JP2000120295A - 平底型タンクの底板降下方法 - Google Patents

平底型タンクの底板降下方法

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JP2000120295A JP10296804A JP29680498A JP2000120295A JP 2000120295 A JP2000120295 A JP 2000120295A JP 10296804 A JP10296804 A JP 10296804A JP 29680498 A JP29680498 A JP 29680498A JP 2000120295 A JP2000120295 A JP 2000120295A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】底板に補強材等を溶接することなく、仮設架台
上に製作した底板を簡単且つ安価にタンク基礎上に降下
定着させる。 【解決手段】 平底型円筒タンク1の底板9を多数の仮
設架台8上に製作し、底板9と側板4間をシールするシ
ール機構10を設け、送風機17から加圧エアをタンク
内に充填して底板9を僅かに浮上させてから仮設架台8
を撤去し、加圧エアを排気しながら底板9をタンク基礎
2上に降下させる。仮設架台8を撤去する為の撤去用ハ
ッチ部5も設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、平底型タンクの
底板降下方法に関し、特に平底型タンクの底板を仮設架
台上に製作してから加圧エアで浮上させて仮設架台を撤
去し底板をタンク基礎上に降下させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、石油類(石油や灯油等)を貯蔵
する常温タンク、LPGやLNG等の低温液化ガスを貯
蔵する低温タンク、等の平底型タンクが広く適用されて
いる。平底型タンクには浮屋根式タンク、ドーム型屋根
式タンクもあり、側板が円筒型の円筒タンク以外に、側
板が多角形型の多角形タンクもある。
【0003】従来、平底型タンクを構築する場合、最初
に底板を製作し、その後底板の外周部のアニュラープレ
ート上に側板を構築していく。前記底板は、通常タンク
基礎上に底板の為の板材を配置するとともに溶接線の下
面側に裏当材を配置し、溶接線を上面側から溶接接合
し、その後溶接接合部に検査を施し、その後必要に応じ
て塗装等の必要な表面処理を施す。しかし、この方法で
は、裏面側の溶接部に塗装等の必要な表面処理を施すこ
とが不可能であった。そのため、底板の腐食が進行しや
すくなるという問題があった。
【0004】一方、LPGやLNG等の低温液化ガスを
貯蔵する平底型タンクの場合には、溶接接合部に対する
溶接品質の要求が非常に厳しいことから、タンク基礎上
に多数の仮設架台(高さ約1.5 〜1.8 m程度)を配置
し、それら仮設架台上に底板の為の板材を配置し、溶接
線に対して上下両側から順に溶接を施して突き合わせ継
手を形成する。こうして、底板の板材と板材の溶接接合
の品質を高め、継手効率を高めることができる。ここ
で、前記のように底板を多数の仮設架台の上に製作した
場合には、その底板をタンク基礎上へ降下させなければ
ならない。
【0005】特公昭63−63704号公報に記載の低
温タンクの内槽底板施工方法においては、底板を多数の
仮設架台上に製作後、底板の上面に放射状に複数の補強
材を取外し自在に固定し、各補強材に油圧ジャッキ等を
固定し、それら油圧ジャッキから延ばしたワイヤを夫々
側板の頂部に取りつけたシーブを介して補強材に固定
し、複数の油圧ジャッキにより底板を上昇させてから多
数の仮設架台を撤去し、その後底板をタンク基礎(底部
保冷材)上に降下させて定着する。
【0006】特公昭63−63705号公報に記載の円
筒タンクの底板昇降方法においては、低温タンクの底板
を底板を多数の仮設架台上に製作後、屋根から多数のワ
イヤを吊り下げて各グループのワイヤを底板側に設けた
動滑車とシリンダを介して底板側に連結し、それら複数
のシリンダと動滑車により底板を上昇させて多数の仮設
架台を撤去し、底板をタンク基礎(底部保冷材)上に降
下させて定着する。
【0007】他方、従来より、タンクの屋根構造をタン
クの底部で製作してから、側板の上端まで上昇させる技
術が採用され、その1つとして、複数のワイヤ、シーブ
または滑車、電動ウインチまたはシリンダ等を用いるワ
イヤ方式の屋根上昇技術も公知であるが、最近では、加
圧エアにより屋根を浮上させるエア方式の屋根上昇技術
が広く採用されている。屋根構造には多数の補強フレー
ム等が設けられていて、屋根構造はそれ自体で自重に耐
える自立した構造であるので、エア方式の屋根上昇技術
を適用できるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】平底型タンクの底板
は、タンク基礎上に設置され、その全面がタンク基礎で
支持される構造であるため、一般に底板には補強材等が
設けられておらず、自重に耐える剛性を有するものでは
ない。そのため、前記特公昭63−63704号公報や
特公昭63−63705号公報の技術により、底板を降
下させる場合には、底板に複数の補強材を溶接にて固定
する必要がある。
【0009】大型のタンクの場合、その補強材の総重量
は約120tonにもなり、その補強材の材料費と取付け費と
解体費が多額になる。しかも、それ以外に、前者の公報
の技術では、複数の油圧ジャッキ、ワイヤ、シーブ等が
必要であり、それらの機材費用と取付け費と解体費用が
多額になる。後者の公報の技術では、複数のシリンダ、
ワイヤ、シーブ、動滑車、シリンダ等が必要であり、そ
れらの機材費用と取付け費と解体費用が多額になる。
【0010】しかも、補強材を底板に溶接接合し、使用
後にそれら補強材の溶接部をガス溶断やグラインダーに
て分断して除去するので、低温用鋼材からなる底板の場
合には、底板の性能や品質に少なからぬ影響を及ぼすお
それがある。本発明の目的は、底板に補強材等を全く溶
接することなく、加圧エアを用いて仮設架台のレベルか
らタンク基礎まで簡単に安価に降下させることのできる
平底型タンクの底板降下方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の平底型タンク
の底板降下方法は、平底型タンクのタンク基礎上の仮設
架台の上に製作した底板をタンク基礎上に降下定着させ
る底板降下方法において、前記底板の外周側に構築され
た側板と底板間の隙間をシールするシール機構を設ける
第1工程と、前記シール機構によりシールされた底板と
側板とタンク基礎とで囲まれた空間に加圧エアを充填
し、底板を仮設架台から浮上させる第2工程と、前記底
板の下側の仮設架台を撤去する第3工程と、前記加圧エ
アを徐々に抜くことにより底板を降下させてタンク基礎
上に定着させる第4工程とを備えたことを特徴とするも
のである。
【0012】平底型タンクのタンク基礎上の仮設架台の
上に製作した底板をタンク基礎上に降下定着させる際に
は、最初に底板の外周側に構築された側板と底板間の隙
間をシールするシール機構を設け、次にシール機構でシ
ールされた底板と側板とタンク基礎とで囲まれた空間に
加圧エアを充填して底板を仮設架台から浮上させ、次に
底板の下側の仮設架台を撤去する。次に加圧エアを徐々
