JP2000129168A - 防食塗料組成物、防食塗膜および金属基材表面の防食方法 - Google Patents

防食塗料組成物、防食塗膜および金属基材表面の防食方法

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JP2000129168A
JP2000129168A JP10304034A JP30403498A JP2000129168A JP 2000129168 A JP2000129168 A JP 2000129168A JP 10304034 A JP10304034 A JP 10304034A JP 30403498 A JP30403498 A JP 30403498A JP 2000129168 A JP2000129168 A JP 2000129168A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の防食塗料組成物は、(a)非ター
ル系エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)エポキシ基含
有アルコキシシラン化合物、(d)重量平均フレーク径
が20μm以上であり、かつ、重量平均アスペクト比が
20以上である扁平状顔料、および(e)タルク、シリ
カ、硫酸バリウムおよびカリ長石からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の体質顔料を含有してなる。本発明の
防食塗膜は、上記組成物から形成されてなる。本発明の
金属基材表面の防食方法は、金属基材表面を、上記防食
塗膜で被覆することを特徴としている。 【効果】上記組成物は、従来の防食塗料組成物よりも、
金属基材との密着性、防食性(長期防食性)および塗膜
強度に優れる硬化塗膜を形成することができ、特に船舶
用の重防食塗料として優れている。上記防食方法によれ
ば、金属基材表面に、上記物性に優れる、本発明の防食
塗膜を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、防食塗料組成物、防食塗
膜および金属基材表面の防食方法に関し、さらに詳しく
は、金属基材との密着性、防食性および塗膜強度に優れ
る防食塗膜を形成することができる防食塗料組成物、お
よびその防食塗膜、ならびにその防食塗料組成物を用い
た金属基材表面の防食方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】船舶、陸上構造物、橋梁等の大型
の鉄鋼構造物には、腐食防止のため、通常防食塗装が施
されている。防食塗装では、鋼板表面に数百〜数千ミク
ロンの厚さの塗膜を形成して鋼板表面を遮蔽し、酸素、
塩素、水蒸気等の浸入を防止して鋼板の腐食を防止して
いる。
【0003】従来、このような防食塗装には、タールエ
ポキシ塗料、タールウレタン塗料、変性エポキシ塗料、
エポキシ塗料等が使用されている。これらの塗料のうち
タール系の塗料は、発ガン性が指摘されており、塗装時
に外部に飛散すれば環境汚染の虞もあるなどの理由によ
り、近年、非タール系塗料が防食塗装用として用いられ
るようになってきている。
【0004】このような非タール系の防食塗料として
は、たとえば次のような組成物が挙げられる。なお、こ
れらの組成物を構成するシランカップリング剤は、エポ
キシ基含有のアルコキシシラン化合物、エポキシ基非含
有のアルコキシシラン化合物である。 (1)液状エポキシ樹脂もしくは液状不飽和ポリエステ
ル樹脂等の樹脂成分100重量部と、シランカップリン
グ剤0.01〜5.0重量部と、厚さ0.5〜10μ
m、大きさ0.3〜6mmの扁平状顔料(たとえばフレ
ークガラス、雲母粉)10〜60重量部と、硬化剤とを
含有してなる常温硬化性液状樹脂組成物(特公昭56−
34151号公報、発明の名称「防錆ライニング仕上げ
方法」)。この組成物は、鉄鋼構造物表面に形成された
ジンクリッチペイントの塗膜上に塗布される。 (2)液状エポキシ樹脂100重量部と、シランカップ
リング剤0.05〜2重量部と、厚さ0.1〜10μ
m、大きさ(最大長さ)0.03〜6mmのガラスフレ
ーク(扁平状顔料)および/またはケイ砂10〜900
重量部と、フルフリルアルコール10〜50重量部と、
硬化剤とを含有してなる長期防錆被覆組成物(特公昭5
7−39663号公報)。 (3)不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート
樹脂およびエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種の
樹脂100重量部と、シランカップリング剤0.01〜
10重量部と、扁平顔料(たとえばガラスフレーク、雲
母粉、特に好ましいのは、平均厚さ0.5〜10μm、
平均大きさ(最大長さ)0.3〜6mmのガラスフレー
ク)10〜70重量部と、硬化剤とを含有してなる常温
硬化性液状樹脂組成物(特公昭61−41267号公
報、発明の名称「防食被覆方法」)。 (4)2官能性ビスフェノールA型エポキシ樹脂中のエ
ポキシ基に、アリルエーテル基およびカルボキシル基を
有する不飽和ポリエステルを結合せしめたエポキシ樹脂
変性不飽和ポリエステル樹脂100重量部と、シランカ
ップリング剤0.01〜5.0重量部と、厚さ0.5〜
10μm、大きさ0.1〜6mmの扁平顔料(たとえば
フレークガラス、雲母粉)10〜60重量部と、硬化剤
とを含有してなる常温硬化性液状樹脂組成物(特公昭6
3−7584号公報、発明の名称「防錆被覆方法」)。 (5)不飽和ポリエステル樹脂および/またはエポキシ
樹脂100重量部と、シランカップリング剤0.01〜
5.0重量部と、厚さ0.5〜10μm、大きさ(最大
長さ)0.3〜6mmの扁平状顔料(たとえばガラスフ
レーク、雲母粉)10〜60重量部と、硬化剤とを含有
してなる常温硬化性液状塗料組成物(特開平3−412
32号公報、発明の名称「防錆被覆仕上げ方法」)。こ
の液状塗料組成物は、この公報に開示されている防錆被
覆仕上げ方法において中塗り塗料として用いられ、鉄鋼
構造物表面に形成されたジンクリッチペイント塗膜上に
塗布される。 (6)エポキシ系等の樹脂100重量%と、シランカッ
プリング剤0.1〜3重量%と、アスペクト比が3未満
の粒状顔料(酸化鉄と燐酸アルミニウムの金属顔料(共
にアスペクト比2、平均粒径20μm以下))50〜1
50重量%と、平均長さ5μm以上でかつアスペクト比
が3以上の針状あるいは繊維状の無機顔料(たとえばク
レー、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、ア
スベスト、ガラス繊維、セラミックファイバー)50〜
100重量%とを含有してなる塗料(特開平6−193
792号公報、発明の名称「内面塗膜付伝熱管」)。
【0005】上記(1)〜(6)の組成物は、鉄鋼構造
物等の基材表面への密着性、防食性に優れているが、こ
れらの組成物よりも、さらに上記密着性と防食性に優れ
た防食塗料組成物が望まれている。
【0006】ところで、従来は、船舶の外板、暴露甲板
部、上部構造部、ホールド部、バラストタンク部などの
各部毎に、使用される防食塗料が異なっていた。これら
船舶各部のうちで、たとえば船舶外板は、大きく分ける
と常に水中(淡水、海水を含む)に浸漬している船底部
と、水中に浸漬されない外舷部と、これらの中間に位置
し、水中への浸漬と空中暴露とが繰り返される水線部と
に分けることができるが、このような船舶外板に塗装を
施工する場合、外舷部は、強い陽射しや風波に晒され耐
候性などが求められ、船底部は、常に水中にあって防汚
性が求められ、水線部は、強い風波を受けたり水中への
浸漬と乾燥空気中への暴露とが繰り返されるため、耐候
性、耐水性、必要に応じて防汚性が求められる。
【0007】このため、従来では、各部位毎に要求され
る機能を持った塗料を塗装するために付着性などを考慮
して専用のプライマーを複数種品揃えし、付着性、防食
性を確保していた。
【0008】また、従来では特に船底部、必要に応じて
水線部を含む部分には、防食性に優れたタールエポキシ
系重防食塗料が厚く塗装されていたが、タールの発ガン
性の問題や、タールは色相が真っ黒なため、塗装後の腐
食、溶接・溶断の熱影響による焼損、塗膜状態等を目視
検査では判別しにくいという問題点があった。
【0009】さらにタールを含有する塗料は、その塗膜
上に塗装された上塗り層にタール分が移行(タールブリ
ード)し、塗装された船舶の美観を損ねたり、防汚性、
耐候性等の機能にも悪影響を及ぼすという欠点がある。
【0010】また、外板のうち外舷部用、必要に応じて
水線部用にも用いられるプライマーとしては、タールブ
リードを避けるために、非タール系のプライマーを使用
することが一般的であるが、船底部用、または船底部お
よび水線部用のプライマーには、防食性の優れたタール
エポキシ系重防食塗料を使用する場合、タール系/非タ
