JPH0938934A - コンクリート製品並びにこのコンクリート製品の成型方法及びその装置 - Google Patents

コンクリート製品並びにこのコンクリート製品の成型方法及びその装置

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JPH0938934A
JPH0938934A JP7190934A JP19093495A JPH0938934A JP H0938934 A JPH0938934 A JP H0938934A JP 7190934 A JP7190934 A JP 7190934A JP 19093495 A JP19093495 A JP 19093495A JP H0938934 A JPH0938934 A JP H0938934A
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hollow
concrete
hollow core
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久夫 新貝
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SHINKAI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブルを貫通する際に接触面積が少なく摩
擦抵抗が小さく、引き入れ操作が容易なコンクリート製
品を提供する。両端部の孔径に差のない中空部B,E,
Fを成型でき、孔成型体6を簡単に離型でき、生産性を
向上できる成型方法を提供する。コンクリート製品の成
型方法の実施の形態に好ましい構成が簡単でコストメリ
ットが高い成型装置を提供する。 【解決手段】 コンクリート製品本体Aに形成した少な
くとも一端部に開口する中空部B,E,Fの内壁面Cを
軸線方向に沿って断面弧状凹凸面Dに形成する。型枠
1、孔成型体6及び流体給排手段19を具備する。孔成型
体6は中子芯材7,27,33,34と、可撓性の中空状中子
体8,29と、可撓性シート30とを具備する。可撓性の中
空状中子体29は螺旋状に巻回する膨縮可能なチューブ28
からなる。中子芯材34は可撓体35からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は孔径に対して奥行き
が長い貫通孔または貫通しない孔等の中空部を有するコ
ンクリート製品並びにこのコンクリート製品の成型方法
及びその装置に係り、たとえば、電線共同溝等のコンク
リート製品及びこのコンクリート製品を成型するものに
関する。
【0002】
【従来の技術】近時では、通信線、電力線、ガス管、水
道管、下水道管等のいわゆる幹線の地下埋設化に伴い、
通信線、電力線類のユーザーまでの配線には主として通
路等の地下に設置する電線共同溝等のコンクリート製品
が用いられている。
【0003】従来、この種のコンクリート製品として
は、たとえば、遠心力鉄筋コンクリート管(JIS・A
5303)のように貫通孔の内壁面を形成する内枠を用
いないで遠心力を利用して貫通孔を有するコンクリート
管を成型する方法、内枠に抜き勾配を形成して貫通孔を
有するコンクリート管を成型する方法、内枠を2つ以上
に分解して貫通孔を有するコンクリート管を成型する方
法及び実公平1−18326号公報に記載されているよ
うに脱型の際に中枠本体の径を縮小させる中型を用いて
貫通孔を有するコンクリートブロックを成型することが
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記遠心力を利用した
成型方法では、鉄筋コンクリート管の貫通孔の孔径はそ
の長さに対して比較的大きくなってしまい易く、また、
その機構上から中心部にただ1つの貫通孔のみしか成型
できず、さらに、コンクリート管を成型するための装置
は回転機構等を備えた大掛かりなものとなって構成が複
雑になる、という問題がある。また、抜き勾配を形成し
た内枠を用いる成型方法では、貫通孔自体にも勾配が成
型されてしまい、また、孔径に対して奥行きが長い貫通
孔を成型する際には抜き勾配により貫通孔の入り口と出
口付近においては孔径に大きな差が生じてしまう、とい
う問題がある。
【0005】また、内枠を2つ以上に分解する成型方法
では、内枠を組んだり分解するのに手数を要し、特にコ
ンクリートが固化した貫通孔の中で分解する際には内枠
に無理な力がかかり、内枠を損傷し易い、という問題が
ある。
【0006】さらに、中枠本体の径を縮小させる実公平
1−18326号公報に記載の構成では、中枠本体の径
を縮小させる構成が複雑でコストデメリットが大きく、
また、構成上型合せ部にコンクリートのトロカスが附着
し易く、中枠本体の開口部に型合わせする差し部材が中
枠本体内に引き込まれるため、コンクリートのトロカス
の除去に手数を要する、という問題がある。
【0007】また、前記各成型方法にて成型された各貫
通孔の内壁部は凹凸を有しない平滑面に成型されるた
め、その各貫通孔内に、たとえば、ケーブルを引き入れ
て貫通設置する際には、その貫通孔とケーブルとの接触
面積が広いことにより摩擦抵抗が大きく、ケーブルを引
き入れる過大な張力を必要とし、ケーブルの引き入れ操
作が容易でない、という問題がある。
【0008】また、前記各成型手段では、貫通孔は直線
状に成型するものであって、貫通孔を、コンクリート製
品に対してたとえば、略L字形状等に折れ曲った曲線状
に成型するようなことは極めて困難である、という問題
がある。
【0009】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、中空部内にケーブル等の挿通材の挿通時には中
空部の内壁面との接触面積が少ないことにより摩擦抵抗
が小さく、過大な引き入れ張力を必要とせず、引き入れ
操作が容易であり、したがって、作業性にすぐれたコン
クリート製品を提供することを目的とするものである。
【0010】また、本発明は、入り口と出口において孔
径に差のない中空部を簡単に成型することができ、孔成
型体を簡単に離型することができ、コンクリートのトロ
カスの除去が簡単であり、したがって、中空部を有する
コンクリート製品の成型が容易なコンクリート製品の成
型方法を提供することを目的とするものである。
【0011】さらに、本発明は、コンクリート製品の成
