さ
れるようになってきた。
【0003】これらのインバータ装置における制御の基
本は、交流電動機の速度制御、トルク制御又は位置制御
であり、最近の製造ライン速度の高速化、タクトタイム
の高速化の要求からすれば、電動機の電流を、トルクに
比例するトルク分電流と、トルク分電流に直交する磁束
分電流に分離して制御する高速ベクトル制御が主流にな
っている。
【0004】また、ACサーボモートルの場合は、回転
子に永久磁石を用いた回転界磁形同期電動機を用い、そ
の永久磁石界磁の磁極位置を検出して、高速の電流制御
を行なっており、何れの場合も瞬時値電流が制御の対象
になっている。
【0005】ところで、このような瞬時値電流の制御に
は、当然のこととして、瞬時値電流の検出が必要であ
る。そこで、特開昭63−178790号公報では、速
度制御ループの内側に電流制御ループを備えたパルス幅
変調制御インバータにおいて、負荷である3相誘導電動
機の2相の電流を、インバータ主回路から絶縁された変
流器で検出して制御する方式について開示している。
【0006】このような従来技術による3相インバータ
装置の一例について、図18により説明すると、これ
は、主回路のスイッチング素子としてIGBTを用いた
例で、図において、1〜6がスイッチング素子で、7〜
12はフライホィールダイオードであり、これらにより
周知の3相交流のインバータ主回路が構成されている。
【0007】なお、このようなインバータ主回路では、
上側のスイッチング素子とダイオードの逆並列素子を上
アームと呼び、下側の逆並列素子は下アームと呼ぶのが
一般的である。また、ここでスイッチング素子として用
いられているIGBTとは、絶縁ゲート・バイポーラ・
トランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor)の
ことである。
【0008】次に、13、14は変流器、15、16は
電流検出回路、21、22、23はU相、V相、W相の
インバータ出力端子、24は負荷(3相誘導電動機)、2
5は直流母線正側端子、26は直流母線負側端子、それ
に27は平滑用のコンデンサである。
【0009】そして、直流母線正側端子25と直流母線
負側端子26には、図示してないコンバータ装置などの
直流電源が接続される。これにより、平滑コンデンサ2
7は、図示の極性で充電され、上アームと下アームの間
に直流電圧が印加されることになる。そして、各スイッ
チング素子が制御されることにより逆変換動作が得ら
れ、負荷24に、所定の電圧で所定の周波数の3相交流
電力が供給されることになる。
【0010】ここで、U相とW相にだけ変流器が設けら
れていて、V相電流の検出を要しない理由は以下の通り
である。つまり、3相交流では、各相電流の総和が零な
ので、V相電流については、次のようにして、U相電流
とW相電流から求めることができるからである。 V相電流=−(U相電流+W相電流) なお、周知のように、中性点経路を持たない多相交流回
路系では、相数をmとした場合、最小限、(m−1)個の
電流検出器で全ての相の電流を検出することができる。
【0011】次に、この図18に示したインバータ装置
の動作について、図19のタイミングチャートにより説
明する。この図19において、同図(a)はインバータの
スイッチング周波数を決定する搬送波(通常、三角波)
と、U相、V相、W相の相電圧指令の関係を示した図
で、同図(b)と同図(c)はU相アームのスイッチング素子
1とスイッチング素子4のオン、オフのタイミングを示
した図であり、同図(d)は、このときの変流器13で検
出されるU相の電流を示したものである。
【0012】スイッチング素子1、4は交互にオン、オ
フを繰り返すように制御され、このため、図19(a)の
A−B間では、スイッチング素子1がオンし、スイッチ
ング素子4はオフとなり、B−C間では、反対にスイッ
チング素子1はオフ、スイッチング素子4がオンとなる
ようにゲート信号GU、GXを入力している。
【0013】このとき、図には表わされてないが、実際
には、上下のスイッチング素子1、4が同時にオンしな
いように、指令信号上でオンするタイミングでも、ある
一定の非ラップ時間だけ遅らせてスイッチング素子をオ
ンさせるようになっている。
【0014】U相の負荷電流は、インバータから負荷2
4に流れる方向を正とすると、図19(a)の正の電流の
D−E間では、スイッチング素子1から負荷24に電流
が流れ、E−F間では、ダイオード10を通って負荷2
4に還流される。
【0015】次に、図19(a)の負の電流G−H間で
は、負荷24からダイオード7に還流され、H−I間で
は、負荷24からスイッチング素子4に流れる。従っ
て、U相の負荷電流は、正方向のときはスイッチング素
子1、ダイオード10、負方向ではスイッチング素子
4、ダイオード7で交互に分担して流れることになる。
【0016】一般に可変速運転される誘導電動機では、
電機子電流が、直流(周波数が0)からかなり高い周波数
まで変化するため、検出用の変流器としても、直流から
交流まで広い周波数帯域で電流検出が可能なものを用い
る必要があるが、この変流器として、現在、最も一般的
に用いられているのはホール素子方式である。
【0017】このホール素子方式の変流器は、検出すべ
き電流が流される電線を環状の鉄心の中に通して鉄心中
の磁束に変換し、鉄心のギャップに設置したホール素子
により電流に比例した電圧を取り出すようにしたもの
で、これによれば、電流経路から絶縁された状態で電流
を検出することができる。
【0018】一方、特開平6−284747号公報で
は、インバータの上アーム又は下アームの主回路スイッ
チング素子のm相合成電流と、逆並列に接続されたダイ
オードのm相合成電流を、シャント抵抗を用いて検出す
るようにしたインバータ装置について開示している。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、多相
交流の各相毎の電流検出の簡素化について配慮がされて
おらず、高度な制御が可能なインバータ装置の小型化、
低コスト化の点に問題があった。この従来技術の問題に
ついて、さらに詳しく説明すると、以下の通りである。
【0020】まず、ホール素子方式の変流器を用いた従
来技術では、変流器がかなり高価である。また、例えば
3相のインバータ装置では、上記したように、少なくと
も2個の電流検出器が必要となるので、その分、コスト
も上昇し、且つ、検出される電圧は、一般にかなり微弱
なので、増幅器で増幅する必要があるのが通例であり、
この点でもコストアップとなってしまう。
【0021】さらに、この方式の変流器は鉄心を含むた
め、こなりのスペースを必要として小型化が難しく、こ
れを組み込んだ場合、インバータ装置の小形化に限界が
生じてしまうなどの問題が生じてしまうのである。
【0022】次に、シャント抵抗を用いて電流を検出す
る方式の従来技術では、シャント抵抗に主回路電流が流
されるので、大電流の流通による大きな損失が生じる
上、ワット数の大きなシャント抵抗が必要になる。
【0023】また、この結果、温度上昇や耐サージ特
性、抵抗値精度保持などの関係から、寸法的にはシャン
ト抵抗の小形化が困難であり、取付場所にも大きな制約
を生じる上、場合によっては放熱についても考慮が必要
になるので、大容量のインバータ装置には適用できな
い。
【0024】また、このシャント抵抗を用いた従来技術
のように、主回路の電流を一括して検出する方式では、
負荷側の各相毎の瞬時値電流の制御は無理で、ベクトル
制御など高度な制御にはとても対応できず、主回路のト
ランジスタやダイオード、或いは負荷の過電流保護程度
にしか適用できない。
【0025】本発明の目的は、電流検出にシャント抵抗
を用いながら、小形化と軽量化に充分に対応でき、大容
量機種にも充分に対応し得るようにしたインバータ装置
と、インバータ装置用のスイッチングモジュールを提供
することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的は、インバータ
主回路の各相の上アームと下アームにスイッチング素子
とダイオードの逆並列回路を備えたインバータ装置にお
いて、前記上アームと下アームの何れかのスイッチング
素子をマルチ電極型スイッチング素子とした上で、該マ
ルチ電極型スイッチング素子のマルチ電極にシャント抵
抗を直列に接続し、該シャント抵抗に現われる電圧降下
に基づいて、該マルチ電極型スイッチング素子が設けら
れているアームの電流を検出するようにして達成され
る。
【0027】これにより、鉄心とホール素子で構成され
た変流器を用いることなく、各アームの電流を独立に検
出できる。また、シャント抵抗には、主回路電流がその
まま流れるのではなく、マルチ電極に分流された、例え
ば主回路電流の3000分の1程度の小さな電流が流
れ、この小さな電流による電圧降下を測定して電流を検
出するので、小さいワット数のシャント抵抗で済む。
【0028】マルチ電極を有するスイッチング素子とし
ては、ゲート端子を除くコレクタ又はエミッタの何れか
一方をマルチ構造としたものを用いる。例えば、スイッ
チング素子がバイポーラトランジスタやIGBTのとき
は、マルチエミッタ型、又はマルチコレクタ型にとす
