JP2000123986A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

放電灯点灯装置

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JP2000123986A
JP2000123986A JP29421698A JP29421698A JP2000123986A JP 2000123986 A JP2000123986 A JP 2000123986A JP 29421698 A JP29421698 A JP 29421698A JP 29421698 A JP29421698 A JP 29421698A JP 2000123986 A JP2000123986 A JP 2000123986A
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capacitor
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transformer
filament
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JP29421698A
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Takashi Kanda
隆司 神田
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トランスを用いることによってインバータ回路
の出力電圧を昇圧しながらも比較的少ない部品点数で構
成し、小型化かつ低コスト化を可能とする。 【解決手段】整流器DBの出力端間にダイオードD1を
介して平滑コンデンサC0が接続される。インバータ回
路INVは平滑コンデンサC0を電源として高周波電圧
を発生させる。インバータ回路INVにおける高周波電
圧の発生部位とダイオードD1のアノードとの間にコン
デンサCinが接続され、交流電源ACからの電流が流
れ込む状態と平滑コンデンサC0を充電する状態とが高
周波で交互に繰り返される。共振回路はインダクタL1
とコンデンサC3と昇圧トランスT1の1次巻線との直
列回路を含むとともに、昇圧トランスT1の2次巻線に
接続した放電灯LaとコンデンサC2との並列回路を含
み、昇圧トランスT1の励磁インダクタンスを共振要素
として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電灯を高周波で
点灯させる放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、商用電源のような交流電源を入
力電源として放電灯を高周波で点灯させる放電灯点灯装
置では、交流から直流に電力変換した後に、直流から高
周波に電力変換する構成を採用したものが多い。このよ
うな構成では、交流から直流に変換する際に平滑コンデ
ンサを用いることが多いが、平滑コンデンサは交流電源
電圧のピーク値付近でしか充電されないから、交流電源
から放電灯点灯装置への入力電流に休止期間が生じて入
力電流波形の包絡線が正弦波状にならず、入力電流の高
調波歪が増加するという問題が生じる。
【0003】入力電流の高調波歪を低減する技術として
は、平滑回路をチョークインプット型の構成とし、チョ
ークコイルとしてインダクタンスの大きいものを用いる
技術が従来から知られているが、この構成ではチョーク
コイルとして大型のインダクタが必要になるから、放電
灯点灯装置が大型化し、またコスト増につながるという
問題がある。
【0004】一方、チョークインプット型の平滑回路に
代えてチョッパ回路を用いて平滑することが考えられて
おり、この構成を採用すれば、チョッパ回路に用いるス
イッチング素子の動作周波数に応じた高周波の入力電流
を流して入力電流の高調波歪を低減させることが可能に
なる。つまり、交流電源の電圧波形の1周期内のほぼ全
期間に亘って入力電流を高周波的に流すようにし、スイ
ッチング素子の動作周波数程度の高周波を阻止するフィ
ルタを交流電源とチョッパ回路との間に設けることで、
交流電源からの入力電流をほぼ連続させることが可能に
なるのである。しかしながら、チョッパ回路を設ける
と、部品点数が増加して放電灯点灯装置が大型化したり
高コストになったりするという問題が生じる。
【0005】この種の問題を解決するために、図7に示
す構成が提案されている(特開平9−92484号公報
の従来例参照)。この回路は、直流から高周波への電力
変換を行うインバータ回路INVで生じる高周波電圧を
利用してコンデンサCinを充放電させることにより、
交流電源ACからの入力電流の引き込みと、平滑コンデ
ンサC0の充電とを高周波的に行うようにしたものであ
る。
【0006】この回路についてさらに詳しく説明する。
