JP4106209B2 - 断熱保冷容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱保冷容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2001−204345号公報は、略矩形の底壁と、底壁の周縁から上方へ延びる略矩形の側壁とから物品収納部が画成された容器本体と、容器本体の側壁に蝶番を介して取り付けられて容器本体の頂部開口を開閉可能な蓋とを有する断熱保冷容器を開示している。容器本体と蓋とは、ポリプロピレン製の内壁および外壁と、内外壁の間の空間に介在する発泡ポリウレタンまたは発泡ポリスチレン製の断熱材とから形成された3層構造のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に開示の容器は、容器本体と蓋とが外壁と内壁との間に断熱材を介在させた3層構造のものなので、たとえば、容器本体と蓋とを射出成形によって一度に製造することはできず、容器の製造にコストと時間とがかかる。また、この容器の断熱効果を向上させるためには、断熱材の厚さ寸法を大きくしなければならない。この容器では、断熱材の厚さ寸法を大きくすると、容器本体と蓋との厚さ寸法が大きくなり、物品収納部の容積を確保するために、容器自体を大型化せざるを得ない。この容器の廃棄時では、断熱材となる発泡ポリウレタンまたは発泡ポリスチレンを焼却すると、煤が発生して環境に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
本発明の課題は、コストと時間とがかからずに製造することができ、容器本体と蓋との厚さ寸法を大きくしなくても優れた断熱効果を有し、焼却時に環境に悪影響を及ぼすことがない断熱保冷容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の前提は、底壁と前記底壁の周縁から上方へ延びる周壁とから物品収納部が画成された容器本体と、前記容器本体の頂部開口を開閉可能な蓋とを有する断熱保冷容器である。
【0006】
前記前提における本発明の特徴として、前記容器本体の内面と前記蓋の内面とには、内部に多数の気泡を有する発泡体が取り付けられ、前記容器本体と前記蓋とが、ポリオレフィン系熱可塑性合成樹脂25〜80重量%と、塩素および蛍光増白剤を非含有であって30〜80μmの平均粒径を有する紙粉末20〜75重量%とを加熱下に混合した混合物から形成され、前記紙粉末が、前記合成樹脂に略均一に分散し、前記発泡体が、前記合成樹脂20〜40重量%と、前記紙粉末40〜60重量%と、5〜150μmの平均粒径を有する澱粉20〜30重量%と、前記合成樹脂と前記紙粉末と前記澱粉とを加熱下に混合した高温溶融物に混入する水とから形成され、前記紙粉末と前記澱粉とが、前記合成樹脂に略均一に分散し、前記水の前記高温溶融物に対する重量比が、10〜30重量%の範囲にあり、前記水が、前記高温溶融物の内部において気化することで該高温溶融物の内部に前記多数の気泡を形成しつつ、該高温溶融物を所与倍率に膨張させ、前記澱粉が、前記気泡を包被する膜を形成し、前記容器本体および前記蓋の平均厚さ寸法が、0.8〜5.0mmの範囲、前記発泡体の平均厚さ寸法が、1.0〜10.0mmの範囲にあり、前記容器本体および前記蓋の熱伝導率が、0.2〜0.5W/m・Kの範囲、前記発泡体の熱伝導率が、0.035〜0.045W/m・Kの範囲にあることにある。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明にかかる断熱保冷容器の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0011】
図1,2は、断熱保冷容器1Aの斜視図と、図1のA−A線矢視断面図とである。図1では、横方向を矢印X、前後方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。図1,2では、容器1Aの物品収納部6に二点鎖線で示す生鮮食品12とドライアイス13とが収納されている。
