JP2000130550A - トルクコンバータ - Google Patents
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- B23P—METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
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Abstract
を損なうことなく軽量化できる。 【解決手段】 少なくともインペラシェル2と一体構成
のポンプインペラ3、タービンランナ4、ステータ5及
びフロントカバー6からなると共に、上記インペラシェ
ル2とフロントカバー6からなる外郭構成部材の外周部
にエンジンからの動力を取り込むフランジ部7とスター
タ用のリング歯車10とを有し、さらに上記フロントカ
バー6の軸心部にエンジンのクランク軸8に嵌合するパ
イロットボス部32を有し、またインペラシェル2の軸
心部にオイルポンプ18を駆動するスリーブ状のオイル
ポンプ駆動軸20を有するトルクコンバータ1におい
て、上記フロントカバー6のパイロットボス部32を塑
性加工により一体成形すると共に、フロントカバー6の
外周の前部にフランジ部7を塑性加工にて合わせ増肉部
を成形する
Description
機等に用いるトルクコンバータで、詳しくは、トルクコ
ンバータの外郭を構成する要素部品に関するものであ
る。
クアップクラッチが装着される。これはエンジン駆動さ
れる入力要素(一般にポンプインペラ)の羽根車の回転
で作動油を出力要素(一般にタービンランナ)の羽根車
と反力要素(一般にステータ)に循環させながらステー
タの反力で入力エンジンのトルクを増大させつつ回転さ
せる動作態様(トルクコンバータ状態)と、このロック
アップクラッチの係合により、この入出力要素間を連結
にしてエンジンの回転をそのまま出力要素に伝達する動
作態様(ロックアップ状態)の2つの動作態様を持た
せ、エンジンの燃費を向上させるものである。
クコンバータの構成部材であるフロントカバーやポンプ
インペラの構造例として、例えば本出願人に係る特公平
7−33861号公報に記載されたものがある。
周面にエンジン側から回転動力が伝達されると共にイナ
ーシャ作用をなすフランジ部と、スタータ歯車が噛合す
る円環状のリング歯車が形成されたもので、リング歯車
はエンジン始動時にスタータモータのピニオンと噛合
し、上記スタータモータの回転力をエンジンのクランク
軸に伝達するものである。
コンバータの構成は図1に示すようになっている。すな
わち、トルクコンバータ1はインペラシェル2にインペ
ラ2aを一体に結合してなるポンプインペラ3、タービ
ンランナ4、ステータ5からなる。上記ポンプインペラ
3のインペラシェル2はフロントカバー6と溶接にて一
体結合されており、このフロントカバー6の外周面に設
けた円環状のフランジ部7にエンジンのクランク軸8に
結合されたドライブプレート9がボルトにて結合されて
いる。またインペラシェル2の外周面にはスタータ用の
リング歯車10が設けてある。
に説明する。タービンランナ4はタービンハブ12に鋲
着されており、またこのタービンハブ12にインプット
シャフト13がスプライン結合されている。ステータ5
はワンウエイクラッチの構成部材であるアウタレース1
4、スプラグ15、インナレース16を介して中空固定
軸17に一方向に回転可能に支持されている。中空固定
軸17はオイルポンプ18のハウジング19にボルト結
合されている。中空固定軸17はインナレース16とス
プライン係合している。
心部にはオイルポンプ駆動軸20がスリーブ状に設けて
あり、このオイルポンプ駆動軸20にオイルポンプ18
のインナロータ21に回転駆動可能に結合されている。
