JPH0992484A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JPH0992484A
JPH0992484A JP8024497A JP2449796A JPH0992484A JP H0992484 A JPH0992484 A JP H0992484A JP 8024497 A JP8024497 A JP 8024497A JP 2449796 A JP2449796 A JP 2449796A JP H0992484 A JPH0992484 A JP H0992484A
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JP
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voltage
power supply
capacitor
frequency
feedback
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JP8024497A
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Inventor
Koji Nishiura
晃司 西浦
Nariyuki Yamauchi
得志 山内
Yoshinobu Murakami
善宣 村上
Furetsudo Shii Rii
フレッド シー リー
Uei Chien
ウェイ チェン
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】負荷の変動による平滑コンデンサの両端電圧の
異常上昇を抑制する。 【解決手段】交流電源PSは、整流器DBにより整流さ
れ平滑コンデンサCB により平滑される。インバータ2
は平滑コンデンサCB を電源として高周波電圧を放電灯
Laに供給する。インバータ2の高周波出力の一部は帰
還電源となり、帰還電源の出力は力率改善回路1を介し
てインバータの入力側に帰還される。スイッチング制御
回路CNは、放電灯Laの予熱、始動、点灯の各状態に
応じてインバータ2を制御し、平滑コンデンサCB の両
端電圧の上昇を抑制するように帰還電源からの帰還量を
増減させる。したがって、インバータ2の高周波出力の
一部を電圧帰還することによって高い入力力率を得るよ
うにしながらも、軽負荷時には帰還電源の電圧を低減す
ることによって平滑コンデンサCB の両端電圧の上昇を
抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電源を整流平
滑した後にインバータにより高周波電力に変換する電源
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の電源装置では交流電源
を整流器により全波整流し、平滑コンデンサを用いて平
滑することにより直流電源を得ているものであるから、
整流器の出力電圧が平滑コンデンサの端子電圧よりも低
い期間には交流電源から整流器に電流が流入せず、入力
電流に休止期間が生じることになる。入力電流に休止期
間が生じると、入力電圧波形とのずれが大きくなって入
力力率が低下するという問題が生じ、また入力電流歪に
よる雑音が生じることになる。
【0003】この種の問題を解決するには、整流器の出
力電圧にかかわらず交流電源から入力電流を流し続ける
ことが必要である。そこで、図60に示すような構成の
ものが考えられている。この電源装置は、放電灯Laを
負荷とする電子バラストであって、商用電源のような交
流電源PSから高周波交流電力を得て放電灯Laを高周
波電力で点灯させるAC/AC電力変換器として構成さ
れ、力率改善手段(PFC)を備えたAC/DC変換手
段10と、DC/AC変換手段20との2段に構成され
ている。
【0004】図60はAC/DC変換手段10の出力電
圧がPWM制御により調節され、DC/AC変換手段2
0の出力電力がスイッチング周波数fs により調節され
ることを示してある。具体的にはDC/DCコンバータ
11のスイッチング素子S0をPWM制御することによ
り平滑コンデンサCB の両端電圧を調節し、インバータ
21のスイッチング素子S1 ,S2 のスイッチング周波
数fs を制御することにより放電灯Laへの供給電力を
調節する。
【0005】図61に従来の電子バラストの具体回路の
一例を示す。この電子バラストは、商用電源(交流電源
PS)を整流する整流ダイオードDBとともにAC/D
C変換手段10を構成する力率改善手段としての昇圧型
のDC/DCコンバータ11の後段にDC/AC変換手
段20を構成する直列共振型のインバータ21を設けた
ものである。この回路構成ではDC/DCコンバータ1
1とインバータ21との2回路をそれぞれ制御すること
ができるから、良好な動作性能を容易に得ることができ
る。
【0006】ここに、良好な動作性能とは、たとえば入
力力率を1にしたり、ランプ電流の波高因子(ランプ電
流の波高因子CFは、CF=Ila,pk /Ila,rmsと定義
される。ただし、Ila,pk はランプ電流のピーク値、I
la,rmsはランプ電流の実効値であり、それぞれ交流電源
の1周期で測定された値を用いる)を小さくしたり、調
光時に光出力を十分に絞り込むことなどを意味する。し
かしながら、上述のような回路は、2段の電力変換手段
(AC/DC変換手段10とDC/AC変換手段20)
が必要であるとともに制御回路が2回路必要であるから
高コストである。
【0007】ところで、上記回路で用いた昇圧型のDC
/DCコンバータ11は、インダクタL0 を通過する電
流が不連続になるような動作をしても(以下ではこのよ
うな動作モードを不連続電流モード(DCM)とい
う)、ある程度は力率改善手段として機能する特性を有
している。このことにより、電力変換手段を2段から1
段にまとめることが可能になる。このような構成例を図
62に示す。図に示す回路では、2個のスイッチング素
子S1 ,S2 は交互にオン・オフされ、これにより共振
回路(インダクタLrとコンデンサCrとからなる)に
共振電流を流す。このとき、低圧側のスイッチング素子
1 は、図61の回路のDC/DCコンバータ11のス
イッチング素子S0 と同様に機能し、高圧側のスイッチ
ング素子S2に逆並列に接続されたダイオードDs2は、
DC/DCコンバータ11のダイオードD0 と同様に機
能する。また、インダクタL1 に高速ダイオードD1
直列接続されていることにより確実に不連続電流モード
で動作する。図63に交流電源からの入力交流電圧Vg
と、インダクタL1 を通過する入力電流iinと、入力電
流iinの平均値iin,av との関係を示す。
【0008】この回路構成は一般に平滑コンデンサCB
の両端電圧(以下では、直流部電圧という)Vdcのリッ
プル成分が少なく、したがって、ランプ電流の波高因子
を小さくすることができる。スイッチング素子S1 ,S
2 はデューティ制御もしくは周波数制御で制御すること
ができる。デューティ制御の際には、共振電流を検出す
ることによりMOSFETよりなる各スイッチング素子
1 ,S2 の寄生ダイオードDS1,DS2がそれぞれ導通
しているときにのみスイッチング素子S1 ,S2 をオン
にする。これは、寄生ダイオードDS1,DS2の逆方向回
復電流によるMOSFETの破壊を防止するためであ
る。一方、周波数制御を行なうと軽負荷時に直流部電圧
dcが大きく上昇する。したがって、スイッチング素子
1 ,S2 に過大な電圧が印加されることのないように
保護回路を設けることが必要になる。この回路では直列
接続されている一対のスイッチング素子S1 ,S2 のう
ちの低圧側のスイッチング素子S1 は高圧側のスイッチ
ング素子S2 よりも大幅に大きい電流ストレスを受け
る。これは、スイッチング素子S1 にインダクタL1
流れる電流と共振電流との合成電流が流れるからであ
る。その結果、低圧側のスイッチング素子S1 のほうが
高圧側のスイッチング素子S2 よりも大型になる。ま
た、入力電流の全高調波歪を低減するために直流部電圧
を高くしなければならないから、半導体素子にかかる電
圧ストレスが大きくなる。
【0009】上述した回路構成に対して、交流電源を整
流平滑して得た直流電源を入力電源とするインバータか
ら出力される高周波出力の一部を帰還電源として入力側
に高周波電力を帰還し、交流電源からの入力電流を交流
電源の周波数よりも十分に高い周波数で高周波的に流し
続けることによって、交流電源からの入力電流に交流電
源の周期程度の休止帰還が生じるのを防止することが考
えられている。
【0010】この種の構成としては、たとえば特開平7
−147778号公報に記載された図64に示す構成が
知られている。この構成では、商用電源のような交流電
源PSを整流器DBにより全波整流し、整流器DBの出
力を平滑コンデンサCB により平滑することによって直
流電源を得ている。この直流電源をインバータ2により
高周波電力に変換し、インバータ2から出力される高周
波電力を出力トランスT1 を介して負荷回路としての放
電灯Laに与える。出力トランスT1 は一対の予熱巻線
p を備え、放電灯Laの各フィラメントF1 ,F2
それぞれ予熱巻線np を接続することによって、フィラ
メントF1 ,F2 に予熱電流を流すことができるように
してある。また、出力トランスT1 には帰還巻線n3
設けられている。帰還巻線n3 はコンデンサC2 と直列
接続され、帰還巻線n3 とコンデンサC2 との直列回路
は整流器DBの入力端間に接続される。交流電源PSと
整流器DBとの間にはコンデンサC2 とともに共振回路
である力率改善回路1を形成するインダクタL2 が挿入
され、インダクタL2 と交流電源PSとの間にはライン
フィルタFが挿入される。ここに、インダクタL2 とコ
ンデンサC2 とにより形成される力率改善回路1の共振
周波数はインバータ2の出力周波数にほぼ等しく設定し
てある。
【0011】この構成の等価回路を示すと図65のよう
になる。すなわち、交流電源PSの両端にラインフィル
タF(コンデンサCF で表している)および力率改善回
路1を介して整流器DBを接続し、整流器DBの出力を
平滑コンデンサCB により平滑している。また、平滑コ
ンデンサCB を電源とするインバータ2をインピーダン
スZで表している。力率改善回路1は、コンデンサC2
に高周波交流源(電圧源)HFSを直列接続し、コンデ
ンサC2 と高周波交流源HFSとの直列回路を整流器D
Bの入力端間に接続するとともにコンデンサCF と整流
器DBとの間にインダクタL2 を挿入した形に構成され
る。この高周波交流源HFSは帰還巻線n3 の出力に相
当する。
【0012】しかして、高周波交流源HFSの出力電圧
は交番しているから、交流電源PSの正の半周期につい
て考えると、交流電源PS−インダクタL2 −コンデン
サC 2 −高周波交流源HFSの経路で電流が流れてコン
デンサC2 が充電される期間と、高周波交流源HFSの
出力電圧がコンデンサC2 の両端電圧に加算されて整流
器DBに印加される期間とが交互に生じる。つまり、高
周波交流源HFSの1周期の間に交流電源PSからコン
デンサC2 に充電電流の流れる期間が存在するから、交
流電源PSの周波数よりも十分に高い周波数で交流電源
PSから入力電流を流し続けることができる。ここで、
交流電源PSと力率改善回路1との間にラインフィルタ
F(コンデンサCF で表記)を設けていることによって
交流電源PSからの入力電流波形は力率改善回路1への
入力電流波形の包絡線波形となり、交流電源PSから交
流電源PSの電圧にほぼ比例した大きさの入力電流が連
続的に流れることになる。つまり、入力力率が高くなり
入力電流歪も小さくなる。ここでは、交流電源PSの正
の半周期について述べたが負の半周期についても同様に
動作する。
【0013】ところで、上記動作を行なえば図66のよ
うに整流器DBへの入力電圧は(E+E0 )を上限値と
し(−E−E0 )を下限値とする範囲で変化する。ただ
し、Eは交流電源PSの電圧であり、E0 は帰還巻線n
3 の誘起電圧に応じて変化し、帰還巻線n3 の誘起電圧
の2倍程度になる。このことによって、交流電源PSの
電圧のピーク値を越える期間が生じることになる。
【0014】インバータ2の高周波出力の一部を入力側
に帰還することによって入力電流に休止期間が生じない
ようにする構成としては、特開平5−38161号公報
に記載された図67に示す構成も知られている。この構
成では、ラインフィルタFと整流器DBとの間に力率改
善回路1を持たず、インバータ2の高周波出力の一部を
整流器DBによる全波整流後にインバータ2の入力側に
帰還する構成としてある。また、整流器DBと平滑コン
デンサCB との間には帰還用のコンデンサC4およびダ
イオードD3 との並列回路を挿入してある。ダイオード
3 は整流器DBから平滑コンデンサCB に充電電流を
流す向きに極性が設定されている。
【0015】インバータ2は、平滑コンデンサCB に並
列に接続された一対のスイッチング素子S1 ,S2 の直
列回路を備え、直流カット用のコンデンサCb1と負荷と
なる放電灯LaとインダクタLr との直列回路を、整流
器DBの正極の出力端と両スイッチング素子S1 ,S2
の接続点との間に挿入してある。スイッチング素子
1 ,S2 としてはMOSFETを用いており、スイッ
チング制御回路CNにより同時にオンにならないように
交互にオン・オフされる。また、スイッチング素子
1 ,S2 は内部に寄生ダイオードDS1,DS2を備え
る。放電灯Laには蛍光灯のようにフィラメントF1
2 を有するものを用い、各フィラメントF1 ,F 2
一端間には予熱用のコンデンサCr が接続される。
【0016】インバータ2は次のように動作する。ここ
に、放電灯Laの点灯前にはフィラメントF1 ,F2
コンデンサCr とを通して電流が流れることによりフィ
ラメトF1 ,F2 が予熱され、放電灯Laが点灯すれば
コンデンサCr は回路から切り離されることになるか
ら、放電灯Laの状態に応じて回路が変化するが、以下
の説明では放電灯LaとコンデンサCr とを一括して負
荷回路とする。
【0017】このインバータ2は、整流器DBの出力端
間の電圧と平滑コンデンサCB の両端電圧との大小関係
に応じて異なる動作をする。まず、平滑コンデンサCB
の両端電圧よりも整流器DBの出力端間の電圧が高い期
間について考える。このとき、ダイオードD3 がオンに
なるから、平滑コンデンサCB に整流器DBからの充電
電流が流れる。また、スイッチング素子S1 がオンのと
きには整流器DBからコンデンサCb1−負荷回路−イン
ダクタLr −スイッチング素子S1 の経路で電流が流
れ、スイッチング素子S1 がオフになるとインダクタL
r の蓄積エネルギが寄生ダイオードDS1−平滑コンデン
サCB −整流器DB−コンデンサCb1−負荷回路という
経路で放出される。その後、スイッチング素子S2 がオ
ンになれば、コンデンサCb1に蓄積された電荷を電源と
して、ダイオードD3 −スイッチング素子S2 −インダ
クタLr −負荷回路という経路で電流が流れ、スイッチ
ング素子S2 がオフになるとインダクタLr の蓄積エネ
ルギが負荷回路−コンデンサCb1−ダイオードD3 −平
滑コンデンサCB −寄生ダイオードDS2という経路で放
出される。つまり、整流器DBの出力端間の電圧が平滑
コンデンサCB の両端電圧よりも高いときにはダイオー
ドD3 がオンであることによってコンデンサC 4 を通る
経路は形成されず、上述の動作で負荷回路には交番した
高周波電流が流れる。
【0018】一方、整流器DBの出力端間の電圧が平滑
コンデンサCB の両端電圧よりも低い期間にはダイオー
ドD3 がオフになるからコンデンサC4 が有効に機能す
る。このとき、平滑コンデンサCB の両端電圧をV1
コンデンサC4 の両端電圧をV4 、整流器DBの出力端
間の電圧をVinとすれば、V1 ≧VinかつV1 +V4
inであるからV4 ≦0になる。つまり、平滑コンデン
サCB の両端電圧と整流器DBの出力端間の電圧との差
の電圧をコンデンサC4 に受け持たせることができる。
その結果、整流器DBの出力端間の電圧が平滑コンデン
サCB の端子電圧よりも低い期間であっても整流器DB
からインバータ2に電流を流すことが可能になり、交流
電源PSからの入力電流が流れる期間をコンデンサC4
を設けない場合よりも長くすることにより、入力電流の
休止期間を短くするとともに入力電流歪を少なくするこ
とができる。
【0019】図67に示した回路の動作をさらに詳しく
説明する。スイッチング素子S1 がオンのときには、平
滑コンデンサCB からコンデンサC4 −コンデンサCb1
−負荷回路−インダクタLr −スイッチング素子S1
経路に電流が流れるとともに、整流器DBからコンデン
サCb1−負荷回路−インダクタLr −スイッチング素子
1 の経路に電流が流れる。スイッチング素子S1 がオ
フになるとインダクタLr の蓄積エネルギは、寄生ダイ
オードDS1−コンデンサC4 −コンデンサCb1−負荷回
路の経路で放出される。次に、スイッチング素子S2
オンになると、コンデンサC4 からスイッチング素子S
2 −インダクタLr −負荷回路−コンデンサCb1の経路
を通して電流が流れ、スイッチング素子S2 がオフにな
ると、インダクタLr の蓄積エネルギは負荷回路−コン
デンサCb1−コンデンサC4 −平滑コンデンサCB −寄
生ダイオードDS2の経路で放出される。
【0020】上述の動作より明らかなように、整流器D
Bの出力端間の電圧が平滑コンデンサCB の両端電圧よ
りも低い期間では、スイッチング素子S1 ,S2 のオン
・オフに伴ってコンデンサC4 は充放電を繰り返す。ま
た、コンデンサC4 の充放電にはインバータ2のエネル
ギにより充電される状態および平滑コンデンサCB に放
電する状態があるから、コンデンサC4 はインバータ2
の出力の一部を帰還して平滑コンデンサCB の充電を行
なう機能を有していることになる。
【0021】インバータ2の高周波出力の一部を入力側
に帰還する構成には、特開平4−193067号公報に
記載された図68に示す構成のものもある。この構成も
上述の構成と同様に、力率改善回路1を持たず、インバ
ータ2の高周波出力の一部を整流器DBによる全波整流
後にインバータ2の入力側に帰還する構成としてある。
つまり、図67に示した構成と比較すると、インバータ
2からの高周波出力の一部を帰還するためのコンデンサ
4 を、ダイオードD3 に並列接続する代わりに整流器
DBの正極の出力端と直流カット用のコンデンサCb1
間に挿入するとともに、負荷回路とコンデンサC4 との
直列回路を整流器DBの出力端間に接続した点が相違す
る。
【0022】インバータ2は、図67に示したものと基
本的には同様の構成を有し、平滑コンデンサCB に並列
に接続された一対のスイッチング素子S1 ,S2 の直列
回路を備え、直流カット用のコンデンサCb1とインダク
タLr と帰還用のコンデンサC4 との直列回路を、整流
器DBの正極の主力端と両スイッチング素S1 ,S2
接続点との間に挿入してある。スイッチング素子S1
2 にはMOSFETを用いており、図示しないスイッ
チング制御回路により同時にオンにならないように交互
にオン・オフされる。スイッチング素子S1 ,S2 は内
部に寄生ダイオードDS1,DS2を備える。放電灯Laに
は蛍光灯のようにフィラメントF1 ,F 2 を有するもの
を用い、各フィラメントF1 ,F2 の一端間には予熱用
のコンデンサCr が接続される。放電灯Laのフィラメ
ントF1 ,F2 の他端間には予熱用のコンデンサCr
接続される。
【0023】このインバータ2は以下のように動作す
る。スイッチング素子S2 がオンのときには平滑コンデ
ンサCB からスイッチング素子S2 −インダクタLr
コンデンサCb1−負荷回路を通る経路で電流が流れ、ス
イッチング素子S2 がオフになるとインダクタLr の蓄
積エネルギがコンデンサCb1−負荷回路−寄生ダイオー
ドDS2を通して放出される。その後、スイッチング素子
1 がオンになると、コンデンサCb1に蓄積された電荷