【0012】
容器1Aは、前後方向へ長い略直方体を呈する容器本体2と、容器本体2の頂部開口8を開閉可能な蓋9とから構成されている。容器本体2は、略矩形の底壁3と、底壁3の両側縁(周縁)から上方へ延びる第1および第2側壁4(周壁)と、底壁3の両端縁(周縁)から上方へ延びる第3および第4側壁5(周壁)とから形成されている。容器本体2では、第1および第2側壁4が前後方向へ長い略矩形を呈し、第3および第4側壁5が横方向へ長い略矩形を呈する。容器本体2には、底壁3とそれら側壁4,5とに囲繞された物品収納部6が画成されている。容器本体2では、それら側壁4,5の頂部から容器本体2の周方向外方へフランジ7が延びている。蓋9は、その平面形状が前後方向へ長い略矩形を呈する。蓋9では、その周縁から容器1Aの下方へフランジ10が延び、フランジの内側近傍から容器1Aの下方へ凸部11が延びている。容器1Aでは、蓋9によって容器本体2の頂部開口8を塞いだときに、蓋9のフランジ10と凸部11との間に容器本体2のフランジ7が嵌入するので、容器本体2に対して蓋9がずれ動いてしまうことがない。
【0013】
容器本体2は、フランジ7を除く残余の部位の平均厚さ寸法L1が0.8〜5.0mmの範囲にある。蓋9は、フランジ10と凸部11とを除く残余の部位の平均厚さ寸法L2が0.8〜5.0mmの範囲にある。容器本体2と蓋9とは、それらの熱伝導率が、0.2〜0.5W/m・Kの範囲にある。
【0014】
容器本体2と蓋9との平均厚み寸法L1,L2が0.8mm未満では、容器本体2や蓋9の熱伝導率が増加し、それらの熱伝導率が前記範囲の上限を越えてしまう。また、容器本体2や蓋9の強度が低下し、それらに衝撃が加えられたときに、それらが容易に破損してしまう場合がある。容器本体2と蓋9との平均厚み寸法L1,L2が5.0mmを超過すると、容器本体2や蓋9の熱伝導率は低下するが、物品収納部6の容積を確保するため、容器1Aが大型化してしまう。容器本体2と蓋9との熱伝導率が0.5W/m・Kを超過すると、外気の熱が収納部6に容易に伝わり、収納部6に収納した生鮮食品12の鮮度を長時間保つことができない。
【0015】
なお、容器本体2や蓋9は、その形状を図示のものに限定するものではなく、容器本体2が立方体や有底円柱状、有底多角柱状のものでもよく、蓋9が正方形や円、多角形であってもよい。また、容器1Aでは、蓋9が蝶番を介して容器本体2に取り付けられていてもよく、蝶番を取り付けた反対側に容器本体2と蓋9とを固定するための固定手段が取り付けられていてもよい。
【0016】
容器本体2と蓋9とは、ポリオレフィン系熱可塑性合成樹脂と紙粉末とを加熱下に混合した混合物から形成されている。混合物では、合成樹脂に紙粉末が略均一に分散している。
【0017】
合成樹脂には、ポリプロピレンとポリエチレンとのうちのいずれか一方、または、それらを所与の割合で混合したものを使用することができる。ポリプロピレンには、ブロック重合ポリプロピレン、ランダム重合ポリプロピレン、ホモ重合ポリプロピレン、メタロセン触媒ポリプロピレン、変成ポリプロピレン、のうちの少なくとも1つを使用することができる。ポリエチレンには、低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒ポリエチレン、変成ポリエチレン、のうちの少なくとも1つを使用することができる。
【0018】
紙粉末は、その粒径が1〜200μmの範囲にあり、その平均粒径が30〜80μmの範囲にある。紙粉末は、紙自体を微粉砕して作ることもできるし、紙を製造するときに発生する破紙や損紙を微粉砕して作ることもできる。紙粉末は、塩素と蛍光増白剤とを非含有の紙から製造されている。
【0019】
紙粉末は、パルプ自体を微粉砕して作ることもできる。パルプから作られた紙粉末は、リグニン成分が1%以下のものを使用することが好ましい。パルプには、機械的パルプ、化学的機械パルプ、半化学的パルプ、化学的パルプ、のうちの少なくとも1つを使用することができる。パルプは、木材パルプを使用することが好ましいが、木材パルプにぼろパルプや茎桿パルプ、靭皮パルプ、のうちの少なくとも1つを混合することもできる。パルプは、塩素と蛍光増白剤とを非含有のものを使用する。
