JP2000126076A - 樹脂製便蓋 - Google Patents
樹脂製便蓋Info
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- JP2000126076A JP2000126076A JP30832398A JP30832398A JP2000126076A JP 2000126076 A JP2000126076 A JP 2000126076A JP 30832398 A JP30832398 A JP 30832398A JP 30832398 A JP30832398 A JP 30832398A JP 2000126076 A JP2000126076 A JP 2000126076A
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- resin
- toilet lid
- toilet
- lid
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- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
- Toilet Supplies (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】軽量、外観、意匠性にすぐれるとともに、たと
えば、腰掛け、一時的な物置などの荷重にも十分耐える
ことができる強度を有し、着色、抗菌処方も容易で、生
産性にもすぐれた樹脂製便蓋の提供。 【解決手段】閉蓋時の便座に当接すべき部分が面状に形
成され、該当接部内端から中央側に向かう立ち上がり部
を含む内面板を有し、中空構造とされた樹脂製便蓋。ま
た、中空構造の中空部分が発泡体とされ、中空構造はブ
ロー成形により形成することができる。
えば、腰掛け、一時的な物置などの荷重にも十分耐える
ことができる強度を有し、着色、抗菌処方も容易で、生
産性にもすぐれた樹脂製便蓋の提供。 【解決手段】閉蓋時の便座に当接すべき部分が面状に形
成され、該当接部内端から中央側に向かう立ち上がり部
を含む内面板を有し、中空構造とされた樹脂製便蓋。ま
た、中空構造の中空部分が発泡体とされ、中空構造はブ
ロー成形により形成することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便器の便蓋に関
し、詳しくは意匠性、軽量性などにすぐれ、特に強度に
すぐれた樹脂製便座に関する。
し、詳しくは意匠性、軽量性などにすぐれ、特に強度に
すぐれた樹脂製便座に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水洗便器には、便器本体の上に倒
置式の便座が設けられ、便座上をカバーする便蓋が開閉
可能に設置されている。この便蓋は、生産性、意匠性、
軽量性、耐腐食性、着色性、製品設計の自由度などから
ABS樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂で製造され
ている。この熱可塑性樹脂製便蓋は、一般便器、温水洗
浄付き便器などにより、その形状は異なるが、湾曲形状
あるいは外周立ち上がり部を有する蓋状である。またそ
の肉厚は、軽量化、蓋をするための機能の点から薄肉の
ものである。また、この便蓋は、便蓋本体に固着された
ゴムなどの弾性、軟質材料から形成された複数の凸部に
より、閉蓋時便座に接触するように構成されている。
置式の便座が設けられ、便座上をカバーする便蓋が開閉
可能に設置されている。この便蓋は、生産性、意匠性、
軽量性、耐腐食性、着色性、製品設計の自由度などから
ABS樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂で製造され
ている。この熱可塑性樹脂製便蓋は、一般便器、温水洗
浄付き便器などにより、その形状は異なるが、湾曲形状
あるいは外周立ち上がり部を有する蓋状である。またそ
の肉厚は、軽量化、蓋をするための機能の点から薄肉の
ものである。また、この便蓋は、便蓋本体に固着された
ゴムなどの弾性、軟質材料から形成された複数の凸部に
より、閉蓋時便座に接触するように構成されている。
【0003】これらの便蓋は、従来、単なる蓋をすると
言う機能を満足する部品として設計されて来ている。し
たがって、その製品説明上も便蓋の上に乗ったり、重い
ものを乗せないようにとの注意書きがなされている。し
かしながら、住宅、ホテルなどの様式の変化などによ
り、便所が独立した個室形式から、近時、バス、トイレ
ット、洗面所が一体複合したユニット形式が出現してき
ている。この場合、便器不使用時に、便蓋の上に人が腰
掛けたり、一時的に物を置いたりするなどこれまででは
考えられないような事態が生じ、便蓋が破損する恐れが
ある。また、一方近時の高齢化社会の到来により、老
人、介護を必要とする人のためにポータブルトイレの需
要が増加してきている。この場合老齢者、要介護者の場
合誤って便蓋に腰掛けるなどする可能性が高く、もし樹
脂製の便蓋が破損すると怪我の発生の恐れがあるなど重
大な問題となる。
言う機能を満足する部品として設計されて来ている。し
たがって、その製品説明上も便蓋の上に乗ったり、重い
ものを乗せないようにとの注意書きがなされている。し
かしながら、住宅、ホテルなどの様式の変化などによ
り、便所が独立した個室形式から、近時、バス、トイレ
ット、洗面所が一体複合したユニット形式が出現してき
ている。この場合、便器不使用時に、便蓋の上に人が腰
掛けたり、一時的に物を置いたりするなどこれまででは
考えられないような事態が生じ、便蓋が破損する恐れが
ある。また、一方近時の高齢化社会の到来により、老
人、介護を必要とする人のためにポータブルトイレの需
要が増加してきている。この場合老齢者、要介護者の場
