JPH11124726A - 低伸度ポリエステル繊維及びその製造法 - Google Patents

低伸度ポリエステル繊維及びその製造法

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JPH11124726A
JPH11124726A JP28483797A JP28483797A JPH11124726A JP H11124726 A JPH11124726 A JP H11124726A JP 28483797 A JP28483797 A JP 28483797A JP 28483797 A JP28483797 A JP 28483797A JP H11124726 A JPH11124726 A JP H11124726A
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JP
Japan
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polyester fiber
fiber
polyester
low elongation
elongation
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JP28483797A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Nagara
佳孝 長柄
Kinsaku Nishikawa
欣作 西河
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業資材用に使用することができる強度を有
し、しかも低伸度のポリエステル繊維を製造する。 【解決手段】 固有粘度が0.85〜1.30のポリエ
チレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステ
ルを溶融紡糸し、熱延伸する方法において、ローラ間で
熱延伸した後、−5〜40℃の冷却ローラで急冷する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業資材用として
使用することのできる強度を有し、しかも低伸度のポリ
エステル繊維及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート又はこれを
主体とするポリエステルからなる繊維は、耐久性に優れ
ているので、衣料用のほか産業資材用としても広く使用
されている。近年、産業資材用高強力繊維は、用途別に
よるさらなる機能化と高機能化により、その商品差別化
が一段と進んでいる。
【0003】ところで、従来の産業資材用高強力ポリエ
ステル繊維の製造法では、ワインダーでの巻き締まりを
防ぐ必要などのために、熱延伸した後、弛緩しながら熱
セットするのが通例であった。しかしながら、弛緩熱処
理をすると、熱延伸したポリエステル繊維が本来もって
いる強度を低下させることになり、また、弛緩熱処理に
より伸度が大きくなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、産業資材
用、特にタイヤ、駆動用ベルト、コンベアベルト等のよ
うな工業製品に強度担持材料として、撚り糸、織物、編
み組物の形で使用することのできる強度を有し、しかも
低伸度のポリエステル繊維及びその製造法を提供しよう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は、次の通りである。 1.固有粘度が0.85〜1.30のポリエチレンテレフタレー
ト又はこれを主体とするポリエステルを溶融紡糸し、熱
延伸する方法で得られる繊維であって、伸度が10%以
下、非晶配向度faが65%以上であることを特徴とする
低伸度ポリエステル繊維。 2.固有粘度が0.85〜1.30のポリエチレンテレフタレー
ト又はこれを主体とするポリエステルを溶融紡糸し、熱
延伸する方法において、ローラ間で熱延伸した後、−5
〜40℃の冷却ローラで急冷することを特徴とする低伸度
ポリエステル繊維の製造法。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0007】本発明において、ポリエステルとしてはポ
リエチレンテレフタレートが好ましいが、これを主体と
し、少量の共重合成分を含有するものでもよい。共重合
成分としては、イソフタル酸、無水フタル酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸、 1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、 1,6−ヘキサンジオール、 1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、4−ヒドロキシ安息香酸、ε
−カプロラクトン、ペンタエリスリトール等が挙げられ
る。
【0008】産業資材用として使用できる強度の繊維を
安定して得るためには、ポリエステルは、固有粘度が0.
85〜1.30の範囲のものであることが必要である。固有粘
度がこの範囲よりも小さいと、十分な強度を有する繊維
が得られず、一方、固有粘度が大きすぎると、紡糸応力
が高く、配向結晶化をコントロールし難く、安定した製
糸が困難である。
【0009】本発明のポリエステル繊維は、伸度が10%
以下、非晶配向度faが65%以上でなければならない。
伸度が10%よりも大きいと、使用中に伸びてしまう可能
性があり、用途によっては使用できない。また、非晶配
向度が65%未満であると、熱処理した状態を維持するこ
とができない。
【0010】繊維の断面形状は特に限定されず、円形断
面をはじめ、扁平、六葉、三角断面等の異形あるいは中
空断面でもよい。
【0011】本発明のポリエステル繊維は、産業資材用
ポリエステル繊維を製造する際の常法によって溶融紡
糸、熱延伸した後、冷却ローラで急冷することによって
製造することができる。
【0012】すなわち、まず、紡糸温度 290〜310 ℃で
溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒を通過させた後、ガラス
転移点以下に冷却し、 300〜2000m/分の速度で未延伸
糸を引き取る。加熱筒の温度や長さ、冷却風の温度や吹
き付け量、引き取り速度は、吐出量及び口金の孔数によ
って適宜調整する。
【0013】引き取られた未延伸糸は、一旦巻き取った
後、延伸する二工程法、巻き取ることなく連続して延伸
する直接紡糸延伸法のいずれかの方法によって熱延伸さ
れるが、生産性の高い後者の方法が好ましい。熱延伸は
1段延伸法又は2段以上の多段延伸法で行われる。熱延
伸は、ローラ間で行われるが、加熱手段としては、加熱
ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置等を使
用することができ、これらを適宜併用することができ
