JP2000124530A - パルス電源装置 - Google Patents

パルス電源装置

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JP2000124530A
JP2000124530A JP29643498A JP29643498A JP2000124530A JP 2000124530 A JP2000124530 A JP 2000124530A JP 29643498 A JP29643498 A JP 29643498A JP 29643498 A JP29643498 A JP 29643498A JP 2000124530 A JP2000124530 A JP 2000124530A
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capacitor
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JP29643498A
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Yasuo Kataoka
康夫 片岡
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁化リセット巻線を持つ可飽和リアクトルの
磁気スイッチ動作で負荷にパルス電流を供給する場合、
バイポーラパルス電流を高い繰り返しで供給するのが難
しいし、装置構成が複雑、高価になる。 【解決手段】 半導体スイッチQP,QNの交互のオンで
充電器12で初期充電されるコンデンサC0から可飽和
リアクトルSI0を通してパルストランスPTの二次巻
線にバイポーラパルス電流を発生させる。コンデンサC
1はバイポーラパルス電流で交互に逆極性に充電され、
可飽和リアクトルSI1P,SI1Nはコンデンサの充
電電圧方向に対して一方が阻止状態から磁気スイッチ動
作し他方が導通動作することで負荷14にバイポーラパ
ルス電流を供給する。磁化リセット回路15は、負荷に
パルス電流が供給される毎に、可飽和リアクトルの磁化
リセット巻線の直列回路に同じ極性の磁化リセット電流
を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エキシマレーザ装
置等の負荷に狭幅で大電流のパルスを高い繰り返しで供
給するパルス電源装置に係り、特にバイポーラのパルス
出力を得るための回路構成に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に従来のパルス電源装置の例を示
す。パルス発生回路1は、電力用の初段コンデンサC0
を設け、このコンデンサC0を充電器2により初期充電
しておき、半導体スイッチSWのオン制御でコンデンサ
0から可飽和リアクトルSI0を経て昇圧・磁気パル
ス圧縮回路3の入力段パルストランスPTにパルス電流
0を供給する。可飽和リアクトルSI0は、半導体ス
イッチSWの完全なオン後に飽和することで半導体スイ
ッチSWのスイッチングロスを軽減する磁気アシストに
なる。
【0003】昇圧・磁気パルス圧縮回路3は、パルスト
ランスPTで昇圧したパルス電流I1でコンデンサC1
高圧充電し、このコンデンサC1の充電電圧で可飽和リ
アクトルSI1が磁気スイッチ動作することによりコン
デンサC1からコンデンサC2へ磁気パルス圧縮したパル
ス電流I2を発生させてコンデンサC2を高圧充電し、さ
らにコンデンサC2の充電電圧で可飽和リアクトルSI
2が磁気スイッチ動作することによりコンデンサC2
らエキシマレーザなどの負荷4に磁気パルス圧縮した高
電圧のパルス電流I3を供給する。
【0004】ここで、負荷4は、エキシマレーザを始め
として、電源出力極性がマイナスの高電圧パルス(10
数kV〜数kV)で駆動されるものが多い。この負荷の
回路例を図9の(a)に示し、ピーキングコンデンサC
Pと直列に予備電離電極を設け、ピーキングコンデンサ
がパルス電流で高圧充電されてガスを予備電離し、これ
によりピーキングコンデンサCPから主放電電極に主放
電を得る。
【0005】一方、負荷4として、排気ガスの分解処理
やオゾンの発生などにはギャップ中の放電空間にパルス