に抜くことにより底板を降下させてタンク基礎上に定着
させる。
【0013】尚、平底型タンクとは、平板状の底板を有
するタンクを意味し、側板は円筒形でもよく多角形でも
よく、1重殻タンクの場合、2重殻タンクの場合もあ
る、浮屋根型タンクでもよく、ドーム型屋根付きタンク
でもよい。また、本発明において仮設架台の上に製作さ
れる底板はアニュラープレートよりも内側のアニュラー
プレートを含まないものを意味する。
【0014】請求項2の平底型タンクの底板降下方法
は、請求項1の発明において、前記シール機構は、底板
の外周部から立ち上げられた筒体と、この筒体の上端部
に固定された環状フランジ部材と、この環状フランジ部
材の外周部下面側に上端がヒンジ結合されるとともに下
端が側板に当接し且つ周方向に環状に配置された複数の
シール板と、環状フランジ部材と複数のシール板とシー
ル板の付近の側板部分の内面に装着されたシール用膜体
とを含むことを特徴とするものである。
【0015】前記筒体の高さを作業者の身長程度に適切
に設定し、環状フランジ部材の幅を約1500 mm程度に
適切に設定すれば、底板の降下の際に、筒体の外側かつ
環状フランジ部材の下側に作業者が緊急避難可能な環状
のスペースを形成することができるので、作業の安全の
面で望ましい。環状フランジ部材とシール板間の隙間、
シール板同士間の隙間、シール板と側間の隙間をシール
用膜体で覆ってシールするため、加圧エアのリーク量を
少なくすることができる。複数のシール板は、上端が環
状フランジ部材の外周部下面側にヒンジ結合され且つ下
端が側板に当接しているため、加圧エアの充填状態にお
いても、シール板が外側へ逃げずに安定姿勢を保持す
る。
【0016】請求項3の平底型タンクの底板降下方法
は、請求項1又は2の発明において、前記第2工程にお
いて、底板の面外変形を抑制する為に底板の上面側に複
数のウェイトを載置した状態で底板を浮上させることを
特徴とするものである。側板と底板とタンク基礎との間
の空間に加圧エアを充填すると、底板は加圧エアで均等
に支持されるものの、外周部には筒体、環状フランジ及
びシール機構と側板との摩擦等による不均等荷重が作用
するため、底板の中央部が高くなる状態に面外変形する
ので、底板の上面側(特に、中央部側の部分)に複数の
ウェイトを載置した状態で底板を浮上させることで、底
板浮上時の面外変形を緩和することができる。
【0017】請求項4の平底型タンクの底板降下方法
は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記第
2工程よりも前に仮設架台に予め撤去用ワイヤを連結
し、第3工程においては底板の下側に作業者が入ること
なく撤去用ワイヤを介して仮設架台を撤去することを特
徴とするものである。このように、仮設架台に予め撤去
用ワイヤを連結しておき、第3工程において底板の下側
に作業者が入ることなく撤去用ワイヤを介して仮設架台
を撤去するので、浮上状態の底板の下側に作業者が入る
ことなく仮設架台を撤去できる。
【0018】請求項5の平底型タンクの底板降下方法
は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記仮
設架台を側板の外側へ撤去する為の撤去用ハッチ部を予
め形成しておき、第3工程においては仮設架台を撤去用
ハッチ部を介して撤去することを特徴とするものであ
る。仮設架台を側板の外側へ撤去する為の撤去用ハッチ
部は、複数の仮設架台を収容可能なボックス状の構造
で、気密構造の内側扉と外側扉とを有するものとするこ
とが望ましい。このように、撤去用ハッチ部を介して仮
設架台を側板の外側へ撤去するので、仮設架台を側板の
外側へ撤去する際の内部の加圧エアのリークを抑制し、
作業の安全性を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。本実施の形態は、平底型円
筒タンクを構築する方法の概略と、平底型円筒タンク
(以下、円筒タンクという)のタンク基礎上の仮設架台
の上に製作した底板をタンク基礎上に降下定着させる底
板降下方法についての説明を含むものである。
【0020】この円筒タンク1をタンク基礎2上に構築
する場合、図1に示すように、最初にタンク底板の外周
部を形成するアニュラープレート3を環状に製作する。
この場合、アニュラープレート3を構成する複数のアニ
ュラープレート用板材をタンク基礎2上に配置し、アニ
ュラープレート用板材とアニュラープレート用板材との
溶接接合部に溶接を施し、その溶接部を検査することで
アニュラープレート3を製作する。
【0021】次に、アニュラープレート3上に側板用板
材を円筒状に組み立て溶接接合部に溶接を施し、溶接部
を検査するのを順々に繰り返していくことで、円筒状の
側板4を徐々に上段方向へ延ばしていく。次に、円筒状
の側板4を所定高さ以上に構築した時点で、図1、図2
に示すように、側板4の下部の一個所に撤去用ハッチ部
5を設けるとともに、タンク基礎2の上面に多数の仮設
架台8を設置する。前記撤去用ハッチ部5は、側板4の
開口部に臨み側板4の外側へ突出するボックス状のもの
で、その外側面には、仮設架台8を出し入れ可能な気密
構造の1対の外側扉6があり、内部には仮設架台8を出
し入れ可能な気密構造の1対の内側扉7がある。
【0022】各仮設架台8は4本の脚柱8aの下端に夫
々キャスター輪8bを有し、約1.5〜1.8 m程度の高さ
のものであり、後述のように底板9を浮上させた状態
で、底板9の下側に作業者が入ることなく、多数の仮設
架台8を撤去用ハッチ部5に撤去できるように、図1に
示すように、多数の仮設架台8を撤去用ハッチ部5に向
かう複数列に配置し、各列の複数の仮設架台8を撤去用
ワイヤ8cで連結して各撤去用ワイヤ8cの端部を撤去
用ハッチ部5内に配置する。次に、図1に示すように側
板4の内側においてタンク基礎2上の複数の仮設架台8
上に底板9を製作する。仮設架台8上で底板9を製作す
るので、底板9の上下両側から溶接や検査を施すことが
可能となる。
【0023】この底板9の製作の際、図2に示すよう
に、最初に底板用板材9aを所定の配置パターンで配置
し、底板用板材9a同士間の溶接接合部9bに上下両側
から順に溶接を施して突き合わせ溶接継手を形成し、そ
の溶接部に非破壊検査を施す。これを順々に繰り返して
いって多数の仮設架台8の上に底板9を円形の平板状に
製作する。以上のように製作した底板9は、アニュラー
プレート3の内径よりも大径で、底板9の外周部には約
50mmの幅の重ね代部9cが形成されている。
【0024】次に、底板9を加圧エアを用いてタンク基
礎2上へ降下させる方法について説明する。第1工程に
おいて、図3、図4に示すようにシール機構10を設け
るとともに、工事用開閉蓋16を介して送風機17や高
さ調整用バルブ18を装着する。このシール機構10
は、底板9の外周部の重ね代部9cに溶接されて重ね代
部9cから立ち上げられた筒体11(高さ約1.5 m)
と、この筒体11の上端部に溶接にて固定された環状フ
ランジ部材12と、この環状フランジ部材12の外周部
下面側に上端がヒンジ13aによりヒンジ結合されると
ともに下端が側板4の内面に当接し且つ周方向に環状に
配置された複数のシール板13と、環状フランジ部材1
2と複数のシール板13とシール板13の付近の側板4
の部分の内面に装着されたシール用膜体14とを含むも