る。そして、フライホィールダイオードとしては、マル
チアノード型、又はマルチカソード型とする。
【0029】多相、例えば3相のインバータ装置では、
出力側のU相、V相、W相の各相の電流は、各相の上ア
ーム側の電流と下アーム側の電流の合成電流で成り立
つ。そこで、本発明の或る実施形態では、この電流を一
方のアームだけで検出するため、下アームの電流を、下
アームのマルチエミッタ付きスイッチング素子のマルチ
電極から1/3000程度に分流して取り出し、第一の
電流検出用のシャント抵抗で検出する。
【0030】そして、上アームのスイッチング素子の電
流は、下アームに流れる電流を、マルチアノード付きダ
イオードのマルチ電極から1/3000程度に分流して
取り出し、第2の電流検出用のシャント抵抗で検出す
る。
【0031】このとき、第一の電流検出抵抗及び第二の
電流検出抵抗は、スイッチング素子とダイオードと同じ
く、半導体チップ上に構成し、インバータ装置としての
実装上のスペースを不要とする。
【0032】また、瞬時電流が制御できるようにするた
め、必要な相の各スイッチング素子毎に電流検出抵抗を
挿入しても良い。
【0033】このとき、電流検出が離散的になるため、
サンプルホールド回路を用いA/Dコンバータで読み取
る。
【0034】一方、このようなシャント抵抗による電流
検出方法では、シャント抵抗の抵抗値のバラツキやマル
チ電極による分流比のバラツキ、さらには、電流検出回
路系でのオフセットなどにより検出精度に大きなバラツ
キが生じる場合があるが、このときでも、予めオフセッ
トとゲインの補正定数を求め、それを記憶しておき、通
常の動作時に用いてバラツキを補正することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるインバータ装
置及びインバータ装置用スイッチングモジュールについ
て、図示の実施形態により詳細に説明する。図1は本発
明の第1の実施形態で、図において、4E、6Eはマル
チエミッタ付きスイッチング素子で、10A、12Aは
マルチアノード付きダイオードである。なお、この実施
形態でも、スイッチング素子としては、図示のように、
IGBTが用いられており、従って、これらのスイッチ
ング素子は夫々マルチエミッタ付きIGBTで構成され
ていることになる。
【0036】そして、これらのマルチエミッタ付きスイ
ッチング素子4E、6Eとマルチアノード付きダイオー
ド10A、12Aが、図示のように逆並列接続されて、
インバータ主回路のU相とW相の下アームを構成してい
る点を除けば、インバータ主回路としては、図18で説
明した従来技術における主回路と同じである。
【0037】従って、U相、V相、W相のインバータ出
力端子21、22、23と、3相誘導電動機からなる負
荷24、直流母線正側端子25、直流母線負側端子2
6、それに平滑コンデンサ27も、図18と同じであ
り、さらに直流母線正側端子25と直流母線負側端子2
6には、図示してないコンバータ装置などの直流電源が
接続される点も同じである。
【0038】なお、ここで説明する実施形態は、交流の
相数をmとした場合、以下に説明する実施形態も含め
て、何れも相数mが3の場合、つまり3相の場合につい
て示しているが、これにより、本発明が相数m=3、す
なわち3相の場合に限定される訳ではなく、3相以外の
任意の相数mのインバータ装置として実施可能なことは
言うまでもない。
【0039】ここで、マルチエミッタ付きスイッチング
素子とは、その名の通り、複数の、例えば2個のエミッ
タを持ったバイポーラトランジスタなどの半導体素子
で、この場合、一方のエミッタは主エミッタとなり、他
方は副エミッタとなる。
【0040】そして、このような半導体素子では、主エ
ミッタの接合面積と副エミッタの接合面積を変えること
により、全体のエミッタ電流に対する主エミッタ電流と
副エミッタ電流の割合を変えることができる。
【0041】例えば、副エミッタの接合面積を主エミッ
タの接合面積の3000分の1にしてやれば、副エミッ
タ電流を、主エミッタ電流の3000分の1にすること
ができるものである。
【0042】マルチアノード付きダイオードも同様で、
複数の、例えば主と副の2個のアノードを持ち、同様
に、それぞれのアノードの接合面積に応じて各アノード
に流れる電流の割合を変えるとができ、例えば副アノー
ドの接合面積を主アノードの接合面積の3000分の1
にしてやれば、副アノード電流を、主アノード電流の3
000分の1にすることができるものである。
【0043】そして、このような多電極の半導体素子に
ついて、ここでは、マルチ電極型スイッチング素子、又
はマルチ電極型ダイオードと呼ぶことにする。
【0044】次に、104U、106W、110U、1
12Wは電流検出抵抗、いわゆるシャント抵抗で、ここ
で、電流検出抵抗104U、106Wはスイッチング素
子側の電流検出用で、第一の電流検出抵抗となり、電流
検出抵抗110U、112Wはダイオード側の電流検出
用で、第二の電流検出抵抗となる。
【0045】ここで、この実施形態におけるマルチエミ
ッタ付きスイッチング素子4E、6Eと、マルチアノー
ド付きダイオード10A、12Aの詳細について、図2
と図3により説明する。まずマルチエミッタ付きスイッ
チング素子4E、6Eは、図2(a)に示すように、電流
検出抵抗104U、106Wと一緒に半導体素子化され
ており、従って等価回路は同図(b)に示すようになる。
【0046】上記したように、この実施形態でも、スイ
ッチング素子にはIGBTが用いられており、図2(a)
にはマルチエミッタ付きスイッチング素子と、そのチッ
プ内に組込まれた第一の電流検出抵抗が示されている。
【0047】ここでGはゲート、Cはコレクタ、Eはエ
ミッタ(主エミッタ)、MEはマルチエミッタ(副エミッ
タ)で、31は電流検出抵抗104U、106Wの外部
引出端子であり、チップの底部全体がコレクタCで、そ
の上部にエミッタが形成されている。
【0048】ゲートGはIGBTをオンさせるための入
力端子で、エミッタEの一部を占めている。マルチエミ
ッタMEは左端にあり、ここから第一の電流検出抵抗1
04Uが形成されている。なお、ここで、マルチエミッ
タ付きスイッチング素子4Eとマルチエミッタ付きスイ
ッチング素子6E、及び電流検出抵抗104Uと電流検
出抵抗106Wは同じ構成なので、この図2では電流検
出抵抗104Uについてだけ示してある。
【0049】主回路電流はエミッタEとマルチエミッタ
MEに分流するが、この分流比はエミッタパッドとマル
チエミッタパッドの有効面積や第一の電流検出抵抗の抵
抗値によって決定され、第一の電流検出抵抗の抵抗値は
抵抗体の断面積とその長さによって決まる。
【0050】外部引出端子31は電極として外部に引き
出され、エミッタEと接続される。
【0051】そして、このIGBTは、ゲートGが
“H”入力のときオンし、主回路電流がコレクタCから
エミッタEに流れ、その電流の一部がマルチエミッタM
Eから第一の電流検出抵抗に流れる。このときの電流の
分流比は、例えば主回路電流の定格値がおよそ50A付
近の値ならば、上記したように、1/3000程度にす
る。なお、この分流比は、主回路の定格電流によっても
変わる。そして、この後、ゲートGが“L”入力になる
と、コレクタCからエミッタEに流れていた主回路電流
はオフされる。
【0052】次に、マルチアノード付きダイオード10
A、12Aは、図3(a)に示すように、これも電流検出
抵抗110U、112Wと一緒に半導体素子化されてお
り、従って、その等価回路は同図(b)に示すようにな
る。この図3において、Kはカソード、Aはアノード
(主アノード)、MAはマルチアノード(副アノード)で、
32は電流検出抵抗110U、112Wの外部引出端子
である。
【0053】そして、このマルチアノード付きダイオー
ドでは、図3(a)から明らかなように、チップ内に組み
込んだ第二の電流検出抵抗が示されており、チップの底
部全体がカソードKで、その上部にアノードAが形成さ
れ、マルチアノードMAは左端にあって、ここから第二
の電流検出抵抗110Uが形成されている。なお、この
図3でも、一方の電流検出抵抗110Uに付いてだけ示
してある。
【0054】このマルチアノード付きダイオードが導通
時には、主回路電流はアノードAとマルチアノードMA
に分流するが、このときの分流比はアノードパッドとマ
ルアノードパッドの有効面積や第二の電流検出抵抗の抵
抗値によって決定され、第二の電流検出抵抗の抵抗値は
抵抗体の断面積とその長さによって決まる。外部引出端
子32は電極としてで外部に引出され、アノードAに接
続される。
【0055】そして、このダイオードに、アノードAが
正、カソードKが負の順方向電位が印加されるとオン
し、主回路電流がアノードAからカソードKに流れる
が、このとき、主回路電流の一部は第二の電流検出抵抗
からマルチアノードMAを通ってカソードKに流れる。
【0056】このときの電流の分流比は、例えば主回路
電流の定格値がおよそ50A付近の値ならば、上記した
ように、1/3000程度にする。なお、この分流比
は、主回路の定格電流によっても変わる。そして、逆方
向電位が印加されたとき主回路電流は阻止され、ダイオ
ードはオフとなる。
【0057】図1に戻り、これらのマルチエミッタ付き