ール系プライマーの塗り分け部を養生(すなわち、シー
トやテープの貼り付けによる非塗装部の保護)により塗
り分けたり、ラップ部(異種塗料が重なる部分)を注意
深く工夫し、塗装しなければならない上に、別の塗料を
使用する「塗料の切り替え」時には、塗装機(器)の充
分な洗浄が必要であり、煩雑な工程とシンナーの無駄使
いを要していた。
【0011】さらに、従来、タールエポキシ系重防食塗
料からなる塗膜上に非有機錫系加水分解性防汚塗料を塗
装する場合、得られる塗膜の相互密着性が劣るため、ビ
ニル系やタールビニル系のバインダーコートをタールエ
ポキシ系重防食塗料からなる塗膜上に予め塗装した後、
非有機錫系加水分解性防汚塗料を塗装しなければならな
かった。その上、タールエポキシ系重防食塗料を塗装し
た後、その塗膜上に上塗り塗装する際には、所定のイン
ターバル(時間間隔)を設けて上塗り塗装が施工される
が、タールエポキシ系重防食塗料では、このインターバ
ルが比較的短いため、煩雑な工程、施工管理が必要であ
った。
【0012】また、従来では、前述したように船舶外板
の没水部以外の部分、暴露甲板部等に使用される防食塗
料は、それぞれ異なっており、しかもこれら各部には、
それぞれ専用の上塗り用塗料、バインダーコートなどが
使用されており、加えて、従来では、顧客の多様なニー
ズに合わせて極めて多くの銘柄の塗料を品揃えしなけれ
ばならず、面倒な施工管理等を要し、そのため塗料の貯
蔵、輸送、保管コストが大きくなり、塗装工程の煩雑化
による塗装期間の長期化や煩雑な工程管理が必要である
などの問題点があった。
【0013】したがって、上述したように、上記(1)
〜(6)の組成物よりも、さらに密着性と防食性に優れ
た防食塗料組成物であって、特定の一種類の塗料を、船
舶の船底部、水線部、外舷部を含む船舶外板、船舶の暴
露甲板部、上部構造部、ホールド部、バラストタンク部
などの全ての部分に一様に塗布して防食性等の機能が得
られ、必要により非有機錫系加水分解性重防食塗料など
を上塗りすれば、密着性、防汚性などに優れた上塗り塗
膜を形成でき、塗装期間を短縮化できるような防食塗料
組成物の出現が望まれている。
【0014】そこで、本願発明者らは、鉄鋼構造物等の
基材表面への密着性、防食性能等に優れた防食塗料組成
物について鋭意研究し、(a)非タール系エポキシ樹
脂、(b)硬化剤、(c)エポキシ基含有アルコキシシ
ラン化合物、(d)重量平均フレーク径が20μm以上
であり、かつ、重量平均アスペクト比が20以上である
扁平状顔料、および(e)タルク、シリカ、硫酸バリウ
ムおよびカリ長石からなる群から選ばれた少なくとも1
種の体質顔料を配合してなる防食塗料組成物を鉄鋼板上
に塗布し硬化させたところ、得られた硬化塗膜は、上記
(1)〜(6)の組成物の硬化塗膜に比べ、鉄鋼板等の
基材との密着性および防食性がより一層優れているこ
と、およびこのような効果が得られたのは、特に上記
(d)成分と(e)成分の相乗効果によることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0015】
【発明の目的】本発明は、従来の上記防食塗料組成物よ
りも、金属基材との密着性、防食性および塗膜強度に優
れる防食塗膜を形成することができる防食塗料組成物、
およびその防食塗膜、ならびにその防食塗料組成物を用
いた金属基材表面の防食方法を提供することを目的とし
ている。
【0016】さらに本発明は、外板用、暴露甲板部用な
ど船体各部用のプライマーを一品種のみに統合でき、非
有機錫系加水分解型防汚塗料をさらに上塗り塗装する場
合にバインダーコートの使用も省略でき、タールエポキ
シ系防食塗料と同等以上の防食性、耐候性、耐水性、防
汚性等の機能を船舶外板などに付与でき、塗装工程の合
理化、塗料貯蔵コストの低減を図ることができ、さらに
塗装作業者の衛生面の向上や環境保護の面でも有効であ
るような防食塗料組成物、およびその防食塗膜、ならび
にその防食塗料組成物を用いた金属基材表面の防食方法
を提供することをも目的としている。
【0017】
【発明の概要】本発明に係る防食塗料組成物は、(a)
非タール系エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)エポキ
シ基含有アルコキシシラン化合物、(d)重量平均フレ
ーク径が20μm以上であり、かつ、重量平均アスペク
ト比が20以上である扁平状顔料、および(e)タル
ク、シリカ、硫酸バリウムおよびカリ長石からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の体質顔料を含有してなるこ
とを特徴としている。
【0018】前記エポキシ基含有アルコキシシラン化合
物(c)は、下記一般式
【0019】
【化2】
【0020】[式中、Aは、グリシドキシ基またはエポ
キシシクロヘキシル基であり、R1 は、炭素原子数1
〜6の2価の炭化水素基であり、R2 およびR3 は、
それぞれ独立に、炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基
であり、nは、1または0である。]で表わされるエポ
キシ基含有アルキルアルコキシシラン化合物が好まし
い。中でも、特に、γ- グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ- グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ- グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシ
ラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシ
シラン、および3,4-エポキシシクロヘキシルエチルメチ
ルジメトキシシランからなる群から選ばれた少なくとも
1種のアルコキシシラン化合物が好ましい。
【0021】前記エポキシ基含有アルコキシシラン化合
物(c)は、非タール系エポキシ樹脂(a)、硬化剤
(b)エポキシ基含有アルコキシシラン化合物(c)、
扁平状顔料(d)および体質顔料(e)の固形分の合計
100重量部に対して、0.01〜10重量部の量で含
まれている。
【0022】前記扁平状顔料(d)は、重量平均フレー
ク径が30〜200μmであり、かつ、重量平均アスペ
クト比が30〜100であることが好ましい。また、前
記扁平状顔料(d)としては、雲母またはガラスフレー
クが好ましい。
【0023】前記扁平状顔料(d)は、非タール系エポ
キシ樹脂(a)、硬化剤(b)、エポキシ基含有アルコ
キシシラン化合物(c)、扁平状顔料(d)および体質
顔料(e)の固形分の合計100重量部に対して、5〜
70重量部の量で含まれている。
【0024】前記体質顔料(e)は、非タール系エポキ
シ樹脂(a)、硬化剤(b)、エポキシ基含有アルコキ
シシラン化合物(c)、扁平状顔料(d)および体質顔
料(e)の固形分の合計100重量部に対して、5〜8
0重量部の量で含まれている。
【0025】また、本発明に係る防食塗膜は、上記の本
発明に係る防食塗料組成物から形成されてなることを特
徴としている。さらに、本発明に係る金属基材表面の防
食方法は、金属基材表面を、上記の本発明に係る防食塗
料組成物から形成される防食塗膜で被覆することを特徴
としている。
【0026】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る防食塗料組成
物、その防食塗膜および金属基材表面の防食方法につい
て具体的に説明する。
【0027】本発明に係る防食塗料組成物は、(a)非
タール系エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)エポキシ
基含有アルコキシシラン化合物、(d)重量平均フレー
ク径が20μm以上であり、かつ、重量平均アスペクト
比が20以上である扁平状顔料、および(e)タルク、
シリカ、硫酸バリウムおよびカリ長石からなる群から選
ばれた少なくとも1種の体質顔料を含有している。
【0028】非タール系エポキシ樹脂(a) 本発明で用いられる非タール系エポキシ樹脂(a)は、
1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する樹
脂であり、エポキシ当量が150〜600、好ましくは
180〜500である。このようなエポキシ樹脂として
は、ビスフェノール型エポキシ樹脂、グリシジルエステ
ル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エ
ポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、脂肪族エポ
キシ樹脂などが挙げられる。中でも、ビスフェノール型
エポキシ樹脂、特にビスフェノールAタイプのエポキシ
樹脂が好ましく用いられる。ビスフェノール型エポキシ
樹脂を用いると、密着力の優れた塗膜を形成することが
できる。