が供給されるというものも多くある。この負荷の回路例
を図9の(b)に示し、ピーキングコンデンサCPと放
電電極の直列回路にされる。
【0006】なお、パルス電源の回路構成は、種々のも
のがある。例えば、可飽和リアクトルSI1、SI2と
コンデンサC1、C2の2段縦続回路は、それぞれの段で
磁気パルス圧縮動作によりパルス幅を狭くするもので、
必要に応じて段数を増した構成にされる。また、パルス
トランスPTの部分を可飽和トランスとする構成やパル
ストランスと可飽和トランスの2段構成とするものがあ
る。さらに、半導体スイッチSWに代えて、放電管を用
いたものもある。しかし、いずれの場合もユニポーラ出
力のものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記のようなグロー放
電応用負荷や無声放電応用負荷では無声放電タイプの負
荷形態をとることがあり、この場合、多くは、プラスと
マイナスのバイポーラ極性をもつ高電圧パルスを発生す
るパルス電源を必要とすることが多い。しかし、従来の
パルス電源は、いずれもユニポーラ出力のものである。
この理由を以下に説明する。
【0008】図8に示すパルス電源において、磁気スイ
ッチ動作する可飽和リアクトルSI0,SI1,SI2
自体は、方向性はもたないが、動作時間を一定にしかつ
その磁性体がもつ電圧時間積(オフ動作時間に相当)を
最大限に得るため、磁化方向が一方向に飽和するまで磁
化させておく。このため、可飽和リアクトルSI0,S
I1,SI2にはリセット巻線を設け、この巻線にリセ
ット電流を供給できる磁化リセット回路MR0〜MR2
を設け、半導体スイッチSWをオンさせる前にリセット
電流を供給して各可飽和リアクトルSI0,SI1,S
I2を磁化リセットしておく。
【0009】ここで、パルス電源をバイポーラ出力とす
るには、パルス発生回路1のパルス出力を交互に反転さ
せ、可飽和リアクトルSI0,SI1,SI2の磁化リ
セット電流の方向を交互に反転させることで、パルス電
流に対して可飽和リアクトルの電圧阻止方向を反転させ
ておき、磁気パルス圧縮したバイポーラ出力を得ること
ができる。
【0010】しかしながら、磁化リセット回路MR0〜
MR2は、可飽和リアクトルの電圧阻止動作時間中に変
圧器作用によってリセット巻線に誘起される高電圧が印
加されるため、電圧ブロッキング用に大きなインダクタ
ンスをもつコイルを設けるのが一般的である。このコイ
ルの介在により、パルス電源をバイポーラ出力とするの
に、短い周期でリセット電流の方向を交互に反転させる
ことができなくなり、結果的に高い繰り返し動作を制約
してしまう。
【0011】この課題を解消するには、パルス発生回路
1と昇圧・磁気パルス圧縮回路3を2回路設け、この2
回路から負荷4に交互に逆極性のパルス電流を供給する
ことが考えられるが、回路構成が複雑になるし、2倍以
上の高コストの装置構成になる。また、2回路の同期制
御も複雑になる。
【0012】本発明の目的は、磁化リセット回路をもつ
可飽和リアクトルを磁気スイッチ手段とするパルス電源
において、バイポーラパルス電流を高い繰り返しで発生
でき、しかも比較的簡単な回路構成にできるパルス電源
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、パルス発生回路はプッシュプル回路に構
成し、この出力を一次巻線に中間タップをもつパルスト
ランスに供給することでその二次出力にバイポーラパル
ス電流を得る。また、パルストランスの二次側のコンデ
ンサと負荷との間に互いに逆方向に磁化リセットしてお
く一対の可飽和リアクトルを設けることでバイポーラパ
ルス電流に対して一方が磁気スイッチ動作し、他方が導
通動作するようにし、磁化リセット回路では磁化リセッ
ト電流方向を交互に反転させることなく同じ極性のリセ
ット電流を供給して両可飽和リアクトルを互いに逆方向
に磁化リセットしておくようにしたもので、以下の構成
を特徴とする。
【0014】負荷に高い繰り返しでバイポーラパルス電
流を供給するパルス電源装置であって、初期充電される
コンデンサから昇圧・磁気パルス圧縮回路の中間タップ
付きパルストランスの一次巻線を通して一対の半導体ス
イッチに接続し、この一対の半導体スイッチを互いに逆