のである。
【0025】前記シール用膜体14の上端部は環状フラ
ンジ部材12の下面に押えリング15を介して固定さ
れ、シール用膜体14の下部は側板4の内面に密着状に
接触させてある。こうして、複数のシール板13の上端
と環状フランジ部材12の間の隙間と、シール板13同
士間の隙間と、複数のシール板13の下端と側板4間の
隙間とは、シール用膜体14でシールされる。図1、図
2に示すように、工事用開閉蓋16は、撤去用ハッチ部
5と反対側において側板4の下端付近部を開閉できるよ
うに設けられており、送風機17から延びた送風路19
を工事用開閉蓋16に貫通固定するとともに、底板9を
浮上状態にしたときに底板9の高さ位置を調節する為の
高さ調整用バルブ18を工事用開閉蓋16を貫通状に装
着する。
【0026】前記送風機17は例えば約100 mmAqの
吐出圧であれば十分であり、高さ調整用バルブ18は排
気量を調節しつつ加圧エアを排気可能なものである。更
に、加圧エアを用いて底板9を浮上させた場合における
底板9の面外変形を防止する為に、図2に示すように、
底板9の上面の中央部と、その付近の部分に例えば9個
のウェイト20,21,22を載置する。これらウェイ
ト20〜22の重量は、底板9の板厚や直径を加味し
て、浮上状態における面外変形を極力小さくするように
予め演算した値に設定するものとする。
【0027】更に、底板9を安定的に下降させる為の例
えば6組のバランス装置23を放射状に等間隔に設置す
る。図3、図4に示すように、各バランス装置23は、
1対のブラケット24と、2本のワイヤ25a,25b
と、複数のシーブ26とを有し、環状フランジ部材12
の一端側(図3の左端側)が上昇作動(下降作動)する
ときには、環状フランジ部材12の他端側(図3の右端
側)を上昇作動(下降作動)させる、つまり、底板9の
一端側と他端側とが同期して同方向へ昇降するようにバ
ランスさせるものである。
【0028】次に、第2工程において、撤去用ハッチ部
5の少なくとも外側扉6を閉じた状態において、送風機
17を作動させて、側板4と底板9とタンク基礎2との
間の作動空間27に加圧エアを充填し、底板9を仮設架
台8から僅かに浮上させる。この浮上の際、送風機17
から送風しつつ、高さ調整用バルブ18からの排気量を
調節することで、作動空間27内の加圧エアのエア量を
調節し、底板9を仮設架台8から例えば約10〜20c
m浮上させる。
【0029】次に、第3工程において、底板9を浮上状
態に保持したまま、底板9の下側の仮設架台8を撤去す
る。この場合、撤去用ハッチ部5内にいる作業者が各列
の仮設架台8に連結したワイヤ8cを引っ張ることによ
り、各列の仮設架台8を撤去用ハッチ部5内へ移動さ
せ、内側扉7の外側へ引き出してから1対の内側扉7を
閉じて外側扉6を開くことにより、作動空間25内の加
圧エアの流失を招くことなく各列の仮設架台8を撤去用
ハッチ部5の外部へ撤去し、その後外側扉6を閉じてか
ら内側扉7を開く。これを繰り返えすことで、全ての仮
設架台8を外部へ撤去する。
【0030】尚、加圧エアの圧力は低いため、作動空間
27に作業者が入ることは不可能ではないが、以上のよ
うに、底板9の下側へ作業者が入ることなく、ワイヤ8
cを介して仮設架台8を移動させることができる。しか
も、何らかの必要から作業者が底板9の下側の作動空間
27に入ったとしても、作動空間27の外周部には筒体
11の外側に位置する環状空間27aがあるため、万一
底板9の高さが急に減少するような事態が生じても、作
業者は十分な高さのある環状空間27aへ逃げることが
できる。
【0031】次に、第4工程において、送風機17を停
止させるか又は送風量を減らした状態、高さ調整バルブ
18から加圧エアを徐々に抜くことにより、6組のバラ
ンス装置23で底板9が傾斜しないようにバランスさせ
ながら底板9を降下させてタンク基礎2上に定着させ
る。このように、6組のバランス装置23で案内しなが
ら、底板9を降下させるため、図4に2点鎖線で図示の
ように底板9を所期の位置に正確に降下させることがで
きる。以上により、底板9の降下は完了する。
【0032】尚、底板9の降下後に、底板9の外周部の
重ね代部9cの部分を切断にて除去し、裏当材28が固
定されているアニュラープレート3の内周縁と底板9の
外周縁とを溶接接合し、溶接部に検査を施す。それと並
行して、シール機構10を解体撤去するとともに、撤去
用ハッチ部5を取外して側板4の部分を復旧する。
【0033】以上説明した底板降下方法の作用、効果に
ついて説明する。底板9を等分布エア圧で支持した状態
で降下させるので、底板9に補強材等を溶接する必要が
なく、補強材等を撤去する必要がないから、補強材等の
材料費、溶接費、解体費等の多額の費用を低減すること
ができる。しかも、底板9の重量を加圧エアで支持する
ため、底板9の重量を支持する為の機材(多数のワイ
ヤ、シーブ又は滑車、電動ウインチまたはシリンダ等
々)を用いる必要がなく、それらの機材の機材費や設置
費や解体費等を大幅に節減することができる。
【0034】しかも、底板9に補強材を溶接しないの
で、溶接による底板9への悪影響が生じることもない。
特に、低温用鋼材からなる底板の場合には、補強材を底
板に溶接することに伴う底板の性能や品質の低下を確実
に防止することができる。
【0035】シール機構10の筒体11の高さを作業者
の身長程度に適切に設定し、環状フランジ部材12の幅
を約1500mm程度に適切に設定するので、底板9の降下
の際に、筒体11の外側かつ環状フランジ部材12の下
側に作業者が緊急避難可能な環状空間27aを形成する
ことができるので、作業の安全の面で望ましい。環状フ
ランジ部材12とシール板13間の隙間、シール板13
同士間の隙間、シール板13と側板4間の隙間をシール
用膜体14で覆ってシールするため、加圧エアのリーク
量を僅少にすることができる。
【0036】複数のシール板13は、上端が環状フラン
ジ部材12の外周部下面側にヒンジ結合され且つ下端が
側板4に当接しているため、加圧エアの充填状態におい
ても、シール板13が外側へ逃げずに安定姿勢を保持す
る。底板9の面外変形を抑制する為に底板9の上面側に
複数のウェイト20〜22を載置した状態で底板9を浮
上(降下時の浮上も含む)させるので、底板9浮上時の
底板9の面外変形を非常に小さくし、底板9を平板状に
維持したまま降下させることができる。
【0037】仮設架台8に予め撤去用ワイヤ8cを連結
し、底板9の下側に作業者が入ることなく撤去用ワイヤ
8cと撤去用ハッチ部5とを介して仮設架台8を撤去す
るので、浮上状態の底板9の下側に作業者が入ることな
く仮設架台8を撤去でき、作業の安全性を高めることが
できる。仮設架台8を側板4の外側へ撤去する為の撤去
用ハッチ部5を予め形成しておき、仮設架台8を撤去用
ハッチ部5を介して撤去するので、仮設架台8を側板4
の外側へ撤去する際における内部の加圧エアのリークを
抑制し、作業の安全性を高めることができる。底板9の
降下の際に、複数のバランス装置23を用いて底板9が
傾斜しないようにバランスさせるので側板4に対する底
板9の相対位置関係を所定位置関係に保持して降下させ
ることができる。
【0038】次に、前記実施形態を部分的に変更する変
更例について説明する。 1)前記シール機構10を省略し、底板9の外周縁部と
側板4との間を環状のシール用膜体でシールする構成の
