JP2853397B2 - トルクコンバーター用羽根部品の製造方法 - Google Patents

トルクコンバーター用羽根部品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、トルクコンバーター
を構成する羽根部品を製造するのに利用されるトルクコ
ンバーター用羽根部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバーターを構成する羽根部品
としては、例えば、図1に示すようなものがある。
【0003】すなわち、図1に示す自動車用オートマチ
ックトランスミッションのトルクコンバーターインペ
ラ,タービン等のトルクコンバーター用羽根部品1は、
プレス成形したインペラシェル2,ブレード3,コア4
等の各部品を多数のかしめ部5により固定した構造をな
している。
【0004】そして、近年におけるエンジン出力の向上
に伴う負荷の増大ならびに静粛性等の要求から、かしめ
部5により固定した後、さらに各部品の接触部を銅系の
ろう材を用いてろう付けを行って強固に固定することに
より、部品間における相互の変位による強度,剛性の低
下およびノイズの発生を防止するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のトルクコンバーター用羽根部品の製造方法に
あっては、羽根部品1に組み立てた後において1100
°C前後の高温でろう付けを行うため、従来の固溶体強
化型や複合組織型の高張力鋼では、組織変態によって製
造時の制御圧延,熱処理等により得られた強度特性が損
われたり、また、プレス成形時の加工硬化により強度が
向上していた各部品が加工硬化組織の再結晶に伴う軟化
により強度が低下したりしてしまうという問題点があ
り、これらの問題点を解決することが課題となってい
た。
【0006】
【発明の目的】この発明は、このような従来の課題にか
んがみてなされたもので、トルクコンバーター用羽根部
品に組み立てた後において負荷の増大や静粛性向上等の
要求に対処するために1100°C前後の高温でろう付
けを行うときでも、強度が低下するのを防止することが
可能であるトルクコンバーター用羽根部品の製造方法を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるトルク
コンバーター用羽根部品の製造方法は、重量%で、C:
0.20%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.0
5〜1.00%、P:0.03%以下、S:0.03%
以下、Cu:0.20〜2.00%、残部Feおよび不
純物よりなる引張り強さ20〜60Kgf/mmの熱
間ないしは冷間圧延鋼板を素材とし、冷間成形後にろう
付けを行うに際してろう付け温度から直接もしくはいっ
たん常温まで冷却した後に400〜700°Cに5分以
上保持して引張り強さを冷間成形前よりも10Kgf/
mm以上向上させる構成としたことを特徴としてお
り、このようなトルクコンバーター用羽根部品の製造方
法に係わる発明の構成をもって前述した従来の課題を解
決するための手段としている。
【0008】以下、本発明に係わるトルクコンバーター
用羽根部品の製造方法の構成をさらに詳細に説明する。
【0009】まず、本発明における素材の成分限定範囲
を説明する。
【0010】Cは強度の向上に必要な元素であり、製品
に要求される強度に応じて含有量が選定されるべきであ
るが、0.20%を超えて含有するとプレス成形性や溶
接性が悪化するため、Cの含有量を0.20%以下とし
た。
【0011】Siは脱酸剤として必要な元素であるが、
0.50%を超えて含有すると熱間圧延時に肌荒れ等の
表面欠陥を生じるため、Siの含有量を0.50%以下
とした。
【0012】Mnは焼入れ性の向上ならびに脱酸剤とし
て有用な元素であるが、0.05%未満では必要とする
強度を得ることができず、1.00%を超えて含有する
と靱性が低下するため、Mnの含有量を0.05〜1.