位相でスイッチ動作させて該パルストランスの二次巻線
にバイポーラパルス電流を発生させるパルス発生回路
と、前記パルストランスの二次巻線のバイポーラパルス
電流出力で交互に逆極性に充電されるコンデンサと、こ
のコンデンサと負荷との間に設けられ、該コンデンサの
充電電圧方向に対して一方が阻止状態から磁気スイッチ
動作し他方が導通動作する方向に磁化リセットされる一
対の可飽和リアクトルを設けた昇圧・磁気パルス圧縮回
路と、前記一対の可飽和リアクトルが磁気スイッチ動作
する毎に該一対の可飽和リアクトルの磁化リセット巻線
に磁化リセット電流を供給し、この磁化リセット電流は
同じ極性にして該一対の可飽和リアクトルを互いに逆方
向に磁化リセットする磁化リセット回路とを備えたこと
を特徴とする。
【0015】また、前記半導体スイッチは、互いの導通
方向を逆にしたダイオードを並列に設けた構成とし、負
荷の放電後の残留エネルギーを該ダイオードの導通で前
記パルス発生回路のコンデンサの充電電荷として回生す
ることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態を示す
回路図である。パルス発生回路11は、プッシュプル回
路に構成され、充電器12によって初期充電されるコン
デンサC0から可飽和リアクトルSI0及び昇圧・磁気
パルス圧縮回路13のパルストランスPTの一次巻線を
通して2つの半導体スイッチQP,QNに接続し、半導体
スイッチQP,QNが互いに逆位相でスイッチ動作するこ
とで昇圧トランスPTにはバイポーラパルス電流を発生
させる。半導体スイッチQP,QNにはそれらと逆の導通
方向にしたダイオードDN,DPが並列接続される。
【0017】昇圧・磁気パルス圧縮回路13のパルスト
ランスPTは、一次巻線を同じ巻数N1をもつ中間タッ
プ付きとし、半導体スイッチQP,QNのスイッチ動作に
対して巻数N2の二次巻線には同じ電圧レベルの昇圧バ
イポーラパルス出力を得る。パルストランスPTの二次
巻線に並列のコンデンサC1はバイポーラパルス電流で
交互に逆極性に充電される。
【0018】コンデンサC1は、その容量と耐電圧は負
荷に対するエネルギー注入効率が高くなるように選定さ
れる。半導体スイッチQP,QNは、概ね次の式を満足す
るように決定される。
【0019】 QP,QNの耐電圧≧C0の最高充電電圧×2 また、コンデンサC0とC1の関係は、C0からC1への転
送効率が最大になるように、C0≒(N2/N1)2×C
1の関係を持たせる。
【0020】半導体スイッチQP,QNは、コンデンサC
0からC1への電荷転送終了後、直ちにターンオフさせ
る。その転送時間は、回路定数と部品の幾何学的配置か
ら一意に決定されるが、可飽和リセットSI0が介在す
るため、半導体スイッチQP,QNにオンゲート信号を印
加してからコンデンサC0からC1への転送が開始される
までの時間がコンデンサC0の充電電圧によって変化す
る。このため、オフゲート信号に切り替えるタイミング
を固定することができない。そこで、コンデンサC0
らC1への転流電流あるいはその分流電流を電流センサ
で検出し、この検出信号を利用することで、半導体スイ
ッチQP,QNの制御回路ではオンゲート信号からオフゲ
ート信号への切り替えを行うことができる。
【0021】次に、コンデンサC1と負荷14との間に
は直列接続の一対の可飽和リアクトルSI1N,SI1
Pを設ける。この可飽和リアクトルSI1N,SI1P
はその磁化リセットの方向が互いに逆にされる。
【0022】磁化リセット回路15は、直流電源ERST
から電流制限用抵抗RRST及び電圧ブロッキング用コイ
ルLRSTを備え、可飽和リアクトルSI0,SI1N,
SI1Pが磁気スイッチ動作する毎に各リセット巻線の
直列回路に磁化リセット電流を常に同じ極性で供給す
る。このとき、可飽和リアクトルSI1N,SI1Pを
互いに逆方向に磁化リセットする。
【0023】可飽和リアクトルSI0,SI1P,SI
1Nの近傍に記した太線の矢印の方向は、磁化リセット
電流によって磁化される方向を示しており、矢印の方向
は電気的特性で言うと低インピーダンス状態に、反対方
向に対しては高インピーダンス状態になる。
【0024】ここで、負荷14として次の2種類を考え
る。1つ目はエキシマレーザなどパルス励起レーザに代
