JPH07104352B2 - リュウマチ因子検出用の新規緩衝剤及びその方法 - Google Patents

リュウマチ因子検出用の新規緩衝剤及びその方法

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JPH07104352B2
JPH07104352B2 JP16339491A JP16339491A JPH07104352B2 JP H07104352 B2 JPH07104352 B2 JP H07104352B2 JP 16339491 A JP16339491 A JP 16339491A JP 16339491 A JP16339491 A JP 16339491A JP H07104352 B2 JPH07104352 B2 JP H07104352B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリュウマチ因子検出用の
新規な緩衝剤及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】リュウ
マチ様関節炎は関節の炎症及び破壊とともに筋肉痛及び
硬直によって特徴づけられる全身的疾病である。これら
の徴候は第一に、個人それぞれの免疫グロブリン抗体と
反応する抗体、時には自己抗体と呼ばれる抗体、の結果
である。リュウマチ様関節炎の正確な原因は判っていな
いが、3種の異なった因子、すなわち、(1)リュウマ
チ様関節炎にかかり易い遺伝学的素質、(2)ウイルス
感染などの環境的因子、(3)T−リンパ球中の機能的
欠陥が含まれるという証拠がある。遺伝学的、環境的、
及び免疫学的各因子間の相互関係は知られていない。リ
ュウマチ様関節炎の徴候をもたらす免疫性機能の変化を
示す証拠には、生体内及び生体外でT−リンパ球の反応
性を減少させる過ガンマグロブリン血症及び免疫グロブ
リンG(IgG)の自己抗体の存在などがあげられる。
これらの「拮抗体」(antiantiboby)及び「抗免疫グロブ
リン」(antiimmunoglobulin)はそれらがリュウマチ様関
節炎に関連していることからリュウマチ因子(RF)と
名付けられてきた。RFはまた頻度は変るが大部分の結
合組織疾病、多くの慢性及び亜急性感染及び種々の不調
症の患者に見出されていた。そのうえ、RFは多くの外
見上の健康人、特に初老の人に見出されていた。
【0003】リュウマチ様関節炎の明確な診断法の欠如
にもかかわらず、RFは依然前兆指示因子として価値が
ある。例えば、研究によれば、RFの量ないしタイター
が高いことは破壊的な関節疾病、リュウマチ結節の存在
及びそれらに類似の多数の全身的併発症の進行に伴うこ
とが示されている。病気の進行中におけるRFタイター
の変化はその人個人の病気の進行を判定するのに非常に
有効ではない。それでもなお薬理学的薬剤を用いて処置
された一群の患者の研究においてはもし病状改善が生じ
ていればRFの平均タイターは一般に低下する。血清陽
性リュウマチ様関節炎で病状鎮静に向かっている患者の
半分以上が血清陰性になる。しかしながら、そのような
患者の約25%は臨床的に平癒しているにもかかわらず
その血清は高タイターを有しつづけている。
【0004】多価のRF自己抗体はIgGクラスの免疫
グロブリン抗体の一価のFc部分、もしくは尾部と特異
的に結合する。RFはこのようにIgG抗体と結合する
ことができ、一方IgG抗体の1本又はそれ以上の手は
その対応する抗原と結合する。事実、RFはIgG抗体
中で生じる配座変化によるその結合形態においてIgG
抗体によりよく誘引され、その抗体のFc部分をより近
付き易くすると考えられている。
【0005】RFに対し最も一般的に用いられる試験法
はシンガーとプロッツのラテックス凝集法(latex agglu
tination method)であり、これは時にラテックス固定法
と呼ばれる。シンガー・ジェー・エム及びプロッツ・シ
ー・エム「ラテックス固定試験I.リュウマチ様関節炎
の血清学的診断への応用」、アメリカン・ジャーナル・
オブ・メディシン21、888〜892(1956)。この
試験ではヒトのIgGを塗布されたラテックス粒子がス
ライド上で通常試験試料の1:20希釈液で凝集する。
試験試料は典型的にはヒトの血清であり、滑液(疑いの
ある関節部から採取)もまた時には分析される。この試
験は一般にスクリーニング法とみなされ、イエスかノー
かの結果が得られる。さらに本来のラテックス試験管試
験に用いる血清を順次希釈した液によりタイターの評価