【0029】ビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂と
しては、たとえばビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールAポリプロピレンオキシドジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールAエチレンオキシドジグ
リシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジル
エーテル、水添ビスフェノールAプロピレンオキシドジ
グリシジルエーテル等のビスフェノールA型ジグリシジ
ルエーテルなどが挙げられる。
【0030】上記エポキシ樹脂は、1種単独で、あるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。硬化剤(b) 本発明で用いられるエポキシ樹脂用の硬化剤(b)とし
ては、前記エポキシ樹脂を反応、硬化させ得る化合物で
あれば特に限定されず、アミン系、カルボン酸系、酸無
水物系、シラノール系の化合物などを任意に使用するこ
とができるが、常温環境下で塗装する場合には、常温で
硬化し得る硬化剤が好ましく用いられ、特にアミン系の
硬化剤が好ましく用いられる。
【0031】このようなアミン系硬化剤としては、アミ
ン価50〜1,000の液状〜固形の硬化剤が好まし
い。これらのアミン系硬化剤を更に詳しく例示すると、
ポリアルキレンポリアミン、芳香族アミン、ポリアミ
ド、ポリアミドアミン等を挙げることができ、さらにこ
れらのアミンにエポキシ化合物を付加させたエポキシア
ダクト体、マンニッヒ変性体、カルボン酸によるアミド
変性体等の変性物を用いることもできる。
【0032】さらにこれらのアミン化合物をケトンで変
性したケチミンタイプの硬化剤も使用することができ
る。これらの硬化剤のうちで、ポリアミドとしては、具
体的には、「ラッカマイドTD−966(商品名)」
(大日本インキ化学工業(株)製、アミン価150〜1
90)などを挙げることができ、その他のアミン化合物
として、ケチミンタイプの変性脂環式ポリアミンである
「アンカミンMCA(商品名)」(アンカーケミカル社
製、アミン価250〜350)など、エポキシアダクト
系アミンである「PA−23(商品名)」(大竹化学
(株)製、アミン価80〜150)など、変性フェノル
カミンである「カードライト541LV(商品名)」
(アンカーケミカル社製、アミン価260〜350)な
ど、変性芳香族ポリアミンである「アデカハードナーE
H101(商品名)」(旭電化(株)社製、アミン価4
00〜500)など多種の化合物を例示することができ
る。これらのアミン系硬化剤のなかでは、ポリアミド、
ポリアミドアミンのエポキシアダクト、変性フェノルカ
ミンが特に好ましい。
【0033】エポキシ基含有アルコキシシラン化合物
(c) 本発明で用いられるエポキシ基含有アルコキシシラン化
合物(c)としては、前記エポキシ基含有アルコキシシ
ラン化合物(c)は、下記一般式
【0034】
【化3】
【0035】[式中、Aは、グリシドキシ基またはエポ
キシシクロヘキシル基であり、R1 は、炭素原子数1
〜6の2価の炭化水素基であり、R2 およびR3 は、
それぞれ独立に、炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基
であり、nは、1または0である。]で表わされるエポ
キシ基含有アルキルアルコキシシラン化合物が好まし
い。具体的には、γ- グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン等のγ- グリシドキシジアルキルジアルコ
キシシラン;γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ- グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等
のγ- グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン;3,
4-エポキシシクロヘキシルエチルメチルジメトキシシラ
ン等の3,4-エポキシシクロヘキシルジアルキルジアルコ
キシシラン;3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリメ
トキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリ
エトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルト
リプロポキシシラン等の3,4-エポキシシクロヘキシルア
ルキルトリアルコキシシランなどが挙げられる。これら
の内でも、γ- グリシドキシアルキルトリアルコキシシ
ラン、3,4-エポキシシクロヘキシルアルキルトリアルコ
キシシラン等のエポキシ基含有トリアルコキシシラン化
合物、特に、γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ- グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
γ- グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,
4-エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラ
ン、および3,4-エポキシシクロヘキシルエチルメチルジ
メトキシシランからなる群から選ばれた少なくとも1種
のアルコキシシラン化合物が好ましい。
【0036】これらのアルコキシシラン化合物(c)
は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いる
ことができる。エポキシ基含有アルコキシシラン化合物
(c)は、非タール系エポキシ樹脂(a)、硬化剤
(b)、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物
(c)、扁平状顔料(d)および体質顔料(e)の固形
分の合計100重量部に対して、0.01〜10重量
部、好ましくは0.1〜3重量部、さらに好ましくは
0.5〜2重量部の量で用いられる。エポキシ基含有ア
ルコキシシラン化合物(c)を上記のような量で用いる
と、塗膜と金属基材との密着性が向上し、耐膨れ性等を
含む防食性能に優れた塗料組成物が得られる。
【0037】扁平状顔料(d) 本発明で用いられる扁平状顔料(d)は、重量平均フレ
ーク径が20μm以上、好ましくは30〜200μm、
さらに好ましくは50〜150μmであり、かつ、重量
平均アスペクト比が20以上、好ましくは30〜10
0、さらに好ましくは30〜70である。また扁平状顔
料(d)の厚さは、通常0.5〜10μm、好ましくは
1〜5μmである。重量平均フレーク径と重量平均アス
ペクト比がそれぞれ上記範囲内にある扁平状顔料(d)
を含む、本発明に係る防食塗料組成物を金属基材表面に
塗布して硬化塗膜を形成すると、その硬化塗膜内におい
て、扁平状顔料(d)は、金属基材に平行に幾層にも積
層されるため、外部からの水分、蒸気、塩分等の金属を
腐食させる物質の透過ないし貫通を阻止する作用を発現
する。
【0038】扁平状顔料(d)の重量平均アスペクト比
とは、下記の方法で測定した重量平均フレーク径lと重
量平均フレーク厚さdより次式(1)を用いて求められ
る値である。
【0039】 重量平均アスペクト比=l/d ・・・(1) ここで扁平状顔料(d)の重量平均フレーク径lとは、
扁平状顔料(d)を各種の目開きの標準篩いを用いて湿
式分級を行ない、その結果をRosin−Rammlar線図にプロ
ットして測定に供した扁平状顔料(d)の50重量%が
通過する篩の目開きl50を求め、その値から次式(2)
より算出した値である。
【0040】
【数1】
【0041】また、扁平状顔料(d)の重量平均フレー
ク厚さdとは、C.E.Capes らの報告による水面単粒子膜
法(C.E.Capes and R.C.Coleman,Ind.Eng.Chem.Funda
m.,12,124(1973))により測定されるフレークの水面で
の占有面積Sを用いて、次式(3)により算出される値
である。
【0042】 d=W/{ρ(1−ε)S} ・・・(3) ここでWは測定に供した扁平状顔料(d)のフレークの
重量であり、Sはフレークの水面での占有面積であり、
ρはフレークの比重であり、(1−ε)はフレークが水
面上で最密充填状態をとった場合の占有率である。扁平
状顔料(d)のフレークが雲母である場合、ρの値とし
ては2.86g/cm3 が、(1−ε)の値として
0.9が計算に際して用いられる。
【0043】このような扁平状顔料(d)としては、具
体的には、雲母(マイカ)、ガラスフレーク、アルミニ
ウムフレーク、ステンレスフレークなどが挙げられる。
中でも、雲母、ガラスフレークが好ましい。
