JP2000133817A - 半導体圧力センサおよびその製造方法 - Google Patents
半導体圧力センサおよびその製造方法Info
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Abstract
室を形成してなる半導体圧力センサにおいて、両基板を
接合するための熱処理工程の際に接合界面から発生する
ガスによって、基準圧力室内の圧力が不均一となるのを
防止する。 【解決手段】 半導体圧力センサ100は、一面側にキ
ャビティ3を形成した第1の半導体基板1に対して、キ
ャビティ3を覆うように第1の半導体基板1の一面に第
2の半導体基板2を貼り合わせ、熱処理を行って接合す
ることにより、キャビティ3と第2の半導体基板2とに
より基準圧力室を形成してなる。さらに、両基板1、2
の接合界面におけるキャビティ3の周囲には、前記熱処
理の際に接合界面から発生するガスをトラップするため
のトラップ室5がキャビティ3を取り囲むように配設さ
れている。
Description
およびその製造方法に関するものである。
は、例えば、Sensors andActuator
s A56(1996)273−277「Gas de
velopment at interface of
directly boned silicon w
afers:investigation on si
licon−based pressure sens
ors」において発表されたものがある。
の裏面側(一面側)からウエットエッチングにより、キ
ャビティ及びダイヤフラムを形成し、このキャビティが
形成された基板(第1の半導体基板)とベアウエハ(第
2の半導体基板)とを真空中で貼り合わせ、熱処理を行
って接合することにより、キャビティとベアウエハとに
より基準圧力室を形成してなる。
基板を熱処理することにより、貼り合わされた両基板の
界面において酸化膜等が形成され、両基板の結合の状態
が水素結合から共有結合に変化し、接合が行われる。
者等の検討によれば、上記熱処理工程の際に、両基板や
接合時に界面に形成される酸化膜からO2 、H2 、H2
O等のガスが発生し、それが界面を伝わってキャビティ
内に入り込むため、キャビティ内即ち出来上がったセン
サの基準圧力室内の圧力が不均一となる。
わせることで基準圧力室を形成してなる半導体圧力セン
サにおいて、両基板を接合するための熱処理工程の際に
接合界面から発生するガスによって、基準圧力室内の圧
力が不均一となるのを防止することを目的とする。
め、請求項1記載の発明では、一面側にキャビティ
(3)が形成された第1の半導体基板(1)に対して、
キャビティ(3)を覆うように第1の半導体基板(1)
の一面に第2の半導体基板(2)を貼り合わせ、熱処理
を行って接合することにより、キャビティ(3)と第2
の半導体基板(2)とにより基準圧力室を形成してなる
半導体圧力センサにおいて、両基板(1、2)の接合界
面におけるキャビティ(3)の周囲に、熱処理の際に接
合界面から発生するガスをトラップするためのトラップ
室(5、50、51)を配設したことを特徴としてい
る。
(3)の周囲にトラップ室(5、50、51)が配設さ
れているから、熱処理の際に接合界面で発生するガス
は、接合界面に沿ってキャビティ(3)内に入る前にト
ラップ室にトラップされ、キャビティ内に入らない。そ
のため、該ガスによって、出来上がったセンサにおける
基準圧力室内の圧力が不均一となるのを防止することが
でき、所望の圧力に維持され、ばらつきのない圧力とし
た基準圧力室を実現できる。
の半導体基板(1)内部に凹んだ凹部(4、40)と第
2の半導体基板(2)とにより区画された室からなるト
ラップ室(5、50)としたり(請求項2の発明)、接
合界面から第2の半導体基板(2)内部に凹んだ凹部
(41)と第1の半導体基板(1)とにより区画された
室からなるトラップ室(51)とできる(請求項3の発
明)。
