JP2000129530A - 合成繊維の製造法 - Google Patents

合成繊維の製造法

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JP2000129530A
JP2000129530A JP11211549A JP21154999A JP2000129530A JP 2000129530 A JP2000129530 A JP 2000129530A JP 11211549 A JP11211549 A JP 11211549A JP 21154999 A JP21154999 A JP 21154999A JP 2000129530 A JP2000129530 A JP 2000129530A
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roller
yarns
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yarn
rollers
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Taiichi Okada
泰一 岡田
Yoshiharu Okumura
由治 奥村
Yuhei Maeda
裕平 前田
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紡糸直接延伸法においての従来の問題点を解消
し、産業資材用に適した機械的特性や熱的特性を有する
合成繊維を多糸条同時に安定かつ効率的に製造する方法
を提供する。 【解決手段】熱可塑性重合体を溶融紡糸し、複数の糸条
からなる紡出糸条を口金直下の加熱領域を通過させた後
に冷却し、ローラーで引き取り、引き続き加熱されたロ
ーラー間で複数段延伸した後、加熱された最終延伸ロー
ラーに周回し、さらに該最終延伸ローラーと弛緩ローラ
ーとの間で弛緩熱処理する紡糸直接延伸法による合成繊
維の製造法において、400℃以上の雰囲気下で弛緩熱
処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維の紡糸直
接延伸法に関するものであり、詳しくは産業資材用に適
した機械的特性と熱的特性を有する合成繊維を多糸条同
時に、安定かつ効率的に製造できる方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】産業資材用合成繊維を紡糸直接延伸法に
よって製造する一般的な方法は、溶融紡出された未延伸
状態の糸条をネルソンローラーと呼ばれる1対のローラ
ーにより引き取りつつ予熱し、順次速い周速で回転する
加熱されたローラー群に供給することにより延伸した
後、最終延伸ローラーと最終延伸ローラーよりも低速の
弛緩ローラーとの間で弛緩処理して巻き取るものであ
る。産業用資材分野では高強力とともに多くの場合繊維
の熱収縮率が低いことが要求されるため、熱収縮率を低
くするために通常最も高温のローラーである最終延伸ロ
ーラーへの周回数を多くとり(5周回以上)、最終延伸
ローラー上で熱処理を行うことで産業資材用として適し
た低収縮性繊維を得ている。
【0003】また、近年ではより低コストで繊維を得る
ために産業用繊維の紡糸直接延伸においても4本以上の
多糸条を同時にローラーに周回させ、延伸する方法が多
く採られるようになってきた。しかし、糸条間の干渉を
起こすことなく多糸条を多周回ローラーに周回させるた
めには長い最終延伸ローラーの軸長が必要になる。特に
最終延伸ローラーは最も高速で回転するローラーであ
り、このような長尺のローラーを高温、高速で周回させ
ることは困難であった。さらにローラーは表面の摩耗が
進むと取り外して交換する必要があるがこの場合におい
ても長尺のローラーは必然的に重量が大きくなり、交換
時の作業性においても問題のあるものであった。
【0004】産業用繊維の紡糸直接延伸において多糸条
化を図る技術としては特開平4−245909号公報に
記載の方法が知られている。該公報には、溶融紡出され
た糸条を300m/min以上で引き取り、鏡面ローラ
ーと梨地面ローラーとからなる組ローラーに順次片掛け
にして糸条を送り多段延伸した後、ネルソンローラーに
周回し熱処理する方法が記載されている。この方法は延
伸前の未だ太い糸条をローラーに片掛けにしながら延伸