合誤って便蓋に腰掛けるなどする可能性が高く、もし樹
脂製の便蓋が破損すると怪我の発生の恐れがあるなど重
大な問題となる。
【0004】これらの場合にあっては、開放的な部屋に
あることから、便蓋が従来の単なる蓋をすると言う基本
的な機能だけでなく、すぐれた意匠性に加えて、強度と
言う本質的な性能が新たに必要となってくる。これらの
問題点を改良するために、従来の熱可塑性樹脂の射出成
形法を採用することが考えられる。まず、強度、特に曲
げ強度を強くするための方法として、(1)便蓋の肉厚
を厚くする方法がある。しかし、肉厚を厚くすると重量
が重くなり、樹脂原料を多く必要とし、省資源に逆行す
るとともに、蓋の開閉に大きな力を必要とし、子供の使
用には向かず現実的ではない。(2)便蓋の裏面に補強
用のリブを設ける方法がある。しかし、射出成形ではリ
ブ部が厚肉部となり、リブ部の冷却が遅れることから、
便蓋表面にヒケが発生し外観不良となり商品価値のない
ものとなる。(3)便蓋が便座の内側端に当接するよう
な形状に製品設計することで、支持間の距離を狭くする
方法が考えられる。しかし、この方法では蓋としての意
匠性に乏しく、設計の自由度も大きく制限され、強度を
満足させるためには、重量が重くなることには変わりが
ない。また、射出成形方法では、樹脂の選択として、成
形上単層の樹脂に実質制約されるため、樹脂の組み合わ
せによる、最適設計が困難であるなどの問題点がある。
あることから、便蓋が従来の単なる蓋をすると言う基本
的な機能だけでなく、すぐれた意匠性に加えて、強度と
言う本質的な性能が新たに必要となってくる。これらの
問題点を改良するために、従来の熱可塑性樹脂の射出成
形法を採用することが考えられる。まず、強度、特に曲
げ強度を強くするための方法として、(1)便蓋の肉厚
を厚くする方法がある。しかし、肉厚を厚くすると重量
が重くなり、樹脂原料を多く必要とし、省資源に逆行す
るとともに、蓋の開閉に大きな力を必要とし、子供の使
用には向かず現実的ではない。(2)便蓋の裏面に補強
用のリブを設ける方法がある。しかし、射出成形ではリ
ブ部が厚肉部となり、リブ部の冷却が遅れることから、
便蓋表面にヒケが発生し外観不良となり商品価値のない
ものとなる。(3)便蓋が便座の内側端に当接するよう
な形状に製品設計することで、支持間の距離を狭くする
方法が考えられる。しかし、この方法では蓋としての意
匠性に乏しく、設計の自由度も大きく制限され、強度を
満足させるためには、重量が重くなることには変わりが
ない。また、射出成形方法では、樹脂の選択として、成
形上単層の樹脂に実質制約されるため、樹脂の組み合わ
せによる、最適設計が困難であるなどの問題点がある。
【0005】これらの理由から、射出成形に変えて他の
成形方法、たとえば、単層、または多層のシート材料を
用いる熱成形方法が考えられる。しかし、熱成形方法で
は、熱成形時のシート延伸により便座の外周部が薄肉化
するなど意匠性、強度を満足するものを得ることは困難
である。また、ブロー成形方法で便座や便蓋を成形する
ことの一般的記載は知られている。たとえば、特開平1
0−57271号公報には、植物構成体の微粉体及び好
気性発酵菌を収容するポータブルトレイにおいて、便座
は、ブロー成形により形成された被覆と被覆内に充填さ
れた発泡体とを具備したポータブルトイレが開示されて
いる。また、便蓋についても同様にすることが記載され
ているが、便蓋には特別な荷重が加わらないことが記載
されており、強度向上の問題意識は見られず、フラット
な板状を開示するのみで、他の具体的な形状、構造につ
いては何ら示唆もない。したがって、上記問題点を解消
した軽量で、強度を満足する便蓋は未だ実用化されてい
ないのが実状である。
成形方法、たとえば、単層、または多層のシート材料を
用いる熱成形方法が考えられる。しかし、熱成形方法で
は、熱成形時のシート延伸により便座の外周部が薄肉化
するなど意匠性、強度を満足するものを得ることは困難
である。また、ブロー成形方法で便座や便蓋を成形する
ことの一般的記載は知られている。たとえば、特開平1
0−57271号公報には、植物構成体の微粉体及び好
気性発酵菌を収容するポータブルトレイにおいて、便座
は、ブロー成形により形成された被覆と被覆内に充填さ
れた発泡体とを具備したポータブルトイレが開示されて
いる。また、便蓋についても同様にすることが記載され
ているが、便蓋には特別な荷重が加わらないことが記載
されており、強度向上の問題意識は見られず、フラット
な板状を開示するのみで、他の具体的な形状、構造につ
いては何ら示唆もない。したがって、上記問題点を解消
した軽量で、強度を満足する便蓋は未だ実用化されてい
ないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下において、軽量、外観、意匠性にもすぐれるとと
もに、たとえば、腰掛け、一時的な物置などの荷重にも
十分耐えることができる強度を有し、着色、抗菌処方な
ども容易で、生産性にもすぐれた樹脂製便蓋を提供する
ことを目的とするものである。
状況下において、軽量、外観、意匠性にもすぐれるとと
もに、たとえば、腰掛け、一時的な物置などの荷重にも
十分耐えることができる強度を有し、着色、抗菌処方な
ども容易で、生産性にもすぐれた樹脂製便蓋を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、樹脂製便
蓋の機能の内、軽量性、意匠性を維持して新たな要求性
能である強度を満足する樹脂製便蓋とその製造方法につ
いて鋭意研究を重ねた結果、樹脂製便蓋を特定の形状に
製品設計することにより前記問題点が解決できることを
見いだした。本発明は、かかる知見に基づいて完成した
ものである。
蓋の機能の内、軽量性、意匠性を維持して新たな要求性
能である強度を満足する樹脂製便蓋とその製造方法につ