室(5、50、51)を、キャビティ(3)を取り囲む
ように配設しているから、熱処理の際に接合界面で発生
するガスを効率よくトラップすることができる。また、
請求項5記載の発明では、トラップ室(5、50、5
1)を、キャビティ(3)に対して対称に配置している
から、キャビティ(3)に対応して位置するダイアフラ
ム(6)にかかる応力を均一にできる。また、トラップ
室はキャビティの周囲に複数個あってもよい。
両基板を貼り合わせることで基準圧力室を形成してなる
半導体圧力センサの製造方法に係るものである。即ち、
請求項6記載の製造方法では、第1の半導体基板(1)
の一面側にキャビティ(3)及び該キャビティの周囲に
凹部(4、40)を形成する工程(S5、、S40、S
50)と、第1の半導体基板(1)の一面側と第2の半
導体基板(2)の一面側とを貼り合わせて熱処理を行う
ことにより接合し、キャビティ(3)内を基準圧力室に
すると共に凹部(4、40)と第2の半導体基板(2)
とにより区画された室を形成する工程(S8、S9)
と、第1の半導体基板(1)又は第2の半導体基板
(2)の他面側を薄肉化して、基準圧力室を一面側とす
るダイヤフラム(6)を形成する工程(S11)と、を
有することを特徴としている。
一面側にキャビティ(3)及び該キャビティ(3)の周
囲に凹部(4、40)を形成した後、この一面側と第2
の半導体基板(2)を接合するという簡単な方法で、基
準圧力室及び接合界面におけるキャビティ(3)の周囲
に凹部(4、40)と第2の半導体基板(2)とにより
区画された室、つまり上記トラップ室(5、50)を形
成できる。そして、トラップ室(5、50)に、接合時
の熱処理により発生するガスをトラップでき、出来上が
ったセンサにおける基準圧力室内の圧力が不均一となる
のを防止することができる。
のキャビティ及び凹部を形成する工程(S40、S5
0)において、第1の半導体基板(1)の一面側におけ
るキャビティ(3)の形成領域の周囲に、キャビティ
(3)の深さよりも深いトレンチ(32)を形成し該ト
レンチを充填材(33、34)で埋めた後、第1の半導
体基板(1)の一面側から充填材(33、34)の一部
をエッチングすることにより凹部(40)を形成し、上
記のダイヤフラムを形成する工程(S11)において、
充填材(33、34)をストッパとした研磨を行うこと
により、第1の半導体基板(1)の他面側を薄肉化する
ことを特徴としている。
加えて、ダイヤフラム形成工程に用いられるストッパ部
(12)を形成する際に、トラップ室形成用の凹部(4
0)も一緒に形成できるから、製造工程の簡略化が図れ
る。ここで、充填材(33、34)としては第1の半導
体基板(1)よりも研磨されにくい部材である酸化膜や
酸化膜の上に多結晶シリコンを成膜した構造等を用いる
ことが出来る。
の半導体基板(1)の一面側にキャビティ(3)を形成
する工程(S51)と、第2の半導体基板(2)の一面
に絶縁膜(60)を形成し、第2の半導体基板(2)の
一面のうちキャビティ(3)を覆う領域の周囲に位置す
る絶縁膜(60)の一部を、エッチングして除去し、そ
の部分を凹部(41)とする工程(S12)と、第1の
半導体基板(1)の一面側と第2の半導体基板(2)の
一面側とを貼り合わせて熱処理を行うことにより接合
し、キャビティ(3)内を基準圧力室にすると共に凹部
(41)と第1の半導体基板(1)とにより区画された
室を形成する接合工程(S8、S9)と、第1の半導体
基板(1)又は第2の半導体基板(2)の他面側を薄肉
化して、基準圧力室を一面側とするダイヤフラム(6)
を形成するダイヤフラム形成工程(S11)と、を有す
ることを特徴としている。
導体基板(1)とにより区画された室を形成すること
で、この室をトラップ室(51)とできる。そして、ト
ラップ室(51)に、接合時の熱処理により発生するガ
スをトラップでき、出来上がったセンサにおける基準圧
力室内の圧力が不均一となるのを防止することができ
