JP2000127136A - コンクリート成形用中子 - Google Patents

コンクリート成形用中子

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JP2000127136A
JP2000127136A JP10306801A JP30680198A JP2000127136A JP 2000127136 A JP2000127136 A JP 2000127136A JP 10306801 A JP10306801 A JP 10306801A JP 30680198 A JP30680198 A JP 30680198A JP 2000127136 A JP2000127136 A JP 2000127136A
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core
fixed
outer cylinder
concrete
side plate
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JP10306801A
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Shigeo Abe
重穂 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成でありながら、コンクリートの成
形時には簡単に引き抜け、かつ耐久性に優れる、コンク
リート成形用の中子を提供すること。 【解決手段】 中子1を、弾性材料からなる外筒部材2
とその外筒部材2を内側から支持するための固定側支持
部材4および可動側支持部材5とから構成し、可動側支
持部材5を固定側支持部材4に重なり合わせることによ
って、外筒部材2における可動側支持部材5に支持され
ない部分をその内側へ弾性変形し得るように構成する。
このようにすると、コンクリートの成形時において、可
動側支持部材5を固定側支持部材4に重なり合わない状
態にすれば、外筒部材2は可動側支持部材5および固定
側支持部材4によって支持されるため、良好な成形を行
なえ、一方、成形後の引き抜き時には、可動側支持部材
5を固定側支持部材4に重なり合わせて外筒部材2をそ
の部分において内側へ弾性変形させ、円滑な引き抜きを
達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートを成
形するための中子であって、詳しくは、多孔管、暗渠
管、側溝管など、貫通孔が形成されるコンクリート製品
の成形に使用される中子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、暗渠管、多孔管、側溝管な
ど、貫通孔が形成されるコンクリート製品を形成すると
きには、コンクリートの形成時において、コンクリート
用型枠とともに、その貫通孔を形成するための中子が使
用されている。
【0003】たとえば、複数の電線や光ファイバーなど
を受け入れるための多孔管を形成する場合には、テーパ
状の抜き勾配が形成された棒状の中子が広く使用されて
いる。しかしこのような中子では、長さが長くなると中
子の引き抜きに大きな引っ張り力を要するため、その引
き抜きが困難となる場合がある。
【0004】そのため、たとえば、特開昭63−746
03号公報では、芯金の外周をゴムスリーブで覆った構
造の棒状の中子が提案されている。この中子では、コン
クリートの成形後に、まず芯金のみを引き抜いて、ゴム
スリーブを収縮できるような状態とした後に、そのゴム
スリーブを引っ張ればよいので、少ない力で引き抜くこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭63−
74603号公報に記載される中子でも、たとえば、小
口径の貫通孔や長さの長い貫通孔などを形成するときに
は、芯金やゴムスリーブを引き抜く時には、やはり、大
きな引っ張り力が必要であり、また、そのような大きな
引っ張り力によってゴムスリーブを引っ張った時には、
ゴムスリーブが損傷するという不具合を生じることがあ
る。
【0006】本発明は、上記した不具合を解決するため
になされたものであり、その目的とするところは、簡易
な構成でありながら、コンクリートの成形時には簡単に
引き抜け、かつ耐久性に優れる、コンクリート成形用の
中子を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、コンクリートを成形する
ための中子であって、コンクリート成形時においてコン