表されるグロー放電応用負荷で、回路は図9の(a)に
示すようにピーキングコンデンサと予備電離電極および
主放電電極から成る。もう一つの負荷は、図9の(b)
に示すようにガスの分解・合成で用いられる無声放電応
用負荷である。
【0025】どちらのケースの負荷にしても、注入され
たパルスエネルギーの全てが消費されることはなく、残
りは、電源側に戻ってくる。しかし、両者の負荷では戻
るときの電圧の極性が異なる。以下、それぞれの負荷の
場合で本実施形態の動作を個別に説明する。
【0026】(1)グロー放電応用負荷の場合 図1において、コンデンサC0は充電器12によって図
示の状態に初期充電される。この状態で、半導体スイッ
チQPをオンさせると、可飽和リアクトルSI0が初期
には電流をブロックしているが、やがてコンデンサC0
の電圧で反対極性に磁化され飽和すると、磁気スイッチ
動作で低インピーダンス状態に変化する。
【0027】これにより、コンデンサC0から可飽和リ
アクトルSI0→パルストランスPTの一次巻線→PT
の二次巻線に電流が流れ、コンデンサC0からC1へ電荷
が転送される。このとき、コンデンサC1の電圧は、P
Tの巻数比N2/N1で昇圧され、その極性は上部が正
の方向に充電される。コンデンサC1への電荷転送中
は、可飽和リアクトルSI1Pが負荷14に電荷が転送
されるのを阻止する。このとき、コンデンサC1からC0
への逆転送動作を可飽和リアクトルSI0が阻止する。
【0028】コンデンサC1の電圧によって可飽和リア
クトルSI1Pが元の矢印の向きと逆方向に磁化され飽
和すると、コンデンサC1から可飽和リアクトルSI1
N,SI1Pを通して負荷14に電荷(エネルギー)が
転送される。そして、負荷14の主放電電極で放電を起
こすと、その放電インピーダンスが低いため、負荷電圧
は反転し、電荷はコンデンサC1に転送される。当然、
コンデンサC1電圧は、最初のときと逆極性になる。
【0029】この時点では半導体スイッチQPをオフさ
せているので、パルストランスPTの一次側には図2に
示すような短絡ループ電流は流れない。そして、コンデ
ンサC1の逆極性の電圧でSI0の磁化方向が元の方向
に飽和すると、図3に示すように、パルストランスPT
の一次側の中性点→SI0→C0→ダイオードDNのルー
プで電流が流れ、負荷14の放電後の残留エネルギーを
コンデンサC1からC0へ転送され、残留エネルギーの回
生を得る。これで正極性のパルス発生の一連の動作が終
了する。
【0030】この後、次のパルス発生に備えて、コンデ
ンサC0に不足分の電圧を充電器12で充電すると同時
に、SI0,SI1P,SI1Nの磁化状態を磁化リセ
ット回路15で初期状態に戻す。
【0031】次に、半導体スイッチQNをオンさせる
と、正極性のパルス発生時と同様に、可飽和リセットS
I0が初期に電流をブロックしているが、やがてコンデ
ンサC0電圧で反対極性に磁化され飽和し、低インピー
ダンス状態に変化し、電流が流れ、コンデンサC0から
1へ電荷が転送される。このとき、コンデンサC1の電
圧の極性は上部が負の方向に充電される。コンデンサC
1への転送中は、可飽和リアクトルSI1Nが負荷14
に電荷が転送されるのを阻止する。
【0032】コンデンサC0→C1への電荷転送終了後、
1→C0への逆転送動作は、前記の場合と同じく可飽和
リアクトルSI0が阻止する。コンデンサC1の電圧に
よって可飽和リアクトルSI1Nが元の矢印の向きと逆
方向に磁化され飽和すると、コンデンサC1から負荷に
電荷(エネルギー)が転送される。そして、負荷14の
主放電電極で放電を起こすと,その放電インピーダンス
が低いため、負荷電圧は反転し、電荷はコンデンサC1
に転送される。当然、コンデンサC1の電圧は,最初の
ときと逆極性になる。
【0033】この時点では半導体スイッチQNをオフさ
せているので、パルストランスPTの一次側には図4に
示すような短絡ループ電流は流れない。そして、可飽和
リアクトルSI0の磁化方向が元の状態に飽和すると、
図5に示すように、パルストランスPTの一次側の中性
点→SI0→C0→ダイオードDPのループで電流が流
れ、コンデンサC1からC0へ残留エネルギーが回生され
る。これで負極性のパルス発生の一連の動作が終了す
る。