【0044】これらの扁平状顔料(d)は、1種単独
で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ
る。本発明で好ましく用いられる扁平状顔料(d)とし
て、たとえば(株)クラレより「スゾライト・マイカ
(Suzorite mica) 200HK」の商品名で輸入販売
されている高品質マイカ・フレーク(製造元:米国MR
I(Marietta Resources International)社)が挙げ
られる。
【0045】この高品質マイカ・フレークは、その商品
カタログによれば表1に示す粉体物性を有しており、そ
の嵩比重は、0.24g/ccである。
【0046】
【表1】
【0047】上記のような扁平状顔料(d)は、非ター
ル系エポキシ樹脂(a)、硬化剤(b)、エポキシ基含
有アルコキシシラン化合物(c)、扁平状顔料(d)お
よび体質顔料(e)の固形分の合計100重量部に対し
て、5〜70重量部、好ましくは5〜50重量部、さら
に好ましくは5〜20重量部の量で用いられる。扁平状
顔料(d)を上記の量で用いると、金属基板との密着性
および防食性に優れた硬化塗膜(防食塗膜)を形成でき
る防食塗料組成物が得られる。
【0048】体質顔料(e) 本発明で用いられる体質顔料(e)は、タルク、シリ
カ、硫酸バリウムおよびカリ長石からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の体質顔料である。
【0049】これらの体質顔料の組み合わせの態様とし
ては、具体的には、タルクとシリカとの組み合わせ、タ
ルクと硫酸バリウムとの組み合わせ、タルクとカリ長石
との組み合わせ、シリカと硫酸バリウムとの組み合わ
せ、シリカとカリ長石との組み合わせ、硫酸バリウムと
カリ長石との組み合わせ、タルクとシリカと硫酸バリウ
ムとの組み合わせ、タルクとシリカとカリ長石との組み
合わせ、シリカと硫酸バリウムとカリ長石との組み合わ
せ、タルクとシリカと硫酸バリウムとカリ長石との組み
合わせがある。中でも、タルクとシリカと硫酸バリウム
の組み合わせが好ましい。
【0050】体質顔料(e)は、非タール系エポキシ樹
脂(a)、硬化剤(b)、エポキシ基含有アルコキシシ
ラン化合物(c)、扁平状顔料(d)および体質顔料
(e)の合計100重量部に対して、5〜80重量部、
好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは5〜20
重量部の量で含まれている。扁平状顔料(d)とともに
体質顔料(e)を上記の量で用いると、その相乗効果と
して、従来の上述した(1)〜(6)の組成物の硬化塗
膜に比べ、金属基板との密着性および防食性がより一層
優れた硬化塗膜を形成することができる防食塗料組成物
が得られる。
【0051】その他の成分 本発明に係る防食塗料組成物中には、本発明の目的を損
なわない範囲で、この他各種溶剤や硬化促進剤、タレ止
剤、沈降防止剤など通常塗料に用いられる各種の材料が
配合されていてもよい。
【0052】本発明に係る防食塗料塗料組成物は、通
常、エポキシ樹脂成分を含有してなる組成物(I)と、
硬化剤成分を含有してなる組成物(II)との2液型とし
て、それぞれ別の容器に保管され、プライマーの塗布時
にこれらは混合して用いられるか、2頭ガン等の混合噴
霧器により塗装時に混合して用いられる。
【0053】なお、エポキシ樹脂用硬化剤として、エポ
キシ樹脂成分と貯蔵中は反応しないように変性された硬
化剤(たとえばケチミンタイプのアミンブロック系硬化
剤)を用いる場合には、防食塗料組成物は、1液型とし
て用いることができる。
【0054】このような防食塗料組成物では、エポキシ
樹脂成分と硬化剤成分は、通常、当量比で1:0.1〜
1:2で混合(配合)されることが好ましい。本発明に
係る防食塗料組成物は、非タール系エポキシ樹脂からな
るため、タール系エポキシ樹脂からなる防食塗料と異な
り、塗装時に皮膚かぶれや刺激を生ずることが少ない。
【0055】本発明に係る防食塗膜は、上記のような本
発明に係る防食塗料組成物から形成されている。本発明
に係る防食塗膜の厚みは、特に制限はなく用途にもよる
が、乾燥膜厚で通常50〜300μm、好ましくは10
0〜250μmである。
【0056】本発明に係る金属基材の防食方法では、金
属基材表面に、本発明に係る防食塗料組成物を塗布した
後、常温硬化あるいは加熱硬化させて防食塗膜を形成す
る。防食塗料組成物の塗布は、たとえばエアスプレー、
エアレススプレー、刷毛塗り、ローラー塗りなどの常法
によればよい。
【0057】本発明に係る防食塗料組成物の塗装に先立
ち、必要により、錆、油脂、水分、塵埃、スライム、塩
分などの金属基材表面の付着物を清掃・除去することが
望ましい。
【0058】本発明においては、上記防食塗料組成物で
金属基材表面を塗装する前に、ジンクリッチプライマ
ー、エポキシ樹脂系プライマー、エポキシアクリレート
系プライマー、不飽和ポリエステル樹脂系プライマー等
の従来公知のプライマーで下地塗装することができる
し、また、本発明に係る防食塗膜の上に、従来公知の防
汚塗料あるいは上塗り塗料を塗布することもできる。
【0059】本発明に係る防食塗料組成物は、各種上塗
り塗料との密着性に優れているが、特に船体各部の上塗
り塗料として好ましく用いられるものを以下に例示す
る。すなわち、まず本発明に係る防食塗料組成物を、船
舶の各部のうちで海水と接触する船底部の外板(イ) 、ま
たは船底部および水線部の外板(ロ) の表面に、好ましく
は船舶の船底部、水線部および外舷部を含む外板全体の
表面にプライマー(重防食塗料)として塗布し、次いで
このプライマー塗膜上にさらに下記のような非有機錫系
加水分解性防汚塗料を塗布することがプライマー層と防
汚塗料層との層間接着性等に優れるため好ましい。
【0060】この非有機錫系加水分解性防汚塗料として
は、(i) トリアルキルシリルエステル共重合体、あるい
は、(ii)ビニル系樹脂の少なくとも1つの側鎖末端部
に、金属エステル結合たとえば銅エステル結合を介して
有機酸が結合した樹脂たとえば不飽和カルボン酸銅塩成
分含有共重合体、(iii) (メタ)アクリル酸ヒドロキシ
亜鉛共重合体または亜鉛原子に結合したヒドロキシ基不
含の(メタ)アクリル酸亜鉛共重合体などの重合性不飽
和カルボン酸亜鉛塩成分含有共重合体等が含まれたもの
が挙げられる。
【0061】これらのうちで、本発明で好ましく用いら
れるトリアルキルシリルエステル共重合体(i) 、ビニル
系樹脂(ii)および重合性不飽和カルボン酸亜鉛塩成分含
有共重合体(iii) についてさらに詳説する。
【0062】<トリアルキルシリルエステル共重合体
(i) >このトリアルキルシリルエステル共重合体は、重
合性不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエステルか
ら誘導される成分単位を20〜65重量%の量で有し数
平均分子量(Mn)が1000〜50000である。
【0063】このトリアルキルシリルエステルは、たと
えば、下記式[I]
【0064】
【化4】
【0065】で表わされる。この式[I]中、R1 は、
水素原子またはメチル基等のアルキル基を表わし、
2 、R3 およびR4 は、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等の炭素原子数が1〜18個程度のアル
キル基を表わし、R2 、R3 およびR4 は互いに異なっ
ていてもよく同一であってもよい。このようなトリアル
キルシリルエステルとしては、具体的には、たとえば、
(メタ)アクリル酸トリメチルシリルエステル、(メ
タ)アクリル酸トリエチルシリルエステル、(メタ)ア
クリル酸トリイソプロピルシリルエステル、(メタ)ア
クリル酸トリブチルシリルエステル等のようにR2 、R
3 およびR4 が同一のトリアルキルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジメチルプロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸モノメチルジプロピルシリルエステ
ル、(メタ)アクリル酸メチルエチルプロピルシリルエ
ステル等のようにR2 、R3 およびR4 のうちの1部ま
たは全部が互いに異なったトリアルキルシリルエステル
などが挙げられる。
【0066】本発明においては、このようなトリアルキ
ルシリルエステルを1種単独で用いてもよく、また2種
以上組み合わせて用いてもよい。このようなトリアルキ
ルシリルエステルの内では、R2 、R3 およびR4 のう
ちの少なくとも1つのアルキル基の炭素原子数が3以上
であるものが好ましく、さらには、この3つのアルキル
基の炭素原子数がすべて3以上であるものが好ましく、
またR2 、R3 およびR4 の総炭素原子数が5〜21程
度のものが好ましい。このようなトリアルキルシリルエ
ステルのうちでは、特にトリアルキルシリルエステル合