を電源としてインダクタLr −スイッチング素子S1
負荷回路の経路で電流が流れ、スイッチング素子S1
オフになると、インダクタLr の蓄積エネルギが寄生ダ
イオードDS1−平滑コンデンサCB −負荷回路−コンデ
ンサCb1の経路で放出される。
【0024】ところで、スイッチング素子S1 のオン時
には、上述のようにコンデンサCb1からインダクタLr
に向かって電流が流れるから、整流器DBからコンデン
サC 4 −コンデンサCb1−インダクタLr −スイッチン
グ素子S1 という経路でも電流が流れる。コンデンサC
4 はインダクタLr とともに共振回路を形成し、スイッ
チング素子S1 ,S2 のオン・オフが素子への印加電圧
がほぼゼロのときに行なわれるようにしている。したが
って、共振回路の電流の向きが反転するときにスイッチ
ング素子S2 がオンになり、コンデンサC4 −ダイオー
ドD3 −スイッチング素子S2 −インダクタLr −コン
デンサCb1という経路、およびコンデンサC4 −ダイオ
ードD3 −平滑コンデンサCB −寄生ダイオードDS2
インダクタLr −コンデンサCb1という経路で共振回路
に電流が流れる。
【0025】つまり、スイッチング素子S1 ,S2 がオ
ン・オフされる1周期の間に、整流器DBからコンデン
サC4 を通して電流が流れる期間と、インバータ2から
の高周波出力の一部がダイオードD3 を介して平滑コン
デンサCB (インバータ2の入力側)に帰還される期間
とが存在するから、交流電源PSから高周波的に入力電
流を流し続けることができ、入力電流歪が低減されるこ
とになる。また、交流電源PSからの入力電流の包絡線
は入力電圧にほぼ比例するから、高力率を得ることがで
きる。
【0026】上述した従来構成はいずれも放電灯Laを
負荷とするものであり、点灯開始時にはフィラメントF
1 ,F2 の予熱を所定時間行なった後に、点灯時のラン
プ電圧の3〜4倍程度の始動電圧を放電灯Laに印加す
ることによって、点灯状態に移行させ、放電灯Laへの
印加電圧を引き下げて安定点灯状態を保つように制御さ
れる。たとえば、図67に示す構成であれば、電源投入
からの所定時間である予熱時にはインダクタLr と負荷
回路を含む共振系の共振周波数よりも高いスイッチング
周波数でスイッチング素子S1 ,S2 をオン・オフさせ
ることにより予熱用のコンデンサCr を通る経路に電流
を流してフィラメントF1 ,F2 を所定時間だけ予熱
し、その後、スイッチング周波数を上記共振周波数に近
付けることによって始動電圧を放電灯Laに印加するの
である。このような動作によって、放電灯Laのフィラ
メントF1 ,F2 間には定常点灯時の3〜4倍の電圧が
印加され、放電灯Laが始動する。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】ところで、平滑コンデ
ンサCB は大容量になると大型化につながるから、一般
にはインバータ2の定常動作(放電灯Laの安定点灯状
態)において平滑コンデンサCB の両端電圧がインバー
タ2として適正な入力電圧が得られるように容量が選択
されている。つまり、整流器DBの出力で平滑コンデン
サCB を直接充電する場合に比較すると平滑コンデンサ
B の両端電圧は低くなるように容量が設定されてい
る。
【0028】しかして、インバータ2の負荷が小さくな
るとインバータ2への入力電流が減少し、結果的に平滑
コンデンサCB の両端電圧が上昇するようになる。つま
り、予熱時や始動時においては点灯時よりも消費電力が
少なくなるから、平滑コンデンサCB の両端電圧が上昇
することになる。つまり、負荷が軽くなると平滑コンデ
ンサCB の両端電圧が上昇する。とくに、予熱から点灯
への移行期間である始動時には、上述のように、放電灯
Laへの印加電圧を引き上げるためにスイッチング周波
数を変化させるから、インバータ2の出力電圧を入力側
に帰還して平滑コンデンサCB を充電する構成では、平
滑コンデンサCB の両端電圧が大きく上昇する。
【0029】このような平滑コンデンサCB の両端電圧
の上昇を見込んで設計するとすれば、平滑コンデンサC
B には耐圧の高いものが要求され、また平滑コンデンサ
Bより給電されるインバータ2の構成部品についても
耐圧の高いものが要求されることになる。その結果、部
品コストが増加するという問題が生じる。本発明は上記
事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、負荷の
変動による平滑コンデンサの両端電圧の異常上昇を抑制
し、インバータの構成部品および平滑コンデンサとして
従来よりも低耐圧のものを用いることができるようにし
た電源装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、交流
電源を整流する整流手段と、整流手段の出力電圧を平滑
する平滑コンデンサと、平滑コンデンサを電源として高
周波電圧を負荷に出力するインバータと、インバータの
高周波出力の一部からなる帰還電源と、帰還電源の出力
をインバータの入力側に帰還するとともに前記負荷の変
動に応じて帰還電源の電圧を増・減することにより平滑
コンデンサの両端電圧の上昇を抑制するように帰還電源
からの帰還量を増・減させる高周波帰還手段とを備える
ことを特徴とする。
【0031】この構成によれば、インバータの高周波出
力の一部からなる帰還電源と、帰還電源の出力をインバ
ータの入力側に帰還するとともに負荷の変動に応じて帰
還電源の電圧を増・減することにより平滑コンデンサの
両端電圧の上昇を抑制するように帰還量を増・減させる
高周波帰還手段とを備えるから、インバータの高周波出
力の一部を電圧帰還することによって高い入力力率を得
るようにしながらも、軽負荷時には帰還電源の電圧を低
減することによって平滑コンデンサの両端電圧の上昇を
抑制することができる。すなわち、平滑コンデンサおよ
びインバータの構成要素として高耐圧のものを用いる必
要がなく部品コストの低減につながるのである。請求項
2の発明は、請求項1の発明において、インバータが負
荷となる放電灯を調光可能であって、高周波帰還手段は
前記放電灯の調光量に応じて帰還電源の電圧を増・減す
ることにより平滑コンデンサの両端電圧の上昇を抑制す
るように帰還量を増・減させることを特徴とする。
【0032】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、フィラメントを有する放電灯を負荷とし、インバー
タから放電灯への高周波出力の供給経路に介装される点
灯用の共振回路と、インバータから放電灯のフィラメン
トへの高周波出力の供給経路に介装され点灯用の共振回
路よりも共振周波数の高い予熱用の共振回路とを備え、
前記フィラメントの予熱時にはインバータの出力周波数
が予熱用の共振回路の共振周波数よりも高く設定される
ことを特徴とする。
【0033】この構成では、点灯時と予熱時とで異なる
共振周波数を有した共振回路を通して放電灯に電力を供
給するから、放電灯の各動作状態に適した電力を供給す
ることができる。請求項4の発明は、請求項1の発明に
おいて、整流手段と平滑コンデンサとの間に平滑コンデ
ンサに充電電流を流す方向に挿入されたダイオードと、
ダイオードに並列関係に接続されたコンデンサおよび可
変バイパス要素からなる帰還電源と、負荷の大きさに基
づいて可変バイパス要素を調節することにより帰還電源
の電圧を増・減して平滑コンデンサの両端電圧の上昇を
抑制するように帰還電源からの帰還量を増・減させる高
周波帰還手段を設けたことを特徴とする。
【0034】この構成では、整流手段と平滑コンデンサ
との間に平滑コンデンサに充電電流を流す向きにダイオ
ードを挿入し、ダイオードにコンデンサとスイッチング
素子とを並列接続し、負荷の大きさに基づいて可変バイ
パス要素を調節することにより帰還電源の電圧を増・減
して平滑コンデンサの両端電圧の上昇を抑制するように
帰還電源からの帰還量を増・減させる高周波帰還手段を
設けているから、交流電源からの入力電流が大きいとき
には帰還量を増加させて入力力率を改善し、入力電流が
比較的小さいときには帰還量を減少させて平滑コンデン
サの電圧上昇を抑制するという制御を容易に行なうこと
ができる。
【0035】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、フィラメントを有する放電灯を負荷とし、インバー
タから放電灯への高周波出力の供給経路に介装された第
1巻線と、放電灯のフィラメントの非電源側端間に挿入
される第2巻線と、誘起電圧が帰還電源の電圧に加算さ
れるように接続される第3巻線とを備える高周波帰還用
トランスを設け、第1巻線と第2巻線とはフィラメント
を介して互いに逆極性に接続されていることを特徴とす
る。
【0036】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、インバータのスイッチング素子のオンデューティを
増・減させることにより高周波帰還手段がインバータの
出力電力および帰還電源からの帰還量を増・減させるこ
とを特徴とする。請求項7の発明は、請求項1の発明に
おいて、平滑コンデンサに並列接続された一対のダイオ
ードの直列回路よりなり両ダイオードの接続点の電位を
平滑コンデンサの両端電位に規制するクランプ回路を備
え、帰還電源の一端を前記両ダイオードの接続点に接続
したことを特徴とする。
【0037】この構成では、クランプ回路によって帰還
電源の最大電圧を抑制するから、帰還量の増大を抑制す
ることが可能になる。請求項8の発明は、交流電源を整
流する整流手段と、整流手段の出力電圧を平滑する平滑
コンデンサと、平滑コンデンサを電源として高周波電圧
を負荷に出力するインバータと、インバータの高周波出
力の一部からなる帰還電源と、帰還電源の出力をインバ
ータの入力側に帰還するとともに前記交流電源の電圧変
動に応じて帰還電源の電圧を増・減することにより平滑
コンデンサの両端電圧の上昇を抑制するように帰還電源
からの帰還量を増・減させる高周波帰還手段とを備える
ことを特徴とする。
【0038】請求項9の発明は、交流電源からの入力に
より交流電力を出力する電源装置であって、交流電源か
らの入力電力を受けて直流電圧を出力するとともに交流
電力が供給される負荷の大きさに応じて前記直流電圧が
変動する電荷蓄積手段と、電荷蓄積手段の出力電圧を交
流電力に変換して負荷に出力するインバータと、交流電
源からの入力端と交流電力の出力端との間に挿入される
とともに第1および第2の共振周波数を有したインピー
ダンス要素とを備え、インピーダンス要素はインバータ
の動作周波数が上記共振周波数の一方に近いときに電荷
蓄積要素の出力電圧の最大値を低減させることを特徴と
する。
【0039】この構成によれば、入出力間の経路に挿入
されているインピーダンス要素が第1および第2の共振
周波数を有し、インバータの動作周波数が一方の共振周
波数に近いときに電荷蓄積要素の出力電圧の最大値を低
減させるから、たとえば軽負荷時におけるインバータの
スイッチング周波数を上記一方の共振周波数付近に設定
すれば、インピーダンス要素を介して電荷蓄積要素に供
給されるエネルギが低減し、予熱時のような軽負荷時に
おける電荷蓄積要素の出力電圧の上昇を抑制することが
できる。
【0040】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、インピーダンス要素が、第1のインダクタおよび
第2のコンデンサの並列回路と第1のコンデンサとの直
列回路であって、第1のコンデンサと第2のコンデンサ
と第1のインダクタとは第1の共振周波数を決定付け、
第2のコンデンサと第1のインダクタとは第2の共振周
波数を決定付けるとともに第1のコンデンサのみを用い
る場合よりも電荷蓄積要素の出力電圧の最大値を低減す
るように設定されていることを特徴とする。
【0041】請求項11の発明は、請求項9の発明にお
いて、インピーダンス要素が、第1のインダクタおよび
第2のコンデンサの直列回路と第1のコンデンサとの並
列回路であって、第2のコンデンサと第1のインダクタ
とは第1の共振周波数を決定付け、第1のコンデンサと
第2のコンデンサと第1のインダクタとは第2の共振周
波数を決定付けるとともに第1のコンデンサのみを用い
る場合よりも電荷蓄積手段の出力電圧の最大値を低減す
るように設定されていることを特徴とする。
【0042】請求項12の発明は、交流電源からの入力
により交流電力を出力する電源装置であって、交流電源
を整流する整流手段と、整流器の出力電圧を平滑する平
滑コンデンサと、平滑コンデンサを電源として高周波電
圧を負荷に出力するインバータと、インバータの高周波
出力の一部からなる帰還電源と、帰還電源の出力をイン
バータの入力側に帰還するとともに前記負荷の変動に応
じて帰還電源の電圧を増・減することにより平滑コンデ
ンサの両端電圧の上昇を抑制するように帰還電源からの
帰還量を増・減させる高周波帰還手段とを備え、インバ
ータは第1の共振回路を含み、高周波帰還手段は第1の
共振回路の共振周波数とは異なる共振周波数を有した第
2の共振回路を含むことを特徴とする。
【0043】請求項13の発明は、交流電源からの入力
により交流電力を出力する電源装置であって、交流電源
からの入力電力を受けて直流電圧を出力するとともに交
流電力が供給される負荷の大きさに応じて前記直流電圧
が変動する第1の電荷蓄積手段と、第1の電荷蓄積手段
の出力電圧を交流電力に変換し負荷に出力するインバー
タと、交流電源の入力波形に対応した包絡線を有した交
流電圧波形を出力することにより交流電圧波形の波高因
子の増加を抑制する第2の電荷蓄積手段と、第1および
第2の電荷蓄積手段に接続された第1のクランプ手段
と、第2の電荷蓄積手段に並列接続された第2のクラン
プ手段とを備え、第1および第2のクランプ手段により
交流電源からの入力電流の波高因子および全高調波歪を
低減させることを特徴とする。
【0044】この構成では、クランプ手段によって第1
および第2の電荷蓄積手段の電圧上昇を抑制するから、
全高調波歪および波高因子を低減することができる。つ
まり、オープンループ制御でありながらも、力率がほぼ
1になり全高調波歪および波高因子を小さくすることが
できるという利点がある。請求項14の発明は、交流電
源を整流する整流手段と、整流手段の出力を整流する平
滑コンデンサと、平滑コンデンサを電源として高周波電
圧を負荷に与えるインバータと、前記インバータからの
高周波の出力部と前記インバータの入力側との間に接続
され前記平滑コンデンサの両端電圧を制限するように負
荷の変動に応じて帰還量を変化させる高周波帰還手段と
を備え、前記インバータは少なくとも第1の共振回路を
含み、前記高周波帰還手段は第1の共振回路とは異なる
共振周波数を有した第2の共振回路を含んだ電源装置に
おいて、前記平滑コンデンサは前記整流手段の出力端間
に入力ダイオードを介して接続され、前記インバータは
高周波のスイッチング周波数でオン・オフされるスイッ
チング素子を用いて高周波電圧を発生させるとともに前
記第1の共振回路を介して負荷としての放電灯に前記高
周波電圧を印加するように構成され、前記スイッチング
素子は制御手段により前記スイッチング周波数を制御さ
れ、前記高周波帰還手段は前記整流手段と前記入力ダイ
オードとの接続点と前記インバータの出力部との間に挿
入され前記スイッチング素子のオン・オフに応じて充放
電する充電用のコンデンサおよび第2の共振回路により
構成され、制御手段は前記インバータの前記スイッチン
グ周波数を変化させることにより前記高周波帰還手段に
よる帰還量を制御することを特徴とする。
【0045】請求項15の発明は、請求項12の発明に
おいて、平滑コンデンサは整流手段の出力端間に入力ダ
イオードを介して接続され、インバータは高周波のスイ
ッチング周波数でオン・オフされるスイッチング素子を
用いて高周波電圧を発生させるとともに前記第1の共振
回路を介して負荷としての放電灯に前記高周波電圧を印
加するように構成され、前記スイッチング素子は制御手
段により前記スイッチング周波数を制御され、前記高周
波帰還手段は前記整流器と前記入力ダイオードとの接続
点と前記インバータの出力部との間に挿入され前記スイ
ッチング素子のオン・オフに応じて充放電する充電用の
コンデンサおよび前記第1の共振回路と前記放電灯との
間に挿入された第2の共振回路により構成され、制御手
段は前記インバータの前記スイッチング周波数を変化さ
せることにより前記高周波帰還手段による帰還量を制御
することを特徴とする。
【0046】請求項16の発明は、交流電源からの入力
により交流電力を出力する電源装置であって、交流電源
からの入力により直流電圧を発生させる電荷蓄積手段を
含む電源装置において、周波数に応じてインピーダンス
が変化する可変インピーダンス要素であって、ある動作
周波数付近での共振動作によってインピーダンスが増加
することにより可変インピーダンス要素を設けない場合
よりも電荷蓄積手段の出力電圧の最大値を低減させるよ
うな可変インピーダンス要素を備えることを特徴とす
る。
【0047】請求項17の発明は、交流電源からの交流
電圧を受けて負荷に電力を供給する電源装置であって、
交流電源を整流する整流手段と、整流手段の出力を平滑
するように整流手段に接続されたコンデンサと、前記コ
ンデンサを電源として負荷に高周波電圧を供給するイン
バータと、インバータの出力側とインバータの入力側と
の間に接続され負荷の変動に応じて帰還量が変動する帰
還手段とを備え、帰還手段は第1および第2の共振周波
数を有するとともに、インバータが一方の共振周波数付
近で動作するときに前記コンデンサの両端電圧を制限す
る手段となるインピーダンス要素を含むことを特徴とす
る。
【0048】請求項18の発明は、請求項17の発明に
おいて、平滑コンデンサが整流手段の出力端間に入力ダ
イオードを介して接続され、負荷は放電灯であって、イ
ンバータは高周波のスイッチング周波数でオン・オフさ
れるスイッチング素子を用いて高周波電圧を発生させる
とともに前記第1の共振回路を介して前記放電灯に前記
高周波電圧を印加するように構成され、さらに前記スイ
ッチング素子のスイッチング周波数を制御して帰還手段
からの帰還量を制御する制御手段を備え、帰還手段は整
流手段および入力ダイオードの接続点と第1の共振回路
の出力部との間に挿入されスイッチング素子のスイッチ
ングに応じて充放電される充電用のコンデンサと、第1
の共振回路と放電灯との間に挿入された第2の共振回路
とを備えることを特徴とする。
【0049】請求項19の発明は、出力端から交流電力
を出力する電源装置であって、交流電源からの入力を受
けて直流電圧を出力するとともに負荷への電力出力に応
じて前記直流電圧が変動する電荷蓄積手段と、交流電源
に接続された第1のインピーダンス要素と、第1のイン
ピーダンス要素と出力端との間に接続された第2のイン
ピーダンス要素とを備え、第2のインピーダンス要素は
第1のインピーダンス要素のみを用いる場合よりも前記
電荷蓄積手段の出力電圧の最大値を低減させることを特
徴とする。
【0050】請求項20の発明は、請求項19の発明に
おいて、第1のインピーダンス要素がコンデンサであっ
て、第2のインピータンス要素が出力端に直列接続され
たインダクタであることを特徴とする。
【0051】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)本実施形態では、図1に示すように、放
電灯Laを負荷とする電源装置を示す。この電源装置は
図64に示した従来構成と同様に出力トランスT1 を介
して負荷としての放電灯Laを接続した構成を有する。
ただし、図64に示した従来構成では出力トランスT1
に予熱巻線np を設けていたのに対して、本実施形態で
は出力トランスT1 とは別に予熱トランスT2 を設け、
予熱トランスT2 に設けた予熱巻線n22,n23を放電灯
LaのフィラメントF1 ,F2 に接続する。
【0052】本実施形態の電源装置は、商用電源のよう
な交流電源PSを全波整流するダイオードブリッジより
なる整流器DBと、整流器DBの出力電圧を平滑化する