る。
実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例であ
る。
の第1実施形態に係る半導体圧力センサ(以下、単にセ
ンサという)100の断面図を示し、図2にその平面図
を示す。なお、図1は、図2におけるA−A断面を示し
ている。
の半導体基板1と第2の半導体基板2が酸化膜2aを介
して接合され、この酸化膜2aが両基板1、2の接合界
面を構成する。この酸化膜2aは後述のように、両基板
1、2の接合時に形成されるものであるが、その接合時
において必ず形成されるものではなく、両基板1、2の
接合界面に存在しない場合もある。
板内部側に凹んだキャビティ3及びが形成されているた
め、第1の半導体基板1と第2の半導体基板2が接合さ
れることによって基準圧力室が形成されている。なお、
第1の半導体基板1と第2の半導体基板2は真空中で接
合されているため、基準圧力室内は真空状態となってい
る。以下、センサ100におけるキャビティ3を基準圧
力室という。
室3を取り囲むように、第1の半導体基板1の接合界面
よりも基板内部側に凹んだ凹部(トラップ溝)4が形成
されている。そのため、第1の半導体基板1と第2の半
導体基板2が接合されることによって、凹部4と第2の
半導体基板2とにより区画された室であるトラップ室5
が、基準圧力室3を取り囲むように形成されている。
合時の熱処理により発生する脱ガスが入り込むため、基
準圧力室3内が高真空に保たれる。また、このトラップ
室5は基準圧力室3を中心に対称的に配置されており、
ダイアフラム6にかかる応力が不均一にならないように
なっている。本例では、形成されているトラップ室5の
本数は、基準圧力室3の周りに1本であるが、1本以上
でも構わない。両基板1、2の接合面積が大きい場合に
は、脱ガス量が増加するため、トラップ室5の本数を増
やすかトラップ室5の体積を大きくすればよい。
体であるダイアフラム6となっており、このダイヤフラ
ム6には、圧力検出素子としてのピエゾ抵抗素子(歪み
ゲージ素子)7が4本形成されている。ここで、ピエゾ
抵抗素子7は、図2に示すように、シリコン低抵抗領域
8で相互に接続されて、ホイトンストンブリッジ回路を
形成している。また、基板表面にはシリコン酸化膜等か
らなる絶縁膜9が形成されており、この絶縁膜9に形成
されたコンタクトホール10を介して、低抵抗領域8
は、Al等よりなる低抵抗配線層11に接続されてい
る。
圧力室3及びトラップ室5の周囲には、第2の半導体基
板2との接合界面から基板表面の絶縁膜9に貫通するス
トッパ部12が、形成されている。このストッパ部12
は、後述の製造工程において、第1の半導体基板1を研
磨してダイヤフラム6を形成する際のストッパとなるも
ので、第1の半導体基板1を構成するシリコンよりも研
磨されにくい部材(例えば酸化膜、多結晶シリコン等)
を、第1の半導体基板1に形成したトレンチに充填する
ことで構成されている。
圧力を受けて変形することによって生じる歪みをピエゾ
抵抗素子7が検出する。このピエゾ抵抗素子7からの検
出信号は、低抵抗領域8、低抵抗配線層11を介して外
部に設けられた信号処理回路に出力される。このことに
よって圧力が検出される。次に、上記したセンサ100
の製造方法について、図3(a)〜(f)及び図4
(a)及び(b)に基づいて説明する。なお、図3
(a)〜(f)及び図4(a)及び(b)は、上記セン
サ100を製造工程順に示した断面図である。
が約625μmのシリコン基板である第1の半導体基板
1を用意する。この第1の半導体基板1の一面に熱酸化
膜30を成膜する(熱酸化膜形成工程S1)。この熱酸
化膜30は、トラップ室用の凹部4、後の研磨(ダイア
フラム形成工程)時のストッパとなるトレンチ部分およ
びキャビティ3を形成する場合のマスクとして用いる。
膜厚は例えば5000Åとできる。
体基板1の一面に形成された熱酸化膜30の所定領域