型方法の実施の形態に好ましく、その構成も簡単で、組
み込み操作及び離型操作が容易でコストメリットの高い
コンクリート製品の成型装置を提供することを目的とす
るものである。
【0012】また、本発明は、たとえば、略L字形状等
に折れ曲った曲線状の中空部を有するコンクリート製品
を簡単に成型することができ、その離型操作が容易なコ
ンクリート製品の成型装置を提供することを目的とする
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のコンクリ
ート製品は、コンクリート製品本体に形成した少なくと
も一端面を開口する中空部の内壁面を軸線方向に沿って
断面弧状凹凸面に形成したものである。そして、中空部
内にはケーブル等の挿通材を過大な引き入れ張力を要す
ることなくスムーズに引き入れられて容易に挿通され
る。
【0014】請求項2記載のコンクリート製品の成型方
法は、コンクリート製品本体に形成する少なくとも一端
面に開口した中空部を形成する中子芯材の外周部に膨脹
時に外周面が軸線方向に沿った断面弧状凹凸面を形成す
る可撓性の中空状中子体を嵌着し、この中空状中子体を
嵌着した中子芯材を保持し、前記中空状中子体を圧力流
体にて膨脹させた状態で前記中空状中子体の周囲にコン
クリートを打設養生してコンクリート製品を成型し、前
記圧力流体を吸引して前記中空状中子体を収縮させると
ともに、この中空状中子体及び前記中子芯材をコンクリ
ート製品から引き抜いて離型するものである。そして、
内壁面を軸線方向に沿って断面弧状凹凸面に形成した中
空部を有するコンクリート製品が簡単に成型される。
【0015】請求項3記載のコンクリート製品の成型方
法は、請求項2記載のコンクリート製品の成型方法にお
いて、中空状中子体は、一端部を密閉した膨縮可能なチ
ューブにて形成し、このチューブからなる中空状中子体
を中子芯材の外周部に螺旋状に巻回するものである。そ
して、螺旋状に巻回した中空状中子体を圧力流体にて膨
脹させた状態で中空状中子体の周囲にコンクリートを打
設養生することにより、その軸線方向に沿った螺旋状の
凹凸外周面にて内壁面を軸線方向に沿って断面弧状凹凸
面に形成した中空部を有するコンクリート製品が簡単に
成型される。
【0016】請求項4記載のコンクリート製品の成型方
法は、請求項3記載のコンクリート製品の成型方法にお
いて、螺旋状に巻回した中空状中子体は、その外周部を
可撓性シートにて被覆するものである。そして、可撓性
シートは螺旋状に巻回した中空状中子体の巻回ピッチの
間に位置する部分がコンクリートの打設圧によって中子
芯材に向かって断面弧状に撓んだ状態でコンクリートが
養生される。したがって、中空状中子体を螺旋状に巻回
した巻回ピッチに応じて内壁面を軸線方向に沿って断面
弧状凹凸面に形成した中空部を有するコンクリート製品
が簡単に成型される。
【0017】請求項5記載のコンクリート製品の成型装
置は、型枠と、この型枠に配設される孔成型体及び流体
給排手段とを具備し、前記孔成型体は、コンクリート製
品に形成する少なくとも一端面に開口した中空部を形成
する中子芯材と、この中子芯材に嵌着され膨脹時に外周
部が軸線方向に沿った断面弧状凹凸面に形成する可撓性
の中空状中子体とを備え、前記流体給排手段は、前記孔
成型体の可撓性の中空状中子体内に圧力流体を供給する
とともに、この圧力流体を吸引するものである。
【0018】そして、圧力流体の供給で膨脹した中空状
中子体の膨脹時には中空状中子体の外周部が軸線方向に
沿った断面弧状凹凸面に形成されて保持される。また、
圧力流体の吸引で中空状中子体が偏平状に収縮されるこ
とにより、この中空状中子体がコンクリート製品の成型
面から離型される。したがって、内壁面を軸線方向に沿
って断面弧状凹凸面に形成した中空部を有するコンクリ
ート製品が簡単に成型される。
【0019】請求項6記載のコンクリート製品の成型装
置は、請求項5記載のコンクリート製品の成型装置にお
いて、孔成型体の中空状中子体は、中子芯材の外周部に
沿って螺旋状に巻回される膨縮可能なチューブで形成し
たものである。そして、螺旋状に巻回した中空状中子体
の螺旋状の凹凸外周面により内壁面を軸線方向に沿って
断面弧状凹凸面に形成した中空部を有するコンクリート
製品が簡単に成型される。
【0020】請求項7記載のコンクリート製品の成型装
置は、請求項6記載のコンクリート製品の成型装置にお
いて、螺旋状に巻回した中空状中子体の外周部を被覆す
る可撓性シートを備えているものである。そして、所定
の巻回ピッチで螺旋状に巻回した中空状中子体の外周部
を可撓性シートにて被覆することにより、この可撓性シ
ートは螺旋状に巻回した中空状中子体の巻回ピッチの間
に位置する部分がコンクリートの打設圧によって中子芯
材に向かって断面弧状に撓んだ状態でコンクリートが養
生される。
【0021】請求項8記載のコンクリート製品の成型装
置は、請求項5乃至7のいずれかに記載のコンクリート
製品の成型装置において、中子芯材は、折り曲げ可能な
可撓体からなるものである。そして、可撓体からなる中
子芯材を所定の形状に折り曲げて型枠に配設することに
より、内壁面を軸線方向に沿って断面弧状凹凸面に形成
した直線状の中空部及び曲線状の中空部を有するコンク
リート製品が成型される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。
【0023】図1乃至図3に示す実施の形態において、
1は型枠で、この型枠1は架台に一体に設置された底板
(図示せず)を有し、前記架台の左右部には前記底板に
向かって進退可能に設けられた左右の側板2がそれぞれ
垂直状に配設されている。この左右の側板2は所定の高
さで前後方向に長い形状で形成されている。
【0024】また、前記架台の前後部には前記底板に向
かって進退可能に設けられた前後の妻板3がそれぞれ垂
直状に配設されている。この前後の妻板3は前記左右の
側板2の前端部間及び後端部間にそれぞれ挟持される形
状で前記左右の側板2と同じ高さで矩形状に形成されて
いる。また、前記前後の妻板3の中心部には後述するコ
ンクリート製品本体に形成する中空部としての貫通孔と
略同じ孔径の挿通孔4を有する円筒状の支持体5が相対
してそれぞれ外方に向かって一体に突設されている。
【0025】つぎに、6は前記型枠1に配設される孔成
型体で、この孔成型体6は、中子芯材7と、この中子芯