平滑コンデンサCB とを備える。また、交流電源PSと
整流器DBとの間には高周波の通過を阻止するラインフ
ィルタFが挿入され、ラインフィルタFと整流器DBと
の間にはコンデンサC2 とともに力率改善回路1を構成
するインダクタL2 が挿入される。コンデンサC2 は出
力トランスT1 の帰還巻線n3 との直列回路が整流器D
Bの入力端間に接続される。すなわち、帰還巻線n3
インバータ2の高周波出力電圧を整流器DBの入力側に
帰還する高周波電源を構成する。ここまでの構成は、図
64に示した従来構成と同様である。
【0053】平滑コンデンサCB はインバータ2に電源
を供給する。インバータ2は、平滑コンデンサCB の両
端間に接続されたMOSFETよりなる一対のスイッチ
ング素子S1 ,S2 の直列回路を備え、両スイッチング
素子S1 ,S2 はスイッチング制御回路CNによって、
同時にオンにならずかつ交互にオン・オフするように制
御される。平滑コンデンサCB の負極側のスイッチング
素子S1 のドレイン・ソース間には、直流カット用のコ
ンデンサCb1を介してインダクタLr とコンデンサC3
とからなる直列共振回路が接続される。つまり、インダ
クタLr の一端がスイッチング素子S1 のドレインに接
続され、コンデンサCb1の一端がスイッチング素子S1
のソースに接続されていて、インダクタLr とコンデン
サCb1との他端間にコンデンサC3 が接続される。コン
デンサC3 には出力トランスT1の1次巻線n1 が並列
接続される。また、出力トランスT1 の2次巻線n2
は放電灯Laが接続される。出力トランスT1 は上述の
ように帰還巻線n3 を備え、帰還巻線n3 とコンデンサ
2 との直列回路が整流器DBの入力端間に接続され
る。
【0054】ところで、インダクタLr とコンデンサC
3 との直列回路である直列共振回路には、予熱トランス
2 の1次巻線n21とコンデンサC5 との直列回路であ
る直列共振回路が並列接続される。この直列共振回路の
共振周波数はインダクタLrとコンデンサC3 とからな
る直列共振回路の共振周波数よりも高く設定されてい
る。また、予熱トランスT2 には上述のように一対の予
熱巻線n22,n23が設けられ、各予熱巻線n22,n23
は放電灯Laの各フィラメントF1 ,F2 がそれぞれ接
続される。
【0055】次に動作を説明する。スイッチング素子S
1 ,S2 はスイッチング制御回路CNにより交互にオン
・オフするように制御される。スイッチング素子S2
オンであるときには、インダクタLr −出力トランスT
1 およびコンデンサC3 −コンデンサCb1という経路
と、予熱トランスT2 の1次巻線n21−コンデンサC5
−コンデンサCb1という経路とに電流が流れる。また、
スイッチング素子S1 がオンになれば、コンデンサCb1
−出力トランスT1 およびコンデンサC3 −インダクタ
r という経路と、コンデンサCb1−コンデンサC5
予熱トランスT2の1次巻線n21という経路で電流が流
れる。このように、スイッチング素子S1,S2 のオン
・オフによって出力トランスT1 および予熱トランスT
2 の1次巻線n1 ,n21には交番電流が流れる。スイッ
チング素子S1 ,S2 がオフになった直後には、インダ
クタLr 、出力トランスT1 、予熱トランスT2 などの
蓄積エネルギを放出させるように電流が流れるのであ
り、この種の動作は周知であるからとくに説明しない。
【0056】ところで、出力トランスT1 の1次巻線n
1 を含む経路と、予熱トランスT2の1次巻線n21を通
る経路とでは共振周波数が異なるから、スイッチング素
子S 1 ,S2 をオン・オフさせる周波数(スイッチング
周波数)を変化させることによって、出力トランスT1
と予熱トランスT2 とのどちらに主として電力を供給す
るかを選択することが可能になる。つまり、図2に示す
ように、出力トランスT1 の1次巻線n1 を含む経路の
共振周波数をf01とし、予熱トランスT2 の1次巻線n
21を通る経路の共振周波数をf02とするとき、上述のよ
うに、f01<f 02という関係に設定しているから、スイ
ッチング周波数を共振周波数f02よりも高い周波数fp
に設定しておけば、主として予熱トランスT2 に電力を
供給することができ、スイッチング周波数を共振周波数
01に近い周波数fe に設定すれば、主として出力トラ
ンスT1 に電力を供給することができる。また、周波数
e よりもさらに共振周波数f01に近い周波数fi でス
イッチング素子S1 ,S2をオン・オフさせれば、コン
デンサC3 の両端電圧が高くなり、結果的に出力トラン
スT1 の1次巻線n1 に印加される電圧が高くなるか
ら、放電灯Laに始動電圧を印加することが可能にな
る。
【0057】しかして、図3に示すように、時刻t0
電源を投入してから所定の期間t1にはスイッチング周
波数をfp に設定することにより、放電灯Laのフィラ
メントF1 ,F2 を予熱し、その後、スイッチング周波
数をfi に引き下げると放電灯Laに高電圧を印加する
ことができ放電灯Laを始動させることができる。スイ
ッチング周波数をfi に設定する期間t2 は比較的短
く、その後の期間t3 においてはスイッチング周波数を
e に移行させ点灯状態を維持させる。
【0058】一方、出力トランスT1 の帰還巻線n3
両端電圧はコンデンサC2 を介して整流器DBの入力端
に印加される。帰還巻線n3 には交流電源PSの周波数
よりも十分に高い周波数の高周波電圧が発生するから、
交流電源PSの電圧の極性と帰還巻線n3 に発生する電
圧の極性との組み合わせにより4状態が生じる。つま
り、交流電源PSの正の半周期と負の半周期とのそれぞ
れにおいて帰還巻線n3の誘起電圧の極性が交互に反転
して2状態を生じるから合計4状態になる。
【0059】帰還巻線n3 と力率改善回路1とによる動
作は図64を用いて従来技術としてすでに説明したが、
要するに、帰還巻線n3 の誘起電圧の極性に応じてコン
デンサC2 が充放電を繰り返し、充電時にはインダクタ
2 を通して交流電源PS側から電流が流れ込み、放電
時には帰還巻線n3 とコンデンサC2 の両端電圧との加
算電圧を整流器DBに印加して平滑コンデンサCB を充
電するのである。ここにおいて、コンデンサC2 の充電
時にはインダクタL2 に電流が流れ、コンデンサC2
放電時にはインダクタL2 の蓄積エネルギが整流器DB
に放出されるから、インダクタL2 とコンデンサC2
帰還巻線n3 とにより昇圧型のチョッパ回路に類似した
動作も行なうことになる。このような動作によって、交
流電源PSの電圧波形の全期間にわたって入力電流を高
周波的に流し続けることができる。つまり、ラインフィ
ルタFを通すことによって交流電源PSから連続的に入
力電流を流し続けることができるのである。
【0060】ところで、上述したように、放電灯Laは
予熱、始動、点灯という過程を経て定常点灯状態に移行
する。ここで、整流器DBおよび平滑コンデンサC
B は、定常点灯状態においてインバータ2で消費される
電力に対して平滑コンデンサCBの両端電圧が適正値を
保つように設計されている。一方、予熱時や始動時には
点灯時よりもインバータ2での消費電力が少ないもので
あるから、平滑コンデンサCB には整流器DBから余剰
のエネルギが流れ込むことになり、結果的に平滑コンデ
ンサCB の両端電圧が不必要に上昇することになる。
【0061】そこで、本実施形態においては、出力トラ
ンスT1 とは別に予熱トランスT2を設け、インバータ
2での消費電力の少ない期間にはインバータ2の入力側
への帰還をほとんど行なわないようにしているのであ
る。つまり、軽負荷で消費電力の少ない予熱期間には帰
還量を低減することによって平滑コンデンサCB の両端
電圧の上昇を少なくし、消費電力の多い点灯期間にはイ
ンバータ2の高周波出力の一部を入力側に帰還すること
で入力力率を高めるのである。
【0062】具体的には、出力トランスT1 を通る経路
と予熱トランスT2 を通る経路との共振周波数を異なる
設定とし、かつ予熱時と点灯時とのスイッチング周波数
を上述のように変化させることによって、予熱時には出
力トランスT1 への供給電力を小さくしているから、予
熱時に帰還巻線n3 に誘起される電圧は点灯時よりも大
幅に低くなり、結果的に予熱時には点灯時よりも高周波
電力の帰還量が少なくなる。この動作によって、予熱時
に平滑コンデンサCB の両端電圧が上昇するのを防止す
ることができる。なお、上述の構成では始動時には放電
灯Laにはほとんど電流が流れていないから消費電力の
少ない状態で帰還量が増加することになるが、始動期間
は短いから平滑コンデンサCB の両端電圧が異常に上昇
するまでに点灯状態に移行させることができる。
【0063】(実施形態2)本実施形態の基本構成は図
67に示した従来構成と同様であって、図4に示すよう
に、交流電源PSは高周波阻止用のラインフィルタFを
通して整流器DBに入力され、整流器DBにより全波整
流される。整流器DBの出力端間には帰還用のコンデン
サC4 を介して平滑コンデンサCB が接続される。ま
た、平滑コンデンサCB を電源としてインバータ2が動
作する。
【0064】インバータ2は、平滑コンデンサCB の両
端間に接続されたMOSFETよりなる一対のスイッチ
ング素子S1 ,S2 の直列回路を備え、平滑コンデンサ
Bの負極側のスイッチング素子S1 のドレイン・ソー
ス間には、直流カット用のコンデンサCb1とインダクタ
r と放電灯Laと電流トランスである検出トランスT
3 の第1巻線n31とコンデンサC4 との直列回路が接続
される。検出トランスT3 の第2巻線n32は予熱用のコ
ンデンサCr に直列接続され、第2巻線n32とコンデン
サCr との直列回路は放電灯LaのフィラメントF1
2 の一端間に接続される。さらに、検出トランスT3
は第3巻線n33を備え、第3巻線n33の両端電圧は後述
する制御回路3に入力される。この制御回路3には整流
器DBへの入力電圧を抵抗R1 ,R2 により分圧した後
に全波整流器RFにより整流した電圧も入力される。
【0065】ところで、帰還用のコンデンサC4 にはM
OSFETよりなるスイッチング素子S3 が並列接続さ
れる。スイッチング素子S3 は整流器DBの負極にドレ
インが接続され、平滑コンデンサCB の負極にソースが
接続されている。この接続関係によって、スイッチング
素子S3 の寄生ダイオードD3 ′は図67に示した従来
構成のダイオードD3 と同様に、平滑コンデンサCB
整流器DBからの充電電流を流す方向に挿入されること
になる。スイッチング素子S3 は制御回路3によりオン
・オフされ、スイッチング素子S3 のオン時には帰還用
のコンデンサC 4 の両端間が短絡されることになる。
【0066】以下に上記構成の動作を説明する。スイッ
チング素子S3 がオフであれば、図67に示した従来構
成とほぼ同様に動作する。つまり、整流器DBの出力電
圧が平滑コンデンサCB の両端電圧よりも高い(寄生ダ
イオードD3 ′による電圧降下は無視する)期間におい
ては寄生ダイオードD3 ′がオンになり、平滑コンデン
サCB が整流器DBの出力により充電される。この状態
では、スイッチング素子S2 がオンになれば、整流器D
Bからスイッチング素子S2 −コンデンサCb1−インダ
クタLr −負荷回路−検出トランスT3 の第1巻線n31
という経路で電流が流れ、スイッチング素子S1 がオン
になれば、コンデンサCb1からスイッチング素子S1
寄生ダイオードD3 ′−検出トランスT3 の第1巻線n
31−負荷回路−インダクタLr という経路で電流が流れ
る。
【0067】一方、整流器DBの出力電圧が平滑コンデ
ンサCB の両端電圧よりも低くなる期間では、寄生ダイ
オードD3 ′がオフになり、スイッチング素子S2 のオ
ン時には平滑コンデンサCB からスイッチング素子S2
−コンデンサCb1−インダクタLr −負荷回路−検出ト
ランスT3 の第1巻線n31−コンデンサC4 の経路で電
流が流れ、スイッチング素子S1 のオン時にはコンデン
サCb1−スイッチング素子S1 −コンデンサC4 −検出
トランスT3 の第1巻線n31−負荷回路−インダクタL
r の経路で電流が流れる。
【0068】整流器DBの出力電圧と平滑コンデンサC
B の両端電圧との関係にかかわらずスイッチング素子S
1 ,S2 がオフになった直後にはインダクタLr の蓄積
エネルギが放出されるが、従来構成と同様であるからと
くに説明しない。ところで、上述のようにスイッチング
素子S3 がオフであれば、整流器DBの出力電圧の低い
期間にのみコンデンサC4 が充放電を繰り返すことによ
ってインバータ2の高周波出力が入力側に帰還されるこ
とになる。つまり、コンデンサC 4 の両端電圧がインバ
ータ2の入力側に帰還されるから、コンデンサC4 は高
周波電源として機能する。一方、スイッチング素子S3
がオンになれば、コンデンサC4 は短絡されてインバー
タ2の高周波出力がインバータ2の入力側に帰還されな
くなり、整流器DBの出力端が平滑コンデンサCB に直
結されるから、インバータ2の負荷が軽くなっても平滑
コンデンサCB の両端電圧は異常に上昇することがなく
なる。つまり、軽負荷時にはスイッチング素子S3 をオ
ンにすればよいが、スイッチング素子S3 を常時オンに
すると帰還による入力力率の改善効果が得られなくな
る。
【0069】そこで、本実施形態では予熱や調光といっ
た軽負荷時には負荷が軽いほどスイッチング素子S3
オン期間を長くし、全点灯のように負荷が大きいときに
はスイッチング素子S3 をオフにするように制御回路3
で制御している。また、スイッング素子S3 のオン・オ
フの周期は交流電源PSの周波数に同期させている。負
荷の大きさは検出トランスT3 の第3巻線n33の誘起電
圧を制御回路3において整流平滑することによって得ら
れる電圧レベルViに基づいて検出される。つまり、電
圧レベルViは放電灯Laのランプ電流に相当するから
負荷が大きいほど電圧レベルViが高り、電圧レベルV
iに基づいて予熱、始動、点灯、調光点灯の状態の識別
が可能になる。また、電圧レベルViを整流器DBへの
入力電圧を分圧し整流した電圧Vgと比較することによ
り交流電源PSの周波数に同期する信号が得られる。
【0070】具体的には、全点灯時のようにインバータ
2の負荷が大きいときには、図5(a)のように電圧V
gのピーク値よりも電圧レベルViが高くなるように設
定してあり、このときスイッチング素子S3 は常時オフ
になる。つまり、上述した動作を行なう。一方、調光点
灯時にはランプ電流が全点灯時よりは減少するから、図
5(b)のように電圧レベルViは電圧Vgのピーク値
よりも下がる。ここで、電圧レベルViよりも電圧Vg
が高い期間t1 〜t2 にスイッチング素子S3をオンに
するのである。この動作によって、交流電源PSのピー
ク電圧付近ではコンデンサC4 による帰還を停止させ、
交流電源PSの電圧波形のゼロクロス付近ではコンデン
サC4 による帰還を行なって入力電流を流し続け、力率
の改善効果を得ることができる。光出力をさらに低減さ
せるように調光する場合や予熱時には、図5(c)のよ
うに電圧レベルViがさらに下がるから、スイッチング
素子S3 のオン期間t1 ′〜t2 ′がさらに長くなっ
て、平滑コンデンサCB の両端電圧の上昇を抑制するこ
とができる。この場合でも、交流電源PSの電圧波形の
ゼロクロス付近ではコンデンサC4 による帰還を行なう
から、入力力率の改善効果は得られる。
【0071】さらに、上記構成では、交流電源PSの電
圧が上昇すると、制御回路3に入力される電圧Vgが上
昇するから、スイッチング素子S3 のオン期間t1 〜t
2 が延長されることにより平滑コンデンサCB の両端電
圧を下げる方向に動作し、逆に電圧Vgが下降するとス
イッチング素子S3 のオン期間が短縮されることにより
平滑コンデンサCB の両端電圧を上昇させる方向に動作
する。したがって、交流電源PSの電圧変動に対して平
滑コンデンサCB の両端電圧を安定させる効果もある。
【0072】ところで、上記構成においては交流電源P
Sに同期させてスイッチング素子S 3 を制御している
が、図4に破線で示すように、インバータ2のスイッチ
ング素子S1 ,S2 のオン・オフに同期させてスイッチ
ング素子S3 を制御してもよい。ここに、放電灯Laを
調光するには、スイッチング制御回路CNによりスイッ
チング素子S1 ,S2 のスイッチング周波数を変化させ
るから、スイッチング素子S1 ,S2 をオン・オフさせ
る信号に同期させ、その信号を負荷の大きさに応じて分
周することにより、スイッチング素子S3 をオン・オフ
させるための信号を容易に生成することができる。
【0073】制御回路3では、上述した構成と同様にイ
ンバータ2の負荷の大きさを検出トランスT3 の第3巻
線n33の誘起電圧の電圧レベルにより検出し、電圧レベ
ルが低いほどスイッチング素子S3 をオン・オフさせる
周波数を高くする(分周比を小さくする)。また、第3
巻線n33の誘起電圧の電圧レベルが所定の閾値を越える
ときには全点灯状態とみなしスイッチング素子S3 をオ
フに保つ。
【0074】図6(a)〜(c)はスイッチング素子S
1 とスイッチング素子S3 とのオン・オフの関係を示し
ており、負荷の大きさは(a)>(b)>(c)の関係
になるように設定してある。すなわち、スイッチング素
子S1 のスイッチング周波数は負荷が小さいほど高く、
負荷が小さいほどスイッチング素子S3 の単位時間当た
りのオン時間が長くなり帰還量が減少する。図6(a)
〜(c)のような制御を行なうと、図7(a)〜(c)
の斜線部のように帰還が行なわれる。
【0075】また、スイッチング素子S1 ,S2 のスイ
ッチングに同期してスイッチング素子S3 を制御する際
に、上述のようにスイッチング素子S3 のオン期間をス
イッチング素子S1 のオン期間に一致させることは必須
ではなく、ダイオードD3 ′のオン期間に跨がるように
スイッチング素子S3 をオンにすれば動作がより安定す
ることになる。
【0076】さらに、全波整流器RFの出力である脈流
電圧を制御回路3に入力し、スイッチング素子S1 ,S
2 への信号からスイッチング素子S3 への信号を得る際
の分周比を脈流電圧に応じて変化させる。このような制
御を行なえば、負荷が軽くなったときにも入力電流波形
を正弦波に近付けて入力電流歪を低減することができ
る。
【0077】さらに、スイッチング素子S1 ,S2 のス
イッチングに同期してスイッチング素子S3 を制御する
方法として、スイッチング素子S1 をオン・オフさせる
信号を分周するのではなく、スイッチング素子S1 のオ
ン・オフに同期させるとともに、負荷が軽くなるに従っ
てスイッチング素子S3 のオン期間を長くするように制
御しても同様の効果を得ることができる。
【0078】(実施形態3)本実施形態は、基本的には
特開平7−73988号公報に開示された構成の電源装
置に実施形態2の技術思想を適用したものであって、上
記公報に記載された回路中の一つのダイオードをMOS
FETよりなるスイッチング素子S3 に置き換えた構成
になっている。すなわち、図8に示すように、整流器D
Bの出力端間に、ダイオードD6 とスイッチング素子S
3 との直列回路を介して平滑コンデンサCB を接続して
あり、ダイオードD6 およびスイッチング素子S3 の寄
生ダイオードD3 ′は平滑コンデンサCB に充電電流を
流す向きに挿入される。また、ダイオードD6 と帰還用
のコンデンサC4 との直列回路が整流器DBの出力端間
に接続される。
【0079】インバータ2は、MOSFETよりなる一
対のスイッチング素子S1 ,S2 の直列回路と検出用抵
抗R3 との直列回路を平滑コンデンサCB に並列接続
し、出力トランスT1 の1次巻線n1 とインダクタLr
と直流カット用のコンデンサC b1との直列回路を、両ス
イッチング素子S1 ,S2 の接続点とダイオードD6
よびスイッチング素子S3 の接続点との間に挿入した構
成を有する。スイッチング素子S1 ,S2 は交互にオン
・オフされる。出力トランスT1 の2次巻線n2には放