軸20との結合は、例えば実願平3−82751号(実
開平5−34348号)に示されているのと同様に、オ
イルポンプ駆動軸20の先端部外周に2面幅部を形成
し、また、オイルポンプ18のインナロータ21の内面
に2面幅部を形成し、この両2面幅部が係合することに
より、この両者が回転方向に駆動可能に結合されるよう
になっている。
略中央部の外周円筒部はオイルポンプ18のハウジング
19に固定されたブッシュ22の内周面に支承されてお
り、この部分でオイルポンプ18の駆動荷重を支持する
ようになっている。これにより、オイルポンプ駆動軸2
0の上記2面幅部と、ブッシュ22にて支承された部分
に、オイルポンプ18の吐出圧(ライン圧)に比例した
駆動荷重が作用される。
にはステータカラー23a,23bが設けられ、タービ
ンハブ12と一方のステータカラー23a及び上記オイ
ルポンプ駆動軸20と他方のステータカラー23bとの
間にスラスト軸受24a,24bが介装してある。
プインペラ3は、トルクコンバータ室25に充満されて
いる作動油を循環させ、この作動油がポンプインペラ
3、タービンランナ4、ステータ5の各羽根車内の流路
を循環することで、タービンランナ4がステータ5によ
る反力でトルクが増加されつつ回転し、この回転力がタ
ービンハブ12を介してインプットシャフト13に伝達
され、図示しない自動変速機や無段変速機へ動力が伝達
される。
プクラッチ26のロックアップクラッチハブ27が鋲着
されており、このロックアップクラッチハブ27にはク
ラッチ係合時のショックを緩和したり、駆動系の振動・
騒音を吸収する目的で、トーショナルダンパ28を備え
ている。
カバー6の間には、ロックアップクラッチ26のロック
アップピストン29の内周部がタービンハブ12の外周
円筒面に液密に、かつ軸方向に摺動自在に嵌合されてい
る。そしてロックアップピストン29の内側内周部がロ
ックアップクラッチハブ27の外周部とスプライン嵌合
されている。ロックアップピストン29のフロントカバ
ー6側の側面部にロックアップフェーシング30が設け
てある。
ー6との間には、フロント油圧室31が形成されてお
り、フロントカバー6と一体に形成されたパイロットボ
ス部32はエンジンのクランク軸8のセンタ穴に嵌合
し、トルクコンバータ1の回転芯合せを行うようになっ
ている。上記フロント油圧室31は、インプットシャフ
ト13内の油通路33と連通され、図示しない自動変速
機または無段変速機の油圧制御装置の制御バルブへと連
通されている。
テータカラー23bとオイルポンプ駆動軸20間に設け
たスラスト軸受24bの側面に設けた溝を介して中空固
定軸17とオイルポンプ駆動軸20間に形成された油路
が連通し、図示しない油圧制御装置に連通されている。
ンバータ1内にステータカラー23bとオイルポンプ駆
動軸20の間の油路を介してトルクコンバータ1内から
ロックアップピストン29のタービン側側面に油圧を作
用させ、同時にフロント油圧室31内の圧油をドレンさ
せることで、ロックアップピストン29の前後で圧力差
が生じる。
るときには、上記フロント油圧室31に圧油を供給す
る。これにより、上記トルクコンバータ1内からの油路
が油圧制御装置の制御バルブ内で制御されて、圧力差
(フロント油圧室の油圧>トルクコンバータ内油圧)が
生じてロックアップが解除される。
は、これのフロントカバー6やインペラシェル2などを
構成する外郭部は、一般的に薄肉鉄板を基準にして、必
要に応じて部分的に突起部や厚肉部または薄肉部を形成
するものが多い。
剛性を要求される部分、例えばフロントカバー6にはド
ライブプレート9とボルト結合する肉厚のフランジ部
(イナーシャ兼用)7やクランク軸8と芯合わせするパ
イロットボス部32が設けられているが、これらの部材
は図2に示すように別工程にて製造された各部品が溶接