材7に嵌着される可撓性の中空状中子体8とを備えてい
る。前記中子芯材7は、コンクリート製品に形成する両
端面を開口した中空部としての貫通孔を形成するもの
で、前記前後の妻板3の挿通孔4内に挿通する長さを有
し、前記貫通孔の孔径の断面形状よりも一回り小さい直
径の断面形状に形成されている。すなわち、貫通孔の孔
径が円形の場合には中子芯材7の直径は前記円形の孔径
より一回り小さい円形の断面形状で形成されている。し
かして、前記中子芯材7は鋼材、合成樹脂、木材及びゴ
ム等並びにこれらを結合して形成されている。
【0026】また、前記中空状中子体8は、可撓性の材
料にて中空筒状に形成された変形可能な筒状部9を有
し、この筒状部9の一端部は前記中子芯材7を挿入する
挿入口10として開口されているとともに、筒状部9の他
端部には前記中子芯材7の挿入端部11に対向する対向側
板12として一体に形成されている。
【0027】また、前記筒状部9の外周部は軸線方向に
沿った断面弧状凹凸面13に形成されている。すなわち、
この筒状部9を前記中子芯材7に嵌着した状態では、前
記断面弧状凹凸面13は前記中子芯材7に向かって断面弧
状に凹んだ弧状凹部14及び中子芯材7から離間する方向
に向かって断面弧状に突出した弧状凸部15を有して軸線
方向に沿って螺旋状に形成されている。
【0028】そして、前記断面弧状凹凸面13の弧状凹部
14及び弧状凸部15は、筒状部9内に供給された圧力流体
にて膨脹され弧状凹部14及び弧状凸部15の形状に保持さ
れ、この圧力流体が筒状部9内から吸引されることによ
り弧状凹部14及び弧状凸部15が収縮されて前記中子芯材
7に沿った形状に変形するようになっている。
【0029】また、前記筒状部9の一端部にはこの筒状
部9内に連通したチューブ16が一体に形成されている。
そして、前記中空状中子体8の筒状部9を前記中子芯材
7に嵌着し、その筒状部9の一端部が前記中子芯材7の
一端外周部に環状の保持具17にて密閉した状態に保持さ
れている。そうして、前記中子芯材7の周囲には前記中
空状中子体8内に圧力流体の流体収容部18が形成されて
いる。
【0030】つぎに、19は前記中空状中子体8の流体収
容部18内に圧力流体を供給及び排出する流体給排手段
で、この流体給排手段19は、導管20を有し、この導管20
の中間部には前記チューブ16の接続端部を連通して接続
した接続管21が突設され、前記導管20の一端部には前記
チューブ16を介して前記中空状中子体8の流体収容部18
内に圧力流体を圧力供給する流体供給装置22が接続され
ている。
【0031】前記流体供給装置22は空気等の気体を前記
チューブ16を介して前記中空状中子体8の流体収容部18
内に圧力供給するコンプレッサや流体ガスを封入したボ
ンベ、水、油等の液体を前記チューブ16を介して前記中
空状中子体8の流体収容部18内に圧力供給するポンプ機
構からなっている。
【0032】また、前記流体供給装置22を接続した前記
導管20の途中部すなわち、前記接続管21を中心とした一
側部の途中部にはこの導管20内を開閉するバルブ体23が
介在され、このバルブ体23にて前記流体供給装置22から
の圧力流体の供給及び停止を制御するようになってい
る。
【0033】また、前記導管20の他端部には前記チュー
ブ16を介して前記中空状中子体8の流体収容部18内の圧
力流体を吸引して排出する流体排出装置24が接続されて
いる。この流体排出装置24は前記前記チューブ16を介し
て前記中空状中子体8の流体収容部18内の気体や液体を
吸引して排出するバキューム装置からなっている。
【0034】また、前記流体排出装置24を接続した前記
導管20の途中部すなわち、前記接続管21を中心とした他
側部の途中部にはこの導管20内を開閉するバルブ体25が
介在され、このバルブ体25にて前記流体排出装置24の圧
力流体の吸引及び停止を制御するようになっている。
【0035】つぎに、前記実施の形態の作用を説明す
る。
【0036】底板の前後部に前後の妻板3をそれぞれ配
設するとともに、前記底板の左右部に左右の側板2をそ
れぞれ配設し、前記左右の側板2の前端部間にて前側部
の妻板3を挟持するとともに、左右の側板2の後端部間
にて後側部の妻板3を挟持して型組みし、この左右の側
板2及び前後の妻板3をそれぞれ図示しない固着手段に
て着脱可能に固着する。そして、底板、左右の側板2及
び前後の妻板3にて上面部を開口した型枠1が構成され
る。
【0037】つぎに、中空状中子体8を嵌着した中子芯
材7を、その対向側板12を挿入端部として型枠1の一方
の妻板3の挿通孔4から他方の妻板3の挿通孔4に挿通
することにより、この前後の妻板3の挿通孔4にて中空
状中子体8を嵌着した中子芯材7の両端部が支持され
る。
【0038】この際、中空状中子体8の筒状部9は可撓
性を有するとともに、この筒状部9内の流体収容部18に
は圧力流体が供給されていないので、この中空状中子体
8を嵌着した中子芯材7は一方の妻板3の挿通孔4から
他方の妻板3の挿通孔4には容易に挿通される。
【0039】つぎに、流体排出装置24側の導管20に設け
たバルブ体25を閉操作して導管20を閉塞する一方、流体
供給装置22側の導管20に設けたバルブ体23を開操作して
導管20を開口する。また、この流体供給装置22を作動さ
せると、この流体供給装置22から導管20及びチューブ16
を経て中空状中子体8の流体収容部18内に加圧空気等の
圧力流体が供給され、この圧力流体にて筒状部9が膨脹
され、この筒状部9が硬く形状保持される。
【0040】そして、筒状部9の外周面が軸線方向に沿
って弧状凹部14及び弧状凸部15からなる断面弧状凹凸面
13に形成され、この断面弧状凹凸面13の形状が硬く保持
されるとともに、この筒状部9はコンクリートの打設圧
に十分に耐えられる状態に保持される。また、筒状部9
が膨脹されて硬く形状保持されると、この筒状部9の両
端部が前後の妻板3の挿通孔4内に液密状態に当接され
る。
【0041】また、型枠1内には左右方向及び前後方向
に所定の間隔をおいて必要本数の鉄筋を配設して固定す
る。そして、必要に応じて型枠1の前後の妻板3の挿通
孔4にて支持された中空状中子体8の周囲に配設された
鉄筋から突出された保持部材にて中空状中子体8を位置
決めする。
【0042】したがって、図2に示すように中空状中子
体8を嵌着した中子芯材7が型枠1内に保持され、この