【0020】
容器本体2と蓋9とを製造するには、射出成形の技術を利用することができる。射出成形機(図示せず)のホッパには、合成樹脂と紙粉末とが投入される。射出成形機の内部では、合成樹脂と紙粉末とが加熱されるとともに、射出成形機のスクリュを介してそれらが混練され、溶融した高温の混合物になる。混合物では、合成樹脂に紙粉末が略均一に分散している。混合物は、射出成形機の先端部に形成されたノズルから金型に流し込まれ、混合物が金型内で冷却固化して容器本体2や蓋9に成形される。また、容器本体2は、射出成形の技術の他に、ブロー成形やインフレーション成形でも製造することができる。
【0021】
容器本体2や蓋9は、混合物を2次加工することによって製造することもできる。2次加工には、真空成形や溶融圧縮成形、プレス成形等の成形加工の技術を利用することができる。2次加工するための混合物は、押出機(図示せず)を使用して製造することができる。押出機のホッパには、合成樹脂と紙粉末とが投入される。押出機の内部では、合成樹脂と紙粉末とが加熱されるとともに、押出機のスクリュを介してそれらが混練され、溶融した高温の混合物になる。混合物は、押出機の先端部に取り付けられたダイから押し出される。混合物は、ダイのリップ形状によってペレット状や板状、シート状に成形される。
【0022】
混合物では、その全重量に対する合成樹脂の重量比が25重量%以上かつ80重量%以下の範囲にあり、その全重量に対する紙粉末の重量比が20重量%以上かつ75重量%以下の範囲にある。合成樹脂が25重量%未満かつ紙粉末が75重量%を超過する場合では、加熱しても流動性を示さない紙粉末が混合物の流動性を著しく低下させてしまうので、たとえば、射出成形によって容器本体2や蓋9を製造するときに、混合物が射出成形機のノズルから金型内に円滑に流れ込まなかったり、混合物が金型内でショートモールドを起こし易く、それらの製造に支障を来す場合がある。また、混合物に対する紙粉末の量が必要以上に多くなり、容器本体2や蓋9の強度が低下してそれらが破損し易くなる。紙粉末が20重量%未満かつ合成樹脂が80重量%を超過する場合では、紙粉末よりも燃焼カロリーが高い合成樹脂の混合物に対する量が増えるので、容器本体2や蓋9の焼却時における燃焼カロリーを低下させることができない。また、高い焼却温度でなければそれらを完全燃焼させることができない。
【0023】
紙粉末の平均粒径が30μm未満の場合では、紙やパルプを30μm未満の平均粒径に加工するために複数の工程を必要とするので、紙粉末の生産コストが上昇し、その結果、容器1Aの生産コストも上昇してしまう。紙粉末の平均粒径が80μmを超過する場合では、紙粉末が合成樹脂の中で分散不良を起こし、混合物内に紙粉末の塊が形成される場合があり、紙粉末の塊が存在する部位での容器本体2や蓋9の強度が著しく低下する。
【0024】
容器1Aでは、容器本体2と蓋9とを成形加工の技術を利用して製造することができるので、容器1Aの製造にコストや時間がかかることはない。容器1Aを形成する混合物は、合成樹脂に略均一に分散する紙粉末によってその熱伝導率が低下する。ゆえに、容器1Aでは、容器本体2や蓋3の平均厚み寸法L1,L2が0.8〜5.0mmの範囲にあるにもかかわらず、容器本体2や蓋9の熱伝導率を0.2〜0.5W/m・Kの範囲にすることができる。このように、容器1Aは、優れた断熱性と保冷性とを有し、容器1Aの断熱性と保冷性とを向上させるために、容器本体2や蓋9の平均厚み寸法L1,L2を必要以上に大きくする必要はない。
【0025】
容器1Aは、それがポリオレフィン系合成樹脂と紙粉末とを混合した混合物から形成されているので、それが熱可塑性合成樹脂のみから形成されている場合と比較し、容器1Aの焼却時における燃焼カロリーを低下させることができ、さらに低い焼却温度で容器1Aを完全燃焼させることができる。また、容器1Aでは、その焼却時における煤の発生を抑制することができ、環境に悪影響を与えることもない。