いて鋭意研究を重ねた結果、樹脂製便蓋を特定の形状に
製品設計することにより前記問題点が解決できることを
見いだした。本発明は、かかる知見に基づいて完成した
ものである。
【0008】すなわち、本発明は、 (1)閉蓋時の便座に当接すべき部分が面状に形成さ
れ、該当接部内端から中央側に向かう立ち上がり部を含
む内面板を有し、中空構造とされた樹脂製便蓋。 (2)中空構造の中空部分が発泡体である上記(1)記
載の樹脂製便蓋。 (3)ブロー成形により形成されたものである上記
(1)または(2)記載の樹脂製便蓋。 (4)多層ブロー成形により形成されたものである上記
(3)記載の樹脂製便蓋。 (5)立ち上がり部を含む内面板が台形ないしアーチ状
に形成され表面板との最小間隔が20mm以下である上
記(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂製便蓋。 (6)内面板が凹凸形状部を有する上記(1)〜(5)
のいずれかに記載の樹脂製便蓋。 (7)閉蓋時の便座に当接すべき部分の面状部に、弾性
材料からなる便座当接部が凸設されている上記(1)〜
(6)のいずれかに記載の樹脂製便蓋を提供するもので
ある。
れ、該当接部内端から中央側に向かう立ち上がり部を含
む内面板を有し、中空構造とされた樹脂製便蓋。 (2)中空構造の中空部分が発泡体である上記(1)記
載の樹脂製便蓋。 (3)ブロー成形により形成されたものである上記
(1)または(2)記載の樹脂製便蓋。 (4)多層ブロー成形により形成されたものである上記
(3)記載の樹脂製便蓋。 (5)立ち上がり部を含む内面板が台形ないしアーチ状
に形成され表面板との最小間隔が20mm以下である上
記(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂製便蓋。 (6)内面板が凹凸形状部を有する上記(1)〜(5)
のいずれかに記載の樹脂製便蓋。 (7)閉蓋時の便座に当接すべき部分の面状部に、弾性
材料からなる便座当接部が凸設されている上記(1)〜
(6)のいずれかに記載の樹脂製便蓋を提供するもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の樹脂製便蓋につい
て詳細に説明する。本発明の樹脂製便蓋は、据え付け一
般タイプ、据え付け温水洗浄タイプ、ポータブルタイプ
などに用いられるものであり、便器本体上に倒置可能に
設けられた便座に対して、通常便座に開閉自在に軸支さ
れて不使用時に閉蓋するためのものである。図1は温水
洗浄タイプに用いた一例を示すものである。図1におい
て、1は便器本体、2は便座、3は洗浄ノズル、4は取
り付け軸支部、5は操作部、6は樹脂製便蓋である。図
2は、図1の切断線X−Xによる断面図であり、当接す
べき便座を点線で同時に示す。
て詳細に説明する。本発明の樹脂製便蓋は、据え付け一
般タイプ、据え付け温水洗浄タイプ、ポータブルタイプ
などに用いられるものであり、便器本体上に倒置可能に
設けられた便座に対して、通常便座に開閉自在に軸支さ
れて不使用時に閉蓋するためのものである。図1は温水
洗浄タイプに用いた一例を示すものである。図1におい
て、1は便器本体、2は便座、3は洗浄ノズル、4は取
り付け軸支部、5は操作部、6は樹脂製便蓋である。図
2は、図1の切断線X−Xによる断面図であり、当接す
べき便座を点線で同時に示す。
【0010】本発明の樹脂製便蓋は、図1、図2に示す
ように、表面板7、内面板8により中空部9が一体的に
形成されている。本発明の特徴は、内面板7が便座2に
当接すべく面状部10とこの当接部内端から中央側に向
かう立ち上がり部11を含む内面板7で形成されている
ところにある。ここで、当接すべき面とは、一般的に
は、通常の閉蓋時には、必ずしも当接する必要はない
が、樹脂製便蓋にある程度の力が作用した場合には、便
座表面の一部と当接して樹脂製便蓋を便座面で受け止め
るための面状部である。この面状部11は通常、図1に
示すように、U字形状を有する。すなわち、樹脂製便蓋
の開閉のための取り付け軸支部4は、機能的に当接部を
設けないのが一般的である。しかしながら、当接はしな
くても、類似の面状部を設けることは任意である。
ように、表面板7、内面板8により中空部9が一体的に
形成されている。本発明の特徴は、内面板7が便座2に
当接すべく面状部10とこの当接部内端から中央側に向
かう立ち上がり部11を含む内面板7で形成されている
ところにある。ここで、当接すべき面とは、一般的に
は、通常の閉蓋時には、必ずしも当接する必要はない
が、樹脂製便蓋にある程度の力が作用した場合には、便
座表面の一部と当接して樹脂製便蓋を便座面で受け止め
るための面状部である。この面状部11は通常、図1に
示すように、U字形状を有する。すなわち、樹脂製便蓋
の開閉のための取り付け軸支部4は、機能的に当接部を
設けないのが一般的である。しかしながら、当接はしな
くても、類似の面状部を設けることは任意である。
【0011】また、U字形面状部の幅は、通常20〜8
0mm、好ましくは30〜60mmであり、面状部の表
面は便座の表面に対応して、平面または曲面とされる。
また、そのU字形状は便座表面の形状に対応して、決定
される。図2の(A)に示すものは、最も基本的な構造
を示すものである。ここで、内面板7は断面台形あるい
はアーチ状形状とされる。ここにおいて、当接部内端か
ら中央に向かう立ち上がり部11の平面に対する立ち上
がり角度(α)としては、20〜80度、好ましくは3
0〜70度である。この立ち上がり構造において、本発
明の樹脂製便蓋の強度を発現することができるものであ
る。
0mm、好ましくは30〜60mmであり、面状部の表
面は便座の表面に対応して、平面または曲面とされる。
また、そのU字形状は便座表面の形状に対応して、決定
される。図2の(A)に示すものは、最も基本的な構造