を行うことができる。ラテックス試験管試験において、
ラテックス粒子は溶液中で凝集し、その凝集物が種々の
標準または対照に対応して視覚的に評価される。試験管
希釈試験はスライド試験よりも相当感度が高いという利
点を有しているが、操作はより厄介である。
【0006】機器的(例えば、ネフェロ分析)によりも
むしろ視覚的に行われるラテックス凝集試験はその後考
案されたRF検出方法の大部分の方法の原理となるもの
である。これらの方法にはすべてヒトのIgGを付着さ
せる、ラテックス、ベントナイト、赤血球などの指示薬
システムの使用が含まれる。RFの存在は種々の指示薬
システムの凝集、凝析又は沈殿によって認知される。
【0007】IgG加熱凝集もまた検定法における抗原
ないし指示薬システムとして直接使用することができ
る。加熱凝集段階はIgGに構造形態の変化をもたらし
よりよい検出結果を与えると一部の人は考えている。構
造形態の変化はIgMがその結合手の一本又はそれ以上
で対応する抗原に結合したときに生じる構造形態の変化
をシミュレートするものであると考えられている。
【0008】増感ヒツジ細胞凝集試験(ワーラー・ロー
ズ試験)として知られる初期の試験法は今なお一部の臨
床研究室で採用されている。その赤血球にウサギの抗体
を塗布したヒツジの細胞はある種のRFによって凝集す
る。しかしながら、間違った陽性試験反応が生じないよ
うにするため、適当な吸収法により試験試料から抗ヒツ
ジ細胞抗体を先ず除去する必要がある。さらに、毎日使
用前に標準化された新鮮なヒツジ細胞を使用せねばなら
ない。ヒツジ細胞凝集試験はリュウマチ様関節炎のRF
に対しより特異性があると一部の人は考えているけれど
も、新鮮な細胞を必要とすることはこの方法を日常操作
として行うには若干不便である。
【0009】その他用いられる試験には当初のラテック
ス凝集試験を直接変更した方法が含まれる。例えば、指
示薬システムとして凝集したヒトのIgGを塗布するの
にラテックスの代わりにベントナイト粒子を用いる凝析
試験が一部の研究室で用いられている。ホルマリン処理
及びタンニン処理されたヒツジ細胞、すなわち、保存細
胞が指示薬システムとして凝集したヒトのIgGを塗布
するのに用いられる。次いでこれらの細胞はRFによっ
て凝集させられる。この試験は非常に高感度であるが、
ラテックス試験よりも操作が若干難しく、日常研究用と
して何等実用的な利点をもたらすものではない。不溶化
IgGを免疫溶媒として用い、それからIgGを溶出
し、確認することができるIgG・RF放射免疫検定
(ラジオイムノアッセイ)もまた開発されている。二重
拡散法及び単拡散法を用いる免疫試験も同様に開発され
ている。
【0010】自動化されたネフェロ分析又はタービジテ
ィ分析は一般に各種の指示薬システムを用いて行うこと
ができる。タービジティ分析では粒子又は凝集物の懸濁
液を通過する光の減少を測定する。光の減少は凝集物に
よる光の反射、散乱及び吸収によって生じる。ネフェロ
分析で測定されるのは光の通路でない方向に置かれた検
知器に入る散乱光又は反射光である。自動化が適用でき
ないか実際的でない場合、試料中に観察される凝集物の
量が単一の標準又は一連の標準対照と視覚的に比較され
る単純化されたネフェロ分析及びタービジティ分析が用
いられる。
【0011】前述の指示薬システムに加えて加熱凝集I
gGを指示薬システムとして用いることができる。指示
薬システムとして加熱凝集IgGを用いることの第一の
欠点はその加熱凝集工程において得られるIgGのFc
部分の配列が制御できずランダムになることである。指
示薬システムのコア(芯)にラテックス、ベントナイト
又は類似の粒子を用いる場合、そのままのIgG抗体及
びFcフラグメントのどちらでも用いることができ、F
c結合部位の数及び配列は使用する結合方法に応じて容
易に制御できる。ネフェロ分析及びタービジティ分析方
法は、選択された指示薬システムの形式に関わりなく、
従来滴定段階で表わされた粒子凝集を視覚的に高度に主
観的に評価されていたことを機器によって客観的に分析
するという大きな利点を提供する。
【0012】RF試験用血清又は滑液は反応活性な補体
成分Clqを検定前に不活性化するため通常56℃で加
熱しなければならない。血清試料中にしばしば存在する
Clq成分は多価性「チューリップの束」と称されてき
たが、各「チューリップ」はRFとしてのIgGの同じ
Fcに結合することができる。したがって、試験試料中
に存在するどのClqもまたIgGを塗布した粒子を凝
集させることができ、その結果偽の陽性反応が生じる。