【0026】
容器1Aでは、混合物を形成する合成樹脂が改質物質を含んでいてもよい。混合物では、合成樹脂の全重量に対する改質物質の重量比が0.1重量%以上かつ20重量%以下の範囲にあることが好ましい。改質物質は、そのメルトフローインデックスが25〜100g/10分の範囲にある。改質物質が0.1重量%未満かつ改質物質のメルトフローインデックスが25g/10分未満の場合では、改質物質が十分に機能せず、混合物の流動性を向上させることができない。
【0027】
改質物質は、合成樹脂と相互に親和性を有するもので、合成樹脂と混合物を形成し、合成樹脂の流動性を向上させることができる。また、改質物質は、合成樹脂と紙粉末とを接着するバインダーとして機能する。
【0028】
改質物質としては、エチレン−プロピレンエラストマー、水素添加スチレン−ブタジエンラバー、スチレン−エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー、メタロセンポリエチレン(C4,C6,C8)、のうちの少なくとも1つを使用することができる。
【0029】
水素添加スチレン−ブタジエンラバー、スチレン−エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックコポリマー、それぞれは、エチレンとブテン−1とから形成されたランダム性の高い共重合体であり、ポリマー分子中に二重結合を持たず、かつ、低結晶性で柔軟性のある透明性の高いポリオレフィン系熱可塑性合成樹脂である。
【0030】
容器1Aを形成する混合物では、それに澱粉と粉状無機物とのうちの少なくとも一方が混入されていてもよい。混合物では、紙粉末の全重量に対する澱粉の重量比が10重量%以上かつ25重量%以下の範囲にあることが好ましく、澱粉の平均粒径が5〜150μmの範囲にあることが好ましい。澱粉を混入した混合物では、澱粉の燃焼カロリーが紙粉末のそれよりも低いので、容器の燃焼カロリーを一層低下させることができる。
【0031】
混合物では、紙粉末の全重量に対する無機物の重量比が1重量%以上かつ25重量%以下の範囲にあることが好ましい。無機物を混入した混合物では、無機物が不燃性なので、容器の燃焼カロリーを一層低下させることができる。無機物としては、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、のうちの少なくとも1つを使用することができる。
【0032】
図3,4は、他の実施の形態を示す断熱保冷容器1Bの部分破断斜視図と、図3のB−B線矢視断面図とである。図3では、横方向を矢印X、前後方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。この容器1Bが図1のそれと異なる点は、以下のとおりである。
【0033】
容器本体2の内面と蓋9の内面には、発泡体14が取り付けられている。発泡体14は、接着剤(図示せず)を介して容器本体2の底壁3および第1〜第4側壁4,5の内面と蓋9の内面とに固着されている。発泡体14は、その平均厚さ寸法L3が1.0〜10.0mmの範囲にあり、その熱伝導率が0.035〜0.045W/m・Kの範囲にある。容器本体2と蓋9との平均厚み寸法L1,L2と熱伝導率とは、図1のそれらと同一である。
【0034】
発泡体14の平均厚さ寸法L3が1.0mm未満では、発泡体14が破損し易く、発泡体14の平均厚さ寸法L3が10.0mmを超過すると、物品収納部6の容積を確保するため、容器1Bを大型化せざるを得ない。発泡体14の熱伝導率が0.045W/m・Kを超過すると、容器1Bの断熱性と保冷性とを向上させることができない。
【0035】
発泡体14は、ポリオレフィン系合成樹脂と、紙粉末と、澱粉と、それらを加熱下に混合した高温溶融物に混入する水とから構成されている。発泡体14の内部には、多数の独立した気泡14aが形成されている。気泡14aは、その大きさが一様ではなく、横方向と前後方向と厚み方向とヘ不連続かつ不規則に延びている。発泡体14の内部では、澱粉が気泡14aを包被する膜を形成している。ポリオレフィン系合成樹脂と紙粉末とは、図1のそれらと同一のものを使用している。