を行える点で多糸条化に有用ではあるが、加熱ローラー
以外の熱源を使用していないために得られる繊維の収縮
特性を決める最終延伸ローラーには従来同様多数回のネ
ルソン周回を行う必要があり、最終延伸ローラーの長尺
化が避けられないことから十分満足できるものではなか
った。
【0005】この問題を解決するために特開平9−26
8429号公報には1段目の延伸を行った後糸条群を分
割し、分割された糸条群毎にそれぞれ加熱ローラーを用
いて延伸、熱セット、弛緩処理を行う方法が記載されて
いる。この方法では長尺のローラーを使用することなく
低収縮率の糸条を多糸条同時に得ることができるもの
の、分割された糸条群のそれぞれについて延伸・弛緩の
ためのローラー群が必要となることから設備が複雑、高
価なものになるほか糸掛け作業がしづらくなり、作業者
の負担が増えるいう面で問題があった。
【0006】合成繊維の延伸および熱処理の熱源として
加熱ローラー以外のものを用いる例として特開平6−1
58423号公報に記載の方法がある。該公報には溶融
紡出した糸条を非加熱の第1ゴデーローラーで引き取
り、続いて非加熱の第2ゴデーローラーとの間で常圧ス
チームにより延伸し、次いで、105℃以上の加圧スチ
ーム雰囲気下で熱処理する方法が記載されている。本方
法は衣料用繊維の製造方法としては有用であるものの、
本方法を重合体の融点に近い温度での強度の熱処理が必
要な産業用繊維に適用しようとすると1MPa近い高圧
のスチームを使用する必要があり、処理装置からのスチ
ーム漏れを抑制することが難しいことや加圧スチームヒ
ーターに糸を通した後ヒーター内の温度が安定するまで
の時間が長いことなどの問題点が生じる。
【0007】また、特開平5−132816号公報に
は、溶融紡出した糸条を加熱域中で延伸した後第1引き
取りローラーと第2引き取りローラーとの間で遠赤外線
放射性熱処理装置により熱処理する製造法が記載されて
いる。しかしながら、この方法においても該公報に記載
されているごとく、巻き形状の改善など衣料用の繊維で
必要とされるレベルの熱処理は可能であるものの、産業
用繊維として必要とされる低収縮特性を糸条に付与する
ことは到底できないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたように
産業用途で要求される強度と、優れた熱収縮特性の両方
の特性を有する合成繊維を、特に長尺の加熱ローラーを
使用することなしに、かつ多糸条同時に得る技術は知ら
れていないのが現状であった。本発明は、紡糸直接延伸
法においての上記のような問題点を解消し、産業資材用
に適した機械的特性や熱的特性を有する合成繊維を多糸
条同時に安定かつ効率的に製造する方法を提供すること
を主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の紡糸直接延伸法による合成繊維の製造法は主と
して次の構成を有する。すなわち、熱可塑性重合体を溶
融紡糸し、複数の糸条からなる紡出糸条を口金直下の加
熱領域を通過させた後に冷却し、ローラーで引き取り、
引き続き加熱されたローラー間で複数段延伸した後、加
熱された最終延伸ローラーに周回し、さらに該最終延伸
ローラーと弛緩ローラーとの間で弛緩熱処理する紡糸直
接延伸法による合成繊維の製造法において、400℃以
上の雰囲気下で弛緩熱処理することを特徴とする合成繊
維の製造法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用される熱可塑性重合
体は特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートなどのポリエステルやポリカプロラ
クタム、ポリヘキサメチレンアジパミドなどのポリアミ
ドが好ましい。これらの重合体はホモポリマーであって
も、共重合成分を含むものであってもよい。また、重合
体中には色調や耐候性、耐酸化性などを改善する目的で
酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウムなどの無機物
や、耐候剤や耐酸化剤などの薬剤が含まれていてもよ
い。
【0011】また、本発明で使用される重合体は、産業
用繊維として優れた機械的強度を得るために高重合度で
あることが好ましい。好ましい重合度は使用される重合
体がポリエチレンテレフタレートの場合極限粘度が0.