【0013】熱不活性化処理の全所要時間は約45分で
ある。各試料は初めに56℃±1℃で30分±1分間温
置処理される。試料は次いで5分間マイクロ遠心分離さ
れる。さらに試料処理に残余の約10分間が用いられ
る。この所要の試料前処理はRF検定に一般に各試験に
取り入れねばならない付加的な時間のかかる操作を課す
ことになる。
【0014】前処理、すなわち熱不活性化処理はある場
合、ラテックス・スライド凝集及び/又はラテックス試
験管試験が用いられる場合に避けられていた。これらの
試験における熱不活性化処理の忌避は一般に標準グリシ
ン緩衝液の使用及びClqの大幅な希釈を必要とした。
例えば、標準ラテックス試験管試験では1:20から
1:10240までの一連の希釈が用いられている。グ
リシン化合物はClqに対しある程度の抑制効果を有し
ていると考えられている。
【0015】しかしながら、各RF検定はその検定精度
などの特質に関して種々の必要条件を有している。例え
ば、大部分のネフェロ検定及びタービジティ検定ではあ
る程度与えられた濃度範囲内での視覚的判断とは反対に
客観的な数値データが得られる。これら自動化形式のネ
フェロ検定及びタービジティ検定では、視覚的ラテック
ス凝集及びラテックス試験管試験において試験試料から
干渉性のあるClqを十分希釈するのに必要とされるよ
うな血清試料の大幅な希釈は許されない。それゆえ、こ
のパラメーター調整は典型的なネフェロ及びタービジテ
ィRF検定では避けることができない。
【0016】グリシン緩衝液のみ使用の自動化ネフェロ
及びタービジティRF検定での汎用的応用は無効である
ことが証明されている。その他公知のClq抑制剤、例
えば、米国特許第4,153,417号に開示されたジ
アミノブタンやデオキシリボ核酸なども同様にこれらネ
フェロ及びタービジティ検定において不満足なものであ
ることが証明されている。これらの化合物はClq活性
を抑制したり又は同時に検定結果を損なうことなくRF
活性を抑制することのどちらに対しても効果がない。
【0017】ラテックス試験管試験はガラス器具、試薬
及び技術者の所要時間の点で経費高であるため、かつス
ライド凝集試験は欠点があるため、自動化ネフェロ及び
タービジティ試験が高度に望ましいものとなってきた。
Clqを不活性化するための前処理段階を別に必要とし
ないこの種の試験法を提供することは有利なことであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】血清及び滑液中のRF検
定に用いる新規な緩衝剤が本発明によって提供される。
新規な緩衝剤はヘパリンを含有する。驚くべきことにヘ
パリンがRF活性を有意に抑制することなくClqの干
渉抑制剤として作用し、したがって、従来技術の操作に
おいて必要とされる煩雑で時間のかかる加熱不活性化前
処理段階を排除できることが発見された。本発明の緩衝
剤は特にネフェロ及びタービジティ検定に有用であり、
驚くべきことにRF検定に高度の温度安定性及び改善さ
れた精度を付与することが発見された。
【0019】ヘパリンは血液の凝固時間を延長するムコ
多糖硫酸エステルである。市販品として入手できるナト
リウムヘパリンは血液の凝固時間を延長する性質を有す
る活性成分の混合物である。ナトリウムヘパリンは通常
ウシ、ヒツジ、ブタ及びその他人間の食糧に使用される
家畜哺乳類の肺臓、腸の粘液、その他適当な組織から得
られる。
【0020】ヘパリンの活性度は米国においては伝統的
に国際単位(IU)とは異なる米国薬局方(USP)に
基づく単位(ユニット)で測定される。ナトリウムヘパ
リンの効力は、乾燥物を基準にして、肺臓から得られた
場合一般に1mg中120USPユニット未満、その他
の組織から得られた場合一般に1mg中140USPユ
ニット未満であり、ラベルに表示された効力の90.0
%以上、110.0%未満である。
【0021】本発明によれば、RF検定中にClqを抑
制するため緩衝剤1リットル当り少なくとも750,0
00USPユニットのナトリウムヘパリンが添加され
る。本発明の好ましいリン酸塩緩衝剤が用いられる場
合、最適としては1リットル当り少なくとも約1,00
0,000USPユニットが添加される。
【0022】ナトリウムヘパリンはRF検定に用いるこ
とができるいかなる緩衝液にも効果的に添加することが
できる。しかし、ヘパリンの最適量は選択された緩衝剤
に応じて変わる。例えば、グリシン緩衝液で用いられる
ナトリウムヘパリンの最適量は報告されたところではグ
リシンがClqに若干の抑制効果を固有していることに