交流電源ACは高周波阻止用のフィルタFLを通して整
流器DBに入力され全波整流される。整流器DBの直流
出力端間にはダイオードD1を介して平滑コンデンサC
0が接続され、この平滑コンデンサC0が直流から高周
波への電力変換を行うインバータ回路INVの電源にな
っている。
【0007】インバータ回路INVは、平滑コンデンサ
C0の両端間に接続された一対のスイッチング素子Q
1,Q2の直列回路を備え、両スイッチング素子Q1,
Q2の接続点にはカプリングコンデンサCcを介して共
振用のインダクタL1が接続され、カプリングコンデン
サCcとインダクタL1との直列回路に負荷としての放
電灯Laを直列接続した直列回路がスイッチング素子Q
2に並列接続されている。また、放電灯Laは蛍光灯の
ようにフィラメントを備え、両フィラメントの非電源側
端間にはインダクタL1とともに共振回路を構成するコ
ンデンサC1が接続される。コンデンサC1はフィラメ
ントに予熱電流を流す際の電流経路としても機能する。
図示するインバータ回路INVでは、両スイッチング素
子Q1,Q2にMOSFETを用いており、各スイッチ
ング素子Q1,Q2は図示しないボディダイオードを備
えている。また、スイッチング素子Q1,Q2は制御回
路CNによって交流電源ACの電源周波数よりも十分に
高い周波数で交互にオンオフされる。したがって、この
インバータ回路INVはハーフブリッジ型のインバータ
回路として動作し、放電灯Laに高周波電圧を印加する
ことになる。
【0008】インバータ回路INVにおいて高周波電圧
が発生している箇所のうち点Aと、上述したダイオード
D1の整流器DB側の一端との間にはインピーダンス素
子としてコンデンサCinが接続される。このコンデン
サCinは、点Aの電位VAの変化に応じて整流器DB
からの出力電流によって充電される状態と、電荷を放電
して平滑コンデンサC0を充電する状態とを交互に繰り
返す。つまり、電位VAが整流器DBの出力電圧よりも
低い期間には、整流器DBの出力電圧と電位VAとの差
の電圧がコンデンサCinに印加され、整流器DBから
コンデンサCinに充電電流が流れる。この期間におい
て整流器DBに入力電流が流れることになる。一方、電
位VAが上昇して電位VAとコンデンサCinの端子電
圧との加算電圧が平滑コンデンサC0の端子電圧に達す
ると、ダイオードD1が導通してコンデンサCinの電
荷が放電され、平滑コンデンサC0が充電される。
【0009】電位VAは接地点の電位に対して正負両極
性に変化するから、整流器DBの出力電圧波形の1周期
内のほぼ全期間に亘ってコンデンサCinの充放電が繰
り返されることになり、結果的に整流器DBへの入力電
流は高周波的に流れることになる。フィルタFLは高周
波成分を阻止するから、交流電源ACからフィルタFL
に流れ込む入力電流はほぼ連続した波形となり、入力電
流の高調波歪を抑制することができるのである。なお、
この回路では予熱時、始動時、定格点灯時においてスイ
ッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を変化さ
せるようになっている。
【0010】このように、インバータ回路INVを構成
する部品に加えて、ダイオードD1とコンデンサCin
とを追加する程度の簡単な構成で入力電流の高調波歪を
抑制することができるから、放電灯点灯装置の大型化や
コスト増を招くことなく高調波歪を抑制することができ
るのである。
【0011】ところで、上述した放電灯点灯装置は、定
常負荷時(つまり放電灯Laの定格点灯時)に平滑コン
デンサC0の端子電圧が適正値になるように設計されて
いる。一方、たとえば放電灯Laの予熱時や始動時ある
いは調光時のような軽負荷時には、インバータ回路IN
Vへの入力電力が定常負荷時よりも減少するが、電位V
Aは振動しておりコンデンサCinの充放電は継続して
いるから、平滑コンデンサC0にはコンデンサCinか
ら電荷が蓄積され続け、インバータ回路INVへの入力
電力が減少した分だけ平滑コンデンサC0に充電される
電荷に余剰が生じることになる。つまり、平滑コンデン
サC0の端子電圧が定常負荷時よりも上昇することにな
る。
【0012】このような軽負荷時の平滑コンデンサC0
の端子電圧の上昇に対してインバータ回路INVが破壊
されないようにするには、インバータ回路INVの構成
部品に高耐圧のものが必要になるから、結果的に放電灯
点灯装置の大型化やコスト増につながるという問題が生
じる。
【0013】そこで、特開平9−92484号公報に記
載された発明では、この問題を解決するために、図8に
示す回路構成が提案されている。図7に示した回路構成
では、コンデンサCinを充電するように流れる入力電
流は、その動作から明らかなように、点Aの電位VAの
ピーク値(つまり振幅)を小さくすれば減少させること
ができる。しかしながら、点Aは放電灯Laの一端であ
るから、軽負荷時におけるランプ電圧の上昇に伴って電