中子芯材7の中空状中子体8の両端部が前後の妻板3の
挿通孔4内に液密に型合わせされる。
【0043】つぎに、前後の妻板3の間に配設支持され
た中空状中子体8の筒状部9を圧力流体にて膨脹保持さ
せた状態で型枠1内の中空状中子体8の筒状部9の周囲
にコンクリートを十分に打設し、このコンクリートが固
化するまでの所要時間養生してコンクリート製品本体A
及びこのコンクリート製品本体Aを貫通した中空部とし
ての両端面を開口した貫通孔Bを成型する。このコンク
リートの打設養生時には圧力流体にて中空状中子体8の
筒状部9が引き続き十分に膨脹保持されているので、こ
の中空状中子体8の筒状部9の外周面の断面弧状凹凸面
13にてコンクリートが養生成型される。
【0044】つぎに、コンクリート製品本体Aを取り出
すときは、流体供給装置22側の導管20に設けたバルブ体
23を閉操作して導管20を閉塞する一方、流体排出装置24
側の導管20に設けたバルブ体25を開操作して導管20を開
口する。そして、この流体排出装置24を作動させると、
この流体排出装置24にて中子芯材7に嵌着された中空状
中子体8の筒状部9内の空気等の圧力流体が吸引されて
排出され、この中空状中子体8の筒状部9が、図3に示
すように収縮され中子芯材7に沿って潰された状態に撓
んで小さく変形される。
【0045】そして、図3に示すように中空状中子体8
の筒状部9がコンクリート製品本体Aに成型された貫通
孔Bとの間及びこの筒状部9の両端部と前後の妻板3の
挿通孔4との間には引き抜き用の隙間26がそれぞれ形成
される。そうして、中空状中子体8の筒状部9を嵌着し
た中子芯材7を引き抜くとともに、コンクリート製品本
体Aに成型された貫通孔B及び前後の妻板3の挿通孔4
から離型される。
【0046】また、型枠1の左右の側板2をそれぞれコ
ンクリート製品本体Aから後退させて離型するととも
に、前後の妻板3をそれぞれコンクリート製品本体Aか
ら後退させて離型することにより、型枠1が脱型され
る。また、コンクリート製品本体Aをクレーン等にて吊
り上げて架台の底板上からコンクリート製品本体Aを取
り出すことにより、図4に示すように貫通孔Bを成型し
たコンクリート製品本体Aが得られる。
【0047】このようにして、コンクリート製品本体A
が得られるとともに、このコンクリート製品本体Aに成
型された貫通孔Bの内壁面Cは、図4及び図5に示すよ
うに中空状中子体8の筒状部9の外周面の断面弧状凹凸
面13にて軸線方向に沿って滑らかな断面弧状凹凸面Dに
成型される。すなわち、筒状部9の外周面の断面弧状凹
凸面13は軸線方向に沿って螺旋状の弧状凹部14及び弧状
凸部15からなるため、この弧状凹部14及び弧状凸部15に
て貫通孔Bの内壁面Cに成型された断面弧状凹凸面Dは
弧状凹部d1及び弧状凸部d2にて滑らかに断面略波形状に
成型される。
【0048】つぎに、このコンクリート製品本体Aをケ
ーブルを設置する埋設溝として用いる場合には、その貫
通孔B内にケーブルを引き入れるときには、ケーブルと
貫通孔Bの断面弧状凹凸面Dからなる滑らかな略波形状
の内壁面Cとの接触面積が小さく、摩擦抵抗が少なく、
ケーブルに過大な張力が加わることがなく、したがっ
て、コンクリート製品本体Aの貫通孔B内にはケーブル
が容易に引き入れられて設置される。
【0049】つぎに、図6乃至図8に示す実施の形態に
おいて、孔成型体6は、中子芯材27と、この中子芯材7
の外周部に沿って螺旋状に巻回された膨縮可能なチュー
ブ28で形成した中空状中子体29と、この螺旋状に巻回さ
れた中空状中子体29の外周部を被覆する筒状の可撓性シ
ート30を備えているものである。その他の実施の形態に
ついては、前記実施の形態の場合と同様であるから、そ
の共通の部分は前記実施の形態の説明に用いた符号を記
入して説明を省略する。
【0050】前記中子芯材27は前記実施の形態の場合と
同様である。また、前記中空状中子体29を形成するチュ
ーブ28は、伸縮可能なビニールやゴム等にて中空筒状に
形成され、前記中子芯材27に螺旋状に巻回された一端部
が気密状態に密閉されている。しかして、このチューブ
28は圧力流体が供給されることにより筒状に膨脹されて
中子芯材27の外周部に螺旋状に突出し、圧力流体が吸引
されることにより潰れて偏平状に変形されて中子芯材27
の外周部に螺旋状に沿うようになっている。
【0051】また、前記チューブ28を螺旋状に巻回した
中子芯材27の外周部を被覆する可撓性シート30は、合成
樹脂等のシート体にて可撓性を有する中空円筒状に形成
され、この中空円筒状の可撓性シート30は前後の妻板3
の挿通孔4内に挿通される外形を有して形成されてい
る。そして、この中空円筒状の可撓性シート30にてコン
クリート製品本体Aに中空部としての貫通孔Bを成型す
るようになっている。
【0052】つぎに、前記実施の形態の作用を説明す
る。
【0053】中子芯材27の外周部に沿って一端部を密閉
した膨縮可能なチューブ28を螺旋状に巻回する。この
際、コンクリート製品本体Aに成型する中空部としての
貫通孔Bがケーブル等を貫通して設置する埋設溝の場合
には、中子芯材27の外周部に対してチューブ28は所定の
間隔をおいた巻回ピッチで螺旋状に巻回する。
【0054】また、コンクリート製品本体Aに成型する
中空部としての貫通孔Bが水道管や下水道管等を貫通し
て設置する埋設溝の場合には、中子芯材27の外周部に対
してチューブ28は前記ケーブル等用の埋設溝の巻回ピッ
チよりは狭い間隔の巻回ピッチで螺旋状に巻回する。こ
の際、中子芯材27の外周部には、あらかじめチューブ28
を巻回する巻回ピッチで螺旋溝を形成しておくとよい。
また、チューブ28は必要に応じて中子芯材27の外周部と
の接触面を接着剤などにて接着したり、接着テープ等を
用いて位置固定するようにするとよい。
【0055】つぎに、流体供給装置22側の導管20に設け
たバルブ体23を閉操作して導管20を閉塞する一方、流体
排出装置24側の導管20に設けたバルブ体25を開操作して
導管20を開口する。そして、この流体排出装置24を作動
させると、この流体排出装置24にて中子芯材27に螺旋状
に巻回されたチューブ28内の空気等の圧力流体が吸引さ
れて排出され、このチューブ28が中子芯材27の外周部に
沿って収縮され潰された状態で偏平状に小さく変形され
る。
【0056】また、チューブ28を螺旋状に巻回した中子
芯材27の外周部を中空部としての貫通孔成型用の筒状の