シール機構を適用してもよい。或いは、底板9の外周縁
部とアニュラープレート3の外周部上面との間を環状の
シール用膜体でシールする構成のシール機構を適用する
ことも可能である。この場合、アニュラープレート3も
シール機構の一部を構成している。 2)底板9の浮上と降下に用いる機材(仮設架台8を連
結すワイヤ8c、撤去用ハッチ部5、送風機17、高さ
調整用バルブ18等)は、底板9の浮上と降下を行う時
点までに準備すればよい。
【0039】3)ウェイト20〜22は一例に過ぎず、
環状の1又は複数のウェイトでもよく、放射状の一体的
なウェイトでもよく、ブロック状のウェイトに限らず小
塊状のウェイト、粒体状のウェイト、砂等の流動体から
なるウェイト、複数の容器に収容した水からなるウェイ
トでもよい。 4)前記バランス装置23は、6組に限らず6組以上設
置してもよい。 5)前記実施形態では、仮設架台8を撤去用ハッチ5へ
撤去する場合を例として説明したが、仮設架台8に連結
した撤去用ワイヤ8cを介して仮設架台8を環状フラン
ジ部材12の下側、つまりアニュラープレート3上へ撤
去してもよい。
【0040】6)タンク基礎2とアニュラープレート3
間の隙間から加圧エアがリークしやすいので、アニュラ
ープレート3の内周側部分とその内側のタンク基礎2の
部分とを覆う環状のシール用膜体を設置しておき、底板
9がタンク基礎2上に定着する直前にその環状のシール
用膜体を撤去するようにしてもよい。
【0041】7)前記平底型円筒タンクとは、平板状の
底板を有するタンクを意味し、側板は円筒形でもよく多
角形でもよく、1重殻タンクの場合、2重殻タンクの場
合もある、浮屋根型タンクでもよく、ドーム型屋根付き
タンクでもよい。また、本発明において仮設架台の上に
製作される底板はアニュラープレートよりも内側のアニ
ュラープレートを含まないものを意味する。また、前記
実施形態は、一例に過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において前記実施形態に種々の変更を付加した形態
で実施できることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、最初に側板
と底板間の隙間をシールするシール機構を設け、シール
機構でシールされた底板と側板とタンク基礎とで囲まれ
た空間に加圧エアを充填して底板を仮設架台から浮上さ
せて仮設架台を撤去し、加圧エアを徐々に抜くことで底
板を降下させてタンク基礎上に定着させるので、底板を
等分布エア圧で支持した状態で降下することができるか
ら、底板に補強材等を溶接する必要がなく、補強材等を
撤去する必要がないから、補強材等の材料費、溶接費、
解体費等の多額の費用を低減することができる。
【0043】底板の重量を加圧エアで支持するため、底
板の重量を支持する為の機材(多数のワイヤ、シーブ又
は滑車、電動ウインチまたはシリンダ等々)を用いる必
要がなく、機材費や設置解体費等を大幅に節減すること
ができる。しかも、底板に多数の補強材を溶接しないの
で、溶接による底板への悪影響が生じることもない。特
に、低温用鋼材からなる底板の場合には、補強材を底板
に溶接することに伴う底板の性能や品質の低下を確実に
防止することができる。
【0044】請求項2の発明によれば、筒体の高さを作
業者の身長程度に適切に設定し、環状フランジ部材の幅
を約1500mm程度に適切に設定すれば、底板の降下の際
に、筒体の外側かつ環状フランジ部材の下側に作業者が
緊急避難可能な環状のスペースを形成することができる
ので、作業の安全の面で望ましい。
【0045】環状フランジ部材とシール板間の隙間、シ
ール板同士間の隙間、シール板と側間の隙間をシール用
膜体で覆ってシールするため、加圧エアのリーク量を少
なくすることができる。複数のシール板は、上端が環状
フランジ部材の外周部下面側にヒンジ結合され且つ下端
が側板に当接しているため、加圧エアの充填状態におい
ても、シール板が外側へ逃げずに安定姿勢を保持する。
その他請求項1と同様の効果を奏する。
【0046】請求項3の発明によれば、底板の面外変形
を抑制する為に底板の上面側に複数のウェイトを載置し
た状態で底板を浮上させることで、底板浮上時の面外変
形を緩和することができる。その他請求項1又は2と同
様の効果を奏する。
【0047】請求項4の発明によれば、前記第2工程よ
りも前に仮設架台に予め撤去用ワイヤを連結し、第3工
程において底板の下側に作業者が入ることなく撤去用ワ
イヤを介して仮設架台を撤去するので、浮上状態の底板
の下側に作業者が入ることなく仮設架台を撤去でき、作
業の安全性を高めることができる。その他請求項1〜3
の何れか1項と同様の効果を奏する。
【0048】請求項5の発明によれば、仮設架台を側板
の外側へ撤去する為の撤去用ハッチ部を側板に予め形成
しておき、第3工程においては仮設架台を撤去用ハッチ
部を介して撤去するので、仮設架台を側板の外側へ撤去
する際における内部の加圧エアのリークを抑制し、作業
の安全性を高めることができる。その他請求項1〜4の
何れか1項と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る平底型タンクのアニュ
ラープレートと側板と撤去用ハッチ部と工事用開閉扉等
の平面図である。
【図2】前記側板と撤去用ハッチ部と工事用開閉扉とタ
ンク基礎上の多数の仮設架台上に製作した底板等の平面
図である。
【図3】前記タンク基礎と側板と底板と多数の仮設架台
等の縦断側面図である。
【図4】図4の要部拡大図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【符号の説明】
1 平底型円筒タンク 2 タンク基礎 3 アニュラープレート 4 側板 5 撤去用ハッチ部 8 仮設架台 8c ワイヤ 9 底板 10 シール機構 11 筒体 12 環状フランジ 13 シール板 14 シール用膜体 17 送風機 18 高さ調整バルブ 20,21,22 ウェイト
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月27日(1999.8.2
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 平底型タンクの底板降下方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、平底型タンクの
底板降下方法に関し、特に平底型タンクの底板を仮設架
台上に製作してから加圧エアで浮上させて仮設架台を撤
去し底板をタンク基礎上に降下させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、石油類(石油や灯油等)を貯蔵
する常温タンク、LPGやLNG等の低温液化ガスを貯
蔵する低温タンク、等の平底型タンクが広く適用されて
いる。平底型タンクには浮屋根式タンク、ドーム型屋根
式タンクもあり、側板が円筒型の円筒タンク以外に、側
板が多角形型の多角形タンクもある。
【0003】従来、平底型タンクを構築する場合、最初
に底板を製作し、その後底板の外周部のアニュラープレ
ート上に側板を構築していく。前記底板は、通常タンク
基礎上に底板の為の板材を配置するとともに溶接線の下
面側に裏当材を配置し、溶接線を上面側から溶接接合