電灯LaのフィラメントF1 ,F2 の各一端が接続さ
れ、フィラメントF 1 ,F2 の他端間には予熱用のコン
デンサCr が接続される。
【0080】スイッチング素子S3 は実施形態2と同様
に、制御回路3によりオン・オフが制御される。制御回
路3は整流器DBの出力電圧を抵抗R1 ,R2 により分
圧した電圧と検出用抵抗R3 の両端電圧とに基づいてス
イッチング素子S3 のオン期間を決定する。次に、動作
を説明する。スイッチング素子S1 のオン時には、ダイ
オードD6−コンデンサCb1−インダクタLr −出力ト
ランスT1 の1次巻線n1 −スイッチング素子S1 −検
出用抵抗R3 の経路が形成される。また、スイッチング
素子S2 のオン時には平滑コンデンサCB からスイッチ
ング素子S2 −出力トランスT1 の1次巻線n1 −イン
ダクタLr −コンデンサCb1−コンデンサC4 の経路が
形成される。したがって、インバータ2の動作によりコ
ンデンサC4 に高周波電圧が印加され電圧帰還が行なわ
れ、インバータ2におけるスイッチング素子S 1 ,S2
のオン・オフの1周期の間に交流電源PSから整流器D
Bに電流の流れ込む期間が存在するから、整流器DBへ
の入力電流を高周波的に流し続けることができて入力電
流歪および入力力率を改善することができる。
【0081】ところで、コンデンサC4 の両端電圧が平
滑コンデンサCB の両端電圧よりも低い期間には寄生ダ
イオードD3 ′はオフであるから、このときスイッチン
グ素子S3 がオフであると、スイッチング素子S1 がオ
フになったときに、コンデンサC4 の両端電圧にインダ
クタLr および出力トランスT1 の両端電圧を加算した
電圧が、スイッチング素子S2 の寄生ダイオードを介し
て平滑コンデンサCBに印加される。つまり、平滑コン
デンサCB の両端電圧は上昇する。これに対して、スイ
ッチング素子S3 をオンにすれば、平滑コンデンサCB
の両端電圧はコンデンサC4 の両端電圧と等しくなり平
滑コンデンサCB の両端電圧の上昇を防止することがで
きる。
【0082】そこで、制御回路3では検出用抵抗R3
両端電圧により放電灯Laを含む負荷回路に流れる電流
を検出し、負荷に流れる電流が大きい(つまり、負荷が
大きい)ときにはスイッチング素子S3 をオフに保ち、
負荷が軽くなるとスイッチング素子S3 のオン期間を増
加させる。スイッチング素子S3 のオン期間にはコンデ
ンサC4 の両端に高周波電圧が生じないから、インバー
タ2の高周波出力の電圧帰還が行なわれず、軽負荷にな
っても平滑コンデンサCB の電圧上昇は生じない。すな
わち、予熱時や調光時にはスイッチング素子S3 のオン
期間を長くすることにより平滑コンデンサCB の電圧上
昇を抑制することができる。スイッチング素子S3 を制
御する信号は、実施形態2と同様にして生成したものを
用いればよい。ただし、負荷の大きさは、実施形態2で
は検出トランスT3 の第3巻線n 33の誘起電圧によって
検出したが、本実施形態では検出用抵抗R3 の両端電圧
に基づいて検出している。他の動作は実施形態2と同様
である。
【0083】(実施形態4)本実施形態は、図9に示す
ように、図68に示した従来構成に高周波帰還用トラン
スT4 を付加したものであり、インバータ2の基本的な
動作は図68の従来構成と同様のものである。以下では
構成を簡単に説明する。整流器DBの出力端間にはダイ
オードD3 を介して平滑コンデンサCB が接続される。
インバータ2は、平滑コンデンサCB の両端間に接続さ
れた一対のスイッチング素子S1 ,S 2 の直列回路を備
え、両スイッチング素子S1 ,S2 は交互にオン・オフ
される。スイッチング素子S1 には、インダクタLr
直流カット用のコンデンサCb1と高周波帰還用トランス
4 の第1巻線n41と放電灯Laとの直列回路が並列接
続される。高周波帰還用トランスT4 の第2巻線n42
予熱用のコンデンサCrとの直列回路が放電灯Laのフ
ィラメントF1 ,F2 間に接続される。第1巻線n41
第2巻線n42とは、フィラメントF1 を介して逆極性と
なるように直列接続される。また、高周波帰還用トラン
スT4 の第3巻線n43の一端は帰還用のコンデンサC4
を介して整流器DBの正極に接続され、第3巻線n43
他端は第1巻線n41とコンデンサCb1との接続点に接続
される。
【0084】動作は基本的には図68に示した従来構成
と同様であって、整流器DBの出力端間の電圧が平滑コ
ンデンサCB の両端電圧よりも低い期間にはダイオード
3はオフであるから、スイッチング素子S2 がオンの
ときには平滑コンデンサCBからスイッチング素子S2
−インダクタLr −コンデンサCb1−高周波帰還トラン
スT4 の第1巻線n41−放電灯Laを通る経路で電流が
流れ、スイッチング素子S1 がオンになると、コンデン
サCb1に蓄積された電荷を電源としてインダクタLr
スイッチング素子S1 −放電灯La−高周波帰還トラン
スT4 の経路で電流が流れる。また、スイッチング素子
1 のオン期間には、整流器DBからコンデンサC4
高周波帰還トランスT4 の第3巻線n43−コンデンサC
b1−インダクタLr −スイッチング素子S1 の経路にも
電流が流れ、交流電源PSから整流器DBに入力電流を
高周波で流し続けることができる。つまり、入力電流歪
が少なく、かつ入力力率が高くなる。
【0085】ところで、図9に示す構成では、スイッチ
ング素子S2 がオンからオフに移行すると、インダクタ
r の両端電圧とコンデンサCb1の両端電圧と高周波帰
還用トランスT4 の第3巻線n43とコンデンサC4 の両
端電圧との加算電圧が、ダイオードD3 とスイッチング
素子S1 の寄生ダイオードとを通る経路で平滑コンデン
サCB に印加される。ここで、高周波帰還用トランスT
4 の第1巻線n41と第2巻線n42とが逆極性で直列接続
されていることにより、第3巻線n43には第1巻線n41
と第2巻線n42との両端電圧の差に比例した電圧が誘起
される。したがって、予熱時には第3巻線n43への誘起
電圧は低くなる。また、放電灯Laの点灯時においても
調光されると第1巻線n41の通過電流が少なくなるか
ら、第3巻線n43への誘起電圧は定常点灯時よりも小さ
くなる。その結果、軽負荷時には帰還量が減少して平滑
コンデンサCB の両端電圧の上昇を抑制することができ
るのである。
【0086】(実施形態5)本実施形態は、図10に示
すように、図67に示した従来構成とほぼ同様の構成を
有するものである。すなわち、整流器DBの出力端間
に、ダイオードD3 を介して平滑コンデンサCB が接続
され、ダイオードD3 には帰還用のコンデンサC4 が並
列接続されたものであって、インバータ2は、平滑コン
デンサCB の両端間に接続された一対のスイッチング素
子S1 ,S2 の直列回路を備える。両スイッチング素子
1 ,S2 はMOSFETよりなり、スイッチング制御
回路CNにより交互にオン・オフされる。また、スイッ
チング制御回路CNはスイッチング素子S1 ,S2 のオ
ン期間のデューティを制御することにより、放電灯La
に供給する電力を調節する。整流器DBの正極の出力端
と両スイッチング素子S1,S2 の接続点との間には、
放電灯LaとインダクタLr と直流カット用のコンデン
サCb1との直列回路が接続される。この直列回路におい
てインダクタLr は放電灯LaとコンデンサCb1との間
に接続され、コンデンサCb1の一端がスイッチング素子
1 ,S2 の接続点に接続される。また、放電灯Laの
フィラメントF1 ,F2 の間に予熱用のコンデンサCr
が接続される。
【0087】次に動作を説明する。いま、平滑コンデン
サCB の両端電圧よりも整流器DBの出力端間の電圧が
低いとすると、ダイオードD3 はオフであり、平滑コン
デンサCB の両端電圧と整流器DBの出力端間の電圧V
aとの差がコンデンサC4 に印加されることになる。ス
イッチング素子S1 のオン期間には整流器DBから放電
灯La−インダクタLr −コンデンサCb1−スイッチン
グ素子S1 の経路で電流が流れ、スイッチング素子S2
のオン時にはコンデンサCb1を電源としてインダクタL
r −放電灯La−コンデンサC4 −スイッチング素子S
2 の経路で電流が流れる。このように、スイッチング素
子S1 ,S2 のオン・オフに伴ってコンデンサC4 が充
放電を繰り返すから、インバータ2の高周波出力が入力
側に帰還されることになる。つまり、整流器DBへの入
力電流を高周波で断続させることにより入力力率が改善
される。なお、平滑コンデンサCB の両端電圧よりも整
流器DBの出力端間の電圧が高いときにはダイオードD
3 がオンになるから、コンデンサC4 を通る経路は形成
されず平滑コンデンサCB が充電される。
【0088】ところで、上記構成において、定常点灯時
にはスイッチング素子S1 ,S2 のオン期間のデューテ
ィは図11(a)(b)のようにほぼ50%に設定され
る。このとき、インダクタLr に流れる電流IL は図1
1(c)のようになる。図11(d)のように平滑コン
デンサCB の両端電圧Vdcは整流器DBの入力端間の電
圧Vinの絶対値より高いから、図10に示す電位Va
は、コンデンサC4 の両端電圧の極性反転に伴ってVdc
とVinとの間で変化する。しかして、スイッチング素子
1 のオン期間内に電位Vaは入力電圧Vinまで下り、
図11(e)のように入力電流Iinが流れる。
【0089】一方、調光時にはスイッチング素子S2
オン期間を長くするとともに、スイッチング素子S1
オン期間を短くする。つまり、図12(a)(b)に示
すように、スイッチング素子S1 ,S2 のオン期間のデ
ューティを相反するように変化させる。このように制御
すれば、インダクタLr に流れる電流IL は図12
(c)のように定常点灯時よりも小さくなる。つまり、
コンデンサC4 の充電電荷も減少し、図12(d)のよ
うにコンデンサC4 の両端電圧の振幅が定常点灯時より
も小さくなる(コンデンサC4 の両端電圧の飽和期間が
短くなる)。その結果、図12(e)のように入力電流
inの流れる期間が定常点灯時よりも短くなって、平滑
コンデンサCB の両端電圧の上昇が抑制される。つま
り、スイッチング素子S1 ,S2 のオン期間のデューテ
ィを制御することにより放電灯Laを調光するととも
に、調光量の増・減(光出力の減・増)に応じて帰還量
を減・増させることで平滑コンデンサCB の両端電圧の
上昇を抑制することができる。
【0090】(実施形態6)本実施形態は、図13に示
すように、平滑コンデンサCB の両端間に一対のダイオ
ードD4a,D4bの直列回路をクランプ回路として接続
し、両ダイオードD4a,D4bの接続点の電位が平滑コン
デンサCB の両端電圧を越えないようにする構成を備え
ている。また、両ダイオードD4a,D4bの接続点は高周
波電源(インバータ2)の出力電圧を制御する位置に接
続してある。
【0091】図68に示した従来構成においてはインダ
クタLr と放電灯Laとの間にコンデンサCb1を挿入し
ていたが、図13に示すものでは、インダクタLr とコ
ンデンサCb1との間に放電灯Laが挿入される。また、
放電灯Laと並列にコンデンサC5a,C5bの直列回路を
挿入し、コンデンサC5a,C5bの接続点とダイオードD
4a,D4bの接続点とを共通に接続し、さらに、この接続
点に帰還用のコンデンサC4 の一端を接続してある。コ
ンデンサC4 の他端は図68に示した従来構成と同様
に、整流器DBの正極の出力端に接続してある。他の構
成は図68に示した従来構成と同様であり、同符号を付
した構成は同機能を有するものである。
【0092】この回路において、コンデンサC5a
5b、ダイオードD4a,D4b、コンデンサC4 を無視す
れば、インバータ2はハーフブリッジ形として動作す
る。すなわち、スイッチング素子S2 のオン時に平滑コ
ンデンサCB からスイッチング素子S2 −インダクタL
r −放電灯La−コンデンサCb1の経路で電流が流れ、
スイッチング素子S1 のオン時にコンデンサCb1を電源
として放電灯La−インダクタLr −スイッチング素子
1 の経路で電流が流れることによって、放電灯Laに
高周波交番電圧を印加する。したがって、コンデンサC
5a,C5bの直列回路には放電灯Laの両端電圧が印加さ
れ、コンデンサC5a,C5bにより分圧された電圧とコン
デンサC4 の両端電圧との加算電圧が平滑コンデンサC
B の両端電圧よりも高い期間に、ダイオードD3 を通し
て平滑コンデンサCB が充電されることになる。つま
り、コンデンサC5a,C5bの接続点の電位が高くなると
平滑コンデンサCB の両端電圧も上昇する。また逆に、
コンデンサC5bの両端電圧とコンデンサC4 の両端電圧
との加算電圧が、整流器DBへの入力電圧の絶対値より
も低い期間に、整流器DBへの入力電流はコンデンサC
4 を通して流れる。つまり、平滑コンデンサCB の両端
電圧よりも整流器DBの出力電圧が低い期間においても
入力電流を高周波で流し続けることができるから、入力
電流歪が少なく入力力率が高くなる。
【0093】ここに、コンデンサC5a,C5bの接続点の
電位はダイオードD4a、D4bによって平滑コンデンサC
B の両端電圧にクランプされているから、放電灯Laの
ランプ電圧が上昇しても平滑コンデンサCB の両端電圧
の上昇は抑制される。放電灯Laは負性抵抗特性を有
し、調光のためにランプ電力を低減するとランプ電圧は
上昇しようとするが、コンデンサC5a,C5bの接続点の
電位がクランプされているから、平滑コンデンサCB
両端電圧の上昇を抑制することができる。
【0094】(実施形態7)図14に示す回路では、図
13に示した実施形態6の回路の放電灯Laおよびコン
デンサC5a,C5bに代えて、出力トランスT1 の1次巻
線n1 とコンデンサC3 との並列回路を接続し、ダイオ
ードD4a,D4bの接続点およびコンデンサC 4 の一端を
出力トランスT1 の1次巻線n1 とインダクタLr との
接続点に接続したものである。放電灯Laは出力トラン
スT1 の2次巻線n2 に接続され、放電灯Laには予熱
用のコンデンサCr が接続される。
【0095】この構成においては、スイッチング素子S
1 ,S2 のオン・オフに伴って出力トランスT1 の1次
巻線n1 の両端に高周波電圧が生じるから、この高周波
電圧とコンデンサC4 の両端電圧との加算電圧が平滑コ
ンデンサCB の両端電圧よりも高くなると平滑コンデン
サCB の両端電圧が上昇する。そこで、この高周波電圧
をダイオードD4a,D4bを用いて平滑コンデンサCB
両端電圧にクランプするのである。つまり、図13に示
した回路と同様に、調光時などに平滑コンデンサCB
両端電圧が上昇するのを抑制することができる。他の構
成および動作は実施形態6と同様である。
【0096】(実施形態8)本実施形態では図15に示
すように、図14に示した実施形態7の回路の出力トラ
ンスT1 に帰還巻線n3 を設け、帰還巻線n3 と帰還用
のコンデンサC4 とコンデンサC2 ′との直列回路を整
流器DBの出力端間に接続してある。ダイオードD4a
4bの接続点は帰還巻線n3 とコンデンサC4 との接続
点に接続してある。
【0097】この構成では、ダイオードD4a,D4bがな
いものとすると、インバータ2の動作時に調光点灯など
によってランプ電圧が上昇したときに帰還巻線n3 に誘
起される電圧が上昇するから、コンデンサC2 ′の両端
電圧と帰還巻線n3 の誘起電圧とコンデンサC4 の両端
電圧との加算電圧が平滑コンデンサCB の両端電圧より
も高い期間には平滑コンデンサCB の両端電圧が上昇す
ることがある。
【0098】これに対して、図15に示した構成では、
ダイオードD4a,D4bを設け、コンデンサC2 ′の両端
電圧と帰還巻線n3 の誘起電圧との加算電圧を平滑コン
デンサCB の両端電圧でクランプすることにより、平滑
コンデンサCB の両端電圧の異常上昇を抑制することが
できる。他の構成および動作は実施形態6と同様であ
る。
【0099】(実施形態9)本実施形態は、図16に示
すように、図13に示した回路と次の点で相違する。す
なわち、インダクタLr として2次巻線n12を備えるも
のを用い、コンデンサC5a,C5bの直列回路をコンデン
サC5 に置き換え、インダクタLr の1次巻線n11とコ
ンデンサC5 との接続点に帰還用のコンデンサC4 の一
端を接続し、さらに、インダクタLr の2次巻線n12
一端をダイオードD4a,D4bの接続点に接続するととも
に、2次巻線n12の他端をコンデンサCb1とコンデンサ
5 との接続点に接続した構成を有する。本実施形態も
実施形態6と同様にダイオードクランプ技術を用いたも
のであり、以下の機能を有する。
【0100】つまり、放電灯Laに印加される高周波電
圧はコンデンサC4 を通してインバータ2の入力側に帰
還されるから、ランプ電圧すなわちコンデンサC5 の両
端電圧が上昇すれば、平滑コンデンサCB の両端電圧が
異常に上昇することがある。しかして、コンデンサC5
の両端電圧がコンデンサC4 の両端電圧に加算されると
きには、インダクタLr の1次巻線n11を図中右から左
に電流が流れるから、ダイオードD4a,D4bの接続点に
接続されている2次巻線n12の一端にコンデンサC5
両端電圧に相当する電圧が現れる極性でインダクタLr
の1次巻線n11と2次巻線n12とを接続しておけば、2
次巻線n12の誘起電圧を平滑コンデンサCB の両端電圧
にクランプしていることによって、ランプ電圧の上昇を
抑制することができる。つまりは、平滑コンデンサCB
の両端電圧の上昇を抑制することができる。
【0101】なお、実施形態6ないし実施形態9におい
てはコンデンサCb1とインダクタL r との間に他の素子
が挿入されているが、コンデンサCb1とインダクタLr
とは直接接続してもよい。 (実施形態10ないし実施形態15の基本構成)以下の
実施形態を説明する前に、図68に示した従来構成につ
いてさらに詳しく分析する。図68に示した構成は帰還
用のコンデンサC4 を備え、インバータ2の高周波出力
の一部を帰還することによって力率を改善する機能を持
たせていた。この種の回路はチャージポンプ式と呼ぶこ
とがある。すなわち、帰還用のコンデンサC4 を充電用
のコンデンサCinとみなすのであって、チャージポンプ
式としての動作原理図を図17に示す。この原理図で
は、図68に示した回路を、交流電源PSと、平滑コン
デンサCB に相当する直流電源DCSと、充電用のコン
デンサCinと、インバータ2の出力の一部である高周波
交流源(すなわち帰還電源であり、ここでは電圧源)H
FSとで表してある。
【0102】この回路では、直流部電圧Vdcを入力交流
電圧Vg より高くなるように設計しておけば、入力ダイ
オードDc と整流器DBとは同時に導通しない。また、
図の状態で入力電流iinは、コンデンサCinの充電電流
C に等しい。この充電電流IC は高周波交流電圧源H
FSの出力交流電圧Va 、交流電源PSからの入力交流
電圧Vg 、平滑コンデンサCB (DCS)の両端電圧で
ある直流部電圧Vdcの関係により変化する。ここに、コ
ンデンサCinの電荷量(図18(c)に示すコンデンサ
inの両端電圧VC に比例する)が入力交流電圧Vg
伴って変化すれば、図18(b)のように入力電流iin
の平均値iin,av は入力交流電圧Vg に追随するように
変化し、入力力率を高めることができる。
【0103】チャージポンプ式の電源装置の例として負
荷を放電灯Laとした電子バラストの具体回路を図19
に示す。この回路は、図68に示した回路とほぼ同様で
あるが、コンデンサCb1とインダクタLr とのの位置関
係が逆になっている。別の見方をすれば、図62に示し
た回路に対して、インダクタL1 を充電用のコンデンサ
inに置き換えたものである。この回路では2つのスイ
ッチング素子S1 ,S 2 への電流ストレスが等しくなる
から、図62の回路よりもコストを低減することができ
る。しかしながら、この回路においても軽負荷時にはス
イッチング素子S1 ,S2 に大きな電圧ストレスがかか
り、しかも、コンデンサCinを通して交流電源から放電
灯Laにリップル成分が流れ込むから、ランプ電流の波