を示すものである。ここで、内面板7は断面台形あるい
はアーチ状形状とされる。ここにおいて、当接部内端か
ら中央に向かう立ち上がり部11の平面に対する立ち上
がり角度(α)としては、20〜80度、好ましくは3
0〜70度である。この立ち上がり構造において、本発
明の樹脂製便蓋の強度を発現することができるものであ
る。
【0012】また、表面板7と内面板8との最小間隔
は、20mm以下であることが好ましい。この間隔は、
樹脂製便蓋構造が中空構造の場合、後述するこの中空部
が発泡体とされた場合により異なり、中空構造の方が一
般に狭くすることが好ましい。この最小間隔は便蓋中央
付近となる。さらに、樹脂製便蓋に荷重が作用した場合
に、その荷重が当接すべく面状部10に作用して、便座
当接面、特に内側端において、荷重を支えるような構
造、すなわち、支点が短くなるようにすることが好まし
い。したがって、表面板7に作用した荷重が、内面板8
にも作用して、樹脂製便蓋全体で荷重を分散する形状が
好ましい。
は、20mm以下であることが好ましい。この間隔は、
樹脂製便蓋構造が中空構造の場合、後述するこの中空部
が発泡体とされた場合により異なり、中空構造の方が一
般に狭くすることが好ましい。この最小間隔は便蓋中央
付近となる。さらに、樹脂製便蓋に荷重が作用した場合
に、その荷重が当接すべく面状部10に作用して、便座
当接面、特に内側端において、荷重を支えるような構
造、すなわち、支点が短くなるようにすることが好まし
い。したがって、表面板7に作用した荷重が、内面板8
にも作用して、樹脂製便蓋全体で荷重を分散する形状が
好ましい。
【0013】また、本発明の樹脂製便蓋は、その強度の
点から、内面板の形状を図2の(B)に示すように、下
部方向に凸状リブ12となるように形成したり、図2
(C)のように、波状リブ13となるように形成するこ
とによる、リブ構造をとることにより強度を高めること
もできる。もちろん、図2(D)のように、表面板7と
内面板8を少なくとも中央部で結合する構造にすること
もできる。この結合は、リブ構造をとるように結合する
こともできる。さらに、当接すべき面状部の形状として
は、図2(D)に示すように、便座2を挟むような形状
にすることもできる。
点から、内面板の形状を図2の(B)に示すように、下
部方向に凸状リブ12となるように形成したり、図2
(C)のように、波状リブ13となるように形成するこ
とによる、リブ構造をとることにより強度を高めること
もできる。もちろん、図2(D)のように、表面板7と
内面板8を少なくとも中央部で結合する構造にすること
もできる。この結合は、リブ構造をとるように結合する
こともできる。さらに、当接すべき面状部の形状として
は、図2(D)に示すように、便座2を挟むような形状
にすることもできる。
【0014】なお、表面板7と内面板8との関係におい
て、ABSのような非結晶性の樹脂にあっては、溶着す
ることに特に問題は少ないが、ポリプロピレンのような
結晶性の樹脂にあっては、冷却結晶化による収縮発生の
恐れがある場合には、両面板を結合せず荷重が作用した
場合にのみ接触する構造をとることが表面板の外観を良
好にするために好ましい場合がある。
て、ABSのような非結晶性の樹脂にあっては、溶着す
ることに特に問題は少ないが、ポリプロピレンのような
結晶性の樹脂にあっては、冷却結晶化による収縮発生の
恐れがある場合には、両面板を結合せず荷重が作用した
場合にのみ接触する構造をとることが表面板の外観を良
好にするために好ましい場合がある。
【0015】本発明の樹脂製便蓋は、かなり頻繁に開閉
される。そのため、樹脂製便蓋の便座との当接面は繰り
返し当接されることになる。したがって、当接面の表面
硬度などにもよるが、便座、樹脂製便蓋の双方に傷がつ
くなどの恐れがある場合がある。この場合単なる蓋とし
ての機能を目的とする場合には、完全に当接する必要は
ない。したがって、樹脂製便蓋の便座への当接すべき面
上に弾性材料からなる緩衝材としての便座当接部14を
凸設することが好ましい。ここで便座当接部14は、当
接すべき面のほぼ全域に設けることもできるが、部分的
に設けるものであってもよい。
される。そのため、樹脂製便蓋の便座との当接面は繰り
返し当接されることになる。したがって、当接面の表面
硬度などにもよるが、便座、樹脂製便蓋の双方に傷がつ
くなどの恐れがある場合がある。この場合単なる蓋とし
ての機能を目的とする場合には、完全に当接する必要は
ない。したがって、樹脂製便蓋の便座への当接すべき面
上に弾性材料からなる緩衝材としての便座当接部14を
凸設することが好ましい。ここで便座当接部14は、当
接すべき面のほぼ全域に設けることもできるが、部分的
に設けるものであってもよい。
【0016】弾性材料からなる緩衝材としては、ゴム状
材料、発泡材料など特に制限はない。この緩衝材の変形
性、厚みについては、通常の樹脂製便蓋開閉動作では、
樹脂製便蓋自体が便座に接触しないが、ある程度の荷重
が作用した場合に実質当接するようになる、弾性と厚み
を有するものである。本発明の樹脂製便蓋は、中空構造
によって、容積的には大きくなるが、重量は軽減される
か、最小限の増加に止めることができる。また、立ち上
がり構造を採用することによって、重量当たりの強度は
むしろ高くなる。さらに強度を高くしたい場合には、軽
量化の特徴を確保する範囲において、樹脂製便蓋の中空
部を発泡体とすることもできる。この発泡体部が表面板
7と内面板8とを結合一体化することにより、より優れ
た耐圧特性を発揮させることが可能となる。
材料、発泡材料など特に制限はない。この緩衝材の変形
性、厚みについては、通常の樹脂製便蓋開閉動作では、
樹脂製便蓋自体が便座に接触しないが、ある程度の荷重
が作用した場合に実質当接するようになる、弾性と厚み
を有するものである。本発明の樹脂製便蓋は、中空構造