【0034】(2)無声放電応用負荷の場合 負荷14にパルスエネルギーが注入されるまでの動作は
同じなので、そこまでの説明は省略する。無声放電電極
で放電を起こしても,負荷14では図9の(b)に示す
ように直列にピーキングコンデンサCPが入っているた
め負荷端の電圧は反転しないで残留電圧となる。この電
圧で、可飽和リアクトルSI1Pが反対方向に磁化され
飽和すると、コンデンサC1に電荷が転送される。
【0035】このとき、半導体スイッチQNをオフ状態
であるため、パルストランスPTの一次側には図4に示
すような短絡ループ電流は流れない。そして、可飽和リ
アクトルSI0の磁化方向が左向きに飽和すると、図5
に示すように、PTの一次側の中性点→SI0→C0
ダイオードDPのループで電流が流れ、コンデンサC
からCへエネルギーが転送される。これで正極性のパ
ルス発生の一連の動作が終了する。
【0036】次の負極性パルスを出力する一連の動作
は、これまでの記述から容易に推察されるため、その説
明を省略する。
【0037】以上のとおり、本実施形態によれば、半導
体スイッチQP,QNの交互のオンによりパルストランス
PTにバイポーラパルス電流を発生し、グロー放電応用
負荷あるいは無声放電応用負荷にバイポーラパルス電流
を供給することができる。
【0038】そして、可飽和リアクトルSI0,SI1
N,SI1Pが磁気スイッチ動作する毎にそれらに供給
する磁化リセット電流は同じ極性で済むため、磁化リセ
ット回路15には磁化リセット電流を交互に反転するこ
とを必要としない。このため、磁化リセット回路15で
は電圧ブロッキング用コイルLRSTには大きいインダク
タンスのものを使用しならが、kHZオーダの高い繰り
返しのバイポーラパルス電流の発生にも高い繰り返しで
確実に磁化リセットができる。
【0039】また、半導体スイッチQP,QNには、互い
の導通方向を逆にしたダイオードDP,DNを並列に設け
ることにより、負荷の放電後の残留エネルギーを該ダイ
オードの導通でコンデンサC0の充電電荷として回生す
ることができる。
【0040】また、装置構成としては、バイポーラパル
ス電流を発生するために2つのパルス電源を用意するも
のに比べて、必要回路素子数を低減することができる
し、半導体スイッチや磁化リセット回路の制御も簡単に
なる。
【0041】図6は、本発明の他の実施形態を示す回路
図である。同図が図1と異なる部分は、コンデンサC1
の両端と負荷14との間に可飽和リアクトルSI1P,
SI1Nを設け、パルストランスPTからのプッシュプ
ル出力によりコンデンサC1の充電極性が交互に変化す
るのに対して、可飽和リアクトルSI1P,SI1Nの
一方が阻止方向で他方が低インピーダンス方向に磁化リ
セットされる。
【0042】図1の場合は、出力の一端を接地する負荷
に適した回路であるが、本実施形態では負荷14が浮い
た状態の出力に適する回路となっている。本実施形態の
動作については、これまでの記述と同等になりその説明
を省略する。
【0043】また、図1又は図6に示す回路では、共に
磁気パルス圧縮段が1段の場合を示すが、図7に示すよ
うに、必要な出力エネルギーや出力パルス幅に応じて、
コイルC1〜Cnと可飽和リアクトルSI1P〜SIn
Nによる複数段の磁気パルス圧縮回路を設けたパルス電
源装置に適用して同等の作用効果を得ることができる。
同図では磁化リセット回路を省略して示す。
【0044】また、磁化リセット回路は、コンデンサC
0専用の回路と、一対の可飽和リアクトルSI1N,S
I1P又は磁気パルス圧縮回路の全部の可飽和リアクト
ルSI1P〜SInNに一括して磁化リセット電流を同
じ方向で供給する回路とに分離構成することができる
し、磁気アシスト用の可飽和リアクトルSI0を省略し
た構成のものに適用できる。また、一対の可飽和リアク
トルSI1N,SI1Pの磁化リセット巻線は直列接続
するに限らず、磁化リセット回路から個別に逆極性のリ
セット電流を供給する接続構成にできる。
【0045】このような構成においても、電圧ブロッキ
ング用コイルを大きいインダクタンスにして高い繰り返
しのバイポーラパルス電流を発生させることができる。
【0046】なお、各実施形態において、例えば、一対
の可飽和リセットSI1N,SI1Pの磁化リセット巻