高因子が大きくなり入力電流の全高調波歪が高くなる可
能性がある。
【0104】チャージポンプ式の電子バラストについて
さらに詳しく分析する。図20は放電灯を負荷とするチ
ャージポンプ式の電子バラストの具体回路であって、こ
の回路は、力率改善回路1とインバータ2との2つの部
分に分けることができる。また、上述したように図62
に示した回路のインダクタL1 に代えて入力電流iin
制御するために充電用のコンデンサCinを用いている。
このようにコンデンサCinを用いることにより、回路全
体のコストの低減につながる。放電灯Laには点Aと点
Oとの間から電力が供給される。放電灯Laに並列接続
されたコンデンサCr は、放電灯Laの始動時にランプ
電圧を上昇させるものである。また、トランスT1 は絶
縁トランスを兼ねた出力トランスであって、所要のラン
プ電圧を与える機能(出力巻線n2 )と、ランプのフィ
ラメントを予熱する機能(予熱巻線np ,np )との2
機能を有する。トランスT1 の1次巻線n1 の両端に印
加される出力交流電圧Va では放電灯Laの駆動には不
十分であるから、所要の電圧に昇圧するためにパワート
ランスを用いている。図21に示すものは放電灯Laの
フィラメントを予熱するための他の回路例である。
【0105】図20に示した回路の等価回路を図22に
示す。ここに、DBはダイオードブリッジよりなる整流
ダイオードを示し、Vg (=Vgp| sinωL t′|、た
だし、Vgpはピーク値)は交流電源PSからの入力交流
電圧である。回路を適正に設計すれば、ランプ電圧の振
幅は交流電源の1周期の間はほぼ一定であるから、出力
交流電圧Va (=Vp cosωs t)は一定振幅の高周波
交流電圧源HFSから出力されているとみなすことがで
きる。また、入力電流を制御するために、入力ダイオー
ドDc と整流器DBとは、同時にはオンにならないよう
にしてある。すなわち、上述したように直流部電圧Vdc
を入力交流電圧Vg よりも常に高くしてある。したがっ
て、直流部電圧Vdcは入力交流電圧Vg のピーク値Vgp
より高くしなければならない。また、一般にスイッチン
グ素子S1 ,S 2 をオン・オフさせるスイッチング周波
数は交流電源周波数に比較して十分に高いから、入力交
流電圧Vg はスイッチングの1周期においてほぼ一定と
みなすことができる。
【0106】まず、チャージポンプ式の回路における力
率改善の原理について説明する。ここでは、理解を助け
るために、力率改善に関する等価回路を図23に示す。
ここに、出力交流電圧Va はスイッチングの1周期では
一定振幅の交流電圧源とみなされる。スイッチングの1
周期には図24のように4状態がある。また、各部の動
作波形を図25に示す。ダイオードおよびスイッチング
素子のオン時の電圧降下を無視すると、スイッチングの
1周期における各状態の動作は以下のようになる。
【0107】状態1 [0,α] (図24(a)) この状態は、点Bの電位Vb が直流部電圧Vdcよりも低
くかつ入力交流電圧V g よりも高い状態であり、入力ダ
イオードDc と整流器DBとはともに非導通状態にな
る。つまり、コンデンサCinに電流は流れないから、コ
ンデンサCinの両端電圧VC は変化しない。一方、出力
交流電圧Va は減少し続けるから点Bの電位Vb は低下
する。状態1は、点Bの電位Vb が入力交流電圧Vg
等しくなったとき、すなわちωs t=αになると終了す
る。
【0108】状態2 [α,π] (図24(b)) ωs t=αになると整流器DBが導通し始めるから、点
Bの電位Vb は入力交流電圧Vg にクランプされる。点
Bの電位Vb を一定に保つには、出力交流電圧Va が減
少し続けるときにコンデンサCinの両端電圧VC を上昇
させなければならないから、コンデンサCinは整流器D
Bを通して流れる電流により充電される。ωs t=πに
なると出力交流電圧Va は、負のピーク値−Vp まで下
がり、コンデンサCinの両端電圧VC は最大値VC,max
に達する。つまり、コンデンサC inの両端電圧VC は最
大値VC,max は次式のようになる。 VC,max =Vp +Vg (1) ここに、Vp は出力交流電圧Va の振幅である。
【0109】状態3 [π,π+β] (図24(c)) ωs t=π以後では、出力交流電圧Va が負のピーク値
−Vp から上昇し、また点Bの電位Vb が入力交流電圧
g より高くなることにより、整流器DBは逆バイアス
になる。また、点Bの電位Vb は直流部電圧Vdcより低
いから、入力ダイオードDc は非導通状態に保たれる。
状態1と同様にコンデンサCinに電流は流れないから、
コンデンサCinの両端電圧VC は変化しない。一方、出
力交流電圧Va は上昇し続けるから、点Bの電位Vb
上昇する。状態3は、点Bの電位Vb が直流部電圧Vdc
と等しくなったとき、すなわちωs t=π+βになると
終了する。
【0110】状態4 [π+β,2π] (図24
(d)) ωs t=π+βになると、入力ダイオードDc が導通し
始めるから、点Bの電位Vb は直流部電圧Vdcと等しい
ままに保たれ、出力交流電圧Va の上昇に伴ってコンデ
ンサCinの両端電圧VC は低下することになる。このと
き、コンデンサCinの放電電流は入力ダイオードDc
通して流れる。ωs t=2πになると、出力交流電圧V
a は正のピーク値Vp まで上昇し、コンデンサCinの両
端電圧V C は最小になる。すなわち、コンデンサCin
両端電圧VC は最小値VC,min は次式で表される値にな
る。 VC,min =Vdc−Vp (2) ωs t=2π以後は状態1の回路動作に戻り次のスイッ
チング周期で同様の動作を繰り返す。
【0111】上述の分析から明らかなように、交流電源
PSからの入力電流iinは状態2でのみ流れる。したが
って、上記回路への入力電流iinは不連続になる。ま
た、この入力電流iinはコンデンサCinの充放電により
制御されている。つまり、コンデンサCinの電荷量の変
化をさらに詳細に分析すれば、入力力率を1にする動作
条件が明らかになる。
【0112】しかして、コンデンサCinが充電された状
態での電荷の変化量ΔQchは以下のように表すことがで
きる。 ΔQch=Cin(VC,max −VC,min ) (3) 式(1)(2)を式(3)に代入すると、次式が得られ
る。 ΔQch=Cin(Vg +2Vp −Vdc) (4) 整流器DBはどのスイッチング周期でもコンデンサCin
への充電時(状態2)でのみ導通するから、1つのスイ
ッチング周期における交流電源PSからの入力電流iin
の平均値iin,av はコンデンサCinの充電電流IC の平
均値Ichに等しくなる。すなわち、入力電流iinの平均
値iin,av は以下のように表される。 iin,av =Ich=fs ・ΔQch (5) これより、次式が得られる。 iin,av =fs in(Vg −2Vp −Vdc) (6) ただし、fs はスイッチング周波数である。入力力率を
高めるには、入力電流の変化が入力電圧の変化に追随す
ることが要求される。つまり、次式を満足させるのが望
ましい。 iin,av ∝Vg (7) いま、直流部電圧Vdcと出力交流電圧Va のピーク値V
p とを次の関係に設定しているものとする。 Vdc=2Vp (8) そのとき、入力電流iinの平均値iin,av は次の値にな
る。 iin,av =fs ing ∝Vg (9) このことから、式(8)が成立すれば入力力率が高くな
ることがわかる。また、出力交流電圧Va の波形は、振
幅が一定であればどのような波形でもよい。つまり、出
力交流電圧Va のピーク−ピーク値が直流部電圧Vdc
等しければ、高い入力力率が保証されるのである。
【0113】ところで、式(6)によれば入力交流電圧
g の電圧波形のゼロクロス点での入力電流歪を避ける
ために、出力交流電圧Va の振幅(ピーク値)Vp は直
流部電圧Vdcの半分の値より低くすることができない。
つまり、出力交流電圧Va のピーク値Vp が直流部電圧
dcの半分の値より低いと、Vg ≦|Vdc−2Vp |の
ときに入力電流が休止してしまうからである。
【0114】上記分析により明らかなように、入力電流
歪を少なくするには、出力交流電圧Va のピーク−ピー
ク値を直流部電圧Vdcと等しくするか、十分に近い値に
しなければならない。それゆえ、図20に示すトランス
1 は必須であって、このトランスT1 によりランプを
駆動するのに必要な電圧ゲインを得ることができるので
ある。
【0115】回路を適正に設計すれば、直流部電圧Vdc
は入力交流電圧Vg のピーク値Vgpよりもつねに高くな
る。したがって、すべての入力電力はコンデンサCin
引き渡される。ここで、Vdc≧Vg かつVp ≧Vdc/2
であってVp は一定であるから、入力フィルタを適正に
設計することによりコンデンサCinを通過する入力電力
inを導くに際して下記の2式を用いることができる。 Vg =Vgp|sin(ωL t) | (10)
【0116】
【数1】
【0117】式(6)(10)を式(11)に代入する
と、次式が得られる。
【0118】
【数2】
【0119】力率が1のときにはVdc=2Vp であるか
ら式(12)は次式のようになる。
【0120】
【数3】
【0121】式(13)は回路設計上で有用なものであ
る。すなわち、入力交流電圧Vg と、入力電力Pinと、
スイッチング周波数fs とにより、コンデンサCinの容
量を決めることができる。インバータ2は基本的にはL
C共振回路である。状態2および状態4では共振回路に
コンデンサCinが接続され、状態1および状態3では共
振回路からコンデンサCinが切り離されるから、出力交
流電圧Va は交流電源電圧の半サイクル内で大きく変化
する。以下に、この点を説明する。
【0122】力率改善回路1およびインバータ2の各動
作状態におけるインバータ2の等価回路を図26に示
す。各スイッチング周期のうち2π−α−β≒2(π−
α)の間(状態2と状態4との合計の期間)はコンデン
サCinが共振回路に接続される。ここに、2(π−α)
は交流電源PSからの入力交流電圧Vg により変化す
る。つまり、入力交流電圧Vg が低い期間には2(π−
α)は小さく、入力交流電圧Vg が高くなると2(π−
α)は大きくなる。さらに、図26(b)に示すよう
に、状態2では入力交流電圧Vg がインバータ2に印加
されるから、出力交流電圧Va は入力交流電圧Vg の影
響を受ける。図26では放電灯Laの抵抗成分を抵抗R
la' で等価的に表してある。しかして、インバータ2の
等価回路は図27のように表すことが可能である。この
等価回路では、コンデンサCinに相当する容量成分C
in,eq がコンデンサC r と並列接続され、この容量成分
in,eq の容量は入力交流電圧Vg の関数になる。ただ
し、容量成分Cin,eq の容量を厳密に数式で表すことは
できない。もっとも、概して言えば容量成分Cin,eq
入力交流電圧Vg が高いときに大きく、低いときに小さ
くなる。また、容量成分Cin,eq は入力交流電圧Vg
最大値となるときに最大値(Cin)になる。したがっ
て、入力交流電圧Vg の変化に伴うインバータ2の電圧
ゲイン(=Vp /Vdc)はおおよそ図28に示す曲線の
ように表すことができる。ここに、入力交流電圧Vg
低いときにはインバータ2の共振周波数は高くなる。つ
まり、この回路は容量モードで動作することになり(図
28(b)に示す曲線Aのようになる)、とくに軽負荷
になるとスイッチング素子のゼロボルトスイッチングに
よる損失が問題になる。また、スイッチング素子である
MOSFETの寄生ダイオードの逆回復により、スイッ
チング素子のターンオン時における損失がかなり多くな
る。
【0123】インバータの電圧ゲインを表す曲線が図2
8(b)のようにあまり離れていないのであれば、図2
9に示すようにインバータの電圧ゲインを表すおおよそ
の曲線を決めることができる。ここで、入力力率をほぼ
1にするには、電圧ゲインを0.5にしなければならな
い。ところで、上述の回路には限界がある。つまり、軽
負荷時には、入力電流の全高調波歪が多く、ランプ電流
の波高因子が大きく、また直流部電圧が高いのである。
【0124】まず、全高調波歪が多く、波高因子が大き
い理由を説明する。交流出力電圧(つまり点Aの電位)
a のピーク値Vp が入力交流電圧Vg の半サイクルの
間に変化することは図28(b)を見れば容易に推測さ
れる。このような変化があると、ランプ電流の波高因子
が増加してしまう。つまり、直流部電圧Vdcの変化は無
視してよいから、上述のような変化によって入力交流電
圧Vg の半サイクルの期間中に式(8)を満足できない
可能性が生じる。また、式(6)によってわかるよう
に、入力電流iinが入力交流電圧Vg の変化に追随しな
くなるから、入力力率が低下し、入力電流の全高調波歪
が増加する。
【0125】図30からわかるように、ランプ電流iL
の波形は2つの部分を有している。つまり、ランプ電流
Liの波形は完全な正弦波状ではなく、このことがラン
プ電流iL の波高因子を増加させる別の理由である。な
お、Vt は直流カット用のコンデンサCb1とインダクタ
r との接続点の電位である。次に、軽負荷時に直流部
電圧Vdcが上昇する理由を説明する。この問題を理解す
るには式(12)を詳細に考察すればよい。式(12)
によれば、スイッチング周波数fs、コンデンサCin
点Aの電位Va のピーク値Vp のいずれかか高いほど、
コンデンサCinを通過する入力電力が多くなることがわ
かる。つまり、直流部電圧Vdcが高いほど、コンデンサ
inを通過する入力電力が少なくなる。定常点灯時に、
dc>Vgpが満たされるとすれば、コンデンサCinを通
過する入力電力は出力電力と等しいことになる。軽負荷
時には出力電力は減少するから、式(12)の右辺の変
数を変化させることにより式(12)の両辺を一致させ
なければならない。
【0126】一般に、放電灯用の電子バラストの動作は
3つの動作モードを持つ。すなわち、予熱モード、始動
モード、定常点灯モードである。図31に各種の負荷条
件でのインバータのおよその電圧ゲインを示す。図31
における実線は全負荷時、破線は軽負荷時の電圧ゲイン
を示す。図31に示すように、予熱時にはランプ電圧を
始動電圧よりも十分に小さくしなければならない。この
とき放電灯は点灯していないから、回路は軽負荷で動作
している。また、予熱時のスイッチング周波数fs は、
定常点灯時より十分に高くしてある。すなわち、軽負荷
時には点Aの電位Va のピーク値Vp を全負荷時と等し
くするには、軽負荷時のスイッチング周波数fs を全負
荷時のスイッチング周波数fs よりも高くすることが必
要である。また、このスイッチング周波数fs は、スイ
ッチング素子S1 ,S2 のゼロボルトスイッチングを保
証するために共振周波数より低くすることはできない。
【0127】以上のような条件が予熱時の動作に影響す
る。式(12)を満たそうとすれば、予熱時のランプ電
圧を十分に下がっていないときには、軽負荷時の直流部
電圧Vdcが上昇することになる。つまり、次の関係にな
る(↑↓はそれぞれ上昇、下降を示す)。 Pin↓ and fs ↑ → Vdc↑ 始動時にはランプ電圧は定常点灯時よりもかなり高くな
る。また、十分に高い始動電圧を印加するために、一般
にスイッチング周波数fs は始動時と定常点灯時とでは
ほとんど変化させないようにしている。スイッチング周
波数fs が同じであっても軽負荷時には全負荷時よりも
Qが大幅に高くなるから、ランプ電圧V a のピーク値V
p は軽負荷のほうが全負荷よりもかなり高くなるのであ
る。一般にこのような条件が放電灯の始動動作に関係す
る。ただし、放電灯は始動していないから、始動時の出
力電力は、予熱時と同様に定常点灯時よりはかなり小さ
い。式(12)によれば、入力電力を減少させて出力電
力を低減するために、始動時における直流部電圧Vdc
定常点灯時の出力電圧Vdcよりも大幅に増加させなけれ
ばならない。つまり、次の関係になる。 Pin↓ and Vp ↑ → Vdc↑ 以下に説明する実施形態は、放電灯の予熱時、始動時、
定常点灯時における種々の欠点を解消することを目的と
している。
【0128】(実施形態10)基本構成として説明した
ように、チャージポンプ式の電子バラストでは、軽負荷
時には直流部電圧(平滑コンデンサの両端電圧)が上昇
してしまうものである。そこで、本実施形態では、放電
灯に用いる電子バラストについて直流部電圧を低減する
望ましい解決策を説明する。
【0129】図20に示した回路構成では軽負荷時の動
作条件で高電圧のストレスがかかることがあるから、高
耐圧の半導体素子を用いる必要がある。したがって、コ
スト増を避けることができない。一方、軽負荷時の直流
部電圧Vdcを低減させる解決策は式(12)により得る
ことができる。つまり、コンデンサCinに相当する容量
成分(図27に示したCin)あるいは点Aの電位Va
振幅(ピーク値)Vpを軽負荷時に引き下げることがで
きれば、直流部電圧Vdcを下げることができるのであ
る。
【0130】ところで、一般に共振型のインバータ2で
は共振周波数を1つだけ設定してある(以下では、この
共振を第1共振という)。これに対して、本実施形態で
は、コンデンサCinに相当する容量成分を低減するため
に、第1共振の共振周波数とは異なる共振周波数を持た
せている(以下では、この共振を第2共振という)。本
実施形態は基本的には、第1共振と第2共振との共振周
波数に対して回路を動作領域を変化させることにより、
負荷条件の変化に対してコンデンサCinに相当する容量
成分を変化させるものである。
【0131】コンデンサCinに相当する容量成分を制御
する方法は種々あるが、図32に示す例では、コンデン
サCinを通る経路に共振回路(コンデンサCin,Cin1
およびインダクタLinよりなる)3aを設け、この共振
回路3aに第2共振を生じさせている。この共振回路3
aは図33に示す特性を有し、周波数fr2(=1/2π
(Linin1 1/2 )では、インダクタLinとコンデン
サCin1 とによる共振が生じてインピーダンスがきわめ
て高くなる。その結果、共振回路3aの容量成分は減少
する。なお、fr1=1/2π(Lin(Cin1 +Cin
1/2 である。
【0132】したがって、軽負荷時の動作周波数がfr2
付近に設定されていると、コンデンサCinを通して流れ
る入力電流が制限され(式(6)参照)、結果として入
力電力は自動的に減少する。これに伴って直流部電圧V
dcを下げることができる。軽負荷時におけるインバータ
2のスイッチング周波数は図33の斜線部に示す範囲内
に設定される。共振回路3aの等価インピーダンスZe
qはスイッチング周波数がfr2になるとほぼ無限大にな
るから、インバータ2の共振回路(インダクタLr およ
びコンデンサCr よりなる)にはほとんど影響しない。
したがって、スイッチング周波数がfr2付近であればイ
ンバータ2の共振点はインダクタLr およびコンデンサ
r だけで決定することができる。つまり、軽負荷時
(たとえば、予熱時、始動時等)において高いランプ電
圧を容易に得ることができる。
【0133】(実施形態11)軽負荷時のスイッチング
周波数でコンデンサCinに相当する容量成分を変化させ
る他例の回路を図34に示し、共振回路3bの特性を図
35に示す。つまり、図32に示した共振回路3aは、
インダクタLinとコンデンサCin1 との並列回路をコン
デンサCinに直列接続しているが、共振回路3bではイ
ンダクタLinとコンデンサCinとの直列回路にコンデン
サCin1 を並列接続している。この共振回路3bを用い
た回路の動作原理は図32、図33に示した上述のもの
と同様であり、共振回路3bにより入力電流が制限さ
れ、それによって入力電力が減少する。なお、fr1=1
/2π(Linin1/2 、fr2=1/2π(Lin(Cin
#C in1 1/2 であり、実施形態10と同様に軽負荷時
にはスイッチング周波数は図35の斜線部の範囲内に設
定される。ここで、Cin#Cin1 はコンデンサCin,C