成の容易性、あるいはこのようなトリアルキルシリルエ
ステルを用いてなる防汚塗料組成物の造膜性、貯蔵安定
性、研掃性の制御のし易さなどを考慮すると、(メタ)
アクリル酸トリブチルシリルエステルまたはトリイソプ
ロピルシリルエステル共重合体が最も好ましく用いられ
る。
【0067】このようなトリアルキルシリルエステルと
共重合されるモノマー(コモノマー)としては、任意の
重合性不飽和化合物(エチレン性不飽和単量体)を用い
ることができ、このような重合性不飽和化合物として
は、具体的には、(メタ)アクリル酸メチルエステル、
(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸シ
クロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエ
チルエステル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、スチレン、α- メチルスチレン等のスチレン類、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類な
どを挙げることができ、好ましくは、メタクリル酸メチ
ルエステル(MMA)が用いられる。このようなMMA
は、コモノマー(エチレン性不飽和単量体)中に、通
常、30重量%以上、好ましくは、50重量%以上の量
で含まれていることが好ましい。
【0068】この(メタ)アクリル酸アルキルエステル
等のような重合性不飽和化合物から誘導される成分単位
と、トリアルキルシリルエステルから誘導される成分単
位とは、共重合体中においては、原料として用いられた
各モノマーのエチレン結合が解裂して通常ランダムに結
合している。
【0069】このような皮膜形成性共重合体中には、上
述したように1種または2種以上の上記のような重合性
不飽和カルボン酸のトリアルキルシリルエステルから誘
導される成分単位(トリアルキルシリルエステル成分単
位)が含まれているが、このようなトリアルキルシリル
エステル成分単位は、その合計量として20〜65重量
%の量で、好ましくは30〜55重量%の量で該共重合
体中に含有されていると、この防汚塗料組成物から長期
防汚性に優れた防汚塗膜が得られるため好ましい。
【0070】また、この共重合体のGPC測定による数
平均分子量(Mn)は、1000〜50000、好まし
くは2000〜20000、さらに好ましくは2500
〜15000、特に好ましくは3000〜12000で
あり、また重量平均分子量(Mw)は、通常1000〜
150000、好ましくは2000〜60000、さら
に好ましくは3000〜30000であることが望まし
く、またこの共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、
通常1.0〜4.0、好ましくは1.0〜3.0、特に
好ましくは1.0〜2.5であることが望ましい。また
この共重合体のガラス転移温度(Tg)は、通常15〜
80℃、好ましくは25〜80℃、さらに好ましくは3
0〜70℃、特に好ましくは35〜60℃であることが
望ましく、またこの共重合体の、例えば50%キシレン
溶液における粘度(25℃)は、通常30〜1000c
Ps、好ましくは40〜600cPsであることが望ま
しい。
【0071】このような被膜形成性共重合体を調製する
には、例えば通常窒素気流中などの不活性雰囲気下、キ
シレン等の有機溶媒中で、トリブチルシリルメタクリレ
ート等のトリアルキルシリルエステルと、コモノマー類
中にメチルメタクリレートが50重量%以上(例:80
重量%)の量で含有された重合性不飽和化合物とを、2,
2'- アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系あるいは過
酸化物系などの重合開始剤、必要に応じてn-オクチルメ
ルカプタンなどの重合調整剤などの存在下に、2〜12
時間程度、50〜120℃程度の温度でラジカル重合等
の方法にて反応させればよい。このようにして得られた
被膜形成性共重合体には、用いられた各モノマー量に対
応する量で各成分単位が含まれている。
【0072】<ビニル系樹脂(ii)>本発明で非有機錫系
加水分解性防汚塗料に好ましく含有されるビニル系樹脂
(ii)は、少なくとも1つの側鎖末端部に、金属エステル
結合を介して有機酸が結合したビニル系樹脂である。
【0073】このようなビニル系樹脂(ii)としては、特
開平8−73536号公報、特公平7−108927号
公報、特公平7−68458号公報、特公平7−649
85号公報等に記載のビニル系樹脂を挙げることができ
る。
【0074】このようなビニル系樹脂(ii)は、例えば、
特開平8−73536号公報に記載されているように、
エステルのアルコール残基が主鎖末端から2〜4番目の
炭素上に少なくとも1個の側鎖を有する炭素原子数4以
上の分岐アルキル基または炭素原子数6以上のシクロア
ルキル基である(メタ)アクリル酸エステル(a) と、重
合性不飽和有機酸単量体(b) と、中性重合性不飽和単量
体(c) とを共重合して基体樹脂を合成し、この基体樹脂
の酸基(例:−COOH、−SO3H)に、金属酸化物、
水酸化物、塩化物、硫化物等の金属化合物と、有機酸で
ある1塩基性有機酸(例:酢酸、ナフテン酸)とを同時
に反応させるか、あるいは上記基体樹脂に1塩基性有機
酸の金属塩を反応させることにより製造できる。
【0075】上記(メタ)アクリル酸エステル(a) とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)
アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられ、重合性有機酸
単量体(b) としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マ
レイン酸、p-スチレンスルホン酸等が挙げられ、中性重
合性不飽和単量体(c) としては、例えば、エチレン、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル
等が挙げられる。上記金属化合物を構成する金属として
は、2価以上の金属、例えばCu、Zn、Mn、Ca、
Fe、Al、Te、Ba等が挙げられる。
【0076】<重合性不飽和カルボン酸亜鉛塩成分含有
共重合体(iii) >この重合性不飽和カルボン酸亜鉛塩成
分含有共重合体(iii) としては、(a) (メタ)アクリル
酸ヒドロキシ亜鉛塩系共重合体と、(b) 金属原子に結合
したヒドロキシ基不含の(メタ)アクリル酸亜鉛塩系共
重合体が好ましく用いられる。
【0077】この(メタ)アクリル酸ヒドロキシ亜鉛塩
系共重合体(ヒドロキシ亜鉛(メタ)アクリレート系共
重合体)(a) は、ビヒクル成分として長期微水溶性を有
し塗膜に長期防汚性を付与する働きを有し、この(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシ亜鉛塩系共重合体としては、
特開平8−209005号公報、特開平9−28693
3号公報に記載されているような式、 Rp−COOZn−OH ・・・[II] (式[II]中、Rpは基体樹脂を示す。)で表わされ
る、分子内に金属カルボキシレートを有する樹脂[II]
が好ましい。
【0078】このように式[II]で表わされる、分子内
にカルボキシル基を有する樹脂[II]としての(メタ)
アクリル酸ヒドロキシ亜鉛塩系共重合体は、分子内にカ
ルボキシル基を有する樹脂に、2価の亜鉛の酸化物ある
いは水酸化物を少量の水の存在下で反応させることによ
り得ることができる。
【0079】このような反応の際には、亜鉛の酸化物あ
るいは水酸化物は、上記樹脂中のカルボキシル基1モル
に対して0.1〜1モルの量で用いられ、また水は、カ
ルボキシル基1モルに対して0.1〜1モルの量で用い
られる。
【0080】上記樹脂[II]のより具体的な合成法とし
ては、特開平9−286933号公報に記載されている
ように、分子内にカルボキシル基を有する樹脂に、該樹
脂の0.5〜5重量%の量の水と、付加させたい2価の
亜鉛の酸化物あるいは水酸化物とを添加し、さらに必要
により極少量の混濁防止用の極性溶媒をも添加し、50
〜200℃の温度で1〜20時間反応させればよい。
【0081】分子内にカルボキシル基を有する樹脂とし
ては、好ましくは(メタ)アクリル酸等のカルボキシル
基含有モノマーと、アクリル酸アルキルエステル(例:
メタアクリル酸メチル、アクリル酸エチル)やスチレン
等の他のビニル系モノマーとを共重合してなるビニル系
重合体が用いられる。なお、カルボキシル基を含有する
限り、これ以外の種々のビニル重合体、ポリエステル、
ポリウレタン、天然樹脂なども使用可能である。
【0082】極性溶媒としては、ブタノール等のアルコ
ール系、ケトン系、エステル系、エーテル系のものが用
いられる。このようにして得られる(メタ)アクリル酸