より一般に低い。それぞれの緩衝剤に添加されるナトリ
ウムヘパリンの上限量は一般に経済的な考慮により決め
られる。
【0023】RF検定に用いられる緩衝剤は一般にpH
約7.0から約8.5の範囲での緩衝能力を有するもの
である。このタイプの伝統的な緩衝剤にはリン酸塩、グ
リシン、ホウ酸塩及びTRIS(トリ−[ヒドロキシメ
チル]アミノメタン)並びにそれらの誘導体、例えばグ
リシルグリシンが含まれる。また使用されるものとして
はいくつかの新しい生物学的緩衝剤、MOPS(3−
[N−モルフォリノ]プロパンスルホン酸)、TES
(N−トリス−[ヒドロキシメチル]メチル−2−アミ
ノエタンスルホン酸)、HEPES(N−2−ヒドロキ
シエチルピペラジン−N´−2−エタンスルホン酸)、
DIPSO(3−[N−ビス−(ヒドロキシエチル)−
アミノ]−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸)、T
APSO(3−[N−(トリス−ヒドロキシメチル)メ
チルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、
POPSO(ピペラジン−N,N´−ビス−[2−ヒド
ロキシプロパンスルホン酸])、HEPPSO(N−ヒ
ドロキシエチルピペラジン−N´−2−ヒドロキシプロ
パンスルホン酸)、TRICINE(N−トリス−[ヒ
ドロキシメチル]メチルグリシン)、BICINE
(N,N−ビス−[2−ヒドロキシエチル]グリシン)
及びTAPS(N−トリス−[ヒドロキシメチル]メチ
ル−3−アミノプロパンスルホン酸)が含まれる。
【0024】散乱センター、すなわち、凝集体の形成は
デキストラン又はポリエチレングリコール(PEG)な
どかなりの水画分を取り除くことによってタンパク質−
タンパク質の相互作用の可能性を増大させる親水性イオ
ンポリマーの使用によって促進させることができる。ま
たネフェロ分析検定におけるポリマーの使用は感度増大
及び抗血清消費量の低下という利点をもたらす。
【0025】ヘパリンは、驚くべきことに、ジアミノブ
タンやDNAなど従来技術において提案されているいく
つかの化合物よりもClqに対する特異性が大きいため
RF検定緩衝剤に用いる理想的なClq抑制剤であるこ
とが発見された。特にヘパリンは効果的なClq抑制に
適した濃度が用いられるときRFに対する抑制効果が非
常に少ないことが発見された。さらに、ヘパリンを添加
したリン酸塩緩衝剤は加熱不活性化前処理を使用する従
来技術のホウ酸塩緩衝剤の場合と同じ曲線適応を示し、
従来技術の方法と優れた相互関係を示した。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。
【0027】参考例1ヘパリン緩衝剤の調合 ヘパリン含有RF緩衝剤200リットルを次のように調
製した。
【0028】
【表1】
【0029】成分はマグネチックスターラーを用い過剰
量の脱イオン水に溶解した後、得られた溶液はさらに残
余量の脱イオン水を用いて所定量にした。ヘパリンは容
易には溶解せず、完全に溶解するには30分の攪拌時間
が必要であった。
【0030】実施例1 典型的なRFネフェロ免疫検定を標準RFの希釈液、加
熱凝集IgG及び例1で得られたヘパリン緩衝液の使用
により行った。これらの結果は別の加熱不活性化段階を
伴った従来技術のホウ酸緩衝液を使用する同じ検定結果
と比較した。
【0031】RF濃縮物はカリフォルニア、サンマルコ
スのアルト・サイエンティフィック社から入手し、内標
準として用いた。この濃縮物は表2の第1欄に示した濃
度に希釈した。ネフェロ分析測定はICS(商標)ネフ
ェロメーター(ベックマン・インスツルメンツ)を用
い、ICS(商標)ガラスびん(ベックマン・インスツ
ルメンツ)中に500mlのヘパリン緩衝液を入れ、各R
F標準希釈液から適切な試料100mlを注入した。マニ
ュアルモードM33の装置ゲイン設定を用いた。一時的
な注入過渡がおさまり、基線が得られた後42mlの加熱
凝集IgG(RF抗原(商標)、ベックマン・インスツ
ルメンツ)を添加し、計器のピークレート信号記録を開
始させた。結果は表2の第2欄に示した。
【0032】次いでRF標準液の希釈試料を56℃(±
1℃)において30分(±1分)間加熱不活性化処理し
た後、11,000rpmで5分間遠心分離した。ヘパ
リン緩衝液を従来技術のホウ酸塩緩衝液に変えた以外前
記と同じ方法でネフェロ分析測定を行った。
【0033】
【表2】
【0034】表2の結果は図1にグラフで示すが、これ