を、ホトエッチングによりパターニングし、凹部31を
形成する(凹部形成工程S2)。そして、図3(c)に
示す様に、ドライエッチングにより、この凹部31部分
のシリコンをエッチンングし、トレンチ部32を形成す
る(トレンチ形成工程S3)。例えば、トレンチ部32
の深さは第1のシリコン基板1の一面から15μm程度
とできる。
32の側壁に酸化膜33を形成し、さらに多結晶シリコ
ン(多結晶Si)34によりトレンチ部32を埋め戻
す。その後、研磨により表面の多結晶シリコンを除去
し、さらにウエットエッチングあるいはドライエッチン
グにより多結晶シリコンをオーバーエッチングする(ス
トッパ部形成工程S4)。
残さず、且つ、トレンチ部の多結晶シリコンが表面より
上に飛び出すことを防ぐためである。なお、酸化膜のみ
でトレンチ部32を埋め戻し、同様に、研磨及びオーバ
ーエッチングを行ってもよい。こうしてストッパ部12
が形成される。なお、酸化膜33及び多結晶シリコン3
4が本発明でいう充填材に相当する。
0をホトエッチングによりパターニングして所定領域に
開口部(凹部)34を形成した後、熱酸化膜30をマス
クとし、エッチング液としてKOH等のアルカリ性溶液
を用いた異方性エッチング(により、第1の半導体基板
1に、キャビティ3及びトラップ室形成用の凹部4を形
成する(キャビティ形成工程S5)。
り、トレンチ部32(ストッパ部12)の深さとキャビ
ティ3の深さとの差が、ダイアフラム6の厚さとなるの
で、このエッチング量の制御は重要である。例えば、厚
さ2.5μmのダイアフラム6となるようにシリコンを
この段階では12.5μmエッチングする。また、この
とき、トラップ室形成用の凹部4の開口幅を2〜3μm
にすると、深さが2〜3μm程度でエッチングが止まる
ため、マスク1枚でキャビティ3と凹部4の形成が可能
である。
酸化膜30を除去する。具体的には、HF:NH4 F=
1:10の溶液を用いてウエットエッチングにより行う
(酸化膜除去工程S6)。次に、第1のシリコン基板1
と第2のシリコン基板2を洗浄する。洗浄方法は一般的
なRCA洗浄(SC−1、希HF、SC−2)により行
う。続いて、第1の半導体基板1と第2の半導体基板2
の親水化処理を行う。具体的には、キャロス(H2 SO
4 :H2 O2 =4:1)にて、120℃、10分間処理
後、水洗を30分以上行い、スピンドライヤーで乾燥さ
せる(洗浄工程S7)。
1と第2の半導体基板2を投入し、真空引きを行う。こ
のとき、第1の半導体基板1と第2の半導体基板2は接
触させず、離した状態にするとキャビティ3内部の真空
引きが効率良く行われる。そして、図4(a)に示す様
に、真空中で第1の半導体基板1の一面側と第2の半導
体基板2の一面側を貼り合わせ、そのままの状態で両基
板1、2を常温のまま所定の時間(例えば10分間)保
持する。このとき、両基板1、2の接合界面には、水素
結合が形成され、仮接合される(仮接合工程S8)。こ
こで歩留り向上のためには加圧することが望ましい。
半導体基板2を接合することによって、キャビティ3内
が基準圧力室になると共に、凹部4と第2の半導体基板
2とにより区画された室としてのトラップ室5が形成さ
れる。次に、接合強度を高めるために、仮接合した試料
を真空チャンバー内から取り出し、1150℃で1時間
の熱処理を行う(熱処理工程S9)。このとき、酸素雰
囲気中で熱処理を行う。このとき、両基板1、2の接合
界面には、酸化膜2aが形成され、両基板1、2間は共
有結合によって接合される。また、第1及び第2の半導
体基板1、2の表面(他面)にも酸化膜35、36が形
成される。
板1、2や接合界面に形成される酸化膜2aからO2 、
H2 、H2 O等のガスが発生し、それが接合界面を伝わ
って基準圧力室3に向かうが、基準圧力室3に入る前に
トラップ室5にトラップされるため、基準圧力室3(キ
ャビティ)内に入らない。次に、第1の半導体基板1の
表面(他面)の酸化膜35を除去する。具体的には、研