ヒドロキシ亜鉛塩系共重合体の数平均分子量は、通常、
1,000〜50,000、好ましくは3,000〜2
0,000であり、ガラス転移温度(Tg)は、−10
℃〜+60℃、好ましくは+10〜+40℃であり、酸
価は、80〜200である。
【0083】この(メタ)アクリル酸ヒドロキシ亜鉛塩
系共重合体(a) は、防汚塗料組成物中に、樹脂分とし
て、通常、1〜99重量%、好ましくは10〜70重量
%の量で含まれていることが好ましい。この(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシ亜鉛塩系共重合体が、防汚塗料組成
物中に1〜99重量%、さらには10〜70重量%の範
囲で含まれていると、塗膜表面の長期間にわたる安定し
た消耗性と防汚性に優れるようになる傾向がある。
【0084】本発明で用いられる亜鉛原子に結合したヒ
ドロキシ基を含有していない(メタ)アクリル酸亜鉛塩
系共重合体(b) は、ビヒクル成分として長期微水溶性を
有し塗膜に長期防汚性を付与する働きを有し、この(メ
タ)アクリル酸亜鉛塩系共重合体としては、特開平5−
171066号公報に記載されているような、重合性単
量体の(メタ)アクリル酸亜鉛塩(イ) 、および該(メ
タ)アクリル酸亜鉛と共重合可能な水酸基および/また
はアミノ基を有する単量体(ロ) 、およびこれら単量体
(イ)、(ロ)と共重合可能な「他の単量体」(ハ) を共重合し
てなり、(メタ)アクリル酸亜鉛塩(イ) から誘導される
成分単位が通常2〜30重量%、水酸基および/または
アミノ基を有する単量体(ロ) から誘導される成分単位が
2〜30重量%、他の単量体(ハ) から誘導される成分単
位が残部量すなわち40〜96重量%((イ)+(ロ)+(ハ)
の合計は100重量%)で含まれているものが挙げられ
る。
【0085】このような(メタ)アクリル酸亜鉛塩とし
ては、具体的には、メタアクリル酸亜鉛:[(CH2
C(CH3)−COO-)2Zn]、アクリル酸亜鉛:
[(CH2=CH−COO-)2Zn]等が挙げられる。
【0086】水酸基および/またはアミノ基を有するビ
ニル系単量体(ロ) としては、水酸基およびアミノ基のう
ちのいずれかを1個以上有していれば、単量体であって
も2〜3量体等であってもよく、具体的には、2-ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリ
レート等の水酸基を1個有するものが挙げられる。その
他、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、γ- ブチルラク
トン、ε- カプロラクトン等との付加物;2-ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等の2〜3量体;グリセロール
(メタ)アクリレート等の水酸基を複数個有する単量体
等が挙げられる。
【0087】アミノ基を有する単量体としては、第1級
〜第3級のいずれであってもよく、(メタ)アクリルア
ミド、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の第
1〜第2級アミノ基含有単量体;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、
ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。その
他、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバ
ゾール等の複素環族系塩基性単量体等が挙げられる。
【0088】上記(メタ)アクリル酸亜鉛塩(イ) あるい
は単量体(ロ) のうちの少なくともいずれかと共重合可能
な「他の単量体」(ハ) としては、脂肪族系、脂環族系、
芳香族系等のいずれであってもよく、(メタ)アクリル
酸エステル類のものとしては、具体的には、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プ
ロピル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アク
リレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル
(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレー
ト、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート等の脂肪族系の単
量体;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボル
ニル(メタ)アクリレート、等の脂環族系の単量体;フ
ェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート等の芳香族系単量体等が挙げられる。
【0089】その他、(メタ)アクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、コハク酸等のカルボン酸類や、これら
のカルボン酸類から誘導されるエステル類;スチレン、
ビニルトルエン、α-メチルスチレン、(メタ)アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げ
られる。
【0090】このような単量体(イ)、(ロ)、(ハ) は、それ
ぞれ1種または2種以上組み合わせて用いることができ
る。このような単量体(イ)、(ロ)、(ハ) が共重合されてな
る(メタ)アクリル酸亜鉛塩系共重合体の数平均分子量
は、通常5,000〜100,000程度であり、ガラ
ス転移温度(Tg)は、−20℃〜+50℃程度であ
る。
【0091】この(メタ)アクリル酸亜鉛塩系共重合体
(b) は、防汚塗料組成物中に、樹脂分として、通常、1
〜99重量%、好ましくは10〜70重量%の量で含ま
れていることが好ましい。この(メタ)アクリル酸亜鉛
塩系共重合体が、防汚塗料組成物中にこの範囲内で含ま
れる場合、塗膜表面の安定した長期にわたる消耗性、お
よび防汚性に優れる傾向にある。
【0092】このような(メタ)アクリル酸亜鉛塩系共
重合体を製造するには、特開平5−171066号公報
に記載の方法に準ずればよく、例えば上記共重合体中の
各成分単位量に対応する量の上記(メタ)アクリル酸亜
鉛塩(イ) 、水酸基および/またはアミノ基を有する単量
体(ロ) 、およびこれら単量体(イ)、(ロ)と共重合可能な
「他の単量体」(ハ) を、トルエン等の有機溶剤と混合
し、ラジカル重合開始剤の存在下に60〜180℃の温
度で5〜14時間溶液重合等すればよい。
【0093】外舷部用上塗り塗料 外舷部用上塗り塗料としては、油性(アルキッド)系、
フタル酸樹脂系、塩素化ポリオレフィン系(塩化ゴム
系)、ビニル系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン
系、シリコーンアルキッド系、アクリルシリコーン系、
フッ素樹脂系等の上塗り塗料を挙げることができる。
【0094】本発明に使用される外舷部用上塗り塗料と
しては、耐候性、付着性、経済性等を考慮し、ウレタン
系、エポキシ系、アクリル系又は塩素化ポリオレフィン
系(塩化ゴム系)塗料であることが好ましく、このよう
な外舷部用上塗り塗料としては、「ユニマリン(商品
名)」(中国塗料(株)製、イソシアネート架橋型2液
型ウレタン樹脂系上塗塗料)、「エピコンマリン上塗
(商品名)」、「エピコンマリンHB(商品名)」(中
国塗料(株)製、変性ポリアミドアミン架橋型2液型エ
ポキシ樹脂系上塗塗料)、「ラバックス上塗(商品
名)」(中国塗料(株)製、塩素化ポリオレフィン系上
塗塗料)、「アクリ700上塗(商品名)」(中国塗料
(株)製、アクリル樹脂系上塗塗料)等を挙げることが
できる。
【0095】水線部用上塗り塗料 水線部用上塗り塗料としては、前述の外舷部用上塗り塗
料の項で挙げた各種塗料を用いることができると共に、
非有機錫系防汚塗料を用いることもできる。
【0096】船舶外板部のような、船舶の浮き沈みによ
り水中浸漬と空中暴露が繰り返される乾湿交互の厳しい
環境下では、耐水性、耐候性、防食性、必要に応じて防
汚性が求められるため、これらの中でもウレタン系、エ
ポキシ系、アクリル系、塩素化ポリオレフィン系(塩化
ゴム系)塗料または非有機錫系防汚塗料を用いることが
好ましい。
【0097】これらの水線部用上塗り塗料としては、イ
ソシアネート架橋型2液型ウレタン樹脂系上塗塗料の
「ユニマリン(商品名)」(中国塗料(株)製)、変性
ポリアミドアミン架橋型2液型エポキシ樹脂系上塗塗料
の「エピコンマリン上塗(商品名)」(中国塗料(株)
製)、「エピコンマリンHB(商品名)」(中国塗料
(株)製)、塩素化ポリオレフィン系上塗塗料の「ラバ
ックス上塗(商品名)」(中国塗料(株)製)、アクリ
ル樹脂系上塗塗料の「アクリ700上塗(商品名)」