位VAの振幅が定常負荷時よりも大きくなる。このよう
に、軽負荷時における電位VAに対する要求と、図7の
回路構成における電位VAの動作とは相反しているが、
図8に示す回路構成では図7の回路構成における共振回
路の構成を変更することによって、軽負荷時における電
位VAに対する要求を満たすようにしている。
【0014】すなわち、カプリングコンデンサCcとイ
ンダクタL1との直列回路にコンデンサC1を直列接続
し、カプリングコンデンサCcとインダクタL1とコン
デンサC1との直列回路をスイッチング素子Q2に並列
接続してある。また、コンデンサC1の両端間にインダ
クタL2と放電灯Laとの直列回路を接続し、さらに放
電灯Laの両フィラメントの非電源側端間にコンデンサ
C2を接続してある。つまり、図7に示す回路構成に対
して、インダクタL2とコンデンサC2とを追加した構
成になっている。また、図7に示した回路構成において
放電灯Laに並列に接続していたコンデンサC1をカプ
リングコンデンサCcとインダクタL1とに直列接続し
てあり、このコンデンサC1の一端である点Aにコンデ
ンサCinの一端を接続してある。
【0015】しかして、図8に示した回路構成における
放電灯Laを含む共振回路の等価回路は図9のようにな
る。図9におけるインダクタLr1,Lr2はインダク
タL1,L2に相当し、コンデンサCr2はコンデンサ
C2に相当する。また、抵抗Rlaは放電灯Laの抵抗
成分であり、コンデンサCaは点Aから見た等価容量で
ある。この等価回路について点Aの電位VAの振幅Vp
とランプ電圧Vlaとについて正規化した値の周波数特
性を図10(a)(b)にそれぞれ示す。図10におい
て実線は定常負荷時を示し、破線は軽負荷時を示してい
る。また、電位VAの振幅Vpのディップ点の周波数f
r2は、次式で表される。 fr2=1/2π(Lr2・Cr2)1/2 そこで、予熱や始動のような軽負荷時には周波数fr2
の近傍の周波数でインバータ回路INVを動作させると
(図10(b)に予熱Prおよび始動Stの動作点を示
している)、点Aの電位VAの振幅Vpを0に近付ける
ことができる。つまり、インバータ回路INVのスイッ
チング周波数を図10に斜線部で示す範囲内で設定すれ
ば、軽負荷時における点Aの電位VAの振幅Vpを定常
負荷時における振幅Vpよりもつねに小さくすることが
でき、また、軽負荷時のランプ電圧Vlaを定常負荷時
よりも高くすることができる。このようにして、図8に
示す回路構成を採用すれば、軽負荷時に電位VAの振幅
Vpを定常負荷時よりも引き下げることができるから、
軽負荷時における平滑コンデンサC0の端子電圧の上昇
を抑制することが可能になり、結果的にインバータ回路
INVの構成部品に耐圧の比較的低いものを用いること
ができ、コスト増を抑制することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では同
等ワット数の従来型のランプよりも管径が細く、かつラ
ンプ電流が相対的に小さくランプ電圧が相対的に高い放
電灯(蛍光灯)が提供されている。この種の放電灯は従
来型の放電灯に比較するとランプ効率が高く、結果的に
省資源、省エネルギにつながるものである。
【0017】インバータ回路INVの構成部品として高
耐圧のものを用いずに、このようなランプ電圧の高い放
電灯を確実に始動させかつ安定に点灯させるには、図1
1に示すように、昇圧トランスT1を用いることが考え
られる。つまり、図8に示す回路構成であれば、インダ
クタL2と放電灯Laとの間に昇圧トランスT1を設け
ることが考えらる。
【0018】しかしながら、上述したように、軽負荷時
における平滑コンデンサC0の端子電圧の上昇を抑制す
るために図7の回路構成に対して、インダクタL2およ
びコンデンサC2を追加した上に、放電灯Laに印加す
る電圧を高めるために昇圧トランスT1を追加したので
は、部品点数が増加することになる。つまり、入力電流
の高調波歪を低減しながらも部品点数の削減を図るため
に図7の構成を採用したにもかかわらず、上述のような
理由で部品点数が増加すると、小型化や低コスト化を妨
げることになる。
【0019】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、トランスを用いることによってイン
バータ回路の出力電圧を昇圧しながらも部品点数が比較
的少なく、小型化かつ低コスト化が可能な放電灯点灯装
置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、交流
電源を整流する整流器と、前記整流器の出力端間にダイ
オードを介して接続された平滑コンデンサと、平滑コン
デンサを電源として高周波電圧を発生させ共振回路を通
して放電灯に電力供給する出力周波数可変のインバータ
回路と、インバータ回路における高周波電圧の発生部位