9以上、さらには1.0以上、ポリアミドの場合には硫
酸相対粘度が3.0以上、さらには3.2以上である。
【0012】本発明によって得られる繊維の物性につい
ては、種々の産業用途に好適に使用されるためには、重
合体としてポリアミドを使用する場合には強度9g/d
以上、伸度22%以上、沸水収縮率7%以下、重合体と
してポリエステルを使用する場合には強度7.5g/d
以上、伸度13%以上、乾熱収縮率10%以下であるこ
とが好ましい。
【0013】以下、本発明の実施様態の一例を示す図1
の工程概略図に基づいてさらに詳しく説明する。
【0014】本発明の合成繊維の製造法では、溶融紡糸
機に設けられた複数個の紡出部に取り付けられた口金8
から紡出された複数本(図1では12糸条)の合成繊維
は、口金直下に設けられた加熱領域、すなわち加熱筒9
内を通過した後、チムニー10から供給される冷却風に
よって冷却固化され、次いで給油部11で給油され紡糸
引き取りローラー1で引き取られる。
【0015】引き取られた糸条は、ローラー2からロー
ラー4、4’に至る間で複数段延伸される。産業資材用
繊維として強伸度に優れた繊維を得るためには、少なく
とも引き取りローラー、弛緩ローラー以外のすべてのロ
ーラーを加熱ローラーとする必要があり、また延伸段数
としては2段以上が必要である。
【0016】また、本発明において紡糸引き取りローラ
ー1から最終延伸供給ローラー3、3’に至るまでの各
ローラーは、それぞれ1対のローラーであってもよい
し、単ローラーであってもよい。また、各ローラーへの
糸条の巻き掛け数は、1周回未満の片掛けとすることが
好ましい。これらのローラーへ糸条を周回させず、糸条
を片掛けに渡すことで十分に延伸される前の未だ太い糸
条を周回させる際に発生しやすい糸条同士の干渉による
トラブルを減少させることができる。また、これらのロ
ーラーへ糸条を周回させず、糸条を片掛けに渡すことが
延伸性や得られる繊維の物性に特に悪影響を与えること
はない。
【0017】最終延伸供給ローラー3、3’の表面温度
は、溶融紡糸する熱可塑性重合体の融点より50℃低い
温度〜融点の範囲とすることが好ましい。該最終延伸供
給ローラーの表面温度を融点近くの高温度とし、十分に
加熱された糸条を続く最終延伸ローラー4、4’に供給
することで最終延伸ローラーおよび該最終延伸ローラー
後の熱処理部で良好な熱処理を行うことができる。ま
た、最終延伸供給ローラー3、3’の直径は、該最終延
伸供給ローラーの重量が大きくなり過ぎない範囲で大き
くすることが良く、好ましくは30cm以上である。か
かる直径範囲とすることで該最終延伸供給ローラー周回
中の糸条とローラーの接触時間を十分に保持でき、より
高温度の糸条を続く最終延伸ローラーへ供給することが
可能となり、該最終延伸ローラー以降での熱処理が有利
となることを期待できるものである。
【0018】引き続き糸条は最終延伸ローラーである
4、4’に周回され、続く領域内に設けられた400℃
以上の雰囲気下に保たれたヒーター5内を通過し、次い
で弛緩ローラー6、6’に周回された後巻取られる。ロ
ーラーの長尺化を避けるためには最終延伸ローラーへの
周回数は3回以下とすることが好ましく、さらに好まし
くは2回以下である。
【0019】本発明においては、最終延伸ローラーを加
熱ローラーとするものである。最終延伸ローラーを加熱
ローラーとしなければ、少ない最終延伸ローラーへの周
回数で十分な熱処理効果を得ることができない。好まし
い最終延伸ローラー4、4’の表面温度は、溶融紡糸す
る熱可塑性重合体の融点より30℃低い温度〜融点の範
囲であり、さらに好ましくは融点より15℃低い温度〜
融点の範囲である。かかる表面温度範囲とすることで、
糸条の加熱が十分となり良好な熱処理を行うことができ
る。
【0020】本発明においては、最終延伸ローラー後の
弛緩熱処理部の雰囲気温度を400℃以上に保つもので
ある。熱処理部5内の雰囲気温度が400℃未満の場合
には糸条の加熱が不十分となり良好な熱処理を行うこと
ができない。
【0021】最終延伸ローラー4、4’に続く領域内に
設けた熱処理部の好ましい雰囲気温度は600℃以上、
さらには800℃以上であるのがよい。本発明では加熱
された最終延伸ローラー4、4’とそれに続く熱処理部
5との併用により糸条を十分に加熱でき、熱セットによ
り産業資材用として適した低収縮性を有した合成繊維の
製造がはじめて可能となる。
【0022】最終延伸ローラー後に設けた熱処理部5と
しては過熱スチームヒーターや乾熱ヒーターを使用する