線を直列接続して互いに逆方向の磁化を行う構成では、
変圧器作用によって磁化リセット巻線に発生する高い電
圧を両巻線間で相殺することができ、コイルLRSTのイ
ンダクタンスを小さくした電圧ブロッキングができ、結
果的にバイポーラパルス電流周期を一層高めることがで
きる。
【0047】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、パルス
発生回路はプッシュプル回路に構成してパルストランス
にバイポーラパルス電流を得、パルストランスの二次側
のコンデンサと負荷との間に互いに逆方向に磁化リセッ
トしておく一対の可飽和リアクトルを設けることでバイ
ポーラパルス電流に対して一方が磁気スイッチ動作し、
他方が導通動作するようにし、磁化リセット回路では同
じ極性の磁化リセット電流を供給して両可飽和リアクト
ルを互いに逆方向に磁化リセットしておくようにしたた
め、磁化リセットに高速動作を得ることでバイポーラパ
ルス電流を高い繰り返しで発生でき、しかも比較的簡単
な回路構成にできる。
【0048】また、半導体スイッチQP,QNには、互い
の導通方向を逆にしたダイオードDP,DNを並列に設け
ることにより、グロー放電応用負荷あるいは無声放電応
用負荷の放電後の残留エネルギーをパルス発生回路のコ
ンデンサC0の充電電荷として回生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すパルス電源回路図。
【図2】実施形態において半導体スイッチQPがループ
電流の発生を阻止する状態。
【図3】実施形態における余剰エネルギーの回生状態。
【図4】実施形態において半導体スイッチQNがループ
電流の発生を阻止する状態。
【図5】実施形態における余剰エネルギーの回生状態。
【図6】本発明の他の実施形態を示すパルス電源回路
図。
【図7】本発明の他の実施形態を示すパルス電源回路
図。
【図8】従来のパルス電源例。
【図9】負荷の回路例。
【符号の説明】
1、11…パルス発生回路 2…充電器 3、13…昇圧・磁気パルス圧縮回路 4、14…負荷 MR0〜MR2、15…磁化リセット回路 QP,QN…半導体スイッチ SI0,SI1,SI2、SI1P〜SInN…可飽和
リアクトル C0、C1〜Cn…コンデンサ LRST…電圧ブロッキング用コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷に高い繰り返しでバイポーラパルス
    電流を供給するパルス電源装置であって、 初期充電されるコンデンサから昇圧・磁気パルス圧縮回
    路の中間タップ付きパルストランスの一次巻線を通して
    一対の半導体スイッチに接続し、この一対の半導体スイ
    ッチを互いに逆位相でスイッチ動作させて該パルストラ
    ンスの二次巻線にバイポーラパルス電流を発生させるパ
    ルス発生回路と、 前記パルストランスの二次巻線のバイポーラパルス電流
    出力で交互に逆極性に充電されるコンデンサと、このコ
    ンデンサと負荷との間に設けられ、該コンデンサの充電
    電圧方向に対して一方が阻止状態から磁気スイッチ動作
    し他方が導通動作する方向に磁化リセットされる一対の
    可飽和リアクトルを設けた昇圧・磁気パルス圧縮回路
    と、 前記一対の可飽和リアクトルが磁気スイッチ動作する毎
    に該一対の可飽和リアクトルの磁化リセット巻線に磁化
    リセット電流を供給し、この磁化リセット電流は同じ極
    性にして該一対の可飽和リアクトルを互いに逆方向に磁
    化リセットする磁化リセット回路とを備えたことを特徴
    とするパルス電源装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体スイッチは、互いの導通方向
    を逆にしたダイオードを並列に設けた構成とし、負荷の
    放電後の残留エネルギーを該ダイオードの導通で前記パ
    ルス発生回路のコンデンサの充電電荷として回生するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のパルス電源装置。
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