【0036】
水は、水道水を使用することができる。水には、特に限定はなく、軟水や硬水、純水のいずれであっても使用することができる。
【0037】
発泡体14は、合成樹脂と紙粉末と澱粉とを加熱下に混合し、それらの高温溶融物に水を混入することにより製造することができる。発泡体14は、押出機(図示せず)を使用して製造され、押出機の先端部に取り付けられたダイから押し出すことで、板状に成形される。
【0038】
押出機のホッパには、合成樹脂と紙粉末と澱粉とが投入される。押出機の内部では、合成樹脂と紙粉末と澱粉とが加熱されるとともに、押出機のスクリュを介してそれらが混練されて高温の溶融物になる。溶融物では、合成樹脂に紙粉末と澱粉とが略均一に分散している。
【0039】
押出機の内部には、押出機の略中央部からタンクに収容された水が流入する。押出機では、溶融物に水が混入され、水の温度が瞬時に沸点に達し、水が気化することで、溶融物の内部に多数の気泡14aが形成される。押出機の内部では、溶融物が所与倍率に膨張し、澱粉が溶融物の内部において気泡14aを包被する膜を形成する。その後、溶融物がダイから押し出されて板状の発泡体14が製造される。溶融物の膨張倍率は、単位体積当たり約20〜40倍である。水は、その気化を容易にするため、所要の温度に加熱された温水を使用することが好ましい。
【0040】
発泡体14における合成樹脂と紙粉末と澱粉との重量比は、合成樹脂が20重量%以上かつ40重量%以下、紙粉末が40重量%以上かつ60重量%以下、澱粉が20重量%以上かつ30重量%以下の範囲にある。合成樹脂と紙粉末と澱粉とを混合した溶融物に対する水の重量比は、10重量%以上かつ30重量%以下の範囲にある。
【0041】
合成樹脂が20重量%未満では、溶融物の内部における発泡が不十分となり、発泡体にわずかしか気泡14aが形成されず、発泡体14の硬度が高くなるので、発泡体14のクッション性が著しく低下してしまう。合成樹脂が40重量%を超過すると、紙粉末や澱粉よりも燃焼カロリーが高い合成樹脂の溶融物に対する量が必要以上に多くなり、発泡体14の燃焼カロリーを低下させることができない。
【0042】
紙粉末が60重量%を超過かつ澱粉が30重量%を超過すると、加熱しても流動性を示さない紙粉末と澱粉とが押出機の内部における合成樹脂の流動性を妨げ、押出機の内部において合成樹脂と紙粉末と澱粉とが均一に混合されない場合がある。紙粉末が40重量%未満かつ澱粉が20重量%未満では、発泡体14の重量が増加してしまう。
【0043】
紙粉末は、その粒径が1〜200μmの範囲にあり、その平均粒径が30〜80μmの範囲にある。紙粉末の平均粒径が80μmを超過すると、紙粉末が合成樹脂の中で分散不良を起こし、発泡体14の内部に紙粉末の塊が形成され、発泡体14の強度が低下してしまう。澱粉は、その平均粒径が5〜150μmの範囲にある。
【0044】
発泡体14は、それに含まれる紙粉末や澱粉によってその熱伝導率が低下する。ゆえに、発泡体14は、それの平均厚み寸法L3が1.0〜10.0mmの範囲にあるにもかかわらず、それの熱伝導率を0.035〜0.045W/m・Kの範囲にすることができ、優れた断熱性と保冷性とを有する。発泡体14は、それが紙粉末と澱粉とを含むので、発泡ポリウレタンや発泡ポリスチレンと比較し、焼却時における燃焼カロリーを低下させることができ、焼却時に煤の発生を抑制することができる。また、発泡体14は、低い焼却温度で完全燃焼させることができる。容器1Bは、容器本体2と蓋9との内面に発泡体14が取り付けられているので、容器1Bの熱伝導率を一層低下させることができ、図1の容器1Aよりもその断熱性と保冷性とが向上する。
【0045】
また、この容器1Bでは、発泡体14が緩衝材としても機能するので、容器1Bの運搬時にそれに衝撃が加えられたとしても、その衝撃が収納部6に収納された物品に伝わり難く、たとえ、衝撃が物品に伝わったとしても、その衝撃を低下させることができる。
【0046】