可撓性シート30にて被覆する。この際、図7に示すよう
に中子芯材27の外周部に螺旋状に巻回されたチューブ28
は偏平状に小さく変形されているので、この螺旋状に巻
回されたチューブ28の外周部と筒状の可撓性シート30の
内周部との間には、このチューブ28が圧力流体にて膨脹
された際にチューブ28の外周部が可撓性シート30の内周
部に圧接する間隔の空隙31が形成される。
【0057】そして、可撓性シート30にて被覆されたチ
ューブ28を螺旋状に巻回した中子芯材27を、型枠1の一
方の妻板3の挿通孔4から他方の妻板3の挿通孔4に挿
通することにより、この前後の妻板3の挿通孔4にて孔
成型体6が支持される。この際、筒状の可撓性シート30
は前後の妻板3の挿通孔4内にあらかじめ挿通して支持
させておき、この筒状の可撓性シート30内にチューブ28
を偏平状に小さく変形した中子芯材27を挿入するように
してもよい。そして、孔成型体6の外周部を筒状の可撓
性シート30にて被覆した状態にするようにしてもよい。
【0058】つぎに、流体排出装置24側の導管20に設け
たバルブ体25を閉操作して導管20を閉塞する一方、流体
供給装置22側の導管20に設けたバルブ体23を開操作して
導管20を開口する。そして、この流体供給装置22を作動
させると、この流体供給装置22から導管20及び螺旋状の
チューブ28内に加圧空気等の圧力流体が供給され、この
圧力流体にて偏平状に小さく変形されているチューブ28
が膨脹されて硬く丸棒状に復元される。
【0059】また、螺旋状のチューブ28が丸棒状に膨脹
復元されると、図8に示すように螺旋状のチューブ28の
外周部が筒状の可撓性シート30に内周部に圧接し、この
チューブ28の外周部にて可撓性シート30に内周部が位置
決め支持されるとともに、この可撓性シート30の両端部
が前後の妻板3の挿通孔4内に液密に当接される。
【0060】この際、螺旋状のチューブ28は圧力流体に
て十分に硬く丸棒状に膨脹されるため、この螺旋状のチ
ューブ28にて可撓性シート30を支持することにより、こ
の可撓性シート30はコンクリートの打設圧に十分に耐え
られる状態に支持される。そして、可撓性シート30の内
周部と中子芯材27との間には脱型時にチューブ28を巻回
した中子芯材27を引き抜く脱型空隙32が確保される。
【0061】したがって、中子芯材27、この中子芯材27
に螺旋状に巻回して硬く丸棒状に膨脹されたチューブ28
及び筒状の可撓性シート30が一体的に組み合わされて孔
成型体6が構成されるとともに、この孔成型体6の可撓
性シート30の両端部が型枠1の前後の妻板3の挿通孔4
内に液密に型合わせされる。
【0062】つぎに、型枠1内には前記実施の形態の場
合と同様に左右方向及び前後方向に所定の間隔をおいて
必要本数の鉄筋を配設して固定し、型枠1の前後の妻板
3の挿通孔4にて支持された孔成型体6の可撓性シート
30の周囲に配設された鉄筋にて可撓性シート30が位置決
めされる。
【0063】つぎに、図8に示すように螺旋状に巻回し
たチューブ28を圧力流体にて硬く丸棒状に膨脹保持させ
た状態で型枠1内の可撓性シート30の周囲にコンクリー
トを十分に打設し、このコンクリートが固化するまでの
所要時間養生してコンクリート製品本体A及びこのコン
クリート製品本体Aを貫通した中空部としての両端面を
開口した貫通孔Bを成型する。
【0064】この際、コンクリートの打設養生時には螺
旋状のチューブ28は圧力流体によって引き続き十分に硬
く丸棒状に膨脹され続けられ、この螺旋状のチューブ28
にて可撓性シート30が支持されているので、この螺旋状
のチューブ28の巻回ピッチの外周部にて支持された可撓
性シート30の螺旋状の支持部30a はコンクリートの打設
圧に十分に耐えられるが、この螺旋状のチューブ28の巻
回ピッチ間に位置する可撓性シート30の非支持部はコン
クリートの打設圧によって中子芯材27に向かって僅かに
弾性変形して滑らかに膨出した螺旋状の弧状面30b に変
形される。
【0065】したがって、コンクリート製品本体Aに形
成する貫通孔Bの内壁面Cは可撓性シート30の螺旋状の
支持部30a と螺旋状の弧状面30b とにより断面弧状凹凸
面Dに養生成型される。
【0066】つぎに、コンクリート製品本体Aを取り出
すときは、流体供給装置22側の導管20に設けたバルブ体
23を閉操作して導管20を閉塞する一方、流体排出装置24
側の導管20に設けたバルブ体25を開操作して導管20を開
口する。そして、この流体排出装置24を作動させると、
この流体排出装置24にて中子芯材27に巻回されたチュー
ブ28内の空気等の圧力流体が吸引されて排出され、この
チューブ28が収縮され潰された状態に偏平状に小さく変
形され、この螺旋状に巻回したチューブ28による可撓性
シート30の支持が解除される。
【0067】また、小さく変形された螺旋状のチューブ
28を有する中子芯材27を引抜いて離型するとともに、可
撓性シート30をコンクリート製品本体Aに成型された貫
通孔B及び前後の妻板3の挿通孔4から引き抜いて離型
する。また、型枠1は前記実施の形態の場合と同様に脱
型することにより、貫通孔Bを成型したコンクリート製
品本体Aが得られる。
【0068】そして、コンクリート製品本体Aに成型さ
れた貫通孔Bの内壁面Cは、螺旋状のチューブ28の外周
部にて支持された可撓性シート30の螺旋状の支持部30a
及び螺旋状のチューブ28の外周部にて支持されない可撓
性シート30の螺旋状の弧状面30b にて軸線方向に沿って
滑らかな断面弧状凹凸面Dに成型される。
【0069】したがって、中子芯材27の外周部に対して
所定の広い間隔をおいた巻回ピッチで螺旋状に巻回した
チューブ28にて可撓性シート30を支持した場合には、こ
のチューブ28の巻回ピッチに応じてコンクリート製品本
体Aの貫通孔Bの内壁面Cは、軸線方向に沿って幅広い
ピッチで滑らかな断面弧状凹凸面Dに成型される。
【0070】そして、このコンクリート製品本体Aを、
たとえば、ケーブルを設置する埋設溝として用いる場合
には、この貫通孔B内にケーブルを引き入れるときに
は、ケーブルと貫通孔Bの内壁面Cとの接触面積が小さ
く、摩擦抵抗が少なく、ケーブルに過大な張力が加わる
ことがなく、コンクリート製品本体Aの貫通孔B内には
ケーブルが容易に引き入れられて設置される。
【0071】また、中子芯材27の外周部に対してケーブ