ことができるが、本発明における熱処理部の好ましい形
態は非接触型の乾熱ヒーターである。本発明で用いる非
接触式乾熱ヒーター装置の加熱長としては、50cm〜
150cmのものが好ましく、さらに好ましくは100
cm〜150cmであるのがよい。かかる加熱長範囲と
することで、糸条に十分な熱を供給することができ、ま
た、過度に装置が大がかりとなることもなく通常使用さ
れる延伸機に組み付けることが可能となる。
【0023】本発明では最終延伸ローラーの長尺化を避
けるために最終延伸ローラーへの周回数を3回以下にす
ることが好ましいが、最終延伸ローラーへの周回数を低
減させると一般に糸条の把持力が低下しローラー前後で
の張力分離が不十分になる傾向がある。この問題を避け
るためには最終延伸ローラーの少なくとも一部に表面粗
度1S以下の鏡面処理を施すことが好ましい。鏡面処理
を施す箇所は1対のローラーのうち片方のローラーの全
面に施してもよいし、両方あるいは片方のローラーの軸
方向の一部のみに施してもよい。鏡面部の表面粗度を1
S以下とすることで糸条の把持力低下を有効に防ぐこと
ができる。なお、鏡面処理を施さない部分のローラー表
面は梨地とすることが好ましい。
【0024】本発明の方法において、好ましい延伸速度
は最終延伸ローラーにおいて速度2,000m/min〜4,500m/m
inである。最終延伸ローラー速度をかかる範囲とするこ
とで、高生産効率性を十分とし、一方、最終延伸ローラ
ーおよび最終延伸ローラー後の熱処理部における熱処理
時間を十分に保持可能となる。
【0025】本発明の方法により得られる糸条の繊度は
500D以下とするのが好ましい。得られる繊維の繊度
を500D以下とすることで最終延伸ローラー後の熱処
理部における熱処理を均一とし、熱処理の効果を十分に
得ることができる。
【0026】本発明において同時に延伸を行う糸条数に
ついては、12糸条以上であることが好ましい。12糸
条よりも糸条数が少ない場合には(通常8糸条あるいは
9糸条となる)、得られる繊維の繊度にも依るが特に本
発明の方法によることなく、通常の最終延伸ローラーに
例えば5周回以上の多周回を行うことで熱処理が可能に
なる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、物性値は次の方法により測定した値である。 A.強度・伸度: 試料を20℃、65%RHの温調室
に24時間以上放置した後、(株)オリエンテック社製
“テンシロン”引張試験機を用い、試長250mm、引
張速度300mm/分で強伸度曲線を描くことにより求
める。 B.沸騰水収縮率: 試料(ポリアミド)をカセ状にと
り、20℃、65%RHの温調室に24時間以上放置し
た後試料の0.1g/dに相当する荷重をかけて測定し
た長さL0と、同試料を無張力状態で沸騰水浴中に30
分間放置した後浴から取り出し、上記温調室で4時間放
置し後再び上記荷重をかけて測定した長さL1から以下
の式により求める。 沸騰水収縮率={(L0−L1)/L0}×100 C.乾熱収縮率: 試料(ポリエステル)をカセ状にと
り、20℃、65%RHの温調室に24時間以上放置し
た後、試料の0.1g/dに相当する荷重をかけて測定
した長さL0と、同試料を無張力状態で180℃のオー
ブン中に30分間放置した後オーブンから取り出し、上
記温調室で4時間放置し後再び上記荷重をかけて測定し
た長さL1から以下の式により求める。 乾熱収縮率={(L0−L1)/L0}×100 D.硫酸相対粘度: 試料(ポリアミド)2.5gを9
8%硫酸25mlに溶解し、オストワルド式粘度計を用
いて25℃で測定した。 E.融点: 試料をアルミパンに入れ、Perkin−
Elmer社製のDSC−II型を用い乾燥N2フロー下
で、昇温速度10℃/min、感度4mcal/sec
フルスケールの条件で測定した。 F.極限粘度: 試料(ポリエステル)8gをオルソク
ロロフェノール100mlに溶解し溶液粘度(η)をオ
ストワルド式粘度計を用いて25℃で測定し、以下の近
似式により求める。 極限粘度=0.242η+0.2634 G.製糸安定性: 1糸条1日あたりの糸切れによる停
台回数から以下の基準により製糸安定性を判定する。 糸切れ回数が概ね0.1回未満の場合;○ 糸切れ回数が概ね0.1回以上0.5回未満の場合;△ 糸切れ回数が概ね0.5回以上の場合;×
【0028】(実施例1〜5および比較例1〜3)硫酸
相対粘度3.50のナイロン6,6ペレット(融点:2
59℃)をエクストルーダで溶融し、計量ポンプにより