と前記ダイオードよりも交流電源寄りの部位との間に接
続された帰還用のインピーダンス要素とを備え、前記共
振回路は共振用のインダクタと第1のコンデンサと昇圧
トランスの1次巻線との直列回路を含むとともに、昇圧
トランスの2次巻線に接続した放電灯と第2のコンデン
サとの並列回路を含み、昇圧トランスのインダクタンス
成分を共振要素として用いるものであって、この構成に
よれば、昇圧トランスのインダクタンス成分を用いて共
振回路を構成するから、インバータ回路の出力を昇圧ト
ランスによって昇圧しながらも、軽負荷時に帰還量を低
減させるためのインダクタを削減することができるか
ら、部品点数の増加を抑制することができる。その結
果、入力電流の高調波歪が少なく、かつランプ電圧の高
い放電灯を確実に始動させ、安定点灯させる構成を、耐
圧の比較的低い部品を用いて実現しながらも、小型化か
つ低コスト化が可能になるのである。
【0021】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、第1および第2のコンデンサと昇圧トランスと放電
灯とにより構成される共振回路のインピーダンスが軽負
荷時に小さくなるようにインバータ回路の出力周波数を
設定し、前記インピーダンス要素を通して帰還される帰
還量を定常負荷時よりも低減するものである。この構成
によれば、軽負荷時に帰還量が定常負荷時よりも低減さ
れるから、軽負荷時における平滑コンデンサの端子電圧
の上昇を抑制することができ、結果的にインバータ回路
の構成部品に耐圧の高い部品を用いる必要がなく、小型
かつ低コストで実現することができる。
【0022】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記放電灯がフィラメントを備え、第2のコンデン
サが昇圧トランスの2次巻線にフィラメントを介して接
続されているものである。
【0023】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、前記放電灯がフィラメントを備え、インバータ回路
の出力から前記フィラメントに予熱電力を供給する予熱
回路を備えるものである。
【0024】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、前記放電灯がフィラメントを備え、第3のコンデン
サと第2のインダクタとの直列回路が昇圧トランスの2
次巻線にフィラメントを介して接続されているものであ
る。
【0025】請求項6の発明は、請求項4または請求項
5の発明において、予熱時のインバータ回路の出力周波
数付近で予熱電流が極大となるように定数が設定されて
いるものである。
【0026】請求項4ないし請求項6の発明では、予熱
電流を十分に流しながらも、放電灯の点灯時にはフィラ
メントに流れる電流を低減させることが可能であり、フ
ィラメントに不要な電流を流すことを防止でき、結果的
にフィラメントの寿命が長くなる。また、請求項5の発
明のように放電灯のフィラメントを介して共振回路の構
成部品を接続している構成では、放電灯が外れたときに
共振状態が大きく変化するから、放電灯が外れたことを
検出する回路を容易に実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本実施形態
は、図1に示すように、図11に示した従来構成におけ
るインダクタL2に代えてコンデンサC3(第1のコン
デンサ)を接続したものである。また、昇圧トランスT
1として、励磁インダクタンスが共振に寄与する程度に
小さいものを用いている。他の構成は図11に示した回
路構成と同様であって、同機能の部材には同符号を付し
てある。なお、特許請求の範囲における第1のインダク
タはインダクタL1に相当し、第2のコンデンサはコン
デンサC2に相当するものである。
【0028】この回路構成では、昇圧トランスT1の励
磁インダクタンスをインバータ回路INVの動作周波数
付近での共振に寄与する程度に小さく設定しているか
ら、この励磁インダクタンスとコンデンサC2とによる
共振回路が構成される。つまり、インダクタL2を用い
る必要がなく、インダクタL2に比較すると小型かつ低
コストであるコンデンサC3を設けた構成であるから、
図11に示した回路構成に比較すると小型化かつ低コス
ト化が可能になる。また、昇圧トランスT1がコンデン
サC2とともに共振回路を構成することによって、軽負
荷時における平滑コンデンサC0の端子電圧の上昇が抑
制される。
【0029】本実施形態における共振回路の等価回路を
図2に示す。図2におけるインダクタLr2は昇圧トラ
ンスT1の励磁インダクタンスであって、コンデンサC
r2は昇圧トランスT1の1次側から見たコンデンサC
2の等価キャパシタンスである。ここに、コンデンサC
r2は、昇圧トランスT1の1次巻線と2次巻線との巻
数をそれぞれn1,n2とすると、Cr2=(n2/n