し、その後溶接接合部に検査を施し、その後必要に応じ
て塗装等の必要な表面処理を施す。しかし、この方法で
は、裏面側の溶接部に塗装等の必要な表面処理を施すこ
とが不可能であった。そのため、底板の腐食が進行しや
すくなるという問題があった。
【0004】一方、LPGやLNG等の低温液化ガスを
貯蔵する平底型タンクの場合には、溶接接合部に対する
溶接品質の要求が非常に厳しいことから、タンク基礎上
に多数の仮設架台(高さ約1.5 〜1.8 m程度)を配置
し、それら仮設架台上に底板の為の板材を配置し、溶接
線に対して上下両側から順に溶接を施して突き合わせ継
手を形成する。こうして、底板の板材と板材の溶接接合
の品質を高め、継手効率を高めることができる。ここ
で、前記のように底板を多数の仮設架台の上に製作した
場合には、その底板をタンク基礎上へ降下させなければ
ならない。
【0005】特公昭63−63704号公報に記載の低
温タンクの内槽底板施工方法においては、底板を多数の
仮設架台上に製作後、底板の上面に放射状に複数の補強
材を取外し自在に固定し、各補強材に油圧ジャッキ等を
固定し、それら油圧ジャッキから延ばしたワイヤを夫々
側板の頂部に取りつけたシーブを介して補強材に固定
し、複数の油圧ジャッキにより底板を上昇させてから多
数の仮設架台を撤去し、その後底板をタンク基礎(底部
保冷材)上に降下させて定着する。
【0006】特公昭63−63705号公報に記載の円
筒タンクの底板昇降方法においては、低温タンクの底板
を多数の仮設架台上に製作後、屋根から多数のワイヤを
吊り下げて各グループのワイヤを底板側に設けた動滑車
とシリンダを介して底板側に連結し、それら複数のシリ
ンダと動滑車により底板を上昇させて多数の仮設架台を
撤去し、底板をタンク基礎(底部保冷材)上に降下させ
て定着する。
【0007】他方、従来より、タンクの屋根構造をタン
クの底部で製作してから、側板の上端まで上昇させる技
術が採用され、その1つとして、複数のワイヤ、シーブ
または滑車、電動ウインチまたはシリンダ等を用いるワ
イヤ方式の屋根上昇技術も公知であるが、最近では、加
圧エアにより屋根を浮上させるエア方式の屋根上昇技術
が広く採用されている。屋根構造には多数の補強フレー
ム等が設けられていて、屋根構造はそれ自体で自重に耐
える自立した構造であるので、エア方式の屋根上昇技術
を適用できるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】平底型タンクの底板
は、タンク基礎上に設置され、その全面がタンク基礎で
支持される構造であるため、一般に底板には補強材等が
設けられておらず、自重に耐える剛性を有するものでは
ない。そのため、前記特公昭63−63704号公報や
特公昭63−63705号公報の技術により、底板を降
下させる場合には、底板に複数の補強材を溶接にて固定
する必要がある。
【0009】大型のタンクの場合、その補強材の総重量
は約120tonにもなり、その補強材の材料費と取付け費と
解体費が多額になる。しかも、それ以外に、前者の公報
の技術では、複数の油圧ジャッキ、ワイヤ、シーブ等が
必要であり、それらの機材費用と取付け費と解体費用が
多額になる。後者の公報の技術では、複数のシリンダ、
ワイヤ、シーブ、動滑車、シリンダ等が必要であり、そ
れらの機材費用と取付け費と解体費用が多額になる。
【0010】しかも、補強材を底板に溶接接合し、使用
後にそれら補強材の溶接部をガス溶断やグラインダーに
て分断して除去するので、低温用鋼材からなる底板の場
合には、底板の性能や品質に少なからぬ影響を及ぼすお
それがある。本発明の目的は、底板に補強材等を全く溶
接することなく、加圧エアを用いて仮設架台のレベルか
らタンク基礎まで簡単に安価に降下させることのできる
平底型タンクの底板降下方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の平底型タンク
の底板降下方法は、平底型タンクのタンク基礎上の仮設
架台の上に製作した底板をタンク基礎上に降下定着させ
る底板降下方法において、前記底板の外周側に構築され
た側板と底板間の隙間をシールするシール機構であっ
て、底板の外周部から立ち上げられた筒体と、この筒体
の上端部に固定された環状フランジ部材と、この環状フ
ランジ部材の外周部下面側に上端がヒンジ結合されると
ともに下端が側板に当接し且つ周方向に環状に配置され
た複数のシール板と、環状フランジ部材と複数のシール
板とシール板の付近の側板部分の内面に装着されたシー
ル用膜体とを含むシール機構を設ける第1工程と、前記
シール機構によりシールされた底板と側板とタンク基礎
とで囲まれた空間に加圧エアを充填し、底板を仮設架台
から浮上させる第2工程と、前記底板の下側の仮設架台
を撤去する第3工程と、前記加圧エアを徐々に抜くこと
により底板を降下させてタンク基礎上に定着させる第4
工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】平底型タンクのタンク基礎上の仮設架台の
上に製作した底板をタンク基礎上に降下定着させる際に
は、最初に底板の外周側に構築された側板と底板間の隙
間をシールするシール機構を設け、次にシール機構でシ
ールされた底板と側板とタンク基礎とで囲まれた空間に
加圧エアを充填して底板を仮設架台から浮上させ、次に
底板の下側の仮設架台を撤去する。次に加圧エアを徐々
に抜くことにより底板を降下させてタンク基礎上に定着
させる。
【0013】尚、平底型タンクとは、平板状の底板を有
するタンクを意味し、側板は円筒形でもよく多角形でも
よく、1重殻タンクの場合、2重殻タンクの場合もあ
る、浮屋根型タンクでもよく、ドーム型屋根付きタンク
でもよい。また、本発明において仮設架台の上に製作さ
れる底板はアニュラープレートよりも内側のアニュラー
プレートを含まないものを意味する。
【0014】しかも、前記シール機構が前記のような構
成のものであるので、前記筒体の高さを作業者の身長程
度に適切に設定し、環状フランジ部材の幅を約1500 m
m程度に適切に設定すれば、底板の降下の際に、筒体の
外側かつ環状フランジ部材の下側に作業者が緊急避難可
能な環状のスペースを形成することができるので、作業
の安全の面で望ましい。環状フランジ部材とシール板間
の隙間、シール板同士間の隙間、シール板と側間の隙間
をシール用膜体で覆ってシールするため、加圧エアのリ
ーク量を少なくすることができる。複数のシール板は、
上端が環状フランジ部材の外周部下面側にヒンジ結合さ
れ且つ下端が側板に当接しているため、加圧エアの充填
状態においても、シール板が外側へ逃げずに安定姿勢を
保持する。
【0015】請求項の平底型タンクの底板降下方法
は、請求項1の発明において、前記第2工程において、
底板の面外変形を抑制する為に底板の上面側に複数のウ
ェイトを載置した状態で底板を浮上させることを特徴と
するものである。側板と底板とタンク基礎との間の空間
に加圧エアを充填すると、底板は加圧エアで均等に支持
されるものの、外周部には筒体、環状フランジ及びシー
ル機構と側板との摩擦等による不均等荷重が作用するた
め、底板の中央部が高くなる状態に面外変形するので、
底板の上面側(特に、中央部側の部分)に複数のウェイ
トを載置した状態で底板を浮上させることで、底板浮上
時の面外変形を緩和することができる。
【0016】請求項の平底型タンクの底板降下方法