ルを貫通する埋設溝の巻回ピッチより狭い間隔の巻回ピ
ッチで螺旋状に巻回したチューブ28にて可撓性シート30
を支持した場合には、このチューブ28の巻回ピッチに応
じてコンクリート製品本体Aの貫通孔Bの内壁面Cは、
軸線方向に沿って幅狭いピッチで断面弧状凹凸面Dに成
型される。そして、互いに接触する状態で螺旋状に巻回
したチューブ28にて可撓性シート30を支持した際には、
軸線方向に沿って極めて小さいピッチで断面弧状凹凸面
Dに成型され、この断面弧状凹凸面Dは全体的には略ス
トレートに近い状態で成型される。
【0072】つぎに、前記図6乃至図8に示す実施の形
態においては、孔成型体6は中子芯材27の外周部に所定
の巻回ピッチで螺旋状に巻回したチューブ28からなる中
空状中子体29の外周部を筒状の可撓性シート30にて被覆
して構成する場合について説明したが、この孔成型体6
は、筒状の可撓性シート30を用いずに、中子芯材27及び
この中子芯材27の外周部に螺旋状に巻回する膨縮可能な
チューブ28からなる中空状中子体29にて構成するように
してもよい。
【0073】この場合には、中子芯材27の外周部にはチ
ューブ28からなる中空状中子体29を、この中空状中子体
29が圧力流体によって硬く丸棒状に膨脹された際に互い
に緊密に接触する状態となる位置で螺旋状に巻回し、こ
の螺旋状に巻回された中空状中子体29の膨脹時には外周
面が軸線方向に沿った断面弧状凹凸面を形成するように
してもよい。
【0074】そして、中子芯材27の外周部に螺旋状に巻
回したチューブ28からなる中空状中子体29内に前記実施
の形態の場合と同様に圧力流体を供給して、この圧力流
体にてチューブ28からなる中空状中子体29を硬く丸棒状
に膨脹させることにより、この中空状中子体29は中子芯
材27の外周部に沿って互いに側面部が緊密に接触した液
密状態に接合されるとともに、この螺旋状の中空状中子
体29の外周面が軸線方向に沿った断面弧状凹凸面に形成
される。
【0075】そうして、前記実施の形態の場合と同様に
型枠1内に孔成型体6を配設するとともに、この孔成型
体6の螺旋状の中空状中子体29の周囲にコンクリートを
打設養生してコンクリート製品本体Aを成型することに
より、このコンクリート製品本体Aに形成された中空部
としての貫通孔Bの内壁面Cは、螺旋状の中空状中子体
29の外周面に形成された断面弧状凹凸面にて軸線方向に
沿った断面弧状凹凸面Dに成型される。
【0076】つぎに、前記各実施の形態では、孔成型体
6の両端部を型枠1の前後の妻板3の挿通孔4内に挿入
して支持させ、この孔成型体6にてコンクリート製品本
体Aには両端部を開口した貫通孔Bを形成する場合につ
いて説明したが、これに限らず、この孔成型体6用いて
コンクリート製品本体Aには一端部のみを開口した貫通
しない中空部Bを形成するようにしてもよい。
【0077】この場合には、前記各実施の形態の孔成型
体6の一部を、型枠1の一方の妻板3の挿通孔4から型
枠1内に突出させ、この型枠1内に突出した孔成型体6
の突出部を前記各実施の形態の場合同様に型枠1内に配
設固定した複数の鉄筋にて支持させる。
【0078】また、一方の妻板3の挿通孔4及び複数の
鉄筋にて孔成型体6を支持させ、この孔成型体6の中空
状中子体8,29を圧力流体にて膨脹させた状態で、この
型枠1内に突設した孔成型体6の中空状中子体8,29の
周囲にコンクリートを打設して所要時間養生することに
より、図9に示すようにコンクリート製品本体A及びこ
のコンクリート製品本体Aに一端面のみを開口した貫通
しない中空部Bが形成される。そして、コンクリート製
品本体Aの貫通しない中空部Bの内壁面Cは、軸線方向
に沿って断面弧状凹凸面Dに形成される。
【0079】なお、コンクリート製品本体Aに一端面の
みを開口した貫通しない中空部Bを形成する場合には、
型枠1の一方の妻板3などの側板の挿通孔に挿通するこ
となく、コンクリートの打設部に孔成型体6の一部を直
接挿入し、前記実施の形態の場合と同様にコンクリート
製品本体Aに一端部を開口した貫通しない中空部Bの内
壁面Cを軸線方向に沿って断面弧状凹凸面Dに形成する
ようにしてもよい。
【0080】そして、コンクリート製品本体Aにはアン
カーボルトや配筋等を埋め戻すための貫通しない中空部
Bが形成され、この中空部B内にコンクリートを介して
アンカーボルトや配筋等を装着することにより、その内
壁面Cの断面弧状凹凸面Dに食い込んで固化したコンク
リートにてアンカーボルトや配筋等が確実に抜け止めさ
れる。
【0081】つぎに、前記実施の各形態では、コンクリ
ート製品本体Aには内壁面Cを断面弧状凹凸面Dに形成
した中空部としての貫通孔Bを成型する場合について説
明したが、これに限らず、たとえば、図10に示すよう
に、コンクリート製品本体Aには内壁面Cを断面弧状凹
凸面Dに形成した複数の両端面を開口した貫通孔Bを成
型するようにしてもよい。
【0082】この場合には、型枠1に所定の間隔をおい
て複数の孔成型体6をそれぞれセットする。そして、前
記実施の各形態の場合と同様に型枠1内にコンクリート
を打設して所要時間養生することにより、コンクリート
製品本体Aには内壁面Cを断面弧状凹凸面Dに形成した
複数の貫通孔Bが同時に成型される。
【0083】また、コンクリート製品本体Aに断面弧状
凹凸面Dの内壁面Cを有する複数の貫通孔Bを成型する
場合において、前記実施の各形態の場合と同様に各中子
芯材7,27は断面円形の丸棒状のものを用いてもよい
が、この丸棒状の中子芯材7,27及び図10に示すよう
に、偏平状に形成された偏平中子芯材33を用い、この偏
平中子芯材33にチューブ28を螺旋状に巻回するととも
に、この螺旋状に巻回したチューブ28の外周部を可撓性
シート30にて被覆して孔成型体6を構成するようにして
もよい。
【0084】そして、この偏平中子芯材33を有する孔成
型体6を前記実施の各形態の場合と同様に型枠1にセッ
トしてコンクリートを打設して所要時間養生することに
より、コンクリート製品本体Aには断面弧状凹凸面Dの
内壁面Cを有する複数の丸孔状の及び断面弧状凹凸面D
の内壁面Cを有する中空部としての偏平状の貫通孔Eが
それぞれ同時に成型される。
【0085】したがって、丸棒状の中子芯材7,27及び
偏平中子芯材33等の各種形状に形成した中子芯材7,2
7,33を用いて前記各孔成型体6を構成することによ
り、コンクリート製品本体Aに成型される各種形状の貫