によって、容積的には大きくなるが、重量は軽減される
か、最小限の増加に止めることができる。また、立ち上
がり構造を採用することによって、重量当たりの強度は
むしろ高くなる。さらに強度を高くしたい場合には、軽
量化の特徴を確保する範囲において、樹脂製便蓋の中空
部を発泡体とすることもできる。この発泡体部が表面板
7と内面板8とを結合一体化することにより、より優れ
た耐圧特性を発揮させることが可能となる。
【0017】ここにおいて、樹脂製便蓋の中空部を発泡
体とする方法は特に制限されるものではなく、たとえ
ば、ブロー成形により金型内において中空の樹脂製便蓋
が形成された後、樹脂の冷却前に中空部へ熱可塑性樹脂
予備発泡粒子を充填して加熱発泡融着する方法がある。
この場合予備発泡粒子とともに加熱のための水蒸気など
を注入してもよい。また、一度中空の樹脂製便蓋を成形
し、この中空部への熱可塑性樹脂予備発泡粒子の充填・
加熱や発泡性の硬化反応性を有するポリウレタン樹脂の
注入による方法などを例示できる。なお、発泡体として
は、発泡倍率2〜30倍、好ましくは3〜25倍の範囲
である。
体とする方法は特に制限されるものではなく、たとえ
ば、ブロー成形により金型内において中空の樹脂製便蓋
が形成された後、樹脂の冷却前に中空部へ熱可塑性樹脂
予備発泡粒子を充填して加熱発泡融着する方法がある。
この場合予備発泡粒子とともに加熱のための水蒸気など
を注入してもよい。また、一度中空の樹脂製便蓋を成形
し、この中空部への熱可塑性樹脂予備発泡粒子の充填・
加熱や発泡性の硬化反応性を有するポリウレタン樹脂の
注入による方法などを例示できる。なお、発泡体として
は、発泡倍率2〜30倍、好ましくは3〜25倍の範囲
である。
【0018】本発明の樹脂製便蓋は、中空構造を形成す
ることができる成形方法であれば、特にその成形方法に
は制限されない。しかし、ブロー成形方法によるものが
好ましく、ブロー成形は単層ブロー成形、多層ブロー成
形のどちらでもよく、適宜選択することができる。ま
た、他の成形方法としては、ガス注入射出成形、ガス注
入コアバック射出成形などを例示できる。
ることができる成形方法であれば、特にその成形方法に
は制限されない。しかし、ブロー成形方法によるものが
好ましく、ブロー成形は単層ブロー成形、多層ブロー成
形のどちらでもよく、適宜選択することができる。ま
た、他の成形方法としては、ガス注入射出成形、ガス注
入コアバック射出成形などを例示できる。
【0019】本発明の樹脂製便蓋に用いられる樹脂とし
ては、熱可塑性樹脂であり、たとえば、ブロー成形可能
な樹脂であれば、特に制限はない。例えばポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレンブロック共重合体やランダム
共重合体などのポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチ
レンなどのポリオレフィン系樹脂、ゴム変成ポリスチレ
ン樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが
ある。これらの樹脂中でも、ポリプロピレン系樹脂、高
密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ABS
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂が好まし
く用いられる。
ては、熱可塑性樹脂であり、たとえば、ブロー成形可能
な樹脂であれば、特に制限はない。例えばポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレンブロック共重合体やランダム
共重合体などのポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチ
レンなどのポリオレフィン系樹脂、ゴム変成ポリスチレ
ン樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが
ある。これらの樹脂中でも、ポリプロピレン系樹脂、高
密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ABS
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂が好まし
く用いられる。
【0020】本発明の樹脂製便蓋がポリオレフィン樹脂
を用いてブロー成形で成形される一例としてポリプロピ
レン系樹脂の場合としては、メルトインデックス(M
I)が、0.05〜5g/10分、好ましくは0.1〜
2g/10分のものである。また、高密度ポリエチレン
樹脂としては、密度が940〜970kg/m3で、メル
トインデックス(MI)が、0.05〜5g/10分、
好ましくは0.1〜2g/10分のものである。MIが
この範囲外であると、耐ドローダウン性などブロー成形
性が低下して、安定して連続成形することが困難になる
場合がある。なお、MIの測定は、JIS K7210
により、荷重:2.16kg、温度は、ポリプロピレ
ン:230℃、ポリエチレン:190℃での測定であ
る。
を用いてブロー成形で成形される一例としてポリプロピ
レン系樹脂の場合としては、メルトインデックス(M
I)が、0.05〜5g/10分、好ましくは0.1〜
2g/10分のものである。また、高密度ポリエチレン
樹脂としては、密度が940〜970kg/m3で、メル
トインデックス(MI)が、0.05〜5g/10分、
好ましくは0.1〜2g/10分のものである。MIが
この範囲外であると、耐ドローダウン性などブロー成形
性が低下して、安定して連続成形することが困難になる
場合がある。なお、MIの測定は、JIS K7210
により、荷重:2.16kg、温度は、ポリプロピレ
ン:230℃、ポリエチレン:190℃での測定であ