in1 の並列合成容量を意味する。
【0134】(実施形態12)式(12)からわかるよ
うに、コンデンサCinを通して流れる入力電力iinは、
点Aの電位(つまり、インダクタLr およびコンデンサ
r よりなる共振回路の出力電圧)Va のピーク値Vp
を低減させれば減少させることができ、結果的に軽負荷
時の直流部電圧Vdcを低減させることができる。しかし
ながら、点Aの電位Va は一般に軽負荷時のほうが全負
荷時よりも高くなる。このような相反した動作の折り合
いをつけるには、図36に示すようにトランスT1 の1
次巻線n 1 とA点との間にインダクタLr2を挿入すると
よい。
【0135】図36に示した回路の共振回路4の等価回
路の概略構成を図37に示す。すなわち、コンデンサC
r1は点Aから見た等価容量であり、抵抗R1aは放電灯L
aの抵抗成分を示す。軽負荷時(破線)および全負荷時
(実線)の点Aの電位Va のピーク電圧Vp と、トラン
スT1 の1次巻線n1 の両端電圧Vla′(ランプ電圧に
比例する電圧であって、以下、1次巻線電圧という)と
をそれぞれ正規化した値(スイッチング素子S1 の両端
電圧Vtにより除してある)を図38(a)(b)にそ
れぞれ示す。なお、fr1=1/2π(Lr2(Cr1
r2))1/2 、fr2=1/2π(Lr2r21/2 であ
り、Cr1#Cr2は、コンデンサCr1,Cr2の並列合成容
量を意味する。軽負荷時の条件では周波数fr2でインダ
クタLr2とコンデンサCr2とによる共振が生じるから、
点Aの電位Va の振幅Vp はほぼ零になる(図38
(a)参照)。これによって、コンデンサCinを通して
流れる入力電力は大幅に減少する。したがって、軽負荷
時の直流部電圧Vdcを下げることができる。また、イン
ダクタLr2およびインダクタCr2の共振により、図39
のように1次1次電圧Vla′(破線)は振幅Vp (実
線)よりも高い状態に保たれる。
【0136】一方、スイッチング周波数がfr1であると
きには、コンデンサCr1,Cr2の直列回路とインダクタ
r2との共振により、1次巻線電圧Vla′は点Aの電位
aの振幅Vp よりも高くなる。ただし、コンデンサC
r1はコンデンサCr2よりも容量を大きく設定しなければ
ならない。周波数がfr1であるときにはVla′/Vp
比率は次式のようになる。 Vla′/Vp =Cr1/Cr2 インバータ2のスイッチング周波数は、図38に斜線部
で示す領域に設定される。重負荷(図38に実線で示
す)では、点Aの電位Va の振幅Vp は1次巻線電圧V
la′にほぼ等しい。つまり、点Aの電位Va の振幅Vp
は大きく、結果的に入力電力は大きくなる。また、軽負
荷(図38に破線で示す)では、点Aの電位Va の振幅
p は1次巻線電圧Vlaよりもかなり小さい。つまり、
点Aの電位Va の振幅Vp は小さく、入力電力も小さく
なる。その結果、軽負荷では直流部電圧Vdcは増加する
必要がなく、軽負荷時に高いランプ電圧と低い直流部電
圧V dcとを同時に得ることが可能になる。図38の斜線
部付近には2つの共振点fr1,fr2があり、fr2は交流
電源からの入力交流電圧に応じて変化する。
【0137】実施形態10、実施形態11のようにコン
デンサCinに相当する容量成分を低減する技術と、実施
形態12のように点Aの電位Va の振幅(ピーク値)V
p を低減させる方法を組み合わせることも可能である。
また、この場合に第2共振を生じさせる2個のインダク
タLin,Lr2を1つにまとめることが可能ではあるが、
設計は難しくなる。
【0138】(実施形態13)上述したインバータ2の
スイッチング周波数の制御には、以下に説明する高周波
第2共振法(HFSR)と低周波第2共振法(LFS
R)とがある。本実施形態では、軽負荷時の直流部電圧
dcを低減するために高周波第2共振法を採用する場合
について説明する。第1に意図するところは、放電灯L
aのフィラメントを十分に予熱し、かつ同時に、高周波
第2共振法を用いることにより予熱時の直流部電圧Vdc
を低レベルに制限することである。経験的に知られてい
るように、フィラメントが十分に予熱されていれば、放
電灯Laの始動に必要な電圧および時間を大幅に減少さ
せることができる。つまり、予熱の終了時点でスイッチ
ング周波数を予熱周波数から始動周波数(図31参照)
まで瞬時に移行させれば、たいていの場合、2〜3回程
度のスイッチングで放電灯Laを始動させることができ
る。したがって、直流部電圧Vdcを放電灯Laの定常点
灯状態よりもかなり小さくすることができる(これが始
動を短時間に行なう方法である)。ランプ特性は周囲温
度、使用時間、ガス圧などによって変化するから、周囲
環境によっては直流部電圧Vdcが限界に達するとランプ
が点灯しなくなることがある。したがって、再始動回路
や保護回路が必要になる。
【0139】上述のように、フィラメントの予熱は放電
灯Laにとってはきわめて重要である。予熱を十分に行
なっていないと、ランプの始動にそれだけ高い電圧が必
要になり、また、放電灯を適正に始動させることができ
ずランプ寿命を縮めることになる。一般に、図20に示
した電子バラストでは予熱時のランプ電圧は十分な予熱
電流を与えることができる程度に高くしなければならな
い。しかしながら、上述で検討したように、予熱時に直
流部電圧Vdcを低い状態に保つには、点Aの電位V a
振幅Vp を低くしなければならない。
【0140】このような相反する2つの要求を満たすた
めに、実施形態10ないし実施形態12で説明した第2
共振の技術を採用する。予熱周波数(予熱時のスイッチ
ング周波数)は第2共振周波数fr2付近に設定される。
ここに、予熱周波数は定常点灯周波数(定常点灯時のス
イッチング周波数)よりもかなり高く設定してあり、そ
のことによって第2共振を行なうために付加される共振
用の部品のサイズは小さいものである。このように予熱
周波数を定常点灯周波数よりもかなり高く設定している
ことに因んで高周波第2共振法と名付けている。
【0141】実施形態10、実施形態11の回路に高周
波第2共振法を適用すれば、予熱時にはコンデンサCin
に相当する容量成分が低減され、点Aの電位Va の振幅
pが大きくても共振回路3a,3bを通過する入力電
力を小さくすることができ、その結果、直流部電圧Vdc
が低くなる。予熱時には共振回路3a,3bはインダク
タLr とコンデンサCr とからなる共振回路にほとんど
影響しないから、インダクタLr またはコンデンサCr
の調整によって高いランプ電圧を容易に得ることができ
る。また、インダクタLinを調整することにより、定常
点灯時における共振回路3a,3bの等価容量を、コン
デンサCinそのものの容量よりも大きくすることができ
る(図33、図35参照)。その結果、コンデンサCin
に小容量のものを用いることが可能になり、全負荷での
効率を向上させることができる。ただし、インダクタL
inが大きくなると入力電流の波形歪が増加するからイン
ダクタLinはあまり大きくしてはならない。
【0142】実施形態12の回路に高周波第2共振法を
適用すれば、直流部電圧Vdcを低くすると同時に比較的
高いランプ電圧を得ることができる。周波数fr2を高く
すればインダクタLr2は小さくなる。インダクタLr2
絶縁トランスのリーケージインダクタンスにより構成す
ることが可能であり、この場合に回路に用いる電磁部品
の個数は基本構成回路に対して増加することがない。つ
まり、コストの増加は無視できる程度に小さいものであ
る。
【0143】ところで、上述したように、十分な予熱を
行なえば、直流部電圧Vdcが上昇する前に短時間で始動
させることができる。ところが、周囲温度が低いときや
放電灯の寿命末期などの条件では、放電灯を始動させる
ために、ランプ電圧を高くし始動時間を長くすることが
必要になる。また、直流部電圧Vdcが限界に達したとき
には放電灯が始動しないこともあるから、再始動の構成
も必要である。一方、ランプの故障時(たとえば、ガス
抜けやエミレス動作時)には、この回路の負荷は非常に
軽くなる。始動周波数および定常点灯周波数は第2共振
周波数fr2に比較するとかなり低いから、高周波第2共
振法ではこのような状況で高電圧がかかることによるス
トレスから半導体素子を保護することができない。そこ
で、保護回路が必要になる。図40に再始動が可能な保
護回路5を設けた回路構成を示し、図41に動作を示
す。
【0144】この保護回路5は、オペアンプよりなるコ
ンパレータ5aとコンパレータ5aの出力に応じて出力
周波数を切り換える電圧制御発振器5bとからなり、電
圧制御発進器5bの出力によりスイッチング素子S1
2 を制御する。コンパレータ5aには抵抗R11
12,R21,R22(R11=R12、R21=R22)が接続さ
れ、直流部電圧Vdcを抵抗R1 ,R2 により分圧した電
圧と、基準電圧Vref を抵抗R11,R21により分圧した
電圧とを比較し、その大小に応じた出力を発生する。ま
た、コンパレータ5aはヒステリシスを持つように構成
されている。ここに、保護回路5は図42に示すよう
に、直流部電圧Vdcが許容最大値(たとえば、450
V)よりも高いことを検出すると、電圧制御発振器5b
の出力周波数を決める抵抗値を下げ、スイッチング周波
数を予熱周波数まで上昇させる。このようにして、直流
部電圧Vdcは次第に低下する。直流部電圧Vdcが所定値
(ここでは410V)まで下がると、スイッチング周波
数を予熱周波数から始動周波数まで短時間に移行させる
ことにより放電灯を再始動させることができる。これは
正常時の始動手順と同様である。ここにおいて、コンパ
レータ5aのヒステリシス電圧ΔVdc(つまり、許容最
大値と始動開始電圧との差)は抵抗R11,R12,R21
22(R21/R11)により決定される。また、所定回数
の始動を試みても始動させることができなければ、この
回路は動作を停止するようにしてある。
【0145】放電灯Laの始動を決める電圧は、実効値
ではなくピーク電圧であるから、図42に示す点Aの電
位Va がスパイク状であることにより放電灯Laの始動
が容易になる。これは、飽和トランスを用いて放電灯の
始動補助を行なう低周波バラストのランプ波形と同様で
ある。 (実施形態14)高周波第2共振法を用いると、第2共
振周波数fr2は第1共振周波数fr0よりもかなり高く、
第2共振周波数fr2付近では放電灯Laを始動し、放電
灯Laの点灯を維持するのに必要な高い電圧ゲインは得
られない。つまり、始動周波数は第2共振周波数fr2
りも十分に低くなければならない。つまり、高周波第2
共振法では、始動時の直流部電圧Vdcを引き下げること
はできない。そこで、第2共振周波数fr2を第1共振周
波数fr0に近付けることが考えられる。このように、第
2共振周波数fr2を比較的低く設定することに因んで低
周波第2共振法と呼んでいる。
【0146】低周波第2共振法を実施形態12の回路構
成に適用した例を図43に示す。交流等価回路では図4
4のように共振回路4a,4bの2段階のLC共振を考
えることができる。ここに、コンデンサCr1は点Aから
見た等価容量(Cr1=Cr0+Cin,eq であり、Cin,eq
はCinに相当する容量成分である)、Rlaは放電灯La
の抵抗成分である。ブロッキングコンデンサCsは、放
電灯La側の導電損失を低減するとともに、コンデンサ
inの両端電圧の最大値を低減する機能をもつ。インダ
クタLr2とコンデンサCr2とは共振回路4bを構成す
る。適正に設計すれば、インダクタLr2とコンデンサC
r2とにより所望のランプ電圧が与えられる。一方、点A
の電位Va の振幅Vp は直流部電圧Vdcの約半分に保た
れるから高い入力力率が得られる。つまり、トランスは
必須ではなく、絶縁する必要がなければトランスを省略
することができる。加えて、インダクタLr2に予熱巻線
を設けて予熱巻線を放電灯Laのフィラメントに接続し
てもよい。この理由については後述する。低周波第2共
振法ではインダクタLin,Lr2のように大きなインダク
タを付加する必要があるから、実施形態10、実施形態
11のように、コンデンサCinに相当する容量成分を低
減させる構成には適用できない。つまり、実施形態1
0、実施形態11などに適用するとインダクタLinによ
り生じる高電圧によって入力電流歪が生じるのである。
したがって、低周波第2共振法は点Aの電位Va の振幅
p を低減する場合にのみ適用できる。
【0147】図45は、軽負荷時(破線)および全負荷
時(実線)における正規化した電圧の理論値をプロット
したものである。この回路は図45の斜線部の範囲内で
動作させるのが望ましい。斜線部の範囲内では軽負荷時
の点Aの電位Va の振幅Vpは全負荷時の振幅Vp より
もつねに低いことに注意する必要がある。適正に設計し
た場合には、軽負荷時には直流部電圧Vdcは低くするこ
とができる。さらに、ランプ電圧Vla′は軽負荷時のほ
うが全負荷時より高くなり、低出力時に必要な高電圧を
得ることもできる。
【0148】この回路ではランプのフィラメントをイン
ダクタLr2の予熱巻線に結合している(図43参照)。
これは全負荷時のフィラメントでの電力損失を低減する
ためである。ここに、図46に示すように斜線部の範囲
内では、インダクタLr2の両端電圧VLr2 は軽負荷時の
ほうが全負荷時よりも大きい。したがって、全負荷時の
フィラメントの電流は低減される。
【0149】低周波第2共振法を採用するとインダクタ
r2のサイズが大きくなるが、インダクタLr1のサイズ
は大幅に小さくすることができる。これは、始動時にお
ける振幅Vp が高周波第2共振法よりも大幅に小さいか
らである。始動時にインダクタLr1にかかる電圧時間積
は飛躍的に減少する。それゆえ、インダクタLr1に流れ
る最大電流は大きく低減し、インダクタLrsを非常に小
さくすることができるのである。
【0150】この手法における最大の長所は、始動モー
ドの際に、直流部電圧Vdcの急上昇を伴わずに放電灯L
aに高電圧を連続的に印加することができることであ
る。また、放電灯Laが破損した場合には、軽負荷時の
動作によって直流部電圧Vdcが上昇するのを自動的に防
止することができ、結果的に電子バラストの信頼性を向
上させることができる。上述のように高周波第2共振法
では、放電灯Laが破損したときに保護回路5に依存し
なければならなかったのに対して、低周波第2共振法で
は保護回路5が不要になる。
【0151】(実施形態15)ところで、チャージポン
プ式の電子バラストは、コンデンサCinを設けているか
ら、点Aの電位Va は電源電圧の影響を受ける。つま
り、点Aの電位Va の包絡線に120Hz(電源周波数
を60Hzとする場合)のリップル成分が重畳される。
これによりランプ電流の波高因子が高くなる。しかも、
電源の1サイクルの全期間において、力率をほぼ1に保
つ条件である2Vp =Vdcを必ずしも満足することがで
きない。その結果、入力電流波形が正弦波状ではなくな
り、入力電流の全高調波歪が増加する。
【0152】上述した低周波第2共振法を適用すること
により、ランプ電流波形を正弦波状とすることができ
る。これは、インダクタLr2およびコンデンサCr2がフ
ィルタとして機能するからである。しかしながら、点A
の電位Va の包絡線には120Hzのリップル成分が重
畳されたままであり、入力電流波形も歪を含んだままに
なる。また、120Hzのリップル成分は上述のフィル
タにより増幅されるから、ランプ電流の波高因子も悪化
する(つまり高くなる)。
【0153】入力電流の全高調波歪が大きくなる理由は
点Aの電位Va の包絡線に120Hzのリップル成分が
重畳されることにあるから、点Aの電位Va の包絡線を
滑らかにすれば、入力電流波形を改善することができ
る。そこで、図43に示す回路において点Aの電位Va
をつねに直流部電圧Vdcよりも高くなる(2Vp
dc)ように設計するために、簡単なダイオードクラン
プ技術を適用することができる。望ましい回路構成を図
47に示す。この回路を図43に示した回路と比較する
と、2個のダイオードDa1,Da2を追加することにより
点Aの電位Va の包絡線をクランプしている点で相違す
る。
【0154】本実施形態における主要な波形を図48に
示す。この回路は、ダイオードDa1,Da2がないときに
は、ランプ電圧Va のピーク−ピーク値2Vp が直流部
電圧Vdcよりも小さくならないように設計してある。そ
のときには、点Aの電位VaおよびコンデンサCinの両
端電圧VC の波形は図48(a)のようになる。つま
り、式(6)によれば、入力電流は入力電圧に従わない
ことになる。一方、ダイオードDa1,Da2を設けると、
図48(b)のように、Va,min =0かつVa,ma x =V
dcになる(Va,min はVa の最小値、Va,max はVa
最大値)。その結果、VC,max =Vg かつVC,min =0
になる。つまり、入力平均電流は、次式のように表され
る。 iin,av =fs in(VC,max −VC,min )=fs ing ∝Vg (16) それゆえ、別途に制御を行なうことなく高い入力力率が
自動的に得られることになる。
【0155】定常動作時には図49に示すように、スイ
ッチング動作の1周期の間に6つの動作状態がある。Z
A は点Aから見たインピーダンスを示す。6つの動作状
態を以下に示す。 状態1(図49(a)) この状態は、iL <0かつ0≦Va <Vdcであって、ス
イッチング素子S1 がオフであり、インダクタLr1の逆
起電力がダイオードDS2を通して流れる。スイッチング
素子S2 はゼロボルトスイッチングを行なってターンオ
ンする。この動作状態においては、点Aの電位Va は直
流部電圧Vdcよりも低い。また、インダクタLr1の両端
電圧VLr1 は常に正である。その結果、インダクタLr1
の電流i L の大きさは減少する。この動作状態はiL
零になると終了する。
【0156】状態2(図49(b)) この状態は、iL >0かつ0<Va <Vdcであって、ス
イッチング素子S2 が導通状態。点Aの電位Va が0V
と直流部電圧Vdcとの間であって、ダイオードDa1,D
a2がともにオフ。インダクタLr1の電流iL は正であっ
て、インダクタLr1の電圧の極性に応じて増加を続け
る。この動作状態は点Aの電位Va が直流部電圧Vdc
達するかスイッチング素子S2 がターンオフすると終了
する。
【0157】状態3(図49(c):クランプモー
ド) この状態は、iL >0かつVa =Vdcであって、ダイオ
ードDa1およびスイッチング素子S2 が導通状態で、点
Aの電位Va が直流部電圧Vdcにクランプされている。
インダクタLr1の両端電圧VLr1 は零、それゆえ、電流
L は一定値に保たれている。この動作状態は、点Aの
電位Va が直流部電圧Vdcより小さくなるか、スイッチ
ング素子S2 がオフになると終了する。
【0158】状態4(図49(d)) この状態は、iL >0かつ0<Va ≦Vdcであって、ス
イッチング素子S2 がオフ、インダクタLr1には正の電
流iL がダイオードDS1を通して流れる。その結果、ゼ
ロボルトスイッチングを行なってスイッチング素子S1
がターンオンする。この動作状態においては、点Aの電
位Va は常に正である。つまり、インダクタLr1の両端
電圧VLr1 は常に負になる。また、インダクタLr1の通
過電流i L は減少し、この動作状態はインダクタLr1
通過電流iL が零になると終了する。
【0159】状態5(図49(e)) この状態は、iL <0かつ0<Va <Vdcであって、ス
イッチング素子S1 がオン。ダイオードDa1,Da2はと
もに導通状態。点Aの電位Va は直流部電圧V dcと零と
の間であり、インダクタLr1への印加電圧は負である。
したがって、インダクタLr1を流れる電流iL は逆方向
に増加を続ける。この動作状態は、点Aの電位Va が零
まで低下するか、スイッチング素子S1 がオフになると
終了する。
【0160】状態6(図49(f)) この状態は、iL <0かつVa =0であって、点Aの電
位Va は零にクランプされる。インダクタLr1の電流i
L はダイオードDa2およびスイッング素子S1を通して
転流(フリーホイール)される。この動作状態は、点A