144孔(72孔×2)の2糸条取り用の紡糸口金6個
に分配し、295℃で紡糸した。紡出された糸条を温度
240℃、長さ200mmの加熱筒9に通過させ、次い
で常温、風速30m/分のチムニー10中を通過させ、
給油部11で給油を施した後、紡糸引き取りローラー1
に12糸条引き揃えて引き取った後、ローラー2に巻き
掛け予備延伸を行った。引き取りローラー1およびロー
ラー2の条件を表1に示す。引き続き、糸条を表2、表
3に示す条件の最終延伸供給ローラー3、3’、最終延
伸ローラー4、4’および熱処理部5に通過させ、2段
延伸、熱処理を施した後、該最終延伸ローラー4、4’
の0.93倍の周速で回転する表面温度140℃の弛緩
ローラー6、6’に2周回周回させ、弛緩処理して巻き
取ることにより420Dのナイロン6,6繊維を製造し
た。熱処理部5としては非接触式型の乾熱ヒーターを用
いた。得られたナイロン6,6延伸糸の強伸度特性、収
縮特性および製糸時の製糸安定性を評価した結果を表
4、表5に示す。表4、表5から明らかなように、本発
明の方法によれば機械的特性や熱的特性に優れたポリア
ミド繊維を安定に製造することができた。これに対し
て、最終延伸供給ローラーおよび最終延伸ローラーを非
加熱とした本発明の範囲外の条件では、産業資材用とし
て優れた機械的特性、熱的特性を有した繊維を得ること
ができず、また、安定した製糸が困難であった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】 ※表中、最終延伸ローラーの表面粗度の項は、ローラー
4の表面粗度/ローラー4’の表面粗度の順に記載され
ている(以下の表において同じ)。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】(実施例6〜9および比較例4〜6)最終
延伸供給ローラー3、3’、最終延伸ローラー4、4’
および熱処理部5の条件を表6、表7とした以外は実施
例1と同様の製糸工程によりナイロン6,6繊維を製造
した。得られたナイロン6,6延伸糸の強伸度特性、収
縮特性および製糸時の製糸安定性を評価した結果を表
8、表9に示す。表8、表9から明らかなように、本発
明の方法によれば機械的特性や熱的特性に優れたポリア
ミド繊維を安定に製造することができた。これに対し
て、非接触乾熱ヒーターの温度が本発明の範囲外の条件
では、産業資材用として優れた熱的特性を持った繊維を
得ることができなかった。また、1段延伸とした比較例
6の条件では、糸切れが多発し繊維を製造することがで
きなかった。
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【表9】
【0039】(実施例10〜13および比較例7、8)
極限粘度1.20のポリエチレンテレフタレートのペレ
ット(融点:260℃)をエクストルーダで溶融し計量
ポンプにより96孔(48孔×2)の2糸条取り用の紡
糸口金6個に分配し、300℃で紡糸した。紡出された
糸条を温度320℃、長さ400mmの加熱筒9に通過
させ、次いで常温、風速30m/分のチムニー10中を
通過させ、給油部11で給油を施した後、紡糸引き取り
ローラー1に12糸条引き揃えて引き取り、次いでロー
ラー2に巻掛け予備延伸を行った。引き取りローラー1
およびローラー2の条件を表10に示す。引き続き糸条
を表11、表12に示す条件の最終延伸供給ローラー
3、3’、最終延伸ローラー4、4’に巻掛けた後、熱
処理部5を経て、2段延伸、熱処理を施し、該ローラー
4、4’の0.97倍の周速で回転する非加熱の弛緩ロ
ーラー6、6’に2周回周回させ、弛緩処理して巻き取
ることにより250Dのポリエチレンテレフタレート繊
維を製造した。熱処理部5については実施例1と同様に
した。得られたポリエチレンテレフタレート延伸糸の強
伸度特性、収縮特性および製糸時の製糸安定性を評価し
た結果を表13、表14に示す。表13、表14から明
らかなように、本発明の方法によれば強伸度特性や収縮
特性に優れたポリエチレンテレフタレート繊維を安定に
製造することができた。これに対して、最終延伸供給ロ
ーラーを非加熱とした本発明の範囲外の条件では、産業
用資材として優れた強度を持たず、最終延伸ローラーを
非加熱としたものでは収縮特性を十分に低減させること
ができなかった。また、両条件とも安定した製糸の面で
問題があった。
【0040】
【表10】
【0041】
【表11】
【0042】
【表12】
【0043】
【表13】
【0044】
【表14】