スイッチング素子4E、6Eの主エミッタは、図示のよ
うに、そのまま直流母線の負側に接続されるが、副エミ
ッタは夫々の電流検出抵抗104U、106Wを介して
直流母線の負側に接続され、マルチアノード付きダイオ
ード10A、12Aについても、同じく主アノードはそ
のまま直流母線の負側に接続されるが、副アノードは夫
々の電流検出抵抗110U、112Wを介して直流母線
の負側に接続される。
【0058】次に、116U、118W、122U、1
24Wは電流検出回路で、ここで電流検出回路116
U、118Wはスイッチング素子側の電流検出用で、電
流検出回路122U、124Wはダイオード側の電流検
出用である。
【0059】そしてまず、電流検出回路116Uは、電
流検出抵抗104Uの両端に現われる電圧を取り込ん
で、マルチエミッタ付きスイッチング素子4Eの副エミ
ッタ電流を検出する働きをし、次に電流検出回路118
Wは、電流検出抵抗106Wの両端に現われる電圧を取
り込んで、マルチエミッタ付きスイッチング素子6Eの
副エミッタ電流を検出する働きをする。
【0060】また、電流検出回路122Uは、電流検出
抵抗110Uの両端に現われる電圧を取り込んで、マル
チアノード付きダイオード10Aの副アノードの電流を
検出する働きをし、次に電流検出回路124Wは、電流
検出抵抗112Wの両端に現われる電圧を取り込んで、
マルチアノード付きダイオード12Aの副アノード電流
を検出する働きをする。
【0061】従って、図1の実施形態では、マルチエミ
ッタ付きスイッチング素子4E、6Eとマルチアノード
付きダイオード10A、12A、電流検出抵抗104
U、106W、110U、112Wは、何れも直流母線
負側端子26側にあり、これにより、U相アームとW相
アームの下アーム側で負荷電流を検出するように構成し
てある。
【0062】次に、この図1の実施形態の動作につい
て、図4、図5、それに図6により説明する。まず図4
と図5は、図1のU相アーム部分について、電流検出回
路116U、122Uも含めて示したもので、負荷電流
の経路が矢印で示されている。なお、ここで電流検出回
路116U、122Uが合体され、共通に構成されてい
るのは、基準電位が直流母線負側端子26になっている
から可能になっているのである。
【0063】周知のように、インバータ主回路では、同
一相の上アームのスイッチング素子1と下アームのスイ
ッチング素子4Eは交互にオン、オフするように、ゲー
ト信号により制御される。
【0064】そこで、まず出力端子21が正の区間(期
間)では、図4に示すようになり、スイッチング素子1
がオンのときは出力端子21に正方向の主回路電流I
UP1 が流れ、次にマルチエミッタ付きスイッチング素子
4Eがオンのときは、この素子4Eには電流は流れず、
ダイオード10Aを通って正方向の主回路電流IUP2
流れる。
【0065】このときのU相負荷電流の様子は、図6の
タイムチャートの(a)図の正の区間に示すようになる。
なお、ここで電流波形が細かく変化しているのは、PW
M(パルス幅変調)制御されているからである。このとき
スイッチング素子1に流れる電流IUP1 は、上アーム側
には電流検出抵抗が設けてないため検出できないので、
下アーム側のマルチアノード付きダイオード10Aに電
流IUP2 が流れたときに検出する。
【0066】このため、電流検出回路116U、122
Uは、第二の電流検出抵抗110Uの電圧Vdu を取り
込み、マルチアノード付きダイオード10Aの副アノー
ドの電流を検出し、これに所定の計算処理を施してマル
チアノード付きダイオード10A全体の電流IUP2 を算
定するのである。このときの第二の電流検出抵抗110
Uの電圧Vdu は、PWM制御のため、図6(b)に示すよ
うに離散値として検出され、電流検出回路116U、1
22Uに入力される。
【0067】次に、出力端子21が負の区間では、図5
に示すようになり、スイッチング素子1がオンのとき
は、この素子1には電流が流れず、ダイオード7に負方
向の主電流IUN1 が流れ、次にマルチエミッタ付きスイ
ッチング素子4Eがオンのときは主電流IUN2 が流れ
る。このときのU相負荷電流の様子は、図6(a)の負の
区間に示すようになる。
【0068】そして、このときのダイオード7の電流I
UN1 は、これも上アーム側には電流検出抵抗が設けてな
いため、下アーム側のマルチエミッタ付きスイッチング
素子4Eに電流IUN2 が流れたときに検出する。
【0069】このため、電流検出回路116U、122
Uは、第一の電流検出抵抗104Uの電圧Vsu を取り
込み、マルチエミッタ付きスイッチング素子4Eの副エ
ミッタの電流を検出し、これに所定の計算処理を施して
マルチアノード付きスイッチング素子4E全体の電流I
UN2 を算定するのである。このときの第一の電流検出抵
抗104Uの電圧Vsu も、図6(c)に示すように離散値
として検出され、電流検出回路116U、122Uに入
力される。
【0070】電流検出回路116U、122Uは、2入
力反転増幅器61Uとサンプルホールド回路62Uとで
構成されている。そして、まず2入力反転増幅器61U
により、図6(d)に示すように、第一の電流検出抵抗1
04Uの電圧Vsu と第二の電流検出抵抗110Uの電
圧Vdu を加算した電圧V1u を得る。
【0071】次に、この電圧V1u をサンプルホールド
回路62Uに入力し、サンプルホールド処理することに
より、図6(e)に示すように、離散波形から階段状に連
なった波形の電圧V2u に変換して出力する。
【0072】従って、このサンプルホールド回路62U
から出力される電圧V2u により、U相アームの電流
を、瞬時値も含めて検出することができる。そして、こ
のことは、W相についても同じで、電流検出回路118
W、124Wにより、W相アームの電流も、瞬時値も含
めて検出することができ、さらに、これらU相アームの
電流とW相アームの電流からV相アームの電流も、瞬時
値も含めて検出できることになり、この結果、ベクトル
制御などにも容易に対応することができる。
【0073】ここで、マルチエミッタ付きスイッチング
素子4E、6Eの主回路電流は、第一の電流検出抵抗1
04U、106Wが接続されている副エッミッタ側と、
抵抗などなにも接続されていない主エミッタ側に分流し
て流れる。
【0074】そこで、この分流比が1:3000程度に
なるようにしてやれば、ほとんどの主回路電流は主エミ
ッタ側を流れるため、副エミッタ側に接続されている第
一の電流検出抵抗での発熱はほとんど問題にならないよ
うにできる。
【0075】同様に、マルチアノード付きダイオード1
0A、12Aの主回路電流も、第二の電流検出抵抗11
0U、112Wが接続されている副アノード側と、検出
抵抗が接続されていない主アノード側に分流して流れ
る。そこで、この分流比も1:3000程度になるよう
にしておけば、ほとんどの主回路電流は主アノード側を
流れ、副アノード側にある第二の電流検出抵抗での発熱
もほとんど問題にならないようにすることができる。
【0076】そして、このためには、マルチエミッタ付
きスイッチング素子4E、6Eの副エミッタの面積を、
その主エミッタの面積の1/3000になるようにし、
マルチアノード付きダイオード10A、12Aについて
も、副アノードの面積を、その主アノードの面積の1/
3000になるようにしておけばよい。
【0077】こうすれば、各電流検出抵抗104U、1
06W、110U、112Wには、夫々で検出すべき負
荷電流、例えばU相アームでは電流IUP1 と電流
UP2、電流IUN1、それに電流IUN2 の約1/3000
の電流しか流れないようにすることができ、この結果、
例えばインバータ主回路のアーム電流の値がアンペアオ
ーダーであったとしても、各電流検出抵抗に流れる電流
値は、ミリアンペアオーダーに抑えることができる。
【0078】一方、このような、マルチエミッタ構造の
スイッチング素子やマルチアノード構造のダイオードで
は、上記した主エミッタや主アノードに対する副エミッ
タと副アノードの電流の分流比は、上記した面積比によ
り、かなりの精度で決めることができる。
【0079】そして、現在の半導体製造についての技術
水準からすれば、上記した面積比の制御についての問題
はほとんど無く、高精度の面積比をもった素子も容易に
得ることができるから、副エミッタ電流と副アノード電
流の検出結果から、主エミッタ電流と主アノード電流も
含めた全体の電流を算定しても、実用上充分な程度の電
流検出精度は容易に得られる。
【0080】従って、この図1の実施形態によれば、ワ
ット数が小さな小型のシャント抵抗により、瞬時値も含
めて、各アーム毎に独立して負荷電流が検出できること
になり、この結果、シャント抵抗による電流検出方式に
もかかわらず、発熱やコスト上昇の問題、さらにはシャ
ント抵抗の大型化の問題を伴うことなく、容易にベクト
ル制御に対応することができる。
【0081】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。まず図7は、本発明の第2の実施形態で、図1の
実施形態では、負荷電流の検出を直流母線の負側で行な
うように構成されていたのに対して、この図7は、負荷