クリートが充填されない空間を囲む、弾性材料から形成
される筒状の外筒部材と、前記外筒部材をその内側から
支持するために、前記外筒部材の内周面と接触した状態
において前記外筒部材の長さ方向に延びる、複数の支持
部材とを備え、複数の前記支持部材のうち、少なくとも
1つの前記支持部材が、他の前記支持部材に重なり合う
ことにより前記外筒部材の内周面と接触しない状態とな
ることができるように構成されていることを特徴として
いる。
【0008】このような構成によると、少なくとも1つ
の支持部材を他の支持部材に重なり合わせることによ
り、その重ねた支持部材が外筒部材の内周面と接触しな
い状態となる。そのため、外筒部材におけるその部分
は、内側から支持部材によって支持されない状態とな
り、弾性材料から形成される外筒部材は、その部分にお
いて内側への弾性変形が可能となる。
【0009】したがって、支持部材を互いに重なり合わ
ないようにしておけば、外筒部材を支持部材によって内
側から確実に支持させることができるとともに、支持部
材を互いに重なり合わせれば、外筒部材をその部分にお
いて内側へ弾性変形させることができる。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、複数の前記支持部材の内側に配
置され、前記外筒部材の長さ方向に延びる芯部材をさら
に備え、複数の前記支持部材は、前記芯部材の軸芯周り
の回転を許容するような状態において前記芯部材に取り
付けられる固定側支持部材と、前記芯部材に固定され、
その芯部材の回転によって前記固定側支持部材に重なり
合うことにより前記外筒部材の内周面と接触しない状態
となることができる可動側支持部材とを備えていること
を特徴としている。
【0011】このような構成によると、芯部材を回転さ
せることによって、その芯部材に固定されている可動側
支持部材が、その芯部材の軸芯周りの回転を許容する固
定側支持部材に重なり合うようになる。
【0012】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の発明において、前記固定側支持部材
は、前記外筒部材に固定されていることを特徴としてい
る。
【0013】このような構成によると、固定側支持部材
が外筒部材に固定される一方で、その固定側支持部材に
は芯部材に取り付けられており、また、芯部材には可動
側支持部材が固定されているので、固定側支持部材、外
筒部材、芯部材および可動側支持部材がすべて連結され
るような構成となる。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
ないし3のいずれかに記載の発明において、前記外筒部
材の弾性材料の硬度が、JIS K6301に記載され
るショア硬度で60A〜70Dの範囲にあることを特徴
としている。
【0015】外筒部材をこのような硬度の弾性材料で形
成すれば、コンクリートの成形時に、コンクリートが充
填されても、大きな変形を生じることなくその形状を保
つことができ、一方、成形後に中子を引き抜くときに
は、外筒部材を内側へ良好に弾性変形させることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のコンクリート成
形用中子の一実施形態としての貫通孔成形用中子の一部
断面側面図、図2は、図1の正面図である。
【0017】図1および図2において、この貫通孔成形
用の中子1は、貫通孔が形成されるコンクリート製品、
たとえば、暗渠管、多孔管、側溝管などを成形するため
の暗渠型枠中子、多孔管型枠中子、側溝管型枠中子など
として使用される。
【0018】図1および図2に示されるように、この中
子1は、コンクリートを成形するときに、コンクリート
が充填されない空間、すなわち、貫通孔が形成される空
間を囲むようにして、長さ方向に延びる筒状の外筒部材
2と、この外筒部材2の内側の空間において、その外筒
部材2を内側から支持するための支持部材として固定側
支持部材4および可動側支持部材5と、それら固定側支
持部材4および可動側支持部材5の内側において、外筒
部材2の長さ方向に延び、かつ外筒部材2の中心軸線2
0に実質的に沿って配置される円柱状の芯部材3とを備
えている。
【0019】外筒部材2は、合成樹脂などからなる弾性
材料によって連続して一体に形成されている。また、芯
部材3は、鉄鋼製の剛性材料によって形成され、外筒部
材2と同心円の外径を有し、その長さは外筒部材2より
も長く、外筒部材2における長さ方向両端部から、その
両端部が突出した状態で設けられている。
【0020】外筒部材2の内周面と芯部材3の外周面と