(中国塗料(株)製)等が挙げられる。
【0098】本発明で用いられる上記の各塗料には、通
常船舶外板塗料に配合されるような成分、たとえば防汚
剤、可塑剤、加水分解調整剤、顔料、溶剤、粘度調整
剤、その他の添加剤等が含まれていてもよい。
【0099】本発明では、上述したプライマー等の各塗
料を塗布硬化してなる塗膜(硬化膜)を、船舶の外板表
面に形成するには、たとえばエアレススプレー、エアー
スプレー、刷毛塗り、ローラー塗りなど常法によればよ
い。なお、上記プライマー処理に先立ち、必要により、
錆、油脂、水分、塵埃、スライム、塩分、などの外板表
面付着物を清掃・除去してもよい。また、上記塗料は、
シンナー等で適宜濃度に希釈して用いてもよい。
【0100】また、このような塗料の塗布量は、船舶の
種類、塗り重ねられる塗料の種類・組合わせなどにもよ
り異なり一概に決定されないが、船舶の外板表面全体に
塗布されるビスフェノール型エポキシ樹脂防食塗料組成
物またはウレタン樹脂防食塗料組成物(プライマー)
は、例えば150〜800g/m2 の量で、160〜6
00μm厚程度に塗布され、その乾燥膜厚は、100〜
300μm程度であり、該船舶外板の船底部および水線
部の該プライマー層上に塗布される非有機錫系加水分解
性防汚塗料は、たとえば200〜800g/m2 の量
で、50〜500μm厚程度に塗布され、その乾燥膜厚
は、30〜300μm程度であり、該船舶外板の外舷部
のプライマー層上に塗布されるウレタン塗料は、たとえ
ば50〜300g/m2 の量で、40〜300μm厚程
度に塗布され、その乾燥膜厚は、30〜150μm程度
である。
【0101】なお、エアレススプレー時には、たとえば
1次(空気)圧:4〜8kgf/cm2 程度、2次(塗
料)圧:100〜180kgf/cm2 程度、ガン移動
速度50〜120cm/秒程度に塗装条件を設定すれば
よい。
【0102】また、上記各塗料の塗装回数は、特に限定
されず、塗料濃度、求められる膜厚等に応じて適宜設定
可能であり、それぞれ1回ずつでもよく、複数回でもよ
い。このように各塗料が上記膜厚となるように塗装・硬
化して得られた船舶(塗装船舶)には、タンカー、貨物
船、客船、漁船、艀、浮きドックなどの金属製船舶など
が挙げられる。
【0103】さらに本発明では、各種上塗り塗装性に優
れたビスフェノール型エポキシ樹脂防食塗料組成物また
はウレタン樹脂防食塗料組成物を、外板以外の例えば暴
露部(デッキ部)、上構部(上部構造部、ハウジン
グ)、ホールド部、バラストタンク部用のプライマーと
して使用すれば、船舶全体の塗料品種の大幅な低減効果
を奏する。
【0104】本発明では、外板の他に上記のように暴露
部(デッキ部)、上部構造部(ハウジング部)、ホール
ド部、バラストタンク部についても、同じ下塗り用プラ
イマーを統一して塗装し、しかもまた同じ上塗り用プラ
イマーを統一して塗装することにより、本発明の効果
が、より一層期待できる。
【0105】
【発明の効果】本発明に係る防食塗料組成物は、従来の
防食塗料組成物よりも、金属基材との密着性、防食性
(長期防食性)および塗膜強度に優れる硬化塗膜(防食
塗膜)を形成することができる。したがって、本発明に
係る防食塗料組成物は、鉄鋼構造物、船舶などの防食塗
料として好適であり、特に船舶用の重防食塗料として優
れている。
【0106】本発明に係る防食塗膜は、本発明に係る防
食塗料組成物からなる硬化塗膜であるので、従来の防食
塗料組成物よりも、金属基材との密着性、防食性および
塗膜強度に優れている。
【0107】本発明に係る金属基材表面の防食方法によ
れば、上記物性に優れる、本発明に係る防食塗膜で金属
基材表面を被覆することができる。
【0108】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例により何ら限定されるものでは
ない。
【0109】以下の実施例、比較例等において、「部」
は「重量部」の意味である。また、表中の各成分量は、
特に断らない限りいずれも「重量部」表示で示す。 [非タール系エポキシ樹脂防食塗料の製造例]表2に示
す配合組成の非タール系エポキシ樹脂防食塗料の主剤
(エポキシ樹脂を含む組成物)及び硬化剤(硬化剤成分
を含む組成物)を製造した。
【0110】表2に示す配合組成の非タール系エポキシ
樹脂防食塗料を製造するに際しては、主剤については、
ガラスビーズを用いてペイントシェーカーで配合物を充
分に分散させ製造し、硬化剤についてはハイスピードデ
ィスパーを用い配合物を均一に混合して製造した。
【0111】非タール系エポキシ樹脂防食塗料を塗装す
る際には、この主剤、硬化剤を表2に示した重量比で混
合した後、直ちに塗装を行なった。
【0112】
【表2】
【0113】(注)表2中で使用している原材料は以下
のものである。 (1) E−834-85X (商品名):大竹明新化学
(株)製のエポキシ樹脂ワニス、ビスフェノールAタイ
プ、半固形エポキシ樹脂(エポキシ当量290〜31
0、溶媒:キシレン、不揮発分(N V.):85%) (2) E−001-75X (商品名):大竹明新化学
(株)製のエポキシ樹脂ワニス、ビスフェノールAタイ
プ、固形エポキシ樹脂(エポキシ当量660〜690、
溶媒:キシレン、不揮発分(NV.):75%) (3) エピコート 1004(商品名):油化シェルエポ
キシ(株)製のエポキシ樹脂、ビスフェノールAタイ
プ、固形エポキシ樹脂(エポキシ当量875〜975) (4) ラロフレックスMP-25 (商品名):BASF社
製のビニル樹脂、塩化ビニル/ビニルイソブチルエーテ
ル共重合体(Mw:28000〜30000) (5) TCP (商品名):三菱ガス化学(株)製の可塑
剤、トリクレジルフォスフェイト (6) KBM−403 (商品名):信越化学工業(株)
製のシランカップリング剤、γ- グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン (7) CDP−BD−70X (商品名):ビーオーケミ
カル(株)製のタール液、膨潤炭ワニス(溶媒:キシレ
ン、不揮発分(NV.):70% (8) ひ性硫酸バリウム BA(商品名):堺化学工業
(株)製の硫酸バリウム (9) NKK−F タルク(商品名):福岡タルク(株)
製のタルク (10)スゾライトマイカ 200−HK (商品名):
(株)クラレ製のマイカ、鱗片状顔料、重量平均フレー
ク径:90μm、重量平均アスペクト比:50
【0114】(11)シリカ MC−O (商品名):富士
タルク工業(株)製のシリカ (12) ディスパロン6600(商品名):楠本化成
(株)製のたれ防止剤、粉末型ポリアマイドタイプの揺
変剤 (13)アルペースト1900XS(商品名):東洋アルミ
(株)製のアルミペースト、ノンリーフィング型アルミ
(NV.75%、溶媒:キシレン、ターペン) (14)トルエン (15)キシレン (16)n-ブタノール (17)MIBK:メチルイソブチルケトン (18)PGM (商品名):(株)クラレ製のプロピレン
グリコールモノメチルエーテル (19)PA−66 (商品名):大竹明新化学(株)製の
ポリアミド(アミン価:150〜190、溶媒:キシレ
ン、n-ブタノール、不揮発分(NV.):60%) (20)PA−23 (商品名):大竹明新化学(株)製の
ポリアミドアダクト(アミン価:165〜200、溶
媒:キシレン、n-ブタノール、不揮発分(NV.):6
0%) (21)TAP(商品名):化薬アクゾ(株)製の硬化触
媒、2,4,6-トリス(ジメチル- アミノメチル)フェノー
【0115】[防食性試験]サンドブラスト処理した7
0×150×2.3mmの鋼板に供試塗料をその乾燥膜
厚が200μmとなるようエアースプレーを用いて塗装
し、20℃で7日間乾燥させ試験板を得た。
【0116】この試験板を40℃の3%食塩水に180
日間浸漬し、フクレの程度をASTM D 714−5
6、発錆の程度をASTM D 610−85に準じて目
視にて評価し、付着性を碁盤目テープ法(JIS K 5
400、8.5.2に準拠)により評価した。その結果
を表3に示す。
【0117】<フクレ試験の評価点数> 10点:フクレ無し 9点:0.5mm径のフクレが試験板の全面積の0.2
%未満 8点:0.5mm径のフクレが試験板の全面積の0.5
%程度 7点:0.5から1mm径のフクレが試験板の全面積の
0.5%程度 6点:1から2mm径のフクレが試験板の全面積の0.
5〜1%程度 5点:2から3mm径のフクレが試験板の全面積の1〜
5%程度 4点:3から5mm径のフクレが試験板の全面積の5〜
10%程度 3点:3から5mm径のフクレが試験板の全面積の10
〜15%程度 2点:3から5mm径のフクレが試験板の全面積の15
〜30%程度 1点:フクレ発錆面積が試験板の全面積の30%以上
【0118】<発錆試験の評価点数(ASTM D 61
0-85)> 10点:錆無し〜発錆面積が試験板の全面積の0.03
%未満 9点:発錆面積が試験板の全面積の0.03%以上0.