る。熱延伸の温度は、 180〜250 ℃とするのが適当であ
り、延伸倍率は、引き取り速度に応じて定められ、通
常、 3.5〜6.5 の範囲とされる。
【0014】熱延伸された糸条は、直後に−5〜40℃の
冷却ローラで急冷される。冷却ローラの温度をこの範囲
よりも低くすると、不経済であり、一方、冷却ローラの
温度がこの範囲よりも高いと、目的とする低伸度の糸条
を得ることができない。
【0015】冷却ローラとしては、ジャケットローラが
用いられ、温度制御は、ジャケットにエチレングリコー
ルを含有した水等の冷媒を循環させ、冷媒の温度を制御
することにより行うことができる。
【0016】最終延伸ローラと冷却ローラとの間の緊張
倍率は、0.95〜1.05とするのが適当であり、好ましくは
1.00とする。緊張倍率が大きすぎると、糸切れが発生
し、緊張倍率が小さすぎる (弛緩しすぎる) と熱延伸し
た状態を維持することができない。
【0017】本発明のポリエステル繊維の加工条件は、
特に限定されず、通常のポリエステル繊維と同様に加工
することができるが、使用する顔料、染料や助剤等は、
耐光性及び難燃性のよいものを使用することが好まし
い。
【0018】なお、本発明のポリエステル繊維には、必
要に応じて、耐熱剤、光安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、
艶消剤、難燃剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、潤滑剤等
の各種添加剤を含有させることができる。
【0019】
【作用】本発明のポリエステル繊維が低伸度を示すの
は、熱延伸直後に急冷されるため、繊維の内部構造が熱
延伸した状態のままで固定され、通常の弛緩熱処理を行
う場合よりも低伸度の糸条となるためと推定される。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、特性値の測定法は、次のとおりである。 (a) 固有粘度 フェノールとテトラクロロエタンとの等重量混合物を溶
媒とし、温度20℃で測定した。 (b) 強伸度 JIS L-1017 7.5の方法に従って測定した。 (c) 非晶配向度 「ダイフロイル」/フェノールの密度勾配管法により求
めた密度ρから次式により結晶化度Xcを算出した。
(「ダイフロイル」は、ダイキン社製クロロトリフルオ
ロエチレン低重合物の商品名である。) Xc= (ρc/ρ) 〔(ρ−ρa)/ (ρc−ρa)〕 (ρc=1.455g/cm3、ρa=1.335g/cm3) そして、ナトリウムD線を用いたコンペンセータ法によ
り求めた複屈折度Δn及び広角X線解折の(100)反射か
ら求めた結晶配向度fcと上記Xcとから次式により非
晶配向度faを算出した。 fa=(Δn−0.220fcXc)/〔 0.275(1−X
c)〕
【0021】実施例1 固有粘度1.19のポリエチレンテレフタレートチップを減
圧乾燥し、エクストルーダー型溶融紡糸装置に供給して
溶融紡糸した。紡糸口金は、直径 0.4mmの紡糸孔を48個
有するものを用い、紡糸温度 300℃で紡出し、口金直下
に配置した長さ20cm、温度 350℃の加熱筒を通した後、
長さ90cmの横型冷却装置より、風速 0.5m/分、温度15
℃の冷却風を糸条に吹き付けて冷却した。さらに、オイ
リングロールで脂肪族系エステルを主体とする油剤を付
与した後、室温の引き取りローラで 410m/分の速度で
未延伸糸を引き取った。引き取りローラと第1延伸ロー
ラとの間で1.01倍に延伸し、続いて、第1延伸ローラと
230℃の第2延伸ローラとの間で全延伸倍率が 6.1とな
るように延伸した。次いで、第2延伸ローラと−5℃の
冷却ローラとの間で緊張倍率1.00で冷却した後、巻き取
り、 250d/48fのポリエステル繊維を得た。
【0022】実施例2 冷却ローラの温度を20℃にした以外は実施例1と同様に
してポリエステル繊維を得た。
【0023】実施例3 ポリエステルチップの固有粘度を1.00とした以外は実施
例1と同様にしてポリエステル繊維を得た。
【0024】比較例1 実施例1の冷却ローラに代えて 160℃の加熱ローラを用
い、第2延伸ローラと加熱ローラとの間で緊張倍率0.96
の弛緩熱処理を行った以外は実施例1と同様にしてポリ
エステル繊維を得た。
【0025】比較例2 第2延伸ローラと加熱ローラとの間の緊張倍率を1.00と
して弛緩しなかった以外は比較例1と同様にしてポリエ
ステル繊維を得た。
【0026】比較例3 ポリエステルチップの固有粘度を0.67とした以外は実施
例1と同様にしてポリエステル繊維を得た。
【0027】比較例4 ポリエステルチップの固有粘度を1.57とした以外は実施
例1と同様にしてポリエステル繊維を得た。
【0028】上記の実施例及び比較例における主な製糸
条件等と得られた繊維の糸質を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、実施例1〜3で
は、強度が10g/d以上で、しかも伸度が10%以下、非
晶配向度faが65%以上で、強度担持材料として最適な
繊維を得ることができた。
【0031】これに対して、比較例1では、熱延伸後、
弛緩熱処理したため、強度が小さく、伸度が大きい繊維
となり、比較例2では、熱処理ローラを用いているにも
関わらず、弛緩処理を行っていないために、糸条がロー
ラに巻き付き、円滑な製糸ができなかった。また、比較
例3では、固有粘度が低いために強度が十分でなく、比
較例4では、固有粘度が高すぎるために引き取りローラ
で引き取るまでに糸切れを起こし、円滑な製糸ができな
かった。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、産業資材用に使用する
ことができる強度を有し、しかも低伸度のポリエステル
繊維を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固有粘度が0.85〜1.30のポリエチレンテ
    レフタレート又はこれを主体とするポリエステルを溶融
    紡糸し、熱延伸する方法で得られる繊維であって、伸度
    が10%以下、非晶配向度faが65%以上であることを特
    徴とする低伸度ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】 固有粘度が0.85〜1.30のポリエチレンテ
    レフタレート又はこれを主体とするポリエステルを溶融
    紡糸し、熱延伸する方法において、ローラ間で熱延伸し
    た後、−5〜40℃の冷却ローラで急冷することを特徴と
    する低伸度ポリエステル繊維の製造法。
JP28483797A 1997-10-17 1997-10-17 低伸度ポリエステル繊維及びその製造法 Pending JPH11124726A (ja)

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