の間の空間に設けられる固定側支持部材4および可動側
支持部材5は、鉄鋼製の剛性材料から形成されている。
【0021】固定側支持部材4は、外筒部材2の長さ方
向に連続して延びる断面円弧状の固定側板6と、この固
定側板6を、芯部材3に、芯部材3の周りに回転可能に
取り付けるための回転部材としての複数(2つ)の回転
板7とから構成されている。固定側板6は、その円弧状
の断面が、固定側板6に対向する外筒部材2の内周面と
実質的に同じ径であって、その中心角が180°か、あ
るいは、それよりも少し小さくなるように形成されてお
り、その長さが、外筒部材2の長さと実質的に同じ長さ
か、あるいはそれより短い長さとされている。そして、
この固定側板6における外側面が外筒部材2の内周面と
焼き付けなどにより接合されることによって、外筒部材
2と固定側板6とが固定されている。一方、各回転板7
は、固定側板6の円弧状の断面に沿った外周縁を有する
扇状の扇部分8と、芯部材3を挿通するための挿通孔9
を有する円環状の挿通部分10とを有している。そし
て、各回転板7は、その挿通部分10の挿通孔9に芯部
材3が挿通された状態で、その扇部分8の外周縁が固定
側板6の長さ方向両端縁に溶接などにより固定されてい
る。これによって、固定側支持部材4は、芯部材3に、
その芯部材3の軸芯周りの回転を許容するような状態に
おいて取り付けられる一方で、外筒部材2に固定され
る。
【0022】可動側支持部材5は、外筒部材2の長さ方
向に連続して延びる断面円弧状の可動側板11と、この
可動側板11を、芯部材3に取り付けるための取付部材
としての複数の取付板12とから構成されている。可動
側板11は、その円弧状の断面が、可動側板11に対向
する外筒部材2の内周面と実質的に同じ径であって、か
つ、固定側板6の円弧状の断面よりも小さい径とされ、
その中心角が180°か、あるいは、それよりも少し小
さくなるように形成されており、その長さが、固定側板
6における2つの回転板7間の長さよりも少し小さい長
さとされている。また、複数の取付板12は、可動側板
11の内周面に沿った外周縁と、芯部材3の外周面に沿
った内周縁とを有する扇状に形成されている。各取付板
12は、可動側板11の内周面と芯部材3の外周面との
間において、互いに所定の間隔を隔てた状態で芯部材3
の長さ方向に沿って配置され、その外周縁が可動側板1
1の内周面に溶接などによって固定されるとともに、そ
の内周縁が芯部材3の外周面に溶接などによって固定さ
れている。これによって、可動側支持部材5が、可動側
板11の外側面と外筒部材2の内周面とが摺動可能に接
触した状態において、芯部材3に固定される。なお、取
付板12の数、およびそれらが配置される間隔は、外筒
部材2の長さによって適宜決定される。
【0023】また、外筒部材2は、固定側板6に接触す
る部分の厚みを薄肉(以下、この部分を薄肉部分13と
言う。)とし、可動側板11に接触する部分を厚肉(以
下、この部分を厚肉部分14と言う。)として形成され
ている。薄肉部分13と厚肉部分14との厚みの差は、
固定側板6と可動側板11との径の差に実質的に等しく
なるように形成されており、このような薄肉部分13と
厚肉部分14とを設けることによって、外筒部材2の外
径を実質的に円形に保った状態において、薄肉部分13
の内周面に固定側板6を確実に接触させることができる
とともに、厚肉部分14の内周面に可動側板11を確実
に接触させることができる。そのため、コンクリートの
成形時において、円形の貫通孔を形成させることができ
ながら、固定側板6および可動側板11による外筒部材
2の支持強度を高めることができる。
【0024】また、外筒部材2を構成する弾性材料とし
ては、その硬度が、JIS K6301に記載されるシ
ョア硬度で60A〜70Dの範囲、さらには、80A〜
95Aの範囲にあるものが好ましい。外筒部材2をこの
ような硬度の弾性材料で形成すれば、コンクリートの成
形時に、コンクリートが充填されても、大きな変形を生
じることなくその形状を保つことができ、一方、成形後
に中子を引き抜くときには、外筒部材2を内側へ良好に
弾性変形させることができる。したがって、このような
硬度を有する弾性材料を使用することによって、コンク
リートの成形および引き抜きを行なうために最も適した
強度および弾性を有する外筒部材2を形成することがで
きる。また、外筒部材2を形成する弾性材料の面粗度を
選択することによって、所望の表面平滑性を有するコン
クリート製品をも成形することができる。より具体的に
は、本実施形態の外筒部材2は、このような硬度の範囲
にある注型ポリウレタンエラストマーによって一体成形