1%未満 8点:発錆面積が試験板の全面積の0.1%以上0.3
%未満 7点:発錆面積が試験板の全面積の0.3%以上1%未
満 6点:発錆面積が試験板の全面積の1%以上3%未満 5点:発錆面積が試験板の全面積の3%以上10%未満 4点:発錆面積が試験板の全面積の10%以上16%未
満 3点:発錆面積が試験板の全面積の16%以上33%未
満 2点:発錆面積が試験板の全面積の33%以上50%未
満 1点:発錆面積が試験板の全面積の50%以上
【0119】<碁盤目試験の評価点数> 10点:切り傷1本ごとが、細くて両側が滑らかで、切
り傷の交点と正方形の一目一目に剥がれがない。 9点:切り傷が少し太くなっている。 8点:切り傷の交点にわずかな剥がれがあって、正方形
の一目一目に剥がれがなく、欠損部の面積は全正方形面
積の5%以内。 7点:切り傷の両側と交点とに剥がれがあり、欠損部の
面積は全正方形面積の5%以内。 6点:切り傷の両側と交点とに剥がれがあって、欠損部
の面積は全正方形面積の5〜15%。 5点:切り傷による剥がれの幅は、「6点」よりも広
く、欠損部の面積は全正方形面積の15〜25%。 4点:切り傷による剥がれの幅が広く、欠損部の面積は
全正方形面積の25〜35%。 3点:正方形の一目一目に剥がれがあり、その面積は全
正方形面積の35%以内。 2点:切り傷による剥がれは「3点」よりも大きく、欠
損部の面積は全正方形面積の35〜50%。 1点:切り傷による剥がれは「2点」よりも大きく、そ
の面積は全正方形面積の50〜70%。 0点:剥がれの面積は、全正方形面積の70%以上。
【0120】
【表3】
【0121】[上塗り性試験] (各種上塗塗料との付着性試験)サンドブラスト処理し
た70×150×2.3mmの鋼板に供試塗料(プライ
マー)をその乾燥膜厚が200μmとなるようエアース
プレーを用いて塗装した後、広島県大竹市の中国塗料
(株)大竹研究センターに設置した屋外暴露台(JIS
K5400 9.9に準拠)に供試塗料塗装面が表と
なるように取付け、10日間屋外暴露を行なった後、表
4に記載の各種上塗り塗料を乾燥膜厚が50μmとなる
ようエアースプレーを用いて塗装し、20℃で7日間乾
燥後試験板を得た。
【0122】試験板を20℃の3%食塩水に90日間浸
漬した後各種上塗り塗料との付着性を上記と同様に碁盤
目テープ法(JIS K 5400 8.5.2に準拠)
により評価した。その結果は表4に示す。
【0123】
【表4】
【0124】[非有機錫系加水分解性防汚塗料の製造]
表5に示す配合組成の各防汚塗料組成物を製造した(各
成分量は重量部で表示)。
【0125】表5に示す配合組成の防汚塗料組成物を製
造するに際しては、ガラスビーズを入れたペイントシェ
ーカー内でこれらの配合成分を一緒にして2時間振盪し
た後、室温で12時間熟成を行った。次いで100メッ
シュのフィルターでロ過して、所望の非有機錫系加水分
解性防汚塗料組成物を得た。
【0126】
【表5】
【0127】なお、表5中の成分名称等は以下の通りで
ある。 「S-3ワニス」: トリアルキルシリルエステル共重合体溶液 ポリマー中のモノマー組成:トリブチルシリルメタクリ
レート/メチルメタクリレート=50/50(重量比) 溶媒:キシレン 加熱残分:49.6重量% 粘度:259cPs/25℃ 「BL-1ワニス」: アクリルスチレン系共重合体溶液 ポリマー中のモノマー組成:イソブチルメタクリレート
/t-ブチルメタクリレート/スチレン/ステアリルメタ
クリレート=30/30/30/10(重量比) 加熱残分:50重量% 粘度:A4(ガードナー/25℃) 「トヨパラックス150」(商品名): 東ソー(株)製の塩素化パラフィン、平均炭素数:1
4.5、 塩素含有率:50%、粘度:12ポイズ/25℃、 比重:1.25/25℃ 「マイカ白玉」(商品名):(有)脇元雲母製の鱗片
状顔料、平均粒径:15μm、アスペクト比:40 「モレキュラーシーブ4A」(商品名):脱水剤、ユ
ニオン昭和(株)製、合成ゼオライトパウダー 「ディスパロン305」(商品名):楠本化成(株)
製の水添ヒマシ油系タレ止め剤 「ディスパロン4200−20」(商品名):楠本化
成(株)製の酸化ポリエチレン系沈降防止剤、20%キ
シレンペースト [防汚塗料との付着性試験]サンドブラスト処理した7
0×150×2.3mmの鋼板に供試塗料(プライマ
ー)をその乾燥膜厚が200μmとなるようエアースプ
レーを用いて塗装した後、広島県大竹市の中国塗料
(株)大竹研究センターに設置した屋外暴露台(JIS
K5400 9.9に準拠)に供試塗料塗装面が表と
なるよう取付け10日間屋外暴露を行なった後、非有機
錫系加水分解性防汚塗料(AF-1,AF-2)を乾燥膜
厚が100μmとなるようエアースプレーを用いて塗装
し、20℃で7日間乾燥後試験板を得た。
【0128】試験板を天然海水中に180日間浸漬した
後供試験プライマーと非有機錫系加水分解性防汚塗料と
の付着性を碁盤目テープ法(JIS K5400 8.
5.2に準拠)により評価した。その結果を表6に示
す。
【0129】
【表6】
【0130】[防汚塗料塗装系での防汚性及び消耗度]
広島湾の海水中に設置した回転ドラムの側面に取付け可
能なように曲げ加工が施された70×20×3mmのサ
ンドブラスト板を用意した。
【0131】このサンドブラスト板に供試プライマーを
乾燥膜厚が200μmとなるようエアースプレーを用い
て塗装し20℃で2日間乾燥した後、非有機錫系加水分
解性防汚塗料を乾燥膜厚が200μmとなるようアプリ
ケーターを用いて塗装し、20℃で7日間乾燥し、試験
板を得た。
【0132】なお、上記本発明の塗装方法との比較とし
て、従来の塗装方法を以下のようにして実施した。すな
わち、このサンドブラスト板にタールエポキシ系2液型
防食塗料(中国塗料(株)製、商品名ビスコンAC)を
乾燥膜厚が150μmとなるようエアースプレーを用い
て塗装し20℃で2日間乾燥した後、更にビニル系バイ
ンダーコート(中国塗料(株)製、商品名シルバックス
SQK)を乾燥膜厚が50μmとなるようエアースプレ
ーを用いて塗装し、20℃で2日間乾燥した後、非有機
錫系加水分解性防汚塗料を乾燥膜厚が200μmとなる
ようアプリケーターを用いて塗装し、20℃で7日間乾
燥し、試験板を得た。
【0133】回転ドラムにこれらの試験板を取り付けて
周速15ノット、50%稼動条件(夜間12時間稼動、
昼間12時間停止の交互運転)にて12ヶ月間船舶の運
航をシミュレートした後、防汚性(動的防汚性、試験板
への各種水棲生物の付着面積%)、消耗度(膜厚減少
(μm))の評価を行なった。
【0134】その結果を表7および表8に示す。
【0135】
【表7】
【0136】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大 塚 一 英 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内 (72)発明者 井 上 逸 郎 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内 Fターム(参考) 4J038 DB031 DB061 DB071 DB091 DB151 DB351 DH002 DJ012 HA066 HA376 HA446 HA486 HA536 HA546 HA556 JB06 JC32 KA03 KA08 KA20 NA03 NA12 PB05 PC02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)非タール系エポキシ樹脂、 (b)硬化剤、 (c)エポキシ基含有アルコキシシラン化合物、 (d)重量平均フレーク径が20μm以上であり、か
    つ、重量平均アスペクト比が20以上である扁平状顔
    料、および (e)タルク、シリカ、硫酸バリウムおよびカリ長石か
    らなる群から選ばれた少なくとも1種の体質顔料を含有
    してなることを特徴とする防食塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記エポキシ基含有アルコキシシラン化合
    物(c)が、下記一般式 【化1】 [式中、Aは、グリシドキシ基またはエポキシシクロヘ
    キシル基であり、R1 は、炭素原子数1〜6の2価の
    炭化水素基であり、R2 およびR3 は、それぞれ独立
    に、炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基であり、n
    は、1または0である。]で表わされるエポキシ基含有
    アルキルアルコキシシラン化合物であることを特徴する
    請求項1に記載の防食塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記エポキシ基含有アルコキシシラン化合
    物(c)が、γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシ
    ラン、γ- グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
    γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4
    -エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
    3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラ
    ン、および3,4-エポキシシクロヘキシルエチルメチルジ
    メトキシシランからなる群から選ばれた少なくとも1種
    のアルコキシシラン化合物であることを特徴とする請求
    項2に記載の防食塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記エポキシ基含有アルコキシシラン化合
    物(c)が、非タール系エポキシ樹脂(a)、硬化剤
    (b)、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物
    (c)、扁平状顔料(d)および体質顔料(e)の固形
    分の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部
    の量で含まれていることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の防食塗料組成物。
  5. 【請求項5】前記扁平状顔料(d)が、重量平均フレー
    ク径が30〜200μmであり、かつ、重量平均アスペ
    クト比が30〜100であることを特徴とする請求項1
    に記載の防食塗料組成物。
  6. 【請求項6】前記扁平状顔料(d)が雲母またはガラス
    フレークであることを特徴とする請求項1または5に記
    載の防食塗料組成物。
  7. 【請求項7】前記扁平状顔料(d)が、非タール系エポ
    キシ樹脂(a)、硬化剤(b)、エポキシ基含有アルコ
    キシシラン化合物(c)、扁平状顔料(d)および体質
    顔料(e)の固形分の合計100重量部に対して、5〜
    70重量部の量で含まれていることを特徴とする請求項
    1に記載の防食塗料組成物。
  8. 【請求項8】前記体質顔料(e)が、非タール系エポキ
    シ樹脂(a)、硬化剤(b)、エポキシ基含有アルコキ
    シシラン化合物(c)、扁平状顔料(d)および体質顔
    料(e)の固形分の合計100重量部に対して、5〜8
    0重量部の量で含まれていることを特徴とする請求項1
    に記載の防食塗料組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の防食塗料
    組成物から形成されてなることを特徴とする防食塗膜。
  10. 【請求項10】金属基材表面を、請求項1〜8のいずれ
    かに記載の防食塗料組成物から形成される防食塗膜で被
    覆することを特徴とする金属基材表面の防食方法。
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