等で一体に結合される方法がとられている。
も、図3に示すように、薄肉鉄板のインペラシェル2の
外周部にリング歯車10や内周部にスリーブ状のオイル
ポンプ駆動用のオイルポンプ駆動軸20等を別工程にて
製造し、溶接等で一体に結合する方法がとられている。
タ1の外郭部材には、エンジンの回転上昇に伴う遠心力
や、ポンプインペラ3、タービンランナ4、ステータ5
の順に作動流体が循環することによって軸方に発生する
推力、さらにロックアップクラッチ26の作動力が作用
される。このため、このトルクコンバータ1の外郭部材
であるインペラシェル2及びフロントカバー6は、これ
らの作用力に十分耐え、かつ軸方向へのふくらみなどの
変形量を所定値以下に押さえて作動することができるよ
うに、フロントカバー6には板厚が4.5〜6mm程度
の比較的厚めの鉄板が用いられ、またインペラシェル2
には板厚が3〜4mm程度の鉄板が用いられる。
ラシェルに一体結合される筒状のオイルポンプ駆動軸2
0が、これの後端円筒部に2面幅を形成し、この部分が
オイルポンプ18のインナロータ21の内周部に形成さ
れた2面幅部に嵌合してポンプを回転駆動するようにし
ており、また、2面幅以外の円筒が、オイルポンプ駆動
軸20とオイルポンプロータとが回転芯合わせできるよ
うに精度よく嵌合している。
円筒部は、オイルポンプ18のインナロータ21によっ
て発生する自動変速機の油圧(ポンプ吐出圧またはライ
ン圧)がポンプロータの外周の投影面積に作用するた
め、この投影面積相当の荷重が上記インナロータ21と
オイルポンプ駆動軸20の円筒部の嵌合部に作用するこ
とになる。ここの嵌合部に作用する荷重は、オイルポン
プ駆動軸20の略中央部が軸支されるブッシュ22から
インナロータ21の嵌合部までの距離に応じたモーメン
ト荷重となってブッシュ22に作用することになる。な
お、このブッシュ22に作用する荷重は、上記以外には
トルクコンバータ全体を軸支持しているので、トルクコ
ンバータ組立体をドライブプレート9に取付けるときの
ミスアライメントによる偏心荷重や振れ回り荷重なども
受けることができる構造になっている。
ルクコンバータの外郭部材の構造と製造工程には次のよ
うな問題がある。
ルも、それぞれ別工程で製造した複数個の部材を集成
し、各溶接等で一体結合する構造であり、これを製造す
る工程も多岐にわたるため、生産効率が悪く、しかも製
造原価が高くなる原因ともなっている。
レス成形加工されるため、成形性のよい軟鋼板が使われ
るが、高回転中のトルクコンバータ内に発生する遠心油
圧に耐え、かつタービンランナによるスラスト荷重、ロ
ックアップクラッチの押圧荷重等を受けるため、特に高
回転・高トルクエンジンの場合、強度、剛性を確保する
上から、板厚を増加する必要があった。その結果、回転
体として要求される慣性モーメントを確保しながら軽量
化と振動課題を両立させることが重要であるにもかかわ
らず、不必要な重量増加を招き、軽量化の障害になって
いた。
クコンバータは、従来からエンジンに代わり、環境問題
や燃費改善の観点から希薄燃焼エンジンや、直噴エンジ
ン等と整合させる必要がある。ところが、従来の外郭製
造のトルクコンバータでは、安易な部材の厚肉化や空い
ているスペースにイナーシャリングを取付けて対処する
ことになり、車両の発進加速性や振動課題と裏腹の軽量
化を両立するような効果的な慣性モーメントをトルクコ
ンバータの外郭部材に付与することができない。このた
め、益々重量増加を招いて軽量化やコンパクト化の障害
になっている。
肉のスリーブ状にしたオイルポンプ駆動軸は、ポンプロ
ータへの嵌合部にポンプ吐出圧(ライン圧)による横荷
重とポンプロータ駆動部にポンプ駆動トルクによる荷重
が作用するため、一般に調質で硬度HRC18相当まで
硬化される。しかしながらポンプ吐出圧は、自動変速機