されている。ポリウレタンエラストマーは、弾性変形に
よる復元力に優れるとともに耐久性がよく、このような
中子1の外筒部材2を形成するための材料として最も好
ましい。
【0025】さらに、厚肉部分14、および、薄肉部分
13と厚肉部分14の境界には、外筒部材2の内周面か
ら外周面に向かって凹状に形成される複数の肉抜き15
が形成されている。このような肉抜き15が形成される
ことによって、後述するように、外筒部材2の内側の空
間を減圧した時に、厚肉部分15をより変形しやすくす
ることができる。
【0026】次に、以上に述べた中子1を用いて、貫通
孔を有するコンクリートブロックを製造する方法につい
て簡単に説明する。
【0027】図3は、中子1の使用状態を示す側断面図
である。図3において、中子1は、一側が開放された箱
状の外枠16内に取付部材17を介してセットされる。
そして、この外枠16内にコンクリートを充填し硬化さ
せることによって、この中子1が配置される部分が貫通
孔となるコンクリートブロック18が成形される。そし
て、取付部材17を取り外した後に外枠16の型ばらし
を行ない、次いで中子1の引き抜きを行なう。この引き
抜きにおいては、まず、芯部材3を回転させることによ
って、その芯部材3に取付板12を介して固定されてい
る可動側板11を、外筒部材2の内周面に接触している
状態から、固定側板6の内側に重なり合わされる状態に
移動させる。この状態は図4に示されている。これによ
って、それまで可動側板6が接触していた外筒部材2の
内周面は、内側から可動側板6によって支持されない状
態となり、弾性材料から形成される外筒部材2は、その
部分において内側への弾性変形が可能となる。その後、
外筒部材2の内周面と芯部材3の外周面との間に介在す
る空間を公知の方法によって減圧する。そうすると、図
5に示すように、可動側板11が接触していない外筒部
材2の厚肉部分14が、この減圧によって内側に弾性変
形する。しかる後に、この中子1を矢印19で示す方向
に引き抜けば、貫通孔を有するコンクリートブロック1
8が製造される。
【0028】このようなコンクリートブロック18の製
造において、図1および図2で示される中子1を使用す
ると、コンクリートの成形時において、まず、可動側板
6を固定側板10に重なり合わない状態、すなわち、図
2に示す状態にしておけば、外筒部材2は、可動側板6
および固定側板10によって内側から確実に支持される
ので、コンクリートの充填によっても大きな変形を生じ
ることなくその形状を保つことができ、したがって、良
好な成形を行なうことができる。
【0029】一方、成形後に中子1を引き抜くときに
は、上述したように、可動側板6を固定側板10に重な
り合わせれば、外筒部材2をその部分において内側へ弾
性変形させることができるので、中子1の外径を実質的
に小さくさせて、円滑な引き抜きを達成することができ
る。また、外筒部材2は、中子1を引き抜くときにも、
その一部が固定側板10によって内側から支持されてい
るので、引き抜き時における外筒部材2の損傷を少なく
することができる。そのため、耐久性がよく、多くの回
数を繰り返して使用することができる。
【0030】また、可動側板6が取付板12を介して芯
部材3に固定される一方で、固定側板10が回転板7に
固定されているため、可動側板6の固定側板10に対す
る重ね合わせは、芯部材3を回転させることのみによっ
て行なうことができ、そのため、簡単な操作によって、
可動側板6を固定側板10に対して重なり合わせたり、
重なり合わないようにしたりすることができる。
【0031】さらに、固定側板10は、回転板7を介し
て芯部材3の周りに回転可能に取り付けられているた
め、固定側板10、外筒部材2、芯部材3および可動側
板6がすべて連結される構成となっている。そのため、
成形後においては、中子1を一度に引き抜くことができ
る。したがって、引き抜きのための工数が少なく、成形
作業の簡易化を図ることができる。
【0032】また、可動側板11は、その円弧状の断面
が固定側板6の円弧状の断面よりも小さい径とされてい
るため、芯部材3を回転させたときには、可動側板6は
固定側板10の内側において重なり合うようになる。し
たがって、芯部材3に固定される可動側板6は、外筒部
材2に固定される固定側板10と干渉することなく、円
滑に重ね合わせることができる。
【0033】図6ないし図10は、本実施形態の中子1
を、多孔管型枠中子として使用した一例を説明する説明
図である。これら図6ないし図10を参照して、多孔管
を有するコンクリート製品の製造方法を、より具体的に