00%とした。
【0013】Pは冷間加工性を害する元素であるため、
Pの含有量を0.03%以下とした。
【0014】Sは冷間加工性を害する元素であるため、
Sの含有量を0.03%以下とした。
【0015】Cuはこの発明における鋼板の時効硬化性
に最も重要な元素であり、添加量が0.20%未満では
時効硬化量が十分でなく、また、2.00%超過では熱
間加工性が著しく低下することおよび経済性が低下する
ことを考慮して、Cuの含有量を0.20〜2.00%
とした。
【0016】そのほか、Cuの添加による熱間加工性の
低下を補うため、2.50%以下のNiを添加しても良
い。
【0017】本発明では、上記のような化学成分を有
し、熱間ないしは冷間圧延後の引っ張り強さが20〜6
0Kgf/mmの熱間ないしは冷間圧延鋼板を素材と
し、より望ましくは10%以上の加工歪が加わる冷間成
形加工を施したのち、銅ろう等による例えば炉内ろう付
けなどのろう付けを行うに際し、通常のろう付け温度と
して例えば900〜1200°Cに5〜60分保持した
後、このろう付け温度から直接もしくはいったん常温ま
で冷却した後に400〜700°Cの範囲の温度にて5
分以上180分以下程度保持することにより、最終的に
引張り強さをろう付け以前よりも10Kgf/mm
上30Kgf/mm以下程度の範囲で向上させるよう
にしている。
【0018】ここで、この発明において、上記のように
ろう付け温度を900〜1200°Cとするのが望まし
い理由は、通常のトルクコンバーター用羽根部品のろう
付け材料としては、ろう付け部の強度および経済性の面
から銅系のろう材を使用する場合が多いためであり、こ
の温度範囲では成分中の銅原子は鋼中に固溶し、その状
態から冷却することにより、銅原子は過飽和固溶状態と
なる。そして、図2に示すように、時効温度(加熱温
度)が400°C未満または700°C超過となった場
合に10Kgf/mm以上の引張り強さの向上が得ら
れず、また、同じく図2に示すように、時効時間が5分
未満では10Kgf/mm以上の引張り強さの向上が
得られないことが明らかとなった。
【0019】また、経済性を考慮して、加熱時間は18
0分以下とするのが良い。
【0020】
【発明の作用】この発明に関わるトルクコンバーター用
羽根部品の製造方法では、強度,プレス成形性,溶接性
等を考慮してC含有量を定め、熱間圧延時の肌荒れ等を
考慮してSi含有量を定め、焼入れ性や靱性等を考慮し
てMn含有量を定め、冷間加工性を考慮してP,S含有
量を規制し、時効硬化性や熱間加工性等を考慮してCu
含有量を定め、その他熱間加工性を考慮して2.50%
以下のNiを含有させ、脱酸剤として0.01%〜0.
10%のAlを含有させ、被削性を考慮して0.000
5〜0.0050%のCaを含有させることができるこ
ととした引張り強さ20〜60Kgf/mmの熱間な
いしは冷間圧延鋼板を素材とし、冷間成形後にろう付け
を行うに際してろう付け温度から直接もしくはいったん
常温まで冷却した後に400〜700°Cに5分以上保
持して引張り強さを冷間成形前よりも10Kgf/mm
以上向上させる構成としているので、トルクコンバー
ター用羽根部品に組み立てた後において1100°C前
後の高温でろう付けを行うときでも、強度の低下が防止
されるようになり、エンジン出力の向上に伴う負荷の増
大や静粛性の向上に対する要望に対処しうるものとな
る。
【0021】
【実施例】この実施例においては、図1に示したトルク
コンバーター用羽根部品1に適用した。
【0022】このトルクコンバーター用羽根部品1は、
前記したように、自動車用オートマチックトランスミッ
ションのトルクコンバーターに適用されるものであっ
て、シェル2,ブレード3,コア4等の各部品は各々多
数のかしめ部5により機械的に結合すると同時に、ろう
付け接合も加えることにより、各部品間の取付け剛性が
より高くなるようにした構造としているものである。
【0023】そこで、表1に示すように、本発明に従う
成分を有する本発明例1〜5の鋼板と、本発明成分を外
れる比較例6〜8の鋼板(比較例6はCu含有せず、比
較例7はCu過剰、比較例8はSAPH45)をシェル
2,ブレード3,コア4の素材として適用し、冷間成形
後にろう付け温度1150°Cで20分間保持すること
によりろう付けを行い、その後いったん室温まで冷却し
た後570°Cに保持した塩浴中に30分間浸積し、続
いて水冷した場合の冷間成形前の引張り強さ,冷間成形
性,熱処理後の引張り強さ,高速回転耐久性を調べた。
【0024】これらの結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、冷間成形前の引張り強
さは実施例1〜5においていずれも20〜60Kgf/
mmの範囲にあり、冷間成形性は実施例1〜5の場合
にいずれも良好であって問題なく成形することが可能で
あった。