から本発明のヘパリン緩衝剤では従来技術の標準ホウ酸
塩緩衝剤を用いる加熱不活性化法で得られたデータと同
じ曲線適応を有するデータが得られることがわかる。
【0035】実施例2温度感受性 例2でのRFネフェロ分析検定を3種の異なった温度、
すなわち、18℃、25℃及び32℃で同じ内標準を用
いて繰り返した。これらの検定から得られた粗データ
を、内標準をカレッジ・オブ・アメリカン・パソロジス
トのRF用レファレンス・プレパレーション(CAP・
RPRF)又はディシーズ・コントロール・センター
(CDC)で作成された外部コントロール・システムに
照合することにより作成されるターゲット値に対し規格
化した。CAP・RPRFコントロール・システムは世
界保健機構(WHO)に由来するものである。CAP・
RPRF活性ユニットは約20から約125ユニットま
でで運転されるスケールに規格化されている。CDC活
性ユニットは国際ユニット(IU)として報告され、約
60から約400ユニットまでで運転されるスケールに
規格化されている。
【0036】本発明のヘパリン緩衝剤を用いるRFネフ
ェロ免疫検定で使用する標準はCAP・RPRFユニッ
トに標準化した。2084のターゲット・レート値はC
AP・RPRFユニットを照合しながら、ベックマンI
CS(商標)ネフェロメーターでの濃度85.3ユニッ
ト/mlに設定した。これらの温度感受性研究の結果は表
3に示す。同じ結果を図3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】加熱不活性化及び従来技術のホウ酸塩緩衝
剤を用いるRFネフェロ免疫検定に同じRF内標準を用
いた。ただし、CDC国際ユニットで標準化した。その
他のすべてについては、例2で記載したことを除いてヘ
パリン緩衝液の場合と同じ操作を行った。1470のタ
ーゲット・レート値はCDCシステムを照合しながら、
ベックマンICS(商標)ネフェロメーターでの濃度2
23.0IU/mlに設定した。これらの従来技術操作の
温度感受性研究の結果は表4に示し、グラフにして図3
に示す。
【0039】
【表4】
【0040】図2及び図3に示されるグラフの比較は本
発明のヘパリン緩衝剤の驚くべき耐温度感受性を明らか
にしている。特に、本発明のヘパリン緩衝剤を用いるネ
フェロRF検定は18℃から32℃へ約29%のレート
ユニットの増大を示しているが、ホウ酸塩緩衝剤と加熱
不活性化を用いる従来技術法では約75%の増大が観察
された。
【0041】実施例3精 度 RF標準液のアリコートを低水準範囲まで希釈し、ネフ
ェロ分析RF検定の読みをヘパリン緩衝剤及び加熱不活
性化を伴うホウ酸塩緩衝剤について各20回繰り返し
た。測定は前記例2及び例3の場合と同様18℃及び2
5℃において同じ試料について行った。ICS(商標)
ネフェロメーター(ベックマン・インスツルメンツ)を
用い、ヘパリン緩衝剤ではCAP・RPRF単位で、ホ
ウ酸緩衝剤ではCDC国際単位でそれぞれ結果が得られ
るようプログラムを組んだ。結果は表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】次いで同じRF標準液のアリコートをRF
陽性と考えられる適度の濃度まで希釈した。同じ試料に
ついて、ヘパリン緩衝剤及び標準ホウ酸塩緩衝剤による
従来技術加熱不活性化法を用いる繰り返し6回の測定を
それぞれ18℃、25℃、32℃で行った。ヘパリン緩
衝剤試料についての結果はCAP・RPRF単位で、ホ
ウ酸塩緩衝剤の結果はCDC国際単位でそれぞれ示され
た。その比較データを表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】大部分の場合、ヘパリン緩衝液試料は有意
に低い標準偏差を示した。このデータは本発明のヘパリ
ン緩衝剤を用いることから得られる精度改善という異常
な発見を確認するものである。
【0046】本発明はその本質的な精神から離れること
なく数々の形で具体化することができるから、本発明は
前述の記載に対照させて別記の請求の範囲により明確に
されるべきものである。
【0047】
【発明の効果】血清及び滑液中のRF検定に用いるヘパ
リンを含有する新規な緩衝剤が本発明によって提供され
る。ヘパリンがRF活性を有意に抑制することなくCl
qの干渉抑制剤として作用し、したがって、従来技術の
操作において必要とされる煩雑で時間のかかる加熱不活
性化前処理段階を排除できる。本発明の緩衝剤は特にネ
フェロ及びタービジティ検定に有用であり、RF検定に