通孔B,Eの内壁面Cは軸線方向に沿って断面弧状凹凸
面Dに成型される。
【0086】つぎに、前記実施の各形態では、コンクリ
ート製品本体Aに直線状の貫通孔B,Eを成型する場合
について説明したが、これらに限らず、コンクリート製
品本体Aには内壁面Cを軸線方向に沿って断面弧状凹凸
面Dに形成した貫通孔B,Eを曲線状に成型してもよ
く、たとえば、図11に示すように、コンクリート製品
本体Aには内壁面Cを軸線方向に沿って断面弧状凹凸面
Dに形成した略L字形状に折れ曲がったL字状の中空部
としての貫通孔Fを成型することもできる。
【0087】この場合には、折り曲げ可能な可撓性中子
芯材34を用いる。この可撓性中子芯材34としては、たと
えば、十分に折り曲げ可能なフレキシブルチューブやゴ
ム製等の可撓体としての可撓管35を用いるとよい。そし
て、可撓管35を略L字形状に折れ曲げ、この可撓管35の
外周部に沿って前記実施の各形態の場合と同様に中空状
中子体8,29を配設して孔成型体6を構成し、この孔成
型体6の中空状中子体8,29の周囲または中空状中子体
29を被覆した可撓性シート30の周囲にコンクリートを打
設養生することにより、コンクリート製品本体A及びコ
ンクリート製品本体Aには内壁面Cを軸線方向に沿って
断面弧状凹凸面Dに形成した略L字形状の中空部として
の貫通孔Fが成型される。
【0088】したがって、前記実施の各形態において必
要に応じて直線状の中子芯材7,27及び偏平中子芯材33
並びに折り曲げ可能な可撓管35等からなる可撓性中子芯
材34を選択して用いることにより、コンクリート製品本
体Aには内壁面Cを軸線方向に沿って断面弧状凹凸面D
に形成した直線状の貫通孔B,E及び内壁面Cを軸線方
向に沿って断面弧状凹凸面Dに形成した略L字形状等に
折り曲げた曲線状の貫通孔Fが成型される。
【0089】そして、コンクリート製品本体Aに成型す
る貫通孔B,E,Fとしては、前記埋設溝等の外、たと
えば、L型擁壁の水抜き孔、マンホールや防火水槽、ボ
ックスカルバート、雨水枡等の分岐孔及びコンクリート
製品のジョイント孔等の各種製品に成型することができ
る。
【0090】つぎに、前記実施の各形態において、直線
状の中子芯材7,27及び偏平中子芯材33並びに折り曲げ
可能な可撓性中子芯材34の外周部には1本のチューブ28
を螺旋状に巻回する場合について説明したが、これに限
らず、たとえば、直線状の芯材7,27及び偏平中子芯材
33並びに折り曲げ可能な可撓性中子芯材34の外周部に
は、たとえば、その中子芯材7,27及び偏平中子芯材33
並びに可撓性中子芯材34の長さに応じて所定の間隔をお
いてそれぞれ独立した多数の膨縮可能な独立した環状チ
ューブをそれぞれ嵌合して配設支持させ、この各環状チ
ューブにはこの各環状チューブに共通の1本の膨縮可能
な連通チューブを連通して接続して孔成型体6を構成す
るようにしてもよい。そして、前記連通チューブの引出
端部には前記流体給排手段19を連通接続する。その他の
構成及びコンクリート製品の成型方法は前記実施の各形
態の場合と同様にする。
【0091】このようにして構成された孔成型体6を用
いて成型されたコンクリート製品本体Aにはそれぞれ独
立した環状凹部及び環状凸部がその長さ方向に順次繰り
返して連続形成され、したがって、コンクリート製品本
体Aには内壁面Cを軸線方向に沿って断面弧状凹凸面D
に形成した直線状の貫通孔B,E及び略L字形状の貫通
孔Fが成型される。
【0092】つぎに、前記実施の各形態では、型枠1に
孔成型体6を配設して貫通孔B,E,F及び貫通しない
中空部Bを有するコンクリート製品本体Aを成型する場
合について説明したが、これに限らず、孔成型体6は型
枠1を用いることなくコンクリートの現場打ち等に直接
適用することができる。
【0093】そして、コンクリートを現場打ちした、た
とえば、建造物の基礎等の所定の位置には貫通孔B,
E,F及び貫通しない中空部Bが簡単に成型される。そ
うして、貫通孔B,E,Fは通信線、電力線等のケーブ
ル及び上下水道管やガス管等を挿通する案内孔として用
いることができる。しかして、本明細書においてコンク
リート製品本体Aとは電線共同溝等の埋設溝のように、
たとえば数メートル等所定の大きさで可搬可能なブロッ
ク状の製品のみならず建造物の基礎等の部分を含むもの
とする。
【0094】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、コンクリート
製品本体に形成した中空部の内壁面を軸線方向に沿って
断面弧状凹凸面に形成したので、この中空部にケーブル
等を挿通する際には中空部の内壁面との接触面積が少な
いことにより摩擦抵抗が小さく、過大な引き入れ張力を
必要せず、引き入れ操作が容易であり、また、中空部に
アンカーボルトや配筋等を装着した際には確実に抜け止
め支持することができ、したがって、たとえば、電線共
同溝等の埋設溝として好ましいコンクリート製品を提供
することができる。
【0095】請求項2の発明によれば、中子芯材の外周
部に膨脹時に外周面が軸線方向に沿って断面弧状凹凸を
形成する可撓性の中空状中子体を嵌着し、この中空状中
子体内に圧力流体を供給して中空状中子体を膨脹させる
とともに、この中空状中子体の周囲にコンクリートを打
設養生することにより、中空状中子体の外周面の断面弧
状凹凸にて入り口と出口等一端部と他端部あるいは一端
部と内端部において孔径に差のない中空部を簡単に成型
することができる。
【0096】また、中空状中子体内の圧力流体を吸引し
て中空状中子体を収縮することにより孔成型体を簡単に
離型することができ、さらに、中空状中子体内に圧力流
体を供給及び吸引し中空状中子体を簡単に膨縮して型合
わせ及び離型できるため、中空部を成型する成型工数を
大幅に軽減することができる。
【0097】また、中空状中子体を引き抜いて離型する
ことにより中空状中子体が簡単に露出され、コンクリー
トのトロカスを簡単に除去することができる。したがっ
て、内壁面を軸線方向に沿って断面弧状凹凸面とした中
空部を形成するコンクリート製品の生産性を向上するこ
とができる。
【0098】請求項3の発明によれば、膨縮可能なチュ
ーブからなる中空状中子体を中子芯材の外周部に螺旋状
に巻回することにより、コンクリート製品本体の中空部
の内壁面を軸線方向に沿って断面弧状凹凸面を螺旋状に