の場合、1.5〜1.8Mpa程度であるが、金属ベル
ト式無段変速機の場合には、4〜5Mpa程度となり、
自動変速機の使用のままではオイルポンプ駆動軸の疲労
破損や回転軸支するブッシュ損傷の原因にもなる。
化に加えて浸炭や高周波加熱による熱処理が可能な材料
への変更、あるいはポンプロータの支持構造の全面変更
などを行えばよいが、これでは装置全体の大型化、重量
アップ、製造原価アップなどを招き、生産効率向上や軽
量化の障害になってしまう。
製造原価を低くでき、また、外郭部材の強度・剛性を損
なうことなく軽量化を図ることができ、さらにインペラ
シェルに設けられるオイルポンプ駆動軸の疲労破損やこ
れを回転支持するブッシュ損傷をなくすことができる等
上記した従来の課題を解決できるようにしたトルクコン
バータを提供することを目的とするものである。
に、本発明に係るトルクコンバータの外郭構造は、少な
くともインペラシェルと一体構成のポンプインペラ、タ
ービンランナ、ステータ及びフロントカバーからなると
共に、上記インペラシェルとフロントカバーからなる外
郭構成部材の外周部に少なくともエンジンからの動力を
取り込むフランジ部もしくはスタータ用のリング歯車と
を有し、さらに上記フロントカバーの軸心部にエンジン
のクランク軸に嵌合するパイロットボス部を有し、また
インペラシェルの軸心部にオイルポンプを駆動するスリ
ーブ状のオイルポンプ駆動軸を有するトルクコンバータ
において、上記フロントカバーのパイロットボス部を塑
性加工により一体成形すると共に、フロントカバーの外
周の前部にフランジ部を塑性加工にて合わせ増肉部を成
形する。
て、フロントカバーの外周の後部に塑性加工によりスタ
ータ用のリング歯車部を一体状に成形した。
て、フランジ部とスタータ用のリング歯車部をインペラ
シェルとフロントカバーからなる外郭構成の外周部に塑
性加工にて一体成形してこの部分にイナーシャ機能と動
力伝達機能を持たせた。
肉によって成形したフランジ部の内周側境界部の少なく
とも、このフランジ部に形成されるねじ穴部に短絡する
部分に液密可能なブレージングやコーティング層を形成
した。
て、外郭構成部材を構成するインペラシェルのスリーブ
状のオイルポンプ駆動軸を塑性加工により一体成形し、
外周部のスタータ用のリング歯車を塑性加工により一体
状に増肉加工した。
て、少なくともフロントカバーとインペラシェルを、各
重量%で、C:0.2〜0.6、Si:0.01〜0.
1、Mn:0.05〜0.5,Ti:0.01〜0.
1、B:0.001〜0.01、Fe:残からなる鋼板
材料にて成形加工した。
駆動軸の少なくともオイルポンプのインナロータと嵌合
する部位とオイルポンプのハウジングにブッシュを介し
て支持されるブッシュ嵌合部位を高周波焼き入れにて硬
化し、インペラシェルのオイルポンプ駆動軸部の内側面
で、かつステータの側面にスラスト軸受を介して対向す
る表面に高周波焼き入れを施し、さらにフロントカバー
の円板部内面、タービンハブにスラスト軸受を介して対
向する面、中央突起部の少なくともいずれか1つの部位
に高周波焼き入れを施した。
るフロントカバーとインペラシェルのそれぞれが、この
それぞれに付属する中央突起部、フランジ部、リング歯
車部と共に、一体成形される。そしてこのときの各構成
材料にC0.25%にBを添加した板材が用いられ、こ
れの必要個所に高周波焼き入れを施すことにより、強
度、剛性を損なうことなしに素材の板厚を薄くすること
ができる。
におけるトルクコンバータ1の外郭構造であるところ
の、インペラシェル2とフロントカバー6の改良に係る
もので、これの実施の形態を図4以下に基づいて説明す
る。
の各図はフロントカバー6の塑性加工の大略の工程を示
すもので、まず(a)円板状の素材41を所定の大きさ
に打ち抜く。次に(b)プレス加工にて素材41の中央