1)1/2 C2と表すことができる。
【0030】図2に示す等価回路について点Aの電位V
Aの振幅Vpとランプ電圧Vlaとについて正規化した
値の周波数特性を図3(a)(b)にそれぞれ示す。図
3において実線は定常負荷時を示し、破線は軽負荷時を
示している。また、電位VAの振幅Vpのディップ点の
周波数fr2は、次式で表される。 fr2=1/2π{Lr2(Cr2+Cr3)}1/2 動作については図8に示した従来構成と同様であって、
予熱や始動のような軽負荷時には周波数fr2の近傍の
周波数でインバータ回路INVを動作させると(図3
(b)に予熱Prおよび始動Stの動作点を示してい
る)、点Aの電位VAの振幅Vpを0に近くすることが
できる。つまり、インバータ回路INVのスイッチング
周波数を図3に斜線部で示す範囲内で設定すれば、軽負
荷時における点Aの電位VAの振幅Vpを定常負荷時に
おける振幅Vpよりもつねに小さくすることができ、ま
た、軽負荷時のランプ電圧Vlaを定常負荷時よりも高
くすることが可能になる。
【0031】以上のように、本実施形態の構成を採用す
れば、インダクタの個数の増加を防止しながらも、軽負
荷時における平滑コンデンサC0の端子電圧の上昇を抑
制してインバータ回路INVの構成部品の耐圧を比較的
小さくすることができ、しかも昇圧トランスT1を用い
て従来型よりもランプ電圧の高い放電灯Laを確実に始
動させるとともに安定点灯させることができるのであ
る。なお、昇圧トランスT1としてリーケージトランス
を用い、リーケージインダクタンスを共振に利用しても
よい。他の構成および動作は従来構成と同様である。
【0032】(第2の実施の形態)本実施形態は、図4
に示すように、図1に示した第1の実施の形態の回路構
成に対してコンデンサC2を放電灯Laの両フィラメン
トの電源側端間に接続し、かつ放電灯Laのフィラメン
トを予熱する別の構成を設けたものである。
【0033】すなわち、カプリングコンデンサCcと直
列にコンデンサCfおよび予熱トランスT2の1次巻線
を直列接続し、カプリングコンデンサCcとコンデンサ
Cfと予熱トランスT2の1次巻線との直列回路をスイ
ッチング素子Q2に並列接続してある。また、予熱トラ
ンスT2は2個の2次巻線を備え、各2次巻線にそれぞ
れコンデンサCf1,Cf2を直列接続し、各2次巻線
と各コンデンサCf1,Cf2との直列回路をそれぞれ
放電灯Laの各フィラメントの両端間に接続してある。
このように、インバータ回路INVで発生する高周波電
圧を用いて放電灯Laのフィラメントを予熱する予熱回
路が構成される。
【0034】ところで、従来型の放電灯よりもランプ電
圧が高い放電灯Laでは、管径が細いことからフィラメ
ントを配置する空間的余裕が少なく、結果的に小型のフ
ィラメントが用いられている。したがって、フィラメン
トの断線を防止するために点灯時にフィラメントを通過
する電流を小さくする必要がある。本実施形態はこのよ
うな要求を満足させるものであって、予熱トランスT2
の励磁インダクタンスとコンデンサCfとによる共振周
波数ff0を、図5に示すように予熱時Prにおけるイ
ンバータ回路INVのスイッチング周波数(予熱周波数
fp)の近傍に設定してある。ここに、共振周波数ff
0は予熱周波数fpに対して高周波側でも低周波側でも
よい。図5(a)は放電灯Laのランプ電流の周波数特
性を示し、同図(b)はフィラメントに流れる電流の周
波数特性を示す。また、同図(a)の実線は定常負荷
時、破線は軽負荷時を示している。
【0035】上述の構成によって、予熱時には予熱トラ
ンスT2の1次巻線とコンデンサCfとの直列回路に流
れる電流が多くなり、予熱トランスT2の2次巻線に接
続されたフィラメントに予熱電流を十分に流すことがで
きる。また、放電灯Laの点灯時にはインバータ回路I
NVのスイッチング周波数を共振周波数ff0からずら
すことによって、予熱トランスT2の1次巻線に流れる
電流を大幅に低減し、結果的に予熱トランスT2の2次
巻線に接続されたフィラメントに流れる電流を予熱時よ
りも大幅に低減することができる。つまり、点灯時にお
けるフィラメントの通過電流を低減し、結果的に、放電
灯Laのフィラメントを寿命を延ばすことになる。ここ
において、コンデンサCf1,Cf2は、フィラメント
の断線時に予熱トランスT2の2次巻線の誘起電力によ
ってフィラメントに高電圧が印加されるのを防止するも
のであって、コンデンサCfに比較して十分に大きい値
に設定されている。
【0036】なお、コンデンサCf1,Cf2をコンデ
ンサCfと同程度に小さく設定すれば、予熱周波数fp
付近で予熱電流をより多く流すことができるから、予熱
時における予熱電流をより増加させる必要があれば、コ
ンデンサCf1,Cf2をこのように設定することも可
能である。他の構成および動作は第1の実施の形態と同
様である。
【0037】(第3の実施の形態)本実施形態は、第2