簡単に形成することができ、この中空状中子体を中子芯
材の外周部に螺旋状に巻回しても、圧力流体の供給及び
吸引により、簡単に型合わせ及び離型することができ
る。
【0099】請求項4の発明によれば、螺旋状に巻回し
た中空状中子体の外周部を可撓性シートにて被覆するこ
とにより、中空状中子体を螺旋状に巻回する巻回ピッチ
によって可撓性シートが撓んで成型することができ、中
空部の内壁面を軸線方向に沿って滑らかな断面弧状凹凸
面に形成することができる。
【0100】請求項5の発明によれば、コンクリート製
品の成型方法の実施の形態に好ましく、その構成も簡単
で、組み込み操作及び離型操作が容易でコストメリット
が高く、また、コンクリート製品に同形または異形の複
数の中空部を簡単に成型することができ、ケーブル等の
各種の挿通材を挿通して設置する共同溝等を成型するの
に適したコンクリート製品の成型装置を提供することが
できる。
【0101】請求項6の発明によれば、孔成型体の中空
状中子体は膨縮可能なチューブにて形成したことによ
り、このチューブを中子芯材の外周部に沿って螺旋状に
巻回して孔成型体を簡単に構成することができ、このチ
ューブは膨縮可能なため型合わせ及び離型が容易であ
る。
【0102】請求項7の発明によれば、中空状中子体を
螺旋状に巻回する巻回ピッチを可変しても可撓性シート
にて中空状中子体の外周部を全長に亘って確実に被覆す
ることができ、この可撓性シートにてコンクリートが中
子芯材に付着することを確実に防止でき、中空状中子体
の巻回ピッチに応じて中空部の内壁面を軸線方向に沿っ
て滑らかな断面弧状凹凸面に形成することができる。
【0103】請求項8の発明によれば、中子芯材は折り
曲げ可能な可撓体からなるため、この可撓体にてコンク
リート製品に直線状の中空部を成型できることはもとよ
り、たとえば、略L字形状等に折れ曲った曲線状の中空
部を簡単に成型することができ、その離型操作も容易で
あり、したがって、汎用性を有し全体的にコストメリッ
トが高いコンクリート製品の成型装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート製品の一部を省略した斜視図であ
る。
【図2】同上一部の拡大断面図である。
【図3】本発明の実施の一形態を示すコンクリート製品
の成型装置の斜視図である。
【図4】同上孔成型体の中空状中子体を膨脹した成型状
態を示す拡大断面図である。
【図5】同上孔成型体の中空状中子体を収縮した離型状
態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の他の形態を示すコンクリート製
品の成型装置の斜視図である。
【図7】同上孔成型体のチューブの収縮状態を示す拡大
断面図である。
【図8】同上孔成型体のチューブを膨脹した成型状態を
示す拡大断面図である。
【図9】他の実施の形態で成型したコンクリート製品の
一部を省略した斜視図である。
【図10】他の実施の形態で成型したコンクリート製品
の一部を省略した斜視図である。
【図11】他の実施の形態で成型したコンクリート製品
の一部を省略した斜視図である。
【符号の説明】
1 型枠 6 孔成型体 7 中子芯材 8 中空状中子体 19 流体給排手段 27 中子芯材 28 チューブ 29 中空状中子体 30 可撓性シート 33 偏平中子芯材 34 可撓性中子芯材 35 可撓管 A コンクリート製品本体 B,E,F 中空部 C 内壁面 D 断面弧状凹凸面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート製品本体に形成した少なく
    とも一端面に開口する中空部の内壁面を軸線方向に沿っ
    て断面弧状凹凸面に形成したことを特徴とするコンクリ
    ート製品。
  2. 【請求項2】 コンクリート製品本体に形成する少なく
    とも一端面に開口した中空部を形成する中子芯材の外周
    部に膨脹時に外周面が軸線方向に沿った断面弧状凹凸面
    を形成する可撓性の中空状中子体を嵌着し、この中空状
    中子体を嵌着した中子芯材を保持し、前記中空状中子体
    を圧力流体にて膨脹させた状態で前記中空状中子体の周
    囲にコンクリートを打設養生してコンクリート製品を成
    型し、前記圧力流体を吸引して前記中空状中子体を収縮
    させるとともに、この中空状中子体及び前記中子芯材を
    コンクリート製品から引き抜いて離型することを特徴と
    するコンクリート製品の成型方法。
  3. 【請求項3】 中空状中子体は、一端部を密閉した膨縮
    可能なチューブにて形成し、このチューブからなる中空
    状中子体を中子芯材の外周部に螺旋状に巻回することを
    特徴とする請求項2記載のコンクリート製品の成型方
    法。
  4. 【請求項4】 螺旋状に巻回した中空状中子体は、その
    外周部を可撓性シートにて被覆することを特徴とする請
    求項3記載のコンクリート製品の成型方法。
  5. 【請求項5】 型枠と、この型枠に配設される孔成型体
    及び流体給排手段とを具備し、 前記孔成型体は、コンクリート製品に形成する少なくと
    も一端面に開口した中空部を形成する中子芯材と、この
    中子芯材に嵌着され膨脹時に外周部が軸線方向に沿った
    断面弧状凹凸面に形成する可撓性の中空状中子体とを備
    え、 前記流体給排手段は、前記孔成型体の可撓性の中空状中
    子体内に圧力流体を供給するとともに、この圧力流体を
    吸引することを特徴とするコンクリート製品の成型装
    置。
  6. 【請求項6】 孔成型体の中空状中子体は、中子芯材の
    外周部に沿って螺旋状に巻回される膨縮可能なチューブ
    で形成したことを特徴とする請求項5記載のコンクリー
    ト製品の成型装置。
  7. 【請求項7】 螺旋状に巻回した中空状中子体の外周部
    を被覆する可撓性シートを備えていることを特徴とする
    請求項6記載のコンクリート製品の成型装置。
  8. 【請求項8】 中子芯材は、折り曲げ可能な可撓体から
    なる、ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記
    載のコンクリート製品の成型装置。
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