る。
【0021】また、これらの樹脂には耐衝撃改良剤とし
て、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ポリブタジエ
ンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体ゴム(SBS)、SBSを水添したスチレン−エチ
レン−ブチレン−スチレンブロック共重合体ゴム(SE
BS)などのゴム類を添加することもできる。また、必
要により、樹脂製便蓋の要求特性等を考慮して、金属
粉、カーボンブラック、グラファィト、タルク、マイ
カ、クレー、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、ガラス繊
維、炭素繊維、チタン酸カルシウムウイスカー、繊維状
のマグネシウムオキシサルフェートなどの無機充填剤・
補強剤、結晶化促進剤、酸化防止剤(リン系、フエノー
ル系、硫黄系など)、中和剤、発泡剤、滑剤、分散剤、
過酸化物、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防
止剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、エポキシ化合物、金
属不活性化剤、顔料、染料などの添加剤を添加すること
もできる。
て、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ポリブタジエ
ンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体ゴム(SBS)、SBSを水添したスチレン−エチ
レン−ブチレン−スチレンブロック共重合体ゴム(SE
BS)などのゴム類を添加することもできる。また、必
要により、樹脂製便蓋の要求特性等を考慮して、金属
粉、カーボンブラック、グラファィト、タルク、マイ
カ、クレー、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、ガラス繊
維、炭素繊維、チタン酸カルシウムウイスカー、繊維状
のマグネシウムオキシサルフェートなどの無機充填剤・
補強剤、結晶化促進剤、酸化防止剤(リン系、フエノー
ル系、硫黄系など)、中和剤、発泡剤、滑剤、分散剤、
過酸化物、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防
止剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、エポキシ化合物、金
属不活性化剤、顔料、染料などの添加剤を添加すること
もできる。
【0022】通常これらの熱可塑性樹脂に必要に応じて
公知の付加的添加剤を配合して溶融混練して得られたペ
レットを原料として用いる。これらの原料を1台または
2台以上の押出成形機を備えた(多層)ブロー成形装置
に供給し、(多層)ダイスより溶融パリソンを押し出
し、それぞれ目的とする最終成形品である樹脂製便蓋の
形状の金型間に供給して、金型を閉じ、あるいは閉じな
がら空気などのガスをパリソン内に吹き込み、金型表面
に押しつけ、転写、賦形し、必要により冷却後、金型を
開放して成形品を取り出し、バリ取り処理を行い樹脂製
便蓋を得ることができる。
公知の付加的添加剤を配合して溶融混練して得られたペ
レットを原料として用いる。これらの原料を1台または
2台以上の押出成形機を備えた(多層)ブロー成形装置
に供給し、(多層)ダイスより溶融パリソンを押し出
し、それぞれ目的とする最終成形品である樹脂製便蓋の
形状の金型間に供給して、金型を閉じ、あるいは閉じな
がら空気などのガスをパリソン内に吹き込み、金型表面
に押しつけ、転写、賦形し、必要により冷却後、金型を
開放して成形品を取り出し、バリ取り処理を行い樹脂製
便蓋を得ることができる。
【0023】本発明の樹脂製便蓋は、便蓋としての必要
機能を得るために、熱可塑性樹脂に各種添加剤、たとえ
ば、造核剤、抗菌剤、帯電防止剤、耐熱・耐光安定剤、
着色剤などを添加した原料樹脂を用いてブロー成形して
得られる。しかしながら、これらの添加剤配合、あるい
は、樹脂としての特徴を使い分けるなどの点から、ブロ
ー成形を2層以上で行い、最外層形成用の熱可塑性樹脂
に、造核剤、抗菌剤などの機能性添加剤を選択的に添加
することもできる。
機能を得るために、熱可塑性樹脂に各種添加剤、たとえ
ば、造核剤、抗菌剤、帯電防止剤、耐熱・耐光安定剤、
着色剤などを添加した原料樹脂を用いてブロー成形して
得られる。しかしながら、これらの添加剤配合、あるい
は、樹脂としての特徴を使い分けるなどの点から、ブロ
ー成形を2層以上で行い、最外層形成用の熱可塑性樹脂
に、造核剤、抗菌剤などの機能性添加剤を選択的に添加
することもできる。
【0024】たとえば造核剤としては、安息香酸アルミ
ニウム、ジベンジリデンソルビトール類、タルクなどが
ある。また抗菌剤としては、無機系の抗菌剤、有機系の
抗菌剤がある。無機系抗菌剤としては、無定形アルミノ
珪酸塩、天然または合成ゼオライト(A型、Y型)、リ
ン酸ジルコニウム、アパタイト、シリカゲルなどの担持
体に、銀、銅、亜鉛、錫、ビスマス、カドニウムなどの
抗菌性金属をイオン交換したものである。また、有機系
抗菌剤としては、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダ
ゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)、オキシ
ビスフエノキシアルシン、パラジクロロベンゼン、パラ
クロロメタキシロールなどを例示することができる。な
お、無機系の抗菌剤は、細菌や微生物に対してすぐれた
抗菌性能を示す一方、有機系抗菌剤は黴菌に対してすぐ
れた抗菌性能を示すなどそれぞれ特徴を有している。