部に膨出部42を成形する。(c)この膨出部42をピ
ン43aとダイ43bとからなる金型43上に置き、上
側から総形状のローラ44にて押圧成形してフロントカ
バー6のパイロットボス部32となるボス部45を塑性
成形する。このとき、上記膨出部42の素材体積をボス
部45の素材体積より大きくしてあり、このため、ボス
部45の肉厚は素材41の板圧より厚く、すなわち、増
肉される。
部に筒状部46を成形し、ついで、フランジ部7となる
部分に、これの内側からローラ47にて外側へ環状に突
出する突条48を成形する。
押圧する。これにより上記突条48の部分に座屈が生
じ、突条48の断面形状はΩの字状になる。(f)この
突条48の外形形状をローラ49にて整えてから、
(g)この突条48を上下のローラ50a,50bにて
押圧して折り重ねて先端が半円形になったフランジ部7
に形成し、(h)さらに、これを他のローラ51にて先
端が円筒になったフランジ部7にする。このとき、
(f)〜(h)の工程では筒状部46の内側にバックア
ップ型52をあてる。
図7に示すようにフロントカバー6の形状に成形し、つ
いで上記フランジ部7にドリル加工にてボルトねじ穴7
aを加工する。このときフランジ部7の内側に折り重ね
による合わせ目53ができ、これがボルトねじ穴7aに
連通すると、この部分から油漏れが生じる。このため、
この合わせ目53はブレージングやコーティング材を注
入してコーティング層を形成することにより密閉して液
密とする。
形成した膨出部42からパイロットボス部32を成形す
る工程の他例を示すもので、小径のローラ44aにて金
型43に沿う形状に成形する。
ェル2の塑性加工の大略の工程を示すもので、まず
(a)円板状の素材55を所定の大きさに打ち抜く。次
に(b)プレス加工にて素材55を略半円球状に形成
し、ついで(c)プレス加工にて中央部に膨出部56を
突設した円板状に形成する。(d)上記膨出部56から
プレス加工にてスリーブ状の軸を形成すると共に、上端
をカットしてオイルポンプ駆動軸20を塑性成形する。
工して本体部材をインペラシェル2の形状に形成すると
共に外周縁にフランジ状部57を形成する。ついで、
(f)このフランジ状部57をロールスピニング法にて
増肉して増肉部58を形成し、この増肉部58に、転造
で、あるいは機械加工にてスタータ用のリング歯車10
を加工する。上記のように構成されたインペラシェル2
及びフロントカバー6を用いたトルクコンバータ1を示
すと図10のようになる。
材の強度、剛性向上の達成手段について説明する。従来
のフロントカバー6やインペラシェル2の材料は、SP
C材またはSPHC材が用いられ、板厚はそれぞれ4.
9mmと3.2mmであった。これに対して本発明で
は、SPC材をCが0.25wt%程度の鋼板ベースと
した合金材料に少量のBを含ませ、高周波焼き入れが有
効に行われる材料に変更する。SPC材は最もプレス成
形性がよく、Cが0.5wt%にBを添加した材料は高
強度化できる反面、成形性に劣るが、フロントカバーと
インペラシェルの板厚を軽減することで加工応力が従来
並みとなるので製造上の支障はない。
に位置するフランジ部7やリング歯車10に増肉手法が
採用できることで、慣性質量を確保しながら軽量化も可
能になる。
インペラシェル2の素材41,55はこれらの軽量化及
び高強度化を図るために、通常(JIS規格)の板厚が
4.9mmと3.2mmの鋼板材(SPC1)に代え
て、TiとBを含有した板厚が4.5〜4.2mmと
3.0〜2.8mmのS25CTiB材を用いた。この
S25CTiBとSPC1の各成分を表1に示す。
を除く各成分は、部品形状、要求機能等により異なる
が、表2に示す成分範囲のものを適格に使用すればよ
い。P,Sは上記S25TiBのものと略同様にする。
ラシェル2は、これの板厚減少からくる強度低下や損傷