説明する。
【0034】図6において、多孔管型枠は、一側が開放
された長方形状の多孔管用外枠21内に、その多孔管用
外枠21の長さ方向に沿って複数の中子1が整列した状
態(図6においては、9本の中子1が互いに所定の間隔
を隔てるような状態)で配置される。多孔管用外枠21
は、前壁22、後壁23、2つの側壁24および25、
ならびに底壁26からなり、コンクリート製品の成形時
には、これらが、上方が開放された箱状に組み立てられ
ており、成形後には、前壁22、後壁23、2つの側壁
24および25が、底壁26側の端縁を支点として平面
状に展開されることによって、型ばらしが行なえるよう
にされている。また、複数の中子1は、図7にも示され
るように、前壁22および後壁23に支持されることに
より、多孔管用外枠21内に配置される。
【0035】すなわち、図8に示すように、前壁22に
は、中子1を挿通させるための前側挿通孔27が形成さ
れるとともに、その前側挿通孔27の周縁部から前方に
突出する筒状の前側筒部28が設けられている。また、
この前側筒部28の外周面には雌ねじ29が形成されて
いる。さらに、この前側筒部28には、その外周面に挿
嵌固定し得るキャップ部材30が取付可能とされてい
る。このキャップ部材30は、筒状の外側筒部31と、
その外側筒部31よりも小径とされた内側筒部32と、
これら外側筒部31および内側筒部32の前方側端部を
連結する円環板状の円環板部33から構成されている。
また、外側筒部31の内周面には、前側筒部28の外周
面に形成される雌ねじ29に噛み合う雄ねじ34が形成
されている。そして、中子1の前側端部を、この前側挿
通孔27に挿通することにより、前側筒部28において
中子1の前側端部を支持するとともに、キャップ部材3
0を前側筒部28に螺着させる。そうすると、中子1お
よび前側筒部28は、キャップ部材30の外側筒部31
と内側筒部32との間に挟まれて、中子1はこれによっ
て固定されるようになる。また、中子1はこのように固
定された状態において、その芯部材3が円環板部33の
中空孔から前方に突出した状態となる。なお、キャップ
部材30を取り外せば、中子1は前側挿通孔27から容
易に引き抜くことができる。
【0036】一方、図9に示すように、後壁23にも、
前壁22と同様に、中子1を挿通させるための後側挿通
孔35が形成されるとともに、その後側挿通孔35の周
縁部から後方に突出する筒状の後側筒部36が設けられ
ている。そして、中子1の後側端部を、この後側挿通孔
35に挿通することにより、後側筒部36において中子
1の後側端部を支持する。また、これとともに、中子1
の外筒部材2の後側端縁には、外筒部材2の内側の空間
を真空度に保つための閉鎖部材37が設けられる。この
閉鎖部材37は、芯部材3と外筒部材2との間の空間を
閉鎖するために、外筒部材2の後端縁から芯部材3に向
かって傾斜する漏斗状の漏斗部38と、その漏斗部38
の先端部において、芯部材3の外周面に挿嵌し得る筒状
の挿嵌部39とから構成され、これら漏斗部38と挿嵌
部39とは、外筒部材2の後端縁から連続して一体に形
成される。そして、挿嵌部39と芯部材3とをリング状
の止め具40で固定する。これによって、後述するよう
に、外筒部材2の内側の空間を図示しない真空ポンプで
減圧したときに、その空間の真空を保つことができる。
【0037】また、図6および図7に示すように、多孔
管用外枠21の前壁22および後壁23には、その周端
縁から前方または後方にそれぞれ突出するように形成さ
れる矩形状の周壁41および42が設けられており、こ
れによって前壁22および後壁23は、その上下左右方
向において断面がコ字状となるように形成されている。
また、前壁22には、その前壁22の周壁41に対向す
るような周壁43を持ち、その上下左右方向において断
面がコ字状となるように形成されるカバー部材44が着
脱自在に取り付けられる。このカバー部材44は、図1
0にも示されるように、カバー部材44の周壁43と前
壁22の周壁41とが当接された状態で、これら周壁4
3および44の外側面に設けられた固定具45によって
固定されることにより、前壁22に取り付けられる。
【0038】このカバー部材44が前壁22に取り付け
られた状態では、図7に示すように、前壁22から外方
に突出している中子1が、これらカバー部材44と前壁
22とによって覆われるとともに、これらカバー部材4
4と前壁22とによって形成される空間の真空が保持さ
れるようになる。また、このカバー部材44における周
壁43の下壁には、多孔管用外枠21の底壁26の下方
において、その多孔管用外枠21の長さ方向に沿って延