電流の検出を直流母線の正側で行なうようにした場合の
実施形態である。
【0082】図7において、まず、1C、3Cはマルチ
コレクタ付きスイッチング素子で、7K、9Kはマルチ
カソード付きダイオードである。なお、この実施形態で
も、スイッチング素子としてはIGBTを用いている。
【0083】ここで、マルチコレクタ付きスイッチング
素子とは、その名の通り、複数の、例えば2個のコレク
タを持ったトランジスタなどの半導体素子で、この場
合、一方のコレクタは主コレクタとなり、他方は副コレ
クタとなる。
【0084】そして、主コレクタの接合面積と副コレク
タの接合面積を変えることにより、全体のコレクタ電流
に対する主コレクタ電流と副コレクタ電流の割合を変え
ることができ、例えば副コレクタの接合面積を主コレク
タの接合面積の3000分の1にしてやれば、副コレク
タ電流を、主コレクタ電流の3000分の1にすること
ができるものである。
【0085】マルチカソード付きダイオードも同様で、
複数の、例えば主と副の2個のカソードを持ち、同様
に、それぞれのカソードの接合面積に応じて各カソード
に流れる電流の割合を変えるとができ、例えば副カソー
ドの接合面積を主カソードの接合面積の3000分の1
にしてやれば、副カソード電流を、主カソード電流の3
000分の1にすることができるものである。
【0086】これらのマルチコレクタ付きスイッチング
素子1C、3Cは、図示のように、U相とW相の上アー
ムを構成しているが、これに応じて、これらU相とW相
の下アームは、通常のスイッチング素子4、6と、ダイ
オード10、12で構成されている。
【0087】次に、マルチコレクタ付きスイッチング素
子1C、3Cの副コレクタと直流母線の正側の間には第
一の電流検出抵抗101U、103Wが接続され、これ
らに現われる電圧を検出するスイッチング素子側負荷電
流検出回路113U、115Wが設けてある。
【0088】また、マルチカソード付きダイオード7
K、9Kの副カソードと直流母線の正側の間には第二の
電流検出抵抗107U、109Wが接続され、これらに
現われる電圧を検出するダイオード側負荷電流検出回路
119U、121Wが設けてある。
【0089】ここで、これら第一の電流検出抵抗101
U、103Wとスイッチング素子側負荷電流検出回路1
13U、115Wは、それぞれ図1の実施形態における
第一の電流検出抵抗104U、106Wとスイッチング
素子側負荷電流検出回路116U、118Wと同じもの
であり、同じく第二の電流検出抵抗107U、109W
とダイオード側負荷電流検出回路119U、121Wに
ついても、夫々図1の実施形態における第二の電流検出
抵抗110U、112Wとダイオード側負荷電流検出回
路122U、124Wと同じものである。
【0090】従って、この図7の実施形態におけるその
他の構成は、図1の実施形態と同じである。また、この
結果、この図7の実施形態の動作についても、図1の実
施形態と同じで、図1の実施形態では、電流検出の基準
が直流母線の負側になっているのに対して、図7の場合
には正側が検出の基準となっているだけであり、基準点
が変わっただけで考え方は同じなので、詳しい説明は割
愛する。
【0091】次に、本発明の第3の実施形態について、
図8により説明する。既に説明した図1と図7の実施形
態では、主回路のスイッチング素子がNPN形式のIG
BTで構成されている。しかし、周知のように、インバ
ータ主回路を構成するスイッチング素子としてはPNP
形式の半導体素子を用いることもできる。
【0092】そこで、この図8の実施形態では、PNP
形式のIGBTを主回路のスイッチング素子として用
い、本発明を実施したものであり、図において、51
E、53EはPNP形式のマルチエミッタ付きスイッチ
ング素子で、52、54〜56はPNP形式のスイッチ
ング素子であり、何れもIGBTで構成されている。
【0093】そして、これらのスイッチング素子51
E、53E、52、54〜56以外の構成は図7の実施
形態と同じで、負荷電流の検出を全て直流母線の正側で
行っている点も同じであり、従って、その動作も図7と
同じであるから、詳しい説明は割愛する。
【0094】なお、以下に説明する実施形態において
も、この図8の実施形態と同様に、PNP形式のマルチ
エミッタ付きスイッチング素子に置き換えて実施するこ
とができるのは、言うまでもない。
【0095】次に、本発明の第4の実施形態について、
図9により説明する。この図9の実施形態が、図1の実
施形態と異なる点は、3相全部の相の下アームのスイッ
チング素子を何れもマルチエミッタ構造にした点にあ
り、ここで、5Eが、そのマルチエミッタ付きスイッチ
ング素子であり、105Vは第一の電流検出抵抗で、1
17Vはスイッチング素子側負荷電流検出回路である。
【0096】そして、これにより、この実施形態では、
下アームの全てのスイッチング素子から負荷電流が検出
できるように構成してあるが、その理由は、短絡などに
よる過電流が発生したとき、何れの相に短絡電流が発生
したとしても、必ず検出できるようにするためである。
【0097】上記した図1の実施形態では、V相には負
荷電流検出回路がないので、別途、外部に過電流検出機
能を付加しなければならないが、この図9の実施形態に
よれば、V相に短絡電流が発生したときでも、その電流
は電流検出抵抗105Vとスイッチング素子側負荷電流
検出回路117Vで検出することができ、従って、外部
に過電流検出機能を付加する必要がない。
【0098】次に、本発明の第5の実施形態について、
図10により説明する。この図10の実施形態は、その
基本になる考え方は図9の実施形態と同じであるが、そ
の適用対象が図1の実施形態ではなくて、図7の実施形
態になっている点で、図9の実施形態とは異なっている
ものである。
【0099】従って、上記した図9の実施形態では、負
荷電流の検出を全て直流母線の負側で行っていたが、こ
の図10の実施形態では、負荷電流の検出は全て直流母
線の正側で行なうように構成してある。
【0100】そして、この図10において、2Cがマル
チコレクタ付きスイッチング素子であり、この点を除け
ば、その他の構成は図7の実施形態と同じであり、動作
についても、V相での負荷電流が検出でき、これによ
り、何れの相に短絡電流が発生しても検出できるように
した点を除いて、図7の実施形態と同じであるので、詳
しい説明は割愛する。
【0101】次に、本発明の第6の実施形態について、
図11により説明する。この図11の実施形態は、上記
した図9の実施形態において、3相の上アームのスイッ
チング素子も全てマルチエミッタ付きスイッチング素子
とし、短絡などの発生に際しての信頼性が充分に得られ
るようにしたものである。
【0102】この図11において、1E、2E、3Eが
マルチエミッタ付きスイッチング素子で、その他の構成
は、図9の実施形態と同じであり、これにより、上アー
ムの全てにおいてもスイッチング素子の電流の検出が得
られることになり、短絡などによる過電流に対する保護
動作が行えることになる。
【0103】次に、本発明の第7の実施形態について、
図12により説明する。この図12の実施形態は、上記
した図10の実施形態において、3相の下アームのスイ
ッチング素子も全てマルチコレクタ付きスイッチング素
子とし、短絡などの発生に際しての信頼性が充分に得ら
れるようにしたものである。
【0104】この図12において、4C、5C、6Cは
マルチコレクタ付きスイッチング素子で、その他の構成
は、図10の実施形態と同じであり、これにより、下ア
ームの全てにおいてもスイッチング素子の電流の検出が
得られることになり、短絡などによる過電流に対する保
護動作が行えることになる。
【0105】次に、本発明における負荷電流検出回路に
ついて説明する。図13は、上記した図1のインバータ
主回路における負荷電流検出回路116U、122U、
118W、124Wの具体例を示す一実施形態で、ここ
では、インバータ主回路の第一の電流検出抵抗104
U、106Wと、第二の電流検出抵抗110U、112
Wの両端の電圧を、電気的に隔離すること無く、負側直
流母線を共通端子として、そのまま2入力反転増幅回路
61U、61Wに入力するようになっている。
【0106】これらの2入力反転増幅回路61U、61
Wは、入力された電圧を加算した上で反転増幅する。そ
して、その出力は、それぞれサンプルホールド回路62
U、62Wに入力され、サンプルホールドした上でA/
Dコンバータ63U、63Wに入力し、ここでディジタ
ルデータに変換して出力するようになってている。
【0107】図1の実施形態によるインバータ主回路で
は、スイッチング素子側負荷電流検出回路とダイオード
側負荷電流検出回路は2回路に分かれており、U相アー
ムの検出電圧は負荷電流検出回路116U、122U
に、W相アームの検出電圧は負荷電流検出回路118
W、124Wの回路に分かれている。
【0108】しかして、これら2回路は、何れも直流母
線の負極側を共通端子としているため、上記したよう
に、電気的な隔離を必要とせず、共通の回路としても構
成できるのであり、従って、この図13の実施形態で
は、図示のように、U相アームでは負荷電流検出回路1
16U負荷電流検出回路122Uが同一の回路になって