の電位Va が零より大きくなるか、スイッチング素子S
1 がオフになると終了する。スイッチングの1サイクル
の間には多数の動作状態の順序があるが、もっとも一般
的なものは、1→2→3→4→5→6となる順序であ
る。
【0161】妥当な設計を行なえば、交流電源の1サイ
クルの全期間に亙ってスイッチング素子S1 ,S2 のス
イッチング毎にダイオードDa1,Da2が必ず導通する。
したがって、点Aの電位Va のピーク−ピーク値2Vp
は直流部電圧Vdcにクランプされる。また、回路設計が
適切であれば、力率はほぼ1になり、全高調波歪は低減
され、波高因子は向上する。さらに、ダイオードDa1
a2がなくコンデンサCinの充電時に共振回路が動作し
たとしても、ゼロボルトスイッチングはつねに保証され
る。
【0162】すなわち、インダクタLr1に印加される電
圧の極性により、インダクタLr1に流れる電流iL は状
態2、状態5においてはつねに増加し、状態3、状態6
の間には一定に保たれる。したがって、インダクタLr1
に流れる電流は、スイッチング素子S2 がオフ(状態
2、状態3)であると常に正になり、スイッチング素子
1 がオン(状態5、状態6)であると常に負になる。
したがって、スイッチング素子S1 はゼロボルトスイッ
チングでターンオンし(状態4)、かつスイッチング素
子S2 のゼロボルトスイッチングでターンターンオンす
る(状態1)ことが、共振回路(インダクタLr1および
コンデンサCr1よりなる)が容量モードになるか誘導モ
ードになるかを考慮することなく保証されることにな
る。また、この動作にはダイオードDa1,Da2の有無は
無関係である。このように、図20に示した基本構成回
路に対して進歩している。
【0163】また、図50に示すように、ダイオードD
a1,Da2を用いていない共振回路は、容量モードで動作
する(iL はVtよりも進相になる)。破線はダイオー
ドD a1,Da2を用いいないときの波形を示し、インダク
タLr1の電流iL が共振回路の電圧Vtよりも進相にな
っている。その結果、スイッチング損失が生じる。一
方、ダイオードDa1,Da2を用いると、インダクタLr1
の電流iL はつねに共振回路の電圧に対して遅相にな
り、ゼロボルトスイッチングが保たれる。
【0164】点Aの電位Va の正負の各ピーク値はそれ
ぞれ直流部電圧Vdcと零とにクランプされるから、点A
の電位Va のピーク−ピーク値は直流部電圧Vdcにつね
に等しくなる。したがって、つねに高い入力力率が保証
され、また入力電流の全高調波歪は非常に小さい。この
ことが図47に示す回路を適正に設計したときの主な利
点の一つである。
【0165】また、この回路を適正に設計したときの他
の利点は、ランプ電流の波高因子を改善することであ
る。直流部電圧Vdcについては120Hzのリップル成
分を無視することができるから、点Aの電位Va の振幅
p は交流電源の半サイクルの全期間に亙って一定であ
るとみなしてよい。したがって、インダクタLr2および
コンデンサCr2よりなるフィルタを通せば、ランプ電圧
はほぼ一定の振幅を有した正弦波に近似した波形にな
る。つまりランプ電流の波高因子は減少する。低周波第
2共振法を適用すれば、上記回路を適正に設計すること
により、照明負荷に対する直流部電圧が始動動作モード
を含めて低減される。また、2個のクランプダイオード
を設けていることにより、この電子バラストは力率がほ
ぼ1であり、別の制御を加えずに全高調波歪が小さくな
っている。さらに、ランプ電流の波高因子は約1.6程
度まで低減される。また、クランプダイオードにより回
生電流が流れるから、この回路では回生エネルギが増加
し、効率が向上する。
【0166】チャージポンプ式の電子バラストは、大型
のインダクタを必要としないから、放電灯用のバラスト
として有望な回路構成ではある。しかしながら、この回
路では軽負荷時に部品が高電圧のストレスを受ける。す
なわち、充電用コンデンサを設けたことにより入力電流
の全高調波歪およびランプ電流の波高因子が高くなって
いる。この種の問題を解決するために、軽負荷時におけ
る直流部電圧を低減することのできる上記新規技術を用
いることができる。つまり、ダイオードクランプを行な
う技術を採用することにより、入力電流の全高調波歪お
よびランプ電流の波高因子が低減される。
【0167】
【実施例】上述した各実施形態が軽負荷時の直流部電圧
を低減する技術として望ましいことを検証するために下
記の条件で実験した。放電灯Laは2本用いた(FHF
32=松下電工社製)。この放電灯Laは予熱電流とし
て0.4A(実効値)、予熱時間として1秒を要し、始
動電圧は1本の放電灯Laについて400V(45Wの
出力に対して107V(実効値))を要する。入力電源
電圧は277V(実効値)であり、このとき点Aの電位
a の振幅Vp は392Vであった。ここでの目標は始
動時点の直流部電圧Vdcの最大値を450V以下に制限
することである。
【0168】(比較例)図20に示した基本構成回路の
実験結果を図51に示す。予熱時に直流部電圧Vdcを4
50Vに設定したところ予熱電流は不十分であった。そ
の後、始動させようとしたところ、直流部電圧Vdcは上
昇して900Vに達した。MOSFET(BUK436
−800A)は800V用の素子であったので過電圧に
より破損した。ここで、回路定数はCin=30nF、L
r =470μH、Cr =10nFに設定した。また、ト
ランスT1 は1次巻線n1 と2次巻線n2 との巻比を
1:1.8とした。
【0169】(実施例1)実施形態10の回路に高周波
第2共振法を適用した。つまり、実施形態13の実施例
に相当する。また、始動は短時間に行なうようにした。
この実施例では室温において始動時点での直流部電圧V
dcを所望程度に低くくすることができた。図52に図3
2の回路構成についての実験結果を示す。回路定数は次
のように設定した。すなわち、Cin=20.6nF、L
in=100μH、Cin1 =10nF、Lr =520μ
H、Cr =1nFとし、トランスT1 の巻比は1:1.
8とした。インダクタLinを調整することにより、コン
デンサCinに相当する容量成分は定常点灯周波数での実
際の値よりも大きくなる。したがって、コンデンサC in
は式(14)による計算値よりも小さくなる。予熱電流
は動作周波数を約120kHzとしたときに600mA
以上になった。予熱時の直流部電圧Vdcの安定値は38
5Vであった。ここに、図52に示す予熱開始時の直流
部電圧Vdcの凸状の変化は、ソフトスタート技術を適用
することによって低減させることができる。すなわち、
予熱開始時には動作周波数をfr2よりも高い周波数(た
とえば200kHz)に設定しておき、その後、しだい
にfr2(たとえば120kHz)まで掃引すればよい。
図52に示すように、予熱時および始動時における直流
部電圧Vdcは最大値Vdc,maxでは436Vであった。
【0170】(実施例2)実施形態12の回路に高周波
第2共振法を適用した。つまり、予熱時の点Aの電位V
a の振幅Vp を低減するものである。図53に実験結果
を示す。この実験では、各回路定数を以下のように設定
した。すなわち、Lr1=500μH、Cr0=3.3n
F、Cin=28nF、Lr2=100μH、Cb1=47μ
F(450V)、Cr2=1.5nFとした。また、トラ
ンスT1 の巻比は1:1.82とした。スイッチング周
波数を150kHzとしたところ、予熱電流を480m
Aにすることができた。予熱時の直流部電圧Vdcの安定
値は405Vであった。また、瞬時に始動させることに
より、始動直後の直流部電圧Vdcの最大値は424Vで
あった。
【0171】実施例1、実施例2によれば、高周波第2
共振法を用いることにより予熱時の直流部電圧Vdcを低
減することができ、始動を短時間で行なうようにすれば
直流部電圧Vdcの最大値を制限することができるという
ことが、実験により証明された。ここに、基本構成に対
して追加した電子部品による費用の増加は無視すること
ができる。
【0172】(実施例3)実施形態14の実験結果を図
54に示す。回路定数は以下のように設定した。すなわ
ち、Lr1=520μH、Cr0=10nF、Lr2=710
μH、Cr2=12nF、Cin=36nFとした。予熱周
波数を55kHz、始動周波数を47kHzとしたと
き、予熱時の直流部電圧Vdcの安定値は385V、始動
時の直流部電圧Vdcの安定値は450Vになった。予熱
電流は480mAであった。図54からわかるように、
始動直後の直流部電圧Vdcの最大値Vdc,maxは420V
であった。
【0173】実施形態として説明したように、高周波第
2共振法だけでは始動時の直流部電圧Vdcの安定値を低
減することはできないから、保護回路や再始動のための
構成が必要になる。これに対して低周波第2共振法で
は、負荷条件にかかわらず直流部電圧Vdcの安定値を制
限することができ、信頼性がより向上する。また制御も
簡単である。しかも、絶縁が不要であれば、トランスT
1 を省略することができ電磁部品の個数は増加しない。
また、インダクタが大きくなるからコストが増加する
が、その効果はコスト増に見合うものである。
【0174】(実施例4)図55および図56は、実施
形態15の比較例としてダイオードDa1,Da2を用いな
い回路について、入力電流Iin、点Aの電位Va 、ラン
プ電流Ila、ランプ電圧Vlaの各波形の測定結果を示し
ている。力率の測定値は0.98であり、全高調波歪は
10.4%であった。また、ランプ電流の波高因子は約
2.4であった。ただし、Cin=36nF、Cr0=10
nF、Lr1=420μH、Cr2=12nF、Lr2=71
0μHとした。予熱時には周波数を55kHzとし、こ
のとき直流部電圧Vdcは387Vであった。また、始動
時には周波数を47kHzとし、このとき直流部電圧V
dcは450Vであった。定常点灯時には周波数を40k
Hzとし、このときのランプ出力電力は80Wであっ
た。
【0175】図57、図58は、実施形態15の回路に
ついて、入力電流Iin、点Aの電位Va 、ランプ電流I
la、ランプ電圧Vlaの各波形の測定結果を示している。
ただし、回路部品の定数は次のように設定した。すなわ
ち、Lr1=400μH、Cr1=1.2nF、Cin=30
nF、Lr2=820μH、Cr2=10nFとした。入力
電圧は277V(実効値)、直流部電圧Vdcは周波数が
48kHzの定常点灯時に397Vであった。出力電力
の測定値は94Wであった。図57により明らかなよう
に、点Aの電位Va の包絡線は交流電源の全周期に亙っ
てほぼ平坦になり、入力電流は正弦波形に非常に近くな
る。また、図58のように、ランプ電圧の包絡線も交流
電源の全周期に亙ってほぼ平坦になる。その結果、ラン
プ電流の振幅変化は、図56に示したものに比較すると
非常に小さくなる。力率を測定したところ0.995で
あって、全高調波歪は4.3%であった。ランプ電流の
波高因子は大幅に減少した。また、波高因子の実測値は
1.62であった。
【0176】図59に直流部電圧Vdcの波形の実測値を
示す。予熱時の直流部電圧Vdcの安定値は、周波数が5
5kHzのときに392Vであった。また、始動周波数
を48kHzとしたときに420Vであった。始動時点
での直流部電圧Vdcの最大値は実測値で約406Vであ
った。表1ないし表3は、図20に示した基本構成回路
と、図32、図34、図36に示した回路に高周波第2
共振法を適用した場合と、図47に示した低周波第2共
振法とダイオードクランプ技術を用いた場合とについ
て、それぞれ動作特性、部品耐圧および個数、部品容積
(cm3 )を比較した一覧表である。表1ないし表3か
らわかるように、低周波第2共振法およびダイオードク
ランプ技術を採用することにより、回路の動作特性は飛
躍的に向上し、すべての半導体素子およびコンデンサへ
の電圧ストレスは半減されている。また、電磁部品の個
数は基本構成と同様であるが、絶縁が不要であればサイ
ズが小さくなる。したがって、図47に示す回路を適正
にしたときのコストは飛躍的に低減される。結果的に、
動作特性とコストとの両面について、図47の回路は放
電灯用バラストとして有望な回路構成を提供することが
できる。
【0177】
【表1】
【0178】
【表2】
【0179】
【表3】
【0180】
【発明の効果】請求項1ないし請求項7の発明は、交流
電源を整流する整流手段と、整流手段の出力電圧を平滑
する平滑コンデンサと、平滑コンデンサを電源として高
周波電圧を負荷に出力するインバータと、インバータの
高周波出力の一部からなる帰還電源と、帰還電源の出力
をインバータの入力側に帰還するとともに前記負荷の変
動に応じて帰還電源の電圧を増・減することにより平滑
コンデンサの両端電圧の上昇を抑制するように帰還電源
からの帰還量を増・減させる高周波帰還手段とを備える
ものであり、インバータの高周波出力の一部を電圧帰還
することによって高い入力力率を得るようにしながら
も、軽負荷時には帰還電源の電圧を低減することによっ
て平滑コンデンサの両端電圧の上昇を抑制することがで
きるのであって、平滑コンデンサおよびインバータの構
成要素として高耐圧のものを用いる必要がなく部品コス
トの低減につながるという利点を有する。
【0181】とくに、請求項3の発明のように、インバ
ータから放電灯への高周波出力の供給経路に介装される
点灯用の共振回路と、インバータから放電灯のフィラメ
ントへの高周波出力の供給経路に介装され点灯用の共振
回路よりも共振周波数の高い予熱用の共振回路とを設
け、フィラメントの予熱時にはインバータの出力周波数
を予熱用の共振回路の共振周波数よりも高く設定したも
のでは、点灯時と予熱時とで異なる共振周波数を有した
共振回路を通して放電灯に電力を供給するから、放電灯
の各動作状態に適した電力を供給することができるとい
う利点がある。
【0182】また、請求項4の発明では、整流手段と平
滑コンデンサとの間に平滑コンデンサに充電電流を流す
向きにダイオードを挿入し、ダイオードにコンデンサと
スイッチング素子とを並列接続し、負荷の大きさに基づ
いて可変バイパス要素を調節することにより帰還電源の
電圧を増・減して平滑コンデンサの両端電圧の上昇を抑
制するように帰還電源からの帰還量を増・減させる高周
波帰還手段を設けているので、交流電源からの入力電流
が大きいときには帰還量を増加させて入力力率を改善
し、入力電流が比較的小さいときには帰還量を減少させ
て平滑コンデンサの電圧上昇を抑制するという制御を容
易に行なうことができるという利点を有する。
【0183】さらに、請求項7の発明では、平滑コンデ
ンサに並列接続された一対のダイオードの直列回路より
なり両ダイオードの接続点の電位を平滑コンデンサの両
端電位に規制するクランプ回路を備え、帰還電源の一端
を前記両ダイオードの接続点に接続しているから、クラ
ンプ回路によって帰還電源の最大電圧が抑制され、帰還
量の増大を抑制することが可能になるという利点があ
る。
【0184】請求項8の発明は、交流電源の電圧変動に
応じて帰還電源の電圧を増・減することにより平滑コン
デンサの両端電圧の上昇を抑制するように帰還電源から
の帰還量を増・減させる高周波帰還手段を備えるから、
交流電源の電圧変動による平滑コンデンサの両端電圧の
上昇を抑制することができるという利点がある。請求項
9ないし請求項11の発明は、交流電源からの入力によ
り交流電力を出力する電源装置であって、交流電源から
の入力電力を受けて直流電圧を出力するとともに交流電
力が供給される負荷の大きさに応じて前記直流電圧が変
動する電荷蓄積手段と、電荷蓄積手段の出力電圧を交流
電力に変換して負荷に出力するインバータと、交流電源
からの入力端と交流電力の出力端との間に挿入されると
ともに第1および第2の共振周波数を有したインピーダ
ンス要素とを備え、インピーダンス要素はインバータの
動作周波数が上記共振周波数の一方に近いときに電荷蓄
積要素の出力電圧の最大値を低減させるものであり、入
出力間の経路に挿入されているインピーダンス要素が第
1および第2の共振周波数を有し、インバータの動作周
波数が一方の共振周波数に近いときに電荷蓄積要素の出
力電圧の最大値を低減させるから、たとえば軽負荷時に
おけるインバータのスイッチング周波数を上記一方の共
振周波数付近に設定すれば、インピーダンス要素を介し
て電荷蓄積要素に供給されるエネルギが低減し、予熱時
のような軽負荷時における電荷蓄積要素の出力電圧の上
昇を抑制することができるという利点がある。
【0185】請求項12、請求項14、請求項15の発
明は、交流電源からの入力により交流電力を出力する電
源装置であって、交流電源を整流する整流手段と、整流
器の出力電圧を平滑する平滑コンデンサと、平滑コンデ
ンサを電源として高周波電圧を負荷に出力するインバー
タと、インバータの高周波出力の一部からなる帰還電源
と、帰還電源の出力をインバータの入力側に帰還すると
ともに前記負荷の変動に応じて帰還電源の電圧を増・減
することにより平滑コンデンサの両端電圧の上昇を抑制
するように帰還電源からの帰還量を増・減させる高周波
帰還手段とを備え、インバータは第1の共振回路を含
み、高周波帰還手段は第1の共振回路の共振周波数とは
異なる共振周波数を有した第2の共振回路を含むもので
あり、この構成ではインバータの動作周波数を変化させ
ることにより平滑コンデンサへの帰還量を調節すること
ができるから、軽負荷時における平滑コンデンサの両端
電圧の上昇を抑制することができるという利点を有す
る。
【0186】請求項13の発明は、交流電源からの入力
により交流電力を出力する電源装置であって、交流電源
からの入力電力を受けて直流電圧を出力するとともに交
流電力が供給される負荷の大きさに応じて前記直流電圧
が変動する第1の電荷蓄積手段と、第1の電荷蓄積手段
の出力電圧を交流電力に変換し負荷に出力するインバー
タと、交流電源の入力波形に対応した包絡線を有した交
流電圧波形を出力することにより交流電圧波形の波高因
子の増加を抑制する第2の電荷蓄積手段と、第1および
第2の電荷蓄積手段に接続された第1のクランプ手段
と、第2の電荷蓄積手段に並列接続された第2のクラン
プ手段とを備え、第1および第2のクランプ手段により
交流電源からの入力電流の波高因子および全高調波歪を
低減させるものであり、請求項12の発明と同様に、イ
ンバータの動作周波数を変化させることにより平滑コン
デンサへの帰還量を調節することができるから、軽負荷
時における平滑コンデンサの両端電圧の上昇を抑制する
ことができるという利点を有する。また、クランプ手段
によって第1および第2の電荷蓄積手段の電圧上昇を抑
制するから、全高調波歪および波高因子を低減すること
ができるのであって、オープンループ制御でありながら
も、力率がほぼ1になり全高調波歪および波高因子を小
さくすることができるという利点がある。
【0187】請求項16の発明は、交流電源からの入力
により交流電力を出力する電源装置であって、交流電源
からの入力により直流電圧を発生させる電荷蓄積手段を
含む電源装置において、周波数に応じてインピーダンス
が変化する可変インピーダンス要素であって、ある動作
周波数付近での共振動作によってインピーダンスが増加
することにより可変インピーダンス要素を設けない場合
よりも電荷蓄積手段の出力電圧の最大値を低減させるよ
うな可変インピーダンス要素を備えるものであり、可変
インピーダンス要素はある動作周波数付近では電荷蓄積
手段の出力電圧の最大値を低減させるから、負荷の大き
さなどにより動作周波数を調節すれば、電荷蓄積手段の
出力電圧の上昇を抑制することができるという利点があ
る。
【0188】請求項17、請求項18は望ましい実施態
様であり、負荷変動に応じて帰還手段による帰還量を変
化させることによって、平滑用のコンデンサの両端電圧
の上昇を抑制することができる。請求項19、請求項2
0の発明では、2種類のインピーダンス要素を設けるこ
とにより、電荷蓄積手段の出力電圧の最大値を低減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す回路図である。
【図2】実施形態1において予熱、始動、定常点灯時の