容器1Bでは、発泡体14が容器本体2と蓋9との内面に取り付けられているが、発泡体14が容器本体2と蓋9とのうちの少なくとも容器本体2の内面に取り付けられていればよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る断熱保冷容器によれば、容器本体と蓋とを成形加工の技術を利用して製造することができるので、容器の製造にコストや時間がかかることはない。この容器では、容器本体や蓋の平均厚み寸法が前記範囲にあるにもかかわらず、容器本体や蓋が前記範囲の低い熱伝導率を有するので、優れた断熱性と保冷性とを備え、容器の断熱性と保冷性とを向上させるために、容器本体や蓋の厚み寸法を大きくする必要はない。この容器では、ポリオレフィン系合成樹脂と紙粉末とを混合した混合物から形成されているので、容器の焼却時における燃焼カロリーを低下させることができるとともに、煤の発生を抑制することができ、その焼却時に環境に悪影響を及ぼすことがない。また、この容器は、低い焼却温度で容器を完全燃焼させることができる。
【0048】
容器本体と蓋との内面に発泡体が取り付けられた容器では、容器本体や蓋が前記範囲の低い熱伝導率を有するとともに、発泡体の平均厚み寸法が前記範囲にあるにもかかわらず、発泡体が前記範囲の熱伝導率を有するから、発泡体が取り付けられていない容器よりもその熱伝導率をさらに低下させることができ、容器における断熱性と保冷性とが一層向上する。この容器は、容器本体や蓋の内面に発泡体を取り付けることで、それが優れた断熱性と保冷性とを有するから、容器の断熱性と保冷性とを向上させるために、容器本体や蓋の厚み寸法を大きくする必要はなく、発泡体の厚み寸法を大きくする必要はない。また、この容器では、発泡体が収納部に収納された物品の緩衝材としても機能するので、容器の運搬時にそれに衝撃が加えられたとしても、その衝撃が収納部に収納された物品に伝わり難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 断熱保冷容器の斜視図。
【図2】 図1のA−A線矢視断面図。
【図3】 他の実施の形態を示す断熱保冷容器の部分破断斜視図。
【図4】 図3のB−B線矢視断面図。
【符号の説明】
1A,1B 断熱保冷容器
2 容器本体
3 底壁
4 側壁(周壁)
5 側壁(周壁)
6 物品収納部
8 頂部開口
9 蓋
14 発泡体
L1 厚さ寸法
L2 厚さ寸法
L3 厚さ寸法

Claims (1)

  1. 底壁と前記底壁の周縁から上方へ延びる周壁とから物品収納部が画成された容器本体と、前記容器本体の頂部開口を開閉可能な蓋とを有する断熱保冷容器において、
    前記容器本体の内面と前記蓋の内面とには、内部に多数の気泡を有する発泡体が取り付けられ、前記容器本体と前記蓋とが、ポリオレフィン系熱可塑性合成樹脂25〜80重量%と、塩素および蛍光増白剤を非含有であって30〜80μmの平均粒径を有する紙粉末20〜75重量%とを加熱下に混合した混合物から形成され、前記紙粉末が、前記合成樹脂に略均一に分散し、
    前記発泡体が、前記合成樹脂20〜40重量%と、前記紙粉末40〜60重量%と、5〜150μmの平均粒径を有する澱粉20〜30重量%と、前記合成樹脂と前記紙粉末と前記澱粉とを加熱下に混合した高温溶融物に混入する水とから形成され、前記紙粉末と前記澱粉とが、前記合成樹脂に略均一に分散し、前記水の前記高温溶融物に対する重量比が、10〜30重量%の範囲にあり、前記水が、前記高温溶融物の内部において気化することで該高温溶融物の内部に前記多数の気泡を形成しつつ、該高温溶融物を所与倍率に膨張させ、前記澱粉が、前記気泡を包被する膜を形成し、
    前記容器本体および前記蓋の平均厚さ寸法が、0.8〜5.0mmの範囲、前記発泡体の平均厚さ寸法が、1.0〜10.0mmの範囲にあり、前記容器本体および前記蓋の熱伝導率が、0.2〜0.5W/m・Kの範囲、前記発泡体の熱伝導率が、0.035〜0.045W/m・Kの範囲にあることを特徴とする前記断熱保冷容器。
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