びる台車46が取り付けられるとともに、カバー部材4
4における周壁43の上壁には、図示しない真空ポンプ
のホース48が、その周壁43内に挿入されるように取
り付けられている。なお、台車46は、前後に車輪51
および52を備えている。
【0039】さらに、この多孔管用外枠21の底壁26
の下方には、この多孔管用外枠21を支持するための支
持台49が設けられている。この支持台49は、多孔管
用外枠21の長さ方向に沿って延び、台車46を受け入
れるために断面コ字状をなしている。これによって、台
車46は、多孔管用外枠21の底壁26と支持台49と
の間の空間に、その多孔管用外枠21の長さ方向に沿っ
て移動可能に収容される。
【0040】次に、このように構成された多孔管型枠を
使用して、多孔管を有するコンクリート製品を製造する
方法について説明する。
【0041】まず、多孔管型枠を図6に示すような状態
にセットする。つまり、多孔管用外枠21を上方が開放
された箱状に組み立てるとともに、図7ないし図9に示
すように、複数の中子1を多孔管用外枠21前壁22お
よび後壁23において支持固定する。なお、図6におい
ては、一方の側壁24が開いているが、実際には、この
側壁24も閉じた状態にある。また、このセット時にお
いては、複数の中子1を前壁22に支持固定するための
作業が必要であることから、カバー部材44は、前壁2
2に取り付けられない開放状態としておく。さらに、複
数の中子1の周りには、図6に示すように、鉄筋50を
張ってもよい。
【0042】そして、多孔管用外枠21の上方からコン
クリートを充填し、これを硬化させることによって、複
数の中子1が配置される部分が貫通孔となる、多孔管を
有するコンクリート製品を成形する。このコンクリート
製品の成形においては、前述したように、コンクリート
の充填時には、中子1の可動側板11を外筒部材2の内
周面に接触させた状態で行ない、一方、コンクリートの
硬化後には、芯部材3を回転させて、可動側板11を固
定側板6の内側に重なり合わされる状態に移動させるこ
とによって、それまで可動側板6が接触していた外筒部
材2の内周面を内側への弾性変形が可能な状態とする。
その後、台車46を支持台49の内方へ移動させること
によって、カバー部材44の周壁43と前壁22の周壁
41とを当接させ、固定具45によってこれらを固定し
て、これらカバー部材44と前壁22とによって形成さ
れる空間の真空が保持されるような状態とする。そして
この状態において、前壁22を除く多孔管用外枠21の
型ばらしを行なうとともに、図示しない真空ポンプを起
動させて、カバー部材44と前壁22とによって形成さ
れる空間を介して、外筒部材2の内周面と芯部材3の外
周面との間に介在する空間を減圧し、これによって、可
動側板11が接触していない外筒部材2の厚肉部分14
を内側に弾性変形させる。しかる後に、図10に示すよ
うに、台車46を支持台49の前方側へ移動させること
によって、複数の中子1を一度に引き抜けば、多孔管を
有するコンクリート製品が製造される。
【0043】このような多孔管型枠を使用して多孔管を
有するコンクリート製品を製造すれば、複数の中子1を
真空状態に保持したままで一度に引き抜くことができ、
光ファイバーなどを受け入れる比較的小口径のもので、
かつ長尺な製品であっても、効率よく製造することがで
き、生産性を向上させることができる。
【0044】なお、以上に述べた本実施形態の中子1
は、固定側支持部材4と可動側支持部材5とがそれぞれ
1つであったが、固定側支持部材4と可動側支持部材5
とが、それぞれ2つ以上あってもよく、また、固定側支
持部材4の内側に可動側支持部材5をすべて重なり合わ
せなくとも、たとえば、それぞれが半分づつずれるよう
な状態で互いに重なり合わされるような構成としてもよ
い。
【0045】さらに、芯部材3がなく、たとえば、外筒
部材2の内周面に、複数の固定側支持部材4と可動側支
持部材5を接触させ、可動側支持部材5が単にスライド
移動することによって、固定側支持部材4に重なり合わ
されるような構成としてもよい。
【0046】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、コンク
リートの成形時において、支持部材を互いに重なり合わ
ないようにしておけば、外筒部材は、コンクリートの充
填によっても大きな変形を生じることなくその形状を保
つことができるので、良好な成形を行なうことができ
る。一方、成形後に中子を引き抜くときには、支持部材
を互いに重なり合わせれば、外筒部材をその部分におい
て内側へ弾性変形させることができるので、中子の外径