高度の温度安定性及び改善された精度を付与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘパリン緩衝剤を用いる加熱不活性化
処理なしのネフェロ分析RF検定と従来技術のホウ酸塩
を使用する加熱不活性化処理ありの同様検定のデータ比
較グラフである。
【図2】本発明のヘパリン緩衝剤を用いるネフェロ分析
RF検定の温度安定性を示すグラフである。
【図3】従来技術のホウ酸塩を使用するネフェロ分析R
F検定の温度安定性を示すグラフである。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緩衝剤及びClqの干渉を有効に抑制す
    る量のヘパリンを含んでなるRF免疫検定用試薬。
  2. 【請求項2】 該ヘパリンが少なくとも約750,00
    0USPユニット/リットルの濃度で存在する請求項1
    記載の試薬。
  3. 【請求項3】 該緩衝剤がpH範囲約7.0から約8.
    5での緩衝能力を有する請求項1記載の試薬。
  4. 【請求項4】 該ヘパリンが少なくとも約750,00
    0USPユニット/リットル存在する請求項3記載の試
    薬。
  5. 【請求項5】 該緩衝剤がリン酸塩、グリシン、ホウ酸
    塩、TRIS、MOPS、TES、HEPES、DIP
    SO、TAPSO、POPSO、HEPPSO、TRI
    CINE、BICINE、TAPS及びそれらの混合物
    からなる群から選ばれる請求項3記載の試薬。
  6. 【請求項6】 該ヘパリン緩衝剤が約1,000,00
    0USPユニット/リットルの濃度で存在する請求項5
    記載の試薬。
  7. 【請求項7】 該緩衝剤がリン酸塩緩衝剤である請求項
    6記載の試薬。
  8. 【請求項8】 さらに有効量のポリエチレングリコール
    を含んでなる請求項7記載の試薬。
  9. 【請求項9】 該ポリエチレングリコールが少なくとも
    7.5g/リットルの濃度で存在する請求項8記載の試
    薬。
  10. 【請求項10】 a.試験試料をヘパリンの存在下で多
    数のIgG抗体の露出Fc部分を含んでなる指示薬シス
    テムと接触させ、 b.凝集の存在を検出することからなる試験試料中のF
    Rを測定する方法。
  11. 【請求項11】 該検出を機器的に実施する請求項10
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 該検出をネフェロ分析又はタービジテ
    ィ分析で実施する請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 該ヘパリンが少なくとも約750,0
    00USPユニット/リットル存在する請求項12記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 該試験試料をさらにpH範囲約7.0
    から約8.5での緩衝能力を有する標準緩衝剤に接触さ
    せる請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 該標準緩衝剤がリン酸塩、グリシンホ
    ウ酸塩、TRIS、MOPS、TES、HEPES、D
    IPSO、TAPSO、POPSO。HEPPSO、T
    RICINE、BICINE、TAPS及びそれらの混
    合物からなる群から選ばれる請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 該指示薬システムが加熱凝集したIg
    G抗体である請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 該ヘパリン緩衝剤が約1,000,0
    00USPユニット/リットルの濃度で存在する請求項
    16記載の方法。
  18. 【請求項18】 該標準緩衝剤がリン酸塩緩衝剤である
    請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 該試験試料をさらに有効量のポリエチ
    レングリコールと接触させることからなる請求項18記
    載の方法。
  20. 【請求項20】 該ポリエチレングリコールが少なくと
    も7.5g/リットルの濃度で存在する請求項19記載
    の方法。
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