【0045】(実施例14〜16および比較例9〜1
1)最終延伸供給ローラー3、3’、最終延伸ローラー
4、4’および熱処理部5の条件を表15、表16とし
た以外は実施例10と同様の製糸工程によりポリエチレ
ンテレフタレート繊維を製造した。得られたポリエチレ
ンテレフタレート延伸糸の強伸度特性、収縮特性および
製糸時の製糸安定性を評価した結果を表17、表18に
示す。表17、表18から明らかなように、本発明の方
法によれば機械的特性や熱的特性に優れたポリアミド繊
維を安定に製造することができた。これに対して、非接
触乾熱ヒーターの温度が本発明の範囲外の条件では、産
業資材用として優れた熱的特性を持った繊維を得ること
ができず、1段延伸条件の比較例11では、糸切れが多
発し繊維を製造することができなかった。
【0046】
【表15】
【0047】
【表16】
【0048】
【表17】
【0049】
【表18】
【0050】
【発明の効果】本発明の方法により、産業資材用として
必要な強度と低い収縮率を併せ持つ熱可塑性重合体から
なる繊維を、多糸条同時紡糸延伸によって効率よく得る
ことが可能になる。本発明の方法で得られる繊維は、エ
アバッグ、ロープ類、重布用途や樹脂被服用途、さらに
ホース類やコンベアベルトのようなゴム補強用途など幅
広い産業資材用繊維として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多糸条紡糸直接延伸法の実施態様を示
す工程概略図。
【符号の説明】
1、1’:紡糸引き取りローラー 2:1段目延伸時供給ローラー 3、3’:2段目延伸時供給ローラー(最終延伸供給ロ
ーラー) 4、4’:最終延伸ローラー 5:非接触式乾熱ヒーター 6、6’:弛緩ローラー 7:巻き取り機 8:紡糸口金 9:加熱筒 10:チムニー 11:給油ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D02J 1/22 302 D02J 1/22 302B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性重合体を溶融紡糸し、複数の糸
    条からなる紡出糸条を口金直下の加熱領域を通過させた
    後に冷却し、ローラーで引き取り、引き続き加熱された
    ローラー間で複数段延伸した後、加熱された最終延伸ロ
    ーラーに周回し、さらに該最終延伸ローラーと弛緩ロー
    ラーとの間で弛緩熱処理する紡糸直接延伸法による合成
    繊維の製造法において、400℃以上の雰囲気下で弛緩
    熱処理することを特徴とする合成繊維の製造法。
  2. 【請求項2】 最終延伸ローラーの表面温度を該熱可塑
    性重合体の融点より30℃低い温度〜融点の範囲とし、
    該最終延伸ローラーの少なくとも一部を表面粗度1S以
    下の鏡面とし、かつ、該最終延伸ローラーへの糸条の巻
    掛け回数を3周回以下とすることを特徴とする請求項1
    に記載の合成繊維の製造法。
  3. 【請求項3】 400℃以上の雰囲気下での熱処理が非
    接触式乾熱によることを特徴とする請求項1記載の合成
    繊維の製造法。
  4. 【請求項4】 非接触式乾熱による熱処理の加熱長が5
    0cm〜150cmであることを特徴とする請求項3記載の
    合成繊維の製造法。
  5. 【請求項5】 最終延伸ローラー前に設置された最終延
    伸供給ローラーの表面温度を該熱可塑性重合体の融点よ
    り50℃低い温度〜融点とすることを特徴とする請求項
    1記載の合成繊維の製造法。
  6. 【請求項6】 最終延伸ローラー前に設置された最終延
    伸供給ローラーの直径が30cm以上であることを特徴
    とする請求項1記載の合成繊維の製造法。
  7. 【請求項7】 最終延伸ローラーの周速度が2,000m/min
    〜4,500m/minであることを特徴とする請求項1記載の合
    成繊維の製造法。
  8. 【請求項8】 熱可塑性重合体が硫酸相対粘度3.0以
    上のポリアミドであることを特徴とする請求項1に記載
    の合成繊維の製造法。
  9. 【請求項9】 熱可塑性重合体が極限粘度0.9以上の
    ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請
    求項1に記載の合成繊維の製造法。
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