の実施の形態と同様に、放電灯Laの点灯時にフィラメ
ントに流れる電流を予熱時よりも低減するものである。
すなわち、図6に示すように、図1に示した第1の実施
の形態の回路構成に対して、コンデンサC2を放電灯L
aの両フィラメントの電源側端間に接続し、両フィラメ
ントの非電源側端間にはコンデンサCgとインダクタL
gとの直列回路を接続してある。コンデンサCgとイン
ダクタLgとからなる直列共振回路の共振周波数は、予
熱時におけるインバータ回路INVのスイッチング周波
数(予熱周波数fp)の近傍に設定される。
【0038】この構成では、放電灯Laの点灯時におい
てコンデンサCgとインダクタLgとの直列回路に流れ
る電流は、コンデンサCgのインピーダンスによってほ
ぼ決定されるから、コンデンサCgは放電灯Laの点灯
時にフィラメントに流れる電流が小さくなるように設定
し、コンデンサC2とコンデンサCgとの合成容量によ
り放電灯Laの点灯時のランプ電圧を印加できるよう
に、コンデンサC2の容量を設定する。
【0039】本実施形態の構成では、第2の実施の形態
の構成と比較すると、放電灯Laが外れたときにコンデ
ンサCgとインダクタLgとからなる共振回路が回路か
ら切り離されることによって、共振状態が大きく変化
し、結果的にインバータ回路INVにおける電流や電圧
に大きな変化が生じるから、これを検出すれば放電灯L
aが外れたことを容易に検出することが可能になる。他
の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0040】なお、各実施形態において、調光が必要で
あれば放電灯Laの点灯時におけるインバータ回路IN
Vのスイッチング周波数を調節することで、放電灯La
のランプ電流を調節することが可能である。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明は、交流電源を整流する
整流器と、前記整流器の出力端間にダイオードを介して
接続された平滑コンデンサと、平滑コンデンサを電源と
して高周波電圧を発生させ共振回路を通して放電灯に電
力供給する出力周波数可変のインバータ回路と、インバ
ータ回路における高周波電圧の発生部位と前記ダイオー
ドよりも交流電源寄りの部位との間に接続された帰還用
のインピーダンス要素とを備え、前記共振回路は共振用
のインダクタと第1のコンデンサと昇圧トランスの1次
巻線との直列回路を含むとともに、昇圧トランスの2次
巻線に接続した放電灯と第2のコンデンサとの並列回路
を含み、昇圧トランスのインダクタンス成分を共振要素
として用いるものであって、この構成によれば、昇圧ト
ランスのインダクタンス成分を用いて共振回路を構成す
るから、インバータ回路の出力を昇圧トランスによって
昇圧しながらも、軽負荷時に帰還量を低減させるための
インダクタを削減することができるから、部品点数の増
加を抑制することができる。その結果、入力電流の高調
波歪が少なく、かつランプ電圧の高い放電灯を確実に始
動させ、安定点灯させる構成を、耐圧の比較的低い部品
を用いて実現しながらも、小型化かつ低コスト化が可能
になるのである。
【0042】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、第1および第2のコンデンサと昇圧トランスと放電
灯とにより構成される共振回路のインピーダンスが軽負
荷時に小さくなるようにインバータ回路の出力周波数を
設定し、前記インピーダンス要素を通して帰還される帰
還量を定常負荷時よりも低減するものである。この構成
によれば、軽負荷時に帰還量が定常負荷時よりも低減さ
れるから、軽負荷時における平滑コンデンサの端子電圧
の上昇を抑制することができ、結果的にインバータ回路
の構成部品に耐圧の高い部品を用いる必要がなく、小型
かつ低コストで実現することができる。
【0043】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記放電灯がフィラメントを備え、第2のコンデン
サが昇圧トランスの2次巻線にフィラメントを介して接
続されているものである。
【0044】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、前記放電灯がフィラメントを備え、インバータ回路
の出力から前記フィラメントに予熱電力を供給する予熱
回路を備えるものである。
【0045】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、前記放電灯がフィラメントを備え、第3のコンデン
サと第2のインダクタとの直列回路が昇圧トランスの2
次巻線にフィラメントを介して接続されているものであ
る。
【0046】請求項6の発明は、請求項4または請求項
5の発明において、予熱時のインバータ回路の出力周波
数付近で予熱電流が極大となるように定数が設定されて