を実質的に小さくさせて、円滑な引き抜きを達成するこ
とができる。また、外筒部材は、中子を引き抜くときに
も、その一部が支持部材によって内側から支持されてい
るので、引き抜き時における外筒部材の損傷を少なくす
ることができる。そのため、耐久性がよく、多くの回数
を繰り返して使用することができる。さらに、外筒部材
は弾性材料によって形成されるので、その面粗度を簡単
に選択することができる。そのため、所望の表面平滑性
を有するコンクリート製品を成形することができる。
【0047】請求項2に記載の発明によれば、芯部材を
回転させるのみで、可動側支持部材を固定側支持部材に
重なり合わせることができるので、簡単な操作によっ
て、各支持部材を互いに重なり合わせたり、重なり合わ
ないようにしたりすることができる。
【0048】請求項3に記載の発明によれば、固定側支
持部材、外筒部材、芯部材および可動側支持部材がすべ
て連結される構成となるので、成形後においては、中子
を一度に引き抜くことができる。したがって、引き抜き
のための工数が少なく、成形作業の簡易化を図ることが
できる。
【0049】請求項4に記載の発明によれば、所定の硬
度を有する弾性材料を使用することによって、コンクリ
ートの成形および引き抜きを行なうために最も適した強
度および弾性を有する外筒部材を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート成形用中子の一実施形態
としての貫通孔成形用中子の一部断面側面図である。
【図2】図1に示す貫通孔成形用中子の正面図である。
【図3】図1に示す中子の使用状態を示す説明図であ
る。
【図4】図1に示す貫通孔成形用中子の正面図である。
【図5】図1に示す貫通孔成形用中子の正面図である。
【図6】多孔管型枠の斜視図である。
【図7】図6に示す多孔管型枠の側断面図である。
【図8】図7における前壁側の要部側断面図である。
【図9】図7における後壁側の要部側断面図である。
【図10】図6に示す多孔管型枠の使用状態を示す一部
断面側面図である。
【符号の説明】
1 中子 2 外筒部材 3 芯部材 4 固定側支持部材 5 可動側支持部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリートを成形するための中子であ
    って、 コンクリート成形時においてコンクリートが充填されな
    い空間を囲む、弾性材料から形成される筒状の外筒部材
    と、 前記外筒部材をその内側から支持するために、前記外筒
    部材の内周面と接触した状態において前記外筒部材の長
    さ方向に延びる、複数の支持部材とを備え、 複数の前記支持部材のうち、少なくとも1つの前記支持
    部材が、他の前記支持部材に重なり合うことにより前記
    外筒部材の内周面と接触しない状態となることができる
    ように構成されていることを特徴とする、コンクリート
    成形用中子。
  2. 【請求項2】 複数の前記支持部材の内側に配置され、
    前記外筒部材の長さ方向に延びる芯部材をさらに備え、 複数の前記支持部材は、前記芯部材の軸芯周りの回転を
    許容するような状態において前記芯部材に取り付けられ
    る固定側支持部材と、前記芯部材に固定され、その芯部
    材の回転によって前記固定側支持部材に重なり合うこと
    により前記外筒部材の内周面と接触しない状態となるこ
    とができる可動側支持部材とを備えていることを特徴と
    する、請求項1に記載のコンクリート成形用中子。
  3. 【請求項3】 前記固定側支持部材は、前記外筒部材に
    固定されていることを特徴とする、請求項1または2に
    記載のコンクリート成形用中子。
  4. 【請求項4】 前記外筒部材の弾性材料の硬度が、JI
    S K6301に記載されるショア硬度で60A〜70
    Dの範囲にあることを特徴とする、請求項1ないし3の
    いずれかに記載のコンクリート成形用中子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180010011A (ko) * 2016-07-20 2018-01-30 한국과학기술원 전도성 콘크리트 제조장치 및 이를 이용한 전도성 콘크리트의 제조방법
CN114877853A (zh) * 2022-04-21 2022-08-09 东风柳州汽车有限公司 一种缸孔网纹参数测量装置

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