各スイッチング周波数と共振回路の共振周波数との関係
を示す動作説明図である。
【図3】実施形態1におけるスイッチング周波数の時間
変化の過程を示す動作説明図である。
【図4】実施形態2を示す回路図である。
【図5】実施形態2において帰還量を変化させるスイッ
チング素子の制御例を示す動作説明図である。
【図6】実施形態2において期間量を変化させるスイッ
チング素子の他の制御例を示す動作説明図である。
【図7】実施形態2において図6に示した方法で制御し
た場合の動作例を示す動作説明図である。
【図8】実施形態3を示す回路図である。
【図9】実施形態4を示す回路図である。
【図10】実施形態5を示す回路図である。
【図11】図10に示した回路の各部の波形を示す動作
説明図である。
【図12】図10に示した回路の各部の波形を示す動作
説明図である。
【図13】実施形態6を示す回路図である。
【図14】実施形態7を示す回路図である。
【図15】実施形態8を示す回路図である。
【図16】実施形態9を示す回路図である。
【図17】チャージポンプ式の電源装置の基本構成の等
価回路図である。
【図18】同上の動作説明図である。
【図19】同上の回路図である。
【図20】同上の具体回路図である。
【図21】同上の要部の変形例を示す回路図である。
【図22】同上の等価回路図である。
【図23】同上の等価回路図である。
【図24】同上の各動作状態を説明する図である。
【図25】同上の各動作状態の各部の波形を示す動作説
明図である。
【図26】同上の各動作状態を説明する図である。
【図27】同上の等価回路図である。
【図28】同上の動作説明図である。
【図29】同上の動作説明図である。
【図30】同上の動作説明図である。
【図31】同上の動作説明図である。
【図32】実施形態10を示す回路図である。
【図33】実施形態10に用いる共振回路の動作説明図
である。
【図34】実施形態11を示す回路図である。
【図35】実施形態11に用いる共振回路の動作説明図
である。
【図36】実施形態12を示す回路図である。
【図37】実施形態12の要部の等価回路図である。
【図38】実施形態12の動作説明図である。
【図39】実施形態12の動作説明図である。
【図40】実施形態13を示す回路図である。
【図41】実施形態13の動作説明図である。
【図42】実施形態13の動作説明図である。
【図43】実施形態14を示す回路図である。
【図44】実施形態14の要部の等価回路図である。
【図45】実施形態14の動作説明図である。
【図46】実施形態14の動作説明図である。
【図47】実施形態15を示す回路図である。
【図48】実施形態6の動作説明図である。
【図49】実施形態6の各動作状態を示す説明図であ
る。
【図50】実施形態6の動作説明である。
【図51】比較例の実測結果を示す図である。
【図52】実施例1の実測結果を示す図である。
【図53】実施例2の実測結果を示す図である。
【図54】実施例3の実測結果を示す図である。
【図55】実施例4の比較例の実測結果を示す図であ
る。
【図56】実施例4の比較例の実測結果を示す図であ
る。
【図57】実施例4の実測結果を示す図である。
【図58】実施例4の実測結果を示す図である。
【図59】実施例4の実測結果を示す図である。
【図60】従来回路のブロック図である。
【図61】従来回路の回路図である。
【図62】他の従来回路の回路図である。
【図63】同上の動作説明図である。
【図64】従来例を示す回路図である。
【図65】図64に示した従来例の等価回路図である。
【図66】従来例の動作説明図である。
【図67】他の従来例を示す回路図である。
【図68】さらに他の従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 力率改善回路 2 インバータ 3a 共振回路 3b 共振回路 4 共振回路 4a 共振回路 4b 共振回路 5 保護回路 DB 整流器 Dc 入力ダイオード C2 共振用のコンデンサ C2 ′コンデンサ C3 コンデンサ C4 帰還用のコンデンサ C5 コンデンサ C5a コンデンサ C5b コンデンサ CB 平滑コンデンサ Cb1 直流カット用のコンデンサ Cin 充電用のコンデンサ Cr コンデンサ CN スイッチング制御回路 D3 ダイオード D3 ′ダイオード Dc ダイオード D4a クランプ用のダイオード D4b クランプ用のダイオード DB 整流器 F1 フィラメント F2 フィラメント L2 共振用のインダクタ L3 インダクタ La 放電灯 Lr インダクタ n3 帰還巻線 PS 交流電源 S1 スイッチング素子 S2 スイッチング素子 S3 スイッチング素子 T1 出力トランス T2 予熱トランス T3 検出トランス T4 高周波帰還用トランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リー フレッド シー アメリカ合衆国 バージニア州 24060ブ ラックスバーグ ストラットフォード レ ーン 2909 (72)発明者 チェン ウェイ アメリカ合衆国 バージニア州 24060ブ ラックスバーグ ハント クラブ ロード 512 #606

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源を整流する整流手段と、整流手
    段の出力電圧を平滑する平滑コンデンサと、平滑コンデ
    ンサを電源として高周波電圧を負荷に出力するインバー
    タと、インバータの高周波出力の一部からなる帰還電源
    と、帰還電源の出力をインバータの入力側に帰還すると
    ともに前記負荷の変動に応じて帰還電源の電圧を増・減
    することにより平滑コンデンサの両端電圧の上昇を抑制
    するように帰還電源からの帰還量を増・減させる高周波
    帰還手段とを備えることを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】 インバータは負荷となる放電灯を調光可
    能であって、高周波帰還手段は前記放電灯の調光量に応
    じて帰還電源の電圧を増・減することにより平滑コンデ
    ンサの両端電圧の上昇を抑制するように帰還量を増・減
    させることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  3. 【請求項3】 フィラメントを有する放電灯を負荷と
    し、インバータから放電灯への高周波出力の供給経路に
    介装される点灯用の共振回路と、インバータから放電灯
    のフィラメントへの高周波出力の供給経路に介装され点
    灯用の共振回路よりも共振周波数の高い予熱用の共振回
    路とを備え、前記フィラメントの予熱時にはインバータ
    の出力周波数が予熱用の共振回路の共振周波数よりも高
    く設定されることを特徴とする請求項1記載の電源装
    置。
  4. 【請求項4】 整流手段と平滑コンデンサとの間に平滑
    コンデンサに充電電流を流す方向に挿入されたダイオー
    ドと、ダイオードに並列関係に接続されたコンデンサお
    よび可変バイパス要素からなる帰還電源と、負荷の大き
    さに基づいて可変バイパス要素を調節することにより帰
    還電源の電圧を増・減して平滑コンデンサの両端電圧の
    上昇を抑制するように帰還電源からの帰還量を増・減さ
    せる高周波帰還手段を設けたことを特徴とする請求項1
    記載の電源装置。
  5. 【請求項5】 フィラメントを有する放電灯を負荷と
    し、インバータから放電灯への高周波出力の供給経路に
    介装された第1巻線と、放電灯のフィラメントの非電源
    側端間に挿入される第2巻線と、誘起電圧が帰還電源の
    電圧に加算されるように接続される第3巻線とを備える
    高周波帰還用トランスを設け、第1巻線と第2巻線とは
    フィラメントを介して互いに逆極性に接続されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  6. 【請求項6】 高周波帰還手段はインバータのスイッチ
    ング素子のオンデューティを増・減させることによりイ
    ンバータの出力電力および帰還電源からの帰還量を増・
    減させることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  7. 【請求項7】 平滑コンデンサに並列接続された一対の
    ダイオードの直列回路よりなり両ダイオードの接続点の
    電位を平滑コンデンサの両端電位に規制するクランプ回
    路を備え、帰還電源の一端を前記両ダイオードの接続点
    に接続したことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  8. 【請求項8】 交流電源を整流する整流手段と、整流手
    段の出力電圧を平滑する平滑コンデンサと、平滑コンデ
    ンサを電源として高周波電圧を負荷に出力するインバー
    タと、インバータの高周波出力の一部からなる帰還電源
    と、帰還電源の出力をインバータの入力側に帰還すると
    ともに前記交流電源の電圧変動に応じて帰還電源の電圧
    を増・減することにより平滑コンデンサの両端電圧の上
    昇を抑制するように帰還電源からの帰還量を増・減させ
    る高周波帰還手段とを備えることを特徴とする電源装
    置。
  9. 【請求項9】 交流電源からの入力により交流電力を出
    力する電源装置であって、交流電源からの入力電力を受
    けて直流電圧を出力するとともに交流電力が供給される
    負荷の大きさに応じて前記直流電圧が変動する電荷蓄積
    手段と、電荷蓄積手段の出力電圧を交流電力に変換して
    負荷に出力するインバータと、交流電源からの入力端と
    交流電力の出力端との間に挿入されるとともに第1およ
    び第2の共振周波数を有したインピーダンス要素とを備
    え、インピーダンス要素はインバータの動作周波数が上
    記共振周波数の一方に近いときに電荷蓄積要素の出力電
    圧の最大値を低減させることを特徴とする電源装置。
  10. 【請求項10】 インピーダンス要素は、第1のインダ
    クタおよび第2のコンデンサの並列回路と第1のコンデ
    ンサとの直列回路であって、第1のコンデンサと第2の
    コンデンサと第1のインダクタとは第1の共振周波数を
    決定付け、第2のコンデンサと第1のインダクタとは第
    2の共振周波数を決定付けるとともに第1のコンデンサ
    のみを用いる場合よりも電荷蓄積要素の出力電圧の最大
    値を低減するように設定されていることを特徴とする請
    求項9記載の電源装置。
  11. 【請求項11】 インピーダンス要素は、第1のインダ
    クタおよび第2のコンデンサの直列回路と第1のコンデ
    ンサとの並列回路であって、第2のコンデンサと第1の
    インダクタとは第1の共振周波数を決定付け、第1のコ
    ンデンサと第2のコンデンサと第1のインダクタとは第
    2の共振周波数を決定付けるとともに第1のコンデンサ
    のみを用いる場合よりも電荷蓄積手段の出力電圧の最大
    値を低減するように設定されていることを特徴とする請
    求項9記載の電源装置。
  12. 【請求項12】 交流電源からの入力により交流電力を
    出力する電源装置であって、交流電源を整流する整流手
    段と、整流手段の出力電圧を平滑する平滑コンデンサ
    と、平滑コンデンサを電源として高周波電圧を負荷に出
    力するインバータと、インバータの高周波出力の一部か
    らなる帰還電源と、帰還電源の出力をインバータの入力
    側に帰還するとともに前記負荷の変動に応じて帰還電源
    の電圧を増・減することにより平滑コンデンサの両端電
    圧の上昇を抑制するように帰還電源からの帰還量を増・
    減させる高周波帰還手段とを備え、インバータは第1の
    共振回路を含み、高周波帰還手段は第1の共振回路の共
    振周波数とは異なる共振周波数を有した第2の共振回路
    を含むことを特徴とする電源装置。
  13. 【請求項13】 交流電源からの入力により交流電力を
    出力する電源装置であって、交流電源からの入力電力を
    受けて直流電圧を出力するとともに交流電力が供給され
    る負荷の大きさに応じて前記直流電圧が変動する電荷蓄
    積手段と、電荷蓄積手段の出力電圧を交流電力に変換し
    負荷に出力するインバータと、電荷蓄積手段により電力
    が供給されるとともに負荷電流に追随する交流波形であ
    って交流電源の入力波形に対応した包絡線を持ち負荷電
    流の波高因子の増加を抑制する交流波形が得られるノー
    ドと、前記交流波形の振幅を一方の極性で規制する第1
    のクランプ手段と、前記交流波形の振幅を他方の極性で
    規制する第2のクランプ手段とを備え、第1および第2
    のクランプ手段により負荷電流の波高因子と交流電源か
    らの入力電流の全高調波歪とを低減させることを特徴と
    する電源装置。
  14. 【請求項14】 交流電源を整流する整流手段と、整流
    手段の出力を整流する平滑コンデンサと、平滑コンデン
    サを電源として高周波電圧を負荷に与えるインバータ
    と、前記インバータからの高周波の出力部と前記インバ
    ータの入力側との間に接続され前記平滑コンデンサの両
    端電圧を制限するように負荷の変動に応じて帰還量を変
    化させる高周波帰還手段とを備え、前記インバータは少
    なくとも第1の共振回路を含み、前記高周波帰還手段は
    第1の共振回路とは異なる共振周波数を有した第2の共
    振回路を含んだ電源装置において、前記平滑コンデンサ
    は前記整流手段の出力端間に入力ダイオードを介して接
    続され、前記インバータは高周波のスイッチング周波数
    でオン・オフされるスイッチング素子を用いて高周波電
    圧を発生させるとともに前記第1の共振回路を介して負
    荷としての放電灯に前記高周波電圧を印加するように構
    成され、前記スイッチング素子は制御手段により前記ス
    イッチング周波数を制御され、前記高周波帰還手段は前
    記整流手段と前記入力ダイオードとの接続点と前記イン
    バータの出力部との間に挿入され前記スイッチング素子
    のオン・オフに応じて充放電する充電用のコンデンサお
    よび第2の共振回路により構成され、制御手段は前記イ
    ンバータの前記スイッチング周波数を変化させることに
    より前記高周波帰還手段による帰還量を制御することを
    特徴とする電源装置。
  15. 【請求項15】 平滑コンデンサは整流手段の出力端間
    に入力ダイオードを介して接続され、インバータは高周
    波のスイッチング周波数でオン・オフされるスイッチン
    グ素子を用いて高周波電圧を発生させるとともに前記第
    1の共振回路を介して負荷としての放電灯に前記高周波
    電圧を印加するように構成され、前記スイッチング素子
    は制御手段により前記スイッチング周波数を制御され、
    前記高周波帰還手段は前記整流手段と前記入力ダイオー
    ドとの接続点と前記インバータの出力部との間に挿入さ
    れ前記スイッチング素子のオン・オフに応じて充放電す
    る充電用のコンデンサおよび前記第1の共振回路と前記
    放電灯との間に挿入された第2の共振回路により構成さ
    れ、制御手段は前記インバータの前記スイッチング周波
    数を変化させることにより前記高周波帰還手段による帰
    還量を制御することを特徴とする請求項12記載の電源
    装置。
  16. 【請求項16】 交流電源からの入力により交流電力を
    出力する電源装置であって、交流電源からの入力により
    直流電圧を発生させる電荷蓄積手段を含む電源装置にお
    いて、周波数に応じてインピーダンスが変化する可変イ
    ンピーダンス要素であって、ある動作周波数付近での共
    振動作によってインピーダンスが増加することにより可
    変インピーダンス要素を設けない場合よりも電荷蓄積手
    段の出力電圧の最大値を低減させるような可変インピー
    ダンス要素を備えることを特徴とする電源装置。
  17. 【請求項17】 交流電源からの交流電圧を受けて負荷
    に電力を供給する電源装置であって、交流電源を整流す
    る整流手段と、整流手段の出力を平滑するように整流手
    段に接続された平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサ
    を電源として負荷に高周波電圧を供給するインバータ
    と、インバータの出力側とインバータの入力側との間に
    接続され負荷の変動に応じて帰還量が変動する帰還手段
    とを備え、帰還手段は第1および第2の共振周波数を有
    するとともに、インバータが一方の共振周波数付近で動
    作するときに前記コンデンサの両端電圧を制限する手段
    となるインピーダンス要素を含むことを特徴とする電源
    装置。
  18. 【請求項18】 平滑コンデンサは整流手段の出力端間
    に入力ダイオードを介して接続され、負荷は放電灯であ
    って、インバータは高周波のスイッチング周波数でオン
    ・オフされるスイッチング素子を用いて高周波電圧を発
    生させるとともに前記第1の共振回路を介して前記放電
    灯に前記高周波電圧を印加するように構成され、さらに
    前記スイッチング素子のスイッチング周波数を制御して
    帰還手段からの帰還量を制御する制御手段を備え、帰還
    手段は整流手段および入力ダイオードの接続点と第1の
    共振回路の出力部との間に挿入されスイッチング素子の
    スイッチングに応じて充放電される充電用のコンデンサ
    と、第1の共振回路と放電灯との間に挿入された第2の
    共振回路とを備えることを特徴とする請求項17記載の
    電源装置。
  19. 【請求項19】 出力端から交流電力を出力する電源装
    置であって、交流電源からの入力を受けて直流電圧を出
    力するとともに負荷への電力出力に応じて前記直流電圧
    が変動する電荷蓄積手段と、交流電源に接続された第1
    のインピーダンス要素と、第1のインピーダンス要素と
    出力端との間に接続された第2のインピーダンス要素と
    を備え、第2のインピーダンス要素は第1のインピーダ
    ンス要素のみを用いる場合よりも前記電荷蓄積手段の出
    力電圧の最大値を低減させることを特徴とする電源装
    置。
  20. 【請求項20】 第1のインピーダンス要素はコンデン
    サであって、第2のインピータンス要素は出力端に直列
    接続されたインダクタであることを特徴とする請求項1
    9記載の電源装置。
JP8024497A 1995-09-25 1996-02-09 電源装置 Withdrawn JPH0992484A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001339956A (ja) * 2000-05-26 2001-12-07 Matsushita Electric Works Ltd 電源装置
JP2003153551A (ja) * 2001-11-09 2003-05-23 Ambit Microsystems Corp 電源装置とそれが用いるインバータ
JP2010050049A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Panasonic Electric Works Co Ltd 放電灯点灯装置及び照明器具

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