は、請求項1又は2の発明において、前記第2工程より
も前に仮設架台に予め撤去用ワイヤを連結し、第3工程
においては底板の下側に作業者が入ることなく撤去用ワ
イヤを介して仮設架台を撤去することを特徴とするもの
である。このように、仮設架台に予め撤去用ワイヤを連
結しておき、第3工程において底板の下側に作業者が入
ることなく撤去用ワイヤを介して仮設架台を撤去するの
で、浮上状態の底板の下側に作業者が入ることなく仮設
架台を撤去できる。
【0017】請求項の平底型タンクの底板降下方法
は、請求項1〜の何れか1項の発明において、前記仮
設架台を側板の外側へ撤去する為の撤去用ハッチ部を予
め形成しておき、第3工程においては仮設架台を撤去用
ハッチ部を介して撤去することを特徴とするものであ
る。仮設架台を側板の外側へ撤去する為の撤去用ハッチ
部は、複数の仮設架台を収容可能なボックス状の構造
で、気密構造の内側扉と外側扉とを有するものとするこ
とが望ましい。このように、撤去用ハッチ部を介して仮
設架台を側板の外側へ撤去するので、仮設架台を側板の
外側へ撤去する際の内部の加圧エアのリークを抑制し、
作業の安全性を高めることができる。
【0018】請求項5の平底型タンクの底板降下方法
は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記1
工程において、底板の一端側と他端側とが同期して同方
向へ昇降するようにバランスさせる複数のバランス装置
を設けることを特徴とするものである。前記複数のバラ
ンス装置のバラスン作用を介して、底板の降下中に底板
が傾斜しないようにバランスさせながら降下させること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。本実施の形態は、平底型円
筒タンクを構築する方法の概略と、平底型円筒タンク
(以下、円筒タンクという)のタンク基礎上の仮設架台
の上に製作した底板をタンク基礎上に降下定着させる底
板降下方法についての説明を含むものである。
【0020】この円筒タンク1をタンク基礎2上に構築
する場合、図1に示すように、最初にタンク底板の外周
部を形成するアニュラープレート3を環状に製作する。
この場合、アニュラープレート3を構成する複数のアニ
ュラープレート用板材をタンク基礎2上に配置し、アニ
ュラープレート用板材とアニュラープレート用板材との
溶接接合部に溶接を施し、その溶接部を検査することで
アニュラープレート3を製作する。
【0021】次に、アニュラープレート3上に側板用板
材を円筒状に組み立て溶接接合部に溶接を施し、溶接部
を検査するのを順々に繰り返していくことで、円筒状の
側板4を徐々に上段方向へ延ばしていく。次に、円筒状
の側板4を所定高さ以上に構築した時点で、図1、図2
に示すように、側板4の下部の一個所に撤去用ハッチ部
5を設けるとともに、タンク基礎2の上面に多数の仮設
架台8を設置する。前記撤去用ハッチ部5は、側板4の
開口部に臨み側板4の外側へ突出するボックス状のもの
で、その外側面には、仮設架台8を出し入れ可能な気密
構造の1対の外側扉6があり、内部には仮設架台8を出
し入れ可能な気密構造の1対の内側扉7がある。
【0022】各仮設架台8は4本の脚柱8aの下端に夫
々キャスター輪8bを有し、約1.5〜1.8 m程度の高さ
のものであり、後述のように底板9を浮上させた状態
で、底板9の下側に作業者が入ることなく、多数の仮設
架台8を撤去用ハッチ部5に撤去できるように、図1に
示すように、多数の仮設架台8を撤去用ハッチ部5に向
かう複数列に配置し、各列の複数の仮設架台8を撤去用
ワイヤ8cで連結して各撤去用ワイヤ8cの端部を撤去
用ハッチ部5内に配置する。次に、図1に示すように側
板4の内側においてタンク基礎2上の複数の仮設架台8
上に底板9を製作する。仮設架台8上で底板9を製作す
るので、底板9の上下両側から溶接や検査を施すことが
可能となる。
【0023】この底板9の製作の際、図2に示すよう
に、最初に底板用板材9aを所定の配置パターンで配置
し、底板用板材9a同士間の溶接接合部9bに上下両側
から順に溶接を施して突き合わせ溶接継手を形成し、そ
の溶接部に非破壊検査を施す。これを順々に繰り返して
いって多数の仮設架台8の上に底板9を円形の平板状に
製作する。以上のように製作した底板9は、アニュラー
プレート3の内径よりも大径で、底板9の外周部には約
50mmの幅の重ね代部9cが形成されている。
【0024】次に、底板9を加圧エアを用いてタンク基
礎2上へ降下させる方法について説明する。第1工程に
おいて、図3、図4に示すようにシール機構10を設け
るとともに、工事用開閉蓋16を介して送風機17や高
さ調整用バルブ18を装着する。このシール機構10
は、底板9の外周部の重ね代部9cに溶接されて重ね代
部9cから立ち上げられた筒体11(高さ約1.5 m)
と、この筒体11の上端部に溶接にて固定された環状フ
ランジ部材12と、この環状フランジ部材12の外周部
下面側に上端がヒンジ13aによりヒンジ結合されると
ともに下端が側板4の内面に当接し且つ周方向に環状に
配置された複数のシール板13と、環状フランジ部材1
2と複数のシール板13とシール板13の付近の側板4
の部分の内面に装着されたシール用膜体14とを含むも
のである。
【0025】前記シール用膜体14の上端部は環状フラ
ンジ部材12の下面に押えリング15を介して固定さ
れ、シール用膜体14の下部は側板4の内面に密着状に
接触させてある。こうして、複数のシール板13の上端
と環状フランジ部材12の間の隙間と、シール板13同
士間の隙間と、複数のシール板13の下端と側板4間の
隙間とは、シール用膜体14でシールされる。図1、図
2に示すように、工事用開閉蓋16は、撤去用ハッチ部
5と反対側において側板4の下端付近部を開閉できるよ
うに設けられており、送風機17から延びた送風路19
を工事用開閉蓋16に貫通固定するとともに、底板9を
浮上状態にしたときに底板9の高さ位置を調節する為の
高さ調整用バルブ18を工事用開閉蓋16を貫通状に装
着する。
【0026】前記送風機17は例えば約100 mmAqの
吐出圧であれば十分であり、高さ調整用バルブ18は排
気量を調節しつつ加圧エアを排気可能なものである。更
に、加圧エアを用いて底板9を浮上させた場合における
底板9の面外変形を防止する為に、図2に示すように、
底板9の上面の中央部と、その付近の部分に例えば9個
のウェイト20,21,22を載置する。これらウェイ
ト20〜22の重量は、底板9の板厚や直径を加味し
て、浮上状態における面外変形を極力小さくするように
予め演算した値に設定するものとする。
【0027】更に、底板9を安定的に下降させる為の例
えば6組のバランス装置23を放射状に等間隔に設置す
る。図3、図4に示すように、各バランス装置23は、
1対のブラケット24と、2本のワイヤ25a,25b
と、複数のシーブ26とを有し、環状フランジ部材12
の一端側(図3の左端側)が上昇作動(下降作動)する
ときには、環状フランジ部材12の他端側(図3の右端
側)を上昇作動(下降作動)させる、つまり、底板9の
一端側と他端側とが同期して同方向へ昇降するようにバ
ランスさせるものである。
【0028】次に、第2工程において、撤去用ハッチ部
5の少なくとも外側扉6を閉じた状態において、送風機
17を作動させて、側板4と底板9とタンク基礎2との