おり、W相アームでは負荷電流検出回路118Wと負荷
電流検出回路124Wが同一の回路になっているのであ
る。
【0109】次に、この図13の実施形態の動作につい
て、図6と図19のタイムチャートにより、U相アーム
の場合を例にして説明する。既に説明したように、第一
の電流検出抵抗104Uの電流と、それによる電圧波形
は、図6(c) に、そして第二の電流検出抵抗110Uの
電流と、それによる電圧波形は、同じく図6(b) に示す
ようになる。
【0110】そして、これらの波形からなる信号は、演
算増幅器OP1Uと、抵抗R1U、R2U、R3U、R
4Uで構成されている2入力反転増幅回路61Uで反転
増幅され、図6(d) の波形V1U で表す出力が得られる
が、この波形は、図示のように、離散的になっているの
で、これをディジタルデータに変換するため、サンプル
ホールド回路62Uに供給される。
【0111】このサンプルホ―ルド回路62Uは、演算
増幅器OP2U、OP3U、コンパレータCP1U、ダ
イオードD1U、D2U、アナログスイッチSW1U、
抵抗R5U、R6U、それに基準電圧Vref の発生回路
を内蔵した集積回路として構成されており、ここで、ア
ナログ電圧を保持するサンプルホールド用のコンデンサ
C1Uは、図示のように外付けされ、抵抗R6Uに接続
されている。
【0112】このサンプルホールド回路62Uに入力さ
れた波形V1U を有する信号は、まず演算増幅器OP2
Uからなるアナログバッファ回路に供給され、その出力
はコンパレータCP1Uの出力により開閉制御されるア
ナログスイッチSW1Uに入力される。
【0113】コンパレータCP1Uの一方の入力には、
外部のインバータゲートNOTを経由して信号が供給さ
れており、これと基準電圧Vref との比較により、この
コンパレータCP1Uからは、図19(a) に示すインバ
ータのスイッチング周波数を決定する搬送波の周期に同
期した出力が発生し、これによりアナログスイッチSW
1Uが開閉される。
【0114】そして、スイッチSW1Uがオンのとき、
演算増幅器OP2Uの出力電圧が抵抗R6Uを介してコ
ンデンサC1Uに充電され、充電が完了したときサンプ
ル動作が完了し、次いでスイッチSW1Uがオフするこ
とにより、コンデンサC1Uの電荷がホールドされ、こ
の電荷による電圧が演算増幅器OP3Uでバッファされ
て出力され、図6(e) に示す波形の電圧となり、A/D
コンバータ63Uでディジタルデータに変換される。
【0115】こうして得たディジタルデータは送信用シ
フトレジスタ64に供給され、W相のA/Dコンバータ
63Wと交互に読出され、マイクロプロセッサ65のシ
リアル入力回路に供給され、インバータ装置の制御に使
用されることになる。
【0116】ところで、以上はU相アームにおける負荷
電流検出回路の構成と動作についての説明であるが、W
相アームの負荷電流検出回路の構成と動作についても同
じであり、上記のU相アームで説明した各部の記号の末
尾のUをWに変えて読めば良い。
【0117】また、以上の説明は、上アーム又は下アー
ムで第一及び第二の電流検出抵抗が対になっている実施
形態の場合も同様に適用でき、従って、図7〜10につ
いても同様に構成することができ、同じように動作させ
ることができる。
【0118】次に、図14は、本発明における負荷電流
検出回路の他の一例で、図11のインバータ主回路に、
図13で説明した負荷電流検出回路を組み合わせ、過電
流検出回路を設けた場合の一実施形態であり、この図に
おいて、66が過電流検出回路で、その他の構成は図1
3に示した負荷電流検出回路と同じである。
【0119】この過電流検出回路66は、電圧入力〜
を備え、各アームのマルチエミッタ付きスイッチング
素子の電流検出抵抗101U、102V、103W、1
04U、105V、106Wの接続点(同じく〜で
示してある)に現われる電圧を夫々個別に入力するよう
になっている。
【0120】そして、これら入力した検出電圧を、それ
ぞれ予め設定してある過電圧レベルと比較し、負荷側で
の短絡事故発生などにより、何れかのアームの負荷電流
の大きさが過電流レベル以上になったとき、それぞれを
個別に検出して過電流信号OCを発生するように構成し
てある。
【0121】なお、この図14では省略したが、過電流
検出回路66に第2の電流検出器110U、112Wの
両端電圧を取り込み、これにより、ダイオード側の電流
によっても過電流が検出できるようにしても良い。ま
た、この過電流検出回路66は、図12のインバータ主
回路にも適用可能なことは言うまでもない。
【0122】次に、図14のマイクロプロセッサ65に
よる負荷電流検出処理方法の一例について、図15によ
り説明する。この図15では、マイクロプロセッサ65
の一部をソフトウェアのブロック図で表わしたもので、
その他、インバータ主回路と負荷電流検出回路の構成は
図14と同じである。
【0123】マルチエミッタ付きスイッチング素子のマ
ルチエミッタに分流する電流の大きさは、スイッチング
素子の主エミッタと副エミッタの有効面積の比や、半導
体材料の微妙な成分の差、各半導体ウェーハー間での不
純物のバラツキ、製造過程でのクリーンルームにおける
清浄空気の埃含有量の違いなどによってバラツキが生じ
てしまう。
【0124】また、電流検出抵抗の抵抗値のバラツキに
よっても影響を受ける。そして、この電流検出抵抗の抵
抗値は、それをチップ上に形成する際、抵抗材料が絶縁
層の上に拡散されたとき、なかば不可避的に現われてし
まう抵抗体の断面積や長さの変化により、バラツキを生
じてしまう。
【0125】さらに処理回路における2入力反転増幅回
路61U、61Wのゲインのバラツキ、サンプルホール
ド回路62U、62Wに含まれている抵抗やコンデンサ
の特性のバラツキ、A/Dコンバータ63U、63Wの
オフセットのバラツキなどによっても影響を受ける。
【0126】そこで、これらのバラツキを補正するた
め、この図15の実施形態では、予めマイクロプロセッ
サ65により、負荷電流を零にしたときと、或る基準値
の電流を流したとき、それぞれA/Dコンバータ63
U、63Wと、送信用シフトレジスタ64、それに受信
用シフトレジスタ59を介してディジタルデータを取り
込み、これにより補正データを得ておく。
【0127】例えば、初期の調整モードで、負荷電流の
実測値が零のとき、検出したディジタルデータにオフセ
ットがあり、そのオフセット値がU相ではK1b で、W
相ではK2b であったとしたら、これらのディジタル値
を補正係数とし記憶しておき、通常の制御モードのと
き、検出されてくる負荷電流検出データから、これら記
憶してあるオフセット補正係数K1b、K2b を差し引い
てやれば、オフセットをキャンセルすることができる。
【0128】次に、このようにしてオフセット調整した
後、同じく初期の調整モードで、基準値の負荷電流を流
した状態で検出した負荷電流検出値を、既知である規定
のディジタルデータと比較し、両者の比率を演算する。
【0129】このときの比率の演算では、データが正の
ときと負のときとで結果が異なってくるため、正データ
通過処理部57と負データ通過処理部58により分けて
処理し、それぞれ比率の逆数である補正係数K1gp、K
1gn、K2gp、K2gn を算出し、記憶しておく。
【0130】そして、通常の制御モードのとき、検出さ
れてくる負荷電流データに、これらの補正係数K1gp
1gn、K2gp、K2gn を乗算したあと、正と負のデータ
を加算することにより、正しく補正された負荷電流が得
られることになる。
【0131】上記したように、マルチエミッタ付きスイ
ッチング素子は、比較的大きな特性のバラツキを持って
おり、このバラツキを抑えるためには、一般に多大の設
備費用や製品コストの大幅なアップが避けられない。
【0132】また、このとき、場合によっては、コスト
アップが著しくてチップ上への実装を諦め、チップ外に
抵抗素子を実装する方法を取らざるを得ず、この場合に
は、さらに製品コストの大きな上昇が避けられなかっ
た。
【0133】しかしながら、この図15の実施形態によ
れば、スイッチング素子の特性に多少のバラツキがあっ
ても、誤差チューニング動作によりバラツキが補正でき
るので、全く問題がなく高精度で負荷電流が検出でき、
コストを大幅に抑えることができ、高精度のベクトル制
御にも充分に対応可能なインバータ装置を容易に提供す
ることができる。
【0134】次に、図16は、図15のマイクロプロセ
ッサ65による負荷電流検出処理方法の他の一例であ
り、この図16において、67はROM(リード・オン
リ・メモリ)、68はEEPROM(書き替え可能な不揮
発性メモリ)、69はRAM(ランダム・アクセス・メモ
リ)、70はPIA(ペリフェラル・インターフェース・
アダプタ)である。
【0135】ここで、EEPROM68は、上記したオ
フセット補正係数K1b、K2b と、ゲイン補正係数
1gp、K1gn、K2gp、K2gn を記憶する働きをする。
なお、RAM69とPIA70はマイクロプロセッサ6
5の周辺回路である。
【0136】マイクロプロセッサ65は、前述した調整
モードのとき算出したオフセット補正係数K1b、K2b
と、ゲイン補正係数K1gp、K1gn、K2gp、K2gn をE
EPROM68に記憶しておき、通常の制御モードで読