が発生するオイルポンプ18のインナロータ21との嵌
合部や軸受ブッシュ22との回転摺動部、フロントカバ
ー6の外周の折り曲げ部やロックアップピストン29が
押圧する内側面等には、C0.25wt%にB添加材料
の表面に高周波焼き入れ(水中高周波焼き入れを含む)
を施すことにより、従来よりも部材強化が図られる。
焼き入れではなく、図11の(a)に示すように放射状
の縞模様状や、図11(b)に示すように多数リング状
にするのがよい。
ング歯車10をインペラシェル2側に設けた例を示した
が、図12に示すようにフロントカバー6の外周部にフ
ランジ部7と共にリング歯車10を塑性加工により成形
してもよい。
郭構成部材を構成するフロントカバーとインペラシェル
とが、これらに付属する中央突起部(パイロットボス
部)、フランジ部、リング歯車部及びオイルポンプ駆動
軸部が、フロントカバー、インペラシェルと共に塑性成
形により一体成形されることにより、上記した各付属部
を個々に加工成形して同様に個々に加工成形したフロン
トカバー、インペラシェルに組立固着した従来のものに
比べて、この付属部を有するフロントカバー及びインペ
ラシェルの生産性が向上され、製造原価を低くすること
ができる。そして上記したように、各構成部が一体成形
されることにより余分な肉部がなくなり、軽量化を図る
ことができる。
されることにより、余分な肉部がなくなり軽量化を図る
ことができる。さらにスタータ用のリング歯車及びエン
ジンの動力を伝達するフランジ部の溶接を廃止できるこ
とにより、上記溶接による偏肉や溶接欠陥がなくなり、
トルクコンバータ完成後の回転バランス修正工程が簡素
になり、その上溶接ムラによる油もれの欠陥をなくする
ことができ、製造品質や生産性を向上できる。
及びインペラシェルの素材にC0.5wt%にBを添加
した材料を用いたことにより、フロントカバー及びイン
ペラシェルの各部に必要に応じて高周波焼き入れを施す
ことができ、オイルポンプ駆動軸のオイルポンプのイン
ナロータとの嵌合部、ブッシュとの回転支持部、リング
歯車の歯面などの強度・剛性を高くしてこの各部分の損
傷や磨耗、変形などの不都合を解消できる。
とにより、従来の鋼板より薄い材料を用いることができ
る。そしてロックアップ状態でエンジン回転数をレッド
ゾーンまで上昇させて運転しても、従来の鋼板より薄く
ても、このときに大きな曲げ応力が発生する外周曲げ部
分等に必要に応じて高周波焼き入れや、部分増肉するこ
とで、トルクコンバータ室に働く遠心油圧やロックアッ
プクラッチの係合荷重の合成力に耐え、少なくとも永久
変形の発生を防止できる。
ながら、フロントカバーの外周のフランジ部を増肉工法
で成形したり、またインペラシェルの外周にリング歯車
をロールスピニング工法で増肉するため、慣性質量確保
に最も効果的な外周部に増肉工法が採用でき、従来のよ
うに別部材のイナーシャリングを付与することなくイナ
ーシャを確保しながら軽量化を達成することができる。
特に、希薄燃焼エンジンや直噴燃焼エンジンを採用し
て、環境や燃費改善を行う場合に、生産性や製造コスト
を維持しながら慣性確保と軽量化を達成するのに効果的
である。
断面図である。
である。
である。
ントカバーの製造工程を示す説明図である。
ントカバーの製造工程を示す説明図である。
ーの製造工程を示す説明図である。
ある。
図である。
(f)は本発明におけるインペラシェルの製造工程を示
す説明図である。
破断面図である。
き入れの模様を示す正面図である。
ンペラ、3…ポンプインペラ、4…タービンランナ、5
…ステータ、6…フロントカバー、7…フランジ部、7
a…ボルトねじ穴、8…クランク軸、9…ドライブプレ
ート、10…リング歯車、12…タービンハブ、13…
インプットシャフト、14…アウタレース、15…スプ
ラグ、16…インナレース、17…中空固定軸、18…