【0027】また、熱処理後の引張り強さは実施例1〜
5の場合にいずれも冷間成形前の引張り強さよりも10
Kgf/mm以上向上したものとなっていた。
【0028】これに対して、比較例7の場合にはCu含
有量が多すぎるため成形時に割れまたは寸法不良が発生
して冷間成形性に劣るものとなっていた。
【0029】また、表1に示す高速回転耐久性の評価に
際しては、上記部品を組み込んだトルクコンバーターに
おいて、表2に示す条件にて高速回転耐久試験を行った
後に、割れまたは塑性変形による形状変化が見られた場
合は×,問題のない場合を〇とした。
【0030】
【表2】
【0031】この結果、実施例1〜5の場合にはいずれ
も高速回転耐久性に優れたものになっているのに対し
て、比較例6,8では高速回転耐久性に劣るものとなっ
ていた。
【0032】そのほか、上記実施例に述べた製造方法に
よるトルクコンバーター用羽根部品に対して、より一層
の高強度化が必要となる場合には、ろう付け後の時効硬
化処理の替りとして軟窒化処理を施すことにより、疲労
強度を大幅に向上させることが可能となることもわかっ
た。
【0033】
【発明の効果】この発明に係わるトルクコンバーター用
羽根部品の製造方法では、重量%で、C:0.20%以
下、Si:0.50%以下、Mn:0.05〜1.00
%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Cu:
0.20〜2.00%、残部Feおよび不純物よりなる
引張り強さ20〜60Kgf/mmの熱間ないしは冷
間圧延鋼板を素材とし、冷間成形後にろう付けを行うに
際してろう付け後に所定の熱処理を行うこととしたか
ら、ろう付け工程での組織変態や再結晶による部材の強
度低下を防止し、且つまた冷間成形時前よりも10Kg
f/mm以上の引張り強さの向上が得られるので、従
来のトルクコンバーター用羽根部品に比較して強度およ
び剛性に著しく優れた特性を有するものとすることが可
能となり、エンジン出力の向上に伴う負荷の増大や静粛
性の向上に対する要望に対処しうるものになるという著
大なる効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるトルクコンバーター用羽根部
品の製造方法が適用されるトルクコンバーター用羽根部
品の一部であるタービンランナーの構造を示す断面説明
図である。
【図2】この発明に係わるトルクコンバーター用羽根部
品の製造方法において適用される鋼の時効処理における
熱処理時間および加熱温度と引張り強さとの関係を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 トルクコンバーター用羽根部品 2 シェル 3 ブレード 4 コア
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−274738(JP,A) 特開 平2−115352(JP,A) 特開 昭61−15947(JP,A) 特開 平3−79716(JP,A) 実開 平2−56960(JP,U) 特公 昭45−23408(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 41/28 C22C 38/00 301 C22C 38/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.20%以下、Si:
    0.50%以下、Mn:0.05〜1.00%、P:
    0.03%以下、S:0.03%以下、Cu:0.20
    〜2.00%、残部Feおよび不純物よりなる引張り強
    さ20〜60Kgf/mmの熱間ないしは冷間圧延鋼
    板を素材とし、冷間成形後にろう付けを行うに際してろ
    う付け温度から直接もしくはいったん常温まで冷却した
    後に400〜700°Cに5分以上保持して引張り強さ
    を冷間成形前よりも10Kgf/mm以上向上させる
    ことを特徴とするトルクコンバーター用羽根部品の製造
    方法。
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JP4196366B2 (ja) 1998-10-30 2008-12-17 株式会社久保田鉄工所 トルクコンバータ
JP2005133795A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Exedy Corp トルクコンバータの回転体の製造方法、及びその製造方法により製造されたトルクコンバータの回転体
JP4541254B2 (ja) * 2005-08-24 2010-09-08 高周波熱錬株式会社 ろう材及びろう付け方法

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