出して補正に使用するように構成してある。
【0137】このEEPROM68は、装置の電源をオ
フにしても、記憶してあるデータは消えないで保持され
る。従って、この図16の実施形態では、通常は、調整
モードで誤差チューニング動作を1回実施すれば済むの
で、取り扱いが大幅に単純化できるという利点がある。
なお、必要に応じて、任意に調整モードにし、補正係数
を更新することができるのは、言うまでもない。
【0138】ところで、上記した図13〜図16の実施
形態では、何れもU相用とW相用に独立したA/Dコン
バータ63U、63Wを用いているが、1個のA/Dコ
ンバータをU相とW相に切替えて使用するように構成し
てもよい。
【0139】次に、図17は、本発明によるインバータ
装置用スイッチングモジュールの一実施形態を示したも
ので、この実施形態によるモジュール28は、マルチエ
ミッタ付き、又はマルチコレクタ付きのスイッチング素
子と、マルチアノード付き、又はマルチカソード付きダ
イオードからなるインバータ主回路において、スイッチ
ング素子を構成する半導体チップとダイオードを構成す
る半導体チップ、それに第一と第二の電流検出抵抗を内
蔵して半導体モジュール化したものである。
【0140】そして、この図17のインバータ装置用ス
イッチングモジュール28は、インバータ主回路とし
て、図1と図7〜図12の何れかにおけるインバータ主
回路を含み、さらに負荷電流検出回路として、図13又
は図14に示した回路も含んだ形でモジュール化したも
のである。なお、ここで平滑コンデンサ27は除かれて
おり、インバータ装置としては、外付けされるようにな
っている。
【0141】具体的には、放熱板を兼ねた金属ベース2
9を用い、その上に図示してない絶縁層を形成してか
ら、さらにその上に、図1、図3で示したスイッチング
素子とダイオードからなるインバータ主回路及び負荷電
流検出回路とを実装し、モールド樹脂又は相当品で絶縁
封止したものである。
【0142】この図17は、図14の実施形態の回路を
モジュール化した場合について例示したもので、モール
ド樹脂上に出ている端子には、この回路に付されている
符号と同じ符号が付してある。そして、このモジュール
28は、金属ベース29に設けてある取付孔30によ
り、インバータ装置の放熱部材などに取り付けられて使
用される。
【0143】従って、この図17に示すインバータ装置
用スイッチングモジュール28によれば、インバータ主
回路回りと負荷電流検出回路回りの配線も含めてモジュ
ール化されているので、別途、電流検出器を設ける必要
が無いことも含めて、インバータ装置の構成を大幅に簡
略化することができ、小型化を充分に図ることができ
る。
【0144】
【発明の効果】本発明によれば、シャント抵抗に流れる
電流の大きさを、実際の負荷電流よりも遥かに小さい電
流値にすることができるので、大きな発熱や損失を伴う
ことなく、シャント抵抗の小型化が得られることにな
り、従って、インバータ装置の小形化及び軽量化と、コ
ストの低減化を充分に図ることができる。
【0145】また、本発明によれば、インバータ装置の
負荷電流をシャント抵抗で検出するようにしたので、高
価な変流器をインバータ装置内に実装する必要がなく、
コストを大幅に抑えることができ、且つ自動組立の適用
が不向きな部品の一種である変流器が不要になるので、
人手による部品の搭載工程が省けることになり、この点
でも大幅なコスト低減を得ることができる。
【0146】さらに、本発明によれば、負荷電流検出の
オフセットの補正やゲイン誤差の補正に必要な係数を不
揮発性メモリに記憶させることもでき、この場合には、
1回の調整作業で済むため、工場出荷時や定期点検時に
調整を行うだけで、ユーザによる複雑な操作が不要にで
き、取り扱いが簡単できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインバータ装置の第1の実施形態
を示す回路図である。
【図2】本発明のインバータ装置におけるマルチ電極型
スイッチング素子の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態によるインバータ装置にお
けるマルチ電極型ダイオードの説明図である。
【図4】本発明の一実施形態によるインバータ主回路に
おける電流検出動作の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態によるインバータ主回路に
おける電流検出動作の説明図である。
【図6】本発明の一実施形態によるインバータ主回路の
動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】本発明によるインバータ装置の第2の実施形態
を示す回路図である。
【図8】本発明によるインバータ装置の第3の実施形態
を示す回路図である。
【図9】本発明によるインバータ装置の第4の実施形態
を示す回路図である。
【図10】本発明によるインバータ装置の第5の実施形
態を示す回路図である。
【図11】本発明によるインバータ装置の第6の実施形
態を示す回路図である。
【図12】本発明によるインバータ装置の第7の実施形
態を示す回路図である。
【図13】本発明の一実施形態における負荷電流検出回
路の一例を示す回路図である。
【図14】本発明の一実施形態における過電流検出回路
を含む負荷電流検出回路の一例を示す回路図である。
【図15】本発明の一実施形態における過電流検出回路
を含む負荷電流検出回路の他の一例を示す回路図であ
る。
【図16】本発明の一実施形態における過電流検出回路
を含む負荷電流検出回路の更に別の一例を示す回路図で
ある。
【図17】本発明によるインバータ装置用スイッチング
モジュールの一実施形態を示す説明図である。
【図18】従来技術によるインバータ主回路の一例を示
す回路図である。
【図19】パルス幅変調方式インバータの動作を説明す
るためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1〜6 スイッチング素子 1E〜6E マルチエミッタ付きスイチング素子 1C〜6C マルチコレクタ付きスイッチング素子 7〜12 ダイオード(フライホィールダイオード) 7K、9K マルチカソード付きダイオード 10A、12A マルチアノード付きダイオード 21 インバータの出力端子(U相) 22 インバータの出力端子(V相) 23 インバータの出力端子(W相) 24 負荷(3相誘導電動機) 25 直流母線正側端子 26 直流母線負側端子 27 平滑コンデンサ 28 インバータモジュール 29 ベース 30 取付孔 51E、53E PNP型マルチエミッタ付きスイチン
グ素子 52、54、55、56 PNP型タイプスイッチング
素子 101U、102V、103W、104U、105V、
106W 第一の電流検出抵抗 107U、109W、110U、112W 第二の電流
検出抵抗 113U、114V、115W、116U、117V、
118W スイッチング素子側負荷電流検出回路 119U、121W、122U、124W ダイオード
側負荷電流検出回路
フロントページの続き (72)発明者 高瀬 真人 千葉県習志野市東習志野7丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 森永 茂樹 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5H007 AA06 AA12 BB06 CA01 CB05 CC07 DC02 FA03 FA06 HA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータ主回路の各相の上アームと下
    アームにスイッチング素子とダイオードの逆並列回路を
    備えたインバータ装置において、 前記上アームと下アームの何れかのスイッチング素子を
    マルチ電極型スイッチング素子とした上で、該マルチ電
    極型スイッチング素子のマルチ電極にシャント抵抗を直
    列に接続し、 該シャント抵抗に現われる電圧降下に基づいて、該マル
    チ電極型スイッチング素子が設けられているアームの電
    流を検出するように構成したことを特徴とするインバー
    タ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、 前記マルチ電極型スイッチング素子に逆並列接続された
    ダイオードがマルチ電極型ダイオードであり、 該マルチ電極型ダイオードのマルチ電極にはシャント抵
    抗が直列に接続されていて、 該シャント抵抗に現われる電圧降下に基づいて、前記マ
    ルチ電極型ダイオードに流れる電流が検出されるように
    構成したことを特徴とするインバータ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の発明において、 前記シャント抵抗に現われる電圧降下を取り込んで、前
    記アームの電流を検出する電流検出手段を備え、 該電流検出手段は、調整モードのとき、電流検出特性の
    バラツキを検出して補正係数を演算し、動作モードで
    は、前記補正係数により前記電流の検出結果を補正する