ニウム、ジベンジリデンソルビトール類、タルクなどが
ある。また抗菌剤としては、無機系の抗菌剤、有機系の
抗菌剤がある。無機系抗菌剤としては、無定形アルミノ
珪酸塩、天然または合成ゼオライト(A型、Y型)、リ
ン酸ジルコニウム、アパタイト、シリカゲルなどの担持
体に、銀、銅、亜鉛、錫、ビスマス、カドニウムなどの
抗菌性金属をイオン交換したものである。また、有機系
抗菌剤としては、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダ
ゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)、オキシ
ビスフエノキシアルシン、パラジクロロベンゼン、パラ
クロロメタキシロールなどを例示することができる。な
お、無機系の抗菌剤は、細菌や微生物に対してすぐれた
抗菌性能を示す一方、有機系抗菌剤は黴菌に対してすぐ
れた抗菌性能を示すなどそれぞれ特徴を有している。
【0025】ここで、最外層の樹脂層に対する、造核剤
の含有量は0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜
1重量%である。また無機系抗菌剤の含有量は、0.1
〜15重量%、好ましくは0.2〜5重量%、特に好ま
しくは0.2〜3重量%の範囲である。つぎに、造核剤
や抗菌剤などの機能性添加剤含有樹脂の最外層の全厚み
に対する比率としては、1/50〜3/4、好ましく
は、1/10〜1/5の範囲であり、樹脂製便蓋の強度
等による全体厚みとも関係するものである。
の含有量は0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜
1重量%である。また無機系抗菌剤の含有量は、0.1
〜15重量%、好ましくは0.2〜5重量%、特に好ま
しくは0.2〜3重量%の範囲である。つぎに、造核剤
や抗菌剤などの機能性添加剤含有樹脂の最外層の全厚み
に対する比率としては、1/50〜3/4、好ましく
は、1/10〜1/5の範囲であり、樹脂製便蓋の強度
等による全体厚みとも関係するものである。
【0026】本発明の樹脂製便蓋が、多層の熱可塑性樹
脂構造をとることにより、各層に用いる熱可塑性樹脂、
さらには、樹脂改質のためのゴムの配合や添加剤を自由
に選択できることが可能になる。具体的には、最外層の
樹脂層としては、耐傷付き性のよい高硬度の樹脂で、表
面特性の良い樹脂とし、内層の樹脂として耐衝撃性にす
ぐれた、高剛性の樹脂を用いるなどである。たとえば、
最外層樹脂として立体規則性の高いホモポリプロピレン
を用い、内層樹脂としてプロピレン−エチレンブロック
共重合体、あるいはこれにゴム類を配合した樹脂を用い
ることによって、衝撃強度、耐傷付性の両方を満足した
樹脂製便蓋を得ることができる。
脂構造をとることにより、各層に用いる熱可塑性樹脂、
さらには、樹脂改質のためのゴムの配合や添加剤を自由
に選択できることが可能になる。具体的には、最外層の
樹脂層としては、耐傷付き性のよい高硬度の樹脂で、表
面特性の良い樹脂とし、内層の樹脂として耐衝撃性にす
ぐれた、高剛性の樹脂を用いるなどである。たとえば、
最外層樹脂として立体規則性の高いホモポリプロピレン
を用い、内層樹脂としてプロピレン−エチレンブロック
共重合体、あるいはこれにゴム類を配合した樹脂を用い
ることによって、衝撃強度、耐傷付性の両方を満足した
樹脂製便蓋を得ることができる。
【0027】さらに、樹脂の選択としては、ブロー成形
時の耐ドローダウン性が要求されるが、この場合にも最
外層の樹脂とは独立に、主要部の樹脂として耐ドローダ
ウン性にすぐれた樹脂を選択できる。また、着色剤、帯
電防止剤などの表面のみに必要な添加剤も最外層のみに
添加することができるので少量ですぐれた効果を発揮さ
せることができる。ここで多層樹脂とは、樹脂の種類が
異なることだけを意味するのではなく、類似の樹脂、同
一の樹脂であっても添加剤の配合の異なる樹脂をも意味
するものである。
時の耐ドローダウン性が要求されるが、この場合にも最
外層の樹脂とは独立に、主要部の樹脂として耐ドローダ
ウン性にすぐれた樹脂を選択できる。また、着色剤、帯
電防止剤などの表面のみに必要な添加剤も最外層のみに
添加することができるので少量ですぐれた効果を発揮さ
せることができる。ここで多層樹脂とは、樹脂の種類が
異なることだけを意味するのではなく、類似の樹脂、同
一の樹脂であっても添加剤の配合の異なる樹脂をも意味
するものである。
【0028】本発明の樹脂製便蓋は、前記したように、
樹脂製便蓋の板厚は全体的に薄いものである。また、蓋
としての機能上からも中空部を含めた全体厚みも50m
m以下である。したがって、前記したリブ構造を形成し
たり、全体が一つの中空部を有する構造だけでなく、リ
ブ構造の導入によって、複数の中空部が分散した構造と
することもできる。さらに、金型の表面に点状、棒状、
線状などの凸部を設けこの凸部でパリソンを押して両壁
が結合した凹部を形成することもできる。これにより、
強度、剛性、寸法安定性をさらに向上することができ
る。この場合において、この凹部は、便蓋の意匠性、物
性を考慮して任意に配置することができ、通常は内面板
となる片面のみに凹部を持たすこともできる。すなわ
ち、ブロー成形を採用することにより、表面と内面の意
匠を独立に製品設計できるものである。
樹脂製便蓋の板厚は全体的に薄いものである。また、蓋
としての機能上からも中空部を含めた全体厚みも50m
m以下である。したがって、前記したリブ構造を形成し
たり、全体が一つの中空部を有する構造だけでなく、リ
ブ構造の導入によって、複数の中空部が分散した構造と
することもできる。さらに、金型の表面に点状、棒状、
線状などの凸部を設けこの凸部でパリソンを押して両壁
が結合した凹部を形成することもできる。これにより、