間の作動空間27に加圧エアを充填し、底板9を仮設架
台8から僅かに浮上させる。この浮上の際、送風機17
から送風しつつ、高さ調整用バルブ18からの排気量を
調節することで、作動空間27内の加圧エアのエア量を
調節し、底板9を仮設架台8から例えば約10〜20c
m浮上させる。
【0029】次に、第3工程において、底板9を浮上状
態に保持したまま、底板9の下側の仮設架台8を撤去す
る。この場合、撤去用ハッチ部5内にいる作業者が各列
の仮設架台8に連結したワイヤ8cを引っ張ることによ
り、各列の仮設架台8を撤去用ハッチ部5内へ移動さ
せ、内側扉7の外側へ引き出してから1対の内側扉7を
閉じて外側扉6を開くことにより、作動空間25内の加
圧エアの流失を招くことなく各列の仮設架台8を撤去用
ハッチ部5の外部へ撤去し、その後外側扉6を閉じてか
ら内側扉7を開く。これを繰り返えすことで、全ての仮
設架台8を外部へ撤去する。
【0030】尚、加圧エアの圧力は低いため、作動空間
27に作業者が入ることは不可能ではないが、以上のよ
うに、底板9の下側へ作業者が入ることなく、ワイヤ8
cを介して仮設架台8を移動させることができる。しか
も、何らかの必要から作業者が底板9の下側の作動空間
27に入ったとしても、作動空間27の外周部には筒体
11の外側に位置する環状空間27aがあるため、万一
底板9の高さが急に減少するような事態が生じても、作
業者は十分な高さのある環状空間27aへ逃げることが
できる。
【0031】次に、第4工程において、送風機17を停
止させるか又は送風量を減らした状態、高さ調整バルブ
18から加圧エアを徐々に抜くことにより、6組のバラ
ンス装置23で底板9が傾斜しないようにバランスさせ
ながら底板9を降下させてタンク基礎2上に定着させ
る。このように、6組のバランス装置23で案内しなが
ら、底板9を降下させるため、図4に2点鎖線で図示の
ように底板9を所期の位置に正確に降下させることがで
きる。以上により、底板9の降下は完了する。
【0032】尚、底板9の降下後に、底板9の外周部の
重ね代部9cの部分を切断にて除去し、裏当材28が固
定されているアニュラープレート3の内周縁と底板9の
外周縁とを溶接接合し、溶接部に検査を施す。それと並
行して、シール機構10を解体撤去するとともに、撤去
用ハッチ部5を取外して側板4の部分を復旧する。
【0033】以上説明した底板降下方法の作用、効果に
ついて説明する。底板9を等分布エア圧で支持した状態
で降下させるので、底板9に補強材等を溶接する必要が
なく、補強材等を撤去する必要がないから、補強材等の
材料費、溶接費、解体費等の多額の費用を低減すること
ができる。しかも、底板9の重量を加圧エアで支持する
ため、底板9の重量を支持する為の機材(多数のワイ
ヤ、シーブ又は滑車、電動ウインチまたはシリンダ等
々)を用いる必要がなく、それらの機材の機材費や設置
費や解体費等を大幅に節減することができる。
【0034】しかも、底板9に補強材を溶接しないの
で、溶接による底板9への悪影響が生じることもない。
特に、低温用鋼材からなる底板の場合には、補強材を底
板に溶接することに伴う底板の性能や品質の低下を確実
に防止することができる。
【0035】シール機構10の筒体11の高さを作業者
の身長程度に適切に設定し、環状フランジ部材12の幅
を約1500mm程度に適切に設定するので、底板9の降下
の際に、筒体11の外側かつ環状フランジ部材12の下
側に作業者が緊急避難可能な環状空間27aを形成する
ことができるので、作業の安全の面で望ましい。環状フ
ランジ部材12とシール板13間の隙間、シール板13
同士間の隙間、シール板13と側板4間の隙間をシール
用膜体14で覆ってシールするため、加圧エアのリーク
量を僅少にすることができる。
【0036】複数のシール板13は、上端が環状フラン
ジ部材12の外周部下面側にヒンジ結合され且つ下端が
側板4に当接しているため、加圧エアの充填状態におい
ても、シール板13が外側へ逃げずに安定姿勢を保持す
る。底板9の面外変形を抑制する為に底板9の上面側に
複数のウェイト20〜22を載置した状態で底板9を浮
上(降下時の浮上も含む)させるので、底板9浮上時の
底板9の面外変形を非常に小さくし、底板9を平板状に
維持したまま降下させることができる。
【0037】仮設架台8に予め撤去用ワイヤ8cを連結
し、底板9の下側に作業者が入ることなく撤去用ワイヤ
8cと撤去用ハッチ部5とを介して仮設架台8を撤去す
るので、浮上状態の底板9の下側に作業者が入ることな
く仮設架台8を撤去でき、作業の安全性を高めることが
できる。仮設架台8を側板4の外側へ撤去する為の撤去
用ハッチ部5を予め形成しておき、仮設架台8を撤去用
ハッチ部5を介して撤去するので、仮設架台8を側板4
の外側へ撤去する際における内部の加圧エアのリークを
抑制し、作業の安全性を高めることができる。底板9の
降下の際に、複数のバランス装置23を用いて底板9が
傾斜しないようにバランスさせるので側板4に対する底
板9の相対位置関係を所定位置関係に保持して降下させ
ることができる。
【0038】次に、前記実施形態を部分的に変更する変
更例について説明する。 1)前記シール機構10を省略し、底板9の外周縁部と
側板4との間を環状のシール用膜体でシールする構成の
シール機構を適用してもよい。或いは、底板9の外周縁
部とアニュラープレート3の外周部上面との間を環状の
シール用膜体でシールする構成のシール機構を適用する
ことも可能である。この場合、アニュラープレート3も
シール機構の一部を構成している。 2)底板9の浮上と降下に用いる機材(仮設架台8を連
結すワイヤ8c、撤去用ハッチ部5、送風機17、高
さ調整用バルブ18等)は、底板9の浮上と降下を行う
時点までに準備すればよい。
【0039】3)ウェイト20〜22は一例に過ぎず、
環状の1又は複数のウェイトでもよく、放射状の一体的
なウェイトでもよく、ブロック状のウェイトに限らず小
塊状のウェイト、粒体状のウェイト、砂等の流動体から
なるウェイト、複数の容器に収容した水からなるウェイ
トでもよい。 4)前記バランス装置23は、6組に限らず6組以上設
置してもよい。 5)前記実施形態では、仮設架台8を撤去用ハッチ5へ
撤去する場合を例として説明したが、仮設架台8に連結
した撤去用ワイヤ8cを介して仮設架台8を環状フラン
ジ部材12の下側、つまりアニュラープレート3上へ撤
去してもよい。
【0040】6)タンク基礎2とアニュラープレート3
間の隙間から加圧エアがリークしやすいので、アニュラ
ープレート3の内周側部分とその内側のタンク基礎2の
部分とを覆う環状のシール用膜体を設置しておき、底板
9がタンク基礎2上に定着する直前にその環状のシール
用膜体を撤去するようにしてもよい。
【0041】7)前記平底型円筒タンクとは、平板状の
底板を有するタンクを意味し、側板は円筒形でもよく多
角形でもよく、1重殻タンクの場合、2重殻タンクの場
合もある、浮屋根型タンクでもよく、ドーム型屋根付き
タンクでもよい。また、本発明において仮設架台の上に
製作される底板はアニュラープレートよりも内側のアニ
ュラープレートを含まないものを意味する。また、前記
実施形態は、一例に過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において前記実施形態に種々の変更を付加した形態