    ように構成されていることを特徴とするインバータ装
    置。
  4. 【請求項4】 インバータ主回路を構成する上アームと
    下アームの一部にマルチ電極型スイッチング素子を含む
    複数個のスイッチング素子と、前記マルチ電極スイッチ
    ング素子のマルチ電極に直列に接続されたシャント抵抗
    体とを一体に半導体モジュール化して構成したことを特
    徴とするインバータ装置用スイッチングモジュール。
  5. 【請求項5】 請求項4の発明において、 前記インバータ主回路を構成する上アームと下アームの
    マルチ電極型スイッチング素子を含む複数個のスイッチ
    ング素子が、それらスイッチング素子に逆並列接続され
    たマルチ電極ダイオードを含む複数個ダイオードを備
    え、 該マルチ電極ダイオードのマルチ電極に直列に接続され
    たシャント抵抗体と共に一体に半導体モジュール化され
    ていることを特徴とするインバータ装置用スイッチング
    モジュール。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5の発明において、 前記シャント抵抗体に現われる電圧降下を取り込んで、
    前記アームの電流を検出する電流検出回路も含めて半導
    体モジュール化されていることを特徴とするインバータ
    装置用スイッチングモジュール。
JP10304434A 1998-10-26 1998-10-26 インバータ装置及びインバータ装置用スイッチングモジュール Pending JP2000134955A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10304434A JP2000134955A (ja) 1998-10-26 1998-10-26 インバータ装置及びインバータ装置用スイッチングモジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10304434A JP2000134955A (ja) 1998-10-26 1998-10-26 インバータ装置及びインバータ装置用スイッチングモジュール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000134955A true JP2000134955A (ja) 2000-05-12

Family

ID=17932968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10304434A Pending JP2000134955A (ja) 1998-10-26 1998-10-26 インバータ装置及びインバータ装置用スイッチングモジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000134955A (ja)

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009232514A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Sanyo Electric Co Ltd 保護回路、半導体装置、電気機器
JP2011149926A (ja) * 2009-12-24 2011-08-04 Fuji Electric Co Ltd パワー半導体デバイスの電流検出回路
JP2011160585A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Fanuc Ltd 動力線の損失を少なくとも表示または出力する機能を有する電動機制御装置
JP2011259529A (ja) * 2010-06-04 2011-12-22 Denso Corp 電流検出回路およびそれを有するインバータ回路が備えられる半導体装置
EP2439545A2 (en) 2010-10-08 2012-04-11 Fuji Electric Co., Ltd. Power semiconductor device current detector circuit and detection method
EP2444817A2 (en) 2010-10-22 2012-04-25 Fuji Electric Co., Ltd. Current detection circuit for a power semiconductor device
JP2012149934A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Toyota Motor Corp 電流検出回路
JP5304967B1 (ja) * 2012-09-20 2013-10-02 富士電機株式会社 電力変換装置
US8598942B2 (en) 2011-07-06 2013-12-03 Fuji Electric Co., Ltd. Current correction circuit for power semiconductor device and current correction method
WO2014112232A1 (ja) * 2013-01-16 2014-07-24 富士電機株式会社 電力変換装置
US8854033B2 (en) 2010-06-04 2014-10-07 Denso Corporation Current sensor, inverter circuit, and semiconductor device having the same
JP2015089295A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 トヨタ自動車株式会社 電力変換装置
WO2015064222A1 (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 トヨタ自動車株式会社 半導体装置
WO2015165622A1 (de) * 2014-04-30 2015-11-05 Robert Bosch Gmbh Steuervorrichtung für einen elektromotor, fahrzeug und verfahren
WO2015169479A1 (de) * 2014-05-09 2015-11-12 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum wechsel eines betriebszustands einer elektrischen maschine und vorrichtung zum betriebszustandswechsel einer elektrischen maschine
JP2016039384A (ja) * 2014-08-05 2016-03-22 株式会社デンソー 半導体スイッチング素子の駆動回路及び半導体スイッチング素子モジュール
CN106053929A (zh) * 2015-04-14 2016-10-26 瑞萨电子株式会社 半导体器件的电流检测方法和半导体器件
US11316516B2 (en) 2018-09-18 2022-04-26 Denso Corporation Circuit fault detection apparatus
WO2022086900A1 (en) * 2020-10-20 2022-04-28 Milwaukee Electric Tool Corporation Current sensing in power tool devices using a field effect transistor

Cited By (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009232514A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Sanyo Electric Co Ltd 保護回路、半導体装置、電気機器
JP2011149926A (ja) * 2009-12-24 2011-08-04 Fuji Electric Co Ltd パワー半導体デバイスの電流検出回路
JP2011160585A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Fanuc Ltd 動力線の損失を少なくとも表示または出力する機能を有する電動機制御装置
US8854033B2 (en) 2010-06-04 2014-10-07 Denso Corporation Current sensor, inverter circuit, and semiconductor device having the same
JP2011259529A (ja) * 2010-06-04 2011-12-22 Denso Corp 電流検出回路およびそれを有するインバータ回路が備えられる半導体装置
EP2439545A2 (en) 2010-10-08 2012-04-11 Fuji Electric Co., Ltd. Power semiconductor device current detector circuit and detection method