削やエッチング等により除去できる(酸化膜除去工程S
10)。
導体基板1の表面(他面)を研削および研磨により薄肉
化する。研磨は選択研磨を用い、トレンチ部32にある
酸化膜33即ちストッパ部12でストップするようにな
っているため、特に時間制御は必要ない。このように第
1の半導体基板1を研削もしくは研磨によって薄肉化す
ることにより、基準圧力室3を一面側とするダイヤフラ
ム6が形成される(ダイヤフラム形成工程S11)。
基板2の他面側の酸化膜36を除去し、通常のIC製造
プロセスを用いて、層間絶縁のための絶縁膜9、ピエゾ
抵抗素子7、低抵抗領域8、配線層11等を形成して、
図1、図2に示すセンサ100を得る。ところで、本実
施形態のセンサ100によれば、接合界面における基準
圧力室3の周囲にトラップ室5が配設された構成として
いるから、熱処理工程S9の際に接合界面で発生するガ
スは、接合界面に沿ってキャビティ3内に入る前にトラ
ップ室5にトラップされ、キャビティ3内に入らない。
そのため、該ガスによって、出来上がったセンサ100
における基準圧力室3内の圧力が不均一となるのを防止
することができ、所望の圧力に維持され、ばらつきのな
い圧力とした基準圧力室3を実現できる。
ば、トラップ室5を、基準圧力室3を取り囲むように且
つ基準圧力室3に対して対称に配設しているから、熱処
理工程S9の際に接合界面で発生するガスを効率よくト
ラップすることができ、ダイアフラム6にかかる応力を
均一にできる。また、上記した製造方法によれば、キャ
ビティ形成工程S5において第1の半導体基板1の一面
側にキャビティ3及びトラップ室形成用の凹部4をドラ
イエッチングにより同時に形成できるから効率的であ
る。そして、その後、両基板1、2を接合するだけの簡
単な工程により、基準圧力室3及びトラップ室5を形成
できる。
第2の半導体基板1、2を貼り合わせる場合に、真空中
で仮接合を行う仮接合工程S8と、大気圧中で熱処理を
行う熱処理工程S9に分けているから、貼り合わせ基板
を用いて基準圧力室を真空にした構造の半導体圧力セン
サを容易に製造することができる。 (第2実施形態)本第2実施形態に係るセンサ200の
製造工程を、図5(a)〜(f)及び図6(a)〜
(c)に基づいて説明する。以下、主として、上記第1
実施形態と異なるところについて述べ、同一部分には図
中同一符号を付し、説明を簡略する。なお、図5及び図
6は、上記センサ200を製造工程順に示した断面図で
ある。まず、図6(c)に基づいて本実施形態のセンサ
200の構成を述べる。
部(トラップ溝)40が、ストッパ部12の部分にて、
接合界面よりも第1の半導体基板1の基板内部側に凹ん
だ構成となっていることが上記第1実施形態と異なる。
そして、トラップ室50は、この凹部40と第2の半導
体基板2とにより区画される室として構成される。ま
た、上記図2に示す様に、ストッパ部12は配置されて
いるため、本実施形態におけるトラップ室50の平面配
置構成は、このストッパ部12の配置と同様に、基準圧
力室3の周囲に対称に4箇所配置されている。
法について、図5及び図6に基づいて説明する。まず、
上記第1実施形態と同様に、第1の半導体基板1を用意
し、熱酸化膜形成工程S1(図5(a))、凹部形成工
程S2(図5(b))、トレンチ形成工程S3(図5
(c))を行い、第1の半導体基板1の一面に熱酸化膜
30及びこの熱酸化膜30上に開口するトレンチ部32
を形成する。
及び凹部形成工程S40を行う。具体的には、上記第1
実施形態のストッパ部形成工程S4の要領にて、トレン
チ部32を酸化膜33及び多結晶シリコン34により埋
め戻す。ここで、本工程S40では、トレンチ部32を
埋めた酸化膜33あるいは多結晶シリコン34をオーバ
ーエッチングする際に、そのエッチング深さは、上記第
1実施形態よりも深くする。これは、このオーバーエッ
チングした部分が、トラップ室形成用の凹部40となる