いるものである。
【0047】請求項4ないし請求項6の発明では、予熱
電流を十分に流しながらも、放電灯の点灯時にはフィラ
メントに流れる電流を低減させることが可能であり、フ
ィラメントに不要な電流を流すことを防止でき、結果的
にフィラメントの寿命が長くなる。また、請求項3また
は請求項5の発明のように放電灯のフィラメントを介し
て共振回路の構成部品を接続している構成では、放電灯
が外れたときに共振状態が大きく変化するから、放電灯
が外れたことを検出する回路を容易に実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図2】同上の要部の等価回路図である。
【図3】同上の要部の動作説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図5】同上の要部の動作説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図7】従来例を示す回路図である。
【図8】他の従来例を示す回路図である。
【図9】同上の要部の等価回路図である。
【図10】同上の要部の動作説明図である。
【図11】さらに他の従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
AC 交流電源 C0 平滑コンデンサ C1,C2,C3 コンデンサ Cg コンデンサ Cin コンデンサ CN 制御回路 D1 ダイオード DB 整流器 INV インバータ回路 L1 インダクタ La 放電灯 Lg インダクタ T1 昇圧トランス T2 予熱トランス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源を整流する整流器と、前記整流
    器の出力端間にダイオードを介して接続された平滑コン
    デンサと、平滑コンデンサを電源として高周波電圧を発
    生させ共振回路を通して放電灯に電力供給する出力周波
    数可変のインバータ回路と、インバータ回路における高
    周波電圧の発生部位と前記ダイオードよりも交流電源寄
    りの部位との間に接続された帰還用のインピーダンス要
    素とを備え、前記共振回路は共振用のインダクタと第1
    のコンデンサと昇圧トランスの1次巻線との直列回路を
    含むとともに、昇圧トランスの2次巻線に接続した放電
    灯と第2のコンデンサとの並列回路を含み、昇圧トラン
    スのインダクタンス成分を共振要素として用いることを
    特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 【請求項2】 第1および第2のコンデンサと昇圧トラ
    ンスと放電灯とにより構成される共振回路のインピーダ
    ンスが軽負荷時に小さくなるようにインバータ回路の出
    力周波数を設定し、前記インピーダンス要素を通して帰
    還される帰還量を定常負荷時よりも低減することを特徴
    とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 【請求項3】 前記放電灯はフィラメントを備え、第2
    のコンデンサは昇圧トランスの2次巻線にフィラメント
    を介して接続されていることを特徴とする請求項1記載
    の放電灯点灯装置。
  4. 【請求項4】 前記放電灯はフィラメントを備え、イン
    バータ回路の出力から前記フィラメントに予熱電力を供
    給する予熱回路を備えることを特徴とする請求項1記載
    の放電灯点灯装置。
  5. 【請求項5】 前記放電灯はフィラメントを備え、第3
    のコンデンサと第2のインダクタとの直列回路が昇圧ト
    ランスの2次巻線にフィラメントを介して接続されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  6. 【請求項6】 予熱時のインバータ回路の出力周波数付
    近で予熱電流が極大となるように定数が設定されている
    ことを特徴とする請求項4または請求項5記載の放電灯
    点灯装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006252921A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Koito Mfg Co Ltd 放電灯点灯回路

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JP2006252921A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Koito Mfg Co Ltd 放電灯点灯回路

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