US8659864B2 (en) 2010-10-08 2014-02-25 Fuji Electric Co., Ltd. Power semiconductor device current detector circuit and detection method
EP2444817A2 (en) 2010-10-22 2012-04-25 Fuji Electric Co., Ltd. Current detection circuit for a power semiconductor device
JP2012090499A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Fuji Electric Co Ltd パワー半導体デバイスの電流検出回路
US8644038B2 (en) 2010-10-22 2014-02-04 Fuji Electric Co., Ltd. Current detection circuit for a power semiconductor device
JP2012149934A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Toyota Motor Corp 電流検出回路
US8598942B2 (en) 2011-07-06 2013-12-03 Fuji Electric Co., Ltd. Current correction circuit for power semiconductor device and current correction method
JP5304967B1 (ja) * 2012-09-20 2013-10-02 富士電機株式会社 電力変換装置
WO2014045380A1 (ja) * 2012-09-20 2014-03-27 富士電機株式会社 電力変換装置
US8934274B2 (en) 2012-09-20 2015-01-13 Fuji Electric Co., Ltd. Power conversion apparatus
EP2738931A4 (en) * 2012-09-20 2015-07-22 Fuji Electric Co Ltd POWER CONVERSION DEVICE
CN103828216A (zh) * 2012-09-20 2014-05-28 富士电机株式会社 电力转换装置
US9667129B2 (en) 2013-01-16 2017-05-30 Fuji Electric Co., Ltd. Power conversion device with overcurrent protection
WO2014112232A1 (ja) * 2013-01-16 2014-07-24 富士電機株式会社 電力変換装置
JP2014138484A (ja) * 2013-01-16 2014-07-28 Fuji Electric Co Ltd 電力変換装置
DE112013004181B4 (de) 2013-01-16 2024-06-13 Fuji Electric Co., Ltd. Stromrichtvorrichtung
JP2015089295A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 トヨタ自動車株式会社 電力変換装置
WO2015064222A1 (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 トヨタ自動車株式会社 半導体装置
WO2015165622A1 (de) * 2014-04-30 2015-11-05 Robert Bosch Gmbh Steuervorrichtung für einen elektromotor, fahrzeug und verfahren
US9837947B2 (en) 2014-04-30 2017-12-05 Robert Bosch Gmbh Control device for an electric motor, vehicle and method
US10003283B2 (en) 2014-05-09 2018-06-19 Robert Bosch Gmbh Method for changing an operating state of an electric machine and device for changing the operating state of an electric machine
WO2015169479A1 (de) * 2014-05-09 2015-11-12 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum wechsel eines betriebszustands einer elektrischen maschine und vorrichtung zum betriebszustandswechsel einer elektrischen maschine
JP2016039384A (ja) * 2014-08-05 2016-03-22 株式会社デンソー 半導体スイッチング素子の駆動回路及び半導体スイッチング素子モジュール
CN106053929A (zh) * 2015-04-14 2016-10-26 瑞萨电子株式会社 半导体器件的电流检测方法和半导体器件
JP2016200570A (ja) * 2015-04-14 2016-12-01 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置の電流検出方法および半導体装置
US11316516B2 (en) 2018-09-18 2022-04-26 Denso Corporation Circuit fault detection apparatus
WO2022086900A1 (en) * 2020-10-20 2022-04-28 Milwaukee Electric Tool Corporation Current sensing in power tool devices using a field effect transistor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000134955A (ja) インバータ装置及びインバータ装置用スイッチングモジュール
KR100617884B1 (ko) 펄스폭변조기시스템
JP5655367B2 (ja) モータ駆動装置
JP5556353B2 (ja) モータ電流検出器及びモータ制御装置
US6122184A (en) Method and system for an improved converter output filter for an induction drive system
JPH03270677A (ja) インバータ回路
KR19990077181A (ko) 모우터 구동제어
JP6848183B2 (ja) 電流検出装置および半導体装置
KR20060065499A (ko) 감소된 기생 인덕턴스를 갖는 전력 반도체 모듈
CN106487264B (zh) 驱动功率半导体器件的半导体集成电路器件及电子器件
JP5716158B2 (ja) モータ電流検出用ic、およびこれを用いた電流検出器またはモータ制御装置
EP2388598A2 (en) Motor current detecting IC and motor current detector or motor control apparatus using the same
JP4672392B2 (ja) インバータ装置
JPH0216117B2 (ja)
US4618809A (en) Apparatus for converting single-phase power to three-phase outputs
US6724599B2 (en) Power semiconductor device
JPS6332038B2 (ja)
JP3733986B2 (ja) 出力電流方向判別方法およびその方法を用いたインバータ
EP0539335A1 (en) A linear feedback control circuit for a half-wave polyphase brushless motor
US6359406B1 (en) Three-phase direction-current (DC) brushless motor with hall elements
JPH06327262A (ja) インバータの保護装置
JP3469602B2 (ja) 同期サンプリングを使用した発電機リップルをフィルタする方法及び装置
US10720871B2 (en) Driving circuit and motor
JP2011010510A (ja) 電力変換装置
JP5477159B2 (ja) モータ電流検出用ic、およびこれを用いた電流検出器またはモータ制御装置