オイルポンプ、19…ハウジング、20…オイルポンプ
駆動軸、21…インナロータ、22…ブッシュ、23
a,23b…ステータカラー,24a,24b…スラス
ト軸受、25…トルクコンバータ室、26…ロックアッ
プクラッチ、27…ロックアップクラッチハブ、28…
トーショナルダンパ、29…ロックアップピストン、3
0…ロックアップフェーシリング、31…フロント油圧
室、32…パイロットボス部、33…油通路、41,5
5…素材、42,56…膨出部、43…金型、43a…
ピン、43b…ダイ、44,44a,47,49,50
a,50b,51…ローラ、45…ボス部、46…筒状
部、48…突条、52…バックアップ型、57…フラン
ジ状部、58…増肉部。
Claims (9)
- 【請求項1】 少なくともインペラシェルと一体構成の
ポンプインペラ、タービンランナ、ステータ及びフロン
トカバーからなると共に、上記インペラシェルとフロン
トカバーからなる外郭構成部材の外周部に少なくともエ
ンジンからの動力を取り込むフランジ部もしくはスター
タ用のリング歯車とを有し、さらに上記フロントカバー
の軸心部にエンジンのクランク軸に嵌合するパイロット
ボス部を有し、またインペラシェルの軸心部にオイルポ
ンプを駆動するスリーブ状のオイルポンプ駆動軸を有す
るトルクコンバータにおいて、 上記フロントカバーのパイロットボス部を塑性加工によ
り一体成形すると共に、フロントカバーの外周の前部に
フランジ部を塑性加工にて合わせ増肉部を成形すること
を特徴とするトルクコンバータ。 - 【請求項2】 フロントカバーの外周の後部に塑性加工
によりスタータ用のリング歯車部を一体状に成形したこ
とを特徴とする請求項1記載のトルクコンバータ。 - 【請求項3】 フランジ部とスタータ用のリング歯車部
をインペラシェルとフロントカバーからなる外郭構成の
外周部に塑性加工にて一体成形してこの部分にイナーシ
ャ機能と動力伝達機能を持たせたことを特徴とする請求
項1または2記載のトルクコンバータ。 - 【請求項4】 フランジ部の内周側境界部の少なくと
も、このフランジ部に形成されるねじ穴部に短絡する部
分に液密可能なブレージングやコーティング層を形成し
たことを特徴とする請求項1,2または3記載のトルク
コンバータ。 - 【請求項5】 外郭構成部材を構成するインペラシェル
のスリーブ状のオイルポンプ駆動軸を塑性加工により一
体成形し、外周部のスタータ用のリング歯車を塑性加工
により一体状に増肉加工したことを特徴とする請求項1
記載のトルクコンバータ。 - 【請求項6】 少なくともフロントカバーとインペラシ
ェルを、各重量%で、C:0.2〜0.6、Si:0.
01〜0.1、Mn:0.05〜0.5,Ti:0.0
1〜0.1、B:0.001〜0.01、Fe:残から
なる鋼板材料にて成形加工したことを特徴とする請求項
1,2,3,4または5記載のトルクコンバータ。 - 【請求項7】 インペラシェルのオイルポンプ駆動軸の
少なくともオイルポンプのインナロータと嵌合する部位
とオイルポンプのハウジングにブッシュを介して支持さ
れるブッシュ嵌合部位を高周波焼き入れにて硬化したこ
とを特徴とする請求項6記載のトルクコンバータ。 - 【請求項8】 インペラシェルのオイルポンプ駆動軸部
の内側面で、かつステータの側面にスラスト軸受を介し
て対向する表面に高周波焼き入れを施したことを特徴と
する請求項6または7記載のトルクコンバータ。 - 【請求項9】 フロントカバーの円板部内面、タービン
ハブにスラスト軸受を介して対向する面、中央突起部の
少なくともいずれか1つの部位に高周波焼き入れを施し
たことを特徴とする請求項6または7記載のトルクコン
バータ。
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