ためであり、例えば、エッチング量が第1の半導体基板
1の一面から1μm以上の深さとなるようにエッチング
する。
埋め戻した場合には、後のキャビティ形成工程S50後
の酸化膜除去工程S6を行う際に、表面の熱酸化膜30
の除去と同時にトレンチ部32の酸化膜33の一部を除
去し、トラップ室形成用の凹部40を形成する。次に、
図5(e)に示す様に、キャビティ形成工程S50を行
う。本実施形態では、既にストッパ部12にトラップ室
形成用の凹部40を形成してあるので、キャビティ3の
み形成する。具体的には、熱酸化膜30をホトエッチン
グによりパターニングして所定領域に開口部(凹部)3
4を形成した後、熱酸化膜30をマスクとし、ドライエ
ッチングによりキャビティ3を形成する。また、このエ
ッチングとして、上記第1実施形態と同様に、ウエット
エッチング即ち、エッチング液としてKOHなどのアル
カリ性溶液を用いた異方性エッチングを行い、キャビテ
ィ3を形成してもよい。
り、トレンチ32の深さとキャビティ3の深さとの差
が、ダイアフラム6の厚さとなるので、このエッチング
量の制御は重要である。例えば、厚さ2.5μmのダイ
アフラム6となるようにシリコンをこの段階では12.
5μmエッチングする。続いて、上記第1実施形態と同
様に、酸化膜除去工程S6(図5(f))、洗浄工程S
7、仮接合工程S8、熱処理工程S9(図6(a))を
行う。熱処理工程S9の際に、両基板1、2や接合界面
に形成される酸化膜2aからO2 、H2、H2 O等のガ
スが発生し、それが接合界面を伝わって基準圧力室3に
向かうが、基準圧力室3に入る前にトラップ室50にト
ラップされるため、基準圧力室3(キャビティ)内に入
らない。
除去工程S10、ダイヤフラム形成工程S11を行い
(図6(b))、基準圧力室3を一面側とするダイヤフ
ラム6が形成される。その後、HF水溶液等により酸化
膜36を除去し、通常のIC製造プロセスを用いて、層
間絶縁のための絶縁膜9、ピエゾ抵抗素子7、低抵抗領
域8、配線層11等を形成して、図6(c)に示すセン
サ200を得る。
上記第1実施形態のセンサ100と同様の作用効果を奏
する。また、本実施形態の製造方法によれば、ダイヤフ
ラム形成工程S11に用いられるストッパ部12を形成
する際に、トラップ室形成用の凹部40も一緒に形成で
きるから、製造工程の簡略化が図れる。
ンサ300の製造工程を、図7(a)〜(d)、図8
(a)〜(e)及び図9(a)〜(e)に基づいて説明
する。以下、主として、上記第1実施形態と異なるとこ
ろについて述べ、同一部分には図中同一符号を付し、説
明を簡略する。なお、図8及び図9は、上記センサ30
0を製造工程順に示した断面図である。まず、図9
(e)に基づいて本実施形態のセンサ300の構成を述
べる。
基板1と第2の半導体基板2が酸化膜(絶縁膜)2bを
介して接合されているが、この酸化膜2bは後述のよう
に、予め第2の半導体基板2の接合面に形成したもので
あり、第2の半導体基板2の一部として構成されてい
る。よって、第1の半導体基板1と酸化膜2bとの界面
が、両基板1、2の接合界面に相当する。
1は、接合界面よりも第2の半導体基板2の基板内部側
に、酸化膜2bの厚み分もしくはその厚み以上、凹んだ
構成となっていることが上記両実施形態と異なる。そし
て、トラップ室51は、この凹部41と第1の半導体基
板1とにより区画される室として構成される。このトラ
ップ室51の平面配置構成は、上記図2に示す配置と同
様であり、基準圧力室3を取り囲むように、且つ、基準
圧力室3を中心に対称的に配置されている。
法について、図7〜図9に基づいて説明する。まず、両
基板1、2の接合時の位置合わせを容易にするため、第
1及び第2の半導体基板1、2の端面をダイシングソー
によりカットする。具体的には、図7に示す様に、最初
に、第1の半導体基板1をオリフラ(オリエンテーショ
ンフラット)A1に対して平行にカットし(図7
(a))、つぎに、オリフラA1に対して垂直にカット
する(図7(b))。
に対して平行にカットし(図7(c))、次に、第1の
半導体基板1と左右逆の位置において、オリフラB1に
対して垂直にカットする(図7(d))。両基板1、2
のカットされた2つの辺を合わせることにより、接合時
の位置合わせを行う。続いて、上記第1実施形態と同様
に、第1の半導体基板1について、熱酸化膜形成工程S
1(図8(a))、凹部形成工程S2(図8(b))、
トレンチ形成工程S3(図8(c))、ストッパ部形成
工程S4(図8(d))を行い、第1の半導体基板1の
一面に熱酸化膜30及びこの熱酸化膜30上に開口する
ストッパ部12を形成する。
工程S50と同様の要領にてキャビティ形成工程S51
を行い、キャビティ3を形成し(図8(e))、上記第
1実施形態と同様に、表面の酸化膜30を除去する(図
9(a))。次に、図9(b)に示す様に、第2の半導
体基板2にトラップ室形成用の凹部41を形成する(ト
ラップ溝形成工程S12)。具体的には、第2の半導体
基板2の一面及び他面に熱酸化膜(絶縁膜)60を形成
し、接合面の酸化膜2bとなる一面側の熱酸化膜60を
エッチング等によりパターニングする。それによって、
熱酸化膜60の除去された部分が凹部41を形成する。
なお、その後、シリコンをエッチングして、深さをさら
に深くした凹部41としてもよい。また、トラップ溝形
成工程S12は、図7(d)よりも後の工程から図9
(a)までの工程のどこで行ってもよい。
と同様の要領で、洗浄工程S7に供し、仮接合工程S8
を行う。この仮接合において、真空中で第1の半導体基
板1と第2の半導体基板2を貼り合わせる際の位置合わ
せは、上述のダイシングソーによりカットした2辺を合
わせることにより行う。仮接合工程S8を行った後、上
記同様に熱処理工程S9を行い、図9(c)に示す様
に、両基板1、2を接合する。
合界面に形成される酸化膜(図示せず)からO2 、
H2 、H2 O等のガスが発生し、それが接合界面を伝わ
って基準圧力室3に向かうが、基準圧力室3に入る前に
トラップ室51にトラップされるため、基準圧力室3
(キャビティ)内に入らない。次に、上記第1実施形態
と同様に、酸化膜除去工程S10、ダイヤフラム形成工
程S11を行い(図9(d))、基準圧力室3を一面側
とするダイヤフラム6が形成される。その後、HF水溶
液等により第2の半導体基板2の他面側の酸化膜60を
除去し、通常のIC製造プロセスを用いて、層間絶縁の
ための絶縁膜9、ピエゾ抵抗素子7、低抵抗領域8、配
線層11等を形成して、図9(e)に示すセンサ300
を得る。
上記第1実施形態のセンサ100と同様の作用効果を奏
する。なお、上記各実施形態の製造方法を適宜組み合わ
せれば、基準圧力室の周囲に複数個のトラップ室を持っ
たセンサを実現できる。また、トラップ室は接合界面か
ら両基板1、2の内部に凹んだ凹部が合わさったもので
もよい。
法において、ストッパ部を第2の半導体基板に設けるよ
うにし、第2の半導体基板を研磨する等により薄肉化
し、基準圧力室を第2の半導体基板2の一面側とするダ
イアフラムを作成してもよい。また、ストッパ部を設け
ず、研磨時間を制御することでダイアフラムを作成して
もよい。
の断面図である。
造工程を示す図である。
の製造工程を示す図である。
の製造工程を示す図である。
ャビティ(基準圧力室)、4、40、41…凹部、5、
50、51…トラップ室、6…ダイアフラム、32…ト
レンチ部、33…酸化膜、34…多結晶シリコン、60
…熱酸化膜、S5、S50、S51…キャビティ形成工
程、S8…仮接合工程、S9…熱処理工程、S11…ダ
イヤフラム形成工程、S12…トラップ溝形成工程、S
40…ストッパ部及び凹部形成工程。
Claims (8)
- 【請求項1】 一面側にキャビティ(3)を形成した第
1の半導体基板(1)に対して、前記キャビティを覆う
ように前記第1の半導体基板の前記一面に第2の半導体
基板(2)を貼り合わせ、熱処理を行って接合すること
により、前記キャビティと前記第2の半導体基板とによ
り基準圧力室を形成してなる半導体圧力センサにおい
て、 前記両半導体基板の接合界面における前記キャビティの
周囲には、前記熱処理の際に前記接合界面から発生する
ガスをトラップするためのトラップ室(5、50、5
1)が配設されていることを特徴とする半導体圧力セン
サ。 - 【請求項2】 前記トラップ室(5、50)は、前記接
合界面から前記第1の半導体基板(1)内部に凹んだ凹
部(4、40)と前記第2の半導体基板(2)とにより
区画された室であることを特徴とする請求項1に記載の
半導体圧力センサ。 - 【請求項3】 前記トラップ室(51)は、前記接合界
面から前記第2の半導体基板(2)内部に凹んだ凹部
(41)と前記第1の半導体基板(1)とにより区画さ
れた室であることを特徴とする請求項1に記載の半導体
圧力センサ。 - 【請求項4】 前記トラップ室(5、50、51)は、
前記キャビティ(3)を取り囲むように配設されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記
載の半導体圧力センサ。 - 【請求項5】 トラップ室(5、50、51)は、前記
キャビティ(3)に対して対称に配設されていることを
特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の半
導体圧力センサ。 - 【請求項6】 第1の半導体基板(1)の一面側にキャ
ビティ(3)及び該キャビティの周囲に凹部(4、4
0)を形成する工程(S5、S40、S50)と、 前記第1の半導体基板の一面側と第2の半導体基板
(2)の一面側とを貼り合わせて熱処理を行うことによ
り接合し、前記キャビティ内を基準圧力室にすると共に
前記凹部と前記第2の半導体基板とにより区画された室
(5、50)を形成する工程(S8、S9)と、 前記第1の半導体基板又は前記第2の半導体基板の他面
側を薄肉化して、前記基準圧力室を一面側とするダイヤ
フラム(6)を形成する工程(S11)と、を有するこ
とを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。 - 【請求項7】 前記キャビティ及び凹部を形成する工程
(S40、S50)において、前記第1の半導体基板
(1)の一面側における前記キャビティの形成領域の周
囲に、前記キャビティの深さよりも深いトレンチ(3
2)を形成し該トレンチを充填材(33、34)で埋め
た後、前記第1の半導体基板の一面側から前記充填材の
一部をエッチングすることにより前記凹部(40)を形
成し、 前記ダイヤフラムを形成する工程(S11)において、
前記充填材をストッパとした研磨を行うことにより、前
記第1の半導体基板の他面側を薄肉化することを特徴と
する請求項6に記載の半導体圧力センサの製造方法。 - 【請求項8】 第1の半導体基板(1)の一面側にキャ
ビティ(3)を形成する工程(S51)と、 第2の半導体基板(2)の一面に絶縁膜(60)を形成
し、前記第2の半導体基板の一面のうち前記キャビティ
を覆う領域の周囲に位置する前記絶縁膜の一部を、エッ
チングして除去し、その部分を凹部(41)とする工程
(S12)と、 前記第1の半導体基板の一面側と前記第2の半導体基板
の一面側とを貼り合わせて熱処理を行うことにより接合
し、前記キャビティ内を基準圧力室にすると共に前記凹
部と前記第1の半導体基板とにより区画された室(5
1)を形成する工程(S8、S9)と、 前記第1の半導体基板又は前記第2の半導体基板の他面
側を薄肉化して、前記基準圧力室を一面側とするダイヤ
フラム(6)を形成する工程(S11)と、を有するこ
とを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
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