で実施できることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、最初に側板
と底板間の隙間をシールするシール機構を設け、シール
機構でシールされた底板と側板とタンク基礎とで囲まれ
た空間に加圧エアを充填して底板を仮設架台から浮上さ
せて仮設架台を撤去し、加圧エアを徐々に抜くことで底
板を降下させてタンク基礎上に定着させるので、底板を
等分布エア圧で支持した状態で降下することができるか
ら、底板に補強材等を溶接する必要がなく、補強材等を
撤去する必要がないから、補強材等の材料費、溶接費、
解体費等の多額の費用を低減することができる。
【0043】底板の重量を加圧エアで支持するため、底
板の重量を支持する為の機材(多数のワイヤ、シーブ又
は滑車、電動ウインチまたはシリンダ等々)を用いる必
要がなく、機材費や設置解体費等を大幅に節減すること
ができる。しかも、底板に多数の補強材を溶接しないの
で、溶接による底板への悪影響が生じることもない。特
に、低温用鋼材からなる底板の場合には、補強材を底板
に溶接することに伴う底板の性能や品質の低下を確実に
防止することができる。
【0044】しかも、筒体の高さを作業者の身長程度に
適切に設定し、環状フランジ部材の幅を約1500mm程度
に適切に設定すれば、底板の降下の際に、筒体の外側か
つ環状フランジ部材の下側に作業者が緊急避難可能な環
状のスペースを形成することができるので、作業の安全
の面で望ましい。
【0045】環状フランジ部材とシール板間の隙間、シ
ール板同士間の隙間、シール板と側間の隙間をシール用
膜体で覆ってシールするため、加圧エアのリーク量を少
なくすることができる。複数のシール板は、上端が環状
フランジ部材の外周部下面側にヒンジ結合され且つ下端
が側板に当接しているため、加圧エアの充填状態におい
ても、シール板が外側へ逃げずに安定姿勢を保持する
【0046】請求項の発明によれば、底板の面外変形
を抑制する為に底板の上面側に複数のウェイトを載置し
た状態で底板を浮上させることで、底板浮上時の面外変
形を緩和することができる。その他請求項1と同様の効
果を奏する。
【0047】請求項の発明によれば、前記第2工程よ
りも前に仮設架台に予め撤去用ワイヤを連結し、第3工
程において底板の下側に作業者が入ることなく撤去用ワ
イヤを介して仮設架台を撤去するので、浮上状態の底板
の下側に作業者が入ることなく仮設架台を撤去でき、作
業の安全性を高めることができる。その他請求項1又は
と同様の効果を奏する。
【0048】請求項の発明によれば、仮設架台を側板
の外側へ撤去する為の撤去用ハッチ部を側板に予め形成
しておき、第3工程においては仮設架台を撤去用ハッチ
部を介して撤去するので、仮設架台を側板の外側へ撤去
する際における内部の加圧エアのリークを抑制し、作業
の安全性を高めることができる。その他請求項1〜
何れか1項と同様の効果を奏する。
【0049】請求項5の発明によれば、前記1工程にお
いて、底板の一端側と他端側とが同期して同方向へ昇降
するようにバランスさせる複数のバランス装置を設ける
ため、それら複数のバランス装置のバラスン作用を介し
て、底板の降下中に底板が傾斜しないようにバランスさ
せながら降下させることができる。その他請求項1〜4
の何れか1項と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る平底型タンクのアニュ
ラープレートと側板と撤去用ハッチ部と工事用開閉扉等
の平面図である。
【図2】前記側板と撤去用ハッチ部と工事用開閉扉とタ
ンク基礎上の多数の仮設架台上に製作した底板等の平面
図である。
【図3】前記タンク基礎と側板と底板と多数の仮設架台
等の縦断側面図である。
【図4】図4の要部拡大図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【符号の説明】 1 平底型円筒タンク 2 タンク基礎 3 アニュラープレート 4 側板 5 撤去用ハッチ部 8 仮設架台 8c ワイヤ 9 底板 10 シール機構 11 筒体 12 環状フランジ 13 シール板 14 シール用膜体 17 送風機 18 高さ調整バルブ 20,21,22 ウェイト23 バランス装置 24 ブラケット 25a,25b ワイヤ 26 シーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 朋代 兵庫県加古郡播磨町新島8番地 川崎重工 業株式会社播磨工場内 Fターム(参考) 2E174 AA01 BA01 CA03 CA06 CA11 CA23 CA42 DA14 DA17 DA24 DA32 DA58 DA62 EA02 EA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平底型タンクのタンク基礎上の仮設架台
    の上に製作した底板をタンク基礎上に降下定着させる底
    板降下方法において、 前記底板の外周側に構築された側板と底板間の隙間をシ
    ールするシール機構を設ける第1工程と、 前記シール機構でシールされた底板と側板とタンク基礎
    とで囲まれた空間に加圧エアを充填し、底板を仮設架台
    から浮上させる第2工程と、 前記底板の下側の仮設架台を撤去する第3工程と、 前記加圧エアを徐々に抜くことにより底板を降下させて
    タンク基礎上に定着させる第4工程と、 を備えたことを特徴とする平底型タンクの底板降下方
    法。
  2. 【請求項2】 前記シール機構は、底板の外周部から立
    ち上げられた筒体と、この筒体の上端部に固定された環
    状フランジ部材と、この環状フランジ部材の外周部下面
    側に上端がヒンジ結合されるとともに下端が側板に当接
    し且つ周方向に環状に配置された複数のシール板と、環
    状フランジ部材と複数のシール板とシール板の付近の側
    板部分の内面に装着されたシール用膜体とを含むことを
    特徴とする請求項1に記載の平底型タンクの底板降下方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第2工程において、底板の面外変形
    を抑制する為に底板の上面側に複数のウェイトを載置し
    た状態で底板を浮上させることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の平底型タンクの底板降下方法。
  4. 【請求項4】 前記第2工程よりも前に仮設架台に予め
    撤去用ワイヤを連結し、第3工程においては底板の下側
    に作業者が入ることなく撤去用ワイヤを介して仮設架台
    を撤去することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項
    に記載の平底型タンクの底板降下方法。
  5. 【請求項5】 前記仮設架台を側板の外側へ撤去する為
    の撤去用ハッチ部を予め形成しておき、第3工程におい
    ては仮設架台を撤去用ハッチ部を介して撤去することを
    特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の平底型タ
    ンクの底板降下方法。
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