強度、剛性、寸法安定性をさらに向上することができ
る。この場合において、この凹部は、便蓋の意匠性、物
性を考慮して任意に配置することができ、通常は内面板
となる片面のみに凹部を持たすこともできる。すなわ
ち、ブロー成形を採用することにより、表面と内面の意
匠を独立に製品設計できるものである。
【0029】
【発明の効果】本発明の樹脂性便蓋は、従来の樹脂製便
蓋と比較して、重量の増加が抑制されながら強度にすぐ
れる。したがって、誤って便蓋上にかなりの荷重が作用
しても便蓋が破損することがなく、破片で負傷したり、
便蓋を取り替えたりする必要がなくなる。また、表面と
内面の形状を任意に設計できるので、意匠性にすぐれた
ものとなる。さらに、暖房便座にあっては、中空部が発
泡体である場合など断熱性能の効果も気体できる。ま
た、多層ブロー成形法の採用、特に、多層ブロー成形の
採用により、表面特性と機械的特性をそれぞれ独立に制
御できる。
蓋と比較して、重量の増加が抑制されながら強度にすぐ
れる。したがって、誤って便蓋上にかなりの荷重が作用
しても便蓋が破損することがなく、破片で負傷したり、
便蓋を取り替えたりする必要がなくなる。また、表面と
内面の形状を任意に設計できるので、意匠性にすぐれた
ものとなる。さらに、暖房便座にあっては、中空部が発
泡体である場合など断熱性能の効果も気体できる。ま
た、多層ブロー成形法の採用、特に、多層ブロー成形の
採用により、表面特性と機械的特性をそれぞれ独立に制
御できる。
【図1】本発明の樹脂製便蓋およびその使用例の斜視図
である。
である。
【図2】(A)は、本発明の樹脂製便蓋の図1の切断線
X−Xによる断面図である。(B)、(C)、(D)は
他の例の断面図である。
X−Xによる断面図である。(B)、(C)、(D)は
他の例の断面図である。
1:便器本体 2:便座 3:洗浄ノズル 4:取り付け軸支部 5:操作部 6:樹脂製便蓋 7:表面板 8:内面板 9:中空部 10:当接すべき面状部 11:立ち上がり部 12:凸状リプ 13:波状リブ 14:便座当接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 22:00
Claims (7)
- 【請求項1】 閉蓋時の便座に当接すべき部分が面状に
形成され、該当接部内端から中央側に向かう立ち上がり
部を含む内面板を有し、中空構造とされた樹脂製便蓋。 - 【請求項2】 中空構造の中空部分が発泡体である請求
項1記載の樹脂製便蓋。 - 【請求項3】 ブロー成形により形成されたものである
請求項1または2記載の樹脂製便蓋。 - 【請求項4】 多層ブロー成形により形成されたもので
ある請求項3記載の樹脂製便蓋。 - 【請求項5】 立ち上がり部を含む内面板が台形ないし
アーチ状に形成され表面板との最小間隔が20mm以下
である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂製便蓋。 - 【請求項6】 内面板が凹凸形状部を有する請求項1〜
5のいずれかに記載の樹脂製便蓋。 - 【請求項7】 閉蓋時の便座に当接すべき部分の面状部
に、弾性材料からなる便座当接部が凸設されている請求
項1〜6のいずれかに記載の樹脂製便蓋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30832398A JP2000126076A (ja) | 1998-10-29 | 1998-10-29 | 樹脂製便蓋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30832398A JP2000126076A (ja) | 1998-10-29 | 1998-10-29 | 樹脂製便蓋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000126076A true JP2000126076A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=17979682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30832398A Withdrawn JP2000126076A (ja) | 1998-10-29 | 1998-10-29 | 樹脂製便蓋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000126076A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019130167A (ja) * | 2018-02-01 | 2019-08-08 | Toto株式会社 | 便蓋装置 |
JP2021083666A (ja) * | 2019-11-27 | 2021-06-03 | 株式会社Lixil | 便蓋 |
-
1998
- 1998-10-29 JP JP30832398A patent/JP2000126076A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019130167A (ja) * | 2018-02-01 | 2019-08-08 | Toto株式会社 | 便蓋装置 |
JP2021083666A (ja) * | 2019-11-27 | 2021-06-03 | 株式会社Lixil | 便蓋 |
JP7510750B2 (ja) | 2019-11-27 | 2024-07-04 | 株式会社Lixil | 便蓋 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20041001 |
|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |